JPH11286391A - 作業車のジャッキ支持力検出装置 - Google Patents

作業車のジャッキ支持力検出装置

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JPH11286391A
JPH11286391A JP8538798A JP8538798A JPH11286391A JP H11286391 A JPH11286391 A JP H11286391A JP 8538798 A JP8538798 A JP 8538798A JP 8538798 A JP8538798 A JP 8538798A JP H11286391 A JPH11286391 A JP H11286391A
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jack
pressure
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cylinder
detecting
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JP8538798A
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English (en)
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Akihiko Ohira
彰彦 大平
Takaaki Oba
孝明 大葉
Susumu Ogawa
進 小川
Yoshikimi Okayasu
良王 岡安
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Aichi Corp
Original Assignee
Aichi Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャッキの張り出し時に車体をぐらつかせる
ことなく、各ジャッキが確実に張り出していることを検
出する、メインテナンスの容易なジャッキ支持力検出装
置を得る。 【解決手段】 ジャッキ18の油圧配管ポート32a,
32bと、シリンダからの油圧の漏れを防止する逆止弁
24a,24bとの間に圧力検出器22,23を設け、
この圧力をコントローラ33に出力する。コントローラ
33はこの圧力から各ジャッキ18の支持力を算出し、
表示器34に表示するとともに、その支持荷重が予め設
定された許容範囲内にないときには、警報手段により警
報を発生する。このため作業者は各ジャッキが確実に接
地し、車体の荷重を均等に支持していることを容易に確
認でき、安全に作業ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体上に作業装置を有
し、車体を安定支持するためのジャッキを備えた作業車
に関し、さらには作業装置のジャッキの張り忘れを防止
するために設けられるジャッキの接地検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車体上に作業装置を備えた作業車として
は、例えばクレーン車や、車体上に伸縮(屈伸)、起伏
作動自在なブームが枢支された高所作業車などがある。
このうち高所作業車では、ブームを操作して例えば先端
部に設けた作業台を所望の位置に移動させ、高所作業を
行うことができる。一方このようなブーム操作により、
車両の重心が移動して車両が不安定になることがある。
そこで、前記作業車には、作業時に車体を支持して車両
を安定させるためのジャッキが備えられている。
【0003】そして、ジャッキを張り忘れてブーム操作
を行った場合には、車両が不安定になり危険であるた
め、このような高所作業車にはジャッキが接地されてい
るか否かを検出するジャッキ接地検出装置が設けられ、
この接地検出装置からの信号に基づいて、ブーム作動の
規制を行うブーム作動制御装置が設けられている。
【0004】従来のジャッキの接地検出器は、ジャッキ
が接地したかどうかを、伸縮型のジャッキにおいては、
例えばこのジャッキを構成するシリンダの取り付けピン
とその支持部との間にガタを設け、接地反力が加わった
ときにこのこの反力により構成部品がガタ分だけ移動す
ることを利用し、これをリミットスイッチで検出した
り、あるいは、アウトリガー・ビームのインナー・ビー
ムとアウター・ビーム間にガタを設け、同様の手法で検
出するなど行っていた。またスウィング型のジャッキに
おいても、例えば揺動するジャッキアームの支点部分に
ガタを設け、同様に接地反力によるこのガタ分の移動を
リミットスイッチで検出したり、あるいは前記伸縮型と
同様にシリンダの取り付けピンの部分を利用するなどの
手法で検出を行っていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな方法によるジャッキの接地検出器では、前記のよう
に結合する2部品間にガタを設けることによって、接地
前の重力による相対位置関係と、張り出し後における接
地反力による相対位置関係の違いを作りだし、この部分
にリミットスイッチを設けることで検出し達成してき
た。このため、ジャッキの張り出し操作時には接地前か
ら張り出しを完了する間において必ずこのガタを通過す
る領域があり、このときには車体が不必要にぐらつくた
めに危険であり、車体上及びその周辺では作業が行えな
いという問題があった。
【0006】またこのような検出器では、一定の接地反
力以上であればジャッキの張り出しを検出するが、各ジ
ャッキの接地反力すなわち各ジャッキの支持荷重がどの
ように分布しているのかについてはわからなかった。こ
のため張り出しを完了した後に支持力の低いジャッキが
あった場合には、モーメント負荷の変動があったときに
このガタによって車体がぐらつくことがあった。また、
ジャッキのガタの部分が凍結した場合などはジャッキの
張り出しが検出できないという問題もあった。とくに張
り出し後において例えばブーム操作によって車体を転倒
させるような一定値以上のモーメント荷重がジャッキに
加わった場合には、これを検出することは従来のジャッ
キの接地検出器では困難であった。
【0007】本発明の目的は、このような問題に鑑みて
なされたものであり、ジャッキ張り出し時の不必要な車
体のぐらつきを防止し、作業性の向上を図るとともに、
各ジャッキの支持状態を簡便な方法により正確に把握す
ることが可能なジャッキの支持力検出装置を提供するこ
とにある。またこのような検出器の調整や交換等のメイ
ンテナンスを容易に行える装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、作業車に
取り付けられた複数のジャッキのそれぞれの複動型油圧
シリンダについて、各シリンダの相対するポートの圧力
を検出する圧力検出手段(例えば実施形態における圧力
検出手段22,23)と、検出された圧力から各ジャッ
キの支持力を算出し、この支持力が予め記憶され設定さ
れている正常なジャッキの支持力以下の場合及びこの範
囲を超えたと判断手段(例えば実施形態におけるコント
ローラ33)により判断されるときには、警報手段(例
えば実施形態におけるコントローラ33および警報ラン
プ35等)によって警報出力を行うことによって達成さ
れる。
【0009】より詳細には、各ジャッキの複動型油圧シ
リンダには、シリンダ内のピストンを押しロッドを伸長
させる際に油圧を供給するチューブ側ポートと、伸長し
たロッドをシリンダー内に引き込める際に油圧を供給す
るロッド側ポートとがある。例えばシリンダロッドを伸
長してジャッキの張り出しを行うような型式のジャッキ
(例えば実施形態におけるジャッキ15)においては、
一般にジャッキの張り出し作動時に油圧を供給するのは
チューブ側ポートであり、反対に押し下げられ油圧を排
出するポートがロッド側ポートとなる。このような形式
のジャッキにおいてジャッキが接地され、さらに作業車
の車体(例えば実施形態における車体10)がこれら複
数のジャッキによって支持された後、ジャッキの張り出
し作動を停止したときには、これら複数のジャッキは全
体として作業車を支持しており、各シリンダのチューブ
側ポートにはこの作業車の車体を支持するに必要な圧力
が発生している。圧力検出手段はこれら各複動型油圧シ
リンダの両ポートに発生している圧力を検出し、判断手
段はこの圧力とピストン面積及びジャッキの形式によっ
て定められる定数とから各ジャッキの支持力を算出し、
この値が前記所定の支持力範囲内にあるか否かを判断す
る。そしてこの支持力が所定の範囲より低いときまたは
所定の範囲を超えていると判断されたときには警報手段
によってそのジャッキをの状態を警報表示する。
【0010】このような手段によってジャッキ支持力を
警報表示することにより、例えばこれらの複数のジャッ
キのうちで、接地していないか、もしくは接地はしてい
ても支持力の低いジャッキがあれば、その支持状態が表
示されるため、均等に支持されていない状況が即座に確
認できる。このため従来のガタを利用した接地検出器に
比べてより確実であり、かつ各ジャッキの支持力にアン
バランスがあってもそのアンバランスの程度が確認で
き、さらにこれを補正することも容易に行うことが可能
となる。特にジャッキ支持力の表示手段(例えば実施形
態における表示器34)を備えることにより、各ジャッ
キの支持力の強弱が一目瞭然となる。
【0011】またこのような手段によれば、従来技術の
ようにジャッキの支持構造部にガタを必要としない。従
って、ガタの存在に起因するジャッキ張り出し時の不要
な車体のぐらつきを発生することもなく、安全に作業を
行うことができる。
【0012】また、判断手段は、このように算出された
各ジャッキの支持力が、予め設定されメモリーされてい
る通常のジャッキ支持力を含む所定の支持力の範囲内に
あるか否かを判断する。そして算出された支持力が、前
記所定支持力の範囲外であると判断されたときには、警
報手段により、ジャッキ支持力が異常である旨のアラー
ム情報を出力したり、警報ランプを点灯したり等の所定
の警報作動を行う。また表示手段は各ジャッキの支持力
を表示する。このため、ジャッキ張り出し作業により車
体が設置されたときに各ジャッキが所定の反力が確保さ
れているか否か、また接地した地盤が堅固なものである
か否かを判断することができるとともに、高所作業を含
む作業中にジャッキの接地反力が抜けたときにもその危
険を知ることができる。このため作業の安全性が大幅に
向上する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明
に係るジャッキ(アウトリガジャッキ)の支持力検出装
置を備えた高所作業車10を示している。この高所作業
車10の車体11の後部には、車体11に対して水平旋
回が自在な旋回台12が取り付けられている。この旋回
台12の上部には、テレスコープ状に伸縮自在に構成さ
れたブーム13が起伏自在に取り付けられている。さら
に、ブーム13の先端には、作業台14が水平に取り付
けられている。この作業台14に搭乗した作業者(図示
せず)は、旋回台12やブーム13の作動を通じて任意
の高所に移動することができる。なお作業台14の近傍
には、高所での重量物移動作業を効率的に行うことがで
きるように適宜ウィンチ19が設けられる。
【0014】またこのようにしてブーム13等が作動す
ると、車体11には、ブーム13や作業台14の重量に
基づくモーメント(以下、転倒モーメントという。)が
車体11を転倒させる方向に作用する。このため、車体
11には車体11を地面に対して支持する、複数の(図
の例では前後左右の4箇所に)ジャッキ15が取り付け
られている。
【0015】図に示すジャッキ(アウトリガジャッキ)
15は、車体11の側面に取り付けられたアウタポスト
16と、このアウタポスト16に上下方向に伸縮自在に
挿入されたインナポスト17と、両ポスト16,17に
内蔵されたジャッキシリンダ18とから構成されてい
る。ジャッキシリンダ18は、図2,図3に示すよう
に、シリンダチューブの上端部に形成された保持穴に、
アウタポスト16における互いに対向する側板間に架け
渡されるよう取り付けられた保持ピン16aを貫通させ
ることによりアウタポスト16に対して保持される。
【0016】そして、ジヤッキシリンダ18の下端部に
連結されたインナポスト17を下方に伸長させ、インナ
ポスト17の下端部を接地させることにより、ジヤッキ
シリンダ18は、アウタポスト16を介して車体11を
地面に対して支持することができる。
【0017】このように構成された各ジャッキ15にお
けるアウタポスト16の内部には、本発明に係るジャッ
キ支持力検出装置の圧力検出手段21が取り付けられて
いる。以下、ジャッキ支持力検出装置について図4を加
えてより詳細に説明する。
【0018】まず、このようなジャッキに使用される複
動型のシリンダについて簡単に説明する。複動型油圧シ
リンダには前記のように2つのポートがあり、一方はシ
リンダロッドを伸長するときに油圧を供給するチューブ
側ポート32aであり、他方はシリンダロッドを縮動す
るときに油圧を供給するロッド側ポート32bである。
【0019】各ジャッキ15を駆動する油圧回路は、油
圧発生手段としてのポンプ30によって発生した油圧
を、作業者のレバー操作に応じて作動するソレノイドバ
ルブ31により、アクチュエータである複動型油圧シリ
ンダ18のいずれのポートに供給するかを切り替える。
複動型油圧シリンダ(以下単にシリンダと表記する)1
8には前記のように2つのポートがあり、供給する油圧
回路の切り替えによってジャッキの昇降作動を行う。例
えば、チューブ側ポート32aに油圧を供給すれば、シ
リンダロッド18bは伸長しジャッキは接地方向に動
き、逆にロッド側ポート32bに油圧を供給すればシリ
ンダロッド18bは縮動しジャッキを格納方向に作動す
る。
【0020】シリンダの各ポート32a,32bには、
ジャッキ操作を停止したとき(図4におけるソレノイド
31の表示位置=中立位置)に油圧の漏れによって車体
が傾いてしまうのを防止するために、パイロットチェッ
クバルブ:PCV(以下単に逆止弁という)24a,2
4bが取り付けられている。また、この逆止弁24a,
24bとシリンダ18の間には、本発明に係るジャッキ
支持力検出装置の圧力検出部21が設けられている。
【0021】圧力検出部21には、貫通孔21a,21
bが設けられ、各々の一端は逆止弁24a,24bに、
他端はシリンダの2つのポート32a,32bに接続さ
れている。また、この貫通孔21a,21bには各々に
圧力検出器22,23が取り付けられ、この貫通孔部分
の圧力を検出している。そしてこのようにして検出され
る圧力Pa[kg/cm2]及びPb[kg/cm2]は、例えばジャッ
キ作動停止時にあっては油圧回路が逆止弁24a,24
bにより遮断されるため、シリンダ18のチューブ側圧
力とロッド側圧力を検出することと同義となる。
【0022】この様にして検出された圧力Pa及びPb
はコントローラ33に送られる。コントローラ33は予
めコントローラ内にメモリーされている各シリンダの油
圧の受圧面積(シリンダ内のピストンの受圧面積)と検
出された圧力とから支持力F[kg]を算出し、その結果を
表示器34に表示させる。例えば、反ロッド側ピストン
面積をAt、ロッド側ピストン面積をArとすれば支持
力F=Pa×At−Pb×Arとなる。表示器34には
他の複数のジャッキ15の支持力も表示可能であり、こ
のようにして構成することによって複数のジャッキ各々
の支持力が容易に把握できる。
【0023】以上のような構成により、表示器34には
実際にジャッキが支持している荷重が表示されることと
なる。その結果、従来ではジャッキの張り出しについて
一定値以上の支持力であればリミットスイッチがオンと
なり、各ジャッキの支持力のバランスについては全く不
明であったが、本発明の構成によれば、各ジャッキの支
持荷重が表示されるため、単に接地しているだけのジャ
ッキの存在や非常に大きな荷重のかかっているジャッキ
の存在が直ちに確認できる。そしてこのような支持荷重
のアンバランスを修正するときにも、表示を確認しなが
ら調整することが可能である。
【0024】なお、圧力検出部21,逆止弁24a,2
4bは、各々個別に配置し、耐圧ホース等で接続するこ
とで上記機能は達成されるが、例えば図2に示すように
逆止弁24a,24bを一体のブロック(PCVブロッ
ク)24とし、このPCVブロックと圧力検出部21と
を例えばシリンダ18近傍のアウタポストに一体的に接
続し、この圧力検出部とシリンダの2つのポートを耐圧
ホース等で接続する構成や、例えば図3に示すように、
シリンダのチューブ側の2つのポート32a,32b
と、PCVブロックの2つのポートとの間に、これら両
者のポートを連通するように貫通孔21a,21bを設
け、この貫通孔の部分の圧力を検出する圧力検出器を設
けた一体型の圧力検出ブロック21を設け、これら3者
を一体的に結合して構成することも可能である。このよ
うな構成により、例えばセンサーの点検や故障時の交換
などのメインテナンスを容易にブロック単位で行うこと
が可能となる。
【0025】次に本発明に係る好ましい実施形態につい
て図4を参照しながらさらに詳細に説明する。本発明
は、前記のように算出されたジャッキの支持力が、正常
な作動時における所定の支持力の範囲内にあるか否かを
判断する判断手段、及びこの判断手段によって所定の支
持力の範囲内でないと判断されたときに警報作動を行う
警報手段を備えるものである。
【0026】本発明において、各ジャッキの圧力は圧力
検出手段22,23により検出され、コントローラ33
に入力される。コントローラ33は予めコントローラ内
にメモリーされている各シリンダの油圧の受圧面積(シ
リンダ内のピストンの受圧面積)と検出された圧力とか
らジャッキの支持力F[kg]を算出し、その結果を表示器
34に表示させる。例えば、反ロッド側ピストン面積を
At、ロッド側ピストン面積をArとすれば支持力F=
Pa×At−Pb×Arとなる。表示器34には他の複
数のジャッキ15の支持力も表示可能であり、このよう
にして構成することによって複数のジャッキ各々の支持
力が容易に把握できる。
【0027】コントローラ33内のメモリーには、作業
車が正常に作動しているときの各ジャッキの支持力の許
容範囲が予め設定されメモリーされており、この所定の
設定範囲に満たないときもしくはこの設定範囲を超えた
ときには異常と判断し、警報手段に異常信号を出力す
る。コントローラ33内の警報手段は判断手段から異常
信号が入力されたときには、その信号に基づいて例えば
ジャッキ支持力が不足である旨もしくはジャッキ支持力
が過大である旨の警報ランプ35を点灯させたり、アラ
ーム表示37をさせたり、または警報ブザー36を鳴ら
せたり、またはジャッキ操作やブーム操作を規制する。
【0028】以下、前記コントローラ33による判断の
方法についてより具体的に説明する。図5には、まずこ
の一例として、ジャッキの張り出し操作時及び格納する
ときに検出される各圧力Pa,Pb[kg/cm2]及びコント
ローラ33によってこれらの圧力から算出される支持力
F[kg]との関係を示す。これら各図は横軸に時間の経過
をとり、縦軸には圧力(a)及び荷重(b)を示す。
【0029】まず、ジャッキ操作を始めるとチューブ側
圧力Pa,ロッド側圧力Pbは供給する油圧回路の開度
を一定とすれば、ジャッキが地面に接地するまでは一定
の圧力で観測される。このとき支持力Fは一定の小さな
値をとる。ジャッキが地面に接地し車体が浮き出すとP
aは上昇し、同時に支持力Fも上昇する。ジャッキを張
り出す操作を続けるとPa及びFは増加し、タイヤが地
切りをすると車体のサスペンションによるバネ力がなく
なるためこの上昇が急になる。通常はこの傾斜領域でジ
ャッキ操作を停止する。そして、停止後は前記のように
油圧配管に取り付けられた逆止弁によりシリンダ内圧力
は一定となり、支持力が保たれる(例えば図中に示すP
a1及びF1)。ここでもしさらにジャッキの張り出し
操作を続けた場合には、例えば図中点線で示すように操
作しているジャッキに偏荷重がかかり、Pa及びFは急
激に増加する場合がある。また、このような偏荷重がか
からない場合であってもシリンダのストロークエンドま
でシリンダロッド18bを伸長したときには、Pa及び
Fは急峻に増加し、もしリリーフ弁等を設けていなけれ
ばポンプの締切圧にまで到達する。
【0030】また一方、ジャッキを格納操作を行った場
合には、タイヤが接地するまでは前記ジャッキを張る操
作時と逆の過程をたどるが、Pbの圧力がジャッキを張
るときに比べ高くなり、Paの圧力はその分小さくな
る。そして、タイヤが接地した後にはPbが徐々に増加
するとともにPaは減少し、ジャッキが地面から浮き上
がった後は、両者ともある一定値となる。このとき支持
力Fはマイナスの値となる。そしてさらにシリンダを縮
めてゆきストロークエンドに達するとPbは急峻に増加
し、Fはまた急峻に大きな負の値となる。
【0031】このような特性から、ジャッキの支持力の
判断基準として、ジャッキの張り出し操作時や、ジャッ
キ張り出し保持時について見れば、例えば図5中にmi
nの一点鎖線で示す支持荷重を支持力の最低限界値とし
てコントローラ33内のメモリーに設定しておき、判断
手段はこの限界値以下の場合にはジャッキが確実に張り
出しされていないと判断する。そして、判断手段からの
信号に基づいて警報手段が警報作動を行うことにより、
より確実な張り出しを促すことができる。また図5中に
MAXの一点鎖線で示す支持荷重を最大限界値としてコ
ントローラ33内のメモリーに設定しておき、判断手段
はこの限界値を超えた場合にはそのジャッキが過負荷状
態であると判断する。そして、判断手段からの信号に基
づいて警報手段が警報作動を行うことにより、例えば偏
荷重による過負荷や、不整地でジャッキが接地しないま
まシリンダのストロークエンドまで伸びきってしまった
場合等に再調整によって確実に張り出すよう促すことが
できる。
【0032】またジャッキの格納操作時においては、通
常は図5に示すようにジャッキが浮き上がった状態では
ジャッキ支持力は一定の負の値となる。そしてシリンダ
のストロークエンドに達すると急峻にこの値が負の大き
な値となる。従って図中にminの一点鎖線で示すよう
に、ジャッキの格納操作時の下限値を設定しこの値をコ
ントローラ33内にメモリーしておき、ジャッキが格納
操作状態のとき(ジャッキの操作レバーが格納方向に操
作をされている間)にはこの値を参照して警報判断を行
うことにより、例えばジャッキが何物かに引っかかった
場合や、シリンダのストロークエンドに達したことを検
出することができる。
【0033】次に、ジャッキが正常に張り出された後、
ブームやウィンチ(例えば図1におけるブーム13やウ
ィンチ19)操作によって車体に転倒モーメントがかか
った場合を例に取り、図6を交えて説明する。図6は、
正常にジャッキが張り出され、一定の支持荷重となって
いる相対する2カ所のジャッキ(例えば車両前方より見
たときの車体右側のジャッキJ1と車体左側のジャッキ
J2)について、例えば旋回等のブーム操作が行われた
ときに支持荷重が時間的にどのように変化するかを例示
的に示したものである。
【0034】例えば図では、はじめにブームの格納状態
から起伏作動が行われ、ついで90度J1方向に水平旋
回し、一定の作業後180度水平旋回する(今度はJ2
方向に来る)、この状態で一定時間作業をした後、例え
ばトランスなどの重量物を取り込もうとしたときの状態
を示す。このときのJ1及びJ2の支持荷重変化は図の
ように初めの90度旋回によってJ1の支持荷重が増加
し反対側のJ2の支持荷重は減少する。次に一定の作業
後180度旋回すると今度はJ2の荷重が増加し、J1
は減少する。そして一定の作業後、例えばウィンチによ
りトランス等の重量物を吊り上げようとしたときには、
J2にはトランスの重量とブーム長さに応じたモーメン
ト荷重がかかりJ2の支持荷重はさらに増加し、一方J
1はこのモーメントにより支持荷重が減少する。この場
合に何ら制限を加えないときには例えば図6において×
印で示す点ではジャッキJ1が浮き上がり、さらにJ2
の負荷が増加した場合には作業車が転倒する可能性も生
じる。
【0035】しかし、前記図5に示したようにコントロ
ーラ33内のメモリー内にジャッキ支持力の下限の支持
荷重を予め設定しておき(図6中でのminの一点鎖線
が相当)、判断手段はこの限界値以下の場合にはジャッ
キの支持力が低下し確実に張り出されていないと判断す
る。そして、判断手段からの信号に基づいて警報手段が
警報作動を行うことにより、ジャッキの浮き上がりを防
止し、危険な重量物の吊り上げ作業の中止を促すことが
できる。また図5中のMAX(図6中のMAXが相当)
の一点鎖線で示す支持荷重を最大限界値としてコントロ
ーラ33内のメモリーに設定しておき、判断手段はこの
限界値を超えた場合にはそのジャッキが過負荷状態であ
ると判断する。そして、判断手段からの信号に基づいて
警報手段が警報作動を行うことにより、例えば本例のよ
うなモーメント荷重による過負荷や、鉛直方向への過積
載による過負荷についても防止を促すことができる。
【0036】なお、不整地等でジャッキが接地しないま
まシリンダがストロークエンドまで伸びきってしまった
場合には、ジャッキの支持荷重Fはmin以下のレベル
から急激にMAXレベルを超えて警報を受けることとな
るが、ストロークエンド近傍に達したときにこの所定荷
重範囲内にあるときにはそのまま許容される。そして、
ブーム作業に入り、このジャッキの支持荷重が低下した
ときにシリンダロッドはストロークエンドに突き当たっ
てしまいこのときの圧力低下がほとんど発生しない場合
が生じる。すなわちこの様な場合には、支持荷重はmi
n以上の所定荷重範囲内であるが、ジャッキが浮き上が
る可能性が生じる。従ってこの様な状態を生じさせない
ようにするためには、シリンダ18のストロークエンド
近傍に、この様なジャッキの浮きが生じたときに油圧が
低下するに充分なクリアランスを保持するようにジャッ
キの作動範囲を規制してやればよい。具体的には、シリ
ンダのストロークエンド近傍の前記所定位置に、この位
置を検出する検出器37bを設け、この検出信号によ
り、それ以上のジャッキの移動を制限する作動範囲規制
を行うことにより上記問題は解決される。
【0037】すなわち、この様な位置に検出器37bを
設け、ジャッキの作動範囲規制を行うことにより、例え
ばジャッキの張り出し操作時において前記のようなシリ
ンダのストロークエンド特有の問題を回避することが可
能である。またこのストロークエンド近傍検出器が無い
場合には、前記所定のMAX値を超えたときに実際に支
持荷重がこのMAX荷重を超えているのか、またはシリ
ンダのストロークエンドに突き当たっているのかが不明
であるが、この検出器37bを設け、判断基準にこの検
出信号を加えることにより、これらの判別も可能とな
る。
【0038】さらに、ジャッキの格納位置についても同
様にストロークエンド近傍検出器37aを設けてやるこ
とにより、ジャッキの格納操作時においてジャッキ支持
力が設定値以下のときに、その原因についてジャッキが
ストロークエンドとなったために発生しているのか、あ
るいはジャッキを格納するときに例えば何かに引っかか
っているのか否か等をより詳細に判断し表示することが
可能となる。
【0039】すなわち、この様にシリンダにロッドエン
ド近傍検出器37a,37bを加えることにより、本発
明のジャッキ支持力検出装置は、より詳細かつ確実な検
出を行うことが可能となる。
【0040】なお以上の説明に当たっては、すべて伸縮
型のジャッキについての実施形態を上げ説明を行ってき
たが、本発明はこの型のジャッキに限られるものではな
く、油圧式の複動型シリンダを用いたものであればスイ
ング式ジャッキ等についても同様に実施できるものであ
る。
【0041】
【発明の効果】以上示したように本発明によれば、従来
のような部品間のガタを利用したジャッキの接地検出器
と異なり、構成部分にガタを設ける必要がない、従って
ジャッキの張り出し時に車体がぐらつくことがなく、安
全に作業を行うことができる。
【0042】また、本発明によれば、各ジャッキの支持
荷重が不足している場合や過大な場合に警報が出力され
るため車体の確実な設置ができる。また表示手段を設け
ることにより支持荷重が表示されるため、確実にジャッ
キの張り出し操作がなされているか否か、そして各ジャ
ッキの荷重バランスがとれているのか否か等を正確に把
握することができる。そしてジャッキの張り出し後にお
いてもブーム等の操作によりジャッキが浮き上がる前に
これを検出することが可能となり、作業の安全性を一層
向上させることができる。
【0043】さらに、圧力検出器をジャッキシリンダの
近傍に設けることによりコンパクトで、メインテナンス
の容易な検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のに係るジャッキ支持力検出装置を備え
た作業車の全体図である。
【図2】上記作業車のジャッキの側面断面図である。
【図3】上記作業車のジャッキの側面断面図である。こ
のうち図(a)はジャッキ全体の側断面図を、図(b)
は図(a)の圧力検出部21の内部構造を示す透視図で
ある。
【図4】本発明に係るジャッキ支持力検出装置の構成を
示すブロック図である。
【図5】ジャッキの張り出し操作時とジャッジの格納操
作時に、上記ジャッキ支持力検出装置によって検出され
る圧力変化(a)図、表示される支持荷重変化(b)
図、を示すグラフ図である。
【図6】ジャッキの張り出し操作後ブーム操作を行った
ときに、上記ジャッキ支持力検出装置によって表示され
る支持荷重変化を示すグラフ図である。
【符号の説明】
15 ジャッキ 18 複動型油圧シリンダ 22,23 圧力検出手段 24a,24b 逆止弁 32a,32b 油圧配管ポート 33 コントローラ 34 表示器 37a,37b ストロークエンド近傍検出器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小川 進 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 株式会社アイチコーポレーション上尾工 場内 (72)発明者 岡安 良王 埼玉県上尾市大字領家字山下1152番地の10 株式会社アイチコーポレーション上尾工 場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体上に作業装置を有し、この作業装置
    に作用するモーメントを含む車体荷重を受けて前記車体
    を支持するジャッキを、前記車体に複数備えてなる作業
    車のジャッキの張り出しを検出する検出装置であって、 前記複数のジャッキは、それぞれ複動型油圧シリンダを
    具備して構成するものにおいて、 前記検出装置は、 前記複数のジャッキのそれぞれの複動型油圧シリンダに
    ついて、該シリンダの相対するポート近傍の圧力を検出
    する圧力検出手段と、 前記検出された圧力から、各ジャッキの支持力を算出
    し、この支持力が前記作業車の正常な作動時における所
    定支持力の範囲内にあるか否かを判断する判断手段と、 前記判断手段により、所定支持力の範囲外であると判断
    されたときに、警報作動を行う警報手段とからなること
    を特徴とする作業車のジャッキ支持力検出装置。
  2. 【請求項2】 前記検出装置は、前記算出された各ジャ
    ッキの支持力を表示する表示手段を備えて成ることを特
    徴とする請求項1に記載のジャッキ支持力検出装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の複動型油圧シリンダの各々に
    は、 少なくともジャッキの張り出しストローク側において前
    記シリンダがストロークエンド近傍に達したことを検出
    する検出手段を有し、 前記ストロークエンド近傍を除く領域で前記ジャッキが
    作動するように作動制御することを特徴とする請求項1
    または請求項2に記載のジャッキ支持力検出装置。
  4. 【請求項4】 前記圧力検出手段は、 前記複動型油圧シリンダの配管ポートと前記シリンダか
    らの油圧の漏れを防止する逆止弁とを接続する油路の圧
    力を検出することを特徴とする請求項1から請求項3に
    記載のジャッキ支持力検出装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力検出手段は、 前記複動型油圧シリンダの配管ポートと前記シリンダか
    らの油圧の漏れを防止する逆止弁とを接続する油路と、
    この油路の圧力を検出する圧力検出器とを有してブロッ
    ク状に形成することを特徴とする請求項4に記載のジャ
    ッキ支持力検出装置。
  6. 【請求項6】 前記圧力検出手段は、 前記複動型シリンダと前記逆止弁との間に一体的に挟持
    されて配設されることを特徴とする請求項4または請求
    項5に記載のジャッキ支持力検出装置。
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