JPH1128258A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JPH1128258A
JPH1128258A JP9202395A JP20239597A JPH1128258A JP H1128258 A JPH1128258 A JP H1128258A JP 9202395 A JP9202395 A JP 9202395A JP 20239597 A JP20239597 A JP 20239597A JP H1128258 A JPH1128258 A JP H1128258A
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JP
Japan
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cover
ethylene
golf ball
metal
neutralized
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Application number
JP9202395A
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English (en)
Inventor
Takashi Sasaki
隆 佐々木
Yoshikazu Yabuki
芳計 矢吹
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Publication date
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 打球感およびコントロール性が良好で、かつ
高反発性能で飛行性能が良好なゴルフボールを提供す
る。 【解決手段】 コアと1層以上のカバー層で構成される
カバーを有するゴルフボールにおいて、上記カバーのう
ち少なくとも1層のカバー層を、エチレン−アクリル酸
共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン
−アクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体および
エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重
合体よりなる群から選ばれ少なくとも上記三元共重合体
を1種以上含む2種以上のベースポリマーを2種以上の
金属イオンで中和した多種金属中和アイオノマーを該カ
バー層の全樹脂成分中5〜100重量%含有させて構成
する。上記多種金属中和アイオノマーは、1価の金属イ
オンおよび2価の金属イオン、特にナトリウムイオンお
よびマグネシウムイオンで中和されていることが好まし
い。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボールに関
し、さらに詳しくは、打球感およびコントロール性が良
好で、かつ高反発性能で飛行性能が良好なゴルフボール
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴルフボールのカバー用基材樹脂
としては、アイオノマーが広範に使用されている。特に
ソリッドコアを用いたツーピースソリッドゴルフボール
では、ほとんどの場合、アイオノマーがカバーの基材樹
脂として使用されている。これは、アイオノマーが、高
反発性能で、耐久性、耐カット性などに優れ、かつ加工
しやすいという理由によるものである。
【0003】しかし、このアイオノマーは、かなり高い
硬度と剛性を有するため、糸ゴム層を有する多層構造の
ゴルフボールのカバー用基材樹脂として使用されている
バラタ(トタンスポリイソプレン)に比べて、打球感や
コントロール性(スピンのかけやすさ)の点で劣ってい
る。
【0004】そのため、アイオノマーを種々の手段で軟
質化することによって、打球感やコントロール性を改良
することが試みられている。
【0005】たとえば、特開平1−308577号公報
や特開平5−3931号公報には、アイオノマーにα−
オレフィンとアクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カ
ルボン酸とアクリレートエステルとの三元共重合体のナ
トリウムイオンまたは亜鉛イオン中和軟質アイオノマー
をブレンド(混合)することによって、高剛性のアイオ
ノマーを軟質化し、打球感やコントロール性を改善する
ことが提案されている。しかしながら、上記のような軟
質アイオノマーのブレンドでは、反発性能や飛行性能の
低下が生じるため、充分な成果をあげるにいたっていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術における問題点を解決し、打球感およびコン
トロール性が良好で、かつ高反発性能で飛行性能が良好
なゴルフボールを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑み、打球感やコントロールの良好さと飛行性能の良
好さを両立させるべく、カバーに使用する樹脂について
鋭意研究を重ねた結果、エチレン−アクリル酸共重合
体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アク
リル酸−アクリル酸エステル三元共重合体およびエチレ
ン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体よ
りなる群から選ばれ少なくとも上記三元共重合体を1種
以上含む2種以上のベースポリマーを2種以上の金属イ
オンで中和した多種金属中和アイオノマーを主要成分と
してカバーを構成するときは、打球感およびコントロー
ル性能が良好で、かつ高反発性能で飛行性能が良好なゴ
ルフボールが得られることを見出し、本発明を完成する
にいたった。
【0008】すなわち、本発明は、コアと1層以上のカ
バー層で構成されるカバーを有するゴルフボールにおい
て、上記カバーのうち少なくとも1層のカバー層が、エ
チレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸
共重合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル
三元共重合体およびエチレン−メタクリル酸−アクリル
酸エステル三元共重合体よりなる群から選ばれ少なくと
も上記三元共重合体を1種以上含む2種以上のベースポ
リマーを2種以上の金属イオンで中和した多種金属中和
アイオノマーを該カバー層の全樹脂成分中5〜100重
量%含むことを特徴とするゴルフボールである。
【0009】本発明において用いるエチレン−アクリル
酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレ
ン−アクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体およ
びエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共
重合体よりなる群から選ばれ少なくとも上記三元共重合
体を1種以上含む2種以上のベースポリマーを2種以上
の金属イオンで中和した多種金属中和アイオノマーは、
従来の中剛性アイオノマーであるハイミラン1855
(商品名)(Zn)、ハイミラン1856(商品名)
(Na)などに比べて、同レベルの硬度であるにもかか
わらず、反発性能が非常に高いので、これをカバー層の
主要成分として用いることにより、打球感およびコント
ロール性が良好で、かつ高反発性能で飛行性能が良好な
ゴルフボールが得られるようになる。なお、上記アイオ
ノマーの商品名の後の括弧内に記載したZn、Naなど
は、それらの中和金属イオンの金属種を示している。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、上記エチレン−
アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合
体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル三元共
重合体およびエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エス
テル三元共重合体よりなる群から選ばれ少なくとも上記
三元共重合体を1種以上含む2種以上のベースポリマー
を2種以上の金属イオンで中和した多種金属中和アイオ
ノマーは、少なくとも1層のカバー層に含有させればよ
いが、その量は前記のように該多種金属中和アイオノマ
ーを含有させるカバー層において、該カバー層の全樹脂
成分中5〜100重量%含有させることが必要であり、
特に10〜100重量%含有させることが好ましい。上
記多種金属中和アイオノマーを含有するカバー層におい
て、多種金属中和アイオノマーの含有量が全樹脂成分中
5重量%より少ない場合は、打球感およびコントロール
性を良好にし、かつ高反発性能で飛行性能を良好にする
という効果が充分に発現できなくなる。
【0011】本発明において、多種金属中和アイオノマ
ーのベースポリマーとして、エチレン−アクリル酸−ア
クリル酸エステル三元共重合体およびエチレン−メタク
リル酸−アクリル酸エステル三元共重合体のうち1種以
上を必ず含ませるようにしているのは、良好な飛行性能
を確保しながら、打球感およびコントロール性を良好に
するためには、ベースポリマーとして上記三元共重合体
を1種以上含ませておく必要があるという理由によるも
のである。
【0012】また、ベースポリマーとして上記三元共重
合体を1種以上含みながら、エチレン−アクリル酸共重
合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−ア
クリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体およびエチ
レン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体
よりなる群から選ばれる2種以上としているのは、良好
な打球感およびコントロール性能と良好な飛行性能とを
両立させるためには、上記のような4種類のポリマーの
うちの2種以上を用いることが必要であることに基づい
ている。
【0013】上記ベースポリマーを中和する金属イオン
としては、たとえばナトリウムイオン、リチウムイオ
ン、カリウムイオンなどの1価金属イオン、亜鉛イオ
ン、マグネシウムイオン、カルシウムイオン、ニッケル
イオンなどの2価金属イオン、アルミニウムイオンなど
の3価金属イオンがなどが挙げられる。
【0014】本発明において、ベースポリマーを中和す
る金属イオンとして2種以上にすることを要件としてい
るのは、打球感およびコントロール性を良好にし、かつ
飛行性能を良好にするためには、中和金属イオンとして
2種以上用いることが必要であるという理由によるもの
である。そして、これらの金属イオンを2種以上用いる
にあたって、その組み合わせとしては、1価の金属イオ
ンと2価の金属イオンを組み合わせて用いることが好ま
しく、特にナトリウムイオンとマグネシウムイオンを組
み合わせて用いることが好ましい。
【0015】カバー層の樹脂成分として、上記特定の多
種金属中和アイオノマー以外のものを上記特定の多種金
属中和アイオノマーと組み合わせて用いる場合、そのよ
うな多種金属中和アイオノマー以外の樹脂としては、従
来よりカバー用樹脂として使用されているアイオノマ
ー、熱可塑性エラストマー、極性基変性熱可塑性エラス
トマーなどが挙げられる。
【0016】そのような従来使用のアイオノマーとして
は、その具体例を商品名で例示すると、たとえば、三井
デュポンポリケミカル(株)から市販されているアイオ
ノマーとしては、ハイミラン1605(Na)、ハイミ
ラン1707(Na)、ハイミランAM7318(N
a)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミランAM7
315(Zn)、ハイミランAM7317(Zn)、ハ
イミランAM7311(Mg)、ハイミランMK732
0(K)などが挙げられ、米国デュポン社から市販され
ているアイオノマーとしては、サーリン8920(N
a)、サーリン8940(Na)、サーリンAD851
2(Na)、サーリン9910(Zn)、サーリンAD
8511(Zn)、サーリンAD7930(Li)、サ
ーリンAD7940(Li)や、三元共重合体系アイオ
ノマーとしてのサーリン8320(Na)、サーリンA
D8542(Mg)などが挙げられる。また、エクソン
化学社から市販されているアイオノマーとしては、アイ
オテック8000(Na)、アイオテック7010(Z
n)などが挙げられる。なお、上記アイオノマーの商品
名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、Mg
などは、それらの中和金属イオンの金属種を示してい
る。これらのアイオノマーは、上記例示のものをそれぞ
れ単独で用いてもよいし、また2種以上を混合して用い
てもよい。もとより、上記例示の一価の金属イオンで中
和したアイオノマーと二価の金属イオンで中和したアイ
オノマーとを2種以上混合して用いてもよい。
【0017】熱可塑性エラストマーとしては、ポリオレ
フィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタ
ン系、スチレン系(スチレン−ブタジエン−スチレン構
造のもの、スチレン−イソプレン−スチレン構造のも
の)などのいずれの熱可塑性エラストマーを用いてもよ
いし、また、アイオノマーと併用してもよい。さらに、
アイオノマーとの相溶性を高めるため、極性基変性(た
とえば、無水マレイン酸、グリシジル基に代表されるエ
ポキシ基変性、スルホン酸変性など)の熱可塑性エラス
トマーを用いてもよいし、アイオノマーと熱可塑性エラ
ストマーと極性基変性熱可塑性エラストマーとのブレン
ド(混合)系で用いてもよい。
【0018】そして、打球感およびコントロール性を良
好にし、かつ飛行性能を良好にするためには、上記特定
の多種金属中和アイオノマーは、ショアーD硬度が30
〜60で、曲げ剛性率が30〜200MPaであること
が好ましく、また、この多種金属中和アイオノマーを含
むカバー層はショアーD硬度が35〜70であることが
好ましい。上記特定の多種金属中和アイオノマーのショ
アーD硬度が30より低い場合は、カバー層全体として
の硬度を望ましい硬度であるショアーD硬度で35〜7
0にすることが難しくなり、また、反発性能が低下した
り、耐カット性が低下するおそれがあり、上記特定の多
種金属中和アイオノマーのショアーD硬度が60より高
い場合は、反発性能が低下し、また、カバー層全体とし
ての硬度を望ましい硬度であるショアーD硬度で35〜
70にすることが難しくなるおそれがある。
【0019】また、上記特定の多種金属中和アイオノマ
ーの曲げ剛性率が30MPaより低い場合は、カバー層
全体としての硬度を望ましい硬度であるショアーD硬度
で35〜70にすることが難しくなり、上記特定の多種
金属中和アイオノマーの曲げ剛性率が200MPaより
高い場合は、反発性能が低下し、また、カバー層全体と
しての硬度を望ましい硬度であるショアーD硬度で35
〜70にすることが難しくなるおそれがある。そして、
上記特定の多種金属中和アイオノマーを含むカバー層の
ショアーD硬度が35より低い場合は、カバー層が軟ら
かすぎて、反発性能が低下して、飛行性能が低下し、ま
た、耐カット性も低下するおそれがあり、上記特定の多
種金属中和アイオノマーを含むカバー層のショアーD硬
度が70より高い場合は、カバー層が硬くなりすぎて、
打球感やコントロール性が悪くなるおそれがある。
【0020】本発明において、カバーは1層のカバー層
のみで構成される1層構造のものでもよいし、また2層
以上のカバー層で構成される多層構造のものでもよい。
1層構造のカバーの場合、すなわち、カバーが1層のカ
バー層のみで構成される場合は、当然、そのカバー層に
上記特定の多種金属中和アイオノマーを含有させるが、
カバーが多層構造の場合、すなわち、カバーが2層以上
のカバー層で構成される場合、上記特定の多種金属中和
アイオノマーは、それらのカバー層のうちの少なくとも
1層のカバー層に含有させればよい。そして、多層構造
のカバーにおいて、上記特定の多種金属中和アイオノマ
ーを含有させたカバー層は、外層や中間層、さらには2
層構造のカバーの内層カバー層などとして位置するのが
適しているが、それらに限定されることなく、いずれの
位置にあってもよい。
【0021】上記特定の多種金属中和アイオノマーを含
有させたカバー層形成用の組成物の調製にあたって、上
記特定の多種金属中和アイオノマーなどの混合は、通
常、二軸混練型押出機、バンバリー、ニーダーなどのイ
ンターナルミキサーを用い、150〜200℃で0.5
〜15分間加熱混合することによって行うのが好まし
い。上記特定の多種金属中和アイオノマーを含有させた
カバー層形成用の組成物には、必要に応じて種々の添加
剤、たとえば酸化チタン(TiO2 )、硫酸バリウムな
どの顔料、分散剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤などを添加することができる。また、カバーを上記特
定の多種金属中和アイオノマーを含有させたカバー層と
上記特定の多種金属中和アイオノマーを含有しないカバ
ー層との多層で構成する場合、上記特定の多種金属中和
アイオノマーを含有しないカバー層形成用の組成物の調
製は、上記特定の多種金属中和アイオノマーに代えて他
の樹脂を用いる以外、上記特定の多種金属中和アイオノ
マーを含有させたカバー層形成用の組成物の調製と同様
に行うことができる。そして、上記特定の多種金属中和
アイオノマーを含有させたカバー層を含むカバーをコア
に被覆することによってゴルフボールが作製されるが、
そのコアとしてはソリッドゴルフボール用コア(ソリッ
ドコア)、糸ゴム層を有する多層構造のゴルフボール用
コア(糸巻きコア)のいずれであってもよい。
【0022】ソリッドコアとしては、1層構造のコアは
もとより、2層以上の多層構造のコアであってもよく、
たとえば、ツーピースボール用コアとしては、ポリブタ
ジエン100重量部に対して、アクリル酸、メタクリル
酸などのα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸また
はその金属塩や、トリメチロールプロパントリメタクリ
レートなどの官能性モノマーなどからなる加硫剤(架橋
剤)を単独または合計で10〜60重量部、酸化亜鉛、
硫酸バリウムなどの充填剤を10〜30重量部、ジクミ
ルパーオキサイドなどの過酸化物を0.5〜5重量部配
合し、要すれば、さらに老化防止剤を0.1〜1重量部
配合したゴム組成物をプレス加硫(架橋)により、たと
えば、140〜170℃の温度で10〜40分間加熱圧
縮して、球状加硫物に成形することによって得られたも
のを用いることができる。
【0023】糸巻きコアとしては、センターとそれに巻
き付けた糸ゴムとからなり、上記センターとしては液
系、ゴム系のいずれも用いることができる。ゴム系のセ
ンターとしては、たとえば、前記ソリッドコアと同様の
ゴム組成物を加硫することによって得られたものを用い
ることができる。
【0024】糸ゴムは、従来から使用されているものを
用いることができ、たとえば天然ゴムまたは天然ゴムと
合成ポリイソプレンとの混合物に老化防止剤、加硫促進
剤、硫黄などを配合したゴム組成物を加硫することによ
って得られたものを用いることができる。ただし、これ
らのソリッドコア、糸巻きコアは単なる例示であって、
これら例示のもののみに限定されるものではない。
【0025】コアにカバー層を被覆する方法は、特に限
定されるものではなく、通常の方法で行うことができ
る。たとえば、カバー層形成用の組成物をあらかじめ半
球殻状のハーフシェルに成形し、それを2枚用いてコア
を包み、130〜170℃で1〜15分間加圧成形する
か、またはカバー層形成用の組成物を直接コア上に射出
成形してコアを包み込む方法が採用される。カバーを2
層以上のカバー層で構成する場合は、上記のカバー層被
覆操作を順次繰り返せばよい。たとえば、1層目のカバ
ー層を上記のようにして形成し、その上に2層目のカバ
ー層を形成する場合は、上記のような半球殻状のハーフ
シェルを経る方法または射出成形による方法により、1
層目のカバー層上に2層目のカバー層を被覆していけば
よい。そして、カバーの厚みは通常1〜5mm程度が好
ましく、カバーを2層以上のカバー層で構成する場合、
前記特定の多種金属中和アイオノマーを含有するカバー
層の厚みは通常1〜4mm程度が好ましい。そして、カ
バー成形時、必要に応じて、ボール表面にディンプルの
形成が行われ、また、カバー成形後、ペイント仕上げ、
スタンプなども必要に応じて施される。
【0026】つぎに、本発明のゴルフボールの代表的な
一例を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明のゴル
フボールの一例を模式的に示す断面図であり、この図1
に示すゴルフボールは、ソリッドコアと呼ばれるゴム組
成物の加硫成形体からなるコア1とそれを被覆するカバ
ー2とからなるソリッドゴルフボールである。コア1は
特に特定のものに限られることなく、たとえば、前記の
ようなポリブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成
形体が用いられ、それを被覆するカバー2は前記エチレ
ン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重
合体、エチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル三元
共重合体およびエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エ
ステル三元共重合体よりなる群から選ばれ少なくとも上
記三元共重合体を1種以上含む2種以上のベースポリマ
ーを2種以上の金属イオンで中和した多種金属中和アイ
オノマーを全樹脂成分中5〜100重量%含むものであ
る。そして、2aは上記カバー2に設けられたディンプ
ルである。
【0027】この図1に示すゴルフボールでは、コア1
は1層構造のゴム組成物の加硫成形体からなるが、それ
に代えて、たとえば、ポリブタジエンを主材とするゴム
組成物の加硫成形体からなる内部コアの周囲にさらにポ
リブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成形体から
なる外部コアを形成した2層以上のコアであってもよ
い。さらに、上記のようなソリッドコアでなく、糸巻き
コアであってもよい。また、カバー2も1層のカバー層
のみで構成される1層構造のものだけでなく、2層以上
のカバー層で構成される多層構造にし、その少なくとも
1層を上記のような特定の多種金属中和アイオノマーを
含む構造にしてもよい。上記ディンプル2aは、必要に
応じ、ボール表面に形成されるものであり、また、ボー
ル表面には必要に応じてペイントやマーキングが施され
る。
【0028】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0029】実施例1〜4および比較例1〜3 つぎの〜に示す工程を経て、実施例1〜4および比
較例1〜3のゴルフボールを作製した。
【0030】コアの作製 ポリブタジエン〔BR−11(商品名)、日本合成ゴム
(株)製〕100重量部に対して、アクリル酸亜鉛34
重量部、酸化亜鉛20重量部、ジクミルパーオキサイド
1.5重量部および老化防止剤〔ヨシノックス425
(商品名)、吉富製薬(株)製〕0.5重量部を配合し
たゴム組成物を160℃で15分間加熱することにより
加硫成形してソリッドコアを作製した。得られたコアの
平均直径は38.9mmであった。また、得られたコア
の任意の部分でJIS−C型硬度計により測定した硬度
はすべて78±3の範囲に入っていた。
【0031】カバー層形成用組成物の調製 表1および表2に示す組成の配合材料を二軸混練型押出
機によりミキシングして、ペレット状のカバー層形成用
組成物を調製した。表中の各成分の配合量は重量部であ
り、表中に商品名で示したものについては、その詳細を
表2の後に示す。押出条件はスクリュー径45mm、ス
クリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35
であり、配合物は押出機のダイの位置で220〜260
℃に加熱された。
【0032】得られたカバー層形成用組成物の曲げ剛性
率およびショアーD硬度を測定した。その結果を表1お
よび表2にカバー層形成用組成物の組成と共に示す。な
お、曲げ剛性率、ショアーD硬度の測定方法はそれぞれ
次の通りである。
【0033】曲げ剛性率 各カバー層形成用組成物から作製された厚さ2mmの熱
プレス成形シートを23℃で2週間保存後、ASTM
D−747に準じて測定する。
【0034】ショアーD硬度 各カバー層形成用組成物から作製された厚さ約2mmの
熱プレス成形シートを23℃で2週間保存後、ASTM
D−2240に準じて測定する。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】※1:ハイミランM7031−1(商品
名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸共重合体とエチレン−メタクリル酸−アクリル酸
エステル三元共重合体との混合物をナトリウムイオンと
マグネシウムイオンで中和した多種金属中和アイオノマ
ー、曲げ剛性率=150MPa、ショアーD硬度=56 ※2:ハイミラン1605(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸共重合体のナトリウムイオン中和アイオノマー、
曲げ剛性率=295MPa、ショアーD硬度=61 ※3:ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸共重合体の亜鉛イオン中和アイオノマー、曲げ剛
性率=270MPa、ショアーD硬度=60 ※4:ハイミランAM7316(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸−アクリル酸エステル三元共重合体の亜鉛イオン
中和アイオノマー、曲げ剛性率=24MPa、ショアー
D硬度=34 ※5:ハイミラン1855(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸−アクリル酸エステル三元共重合体の亜鉛イオン
中和アイオノマー、曲げ剛性率=87MPa、ショアー
D硬度=54
【0038】ゴルフボールの作製 上記のカバー層形成用組成物を上記のソリッドコア
上に直接射出成形して上記のソリッドコアを被覆し、
得られたボールにペイントを塗装して、外径が42.7
mmで、ボール重量が45.3gのゴルフボールを作製
した。
【0039】得られたゴルフボールのボールコンプレッ
ション(PGA)、ドライバーでの飛距離および打球
感、アプローチショットでのコントロール性を調べた。
その結果を表3および表4に示す。上記特性の測定、評
価方法はそれぞれ次の通りである。
【0040】ドライバーでの飛距離 ツルーテンパー社製スイングロボットのドライバー(ウ
ッド1番クラブ)を取り付け、ボールをヘッドスピード
45m/sで打撃し、落下点までの距離(キャリー)を
測定する。
【0041】打球感およびアプローチショットでのコン
トロール性 トッププロ10人による実打テストで評価した。評価基
準は以下の通りであり、評価結果を表中に表示する際も
同様の記号で表示しているが、その場合は評価にあたっ
た10人の内8人以上が同じ評価を下したことを示して
いる。打球感はドライバー(ウッド1番クラブ)での実
打により評価し、アプローチショットでのコントロール
性はサンドウェッジによる実打により評価した。
【0042】評価基準 打球感: ○:ソフトで良好 △:少し硬い ×:硬くて悪い
【0043】コントロール性: ○:スピンがかかりやすく良好 △:ややスピンはかかるが不充分 ×:スピンがかかりにくく悪い
【0044】
【表3】
【0045】
【表4】
【0046】表3に示す実施例1〜4のボール特性と表
4に示す比較例1〜3のボール特性との対比から明らか
なように、実施例1〜4は、打球感およびコントロール
性が良好で、かつ飛距離が大きく飛行性能が優れてい
た。
【0047】すなわち、比較例1は、カバーに高剛性の
アイオノマーを用いたゴルフボールで、飛行性能が優れ
たものとして評価されているゴルフボールであるが、実
施例1〜4は、この比較例1と同等の飛距離を有してい
て、高反発性能で飛行性能が優れていると共に、打球感
およびコントロール性が良好であった。
【0048】これに対し、比較例1は、飛距離が大きく
飛行性能は優れているものの、打球感およびコントロー
ル性が悪く、また、比較例2〜3は、飛距離の低下が認
められる上に、打球感およびコントロール性が充分とは
いえなかった。
【0049】上記実施例では、カバーが1層のカバー層
のみで構成される1層構造のカバーの場合について説明
したが、カバーを2層以上のカバー層で構成される多層
構造のカバーにし、その少なくとも1層に上記特定の多
種金属中和アイオノマーを該カバー層の全樹脂成分中5
〜100重量%含有させるようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、打球
感およびコントロール性が良好で、かつ高反発性能で飛
行性能が良好なゴルフボールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフボールの一例を模式的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1 コア 2 カバー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと1層以上のカバー層で構成される
    カバーを有するゴルフボールにおいて、上記カバーのう
    ち少なくとも1層のカバー層が、エチレン−アクリル酸
    共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン
    −アクリル酸−アクリル酸エステル三元共重合体および
    エチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル三元共重
    合体よりなる群から選ばれ少なくとも上記三元共重合体
    を1種以上含む2種以上のベースポリマーを2種以上の
    金属イオンで中和した多種金属中和アイオノマーを該カ
    バー層の全樹脂成分中5〜100重量%含むことを特徴
    とするゴルフボール。
  2. 【請求項2】 多種金属中和アイオノマーが、少なくと
    も1種以上の1価の金属イオンおよび2価の金属イオン
    で中和されていることを特徴とする請求項1記載のゴル
    フボール。
  3. 【請求項3】 多種金属中和アイオノマーが、ナトリウ
    ムイオンおよびマグネシウムイオンで中和されているこ
    とを特徴とする請求項1または2記載のゴルフボール。
  4. 【請求項4】 多種金属中和アイオノマーのショアーD
    硬度が30〜60で、曲げ剛性率が30〜200MPa
    であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載
    のゴルフボール。
  5. 【請求項5】 多種金属中和アイオノマーを含むカバー
    層のショアーD硬度が35〜70であることを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載のゴルフボール。
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