JP2007069190A - 亜硝酸性窒素含有水の処理方法及び処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発電所の排軸冷水などの亜硝酸性窒素含有水を効率的に処理して、未反応亜硝酸性窒素や添加薬剤の残留の問題のない高水質の処理水を得る。
【解決手段】亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化し、酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解し、還元処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂に接触させて硝酸性窒素を吸着除去し、次いで、空気又は酸素で曝気処理して残留する還元剤を除去する。硝酸性窒素を吸着した硝酸選択性アニオン交換樹脂を海水又は添加ナトリウムを添加した海水と接触させて硝酸性窒素を濃縮した溶出液を得、これを有機排水の防臭剤又はBOD低減剤として有効利用する。
【選択図】図1
【解決手段】亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化し、酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解し、還元処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂に接触させて硝酸性窒素を吸着除去し、次いで、空気又は酸素で曝気処理して残留する還元剤を除去する。硝酸性窒素を吸着した硝酸選択性アニオン交換樹脂を海水又は添加ナトリウムを添加した海水と接触させて硝酸性窒素を濃縮した溶出液を得、これを有機排水の防臭剤又はBOD低減剤として有効利用する。
【選択図】図1
Description
本発明は亜硝酸性窒素含有水の処理方法及び処理装置に係り、特に、発電所の排軸冷水などの亜硝酸性窒素含有水を効率的に処理して、未反応亜硝酸性窒素や添加薬剤の残留の問題のない高水質の処理水を得る方法及び装置に関する。
発電所の排軸冷水などの亜硝酸性窒素含有水の処理方法としては、従来、スルファミン酸等の還元剤を添加して亜硝酸性窒素を窒素ガスにまで還元処理して水中から除去する方法が知られている(例えば、特許文献1,2)。
特開2003−290785号公報
特開平5−138177号公報
しかしながら、上記従来法では、処理水中に、未反応の亜硝酸性窒素やスルファミン酸が残留すると、処理水のCODや窒素が排出基準を上回る濃度で排出されることになるという問題があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、発電所の排軸冷水などの亜硝酸性窒素含有水を効率的に処理して、未反応亜硝酸性窒素や添加薬剤の残留の問題のない高水質の処理水を得ることができる亜硝酸性窒素含有水の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、亜硝酸性窒素含有水中の亜硝酸性窒素から、有機排水の防臭剤又はBOD低減剤として有効利用可能な硝酸性窒素を高濃縮して回収することができる亜硝酸性窒素含有水の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する工程と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する工程と、該還元処理水を、硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する工程と、該吸着処理水を酸素含有ガスで曝気処理する工程とを含むことを特徴とする。
本発明(請求項2)の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する工程と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する工程と、該還元処理水を酸素含有ガスで曝気処理する工程と、該曝気処理水を、硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する工程とを含むことを特徴とする。
請求項3の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、請求項1又は2において、硝酸性窒素を吸着した前記硝酸選択性アニオン交換樹脂を海水又は塩化ナトリウムを添加した海水と接触させて硝酸性窒素溶出液を得ることを特徴とする。
請求項4の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、請求項1ないし3のいずれか1項において、前記酸化剤が塩素及び/又は次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする。
請求項5の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記還元剤が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、及びチオ硫酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする。
請求項6の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、請求項3ないし5のいずれか1項において、前記海水への塩化ナトリウム添加量が0.5〜8重量%であることを特徴とする。
請求項7の亜硝酸性窒素含有水の処理方法は、請求項3ないし6のいずれか1項において、前記硝酸性窒素溶出液を有機排水の防臭剤又はBOD低減剤として使用することを特徴とする。
本発明(請求項8)の亜硝酸性窒素含有水の処理装置は、亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する手段と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する手段と、該還元処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する手段と、該吸着処理水を酸素含有ガスで曝気処理する手段とを含むことを特徴とする。
本発明(請求項8)の亜硝酸性窒素含有水の処理装置は、亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する手段と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する手段と、該還元処理水を酸素含有ガスで曝気処理する手段と、該曝気処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する手段とを含むことを特徴とする。
請求項10の亜硝酸性窒素含有水の処理装置は、請求項8又は9において、硝酸性窒素を吸着した前記硝酸選択性アニオン交換樹脂を海水又は塩化ナトリウムを添加した海水と接触させて、硝酸性窒素溶出液を得る手段を有することを特徴とする。
本発明では、まず亜硝酸性窒素含有水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化することによって亜硝酸性窒素由来のCODを低減する。次に、還元剤を添加して酸化処理水中に残留する酸化剤を分解し、この還元処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させる。即ち、余剰の酸化剤が残留していると硝酸選択性アニオン交換樹脂を劣化させるが、この酸化剤を還元分解することにより、硝酸選択性アニオン交換樹脂の劣化を防止する。硝酸選択性アニオン交換樹脂により、水中の硝酸性窒素を吸着除去することにより水中の窒素を大幅に低減させる。処理水中に還元剤が残留すると新たにCOD源となるが、本発明では、還元処理水を酸素含有ガスで曝気することにより還元剤を酸化分解するので還元剤の残留の問題もない。なお、硝酸選択性アニオン交換樹脂による硝酸性窒素の吸着除去と、曝気処理による還元剤の酸化分解とはどちらを先に行っても良い。
また、硝酸選択性アニオン交換樹脂を用いて水中から除去した硝酸性窒素を、樹脂の再生時に溶出液として高濃縮して回収し、これを有機排水の排水貯水槽などにおける防臭剤やBOD低減剤として有効利用することができ、これにより、系外への硝酸性窒素の排出をなくすこともできる。例えば、発電所の場合においては、軸冷水から本発明に従って回収した硝酸性窒素を、同じ敷地内の貝類等の海棲生物処理建屋の貝貯留槽や、総合排水貯留槽などに添加することで、排水の硫酸還元による悪臭を防止すると同時に、硝酸呼吸によりBODを低減させることができる。この硝酸性窒素の吸着除去に硝酸選択性アニオン交換樹脂を用いるため、硝酸性窒素を高濃度溶出液として回収することができる。
以下に図面を参照して本発明の亜硝酸性窒素含有水の処理方法及び処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明の亜硝酸性窒素含有水の処理方法及び処理装置の実施の形態を示す系統図である。
図1では、亜硝酸性窒素含有水を酸化処理槽1に導入して酸化剤を添加混合することにより、水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化処理し、COD負荷を大幅に低減する。酸化処理水は次いで還元処理槽2に導入して還元剤を添加混合して余剰の酸化剤を還元分解して除去する。還元処理水を活性炭塔5に通水した後、2段に直列配置された硝酸選択性アニオン交換樹脂塔3A,3Bに順次通水して水中の硝酸性窒素を選択的に吸着除去し、その後曝気槽4で空気又は酸素等の酸素含有ガスで曝気することにより、余剰の還元剤を酸化分解して処理し、酸化剤及び還元剤の残留の問題がなく、また、亜硝酸性窒素が高度に除去された処理水を得る。
本発明において、亜硝酸性窒素含有水に添加する酸化剤としては、塩素、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などを用いることができるが、コスト、濃度測定の簡便性、後段で添加する還元剤との反応性などの観点から塩素、次亜塩素酸ナトリウムを用いるのが望ましい。酸化剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。酸化剤は、また例えば1〜12重量%(Cl2換算)程度の濃度の水溶液として添加しても良い。酸化剤の添加は亜硝酸性窒素含有水中の亜硝酸性窒素の反応当量以上、例えば反応当量の1.0〜1.5倍として亜硝酸性窒素含有水中の亜硝酸性窒素を確実に硝酸性窒素に酸化する。
酸化処理水に添加する還元剤としては亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、チオ硫酸ナトリウムなど、水中の残留塩素等の酸化剤と迅速に反応し、かつ後段の曝気による分解除去性の面から水中の酸素と反応しやすい物質を用いるのが好ましい。還元剤は1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いても良い。また、還元剤は例えば2〜20重量%程度の濃度の水溶液として用いても良い。
前述の如く、酸化剤は硝酸選択性アニオン交換樹脂を劣化させるため、この還元工程では、残留酸化剤をほぼ完全に除去するように還元剤の添加量を酸化剤添加量に対して反応当量の0.2〜0.6倍程度とすることが好ましい。
酸化処理及び還元処理を行った水(以下「酸化還元処理水」と称す場合がある。)は、硝酸選択性アニオン交換樹脂が充填された硝酸選択性アニオン交換樹脂塔3A,3Bに通水され、水中の硝酸性窒素が硝酸選択性アニオン交換樹脂に吸着除去される。この硝酸性窒素の吸着除去に硝酸選択性アニオン交換樹脂を用いることにより、硝酸性窒素を選択的に吸着すると共に後述の樹脂再生時においても効率的な再生を行うことができる。
即ち、酸化還元処理水中には、前述の還元剤剤由来の硫酸イオン等が含まれるため、硝酸性窒素の吸着除去に通常のアニオン交換樹脂を用いると、この硫酸イオン等が硝酸性窒素よりも選択的に吸着されてしまうため結果として硝酸性窒素の吸着量が低下する。また、後述の海水による樹脂再生時においても、海水中には約2重量%の塩化物イオンと約3000mg/Lの硫酸イオンが共存しているため、通常のアニオン交換樹脂では再生時に海水由来の硫酸イオンが大量に樹脂に吸着してしまい、硝酸性窒素吸着容量の低下を招く。
これに対して、硝酸選択性アニオン交換樹脂を用いることにより、海水再生時に硫酸イオンの吸着を大幅に低減でき、かつ酸化還元処理水の通水時において硫酸イオンよりも硝酸性窒素が選択的に吸着されるため、結果として樹脂の海水再生において高濃度の硝酸性窒素溶出液を得ることができる。
硝酸選択性アニオン交換樹脂としては、例えばSYBRON CHEMICALS INC製「IONAC SR−7」、ロームアンドハース社製「HP−555」、Purolite製「A520E」等を用いることができる。
硝酸選択性アニオン交換樹脂塔3A,3Bに通水して、水中の硝酸性窒素を除去した水は、次いで曝気槽4で空気又は酸素、或いは酸素富化空気等の酸素含有ガスで曝気して、COD源となる水中に残留する還元剤を酸化分解して除去する。
酸化還元処理水の通水で硝酸性窒素を吸着し、吸着量が飽和に近づいた硝酸選択性アニオン交換樹脂は再生液を通水して再生を行う(図1の破線)。この再生液としては、通常塩化ナトリウム(NaCl)水溶液を用いることができるが、海水、又は、再生効率を向上させるために、NaClを0.5〜8重量%程度添加した海水を用いることにより、再生剤コストを大幅に削減することができる。ただし、海水をそのまま使用すると樹脂表面に生物が繁殖し、樹脂を汚染するため、海水はポアサイズ0.25〜200μmの膜又はストレーナーで濾過して、微生物を除去してから用いるのが好ましい。
このようにして硝酸性窒素を吸着した硝酸選択性アニオン交換樹脂の再生を行うと、再生排液として、硝酸性窒素を高濃度に含む溶出液(硝酸性窒素濃縮液)を得ることができる。この硝酸性窒素濃縮液は例えば排水貯水槽などにおける消臭剤やBOD低減剤として使用できる。即ち、硝酸性窒素の窒素ガスへの生物還元は硫酸イオンの硫化水素への生物還元よりも優先的に起きるため、排水が腐敗しやすい貯水槽に硝酸化合物をベースとした消臭剤を添加しているケースが多い。本発明の亜硝酸性窒素含有排水の処理で得られた硝酸性窒素濃縮液はこうした用途に代用することができる。
この場合、硝酸性窒素濃縮液の添加量は通常排水中の硝酸性窒素濃度が30mg/L程度となるように設定される。再生で得られる硝酸性窒素濃縮液中の硝酸性窒素濃度が約900mg/L(硝酸イオンとして4000mg/L)であれば、排水に対する硝酸性窒素濃縮液の添加量は1/30程度となる。この硝酸性窒素濃縮液には海水と同レベルの塩化物イオン及び硫酸イオンが含まれるが、発電所のように海水を冷却水などのプロセス用水として用いている工場では既に排水中に高濃度の塩化物イオンならびに硫酸イオンが溶存している場合が多いため、このような硝酸性窒素濃縮液を排水に対して1/40量添加したとしても塩化物イオン及び硫酸イオン濃度の極端な増加はなく、問題なく使用可能である。
なお、図1は本発明の実施の形態の一例であって、本発明はその要旨を超えない限り、何ら図示のものに限定されない。
例えば、還元剤は、還元剤が残留塩素と迅速に反応することから、還元処理槽のような攪拌槽の代りにラインミキサーを用いることもできる。
また、酸素含有ガスの曝気による還元剤の酸化処理は、硝酸選択性アニオン交換樹脂による処理の後段に限らず、硝酸選択性アニオン交換樹脂による処理の前段であっても良い。また、硝酸選択性アニオン交換樹脂塔は、2塔直列に配置するに限られず、1塔でも良く、3塔以上であっても良い。硝酸選択性アニオン交換樹脂塔は、2塔以上を並列配置して、酸化還元処理水の通水と、再生を交互に行い、酸化還元処理水を通水する塔を切り換えることにより連続処理を行うことが可能となる。
なお、この硝酸選択性アニオン交換樹脂塔への酸化還元処理水の通水方向は下向流に限らず上向流であっても良く、また、再生液の通水方向は上向流に限らず下向流であっても良い。また、薬剤の添加操作におけるトラブルによる酸化剤の硝酸選択性アニオン交換樹脂塔への流入を防ぐ目的で、硝酸選択性アニオン交換樹脂塔3A,3Bの前段に、図1に示す如く、活性炭塔5を設けるのが望ましい。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例においては、純水に亜硝酸ナトリウムを添加して300mg/Lの亜硝酸性窒素含有模擬排水を10L調製し、この模擬排水について処理を行った。
実施例1
模擬排水1Lに対し次亜塩素酸ナトリウム水溶液(製品規格>5重量%)を3580mg/L添加し、60min反応させた。続いて、亜硫酸ナトリウムを250mg/L添加して10min反応させた。このときの遊離塩素濃度は0.01mg/L以下であった。
得られた酸化還元処理水中の各種イオン濃度は表1に示す通りであった。
模擬排水1Lに対し次亜塩素酸ナトリウム水溶液(製品規格>5重量%)を3580mg/L添加し、60min反応させた。続いて、亜硫酸ナトリウムを250mg/L添加して10min反応させた。このときの遊離塩素濃度は0.01mg/L以下であった。
得られた酸化還元処理水中の各種イオン濃度は表1に示す通りであった。
次いで、ガラスカラムに10mlの硝酸選択性アニオン交換樹脂(SYBRON社製「IONAC SR−7」)を充填し、このカラムにガラスフィルター(ポアサイズ10μm)で濾過した海水(Cl−濃度22800mg/L,SO4 2−濃度2870mg/L)でコンディショニングした後、上記の模擬排水の酸化還元処理水を下向流で8L通水した(SV=100hr−1,1L/hr)。カラム流出水を500mlずつサンプリングし、希釈した後イオンクロマトグラフィーで硝酸イオン濃度及び硫酸イオン濃度を測定することにより、吸着量を求めたところ、表2及び表3に示す通りであった。
続いて、ガラスフィルター(ポアサイズ10μm)で濾過した海水(Cl−濃度22800mg/L,SO4 2−濃度2870mg/L)をこのカラムに上向流で通水して硝酸選択性アニオン交換樹脂を再生した。再生廃液(溶出液)を5mlずつサンプリングし、希釈した後イオンクロマトグラフィーで各種イオンを測定した。各種イオンの溶出曲線を作成し、硝酸イオン及び硫酸イオンについては溶出(脱着)量を求め、結果を図2,3及び表2,3に示した。
比較例1
実施例1において、硝酸選択性アニオン交換樹脂の代りに非硝酸選択性アニオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイアイオンPA312」)を用いたこと以外は同様の処理を実施し、硝酸イオン及び硫酸イオンの吸着量と脱着量の関係を表2,3に示した。
実施例1において、硝酸選択性アニオン交換樹脂の代りに非硝酸選択性アニオン交換樹脂(三菱化学社製「ダイアイオンPA312」)を用いたこと以外は同様の処理を実施し、硝酸イオン及び硫酸イオンの吸着量と脱着量の関係を表2,3に示した。
以上の結果から次のことが分かる。
即ち、表2より、硝酸選択性アニオン交換樹脂を用いることにより酸化還元処理水中の硝酸イオンを効率的に吸着除去することができ、海水4BV通水で約19mg−NO3 −/ml−樹脂の硝酸イオン(約4700mg−NO3 −/Lの硝酸イオン濃縮液)を回収することができることが分かる。一方、非硝酸選択性アニオン交換樹脂では、硝酸イオンの吸着量、脱着量共に硝酸選択性アニオン交換樹脂に比べて低かった(約12mg−NO3 −/ml−樹脂、約3100mg−NO3 −/Lの硝酸イオン濃縮液)。
即ち、表2より、硝酸選択性アニオン交換樹脂を用いることにより酸化還元処理水中の硝酸イオンを効率的に吸着除去することができ、海水4BV通水で約19mg−NO3 −/ml−樹脂の硝酸イオン(約4700mg−NO3 −/Lの硝酸イオン濃縮液)を回収することができることが分かる。一方、非硝酸選択性アニオン交換樹脂では、硝酸イオンの吸着量、脱着量共に硝酸選択性アニオン交換樹脂に比べて低かった(約12mg−NO3 −/ml−樹脂、約3100mg−NO3 −/Lの硝酸イオン濃縮液)。
さらに、表3より海水4BV通水時の硫酸イオンの脱着量を実施例1と比較例1とで比較すると、硝酸選択性アニオン交換樹脂では約13mg−SO4 2−/ml−樹脂(約3200mg−SO4 2−/L硫酸イオン濃縮液)であったのに対し、非硝酸選択性アニオン交換樹脂では、約35mg−SO4 2−/ml−樹脂(約8700mg−SO4 2−/L硫酸イオン濃縮液)であった。
また、図2より、まず、硫酸イオンの溶出ピークが見られ、その後硝酸イオンの溶出ピークが見られることから、硝酸イオンを選択的に回収することができることが分かる。なお、硝酸イオン溶出曲線の60mN付近での横ばいは、海水中の硫酸イオンに起因するものである。
また、図3より、4BVまでの海水による再生であれば、硝酸イオン濃度を4000mg/L以上に維持することができ、これを有機排水の防臭剤又はBOD低減剤等として有効利用することができることが分かる。
1 酸化処理槽
2 還元処理槽
3A,3B 硝酸選択性アニオン交換樹脂塔
4 曝気槽
5 活性炭塔
2 還元処理槽
3A,3B 硝酸選択性アニオン交換樹脂塔
4 曝気槽
5 活性炭塔
Claims (10)
- 亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する工程と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する工程と、該還元処理水を、硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する工程と、該吸着処理水を酸素含有ガスで曝気処理する工程とを含むことを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する工程と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する工程と、該還元処理水を酸素含有ガスで曝気処理する工程と、該曝気処理水を、硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する工程とを含むことを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 請求項1又は2において、硝酸性窒素を吸着した前記硝酸選択性アニオン交換樹脂を海水又は塩化ナトリウムを添加した海水と接触させて硝酸性窒素溶出液を得ることを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、前記酸化剤が塩素及び/又は次亜塩素酸ナトリウムであることを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、前記還元剤が亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、及びチオ硫酸ナトリウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上であることを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 請求項3ないし5のいずれか1項において、前記海水への塩化ナトリウム添加量が0.5〜8重量%であることを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 請求項3ないし6のいずれか1項において、前記硝酸性窒素溶出液を有機排水の防臭剤又はBOD低減剤として使用することを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理方法。
- 亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する手段と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する手段と、該還元処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する手段と、該吸着処理水を酸素含有ガスで曝気処理する手段とを含むことを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理装置。
- 亜硝酸性窒素含有水に酸化剤を添加して該水中の亜硝酸性窒素を硝酸性窒素に酸化する手段と、該酸化処理水に還元剤を添加して余剰の酸化剤を還元分解する手段と、該還元処理水を酸素含有ガスで曝気処理する手段と、該曝気処理水を硝酸選択性アニオン交換樹脂と接触させて該水中の硝酸性窒素を吸着除去する手段とを含むことを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理装置。
- 請求項8又は9において、硝酸性窒素を吸着した前記硝酸選択性アニオン交換樹脂を海水又は塩化ナトリウムを添加した海水と接触させて、硝酸性窒素溶出液を得る手段を有することを特徴とする亜硝酸性窒素含有水の処理装置。
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