JPH1128480A - アンモニア含有水の処理方法 - Google Patents
アンモニア含有水の処理方法Info
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- JPH1128480A JPH1128480A JP19944597A JP19944597A JPH1128480A JP H1128480 A JPH1128480 A JP H1128480A JP 19944597 A JP19944597 A JP 19944597A JP 19944597 A JP19944597 A JP 19944597A JP H1128480 A JPH1128480 A JP H1128480A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】酸化剤として過酸化水素を用いて水中のアンモ
ニアを酸化分解するにあたり、常温、常圧条件で反応速
度を向上させて反応装置のコンパクト化を可能とし、処
理水中に残存する過剰の過酸化水素も分解除去して処理
水中への残留を防止し、過酸化水素の酸化効率を高めて
その使用量を理論当量に近づけることができるアンモニ
ア含有水の処理方法を提供する。 【解決手段】アンモニア含有水に過酸化水素を添加し、
マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接触させ
ることを特徴とするアンモニア含有水の処理方法。
ニアを酸化分解するにあたり、常温、常圧条件で反応速
度を向上させて反応装置のコンパクト化を可能とし、処
理水中に残存する過剰の過酸化水素も分解除去して処理
水中への残留を防止し、過酸化水素の酸化効率を高めて
その使用量を理論当量に近づけることができるアンモニ
ア含有水の処理方法を提供する。 【解決手段】アンモニア含有水に過酸化水素を添加し、
マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接触させ
ることを特徴とするアンモニア含有水の処理方法。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンモニア含有水
の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、アン
モニア含有水に酸化剤として過酸化水素を添加し、高い
分解効率でアンモニアを窒素ガスに酸化分解して除去す
るアンモニア含有水の処理方法に関する。
の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、アン
モニア含有水に酸化剤として過酸化水素を添加し、高い
分解効率でアンモニアを窒素ガスに酸化分解して除去す
るアンモニア含有水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】肥料工場排水、染料工場排水、半導体工
場排水や発電所排水などには、アンモニアがかなりの量
含まれている場合がある。アンモニアは、閉鎖性水域に
おいて富栄養化の源となるので、排水処理によって除去
しなければならない。従来より、排水中のアンモニアの
物理化学的処理法として、ブレイクポイント法が知られ
ている。ブレイクポイント法は、アンモニアを含む排水
に酸化剤として塩素又は次亜塩素酸ナトリウムを加え
て、アンモニアを窒素ガスに酸化分解して除去する方法
である。ブレイクポイント法によるアンモニアの酸化分
解処理の主反応は、以下のとおりである。 2NH3+3Cl2 → N2↑+6HCl …(1) 2NH3+3NaOCl → N2↑+3NaCl+3H2O …(2) ブレイクポイント法によるアンモニアの酸化分解除去
は、アンモニアに対し、塩素又は次亜塩素酸ナトリウム
を、上記(1)又は(2)式で示した化学量論的な必要量以
上に加えて、アンモニアを分解除去する点に特徴があ
る。通常、この処理は常温、常圧条件で行われるが、ア
ンモニアと酸化剤の反応に必要な反応時間だけの滞留時
間をとる必要があり、装置のコンパクト化をはかるため
に、反応促進媒体などの新しい技術が求められている。
また、ブレイクポイント法による処理では、過剰の塩素
又は次亜塩素酸ナトリウムが残留塩素分として残るた
め、その処理が必要となるという問題点がある。特開平
5−269475号公報には、過酸化水素とアンモニア
を含む排水を、80〜170℃において酸化還元触媒と
接触させ、過酸化水素とアンモニアを分解する処理法が
提案されている。しかし、アンモニアを含有する多量の
排水を加温することは、エネルギーを多量に消費すると
いう点に問題がある。
場排水や発電所排水などには、アンモニアがかなりの量
含まれている場合がある。アンモニアは、閉鎖性水域に
おいて富栄養化の源となるので、排水処理によって除去
しなければならない。従来より、排水中のアンモニアの
物理化学的処理法として、ブレイクポイント法が知られ
ている。ブレイクポイント法は、アンモニアを含む排水
に酸化剤として塩素又は次亜塩素酸ナトリウムを加え
て、アンモニアを窒素ガスに酸化分解して除去する方法
である。ブレイクポイント法によるアンモニアの酸化分
解処理の主反応は、以下のとおりである。 2NH3+3Cl2 → N2↑+6HCl …(1) 2NH3+3NaOCl → N2↑+3NaCl+3H2O …(2) ブレイクポイント法によるアンモニアの酸化分解除去
は、アンモニアに対し、塩素又は次亜塩素酸ナトリウム
を、上記(1)又は(2)式で示した化学量論的な必要量以
上に加えて、アンモニアを分解除去する点に特徴があ
る。通常、この処理は常温、常圧条件で行われるが、ア
ンモニアと酸化剤の反応に必要な反応時間だけの滞留時
間をとる必要があり、装置のコンパクト化をはかるため
に、反応促進媒体などの新しい技術が求められている。
また、ブレイクポイント法による処理では、過剰の塩素
又は次亜塩素酸ナトリウムが残留塩素分として残るた
め、その処理が必要となるという問題点がある。特開平
5−269475号公報には、過酸化水素とアンモニア
を含む排水を、80〜170℃において酸化還元触媒と
接触させ、過酸化水素とアンモニアを分解する処理法が
提案されている。しかし、アンモニアを含有する多量の
排水を加温することは、エネルギーを多量に消費すると
いう点に問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、酸化剤とし
て過酸化水素を用いて水中のアンモニアを酸化分解する
にあたり、常温、常圧条件で反応速度を向上させて反応
装置のコンパクト化を可能とし、処理水中に残存する過
剰の過酸化水素も分解除去して処理水中への残留を防止
し、過酸化水素の酸化効率を高めてその使用量を理論当
量に近づけることができるアンモニア含有水の処理方法
を提供することを目的としてなされたものである。
て過酸化水素を用いて水中のアンモニアを酸化分解する
にあたり、常温、常圧条件で反応速度を向上させて反応
装置のコンパクト化を可能とし、処理水中に残存する過
剰の過酸化水素も分解除去して処理水中への残留を防止
し、過酸化水素の酸化効率を高めてその使用量を理論当
量に近づけることができるアンモニア含有水の処理方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アンモニア含有
水に過酸化水素を添加し、マンガン酸化物を担持させた
ゼオライト触媒と接触させて処理することにより、過酸
化水素の酸化効率が著しく向上することを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)アンモニア含有水に過酸化水素を
添加し、マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と
接触させることを特徴とするアンモニア含有水の処理方
法、を提供するものである。さらに、本発明の好ましい
態様として、(2)過酸化水素の添加量が、アンモニア
との反応当量の1.0〜1.5倍量である第(1)項記載の
アンモニア含有水の処理方法、(3)ゼオライトが、ク
リノプチロライト型又はX型ゼオライトである第(1)項
又は第(2)項記載のアンモニア含有水の処理方法、を挙
げることができる。
題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、アンモニア含有
水に過酸化水素を添加し、マンガン酸化物を担持させた
ゼオライト触媒と接触させて処理することにより、過酸
化水素の酸化効率が著しく向上することを見いだし、こ
の知見に基づいて本発明を完成するに至った。すなわ
ち、本発明は、(1)アンモニア含有水に過酸化水素を
添加し、マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と
接触させることを特徴とするアンモニア含有水の処理方
法、を提供するものである。さらに、本発明の好ましい
態様として、(2)過酸化水素の添加量が、アンモニア
との反応当量の1.0〜1.5倍量である第(1)項記載の
アンモニア含有水の処理方法、(3)ゼオライトが、ク
リノプチロライト型又はX型ゼオライトである第(1)項
又は第(2)項記載のアンモニア含有水の処理方法、を挙
げることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明方法を適用することができ
るアンモニア含有水としては、例えば、染料工場排水、
肥料工場排水、半導体工場排水、発電所排水などを挙げ
ることができる。本発明方法においては、アンモニア含
有水に過酸化水素を添加する。過酸化水素の添加量は、
アンモニアとの反応当量の1.0〜1.5倍量とすること
が好ましく、1.0〜1.2倍量とすることがより好まし
い。添加する過酸化水素の量が反応当量の1.0倍量未
満であると、アンモニアの酸化分解は進むものの、除去
効果が急激に低下し、水中のアンモニアの分解が不完全
となるおそれがある。通常は、過酸化水素をアンモニア
との反応当量の1.0倍量を添加することにより、水中
のアンモニアは完全に分解されるが、水中に共存する物
質の種類によっては、過酸化水素が消費されるため、反
応当量の1.0倍量よりも若干過剰に加えることが好ま
しい。添加する過酸化水素の量が反応当量の1.5倍量
を超えても、アンモニアの分解率は過酸化水素の量の増
加に見合っては向上しない。アンモニアと過酸化水素の
反応当量は、次式にしたがって計算することができ、ア
ンモニアとの反応当量の1.0〜1.5倍量に相当する過
酸化水素は、アンモニア性窒素の3.64〜5.46重量
倍となる。 2NH3+3H2O2 → N2↑+6H2O …(3)
るアンモニア含有水としては、例えば、染料工場排水、
肥料工場排水、半導体工場排水、発電所排水などを挙げ
ることができる。本発明方法においては、アンモニア含
有水に過酸化水素を添加する。過酸化水素の添加量は、
アンモニアとの反応当量の1.0〜1.5倍量とすること
が好ましく、1.0〜1.2倍量とすることがより好まし
い。添加する過酸化水素の量が反応当量の1.0倍量未
満であると、アンモニアの酸化分解は進むものの、除去
効果が急激に低下し、水中のアンモニアの分解が不完全
となるおそれがある。通常は、過酸化水素をアンモニア
との反応当量の1.0倍量を添加することにより、水中
のアンモニアは完全に分解されるが、水中に共存する物
質の種類によっては、過酸化水素が消費されるため、反
応当量の1.0倍量よりも若干過剰に加えることが好ま
しい。添加する過酸化水素の量が反応当量の1.5倍量
を超えても、アンモニアの分解率は過酸化水素の量の増
加に見合っては向上しない。アンモニアと過酸化水素の
反応当量は、次式にしたがって計算することができ、ア
ンモニアとの反応当量の1.0〜1.5倍量に相当する過
酸化水素は、アンモニア性窒素の3.64〜5.46重量
倍となる。 2NH3+3H2O2 → N2↑+6H2O …(3)
【0006】本発明方法においては、過酸化水素を添加
したアンモニア含有水を、マンガン酸化物を担持させた
ゼオライト触媒と接触させることにより、アンモニアの
分解処理を行う。過酸化水素を添加したアンモニア含有
水が、マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接
触すると、式(3)により表されるアンモニアの分解反
応が常温において急速に進み、アンモニア含有水中のア
ンモニアが分解除去される。本発明方法に使用するマン
ガン酸化物としては、例えば、一酸化マンガンMnO、
三酸化二マンガンMn2O3、二酸化マンガンMnO2、
七酸化二マンガンMn2O7などを挙げることができる。
本発明方法において、マンガン酸化物を担持させるゼオ
ライトは、分子と同程度の大きさの均一な細孔を有する
結晶性アルミノケイ酸塩で、ケイ素原子とその一部をア
ルミニウム原子で置換した四面体が、酸素原子を介して
三次元網目構造をつくり、特有の空洞や孔路を形成した
ものである。空洞や孔路の大きさは、酸素環の大きさで
決まる。ゼオライトは、通常カチオン交換能を有してい
る。本発明方法において担体として用いるゼオライトと
しては、クリノプチロライト型、モルデナイト型などの
天然ゼオライト、A型、X型、Y型などの合成ゼオライ
トなどを好適に使用することができる。これらの中で、
クリノプチロライト型ゼオライト及びX型ゼオライトが
特に好ましい。これらのゼオライトは、1種を単独で使
用することができ、2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
したアンモニア含有水を、マンガン酸化物を担持させた
ゼオライト触媒と接触させることにより、アンモニアの
分解処理を行う。過酸化水素を添加したアンモニア含有
水が、マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接
触すると、式(3)により表されるアンモニアの分解反
応が常温において急速に進み、アンモニア含有水中のア
ンモニアが分解除去される。本発明方法に使用するマン
ガン酸化物としては、例えば、一酸化マンガンMnO、
三酸化二マンガンMn2O3、二酸化マンガンMnO2、
七酸化二マンガンMn2O7などを挙げることができる。
本発明方法において、マンガン酸化物を担持させるゼオ
ライトは、分子と同程度の大きさの均一な細孔を有する
結晶性アルミノケイ酸塩で、ケイ素原子とその一部をア
ルミニウム原子で置換した四面体が、酸素原子を介して
三次元網目構造をつくり、特有の空洞や孔路を形成した
ものである。空洞や孔路の大きさは、酸素環の大きさで
決まる。ゼオライトは、通常カチオン交換能を有してい
る。本発明方法において担体として用いるゼオライトと
しては、クリノプチロライト型、モルデナイト型などの
天然ゼオライト、A型、X型、Y型などの合成ゼオライ
トなどを好適に使用することができる。これらの中で、
クリノプチロライト型ゼオライト及びX型ゼオライトが
特に好ましい。これらのゼオライトは、1種を単独で使
用することができ、2種以上を組み合わせて使用するこ
とができる。
【0007】担体とするゼオライトの処理は、マンガン
の硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの水溶液又はこれらの混
合水溶液と接触させることにより行う。接触方法として
は、ゼオライトの粒子を水溶液に浸漬することができ、
あるいは、ゼオライトの粒子をカラムなどに充填し、水
溶液を一過式又は循環式に接触させることができる。マ
ンガン塩の濃度や接触時間は、ゼオライト上に必要量の
マンガンが担持されるように設定する。マンガンの担持
量は、通常担体の重量当たり0.01〜10重量%とす
ることが好ましい。マンガン塩の水溶液で処理したゼオ
ライトを、水溶液と分離したのち必要に応じて水洗す
る。水洗は、ゼオライトの活性点のみにマンガンイオン
を残すためであり、この操作により、少量のマンガンイ
オンで効果的な触媒を得ることができる。洗浄の目安と
して、マンガンイオンの色が洗浄水から消えるまで行う
ことが好ましい。次いで、このようにして得られた活性
点にマンガンイオンを有するゼオライトを、塩素剤を含
むアルカリ水溶液と接触させることにより、本発明方法
に用いるマンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒を
得ることができる。接触方法としては、ゼオライトを塩
素剤を含むアルカリ水溶液に浸漬することができ、ある
いは、ゼオライトをカラムなどに充填し、塩素剤を含む
アルカリ水溶液を一過式又は循環式に接触させることが
できる。また、水洗後のゼオライトをあらかじめ加熱し
てマンガンイオンを酸化物に変え、次いでアルカリ水溶
液と接触させても同様な触媒を得ることができる。この
接触の際に、微量のマンガンイオンがゼオライトから外
れ、酸化物の微細な沈殿物が生成する場合があるが、沈
殿物は最後に水洗して除去することができる。塩素剤と
しては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、塩素ガス、電
解により発生させた塩素など、遊離塩素を発生する薬剤
を用いることができる。塩素剤とともに用いるアルカリ
水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの水溶液を用いることができる。
の硫酸塩、硝酸塩、塩化物などの水溶液又はこれらの混
合水溶液と接触させることにより行う。接触方法として
は、ゼオライトの粒子を水溶液に浸漬することができ、
あるいは、ゼオライトの粒子をカラムなどに充填し、水
溶液を一過式又は循環式に接触させることができる。マ
ンガン塩の濃度や接触時間は、ゼオライト上に必要量の
マンガンが担持されるように設定する。マンガンの担持
量は、通常担体の重量当たり0.01〜10重量%とす
ることが好ましい。マンガン塩の水溶液で処理したゼオ
ライトを、水溶液と分離したのち必要に応じて水洗す
る。水洗は、ゼオライトの活性点のみにマンガンイオン
を残すためであり、この操作により、少量のマンガンイ
オンで効果的な触媒を得ることができる。洗浄の目安と
して、マンガンイオンの色が洗浄水から消えるまで行う
ことが好ましい。次いで、このようにして得られた活性
点にマンガンイオンを有するゼオライトを、塩素剤を含
むアルカリ水溶液と接触させることにより、本発明方法
に用いるマンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒を
得ることができる。接触方法としては、ゼオライトを塩
素剤を含むアルカリ水溶液に浸漬することができ、ある
いは、ゼオライトをカラムなどに充填し、塩素剤を含む
アルカリ水溶液を一過式又は循環式に接触させることが
できる。また、水洗後のゼオライトをあらかじめ加熱し
てマンガンイオンを酸化物に変え、次いでアルカリ水溶
液と接触させても同様な触媒を得ることができる。この
接触の際に、微量のマンガンイオンがゼオライトから外
れ、酸化物の微細な沈殿物が生成する場合があるが、沈
殿物は最後に水洗して除去することができる。塩素剤と
しては、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、塩素ガス、電
解により発生させた塩素など、遊離塩素を発生する薬剤
を用いることができる。塩素剤とともに用いるアルカリ
水溶液としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムな
どの水溶液を用いることができる。
【0008】本発明方法においては、過酸化水素を添加
したアンモニア含有水を、上記のようにして調製したマ
ンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接触させる
ことにより、アンモニアを分解する。触媒は、直径0.
5〜10mm程度の粒子をカラムに充填して、固定層又は
流動層として用いることができる。粒径が0.5mm未満
であると、固定層では圧力損失が大きくなり、流動層で
は担体が破壊して処理水中に混入するおそれがある。通
水方向は、上向流又は下向流のいずれともすることがで
きるが、本発明方法においては、窒素ガスが発生するの
で、上向流とすることが好ましい。本発明方法におい
て、通水速度は、アンモニア含有水のアンモニア濃度、
接触方法やゼオライト担体上のマンガン酸化物の担持量
などにより適宜選択することができるが、通常はSVを
1〜10h-1、すなわち、触媒との接触時間を6〜60
分とすることが好ましい。過酸化水素を添加したアンモ
ニア含有水と、マンガン酸化物を担持させたゼオライト
触媒の接触は、通常は20〜30℃の常温で行うことが
できるが、40〜50℃まで加温すれば反応速度が大き
くなり、接触時間を短縮することができる。一般的に
は、アンモニア含有水中のアンモニア濃度が高い場合に
は、接触時間を長くすることが好ましい。また、接触時
間が短すぎると、処理水中に過酸化水素が残留するおそ
れがある。本発明方法において、アンモニア含有水のpH
は6以上とすることが好ましく、7以上とすることがよ
り好ましく、pHを7〜11とすることがさらに好まし
い。アンモニア含有水のpHが6未満であると、担持した
マンガン酸化物が少量ずつ溶離するおそれがある。
したアンモニア含有水を、上記のようにして調製したマ
ンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接触させる
ことにより、アンモニアを分解する。触媒は、直径0.
5〜10mm程度の粒子をカラムに充填して、固定層又は
流動層として用いることができる。粒径が0.5mm未満
であると、固定層では圧力損失が大きくなり、流動層で
は担体が破壊して処理水中に混入するおそれがある。通
水方向は、上向流又は下向流のいずれともすることがで
きるが、本発明方法においては、窒素ガスが発生するの
で、上向流とすることが好ましい。本発明方法におい
て、通水速度は、アンモニア含有水のアンモニア濃度、
接触方法やゼオライト担体上のマンガン酸化物の担持量
などにより適宜選択することができるが、通常はSVを
1〜10h-1、すなわち、触媒との接触時間を6〜60
分とすることが好ましい。過酸化水素を添加したアンモ
ニア含有水と、マンガン酸化物を担持させたゼオライト
触媒の接触は、通常は20〜30℃の常温で行うことが
できるが、40〜50℃まで加温すれば反応速度が大き
くなり、接触時間を短縮することができる。一般的に
は、アンモニア含有水中のアンモニア濃度が高い場合に
は、接触時間を長くすることが好ましい。また、接触時
間が短すぎると、処理水中に過酸化水素が残留するおそ
れがある。本発明方法において、アンモニア含有水のpH
は6以上とすることが好ましく、7以上とすることがよ
り好ましく、pHを7〜11とすることがさらに好まし
い。アンモニア含有水のpHが6未満であると、担持した
マンガン酸化物が少量ずつ溶離するおそれがある。
【0009】本発明方法によれば、アンモニア含有水中
のアンモニアの酸化分解を、反応当量に近い量の過酸化
水素を使用し、常温、常圧条件で速い反応速度で行うこ
とができるので、反応装置のコンパクト化が可能とな
り、安定した水質の処理水を得ることができる。従来
の、触媒が存在しない状態で酸化剤とアンモニアを反応
させる方法では、反応速度が遅いため長時間の反応時間
を必要とし、その間に添加した酸化剤が分解して消費さ
れるため、通常は反応当量の1.3〜2倍量又はそれ以
上を添加する必要があった。本発明方法によれば、過酸
化水素の添加量は、反応当量又は若干の過剰量でよく、
反応は急速に進み、小型の装置で、高除去率でアンモニ
アを除去することができ、従来法のような大過剰の酸化
剤の添加を必要としない。特に、本発明方法において、
使用するマンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒が
過酸化水素を分解する能力を有するので、過剰の過酸化
水素が供給されても処理水中に過酸化水素が残存するお
それがなく、従来のように酸化剤除去工程を別に設ける
必要がない。また、本発明方法においては、供給された
過酸化水素は、マンガン酸化物を担持させたゼオライト
触媒により分解されるよりも、アンモニアとの反応が優
先され、無駄に分解されることがない。
のアンモニアの酸化分解を、反応当量に近い量の過酸化
水素を使用し、常温、常圧条件で速い反応速度で行うこ
とができるので、反応装置のコンパクト化が可能とな
り、安定した水質の処理水を得ることができる。従来
の、触媒が存在しない状態で酸化剤とアンモニアを反応
させる方法では、反応速度が遅いため長時間の反応時間
を必要とし、その間に添加した酸化剤が分解して消費さ
れるため、通常は反応当量の1.3〜2倍量又はそれ以
上を添加する必要があった。本発明方法によれば、過酸
化水素の添加量は、反応当量又は若干の過剰量でよく、
反応は急速に進み、小型の装置で、高除去率でアンモニ
アを除去することができ、従来法のような大過剰の酸化
剤の添加を必要としない。特に、本発明方法において、
使用するマンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒が
過酸化水素を分解する能力を有するので、過剰の過酸化
水素が供給されても処理水中に過酸化水素が残存するお
それがなく、従来のように酸化剤除去工程を別に設ける
必要がない。また、本発明方法においては、供給された
過酸化水素は、マンガン酸化物を担持させたゼオライト
触媒により分解されるよりも、アンモニアとの反応が優
先され、無駄に分解されることがない。
【0010】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 水に硫酸アンモニウムを溶解して、アンモニア性窒素濃
度200mg/リットルの合成排水を調製した。直径2〜
3mmの真球状X型ゼオライトにマンガン酸化物を担持さ
せた触媒50mlを、内径21mmの円筒状カラムに充填し
て反応カラムとした。合成排水に、過酸化水素濃度が7
30mg/リットルになるよう過酸化水素水を添加した。
過酸化水素水を添加した合成排水を、常温で反応カラム
に300ml/h(SV6h-1)の流速で通液処理した。
反応カラムから流出する処理水を、インドフェノール発
色・比色法により分析したところ、アンモニア性窒素の
濃度は14.8mg/リットルであり、アンモニアの除去
率は92.6%であった。また、反応カラムから流出す
る処理水を、過マンガン酸塩滴定法により分析したとこ
ろ、過酸化水素濃度は0.1mg/リットル以下であっ
た。 実施例2 X型ゼオライトにマンガン酸化物を担持させた触媒の代
わりに、クリノプチロライト型ゼオライトにマンガン酸
化物を担持させた触媒を用いた以外は、実施例1と同じ
操作を繰り返した。反応カラムから流出する処理水中の
アンモニア性窒素の濃度は3.2mg/リットルであり、
アンモニアの除去率は98.4%であった。また、処理
水中の過酸化水素濃度は0.1mg/リットル以下であっ
た。 比較例1 マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒の代わり
に、酸化チタンにマンガン酸化物を担持させた触媒を用
いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。反応カ
ラムから流出する処理水中のアンモニア性窒素の濃度は
200mg/リットルであり、アンモニアはほとんど除去
されなかった。 比較例2 マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒の代わり
に、ジルコニアにマンガン酸化物を担持させた触媒を用
いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。反応カ
ラムから流出する処理水中のアンモニア性窒素の濃度は
200mg/リットルであり、アンモニアはほとんど除去
されなかった。 比較例3 マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒の代わり
に、シュンガイトにマンガン酸化物を担持させた触媒を
用いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。反応
カラムから流出する処理水中のアンモニア性窒素の濃度
は200mg/リットルであり、アンモニアはほとんど除
去されなかった。実施例1〜2及び比較例1〜3の結果
を、第1表に示す。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限
定されるものではない。 実施例1 水に硫酸アンモニウムを溶解して、アンモニア性窒素濃
度200mg/リットルの合成排水を調製した。直径2〜
3mmの真球状X型ゼオライトにマンガン酸化物を担持さ
せた触媒50mlを、内径21mmの円筒状カラムに充填し
て反応カラムとした。合成排水に、過酸化水素濃度が7
30mg/リットルになるよう過酸化水素水を添加した。
過酸化水素水を添加した合成排水を、常温で反応カラム
に300ml/h(SV6h-1)の流速で通液処理した。
反応カラムから流出する処理水を、インドフェノール発
色・比色法により分析したところ、アンモニア性窒素の
濃度は14.8mg/リットルであり、アンモニアの除去
率は92.6%であった。また、反応カラムから流出す
る処理水を、過マンガン酸塩滴定法により分析したとこ
ろ、過酸化水素濃度は0.1mg/リットル以下であっ
た。 実施例2 X型ゼオライトにマンガン酸化物を担持させた触媒の代
わりに、クリノプチロライト型ゼオライトにマンガン酸
化物を担持させた触媒を用いた以外は、実施例1と同じ
操作を繰り返した。反応カラムから流出する処理水中の
アンモニア性窒素の濃度は3.2mg/リットルであり、
アンモニアの除去率は98.4%であった。また、処理
水中の過酸化水素濃度は0.1mg/リットル以下であっ
た。 比較例1 マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒の代わり
に、酸化チタンにマンガン酸化物を担持させた触媒を用
いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。反応カ
ラムから流出する処理水中のアンモニア性窒素の濃度は
200mg/リットルであり、アンモニアはほとんど除去
されなかった。 比較例2 マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒の代わり
に、ジルコニアにマンガン酸化物を担持させた触媒を用
いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。反応カ
ラムから流出する処理水中のアンモニア性窒素の濃度は
200mg/リットルであり、アンモニアはほとんど除去
されなかった。 比較例3 マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒の代わり
に、シュンガイトにマンガン酸化物を担持させた触媒を
用いた以外は、実施例1と同じ操作を繰り返した。反応
カラムから流出する処理水中のアンモニア性窒素の濃度
は200mg/リットルであり、アンモニアはほとんど除
去されなかった。実施例1〜2及び比較例1〜3の結果
を、第1表に示す。
【0011】
【表1】
【0012】第1表の結果から、マンガン酸化物を担持
させたゼオライト触媒に、過酸化水素を添加したアンモ
ニア含有水を接触させて処理した実施例1〜2において
は、アンモニアが90%以上の除去率で分解除去されて
いるのに対して、同じマンガン酸化物を担持した触媒で
あっても、担体が酸化チタン、ジルコニア、シュンガイ
トである比較例1〜3においては、アンモニアはほとん
ど分解されないことが分かる。また、実施例1〜2にお
いては、過酸化水素を反応当量の1.1倍量添加してい
るが、過剰の過酸化水素も分解され、処理水中にはほと
んど含まれていない。
させたゼオライト触媒に、過酸化水素を添加したアンモ
ニア含有水を接触させて処理した実施例1〜2において
は、アンモニアが90%以上の除去率で分解除去されて
いるのに対して、同じマンガン酸化物を担持した触媒で
あっても、担体が酸化チタン、ジルコニア、シュンガイ
トである比較例1〜3においては、アンモニアはほとん
ど分解されないことが分かる。また、実施例1〜2にお
いては、過酸化水素を反応当量の1.1倍量添加してい
るが、過剰の過酸化水素も分解され、処理水中にはほと
んど含まれていない。
【0013】
【発明の効果】本発明方法によれば、過酸化水素の酸化
反応により、水中のアンモニアを常温で急速に分解除去
し、小型の装置でアンモニア含有水を処理することがで
きる。また、過剰に添加した過酸化水素は分解し、処理
水中に残留しないので、さらに処理水から過酸化水素を
除去する工程を必要としない。
反応により、水中のアンモニアを常温で急速に分解除去
し、小型の装置でアンモニア含有水を処理することがで
きる。また、過剰に添加した過酸化水素は分解し、処理
水中に残留しないので、さらに処理水から過酸化水素を
除去する工程を必要としない。
Claims (1)
- 【請求項1】アンモニア含有水に過酸化水素を添加し、
マンガン酸化物を担持させたゼオライト触媒と接触させ
ることを特徴とするアンモニア含有水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19944597A JPH1128480A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | アンモニア含有水の処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19944597A JPH1128480A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | アンモニア含有水の処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1128480A true JPH1128480A (ja) | 1999-02-02 |
Family
ID=16407942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19944597A Pending JPH1128480A (ja) | 1997-07-09 | 1997-07-09 | アンモニア含有水の処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1128480A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110835154A (zh) * | 2019-12-16 | 2020-02-25 | 天合光能股份有限公司 | 氨水与双氧水废水处理装置及方法 |
-
1997
- 1997-07-09 JP JP19944597A patent/JPH1128480A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110835154A (zh) * | 2019-12-16 | 2020-02-25 | 天合光能股份有限公司 | 氨水与双氧水废水处理装置及方法 |
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