JPH1128861A - インク受容体およびこれを用いた記録方法 - Google Patents

インク受容体およびこれを用いた記録方法

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JPH1128861A
JPH1128861A JP10122518A JP12251898A JPH1128861A JP H1128861 A JPH1128861 A JP H1128861A JP 10122518 A JP10122518 A JP 10122518A JP 12251898 A JP12251898 A JP 12251898A JP H1128861 A JPH1128861 A JP H1128861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクが速やかに定着し、かつ耐水性に優れ
た印刷物を得ることができ、特にインクジェット方式に
よる印刷に好適に使用されるインク受容体およびこれを
用いた記録方法を提供することである。 【解決手段】 インク受容体は、シート状の基材と、こ
の基材の少なくとも一方の面に設けたインク受容層とを
含み、前記インク受容層が少なくともカチオン性アクリ
ル系樹脂および造膜性を有するアクリル系樹脂を含有し
た。記録方法は、かかるインク受容体の、インク受容層
の表面に、アニオン系着色剤を含むインクにて記録を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体として用
いられるインク受容体およびこれを用いた記録方法に関
し、特にインクジェット方式による記録方法に好適に使
用されるインク受容体およびこれを用いた記録方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱転写、PPC、ペンプロッタ、
インクジェット等の記録媒体として、それぞれの印刷方
式に適したインク受容体が種々市販されている。最近で
は、特にインクジェット方式による印刷が急速に普及し
ていることから、インクジェット方式に適したインク受
容体の研究開発が行われている。
【0003】インクジェット記録に使用されるインク受
容体としては、通常、以下のような特性が必要条件とし
て求められる。
【0004】(a) インクの吸収容量が大きいこと (b) インクの吸収時間が早いこと (c) ドットの光学濃度が高く、ドット周辺がぼやけない
こと (d) ドット形状が真円に近く、その輪郭が凹凸状でない
こと このような要望を満たすために、特開平7−17129
号公報には、基材上に設けたインク受容層がポリビニル
アルコール、ポリアルキレンオキサイドおよび親水性ア
クリル樹脂を含有する記録媒体が開示されている。
【0005】特開平7−149040号公報には、イン
ク受容層がポリビニルピロリドンおよび塩基性の(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体を含有する記録用紙が
開示されている。
【0006】特開平7−257023号公報には、水溶
性ビニル系ポリマー、(メタ)アクリル系ポリマーおよ
び水溶性セルロースを含有するインクジェット用記録シ
ートが開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】近時、インクジェット
記録装置は広く普及し、インクジェット記録装置を用い
てカラー画像を印刷することも一般的になってきた。フ
ォトタイプのインクジェット記録装置(例えばエプソン
社製のPM−700C等)も普及しているが、このタイ
プでは、6色のインクによるカラー印刷が行われるた
め、印刷時に色の異なるインク同士がインク受容体の表
面で混ざり合うのを防止するために、インク、特にイン
ク中の着色剤がインク受容体の表面に早く定着する必要
がある。
【0008】また、インクジェット記録装置が一般オフ
ィスや家庭等に広く普及するに伴い、例えば誤って印刷
用紙の上にお茶や水をこぼした場合でも印刷物(印字
物)が滲んだりしないように、印刷物に高い耐水性が要
求されるようになってきた。
【0009】しかしながら、前記したような従来のイン
ク受容体では、インクに含まれる着色剤を短時間に定着
させることができず、また耐水性も充分ではなかったた
めに、水がかかると容易に印刷物が滲んでしまうといっ
た欠点があった。
【0010】本発明の主たる目的は、インクが速やかに
定着し、かつ耐水性に優れた印刷物を得ることができる
インク受容体を提供することである。
【0011】本発明の他の目的は、特にインクジェット
方式の印刷に好適に使用されるインク受容体を提供する
ことである。
【0012】本発明のさらに他の目的は、かかるインク
受容体を用いた記録方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明のインク受容体は、シート状の基材と、この基
材の少なくとも一方の面に設けたインク受容層とを含
み、前記インク受容層が少なくともカチオン性アクリル
系樹脂および造膜性を有するアクリル系樹脂を含有する
ことを特徴とする。
【0014】一般に、インクジェット方式等の各種印刷
に使用されるインクには、アニオン系着色剤が使用され
ている。従って、インク受容層にカチオン性アクリル系
樹脂を含有させることにより、アニオン系着色剤がカチ
オン性アクリル系樹脂に結合するため、インクの耐水性
が向上し、たとえ水がかかっても、容易に着色剤が滲ん
で周囲に広がるのを防止することができる。
【0015】また、アニオン系着色剤はカチオン性アク
リル系樹脂と容易に結合するため、着色剤が印刷と殆ど
同時にインク受容層に定着される。そのため、インクの
インク受容層への吸収に伴って着色剤がドットの周囲に
広がるのも防止され、その結果ドットの光学濃度が高
く、かつドット周辺がぼやけず、しかもドット形状が真
円に近くその輪郭が凹凸状になっていない印刷物が得ら
れる。
【0016】前記カチオン性アクリル系樹脂は、それ自
体では膜の耐久性や接着性に劣るおそれがあるため、造
膜性を有するアクリル系樹脂がインク受容層にカチオン
性アクリル系樹脂と共に含有される。この場合、カチオ
ン性アクリル系樹脂と造膜性を有するアクリル系樹脂と
は同じアクリル系樹脂であるので、相溶性にも優れてい
るため、均一なインク受容層を容易に形成することがで
きる。
【0017】造膜性を有するアクリル系樹脂としては、
自己架橋型のアクリル系樹脂があげられる。
【0018】前記したように、本発明のインク受容体
は、特にアニオン系着色剤を含むインクとの関係で使用
されるものである。従って、本発明の記録方法は、前記
した本発明のインク受容体が有するインク受容層の表面
に、アニオン系着色剤を含むインクにて記録を行うこと
を特徴とする。
【0019】特に、本発明のインク受容体は、アニオン
系着色剤を含むインクをインクジェット記録ヘッドのオ
リフィスからインク受容層の表面に吐出させて記録を行
うインクジェット方式の記録方法に好適に使用される。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明におけるインク受容層は、
カチオン性アクリル系樹脂および造膜性を有するアクリ
ル系樹脂とを含む。
【0021】カチオン性アクリル系樹脂としては、カチ
オン性基を有するモノマーを用いたアクリル系の単独重
合体または共重合体が挙げられる。カチオン性基を有す
るモノマーとしては、例えばジメチルアミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエ
チルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチル
メタクリレート、メチルエチルアミノメチルアクリレー
ト、メチルエチルアミノエチルメタクリレート、ジエチ
ルアミノスチレン、メチルエチルアミノスチレン、さら
にそれらの4級アンモニウム塩等が挙げられる。
【0022】カチオン性基を有しないモノマーとして
は、例えばC1 〜C6 アルキルアクリレート、C1 〜C
6 アルキルメタクリレート、スチレンなどから適宜選択
することができる。また、インク受容層の吸収性を高め
るために、ヒドロキシ基を有するモノマーを使用しても
よい。
【0023】また、カチオン性基を有する他のモノマー
として、通常のアクリル系またはメタクリル系モノマー
と共重合可能で、側鎖に1〜3級アミノ基あるいは4級
アンモニウム塩基を有するモノマーも使用可能である。
【0024】本発明において使用される造膜性を有する
アクリル系樹脂としては、インク受容層の膜安定性およ
び耐水性を高めるものが好ましく、例えばポリアクリル
アミド、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタク
リレート、ポリメチルアクリレート、ポリブチルアクリ
レート、ポリスチレン−2−アクリロニトリル、アクリ
ロニトリル−酢酸ビニル共重合体、アクリロニトリル−
塩化ビニル共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重
合体、アクリロニトリル−塩化ビニリデン共重合体、ア
クリロニトリル−ビニルピリジン共重合体、アクリロニ
トリル−メタクリル酸メチル共重合体、アクリロニトリ
ル−アクリル酸ブチル共重合体等が挙げられる。また、
造膜性を有する他のアクリル系樹脂として、アクリル酸
エステルまたはメタクリル酸エステルのモノマーないし
オリゴマーを、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬
化性樹脂と反応させることにより得られる熱硬化性アク
リル樹脂も好適に使用することができる。
【0025】特に本発明においては、インク受容層の膜
安定性および柔軟性を確保するうえで、造膜性を有する
アクリル系樹脂として、自己架橋型のアクリル系樹脂が
好適に使用される。自己架橋型のアクリル系樹脂とは、
そのポリマー中またはその末端に自己架橋性の反応基を
有するものであって、例えば日本NSC社製のヨドゾー
ルA−4100等が挙げられる。
【0026】インク受容層を構成するカチオン性アクリ
ル系樹脂と造膜性を有するアクリル系樹脂との割合は、
重量比で7:3〜2:8、好ましくは5:5〜3:7程
度であるのがよい。
【0027】インク受容層に含有させてもよい他の成分
としては、充填剤が挙げられる。かかる充填剤として
は、例えばシリカ、アルミナ、珪酸アルミニウム、珪酸
マグネシウム、塩基性炭酸マグネシウム、タルク、クレ
イ、ハイドロサルファイト、炭酸カルシウム、酸化チタ
ン、酸化亜鉛等の無機系充填剤、ポリエチレン、ポリス
チレン、ポリアクリレート等の有機系充填剤を使用する
ことができる。
【0028】かかる充填剤はインク受容層の総量に対し
て50〜80重量%、好ましくは60〜75重量%の割
合で添加することができる。
【0029】さらに、必要に応じて、各種界面活性剤、
着色剤固定剤(耐水化剤)、消泡剤、酸化防止剤、蛍光
漂白剤、紫外線吸収剤、分散剤、粘度調整剤、pH調整
剤、可塑剤等を添加してもよい。
【0030】また、本発明における基材としては、例え
ば上質紙、中質紙、アート紙、ボンド紙、再生紙、パラ
イタ紙、キャストコート紙、段ボール紙、コンデンサー
紙、グラシン紙等の紙類;ポリスルフォンフィルム、ポ
リスチレンフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミド
フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリプロピレン
フィルム、セロファン、ポリエステルフィルム(例えば
ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム、トリアセテートフィルム等の
合成樹脂フィルム;この合成樹脂フィルムと同様な合成
樹脂材料からなるプラスチックボード;ガラス板;木
綿、レーヨン、アクリル、ナイロン、絹、ポリエステル
等の各種繊維から作られる布等が挙げられる。
【0031】本発明のインク受容体は、カチオン性アク
リル系樹脂および造膜性を有するアクリル系樹脂を含有
したコーティング液を基材上に塗布し、乾燥させること
により製造することができる。
【0032】コーティング液を調製するには、例えば前
記カチオン性アクリル系樹脂および造膜性を有するアク
リル系樹脂の各所定量を、充填剤等の他の添加剤と共に
溶剤に加え、均一になるように攪拌する。溶剤として
は、例えば水のほか、メタノール、エタノール、ブタノ
ールなどの低級アルコールなどが使用可能であり、特に
取り扱いの容易さから水単独または水と低級アルコール
との混合溶剤を使用するのが好ましい。
【0033】コーティング液を基材上に塗布するには、
各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコー
タ、バーコータ、ロッドコータ、ゲートロールコータ、
カーテンコータ、ショートドウェルコータ、グラビアコ
ータ、フレキソグラビアコータ、サイズプレス等の各種
装置がいずれも使用可能である。
【0034】乾燥は、例えば熱風乾燥機、熱ドラム等を
用いて強制乾燥するか、あるいは自然乾燥を行ってもよ
い。
【0035】乾燥後、得られたインク受容体の表面の平
滑度または表面強度を高めるために、必要に応じて、マ
シンカレンダー、TGカレンダー、スーパーカレンダ
ー、ソフトカレンダー等によりカレンダー処理ないしス
ーパーカレンダー処理を行ってもよい。
【0036】前記インク受容層を形成するためのコーテ
ィング液の基材への塗布量は、固形分換算で0.1g/
2 以上、好ましくは0.1〜70g/m2 、より好ま
しくは3〜25g/m2 である。塗布量が前記範囲より
少ないときは、定着性および耐水性に優れたインク受容
体を得ることができない。一方、塗布量が前記範囲を超
えるときは、インク受容体にカールが著しく生じやすく
なり、取り扱い性に劣るようになる。なお、インク受容
層の乾燥後の厚さは5〜50μm、好ましくは10〜2
5μmであるのが適当である。
【0037】次に、本発明のインク受容体を用いた記録
方法を説明する。この記録方法は、本発明のインク受容
体が有するインク受容層の表面に、アニオン系着色剤を
含むインクにて記録を行うものである。
【0038】かかる記録方法は、熱転写、PPC、ペン
プロッタ、インクジェット等の種々の印刷手段に適用可
能である。
【0039】とりわけ、本発明のインク受容体は、前記
した(a) 〜(d) の必要条件を充足することが求められる
インクジェット方式の記録方法に使用するのに最適であ
る。すなわち、この記録方法では、前記インク受容体が
有するインク受容層の表面に、アニオン系着色剤を含む
インクをインクジェット記録ヘッドのオリフィスから吐
出させて記録を行う。
【0040】本発明の記録方法で使用可能なインクは、
アニオン系着色剤を水または水と水溶性有機溶剤に混合
して得られる。
【0041】アニオン系着色剤としては、例えばニグロ
シン、C.I.ソルベントブラック3、C.I.ソルベ
ントブラック5、C.I.ソルベントブラック7、C.
I.ソルベントブラック22、C.I.ソルベントブラ
ック23等のブラック染料;C.I.ソルベントイエロ
ー2、C.I.ソルベントイエロー6、C.I.ソルベ
ントイエロー14、C.I.ソルベントイエロー15、
C.I.ソルベントイエロー19、C.I.ソルベント
イエロー21、C.I.ソルベントイエロー80等のイ
エロー染料;C.I.ソルベントレッド3、C.I.ソ
ルベントレッド8、C.I.ソルベントレッド24、
C.I.ソルベントレッド25、C.I.ソルベントレ
ッド49、C.I.ソルベントレッド81、C.I.ソ
ルベントレッド82、C.I.ソルベントレッド83、
C.I.ソルベントレッド84、C.I.ソルベントレ
ッド109、C.I.ソルベントレッド121等のマゼ
ンダ染料;C.I.ソルベントブルー11、C.I.ソ
ルベントブルー12、C.I.ソルベントブルー25、
C.I.ソルベントブルー36、C.I.ソルベントブ
ルー55、C.I.ソルベントブルー73等のシアン染
料等があげられる。
【0042】着色剤の添加量は、インク総量に対して1
〜30重量%、好ましくは3〜12重量%である。
【0043】着色剤を溶解させる溶剤としては、水、好
ましくは超純水が使用される。また、水は単独で使用す
るほか、水溶性有機溶剤と混合して使用してもよい。こ
のような水溶性有機溶剤としては、例えばメチルアルコ
ール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イ
ソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec
−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イ
ソブチルアルコール、n−ペタンタノール等の炭素数1
〜5のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミド、
ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセ
トンアルコール等のケトン又はケトンアルコール類;ジ
オキサン等のエーテル類;ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチ
レングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6
−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレン
グリール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2
〜6個の炭素原子を含むアルキルレングリコール類;グ
リセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エ
チレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリ
コールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエ
ーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類;トリエチ
レングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコ
ールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメ
チルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエー
テル等の多価アルコールの低級ジアルキルエーテル類;
スルホラン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジ
メチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。
【0044】インク中における上記のような水溶性有機
溶剤の含有量は、一般的にはインク総量の0〜80重量
%、好ましくは2〜80重量%、より好ましくは3〜7
0重量%、なかんづく4〜60重量%である。本発明の
インクにおいて、好適な液媒体として使用される水の含
有量は、一般的にインク総量の10重量%以上、好まし
くは10〜97.5重量%,より好ましくは35〜9
7.5重量%、なかんづく45〜97.5重量%であ
る。インク中における水溶性有機溶剤の量が80重量%
を超えたり、あるいはインク中の水の量が10重量%未
満になると、形成された記録画像中に低揮発性の有機溶
剤が多く残り、画像の滲み等の問題が発生するおそれが
ある。
【0045】本発明で使用されるインクには、前記した
成分の他に、必要に応じて、pH調整剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、結着剤、湿潤剤、防カビ剤等を適宜含
有させることができる。pH調整剤としては、例えばジ
エタノールアミン、トリエタノールアミン等の各種の有
機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸
化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等による無機ア
ルカリ剤等が挙げられる。
【0046】インクのpHは6.0〜10.0、好まし
くは7〜9であるのが、発熱ヘッドや他の金属部品の腐
食を防止し、かつ着色剤や他の添加剤の安定性を高めそ
れらの沈澱を防止するうえで適当である。
【0047】また、インクの粘度は、R型粘度計で測定
される25℃における粘度が1〜20mP・s、好まし
くは1〜15mP・s、より好ましくは1〜5mP・s
であり、表面張力が20dyn/cm以上、好ましくは
20〜65dyn/cm、より好ましくは30〜65d
yn/cmである。また、インクの密度は約1g/cm
3 またはその付近にあるのがよい。
【0048】本発明の記録方法は、印字記録時のみにノ
ズルからインクを吐出させる形式のオン・ディマンド型
のインクジェット記録方式に好適に適用することができ
る。オン・ディマンド型のインクジェット記録方式は、
ピエゾ素子を用いるいわゆるピエゾ方式(圧電素子方
式)とサーマルジェット方式(バブルジェット方式)と
に分類されるが、本発明はいずれにも適用可能である。
【0049】サーマルジェット方式では、インクをノズ
ル内に満たし、発熱ヘッドの表面を瞬間的に加熱してノ
ズル内に気泡を形成させ、その圧力でインクの液滴をノ
ズルから吐出させて、記録紙上に記録を行う。
【0050】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明
する。
【0051】実施例1 135g/m2 の上質紙の片面に、下記組成のコーティ
ング液を、バーコータを用いて、乾燥後の厚さが8〜2
0μmとなるように塗布した(塗布量:5〜20g/m
2 )。これを自然乾燥させて、片面にインク受容層を有
するインク受容体を得た。
【0052】 <組成> <重量部> 自己架橋型のアクリル共重合樹脂エマルジョン 6.7 (日本NSC社製のヨドゾールA−4100、固形分60%) カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 7.5 (中央理化工業社製のリカボンドGL−F9675、固形分40%) 合成シリカ 7 (富士シリシア社製のサイリシア350) 純水 52.8 メタノール 26 形成されたインク受容層における、カチオン性アクリル
系樹脂と、造膜性を有する(自己架橋型の)アクリル系
樹脂との割合は、重量比でおよそ5.7:4.3であ
り、また充填剤としての合成シリカの、インク受容層の
総量に対する含有割合は、50重量%であった。
【0053】比較例1 コーティング液として、下記組成のものを用いたほかは
実施例1と同様にしてインク受容体を得た。
【0054】 <組成> <重量部> ポリビニルアルコール 4 (信越化学社製のSMR−10H) カチオン性のアクリル酸エステル共重合樹脂エマルジョン 7.5 (中央理化工業社製のリカボンドGL−F9675、固形分40%) 合成シリカ 7 (富士シリシア社製のサイリシア350) 純水 55.5 メタノール 26 印刷 実施例1および比較例1で得られた各インク受容体の表
面に、サーマルジェット方式のインクジェットプリンタ
(キャノン社製のBJC420J)を用いて印刷を行っ
た。使用したインクは、着色剤であるアニオン性染料
(スペシャルブラック7984、バイエル社製)を超純
水に溶解させ、染料濃度が3重量%になるように調整し
たものである。
【0055】評価試験 実施例1および比較例1の各インク受容体に記録された
印字物について、下記の評価を行った。 (1) 定着性 印刷から10秒経過した後の印字を上質紙で擦った際
に、上質紙にインクがにじんで汚れた度合いを目視にて
確認して、下記の基準で定着性を評価した。
【0056】○:まったくにじみがなく、定着性きわめ
て良好。
【0057】△:上質紙の表面にわずかににじみが認め
られたが、定着性良好。
【0058】×:上質紙の表面に大きなにじみが見ら
れ、定着性不良。 (2) 印字品位 印字を目視にて確認して、下記の基準で印字品位を評価
した。
【0059】○:鮮明な印字が得られ、印字品位きわめ
て良好。
【0060】△:印字に、わずかに不鮮明な部分があっ
たが印字品位良好。
【0061】×:印字が不鮮明であり、印字品位不良。 (3) 耐水性 印刷から10秒経過したインク受容体を水中に浸漬し、
インクが流れるか否かを確認して、下記の基準で耐水性
を評価した。
【0062】○:インクは全く流れず、耐水性きわめて
良好。
【0063】△:インクが少し流れ、印字にわずかなに
じみが認められたが耐水性良好。
【0064】×:インクが流れて印字が判読できなくな
り、耐水性不良。 (4) 耐擦過性 印刷から10秒経過したインク受容体の印刷した表面
を、水を含ませた綿棒で20回擦り、その後の状態を目
視にて確認して、下記の基準で耐擦過性を評価した。
【0065】○:インクの散りは認められず、耐擦過性
きわめて良好。
【0066】△:インクが少し散って、印字にわずかな
にじみが認められたが、耐擦過性良好。
【0067】×:インクが散って印字が判読できなくな
り、耐擦過性不良。
【0068】これらの試験結果を表1に示す。
【0069】
【表1】 表1から、実施例1のインク受容体は、速やかに定着
し、印字品位、耐水性、耐擦過性に優れた印刷物を得る
ことができることが判った。
【0070】実施例2〜7 コーティング液を構成する各成分のうち、自己架橋型の
アクリル共重合樹脂エマルジョン、カチオン性のアクリ
ル酸エステル共重合樹脂エマルジョン、および合成シリ
カの3成分を、表2、3に示す重量部で配合し、ついで
この3成分の配合物のうちの一部、固形分量で表して1
4重量部分に対して、純水およびメタノールの2成分
を、表2、3に示す重量部で配合したこと以外は実施例
1と同様にして、片面にインク受容層を有するインク受
容体を得た。
【0071】形成されたインク受容層における、カチオ
ン性アクリル系樹脂と、造膜性を有する(自己架橋型
の)アクリル系樹脂との割合(重量比)、および充填剤
としての合成シリカの、インク受容層の総量に対する含
有割合は、表2、3に示す値である。
【0072】上記各実施例のインク受容体に、前記と同
様にして印刷後、前記の各試験を行って、その特性を評
価した。結果を表2、3に示す。
【0073】
【表2】
【0074】
【表3】 両表から、インク受容層における、カチオン性アクリル
系樹脂と、造膜性を有する(自己架橋型の)アクリル系
樹脂との割合は、重量比で7:3〜2:8であるのが好
ましいことが判明した。
【0075】実施例8〜15 コーティング液を構成する各成分のうち、自己架橋型の
アクリル共重合樹脂エマルジョン、カチオン性のアクリ
ル酸エステル共重合樹脂エマルジョン、および合成シリ
カの3成分を、表4、5に示す重量部で配合し、ついで
この3成分の配合物のうちの一部、固形分量で表して1
4重量部分に対して、純水およびメタノールの2成分
を、表4、5に示す重量部で配合したこと以外は実施例
1と同様にして、片面にインク受容層を有するインク受
容体を得た。
【0076】形成されたインク受容層における、カチオ
ン性アクリル系樹脂と、造膜性を有する(自己架橋型
の)アクリル系樹脂との割合(重量比)、および充填剤
としての合成シリカの、インク受容層の総量に対する含
有割合は、表4、5に示す値である。
【0077】上記各実施例のインク受容体に、前記と同
様にして印刷後、前記の各試験を行って、その特性を評
価した。結果を表4、5に示す。
【0078】
【表4】
【0079】
【表5】 両表から、インク受容層における、充填剤としての合成
シリカの、インク受容層の総量に対する含有割合は、5
0〜80重量%であるのが好ましく、とくに60〜75
重量%であるのが好ましいことが判明した。
【0080】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、インク受
容層が、少なくともカチオン性アクリル系樹脂および造
膜性を有するアクリル系樹脂を含有しているため、イン
クの耐水性が向上し、またインクの定着速度が速く、印
刷物の光学濃度も高いという効果がある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 19/20 D21H 1/34 D 27/00 5/00 Z

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シート状の基材と、この基材の少なくとも
    一方の面に設けたインク受容層とを含み、前記インク受
    容層が、少なくともカチオン性アクリル系樹脂、および
    造膜性を有するアクリル系樹脂を含有することを特徴と
    するインク受容体。
  2. 【請求項2】前記造膜性を有するアクリル系樹脂が、自
    己架橋型のアクリル系樹脂である請求項1記載のインク
    受容体。
  3. 【請求項3】前記インク受容層が、カチオン性アクリル
    系樹脂と、造膜性を有するアクリル系樹脂とを、重量比
    で7:3〜2:8の範囲で含有している請求項1記載の
    インク受容体。
  4. 【請求項4】前記インク受容層の厚みが5〜50μmの
    範囲内である請求項1記載のインク受容体。
  5. 【請求項5】前記インク受容層が、充填剤を含有してい
    る請求項1記載のインク受容体。
  6. 【請求項6】前記充填剤がシリカである請求項5記載の
    インク受容体。
  7. 【請求項7】前記インク受容層が、充填剤を、インク受
    容層の総量に対して50〜80重量%の範囲で含有して
    いる請求項5記載のインク受容体。
  8. 【請求項8】請求項1記載のインク受容体の、インク受
    容層の表面に、アニオン系着色剤を含むインクにて記録
    を行うことを特徴とする記録方法。
  9. 【請求項9】請求項1記載のインク受容体の、インク受
    容層の表面に、アニオン系着色剤を含むインクを、イン
    クジェット記録ヘッドのオリフィスから吐出させて記録
    を行うことを特徴とするインクジェット方式の記録方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016210015A (ja) * 2015-04-30 2016-12-15 理想科学工業株式会社 加飾された調湿基材の製造方法
JP2017007149A (ja) * 2015-06-18 2017-01-12 株式会社Screenホールディングス インク受容層用組成物、インクジェット用記録媒体及びインクジェット用インク組成物

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