JP4862234B2 - ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法 - Google Patents

ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水を処理して、キレート形成有機化合物に阻害されることなくヒドラジンを酸化分解し、ヒドラジンに阻害されることなくBOD成分を生物処理し得るヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヒドラジンを含有する排水の処理方法として、次亜塩素酸ナトリウムなどの酸化剤によりヒドラジンを酸化分解する方法、酸素含有ガスで曝気処理してヒドラジンを酸化分解する方法、活性炭に通水してヒドラジンを除去する方法などが提案されている。曝気処理方法として、例えば、特開昭56−136695号公報には、効率よくヒドラジン類を除去するとともに、二次公害を発生させることのないヒドラジン類含有水の処理方法として、ヒドラジン類を含む水を酸化槽において銅化合物の存在下に空気と接触させ、次いでろ過により固液分離を行い、処理水は系外へ排出する一方、固形分は再度酸化槽に返送するヒドラジン類含有水の処理方法が提案されている。また、特開昭57−27913号公報には、排水中のヒドラジンをイオン交換樹脂によって除去する前処理工程として有用なヒドラジン含有排水の処理方法として、ヒドラジン含有排水中に、金属銅又は銅塩溶液の存在下で散気させてヒドラジンを分解除去する方法が提案されている。
しかし、これらの曝気によるヒドラジンの処理方法を、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に適用すると、ヒドラジンの酸化分解が十分に進行しないことが分かった。ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水は、半導体製造工程排水、ボイラーブロー水、無機化学工業排水などとして排出されるので、キレート形成有機化合物が共存する場合でも、酸素含有ガスによりヒドラジンを効果的に酸化分解し得る排水の処理方法が必要である。
一方、キレート形成有機化合物を含むBOD成分の処理は、活性汚泥法などの生物処理により行われる。しかし、排水にヒドラジンが含まれる場合は、ヒドラジンの生物阻害性が高いので、ヒドラジンの含有量を1mg/L以下にする必要がある。したがって、ヒドラジンの処理が前処理として必要条件となる。このために、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水を処理して、ヒドラジンとキレート形成有機化合物の両者ともに除去し得る処理方法が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水を処理して、キレート形成有機化合物に阻害されることなくヒドラジンを酸化分解し、ヒドラジンに阻害されることなくBOD成分を生物処理し得るヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に金属イオン10mg/L以上を添加して曝気処理することにより、ヒドラジンの大部分を酸化分解し得ることを見いだし、さらに残余のヒドラジンを酸化剤で酸化処理し、残留する酸化剤を還元剤で還元処理し、得られた処理水から金属イオンを除去したのち、BOD成分を生物処理で除去することにより、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水から有害物を除去して、良好な水質の処理水を得ることができることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に、金属イオン10〜1,000mg/Lを添加し、該排水のpHを9〜13に調整して酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する工程A、工程Aの処理水中の残留ヒドラジンを、酸化剤で酸化処理したのち、残留する酸化剤を還元剤で還元処理する工程B及び工程Bの処理水中の金属イオンを除去する工程Cを有することを特徴とするヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法、
(2)ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に、金属イオン10〜1,000mg/Lを添加し、酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する工程A、工程Aの処理水中の残留ヒドラジンを、酸化剤で酸化処理したのち、残留する酸化剤を還元剤で還元処理する工程B、工程Bの処理水中の金属イオンを除去する工程C、及び、工程Cの処理水中のBOD成分を生物処理する工程Dを有することを特徴とするヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法、及び、
(3)金属イオンの除去に、キレート樹脂を用いる第2項記載のヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法、
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明方法の第一の態様においては、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に、金属イオン10〜1,000mg/Lを添加し、酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する。
本発明方法の第二の態様は、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に、金属イオン10〜1,000mg/Lを添加し、酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する工程A、工程Aの処理水中の残留ヒドラジンを、酸化剤で酸化処理したのち、残留する酸化剤を還元剤で還元処理する工程B、工程Bの処理水中の金属イオンを除去する工程C、及び、工程Cの処理水中のBOD成分を生物処理する工程Dを有する。本発明方法の第二の態様の工程Aは、本発明方法の第一の態様と同一である。
本発明方法において、ハロゲンとキレート形成有機化合物を含む排水への金属イオンの添加量は10〜1,000mg/Lであり、より好ましくは30〜200mg/Lである。金属イオンの添加量が10mg/L未満であると、ヒドラジンの酸化分解による除去が十分に進行しないおそれがある。金属イオンの添加量は1,000mg/L以下で十分にヒドラジンの酸化分解を促進する効果が得られ、通常は1,000mg/Lを超える金属イオンを添加する必要はない。また、金属イオンの添加量が多すぎると、後段の金属イオン除去工程への負荷が過大となるおそれがある。
【0006】
本発明方法に用いる金属イオンに特に制限はないが、鉄イオン、コバルトイオン、ニッケルイオン、銅イオンなどを好適に用いることができる。これらの中で、銅イオンは、ヒドラジンの酸化分解を顕著に速める効果を有するので特に好適に用いることができる。排水中にキレート形成有機化合物が存在するとき、銅イオンはキレート錯体を形成するので、高pHのアルカリ性であっても、水中に高濃度で存在することができる。金属イオンがヒドラジンの分解速度を速める機構は明らかではないが、金属イオンの価数が水中において変化し、触媒的にヒドラジンの酸化反応に関与すると考えられる。
本発明方法において、酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する際の排水のpHに特に制限はないが、pHが9〜13であることが好ましく、pHが10〜12であることがより好ましい。排水のpHが9未満であっても、pHが13を超えても、ヒドラジンの酸化分解速度が低下するおそれがある。
本発明方法に用いる酸素含有ガスに特に制限はなく、例えば、空気をそのまま酸素含有ガスとして用いることができ、あるいは、酸素富化空気を酸素含有ガスとして用いることもできる。酸素富化空気の製造方法に特に制限はなく、例えば、酸素富化膜の利用、モレキュラーシーブによる吸着と脱着、空気と酸素の混合などにより酸素富化空気を得ることができる。
【0007】
本発明方法において、酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する方法に特に制限はなく、例えば、曝気槽、充填塔、濡れ壁塔、段塔、スプレー塔、スクラバー、気泡塔などを用いて、酸素含有ガスと金属イオンを添加した排水を接触させ、ヒドラジンを酸化分解することができる。これらの中で、曝気槽は、構造が簡単で、運転管理が容易なので、好適に用いることができる。曝気槽中に酸素含有ガスを分散させる方法に特に制限はなく、例えば、曝気槽にヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水を導入し、曝気槽の底部からノズル、多孔板などを通じて散気することができ、あるいは、槽底近くに撹拌翼を設置し、ノズルを通して供給されるガスを細分化して水中に分散させることもできる。
本発明方法において、酸素含有ガスによる曝気処理を行う場合、酸素含有ガスの吹き込み量は、排水1m3あたり1〜10m3(Normal)/minであることが好ましく、1.5〜5m3(Normal)/minであることがより好ましい。酸素含有ガスの吹き込み量が排水1m3あたり1m3(Normal)/min未満であると、排水と金属イオンの均一な混合が行われなくなるおそれがある。酸素含有ガスの吹き込み量が排水1m3あたり10m3(Normal)/minを超えると、曝気槽の容積と酸素吹き込み動力が過大になり、酸素含有ガスと排水の気液接触効率が低下するおそれがある。
本発明方法において、ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の曝気槽における滞留時間は、目的とするヒドラジン除去量に応じて適宜選定することができるが、通常は1〜30時間であることが好ましく、5〜24時間であることがより好ましい。曝気槽の滞留時間が1時間未満であると、ヒドラジンの酸化分解が不十分となるおそれがある。曝気槽の滞留時間は30時間以内で十分な効果が得られ、30時間を超える滞留時間は通常は不必要である。酸素含有ガスによる曝気処理は、回分式に行うことができ、あるいは、連続式に行うこともできる。ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水を酸素含有ガスで曝気処理することにより、ヒドラジンは次式にしたがって酸化分解される。
24 + O2 → N2 + 2H2
【0008】
本発明方法の工程Bにおいては、工程Aの処理水中の残留ヒドラジンを酸化剤で酸化処理したのち、残留する酸化剤を還元剤で還元する。使用する酸化剤に特に制限はなく、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、過酸化水素などを挙げることができる。残留ヒドラジンを酸化剤で酸化処理する方法に特に制限はなく、例えば、工程Aの処理水を酸化槽に導き、酸化剤を添加して撹拌することにより、残留ヒドラジンを酸化分解することができる。酸化剤の添加量に特に制限はないが、残留ヒドラジンとの反応に必要な理論量の1.05〜5モル倍であることが好ましく、1.1〜2モル倍であることがより好ましい。酸化剤の添加量が理論量の1.05モル倍未満であると、処理水中のヒドラジンの濃度が十分に低下しないおそれがある。酸化剤の添加量は、理論量の5モル倍以下で残留ヒドラジンは十分に分解され、通常は理論量の5モル倍を超える酸化剤は必要ではない。工程Aの処理水に酸化剤を添加して酸化処理することにより、ヒドラジンの濃度を1mg/L以下に低下させ、後段のBOD成分の生物処理において、ヒドラジンによる阻害を防ぐことができる。
酸化剤で酸化処理した水は、次いで、残留する酸化剤を還元剤で還元処理する。使用する還元剤に特に制限はなく、例えば、重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムなどを挙げることができる。残留する酸化剤を還元剤で還元処理する方法に特に制限はなく、例えば、残留する酸化剤を含む水を還元槽に導き、還元剤を添加して撹拌することにより、残留する酸化剤を分解することができ、あるいは、酸化槽と還元槽を兼用して、残留ヒドラジンの酸化処理が終了したのち、同じ槽に還元剤を添加して反応することもできる。還元剤の添加量は、残留する酸化剤との反応に必要な理論量とほぼ等しいことが好ましい。
【0009】
本発明方法の工程Cにおいては、工程Bの処理水中の金属イオンを除去する。金属イオンを除去する方法に特に制限はなく、例えば、金属鉄と接触させて、水中の金属イオンを還元して金属鉄に折出させることができ、あるいは、イオン交換樹脂、キレート樹脂などの金属捕捉樹脂と接触させて除去することもできる。これらの中で、キレート樹脂を好適に使用することができる。キレート樹脂の生成定数は、通常は排水中に存在するキレート形成有機化合物の生成定数よりも大きいので、キレート効果を発揮して排水中から金属イオンを吸着して除去することができる。工程Bの処理水中の金属イオンを除去することにより、後段のBOD成分の生物処理における金属イオンによる阻害を防止することができる。
本発明方法の工程Dにおいては、工程Cの処理水中のBOD成分を生物処理により除去する。工程Cの処理水中のBOD成分としては、排水中に含有されていたキレート形成有機化合物に加えて、キレート形成有機化合物以外の有機化合物も含まれる。本発明方法に用いる生物処理方法に特に制限はなく、例えば、活性汚泥法、生物膜法などの好気性生物処理や、嫌気性生物処理などを挙げることができる。これらの中で、活性汚泥法を好適に用いることができる。本発明方法においては、工程Bで残留ヒドラジンが酸化分解により除去され、工程Cで金属イオンが除去されているので、ヒドラジンや金属イオンによる阻害を受けることなく、安定してBOD成分を生物処理により除去し、良好な水質の処理水を得ることができる。
【0010】
図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統図である。ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水を混合槽1に導入し、金属イオンを添加する。具体的な操作としては、水溶性の金属塩又は金属塩の水溶液を添加し、均一に混合する。金属塩が添加され、必要に応じてpHが調整された排水を、曝気槽2に送り、送風機3により曝気槽の底部に設けた散気管4から空気を送って、ヒドラジンを酸化分解する。空気によりヒドラジンが酸化分解された水は、酸化槽5に送り、酸化剤を添加して、残留するヒドラジンを酸化分解し、ヒドラジン濃度を1mg/L以下にする。ヒドラジン濃度が十分に低下した水は、還元槽6に送り、還元剤を添加して、残留する酸化剤を分解する。還元槽の水は、次いで、キレート樹脂塔7に通水し、水中の金属イオンを吸着除去する。ヒドラジンと金属イオンが除去された水は、曝気槽8に送り、活性汚泥法により生物処理してBOD成分を除去する。
本発明方法によれば、キレート形成有機化合物による阻害を受けることなくヒドラジンを酸素含有ガスで酸化分解し、ヒドラジンによる阻害を受けることなくBOD成分を生物処理により除去することができる。
【0011】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
実施例1
ヒドラジン20,000mg/Lとクエン酸30,000mg/Lを含むpH13.5以上の半導体工場排水の処理を行った。この排水に硫酸を加えてpHを10.0に調整し、銅イオン濃度が10mg/Lとなるように硫酸銅を添加した。
次いで、この排水1.0m3を曝気槽に導入し、槽の底部に設けた散気管を通じて空気2.0m3(Normal)/minを吹き込み、20時間曝気を行った。曝気処理後の処理水中のヒドラジン濃度は、13,000mg/Lであった。
実施例2
銅イオン濃度を30mg/Lとした以外は、実施例1と同様にして、排水の処理を行った。曝気処理後の処理水中のヒドラジン濃度は、5,800mg/Lであった。
実施例3
銅イオン濃度を100mg/Lとした以外は、実施例1と同様にして、排水の処理を行った。曝気処理後の処理水中のヒドラジン濃度は、20mg/Lであった。
比較例1
銅イオン濃度を2mg/Lとした以外は、実施例1と同様にして、排水の処理を行った。曝気処理後の処理水中のヒドラジン濃度は、19,800mg/Lであった。
実施例1〜3及び比較例1の結果を、第1表に示す。
【0012】
【表1】
Figure 0004862234
【0013】
第1表に見られるように、ヒドラジン20,000mg/Lとクエン酸30,000mg/Lを含む排水に、銅イオン100mg/Lを添加して20時間曝気した実施例3においては、ヒドラジンの99.9%が酸化分解により除去されている。銅イオンの添加量が少なくなるとヒドラジンの除去率は低下するが、銅イオンの添加量10mg/Lでも、同じ曝気条件で35%のヒドラジンが除去されている。しかし、銅イオンの添加量が2mg/Lになると、ヒドラジンの除去率は1%まで低下してしまう。
実施例4
図1に示す工程により、実施例1と同じ排水の処理を行った。
(工程A)
工程Aは、実施例3と同じ処理であり、工程Aの処理水のヒドラジン濃度は、20mg/Lであった。
(工程B酸化)
工程Aの処理水に、pH9.0、室温の条件で、酸化還元電位が400mVに達するまで次亜塩素酸ナトリウムを添加し、1時間反応して、残留ヒドラジンを酸化分解した。工程B酸化の処理水のヒドラジン濃度は1mg/L以下、残留塩素濃度は7mg/Lであった。
(工程B還元)
工程B酸化の処理水に、pH9.0に保ちながら、酸化還元電位が0mVに達するまで重亜硫酸ナトリウムを添加し、1時間反応して、残留する酸化剤の還元処理を行った。工程B還元の処理水の銅イオン濃度は100mg/L、残留塩素濃度は0.1mg/L以下であった。
(工程C)
工程Bの処理水を、キレート樹脂[三菱化学(株)、ダイヤイオンR−11]を充填したカラムに通液速度SV=5/hで通液することにより、銅イオンを除去した。工程Cの処理水のクエン酸濃度は30,000mg/L、銅イオン濃度は0.5mg/L以下であった。
(工程D)
工程Cの処理水を5倍に希釈し、活性汚泥法による生物処理を行った。工程Dの処理水の水質は、ヒドラジン1mg/L以下、クエン酸10mg/L、銅イオン0.5mg/L以下であった。
実施例4の結果を、第2表に示す。
【0014】
【表2】
Figure 0004862234
【0015】
第2表に見られるように、工程Aから工程Dまでの一連の操作により、ヒドラジンとクエン酸を含む排水を処理して、良好な水質の処理水が得られている。
【0016】
【発明の効果】
本発明方法によれば、キレート形成有機化合物による阻害を受けることなく、ヒドラジンを酸素含有ガスで酸化分解し、ヒドラジンによる阻害を受けることなく、BOD成分を生物処理により除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明方法の実施の一態様の工程系統図である。
【符号の説明】
1 混合槽
2 曝気槽
3 送風機
4 散気管
5 酸化槽
6 還元槽
7 キレート樹脂塔
8 曝気槽

Claims (3)

  1. ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に、金属イオン10〜1,000mg/Lを添加し、該排水のpHを9〜13に調整して酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する工程A、工程Aの処理水中の残留ヒドラジンを、酸化剤で酸化処理したのち、残留する酸化剤を還元剤で還元処理する工程B及び工程Bの処理水中の金属イオンを除去する工程Cを有することを特徴とするヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法。
  2. ヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水に、金属イオン10〜1,000mg/Lを添加し、酸素含有ガスでヒドラジンを酸化分解する工程A、工程Aの処理水中の残留ヒドラジンを、酸化剤で酸化処理したのち、残留する酸化剤を還元剤で還元処理する工程B、工程Bの処理水中の金属イオンを除去する工程C、及び、工程Cの処理水中のBOD成分を生物処理する工程Dを有することを特徴とするヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法。
  3. 金属イオンの除去に、キレート樹脂を用いる請求項2記載のヒドラジンとキレート形成有機化合物を含む排水の処理方法。
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