JPH11279792A - 錫−銀はんだ合金めっき層の形成方法 - Google Patents

錫−銀はんだ合金めっき層の形成方法

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JPH11279792A
JPH11279792A JP8127498A JP8127498A JPH11279792A JP H11279792 A JPH11279792 A JP H11279792A JP 8127498 A JP8127498 A JP 8127498A JP 8127498 A JP8127498 A JP 8127498A JP H11279792 A JPH11279792 A JP H11279792A
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JP
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tin
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silver
plated
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JP8127498A
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Atsushi Kodama
篤志 児玉
Kazuhiko Fukamachi
一彦 深町
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Nippon Mining Holdings Inc
Eneos Corp
Original Assignee
Nippon Mining and Metals Co Ltd
Nippon Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 錫−銀はんだ合金めっき層を形成する際に、
キレート剤などを含む合金めっき浴の使用を避け、かつ
品質が優れためっき層を形成する。 【解決手段】 被めっき物に、まず第1層の銀層をめっ
きし、次にこの銀層の上に第2層の錫層を第1層の銀め
っきの厚みの1.5倍以上の厚みでめっきし、続いて第
1および第2層のめっきをリフローする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は錫−銀はんだ合金め
っき層の形成方法に関するものであり、より詳しく述べ
るならばコネクタ、リードなどの被めっき物上に形成し
ためっき層上に導線、回路基板などを接合するためのは
んだ合金めっき層の形成方法に関するものである。
【0001】
【従来の技術】これまでに工業的に生産されてきた錫−
鉛はんだ合金めっき材は、はんだ付け性、耐食性などが
良好なために、コネクタやリード材などの電子部品の接
合に広く利用されてきた。しかしながら、近年鉛の有害
性が指摘されるようになり、鉛の使用を規制しようとす
る動きが世界的に生じている。例えば、屋外に廃棄され
た電子機器類が酸性雨にさらされると、機器内部に使用
されているはんだ(錫−鉛合金)やはんだめっきが腐食
されて鉛が溶けだし、これが原因で地下水や河川が汚染
されるという問題がある。環境汚染を防止するには、鉛
を含有しない物質を使用することが最善であり、従来の
錫−鉛はんだ合金めっき層に代わる鉛を含有しないめっ
きを開発する必要がある。
【0002】鉛を含有しない、いわゆる鉛フリーめっき
としては錫−銀合金、錫−亜鉛合金、錫−インジウム合
金、錫−銀合金めっき層などの幾つかの合金めっきが検
討されている。それらのなかでも、錫−銀合金めっきは
毒性がなく、はんだ付け性が良いなどの利点があり、鉛
フリーはんだめっきとして有望視されている。
【0003】錫−銀はんだ合金めっき層の形成方法とし
ては、例えば、錫−銀合金めっき液を使用してめっきす
る方法が挙げられる。この方法では、銀イオンと錫イオ
ンの電位差が大きいのでめっきが難しく、めっき液にコ
ストの高い錯化剤(キレート剤)を大量に添加しなけれ
ばならない。さらに、銀と錫の電位差のために錫−銀合
金アノードが使用できず、そのために銀または錫塩をめ
っき浴に連続的に補給しなければならなかった。一方、
錫−銀はんだ合金めっき層では、光沢のあるめっき外観
を得ることが難しいという問題がある。無光沢のめっき
では、めっき表面からの粉の脱落が多く、めっき材のプ
レス加工の際などに問題となる。さらに、従来の錫−銀
合金めっきでは、加熱しあるいは長時間放置するとはん
だ付け性が劣化するという問題があた。また、特開昭5
0−1367号公報では、Sn−Ag−Cd溶融浴への
浸漬めっきが行われているが、めっき後めっき層をダイ
スで絞らなければ所望の薄いめっきが得られない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点に鑑みてなされたもので、外観が良好な錫−
銀はんだ合金めっき層を簡易に形成する方法を提供する
ことを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明者が研究を行った結果、以下に示すめっき方法
を発明するに至った。すなわち本発明は、(1)錫−銀
はんだ合金めっき層の形成方法であって、下地めっきを
施したまたは下地めっきを施さない被めっき物に、まず
第1層の銀層をめっきし、次にこの銀層の上に第2層の
錫層を第1層の銀めっきの厚みの1.5倍以上の厚みで
めっきし、続いて第1及び第2層のめっきをリフローす
ることを特徴とする錫−銀はんだ合金めっき層の形成方
法、及び(2)被めっき物の温度を300℃以下として
リフローを行い、かつ錫めっき層が溶融を開始して5秒
以内に被めっき物を急冷する(1)に記載の錫−銀はん
だ合金めっき層の形成方法である。以下本発明につき詳
しく説明する。
【0006】本発明の特徴は、銀と錫を重ねてめっき
し、次にめっきをリフロー(加熱、溶融処理)する方法
により、錫−銀はんだ合金めっき層を得るところにあ
る。この方法により得られる錫−銀はんだ合金の組成は
好ましくは、Ag30重量%以下、残部Snであり、よ
り好ましくはAg=2〜15重量%、残部Snである。
この組成のはんだの融点は221〜350℃である。
【0007】被めっき物は、金属条、プレス加工したコ
ネクタ、リードフレームなどに、銅めっきやニッケルめ
っきの下地めっき施したもの、あるいは下地めっきを施
さないものである。本発明での第1層の銀めっきはシア
ン浴、ヨウ化物浴などの公知のめっき液であって、二硫
化炭素などの光沢剤を含有しないめっき液を使用して、
被めっき物の上にめっき層を電気めっきにより形成する
ことができる。めっき層は後の工程においてリフローさ
れるが、光沢剤を使用するとリフロー後のめっき外観が
悪くなるからである。銀めっきの厚みについての制限は
ないが、めっき外観、コスト等を考慮すると、2μm以
下が好ましい。次に、銀めっき層の上に第2層の錫めっ
き層を電気めっきにより形成する。錫めっき液は硫酸
浴、メタスルホン浴などの公知のめっき液のなかで、ア
ルデヒドなどの光沢剤を含有しないメタスルホン液が使
用することが好ましい。
【0008】第1層と第2層の関係については、第1層
が銀で第2層が錫でなければならない。この理由は、第
1層を錫めっきにすると銀めっきの際に電位がより卑な
1層目の錫が溶けて貴な銀が析出し、いわゆる置換めっ
きが起こるからである。置換めっきが起こるとめっき表
面が粗くなり、めっき後にリフローしても表面は滑らか
にならない。またはんだ付け性も悪くなる。本発明での
錫めっきの厚みは、銀めっき厚みの1.5倍にする必要
がある。これは、錫めっきの厚みが銀めっきの1.5倍
以下では、めっき皮膜中の銀が錫に完全に溶けきらず、
合金化しないからである。リフロー後のめっき層の厚み
は0.8〜1.5μmであることが好ましい。
【0009】リフローは、めっき材を大気または還元雰
囲気中にて加熱してめっき皮膜を溶融させ、次にめっき
材を急冷して行う。リフローと急冷により均一組成の錫
−銀合金が生成される。急冷は加熱炉から取り出された
めっき材に空気、水などを吹きつける、水中に浸漬する
などの手段により自然冷却より速い冷却速度を実現する
ことにより行う。リフローは、めっき材を連続的に加熱
炉内に入れて行う方法が一般的であるが、このときの被
めっき物の温度と、錫めっき皮膜の溶融開始から急冷す
るまでの時間とを適正な範囲に設定することにより、外
観良好で平滑な光沢めっき層を得ることができる。ま
た、リフローの温度管理はあらかじめ加熱炉の温度を設
定し、次に炉中の被めっき物の温度を熱電対を使用して
測定し、このデータをもとに加熱炉の温度を最適な値に
設定する。またリフローのための加熱方法は例えば熱風
循環炉中に条などの被めっき物を連続的に入れて行な
う。このような温度管理及び加熱方法にリフロープロセ
スを制御することを前提とすると、被めっき物の温度が
300℃を越える場合にはめっきが外観が光沢にならず
白く曇ったり、あるいはクレーター状のめっき濡れ不良
(はじき)が発生する。同様に、第2層の比較的低融点
で最初に溶融される錫めっきが溶融を開始してから急冷
するまで時間が5秒を越える場合は、めっきはじきが発
生する。このようにリフロー後のめっきにはじきが発生
したものは、はんだ付け性が著しく悪い。したがって、
リフローする際の被めっき物の温度は300℃以下でし
かも錫めっき皮膜が溶融を開始してから急冷を行うまで
の時間を5秒以内にすることが好ましい。
【0010】
【作用】本発明方法では、第1層及び第2層のめっき
厚みを変えることにより、任意の合金皮膜組成を安定し
て得ることができる;第1層及び第2層はそれぞれ純
銀及び純錫の電気めっきであり、合金めっきに比較する
とめっきが容易である;アノードとして銀アノードま
たは錫アノードが使用できるので、めっき中にこれらの
金属塩を浴に補給する必要がない;めっき液のコスト
は従来のはんだ合金電気めっき液に比較すると安く、液
の調整や管理も簡単であるなどが挙げられる。
【0011】
【実施例】次に本発明の効果を実施例に基づいて具体的
に説明する。厚み0.2mmのりん青銅(JIS C
5191)の板を脱脂、酸洗した後に、厚み0.5μm
の銅下地めっきを施し、続いて表1及び表2に示すめっ
き液とめっき条件で、銀(第1層)及び錫めっき(第2
層)を行った。めっきを行うにあたり、第1層と第2層
のめっき時間をかえてめっき厚みの異なる試料を作製し
た。さらに、リフローする際の被めっき物温度と加熱時
間(リフロー時間)を変えた試料も作製した。評価に使
用した錫−銀はんだ合金めっき層製造条件を表3に示
す。
【0012】
【表1】
【0013】
【表2】
【0014】めっき試料の評価としては、めっき外観と
はんだ付け性の評価を行った。外観評価は目視で行い、
はんだ付け性評価は、ロジンエタノールフラックスを使
用してメニスコグラフ法で行った。耐熱剥離性は、めっ
き材を大気中105℃で168時間加熱し、試料を90
度曲げた後再び水平に戻し、曲げた箇所を観察して剥離
の有無を確認した。評価結果を表3に示す。
【0015】
【表3】 備考 めっき外観:◎−光沢外観,○:半光沢,×:無光沢またははじき発生 リフロー時間:錫めっきの溶融開始から急冷までの時間(秒) 加熱とはんだ付け性:◎:濡れ時間1〜2秒,○:濡れ時間,×:はんだ塗 れない。加熱:大気中にて155℃、16時間加熱を行い、その前後ではんだ付 性を◎,○,×で評価した。 耐熱剥離性:◎−剥離なし,○:一部剥離,×:完全に剥離
【0016】表3のリフロー時間の起算時点である錫め
っき層の溶融は目視により測定した。また、光沢は鏡面
状のものを光沢、すりガラス状のものを半光沢、これ以
外を無光沢と判定した。表3の実施例1、2は本発明の
内容に従って製造しためっき試料を評価した結果であ
り、いずれもめっき外観は良くはんだ付け性も良好であ
った。比較例3は第1層を錫(Sn)めっき、第2層を
銀(Ag)めっきと本発明の逆のめっき構造にしたもの
であるが、この場合にはめっき外観とはんだ付け性が悪
くなった。比較例4は錫のめっき厚みを銀の1.5倍未
満に設定したものが、この場合にははんだ付け性が悪く
なった。比較例5は被めっき物温度が300℃をこえる
場合であり、めっき外観とはんだ付け性が悪い。比較例
6は錫めっき溶融開始から急冷までの時間が5秒をこえ
る場合であり、めっき外観とはんだ付け性が悪い。耐熱
剥離性は、実施例1、2ではめっき皮膜は剥離しなかっ
たが、比較例3〜6ではすべて剥離した。
【0017】
【発明の効果】以上記述したように、本発明のめっき方
法によれば、外観とはんだ付け性が良好な錫−銀はんだ
合金めっき層を簡易に得ることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C25D 5/10 C25D 5/10 // H05K 3/34 512 H05K 3/34 512C

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 錫−銀はんだ合金めっき層の形成方法に
    おいて、下地めっきを施したまたは下地めっきを施さな
    い被めっき物に、まず第1層の銀層をめっきし、次にこ
    の銀層の上に第2層の錫層を第1層の銀めっきの厚みの
    1.5倍以上の厚みでめっきし、続いて第1および第2
    層のめっきをリフローすることを特徴とする錫−銀はん
    だ合金めっき層の形成方法。
  2. 【請求項2】 被めっき物の温度を300℃以下として
    リフローを行い、かつ前記錫めっき層が溶融を開始して
    5秒以内に被めっき物を急冷することを特徴とする請求
    項1記載の錫−銀はんだ合金めっき層の形成方法。
JP8127498A 1998-03-27 1998-03-27 錫−銀はんだ合金めっき層の形成方法 Pending JPH11279792A (ja)

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