JP2749256B2 - 水の高度処理方法 - Google Patents

水の高度処理方法

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JP2749256B2 JP5314716A JP31471693A JP2749256B2 JP 2749256 B2 JP2749256 B2 JP 2749256B2 JP 5314716 A JP5314716 A JP 5314716A JP 31471693 A JP31471693 A JP 31471693A JP 2749256 B2 JP2749256 B2 JP 2749256B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、河川水、井水、下水、
工場廃水など、自然または人為的に汚染された水の高度
処理方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の水の高度処理方法としては、図
7に示すように二酸化マンガンを被覆したマンガン砂を
触媒とし、予め酸化剤を原水に添加した後、触媒と接触
させる方法が知られている。この方法は主として水中の
鉄、マンガン等の色度成分を除去する方法であるため、
水中にフミン酸、フルボ酸といった生物活動によって生
ずる有機性の色度成分が存在するとこれを十分に除去で
きない欠点があり、またBOD 、COD (または過マンガン
酸カリウム消費量)といった有機物についてもほとんど
除去することができなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決するためになされたもので、その第1の
目的は、従来法による鉄、マンガン等の色度の除去性能
を維持しつつ、更にフミン酸、フルボ酸等の有機性の色
度も除去することができる水の高度処理方法を提供する
ことである。また第2の目的は、従来法では除去するこ
とができなかったBOD 、COD 等の有機物をも除去するこ
とができる水の高度処理方法を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた第1の発明は、原水を酸化剤の存在下でパ
ラジウムを含浸させた電解二酸化マンガン粒子と接触さ
せることを特徴とするものである。また第2の発明は、
原水を凝集処理した後、酸化剤の存在下でパラジウムを
含浸させた電解二酸化マンガン粒子と接触させることを
特徴とするものである。
【0005】
【作用】本発明の水の高度処理方法によれば、パラジウ
ム含浸電解二酸化マンガン粒子のパラジウム部分におけ
る酸素吸着→汚濁物質分解、および電解二酸化マンガン
部分の汚濁物質分解→共存酸化剤、塩素系酸化剤または
過マンガン酸塩によるMnO2 への再生の繰り返しによ
って、原水中の色度のみならず、従来法では除去するこ
とができなかったBOD 、COD 等の有機物等をも除去する
ことができ、高度処理水を得ることができる。
【0006】
【実施例】以下に本発明を図面を参照しつつ更に詳細に
説明する。図1において、1は凝集沈殿槽、2は接触処
理槽、3は処理水槽であり、この接触処理槽2にはパラ
ジウムを含浸させた電解二酸化マンガン粒子が充填され
ている。また4は攪拌機、5は凝集処理水移送ポンプ、
6は逆洗ポンプ、7は逆洗ブロワである。
【0007】接触処理槽2に充填されているパラジウム
を含浸させた電解二酸化マンガン粒子は、粒径が2〜1
0mm程度の球状または円筒状、γ型結晶の粉状二酸化マ
ンガンに金属パラジウムを0.1 〜0.5 g/kgの割で添加
し、アルミナをバインダーとして焼結したものである。
この粒子はろ過に使用する材料としては比較的粗いため
ろ過抵抗が少なく、また、比表面積は50m2/g程度で吸着
力はほとんどないものの粒子内に50%近くの空隙を有し
ており、汚濁物質が粒子内部まで浸透しやすい。
【0008】処理すべき原水の汚濁物質の濃度が高い場
合、すなわちCOD 5mg/L程度以上(KMnO4消費量20mg/L程
度以上) では図1のフローをそのまま採用して処理を行
う。また、原水の汚濁物質の濃度が上記した値未満の場
合には、図1のフローから凝集沈殿処理を省き、パラジ
ウムを含浸させた電解二酸化マンガン粒子による接触処
理のみを行う。以下に高濃度の場合に適用する図1のフ
ローについて説明する。
【0009】まずCOD 5mg/L 以上の高濃度の原水は凝集
剤とともに凝集沈殿槽1に入り、凝集沈殿処理が行われ
る。ここで使用される凝集剤はPAC、塩化第二鉄など
酸性を呈する無機凝集剤がよく、特にpH5程度で有機物
等の除去効果の高い塩化第二鉄が優れている。これは凝
集時のpHが5〜6程度と低い場合には、酸性凝集作用が
あるばかりでなく、後段のパラジウム含浸電解二酸化マ
ンガン粒子との接触処理においても、COD 等の有機物の
除去効果が高まるためである。従って、凝集沈殿処理を
しない低濃度の水でも原水のpHを5〜6に調節すること
が好ましい。ただしpHを4.5 以下にすると接触処理にお
けるCOD 等の除去効果は高まるものの、高度処理水のpH
が水質基準の最低値である8.6 を下回ることがあるので
好ましくない。
【0010】図2は凝集pHとCOD 除去率との関係を示し
たグラフであり、上記したようにpHが5〜6程度と低い
場合にCOD 除去率が高いことが示されている。また図3
は接触処理槽2の入口pHとCOD 除去率との関係及び高度
処理水pHとの関係を示したもので、上記したようにpHを
4.5 以下とすると高度処理水pHが水質基準の5.8 〜8.6
を外れるおそれのあることが示されている。
【0011】凝集沈殿槽1において凝集沈殿された後の
汚泥は、引抜汚泥として系外に排出され、上澄水は凝集
処理水として酸化剤を添加した後、接触処理槽2におい
てパラジウム含浸電解二酸化マンガン粒子との接触処理
を行う。ここで使用される酸化剤としては、次亜塩素酸
ナトリウム等の塩素系酸化剤および過マンガン酸塩がよ
く、またこれらの酸化剤を純酸素あるいは空気と併用し
てもよい。
【0012】接触処理槽2内のパラジウム含浸電解二酸
化マンガン粒子による色度、有機物などの酸化反応およ
び粒子の再生反応は次のように行われる。
【化1】 酸化反応(パラジウム触媒、電解二酸化マンガン) パラジウム触媒: Pd+O→Pd・O 〔酸素吸着〕 Pd・O+有機物→Pd+分解物〔酸化〕 電解二酸化マンガン:MnO2 +NaClO→MnO+NaCl
【0013】電解二酸化マンガンの再生反応には塩素系
酸化剤あるいは過マンガン酸塩が必須要件であるが、パ
ラジウムの酸素吸着は必ずしもこれら酸化剤に起因する
活性酸素でなくてもよく、従って純酸素または空気も併
用することができる。なお、酸化剤の1種である過酸化
水素はパラジウム含浸電解二酸化マンガン粒子と接触す
ると発泡が激しく、またオゾンは二酸化マンガンを過マ
ンガン酸にまで酸化し、パラジウム含浸電解二酸化マン
ガン粒子の目減りが激しいのでいずれも使用は好ましく
ない。
【0014】次に酸化剤の必要量は、有機物などの処理
性能と残留酸化剤濃度とを勘案すると、塩素系酸化剤ま
たは過マンガン酸塩の場合は、COD 基準の理論必要酸化
剤量の20〜50% (過マンガン酸カリウム消費量の場合は
その1/3.95がCOD値) が好ましい。この関係を図4に示
す。また純酸素や空気を併用する場合は、添加する溶存
酸素の濃度に見合うだけ塩素系酸化剤または過マンガン
酸塩を削減できる。更に、パラジウム含浸電解二酸化マ
ンガン粒子との接触処理では、塩素系酸化剤または過マ
ンガン酸塩の添加比率が一定でも、予め純酸素または空
気で曝気し溶存酸素濃度を高めることによって、一段と
処理性能を向上させることができる。これは図5に示す
ように、パラジウムを含浸しない電解二酸化マンガンに
はない特長である。
【0015】この接触処理における処理条件は、LV=
300 m/日以下、SV=1〜6/Hr が望ましく、またパラ
ジウム含浸電解二酸化マンガン粒子の層が目詰まりを起
こしたときには通常の濾過と同様に空気逆洗→同時逆洗
→水逆洗が必要である。
【0016】上記したように、色度、有機物等の除去は
パラジウム含浸電解二酸化マンガン粒子のパラジウム部
分における酸素吸着→汚濁物質分解と、電解二酸化マン
ガン部分の汚濁物質分解→共存酸化剤、塩素系酸化剤、
過マンガン酸塩によるMnO2 への再生の繰り返しとに
よって進行する。しかし処理を継続すると粒子層の目詰
まりが生ずる。また添加する塩素系酸化剤または過マン
ガン酸塩の量が不足すると、電解二酸化マンガン部分の
汚濁物質分解によって生じたMnO 2 の一部が再生され
ず、粒子の表面に付着して除々に処理性能が低下してく
る。
【0017】粒子層の目詰まりは通常のろ過と同様に粒
子層を洗浄すればよいが、処理性能の低下については粒
子層の洗浄に引き続いて賦活操作が必要となる。この操
作は次亜塩素酸ナトリウム等の塩素系酸化剤または過マ
ンガン酸塩の溶液に、パラジウム含浸電解二酸化マンガ
ン粒子を一定時間浸漬することによって行う。浸漬時間
は酸化剤の種類によって異なるが、賦活用の酸化剤とし
て有効塩素0.5 〜2%の次亜塩素酸ナトリウムを使用し
た場合、5〜20分が必要となる。この賦活の際の反応式
は処理時の再生反応と同じであり、MnO+NaClO
→MnO2 +NaClである。
【0018】賦活の間隔は原水のCOD 等の水質と、添加
する酸化剤の量のバランスにより異なるが、通常は二日
に1回程度で十分である。パラジウム含浸電解二酸化マ
ンガン粒子では、塩素系酸化剤または過マンガン酸塩の
ほかに純酸素または空気に起因する溶存酸素を添加する
ことにより、賦活の間隔を延ばすことができる。これは
電解二酸化マンガン粒子にはない特長である。これらの
賦活のタイミングとCOD 除去率の回復との関係を、図6
に示す。
【0019】このようにして凝集沈殿処理→接触処理が
行われ、高度処理水が得られる。原水のCOD が5mg/L 程
度以下(過マンガン酸カリウム消費量20mg/L以下) の場
合には、凝集沈殿処理を省いてもパラジウム含浸電解二
酸化マンガン粒子による接触処理には何等の支障もない
が、この場合でも原水中にSSが数十mg/L程度以上あると
きには、凝集沈殿処理を行う方が好ましい。
【0020】以上のように、パラジウム含浸電解二酸化
マンガン粒子による接触処理は、従来法のマンガン砂は
勿論のこと、電解二酸化マンガン粒子による処理と比較
すると、色度、有機物の除去性に優れ、原水のCOD 等有
機物濃度の広い範囲に対して凝集沈殿(酸性凝集沈殿)
を併用することによって安定した処理を行うことができ
る。また、この方法は塩素系酸化剤または過マンガン酸
塩のほかに純酸素あるいは空気による曝気によって、溶
存酸素を添加すれば処理性能が向上するたけでなく、賦
活の間隔も延ばすことができる。
【0021】次に、本発明方法と従来法により処理を行
ったデータを示す。表1に示すのは低濃度原水である井
水を処理したデータであり、表2に示すのは高濃度原水
である下水二次処理水を処理したデータである。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】上記した実施例のデータからも明らかな
ように、本発明によればパラジウムを含浸させた電解二
酸化マンガン粒子による接触処理を行うので、従来法で
は処理性能の悪かった色度や、従来法ではほとんど除去
できなかったCOD、KMnO4 消費量、BOD 等の有機物の処
理性能を大幅に向上させることができる。またそれと同
時に、前段の凝集沈殿 (酸性無機凝集剤による酸性凝
集) を併用することによって、広い範囲の原水濃度に対
して安定した処理性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフローシートである。
【図2】凝集pHとCOD 除去率との関係を示すグラフであ
る。
【図3】接触処理槽入口pHとCOD 除去率及び高度処理水
pHの関係を示すグラフである。
【図4】酸化剤添加率とCOD 除去率との関係を示すグラ
フである。
【図5】添加溶存酸素濃度とCOD 除去率との関係を示す
グラフである。
【図6】COD 除去率の時間変化と賦活のタイミングを示
すグラフである。
【図7】従来法のフローシートである。
【符号の説明】
1 凝集沈殿槽、2 接触処理槽、3 処理水槽、4
攪拌機、5 凝集処理水移送ポンプ、6 逆洗ポンプ、
7 逆洗ブロワ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 9/00 503 C02F 9/00 504B 504 B01J 23/64 104M

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原水を酸化剤の存在下でパラジウムを含
    浸させた電解二酸化マンガン粒子と接触させることを特
    徴とする水の高度処理方法。
  2. 【請求項2】 原水を凝集処理した後、酸化剤の存在下
    でパラジウムを含浸させた電解二酸化マンガン粒子と接
    触させることを特徴とする水の高度処理方法。
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JP2007144307A (ja) * 2005-11-28 2007-06-14 Ishi No Kanzaemon:Kk 水処理方法及びその処理装置
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JP5003058B2 (ja) * 2006-08-21 2012-08-15 栗田工業株式会社 有色飲料排水の脱色処理方法

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