JPH1085764A - 活性炭による臭素酸含有水の処理方法 - Google Patents

活性炭による臭素酸含有水の処理方法

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JPH1085764A
JPH1085764A JP26354196A JP26354196A JPH1085764A JP H1085764 A JPH1085764 A JP H1085764A JP 26354196 A JP26354196 A JP 26354196A JP 26354196 A JP26354196 A JP 26354196A JP H1085764 A JPH1085764 A JP H1085764A
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water
treated
ions
reducing agent
activated carbon
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JP26354196A
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English (en)
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Kazuya Uesugi
和也 上杉
Satoshi Yo
敏 楊
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Organo Corp
Original Assignee
Organo Corp
Japan Organo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭素酸イオン(BrO3 -)を含有する水、例
えば各種産業排水や、オゾンを使用して各種産業排水の
処理を行う際に生じる処理水等から臭素酸イオンを分解
除去するに当たり、活性炭を用いて被処理水中の臭素酸
イオンをほぼ完全に臭素イオン(Br-)に分解できる
ようにする。 【解決手段】 臭素酸イオンを含有する被処理水のpH
を5未満、好ましくは2〜4に制御して被処理水と活性
炭とを接触させる。例えば、原水タンク52内の臭素酸
イオンを含有する原水にpH調整剤添加機構54からp
H調整剤を添加して原水のpHを5未満、好ましくは2
〜4に調整した後、この原水を活性炭槽60に通水す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、臭素酸イオンを含
有する水、例えば各種産業排水や、オゾンを使用して各
種産業排水の処理を行う際に生じる処理水(中間処理水
を含む)等から活性炭を用いて臭素酸イオンを分解除去
する水処理方法に関する。また、本発明は、上記水処理
方法を用いた臭素・オゾン法によるアンモニア性窒素含
有排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】各種産業排水の中には、臭素酸あるいは
次亜臭素酸や、それらの塩類を含有するものがある。ま
た、各種産業排水の処理工程等において、臭素イオンを
含有する水にオゾンを添加すると、ある条件では臭素酸
あるいは次亜臭素酸や、それらの塩類が生成することが
ある。臭素酸化合物、臭素酸イオンは、高い変異原性を
持つ物質として、近年そのモニタリングや生成過程の研
究、さらには除去方法の検討などが行われるようになっ
ている。次亜臭素酸化合物、次亜臭素酸イオンは、強い
酸化性と毒性を有するため、水を放流する前にそれらを
分解する必要がある。この場合、臭素酸イオン及び次亜
臭素酸イオンは酸化性を有するため、亜硫酸ナトリウム
等の還元剤を用いて還元除去する方法が考えられてい
る。また、次亜臭素酸イオンに関しては、活性炭で分解
処理できることが知られている。
【0003】一方、近年、臭素イオンの存在下において
アンモニア性窒素含有排水にオゾンを添加することによ
り、アンモニア性窒素を窒素ガスに酸化して除去できる
ことが見い出され、これを利用した排水の処理方法(臭
素・オゾン法)が提案されている(特開平3−1813
90号、特開平7−195089号等)。臭素・オゾン
法においては、まず排水中に添加された臭素イオンとオ
ゾンとが反応して次亜臭素酸イオン(あるいは次亜臭素
酸)が生成する(下記式1)。次に、生成した次亜臭素
酸イオン(あるいは次亜臭素酸)とアンモニア性窒素と
が反応して、アンモニア性窒素が窒素ガス化される(下
記式2)。そして、結果的には下記(3)の反応式にし
たがってアンモニア性窒素の酸化が行われる。したがっ
て、臭素・オゾン法では、Br-がオゾンと反応してB
rO-になり、次いでNH4 +と反応してBr-に戻り、さ
らにオゾンと反応してBrO-になるというサイクルを
繰り返すもので、Br-は触媒的な作用を示す。 O3 + Br- → BrO- + O2 …(1) 2NH4 + + 3BrO- → N2 + 3Br- + 3H2O + 2H+ …(2) 2NH4 + + 3O3 → N2 + 3O2 + 3H2O + 2H+ …(3)
【0004】上述した臭素・オゾン法では、前記式
(1)に示したようにアンモニア性窒素の除去に必要な
次亜臭素酸イオンが生成するとともに、反応条件によっ
ては、下記式(4)(推定)に示すようにアンモニア性
窒素の除去には必要のない臭素酸イオンが副生成するこ
とがある。そのため、臭素・オゾン法によるアンモニア
性窒素の除去では、前記反応によってアンモニア性窒素
が除去された後の水(アンモニア性窒素除去水)の中に
臭素酸イオン及び次亜臭素酸イオンの一方又は両方が残
存する可能性がある。 3O3 + Br- → BrO3 - + 3O2 …(4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】水中に含まれる臭素酸
イオン(BrO3 -)及び次亜臭素酸イオン(BrO-
の除去については、様々な研究や提案がなされている
が、それらを実用化するにはまだ課題が多いのが実状で
ある。例えば、亜硫酸ナトリウム等の還元剤を用いて臭
素酸イオンや次亜臭素酸イオンを還元処理する場合、被
処理水に過剰量の還元剤を添加すると、還元剤が処理水
中に残存して処理水中のCOD成分の増加を招き、再処
理の必要性が生じる。一方、還元剤の添加量を必要最小
限にして還元剤が処理水中に残存しないようにするに
は、還元剤の添加量の精密な制御が必要となり、計装設
備の複雑化や処理の不安定化等の問題が生じる。さら
に、次亜臭素酸イオンに比べて酸化力の弱い臭素酸イオ
ンの場合は、還元剤を通常の条件下で添加しても十分に
還元されないという問題がある。
【0006】また、活性炭を用いれば次亜臭素酸イオン
はほぼ完全に分解できるが、次亜臭素酸イオン濃度が高
くなると、活性炭が劣化して微粉化が生じ、処理水中に
活性炭の微粉末が漏出するという問題が起こる。一方、
臭素酸イオンについては活性炭を用いて処理する試みも
あるが、その反応条件等を詳細に検討した例は少なく、
かつ、その処理は活性炭の吸着能に負うところが大きい
ので、還元によって臭素酸イオンを臭素イオン(B
-)に変換し、無害化するには至っていないととも
に、活性炭の吸着能もそれほど大きくないという問題が
あるのが現状である。処理負荷にもよるが、活性炭によ
って臭素酸イオンを処理する場合、その臭素イオンへの
分解率は非常に低いのが通常である。さらに、水中に臭
素酸イオン及び次亜臭素酸イオンが共存する場合におけ
るそれらの分解方法は未だほとんど検討されていない。
【0007】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、活性炭を用いて被処理水中の臭素酸イオンを臭素イ
オンに分解除去することが可能な方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】臭素酸イオンを亜流酸ナ
トリウム等の還元剤で還元する方法には、前述したよう
に、被処理水に過剰量の還元剤を添加すると、還元剤
が処理水中に残存して処理水中のCOD成分の増加を招
く、還元剤の添加量を必要最小限にして還元剤が処理
水中に残存しないようにするには、還元剤の添加量の精
密な制御が必要となり、計装設備の複雑化や処理の不安
定化等の問題が生じる、還元剤を通常の条件下で添加
しても十分に還元されない、という問題があるため、本
発明者らは、臭素酸イオンを活性炭によって処理するこ
とを検討した。しかし、臭素酸イオンを活性炭で処理す
る方法には、前述したように、活性炭の吸着能に負う
ところが大きく、還元によって臭素酸イオンを臭素イオ
ンに変換し、無害化するというものではないとともに、
活性炭の臭素イオン吸着能力はそれほど大きくない、と
いう問題があった。
【0009】これに対し、本発明者らは種々検討を行っ
た結果、活性炭に接触させる被処理水のpHを特定の範
囲に保つことにより、活性炭を用いて臭素酸イオンを臭
素イオンに分解できることを見出した。すなわち、臭素
酸イオンを含む被処理水(臭素酸含有水)と活性炭とを
接触させる場合、被処理水のpHが中性付近又はそれ以
上だと、臭素酸イオンは活性炭に単に吸着されるだけで
ほとんど臭素イオンにまで分解されないが、pHが酸性
側になるにつれて臭素酸イオンの臭素イオンへの分解率
が高くなり、pHを5未満、特に2〜4とした状態で被
処理水を活性炭に接触させた場合、臭素酸イオンが臭素
イオンにほぼ完全に分解されることを知見し、本発明を
なすに至った。
【0010】したがって、本発明は、臭素酸イオンを含
有する被処理水中から臭素酸イオンを分解除去するに当
たり、被処理水のpHを5未満に制御して被処理水と活
性炭とを接触させることを特徴とする臭素酸含有水の処
理方法を提供する。
【0011】また、本発明は、アンモニア性窒素含有排
水に臭素イオンの存在下でオゾンを添加することによ
り、該排水中のアンモニア性窒素を除去する排水処理方
法において、アンモニア性窒素の除去を行った後のアン
モニア性窒素除去水のpHを5未満に制御してアンモニ
ア性窒素除去水と活性炭とを接触させ、該アンモニア性
窒素除去水中の臭素酸イオンを分解除去することを特徴
とするアンモニア性窒素含有排水の処理方法を提供す
る。
【0012】本発明においては、被処理水(アンモニア
性窒素含有排水の処理方法におけるアンモニア性窒素除
去水を含む、以下同じ)のpHを5未満に制御するもの
であるが、被処理水のより好ましいpHは、臭素酸イオ
ンの分解率の点で2〜4、特に2.5〜3.5である。
また、被処理水を活性炭槽に通水する場合、被処理水の
通水SV(空塔速度)は1〜20H-1とすることが適当
である。さらに、本発明において使用する活性炭の種類
に限定はないが、例えば、石炭系、木質系等の粒状活性
炭や合成高分子系の活性炭繊維等を好適に使用すること
ができる。
【0013】なお、臭素酸イオンを含有するpH5未満
の被処理水を活性炭に接触させた場合、通水初期には活
性炭の吸着能によって臭素酸イオンが活性炭に吸着され
ることもあるが、吸着がほぼ飽和に達した後でも、臭素
酸イオンは良好に臭素イオンに分解される。この場合の
臭素酸イオンの分解反応、及び、次亜臭素酸イオンが共
存するときのその分解反応は、下記式(5)、(6)に
示す置換反応と、活性炭の触媒作用によって臭素酸イオ
ン及び次亜臭素酸イオンが臭素イオンに分解する反応と
が競合しているものと考えられる。 3C + 2BrO3 - → 2Br- + 3CO2 …(5) C + 2BrO- → 2Br- + CO2 …(6)
【0014】また、本発明者らは、水中に臭素酸イオン
及び次亜臭素酸イオンが共存する場合においても、被処
理水のpHを5未満とした状態で被処理水を活性炭に接
触させることにより、臭素酸イオン及び次亜臭素酸イオ
ンが臭素イオンにほぼ完全に分解することを確認した
が、この場合には、前述したように、次亜臭素酸イオン
濃度が高くなると、活性炭が劣化して微粉化が生じる、
という問題があった。
【0015】そこで、本発明者らは、活性炭の微粉化を
極力抑制しつつ、臭素酸イオン及び次亜臭素酸イオンが
共存する場合にそれらを活性炭を用いて臭素イオンに分
解する方法について検討を行った。その結果、次亜臭素
酸イオンを完全に臭素イオンに還元するのにはやや不足
する量の還元剤を被処理水に添加して次亜臭素酸イオン
の大部分を臭素イオンに還元した後、被処理水のpHを
5未満とした状態で被処理水を活性炭に接触させた場
合、活性炭に接触する被処理水中の次亜臭素酸イオン濃
度が低減しているため活性炭の微粉化が抑制されるとと
もに、次亜臭素酸イオンの完全分解に必要な量より少量
の還元剤を使用するため処理水中に還元剤が残存するこ
とがなく、しかもやや不足する量の還元剤を添加すれば
よいため還元剤の添加量を精密に制御する必要がなくな
ることを見出した。
【0016】したがって、本発明の臭素酸含有水の処理
方法においては、被処理水中に次亜臭素酸イオンが共存
する場合に、被処理水に還元剤を添加して予め被処理水
中の次亜臭素酸イオンの大部分を臭素イオンに還元した
後、被処理水のpHを5未満に制御して被処理水と活性
炭とを接触させることが好ましい。
【0017】また、本発明のアンモニア性窒素含有排水
の処理方法においては、アンモニア性窒素除去水に還元
剤を添加して予めアンモニア性窒素除去水中の次亜臭素
酸イオンの大部分を臭素イオンに還元した後、アンモニ
ア性窒素除去水のpHを5未満に制御してアンモニア性
窒素除去水と活性炭とを接触させ、該アンモニア性窒素
除去水中の臭素酸イオン及び次亜臭素酸イオンを分解除
去することが好ましい。
【0018】この場合、活性炭に接触させる被処理水
(アンモニア性窒素含有排水の処理方法におけるアンモ
ニア性窒素除去水を含む)中に次亜臭素酸イオンを残存
させるものであるが、次亜臭素酸イオンの残存量は0.
1〜5mgBr/L程度、特に0.5〜5mgBr/L
程度とすることが適当である。また、被処理水に還元剤
を添加するに際しては、還元剤の添加量を還元剤添加後
の被処理水のORP(酸化還元電位)に基づいて制御す
ることができる。これは、被処理水中の次亜臭素酸イオ
ンの大部分が分解されたがまだ少量の次亜臭素酸イオン
が残存しているときと、被処理水中の次亜臭素酸イオン
が完全に分解されたときとの間でORPの値が大きく変
動するからである。なお、還元剤の種類に限定はない
が、例えば、亜流酸ナトリウム、亜流酸カリウム等を使
用することができる。
【0019】特に、本発明のアンモニア性窒素含有排水
の処理方法においては、還元剤を添加した後のアンモニ
ア性窒素除去水のORPが400〜800mVとなるよ
うにアンモニア性窒素除去水に還元剤を添加することが
好ましい。すなわち、本発明者らの検討によると、次亜
臭素酸イオンを含有する水にpH3.5の条件下で亜硫
酸ナトリウムを徐々に添加して次亜臭素酸イオンを分解
する場合、次亜臭素酸イオンの大部分が分解するまでO
RPの値は少しずつ下がるが、次亜臭素酸イオンがほぼ
完全に分解すると、ORPの値は瞬間的に800mV前
後から300mV前後まで低下するものであった。した
がって、アンモニア性窒素除去水のORPが400〜8
00mVとなるようにアンモニア性窒素除去水への還元
剤の添加量を制御すれば、還元剤の添加量は過剰になら
ないで僅かに不足する程度の量となり、還元剤がCOD
成分として処理水中に残存することを防止することがで
きる。一方、還元剤添加後に残存している次亜臭素酸イ
オンは、臭素酸イオンと共に活性炭との接触によって分
解される。
【0020】なお、本発明のアンモニア性窒素含有排水
の処理方法において、アンモニア性窒素除去時における
処理条件、例えば被処理水中のアンモニア性窒素濃度と
臭素イオン濃度との比、被処理水へのオゾン添加量、被
処理水のpH等は、適宜決定することができる。例え
ば、被処理水中のアンモニア性窒素濃度と臭素イオン濃
度との比は、Br/Nの重量比で1/1〜1/4程度と
することができる。なお、被処理水への臭素イオンの添
加には、NaBr、KBr等の臭素化合物の水溶液を用
いることができる。また、被処理水へのオゾン添加量
は、被処理水中のアンモニア性窒素含有量の約5倍量程
度とすることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係るアンモニア
性窒素含有排水処理方法の実施に用いる連続排水処理装
置の一例を示すフロー図である。図1において、2は原
水導入管、4は原水調整槽、6は原水調整槽4に連結さ
れた臭素イオン添加機構、8はオゾンとアンモニア性窒
素とを反応させる反応槽、10はオゾン含有ガス発生装
置、12は還元剤混合槽、14はpH調整槽、16は活
性炭槽を示す。還元剤混合槽12には、還元剤添加機構
18及びORP計20が連結されている。pH調整槽1
4には、第1pH計22及び第1pH調整剤添加機構2
4が連結されている。また、活性炭槽16の処理水が流
出する処理水流出管26には、第2pH調整剤添加機構
28が連結されているとともに、第2pH調整剤添加機
構28の連結位置より下流側において第2pH計30が
連結されている。さらに、還元剤添加機構18とORP
計20、第1pH計22と第1pH調整剤添加機構2
4、第2pH計30と第2pH調整剤添加機構28と
は、それぞれ計装的に接続されている。
【0022】図1の装置による排水処理は、次のように
して行われる。まず、原水調整槽4において被処理水
(原水)に臭素イオン添加機構6から臭素イオン含有水
が添加され、この被処理水が反応槽8に導入される。そ
して、オゾン含有ガス発生装置10で発生させたオゾン
含有ガスが反応槽8内の被処理水に添加される。これに
より、反応槽8において、被処理水中のアンモニア性窒
素が窒素ガスに分解されて除去される。
【0023】反応槽8の流出水(アンモニア性窒素除去
水)は、還元剤混合槽12に導入される。そして、ここ
でアンモニア性窒素除去水に還元剤が添加され、アンモ
ニア性窒素除去水中の次亜臭素酸イオンの大部分が臭素
イオンに還元される。この場合、還元剤の添加量の制御
は、ORP計20により還元剤混合槽12内のアンモニ
ア性窒素除去水のORPを測定しながら行う。具体的に
は、還元剤混合槽12内のアンモニア性窒素除去水のO
RPが400〜800mVの範囲となるようにアンモニ
ア性窒素除去水への還元剤の添加量を制御する。これに
より、次亜臭素酸イオンを完全に臭素イオンに還元する
のにはやや不足する量の還元剤をアンモニア性窒素除去
水に添加することができ、還元剤混合槽12の流出水中
に還元剤が残存することを防止することができる。
【0024】還元剤混合槽12の流出水は、pH調整槽
14に導入される。そして、ここでアンモニア性窒素除
去水に第1pH調整剤添加機構24からpH調整剤が添
加され、アンモニア性窒素除去水のpHが5未満、好ま
しくは2〜4に調整される。この場合、第1pH調整剤
添加機構24からのpH調整剤の添加量の制御は、第1
pH計22で測定したpH調整槽14の槽内出口水のp
Hに基づいて行う。
【0025】pH調整槽14の流出水は、活性炭槽16
に通水され、ここでpH調整槽14の流出水中に含まれ
る臭素酸イオン及び次亜臭素酸イオンがほぼ完全に臭素
イオンに還元される。さらに、活性炭槽16の流出水に
は、処理水流出管26を流れる間に第2pH調整剤添加
機構28からpH調整剤が添加され、中性付近の放流に
適したpHに再調整される。この場合、第2pH調整剤
添加機構28からのpH調整剤の添加量の制御は、第2
pH計30で測定した活性炭槽16の流出水のpHに基
づいて行う。
【0026】なお、本例においては、還元剤混合槽とp
H調整槽とを別々に設けたが、1つの槽において還元剤
の添加及びpH調整剤の添加の両方を行うようにしても
よい。また、還元剤やpH調整剤は、これらを添加する
槽を設けることなく、配管内を流れるアンモニア性窒素
除去水に直接ライン注入するようにしてもよい。
【0027】
【実施例】
[実施例1]活性炭による臭素酸イオンの分解に及ぼす
被処理水のpHの影響を以下の試験によって調べた。装
置としては、図2のものを用いた。図2の装置におい
て、52は原水タンク、54はpH調整剤添加機構、5
6は被処理水導入管、58はポンプ、60は活性炭槽、
62は処理水流出管を示す。上記装置を用い、原水タン
ク52内の原水を活性炭槽60に上向流で通水し(SV
=5H-1)、活性炭槽60の上部から流出する処理水中
の臭素酸イオン濃度及び臭素イオン濃度を測定した。原
水としては、臭素酸カリウムを純水に溶解した臭素酸含
有模擬排水を用いた。また、pH調整剤添加機構54か
ら原水に硫酸水溶液を添加して原水のpHを適宜調整し
た。なお、pH無調整の場合、原水のpHは約5.5で
あった。活性炭槽10の内径は27mm、高さは250
mm、活性炭容量は143mlであった。活性炭として
は、粒状活性炭(三菱化学社製ダイヤホープ008)を
用いた。各pHにおける活性炭処理水中のBrO3 -濃度
及びBr-濃度の測定結果を表1に示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1からわかるように、被処理水のpHの
低下と共に臭素酸イオンの分解率は高くなり、原水中に
含まれる5.2mgBr/Lの臭素酸イオンは、pH3
以下では100%臭素イオンに分解された。なお、通水
開始時は臭素酸イオンの活性炭への初期吸着が生じるた
め、処理水中に臭素酸イオンは検出されず、一定期間通
水を続けて活性炭の吸着量が飽和に達した後に表1の結
果を得るに至った。また、SVの影響についても検討を
加えたが、SV=20H-1を超えると臭素酸イオンの分
解が不十分になる傾向が見られたため、本試験において
はSV=5H-1とした。
【0030】[実施例2]次亜臭素酸イオンを含有する
水(次亜臭素酸含有水)に還元剤を添加した場合におけ
る次亜臭素酸含有水のORPの変化を以下の試験によっ
て調べた。本試験では、次亜臭素酸イオンを臭素として
約40mgBr/L(0.5mmol)含む次亜臭素酸
含有水100mlに、濃度が50mmolの亜硫酸ナト
リウム(Na2SO3)水溶液を、次亜臭素酸含有水のO
RPを記録しながら少しずつ添加した。なお、次亜臭素
酸含有水は、次亜臭素酸ナトリウムを純水に溶解するこ
とにより調製し、pHは3.5に調整した。結果を図3
に示す。
【0031】図3からわかるように、亜硫酸ナトリウム
を添加するにつれて次亜臭素酸含有水のORPは当初の
約920mVから少しずつ低下し、0.07mmolの
亜硫酸ナトリウムが添加された時点で約790mVにな
った。この時の次亜臭素酸イオン濃度は0.4mgBr
/Lであった。さらに亜硫酸ナトリウム0.005mm
olを足した時点で、次亜臭素酸イオンは検出されなく
なった。この時の次亜臭素酸含有水のORPは約390
mVであった。すなわち、次亜臭素酸含有水中の次亜臭
素酸イオンの大部分が分解されたときと、次亜臭素酸含
有水中の次亜臭素酸イオンが完全に分解されたときとの
間で、ORPの値が約790mVから約390mVに大
きく変動した。
【0032】したがって、本試験により、被処理水中に
臭素酸イオンと次亜臭素酸イオンとが共存する場合にお
いて、被処理水に還元剤を添加するに際し、還元剤の添
加量を還元剤添加後の被処理水のORPに基づいて制御
することにより、次亜臭素酸イオンを完全に臭素イオン
に還元するのにはやや不足する量の還元剤を被処理水に
添加して、処理水中に還元剤が残存することを防止でき
ることが確認された。
【0033】また、被処理水のORPは被処理水のpH
によって変わり、pHが高くなるにつれてORPは低く
なる。したがって、被処理水のpHが3.5より高くな
ると、図3のORP曲線も全体的に下方へシフトする
が、還元剤の添加量を被処理水のORPに基づいて制御
するに際し、目標のORPを約400mV以上に設定す
れば、被処理水のpHが変わっても処理水中に還元剤が
残存することはないと考えられる。さらに、臭素・オゾ
ン法によるアンモニア性窒素の除去では、アンモニア性
窒素除去後の処理水のpHは通常酸性側になるため、還
元剤添加量を制御する際に用いる目標のORPの幅は、
400mV〜800mVで十分目的が達成できると考え
られる。
【0034】なお、上記試験において、次亜臭素酸イオ
ンと亜硫酸ナトリウムとの反応は理論的には等モル反応
であるが、亜硫酸ナトリウム溶液を調整したり、滴定を
行ったりしている間に空気中の酸素により亜硫酸ナトリ
ウムの一部が酸化されたりしたためか、結果的には次亜
臭素酸イオンを完全に還元するのに次亜臭素酸イオンの
約1.5倍モルの亜硫酸ナトリウムが消費された。
【0035】[実施例3]図1に示した装置を用い、下
記条件でアンモニア性窒素含有排水の処理を行った。ア
ンモニア性窒素含有排水(原水)としては、水道水にア
ンモニア性窒素濃度が300mgN/LとなるようにN
4Clを溶解したものを用いた。原水に添加する臭素
イオン含有水としてはNaBr水溶液を用い、原水中の
NaBr濃度が130mg/L(Brとして101mg
Br/L)となるように添加した。また、還元剤混合槽
12における還元剤の添加量は、還元剤混合槽12内の
アンモニア性窒素除去水のORPが400〜800mV
の範囲となるように制御した。その他の条件は以下の通
りとした。
【0036】反応槽8:容量100L 反応槽8における原水流量:400L/day 還元剤添加機構18から添加した還元剤:亜硫酸ナトリ
ウム水溶液(濃度5%) 第1pH調整剤添加機構24から添加したpH調整剤:
10%硫酸水溶液 活性炭槽16で用いた活性炭:三菱化学社製ダイヤホー
プ008 活性炭槽16の活性炭容量:3.3L 活性炭槽16における通水SV:5.0H-1 第2pH調整剤添加機構28から添加したpH調整剤:
10%水酸化ナトリウム水溶液
【0037】下記サンプリングポイントSP1〜SP6
(図1参照)において、配管内を流れる水のpH、臭素
イオン濃度、次亜臭素酸イオン濃度、臭素酸イオン濃度
をそれぞれ測定した。結果を表2に示す。 SP1:原水調整槽4と反応槽8との間 SP2:反応槽8と還元剤混合槽12との間 SP3:還元剤混合槽12とpH調整槽14との間 SP4:pH調整槽14と活性炭槽16との間 SP5:活性炭槽16と第2pH調整剤添加機構28連
結箇所との間 SP6:第2pH調整剤添加機構28連結箇所の下流側
(最終処理水)
【0038】
【表2】
【0039】表2より、本発明に係るアンモニア性窒素
含有排水の処理方法によれば、臭素酸イオン及び次亜臭
素酸イオンが完全に臭素イオンに分解された最終処理水
を得ることができることが確認された。また、アンモニ
ア性窒素除去水に還元剤を添加して次亜臭素酸イオンを
分解するに際し、アンモニア性窒素除去水のORPが4
00〜800mVとなるように還元剤の添加量を制御す
ることにより、アンモニア性窒素除去水中の次亜臭素酸
イオンの大部分を除去できることが確認された。
【0040】
【発明の効果】本発明に係る臭素酸イオン含有水の処理
方法によれば、臭素酸イオン含有水中に含まれる臭素酸
イオンを活性炭を用いてほぼ完全に臭素イオンに分解す
ることができる。したがって、本発明に係る臭素酸イオ
ン含有水の処理方法は、効率的かつ安全な臭素酸イオン
の分解除去方法であり、前述した臭素・オゾン法による
アンモニア性窒素含有排水の処理工程の他、例えば水に
臭素イオンとオゾンを添加することにより対象物を酸化
するような各種の水処理工程などで好適に使用すること
ができる。また、本発明に係るアンモニア性窒素含有排
水の処理方法によれば、臭素酸イオン及び次亜臭素酸イ
オンがほぼ完全に除去された処理水を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るアンモニア性窒素含有排水の処理
方法の実施に用いる装置の一例を示すフロー図である。
【図2】本発明に係る臭素酸含有水の処理方法の実施に
用いる装置の一例を示すフロー図である。
【図3】次亜臭素酸イオンを含有する水に還元剤を徐々
に添加した場合における次亜臭素酸イオンを含有する水
のORPの変化の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
4 原水調整槽 6 臭素イオン添加機構 8 反応槽 10 オゾン含有ガス発生装置 12 還元剤混合槽 14 pH調整槽 16 活性炭槽 18 還元剤添加機構 20 ORP計 22 第1pH計 24 第1pH調整剤添加機構 26 処理水流出管 28 第2pH調整剤添加機構 30 第2pH計 52 原水タンク 54 pH調整剤添加機構 60 活性炭槽 62 処理水流出管

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 臭素酸イオンを含有する被処理水中から
    臭素酸イオンを分解除去するに当たり、被処理水のpH
    を5未満に制御して被処理水と活性炭とを接触させるこ
    とを特徴とする臭素酸含有水の処理方法。
  2. 【請求項2】 被処理水中に次亜臭素酸イオンが共存す
    る場合に、被処理水に還元剤を添加して予め被処理水中
    の次亜臭素酸イオンの大部分を臭素イオンに還元した
    後、被処理水のpHを5未満に制御して被処理水と活性
    炭とを接触させる請求項1に記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 被処理水に還元剤を添加するに際し、還
    元剤の添加量を還元剤添加後の被処理水のORPに基づ
    いて制御する請求項2に記載の処理方法。
  4. 【請求項4】 活性炭に接触させる被処理水のpHを2
    〜4に制御する請求項1、2又は3に記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 アンモニア性窒素含有排水に臭素イオン
    の存在下でオゾンを添加することにより、該排水中のア
    ンモニア性窒素を除去する排水処理方法において、アン
    モニア性窒素の除去を行った後のアンモニア性窒素除去
    水のpHを5未満に制御してアンモニア性窒素除去水と
    活性炭とを接触させ、該アンモニア性窒素除去水中の臭
    素酸イオンを分解除去することを特徴とするアンモニア
    性窒素含有排水の処理方法。
  6. 【請求項6】 アンモニア性窒素除去水に還元剤を添加
    して予めアンモニア性窒素除去水中の次亜臭素酸イオン
    の大部分を臭素イオンに還元した後、アンモニア性窒素
    除去水のpHを5未満に制御してアンモニア性窒素除去
    水と活性炭とを接触させ、該アンモニア性窒素除去水中
    の臭素酸イオン及び次亜臭素酸イオンを分解除去する請
    求項5に記載の処理方法。
  7. 【請求項7】 アンモニア性窒素除去水に還元剤を添加
    するに際し、還元剤の添加量を還元剤添加後のアンモニ
    ア性窒素除去水のORPに基づいて制御する請求項6に
    記載の処理方法。
  8. 【請求項8】 還元剤添加後のアンモニア性窒素除去水
    のORPが400〜800mVとなるようにアンモニア
    性窒素除去水に還元剤を添加する請求項7に記載の処理
    方法。
  9. 【請求項9】 活性炭に接触させるアンモニア性窒素除
    去水のpHを2〜4に制御する請求項5〜8のいずれか
    1項に記載の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014039895A (ja) * 2012-08-21 2014-03-06 Uerushii:Kk 水処理方法及び水処理装置
CN103991943A (zh) * 2014-05-19 2014-08-20 上海大学 一种催化臭氧化抑制溴酸盐生成的方法
JP2015202483A (ja) * 2014-04-16 2015-11-16 栗田工業株式会社 アンモニア含有排水の処理方法

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