JPH11285655A - パイプ閉塞防止部およびパイプ閉塞防止機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 内容物を取り込むパイプの先端部が容器の内
周面や攪拌ボールで閉塞されることを防止し、内容物が
確実にパイプ内に取り込まれるようにする。 【解決手段】 内容物取込み用のパイプ１６を収納する
ジョイント１（パイプ閉塞防止部）にスリット６（内容
物通過用の貫通部）を設け、またパイプ１６を収納した
ときにパイプの先端部１６ａがジョイント１の前端開口
部８よりも所定長だけ後方に入り込むようにした。ジョ
イント１の前端開口部８が容器１８の内周面１８ａや内
容物攪拌用ボール１９との吸着により閉塞された場合に
もスリット６を介して内容物はパイプ１６内に取込まれ
る。さらに、パイプ１６に対応する重り２０を併せ備え
たパイプ閉塞防止機構１０とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、内容物取込み用の
パイプ（以下必要に応じて単に「パイプ」という。）の
パイプ閉塞防止部およびパイプ閉塞防止機構に関し、特
に、パイプを収納する筒状の閉塞防止部の周面部に内容
物通過用の貫通部を設け、またパイプをパイプ閉塞防止
部に保持するに際してその先端部を当該閉塞防止部の前
端開口部よりも所定長だけ後方側に位置させることによ
り、パイプの先端部が容器内に入れた攪拌用ボールや容
器用内面に吸着して閉塞されることを防止し、内容物を
パイプ内に確実に取込むことができるようにしたパイプ
閉塞防止部およびパイプ閉塞防止機構に関する。

【０００２】なお、本明細書で用いる「筒状」とは、入
口から出口へと貫通する中空部を有するもので、その全
体形状は円柱状、角柱、球などの任意の形状をとりえ
る。

【０００３】

【従来の技術】放出用容器などに用いられる内容物取込
み用のパイプは従来、内容物を最後まで取込むことがで
きるようにその先端部が容器などの底面部まで達したも
のが用いられている。

【０００４】図５は、放出用容器を傾けて使用した場合
にもパイプの先端部が内容物内に位置するように、パイ
プの下方に重りを取り付けた例を示している。

【０００５】この図において、１１はマウンテンキャッ
プ、１２はハウジング、１２ａはハウジングの筒状部、
１３はステムラバー、１４はステム、１４ａは放出用孔
部、１５はコイルスプリング、１６はパイプ、１６ａは
パイプの先端部、１７はパイプをハウジングの筒状部に
固定するための環状部材、２０は重り、２０ａはパイプ
１６を通すための孔部、２０ｂは筒状の垂下部、２０ｃ
は可撓性の片部、２０ｄはパイプ１６を係止する突起、
２０ｅは筒状の垂下部２０ｂの外側に形成した環状突
起、３０はパイプ１６に重り２０を固定するためのジョ
イント、３１はジョイント３０のテーパ面、３２はジョ
イント３０の小径部、３３はジョイント３０の溝部、３
４はジョイント３０の先端開口部をそれぞれ示してい
る。なお、小径部３２の内径は片部の外形よりも小さく
なるように設定されている。

【０００６】ここで、マウンテンキャップ１１の内側に
は、ステムラバー１３を挾んだ状態でハウジング１２が
取り付けられている。ハウジング１２内にはコイルスプ
リング１５が設けられ、ステム１４を上方に付勢してい
る。このとき、ステム１４の放出用孔部１４ａはステム
ラバー１３によって閉塞されている。

【０００７】ハウジング１２下部の筒状部１２ａには、
パイプ１６が環状部材１７によって取り付けられてい
る。なお、パイプ１６は、その先端部１６ａが容器の底
面部まで達するようなものが用いられている。

【０００８】また、重り２０はその孔部２０ａにパイプ
１６を挿入し、ジョイント３０をパイプ１６の先端部１
６ａ側からこの重り２０に嵌合させることによりパイプ
１６に取り付けられる。このとき、重り２０の片部２０
ｃはジョイント３０のテーパ面３１に案内されてジョイ
ント３０内に入り、重り２０の筒状の垂下部２０ｂの外
側に形成した環状突起２０ｅと溝部３３が係合すること
により、重り２０とジョイント３０は一体となる。

【０００９】これにともない、重り２０の可撓性の片部
２０ｃはジョイント３０の小径部３２によって強制的に
内側に曲げられて突起２０ｄがパイプ１６に強く食い込
むので、重り２０はこれに確実に取り付けられる。

【００１０】パイプ１６の先端部１６ａはジョイント３
０の先端開口部３４から突出して露出した状態となって
おり、内容物はこの先端部１６ａからパイプ１６内に取
り込まれる。

【００１１】

【発明が解決しようとする課題】このように、従来の内
容物取込み用のパイプはその先端部が露出している状態
なので、容器の内周面がパイプの先端部に吸着してこれ
を閉塞してしまい内容物を吸い上げにくくなったり、ま
た例えば容器内に内容物攪拌用のボールが入っている場
合、容器を傾けて使用するときなどこのボールがパイプ
の先端部を閉塞して、内容物がパイプ内に取り込まれな
くなるという問題点があった。

【００１２】そこで、本発明では、パイプを収納するパ
イプ閉塞防止部の周面部に外側から内側へといたる内容
物通過用の貫通部を設けるとともに、この収納に際して
パイプの先端部が当該閉塞防止部の内容物取込み用の前
端開口部よりも所定長だけ後方側に位置するようにし
て、容器の内周面や攪拌ボールでパイプの先端部が閉塞
されることを防止し、内容物を確実にパイプ内に取り込
むことができるようにすることを目的とする。

【００１３】

【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明では次の構成からなるパイプ閉塞防止部およ
びパイプ閉塞防止機構を用いている。 内容物取込み用のパイプの入口側部分を収納する筒状
のものからなり、その内周面で前記パイプを保持すると
ともに、その周面部には外側から内側へといたる内容物
通過用の貫通部を設けたパイプ閉塞防止部であって、前
記パイプを保持する際に、その先端部を、内容物取込み
用の前端開口部よりも所定長だけ後方側に位置させるよ
うにしたことを特徴とするパイプ閉塞防止部。 前記貫通部として複数のスリットを用いたことを特徴
とする記載のパイプ閉塞防止部。 内容物取込み用のパイプと、当該パイプの入口側部分
を収納する筒状の全体形状を有し、その内周面で前記パ
イプを保持するとともに、その周面部には外側から内側
へといたる内容物通過用の貫通部を設けたパイプ閉塞防
止部と、を少なくとも備え、前記パイプを、その先端部
が前記閉塞防止部の前端開口部よりも所定長だけ後方側
に位置する形で、保持したことを特徴とするパイプ閉塞
防止機構。 前記貫通部として複数のスリットを用いたことを特徴
とする記載のパイプ閉塞防止機構。 前記パイプに対する重りを併せ備えていることを特徴
とするまたは記載のパイプ閉塞防止機構。

【００１４】パイプ閉塞防止部に内容物取込み用のパイ
プの入口側部分を収納すると、これの先端部が内容物取
込み用の前端開口部よりも所定長だけ後方側に入り込
み、パイプの先端部が露出することはない。

【００１５】また、パイプ閉塞防止部の前端開口部に容
器の内面や内容物攪拌用のボール等が吸着したときに
も、内容物は周面部に設けた貫通部からパイプ内に取込
まれる。

【００１６】さらに、内容物取込み用のパイプに対する
重りを併せ備えたパイプ閉塞防止機構では、放出容器を
傾けて使用した場合にもパイプの先端部が内容物内に位
置する。

【００１７】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図１乃至図
４を用いて説明する。本発明のパイプ閉塞防止部および
パイプ閉塞防止機構は各種形式の操作部材や各種方式の
放出機構を対象とすることができるが、以下の記載で
は、説明の便宜上、内容物取込み用のパイプに重りを付
けたエアゾール形式の内容物放出機構を前提とする。

【００１８】図１はパイプ閉塞防止部および重りの斜視
図、図２はパイプ閉塞防止部と重りをパイプに取り付け
たパイプ閉塞防止機構を示す説明図であり、図３はパイ
プ閉塞防止部の先端開口部に内容物攪拌用のボールが吸
着したときの内容物の流れを示めす説明図である。ま
た、図４はパイプ閉塞防止部の他の形態を示す説明図で
ある。

【００１９】これらの図において、１はジョイント（パ
イプ閉塞防止部）、１０はパイプ閉塞防止機構、１ａは
ジョイントの孔部、２は環状の鍔状部、３はジョイント
内周面に形成したテーパ面、４は重りを案内するリブ、
５はジョイント内部の段部（係止部）、６はジョイント
の下方周面に形成したスリット（内容物通過用の貫通
部）、６ａはスリット６の間を連結するように形成した
ループ、７はパイプ１６の保持部、８はジョイントの前
端開口部、９は小径部、１６はパイプ、１６ａはパイプ
の先端部、１８は容器、１８ａは容器の底面部、１９は
内容物攪拌用のボール、２０は重り、２０ａはパイプ１
６を通すための孔部、２０ｂは筒状の垂下部、２０ｃは
可撓性の片部、２０ｄはパイプ１６を係止する突起、２
０ｆは重りの段部をそれぞれ示している。

【００２０】図１に示すように、ジョイント１は環状の
鍔状部２を有する円筒状で、パイプ１６や重り２０を収
納するための孔部１ａを備えている。また、下方には内
容物を取込むためのスリット６が四ヶ所に形成されてい
る。さらに内部にはパイプ１６の先端部１６ａが前端開
口部８よりも所定長だけ後方側の位置で係止するための
段部５や、重りの片部２０ｂを案内するためのリブ４や
テーパ面３が形成されている。

【００２１】図２に示すように、重り２０およびパイプ
１６をジョイント１に取り付けた状態のとき、ジョイン
ト１の鍔状部２と重り２０の段部２０ｆとが当接し、重
り２０とジョイント１はジョイント内周面に設けたリブ
４と重り２０の筒条垂下部２０ｂとの押圧により係合し
ている。また、ジョイント１の小径部９への嵌合により
重り２０の可撓性の片部２０ｃは内側に曲げられ、片部
２０ｃに設けた突起２０ｄがパイプ１６を挟み込んでこ
れを保持してジョイント１、重り２０、パイプ１６の三
者は一体化する。

【００２２】このとき、パイプの先端部１６ａはジョイ
ント１の段部５で係止されるので、この先端部１６ａが
ジョイント１の前端開口部８から突出して露出した状態
になることはない。

【００２３】次に、重り２０やジョイント１、パイプ１
６からなるパイプ閉塞防止機構の組立手順について説明
する。図１のように、まず、パイプ１６を重り２０の孔
部２０ａの上側（片部２０ｃと反対側）から差し込み、
先端部１６ａが片部２０ｃから突出した状態にする。そ
して、この突出状態のパイプ１６および重り２０をジョ
イント１の孔部１ａに相対的に入れていき、パイプ１６
の先端部１６ａをジョイント１の段部５に係止させる。
次に、治具などを用いて重り２０をジョイント１に対し
て押し込んでこれらを嵌合させる。

【００２４】このとき、片部２０ｃから突出していたパ
イプ１６の先端部１６ａはジョイント１の段部５によっ
て押圧され、また重り２０の片部２０ｃは、ジョイント
１のリブ４やテーパ面３に案内されて小径部９に入って
いく。パイプ１６はその先端部１６ａが段部５に当接
し、保持部７で保持された状態で固定される。

【００２５】また、パイプ１６をジョイント１の保持部
７に保持した状態で重り２０をパイプ１６の上側から挿
入し、続いてこの重り２０を治具などでジョイント１に
嵌め込むようにしてもよい。

【００２６】次に内容物の流れを説明する。図３に示す
ように、例えば内容物が少量になり容器１８を傾けて使
用するが場合、パイプ１６は重り２０によって容器１８
を傾けた方向に曲がる。また、内容物攪拌用のボール１
９も自重で容器１８を傾けた方向に動く。

【００２７】この状態でパイプ１６が内容物を吸い上げ
る際に、内容物攪拌用のボール１９がジョイント１の先
端開口部８に吸着した場合にも内容物はスリット６を通
ってパイプ１６内に入り込む。内容物放出機構を操作す
ると、ステムの放出孔はステムラバーから開放されるの
で、内容物はハウジング、ステムの放出孔などを通って
外部に放出される。

【００２８】なお、スリット６の形態はこれに限定され
るものではなく、例えばスリット６の間を連結するよう
なループ６ａを形成しても良く（図４参照）、また、内
容物取込み用のスリット６に代えて孔部などを形成して
もよい。

【００２９】本発明が以上の実施の形態に限定されない
ことは勿論であり、例えば、パイプ１６、重り２０、ジ
ョイント１の各部材を一体化するのに接着剤を用いても
よい。

【００３０】また、重り２０を省略した、パイプ１６と
ジョイント１とからなるパイプ閉塞防止機構としてもよ
く、この場合の両部材の組立に際しては、・前述の重り
２０の、ジョイント１の小径部９やリブ４に対応する部
分（突起２０ｄや筒状垂下部２０ｂを有する部分）から
なる取付用部材・接着剤などを用いればよい。

【００３１】

【発明の効果】本発明では、このように、内容物取込み
用のパイプの入口側部分を収納するパイプ閉塞防止部に
内容物通過用の貫通部を設け、また当該収納に際してパ
イプの先端部が閉塞防止部の内容物取込み用の前端開口
部よりも所定長だけ後方側に位置するようにしたので、
当該前端開口部が容器の内周面や内容物攪拌用のボール
とのが吸着により閉塞された場合にも、貫通部を介して
内容物をパイプ内に取込むことができる。

【００３２】また、パイプに対する重りを併せ備えてい
るので、容器を傾けて使用する際にもパイプの先端部を
内容物の中に位置させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の、閉塞防止部および重りの斜視図であ
る。

【図２】本発明の、閉塞防止部と重りをパイプに取り付
けた閉塞防止機構を示す説明図である。

【図３】本発明の、閉塞防止部の先端開口部に内容物攪
拌用のボールが吸着したときの内容物の流れを示す説明
図である。

【図４】本発明の、閉塞防止部の他の形態を示す説明図
である。

【図５】従来の、重りを吸上パイプに取り付けた様子を
示す説明図である。

【符号の説明】

１・・・・・ジョイント（パイプ閉塞防止部） １０・・・・・パイプ閉塞防止機構 １ａ・・・・・孔部 ２・・・・・鍔状部 ３・・・・・テーパ面 ４・・・・・リブ ５・・・・・段部（係止部） ６・・・・・スリット（内容物通過用の貫通部） ７・・・・・パイプの保持部 ８・・・・・ジョイントの前端開口部 ９・・・・・小径部 １１・・・・・マウンテンキャップ １２・・・・・ハウジング １２ａ・・・・ハウジングの筒状部 １３・・・・・ステムラバー １４・・・・・ステム １５・・・・・コイルスプリング １６・・・・・パイプ １６ａ・・・・パイプの先端部 １７・・・・・環状部材 １８・・・・・容器 １８ａ・・・・容器の底面部 １９・・・・・内容物攪拌用ボール ２０・・・・・重り ２０ａ・・・・孔部 ２０ｂ・・・・筒状垂下部 ２０ｃ・・・・片部 ２０ｄ・・・・突起 ２０ｅ・・・・環状突起 ２０ｆ・・・・段部 ３０・・・・・ジョイント ３１・・・・・テーパ面 ３２・・・・・小径部 ３３・・・・・溝部 ３４・・・・・底面部

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 内容物取込み用のパイプの入口側部分を
   収納する筒状のものからなり、その内周面で前記パイプ
   を保持するとともに、その周面部には外側から内側へと
   いたる内容物通過用の貫通部を設けたパイプ閉塞防止部
   であって、 前記パイプを保持する際に、その先端部を内容物取込み
   用の前端開口部よりも所定長だけ後方側に位置させるよ
   うにしたことを特徴とするパイプ閉塞防止部。
2. 【請求項２】 前記貫通部として複数のスリットを用い
   たことを特徴とする請求項１記載のパイプ閉塞防止部。
3. 【請求項３】 内容物取込み用のパイプと、 当該パイプの入口側部分を収納する筒状の全体形状を有
   し、その内周面で前記パイプを保持するとともに、その
   周面部には外側から内側へといたる内容物通過用の貫通
   部を設けたパイプ閉塞防止部と、を少なくとも備え、 前記パイプを、その先端部が前記閉塞防止部の前端開口
   部よりも所定長だけ後方側に位置する形で、保持したこ
   とを特徴とするパイプ閉塞防止機構。
4. 【請求項４】 前記貫通部として複数のスリットを用い
   たことを特徴とする請求項３記載のパイプ閉塞防止機
   構。
5. 【請求項５】 前記パイプに対する重りを併せ備えてい
   ることを特徴とする請求項３または請求項４記載のパイ
   プ閉塞防止機構。