JPH11299933A - ゴルフボール - Google Patents

ゴルフボール

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JPH11299933A
JPH11299933A JP10110009A JP11000998A JPH11299933A JP H11299933 A JPH11299933 A JP H11299933A JP 10110009 A JP10110009 A JP 10110009A JP 11000998 A JP11000998 A JP 11000998A JP H11299933 A JPH11299933 A JP H11299933A
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JP
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ionomer
cover
golf ball
weight
core
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JP10110009A
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Takashi Sasaki
隆 佐々木
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Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 打球感を損なうことなく、高反発性能で飛行
性能が優れたゴルフボールを提供する。 【解決手段】 コアと1層または2層以上のカバーを有
するゴルフボールにおいて、少なくとも1層のカバー
を、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体系アイオノマ
ーにアミノアルキル基を2個以上有する縮合環状化合物
をアイオノマーのカルボキシル基を基準にして0.01
〜1当量となる割合で配合してなり、ショアーD硬度が
55〜70のアイオノマー変性組成物(A)をカバーの
樹脂成分中に20〜100重量%含有させることによっ
て構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゴルフボールに関
し、さらに詳しくは、打球感を損なうことなく、高反発
性能で飛行性能が優れたゴルフボールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴルフボールのカバー用基材樹脂
としては、アイオノマーが広範に使用されている。特に
ソリッドコアを用いたツーピースソリッドゴルフボール
では、ほとんどの場合、アイオノマーがカバーの基材樹
脂として使用されている。これは、アイオノマーが、耐
久性、耐カット性、反発性能に優れ、かつ加工しやすい
という理由によるものである。
【0003】このアイオノマーは、一般に硬質になるほ
ど反発弾性が高く、ゴルフボールの飛距離を向上させる
ためには、より硬質の(つまり、硬度の高い)アイオノ
マーを使用するのが一般的だった。
【0004】しかしながら、硬度の高いアイオノマーを
カバーに用いると、ボールの打球感が悪くなるという問
題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点を解決し、打球感を損なうことな
く、高反発性能で飛行性能が優れたゴルフボールを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため、カバーに使用する樹脂について鋭意研究
を重ねた結果、エチレン−不飽和カルボン酸共重合体系
アイオノマーにアミノアルキル基を2個以上有する縮合
環状化合物をアイオノマーのカルボキシル基を基準にし
て0.01〜1当量となる割合で配合してなり、ショア
ーD硬度が55〜70のアイオノマー変性組成物(A)
をカバーの全樹脂成分中の20〜100重量%用いると
きは、打球感を損なうことなく、高反発性能で飛行性能
が優れたゴルフボールが得られ、上記課題を解決できる
ことを見出し、本発明を完成するにいたった。
【0007】アイオノマーは、1価金属イオン中和アイ
オノマーと2価金属イオン中和アイオノマーとをブレン
ド(混合)することにより、剛性、硬度、反発弾性が向
上することが知られており、ゴルフボール用カバー材料
として使用する場合も、1価金属イオン中和アイオノマ
ーと2価金属イオン中和アイオノマーとをブレンドして
用いるのが一般的である。
【0008】本発明で用いるアイオノマー変性組成物
(A)は、上記のようなブレンド物に比べて、剛性、硬
度の上昇はわずかであるが、反発弾性が大幅に向上して
いるので、これをカバーに用いることにより、打球感を
損なうことなく、高反発性能で飛行性能が優れたゴルフ
ボールが得られるようになる。
【0009】本発明においては、上記アイオノマー変性
組成物(A)をカバーの樹脂成分中20〜100重量%
含有させるが、これは、上記アイオノマー変性組成物
(A)が全樹脂成分中の20重量%より少ない場合は、
反発性能を向上させるという効果が充分に発現しなくな
るからである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明において、アイオノマー変
性組成物(A)の一方の成分であるエチレン−不飽和カ
ルボン酸共重合体系アイオノマーの不飽和カルボン酸と
しては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル
酸、マレイン酸、イタコン酸、マレイン酸モノメチル、
マレイン酸モノエチル、無水マレイン酸、無水イタコン
酸などが挙げられ、特にアクリル酸やメタクリル酸など
が好ましい。
【0011】上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体
系アイオノマーは、エチレン−不飽和カルボン酸共重合
体を、常法により金属イオンで中和することによって得
られるが、その金属イオンとしては、例えば、リチウ
ム、ナトリウム、カリウムなどの1価金属のイオン、亜
鉛、マグネシウム、カルシウム、銅、錫、ニッケル、コ
バルト、アルミニウムなどの多価金属のイオンを例示す
ることができ、特に少なくとも一部が2価金属イオンで
中和したものが好ましい。2価金属イオンとして好まし
いのは、亜鉛イオン、マグネシウムイオンであり、特に
亜鉛イオンが好ましい。
【0012】上記エチレン−不飽和カルボン酸共重合体
系アイオノマーとしては、2種以上を使用してもよく、
特に1価金属イオン中和アイオノマーを使用する場合
は、アミノアルキル基を2個以上有する縮合環状化合物
のブリードアウトを防止するためにも、2価金属イオン
中和アイオノマーと併用することが好ましい。
【0013】本発明において、アイオノマー変性組成物
(A)の他方の成分は、アミノアルキル基を2個以上有
する縮合環状化合物であるが、そのアミノアルキル基の
アミノ基は、1級アミノ基であり、例えば、アミノメチ
ル基、アミノエチル基、アミノプロピル基などが挙げら
れ、特にアミノメチル基が好ましい。縮合環状化合物の
縮合環としては、脂環状または芳香環状のいずれでもよ
く、縮合環の数は任意であるが、縮合環を2個または3
個有するものが入手容易で実用性に富んでいる。
【0014】上記アミノアルキル基を2個以上有する縮
合環状化合物の具体例としては、例えば、2,5(また
は2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2,2,
1〕ヘプタン、2,6(または2,7)−ビス(アミノ
メチル)ビシクロ〔3,2,1〕オクタン、2,5(ま
たは2,6)−ビス(アミノメチル)−7−ジメチルビ
シクロ〔2,2,1〕ヘプタン、2,6−ビス(アミノ
メチル)アダマンタン、1,4(または2,6または
2,7)−ビス(アミノメチル)ナフタレンなどが挙げ
られ、これらは2種以上の混合物であってもよい。
【0015】アミノアルキル基を2個以上有する縮合環
状化合物の配合割合は、エチレン−不飽和カルボン酸共
重合体系アイオノマーのカルボキシル基(フリーのもの
およびイオン価されたものの両方)に対して0.01〜
1当量、好ましくは0.05〜1当量となる割合であ
る。アミノアルキル基を2個以上有する縮合環状化合物
の配合割合をアイオノマーのカルボキシル基に対して1
当量より多くしても物性の改良効果は期待できず、かえ
って成形品からのブリードによる品質低下のおそれがあ
る。
【0016】また、上記アイオノマー変性組成物(A)
は硬度がショアーD硬度で55〜70であることが必要
である。アイオノマー変性組成物(A)のショアーD硬
度が55より低い場合は、反発性能が低下し、ショアー
D硬度が70より高い場合は、カバーが硬くなり過ぎて
打球感が悪くなる。
【0017】本発明において、カバーの樹脂成分を構成
する樹脂で、上記特定のアイオノマー変性組成物(A)
以外の樹脂としては、従来よりカバー用の樹脂として使
用されているアイオノマー、熱可塑性エラストマー、極
性基変性熱可塑性エラストマーなどを使用することがで
きる。
【0018】上記のような従来使用のアイオノマーの具
体例を商品名で例示すると、例えば、三井デュポンポリ
ケミカル(株)から市販されているアイオノマーとして
は、ハイミラン1605(Na)、ハイミラン1707
(Na)、ハイミランAM7318(Na)、ハイミラ
ン1706(Zn)、ハイミランAM7315(Z
n)、ハイミランAM7317(Zn)、ハイミランA
M7311(Mg)、ハイミランMK7320(K)
や、三元共重合体系アイオノマーとしてのハイミラン1
856(Na)、ハイミラン1855(Zn)、ハイミ
ランAM7316(Zn)などが挙げられる。米国デュ
ポン社から市販されているアイオノマーとしては、サー
リン8920(Na)、サーリン8940(Na)、サ
ーリン8945(Na)、サーリン9910(Zn)、
サーリンAD8511(Zn)、サーリン7930(L
i)、サーリン7940(Li)や、三元共重合体系ア
イオノマーとしてのサーリン8320(Na)、サーリ
ンAD8542(Mg)などが挙げられる。エクソン化
学社から市販されているアイオノマーとしては、アイオ
テック8000(Na)、アイオテック7010(Z
n)などが挙げられている。なお、上記アイオノマーの
商品名の後の括弧内に記載したNa、Zn、K、Li、
Mgなどは、それらの中和金属イオン種を示している。
これらのアイオノマーは、上記例示のものをそれぞれ単
独で用いてもよいし、また2種以上を混合して用いても
よい。もとより、上記例示の1価の金属イオンで中和し
たアイオノマーと2価の金属イオンで中和したアイオノ
マーとを2種以上混合して用いてもよい。
【0019】熱可塑性エラストマーとしては、例えば、
ポリオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポ
リウレタン系、スチレン系(スチレン−ブタジエン−ス
チレン構造のもの、スチレン−イソプレン−スチレン構
造のもの)などのいずれの熱可塑性エラストマーであっ
てもよいし、また、これらの熱可塑性エラストマーをア
イオノマーと併用してもよい。さらに、アイオノマーと
の相溶性を高めるため、極性基変性(例えば、無水マレ
イン酸、グリシジル基に代表されるエポキシ基変性、ス
ルホン酸変性など)の熱可塑性エラストマーを用いても
よいし、アイオノマーと熱可塑性エラストマーと極性基
変性熱可塑性エラストマーとのブレンド(混合)系で用
いてもよい。
【0020】上記のようなアイオノマー変性組成物
(A)が高い反発弾性を持ち得る理由については、現在
のところ必ずしも明確ではないが、アイオノマーとアミ
ノアルキル基を2個以上有する縮合環状化合物とがアン
ミン錯塩またはアンモニウム塩を形成し、それによっ
て、剛性、硬度、反発弾性を向上させ、その際、剛性、
硬度の上昇に比べて、反発弾性を大幅に向上させること
によるものと考えられる。そして、上記アイオノマー変
性組成物(A)の調製は、通常の溶融混練装置を用い、
アイオノマーの融点以上の温度、好ましくは180〜2
40℃程度の温度で上記アイオノマーと縮合環状化合物
とを溶融混練することによって行うことができる。
【0021】本発明において、カバーの樹脂成分として
は、アイオノマー変性組成物(A)を上記のような従来
より使用の樹脂と併用することができるが、その併用す
る樹脂としては、特にエチレン−アクリル酸−アクリレ
ート三元共重合体系アイオノマーまたはエチレン−メタ
クリル酸−アクリレート三元共重合体系アイオノマーが
アイオノマー変性組成物(A)との相溶性がよいことか
ら好ましい。
【0022】本発明においては、上記アイオノマー変性
組成物(A)をカバーの樹脂成分中に20〜100重量
%用いることによって、カバーの樹脂成分を構成する
が、上記アイオノマー変性組成物(A)の樹脂成分中の
含有量としては、40重量%以上にすることが好まし
い。また、アイオノマー変性組成物(A)を他の樹脂と
併用してカバーの樹脂成分を構成する場合、アイオノマ
ー変性組成物(A)を90〜20重量%、他の樹脂を1
0〜80重量%にすることが好ましく、特にアイオノマ
ー変性組成物(A)を80〜40重量%、他の樹脂を2
0〜60重量%にすることが好ましい。
【0023】本発明において、上記アイオノマー変性組
成物(A)を必須の樹脂成分とするカバーには、必要に
応じて、種々の添加剤、例えば、酸化チタン(Ti
2 )、硫酸バリウムなどの顔料、染料、充填剤、光安
定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、ワックス、酸化防止
剤、粘着付与剤、耐候安定剤などを適宜含有させること
ができる。上記カバーを形成するためのカバー用組成物
の調製は、通常、混練型二軸押出機、バンバリー、ニー
ダーなどのインターナルミキサーを用い、150〜25
0℃で0.5〜15分間加熱混合することによって行わ
れる。その際、上記アイオノマー変性組成物(A)を必
須成分として含む樹脂成分に、上記のように、必要に応
じて、種々の添加剤を添加することができる。
【0024】本発明において、上記特定のアイオノマー
変性組成物(A)を樹脂成分として含むカバーは、1層
構造のカバーであってもよいし、また、多層構造のカバ
ーのうちの1層または2層以上であってもよい。また、
多層構造のカバーにおいて、その位置は外層や中間層な
どに限定されることもなく、いずれの位置にあってもよ
い。
【0025】本発明において、コアとしてはソリッドゴ
ルフボール用コア(ソリッドコア)、糸ゴム層を有する
多層構造のゴルフボール用コア(糸巻きコア)のいずれ
も使用することができる。
【0026】ソリッドコアとしては、1層構造のコアは
もとより、2層以上の多層構造のコアであってもよく、
例えば、ツーピースボール用コアとしては、ポリブタジ
エン100重量部に対して、アクリル酸、メタクリル酸
などのα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸または
その金属塩や、トリメチロールプロパントリメタクリレ
ートなどの官能性モノマーなどからなる加硫剤(架橋
剤)を単独または合計で10〜60重量部、酸化亜鉛、
硫酸バリウムなどの充填剤を10〜30重量部、ジクミ
ルパーオキサイドなどの過酸化物を0.5〜5重量部配
合し、要すれば、さらに老化防止剤を0.1〜1重量部
配合したゴム組成物をプレス加硫(架橋)により、例え
ば、140〜170℃の温度で10〜40分間加熱圧縮
して、球状加硫物に成形することによって得られたもの
を用いることができる。
【0027】糸巻きコアとしては、センターとそれに巻
き付けた糸ゴムとからなり、上記センターとしては、液
系、ゴム系のいずれも用いることができる。ゴム系のセ
ンターとしては、例えば、前記ソリッドコアと同様のゴ
ム組成物を加硫することによって得られたものを用いる
ことができる。糸ゴムは、従来から使用されているもの
を用いることができ、例えば天然ゴムまたは天然ゴムと
合成ポリイソプレインとの混合物に老化防止剤、加硫促
進剤、硫黄などを配合した組成物を加硫することによっ
て得られたものを用いることができる。ただし、これら
のソリッドコア、糸巻きコアは単なる例示であって、こ
れら例示のもののみに限定されるものではない。
【0028】コアにカバーを被覆する方法は、特に限定
されるものではなく、通常の方法で行うことができる。
例えば、カバー用組成物をあらかじめ半球殻状のハーフ
シェルに成形し、それを2枚用いてコアを包み、130
〜170℃で1〜15分間加圧成形するか、またはカバ
ー用組成物を直接コア上に射出成形してコアを包み込む
方法が採用される。カバーの厚みは通常1〜4mm程度
である。そして、カバー成形時、必要に応じて、ボール
表面にディンプルの形成が行われ、また、カバー成形
後、ペイント仕上げ、スタンプなども必要に応じて施さ
れる。
【0029】図1は本発明のゴルフボールの一例を模式
的に示す断面図であり、この図1に示すゴルフボール
は、ソリッドコアと呼ばれるゴム組成物の加硫成形物か
らなるコア1とそれを被覆するカバー2とからなるツー
ピースソリッドゴルフボールである。コア1は特に特定
のものに限られることなく、例えば、前記のようなポリ
ブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成形物が用い
られ、それを被覆するカバー2は前記アイオノマー変性
組成物(A)を必須の樹脂成分として含むカバー用組成
物から形成されたものである。そして、2aは上記カバ
ー2に設けられたディンプルである。
【0030】この図1に示すゴルフボールでは、コア1
は1層構造のゴム組成物の加硫成形物からなるが、それ
に代えて、例えば、ポリブタジエンを主材とするゴム組
成物の加硫成形物からなる内部コアの周囲にさらにポリ
ブタジエンを主材とするゴム組成物の加硫成形物からな
る外部コアを形成した2層以上のコアであってもよい
し、また糸巻きコアであってもよい。さらに、本発明の
効果を損なわない範囲において、コアとカバーとの間に
中間層を設けることもできるし、カバーを多層構造に
し、そのうちの1層または2層以上を前記アイオノマー
変性組成物(A)を必須の樹脂成分として含むカバーで
構成すればよい。上記ディンプル2aは、必要に応じ、
あるいは所望とする特性が得られるように、適した個
数、態様でゴルフボールのカバー2に設けられるもので
あり、また、これらのゴルフボールには、必要に応じ、
ボール表面にペイントやマーキングが施される。
【0031】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらに実施例のみに限
定されるものではない。
【0032】実施例1〜3および比較例1〜3 次の〜に示す工程を経て、実施例1〜3および比較
例1〜3のゴルフボールを作製した。
【0033】コアの作製 ポリブタジエン〔BR−11(商品名)、日本合成ゴム
(株)製〕100重量部に対して、アクリル酸亜鉛30
重量部、酸化亜鉛17重量部、ジクミルパーオキサイド
1.2重量部および老化防止剤〔ヨシノックス425
(商品名)、吉富製薬(株)製〕0.5重量部を配合し
たゴム組成物を150℃で30分間加圧下で加熱成形し
て平均直径38.9mmのソリッドコアを得た。
【0034】カバー用組成物の調製 後記の表1および表2に示す組成の配合材料を二軸混練
型押出機によりミキシングして、ペレット状のカバー用
組成物を調製した。表中の各成分の配合量は重量部であ
り、表中に商品名で示したものについては、その詳細を
表2の後に示す。押出条件はスクリュー径45mm、ス
クリュー回転数200rpm、スクリューL/D=35
である。得られたカバー用組成物の曲げ剛性率およびシ
ョアーD硬度を測定した。その結果を表2にカバー用組
成物の組成と共に示す。曲げ剛性率、ショアーD硬度の
測定方法はそれぞれ次の通りである。
【0035】曲げ剛性率:各カバー用組成物から作製さ
れた厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で2週
間保存後、ASTM D−747に準じて測定する。
【0036】ショアーD硬度:各カバー用組成物から作
製された厚さ約2mmの熱プレス成形シートを23℃で
2週間保存後、ASTM D−2240に準じて測定す
る。
【0037】ゴルフボールの作製 上記のカバー用組成物を上記のソリッドコア上に直
接射出成形して上記のソリッドコアを被覆し、得られ
たボールにペイントを塗装して外径が42.7mmで、
ボール重量が45.3gのゴルフボールを作製した。
【0038】得られたゴルフボールのボールコンプレッ
ション(PGA)、反発係数、ドライバーでの飛距離お
よび打球感を調べた。その結果を表1および表2に示
す。
【0039】反発係数:圧縮空気式レジリエンスガンに
より重さ198.4gのステンレス鋼製円柱を初速45
m/sで打ち出し、その前方においたボールに衝突さ
せ、衝突前後の円柱およびボールの速度をそれぞれ2つ
の光電管によって測定し、それぞれの速度および重量か
ら反発係数を算出する。この反発係数が大きいほど、反
発性能が優れている。
【0040】ドライバーでの飛距離:ツルーテンパー社
製スイングロボットのドライバー(ウッド1番クラブ)
を取り付け、ボールをヘッドスピード45m/sで打撃
し、落下点までの距離(キャリー)を測定する。
【0041】打球感:トッププロ10人によるドライバ
ー(ウッド1番クラブ)での実打テストにより評価し
た。評価基準は以下の通りであり、評価結果を表中に表
示する際も同様の記号で表示しているが、その場合は評
価にあたった10人の内8人以上が同じ評価を下したこ
とを示している。
【0042】評価基準: ◎:ソフトで良好 ○:少し硬いが、それでも良好な範囲内にある ×:硬くて悪い
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】(※1):ハイミランM7059−1(商
品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸共重合体系の亜鉛イオン中和アイオノマーに2,
5(2,6)−ビス(アミノメチル)ビシクロ〔2,
2,1〕ヘプタンを配合してなるアイオノマー変性組成
物であり、曲げ剛性率=370MPa、ショアーD硬度
=64 (※2):サーリンAD8542(商品名) デュポン社製のエチレン−メタクリル酸−アクリル酸エ
ステル三元共重合体系のマグネシウムイオン中和アイオ
ノマー、曲げ剛性率=35MPa、ショアーD硬度=4
4 (※3):ハイミラン1605(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸共重合体系のナトリウムイオン中和アイオノマ
ー、曲げ剛性率=295MPa、ショアーD硬度=61 (※4):ハイミラン1706(商品名) 三井デュポンポリケミカル(株)製のエチレン−メタク
リル酸共重合体系の亜鉛イオン中和アイオノマー、曲げ
剛性率=270MPa、ショアーD硬度=60
【0046】表1に示す実施例1〜3のボール特性と表
2に示す比較例1〜3のボール特性との対比から明らか
なように、実施例1〜3は、打球感が良好で、かつ高反
発性能で飛行性能が優れていた。すなわち、実施例1〜
3は、表1に示すように、打球感の評価が「○」または
「◎」であって、打球感が良好であり、かつ反発係数お
よび飛距離とも大きく、高反発性能で飛行性能が優れて
いた。
【0047】これに対して、比較例1〜3は、打球感、
反発性能、飛行性能のいずれか一つまたはそれ以上の項
目で特性が劣っていた。すなわち、比較例1は、表2に
示すように、高剛性アイオノマーであるハイミラン16
05(商品名)とハイミラン1706(商品名)とのブ
レンド物でカバーの樹脂成分を構成した比較の基準とな
るゴルフボールであるが、この比較例1は、飛距離は実
施例のものと同程度に大きいものの、打球感が硬くて悪
かった。また、比較例2〜3は、打球感が改良されてい
るものの、反発係数や飛距離が小さく、反発性能や飛行
性能が劣っていた。
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、打球
感を損なうことなく、高反発性能で飛行性能が優れたゴ
ルフボールを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のゴルフボールの一例を模試的に示す断
面図である。
【符号の説明】
1 コア 2 カバー

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと1層または2層以上のカバーを有
    するゴルフボールにおいて、少なくとも1層のカバー
    が、その樹脂成分中に下記のアイオノマー変性組成物
    (A)を20〜100重量%含有することを特徴とする
    ゴルフボール。 アイオノマー変性組成物(A):エチレン−不飽和カル
    ボン酸共重合体系アイオノマーにアミノアルキル基を2
    個以上有する縮合環状化合物を、アイオノマーのカルボ
    キシル基を基準にして0.01〜1当量となる割合で配
    合してなるアイオノマー変性組成物であり、そのショア
    ーD硬度が55〜70のもの。
  2. 【請求項2】 アイオノマー変性組成物(A)における
    アイオノマーが、亜鉛イオン中和アイオノマーである請
    求項1記載のゴルフボール。
  3. 【請求項3】 カバーの樹脂成分が、アイオノマー変性
    組成物(A)90〜20重量%とエチレン−アクリル酸
    −アクリレート三元共重合体系アイオノマーまたはエチ
    レン−メタクリル酸−アクリレート三元共重合体系アイ
    オノマー10〜80重量%とからなる請求項1記載のゴ
    ルフボール。
JP10110009A 1998-04-21 1998-04-21 ゴルフボール Pending JPH11299933A (ja)

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