JPH11279515A - 反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法 - Google Patents

反応性ホットメルト接着剤組成物及び接着方法

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JPH11279515A
JPH11279515A JP8397598A JP8397598A JPH11279515A JP H11279515 A JPH11279515 A JP H11279515A JP 8397598 A JP8397598 A JP 8397598A JP 8397598 A JP8397598 A JP 8397598A JP H11279515 A JPH11279515 A JP H11279515A
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JP
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hot melt
melt adhesive
reactive hot
compound
adhesive composition
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JP8397598A
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Inventor
Motohiro Yagi
元裕 八木
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接着強度及び耐熱接着性に優れた接着硬化物
を得ることができ、塗布後貼り合わせまでの塗り置き時
間を十分な長さとすることができ、貼り合わせ後耐熱性
を発現するまでの時間が季節や天候に左右され難い反応
性ホットメルト接着剤を得る。 【解決手段】 ビニル芳香族を主体とする第1の重合体
ブロックト、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロ
ックまたはその部分水添物の重合体ブロックである第2
の重合体ブロックとを同一分子内に有するブロック共重
合体であって、共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結
合をエポキシ化してなるエポキシ変成ブロック共重合体
(A)と、ヒドロキシル化合物(B)と、活性エネルギ
ー線の照射により活性化され、エポキシ変成ブロック共
重合体を硬化させるためのカチオン重合開始剤(C)と
を含む反応性ホットメルト接着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、反応性ホットメル
ト接着剤及び接着方法に関し、より詳細には、活性エネ
ルギー線の照射により硬化され、良好な耐熱接着性及び
接着強度を発現する反応性ホットメルト接着剤組成物及
び該接着剤組成物を用いた接着方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙、繊維、木材、ガラス、プラス
チック、金属などを接着するためにホットメルト接着剤
が広く用いられている。ホットメルト接着剤の使用に際
しては、ホットメルト接着剤をアプリケーター内で通常
100〜200℃程度の温度に、加熱溶融する。しかる
後、溶融状態にあるホットメット接着剤を被着体に塗布
し、被着体同士を貼り合わせ、ホットメルト接着剤を冷
却・固化させることにより接着を完了する。
【0003】上記ホットメルト接着剤では、被着体同士
を貼り合わせてから十分な接着強度を発現するまでの時
間が通常1分以内と非常に短い。従って、接着作業を非
常に短時間で行うことができる。
【0004】しかしながら、ホットメルト接着剤では、
接着剤の冷却・固化により接着力が発現されるので、接
着後に、接合物が高温雰囲気下に放置されるとホットメ
ルト接着剤が軟化し、あるいは溶融し、接着力が著しく
低下するという問題があった。
【0005】上記のような問題を解決するために、分子
両末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマ
ーと、エチレン−酢酸ビニル共重合体と、粘着性付与樹
脂とを含む反応性ホットメルト型接着剤が提案されてい
る(特公昭51−30898号公報)。この反応性ホッ
トメルト接着剤では、分子両末端にイソシアネート基を
有するウレタンプレポリマーが、高分子量化し、接着強
度が高められると共に、硬化物の耐熱性が高められてい
る。
【0006】しかしながら、分子末端にイソシアネート
基を有するウレタンプレポリマーを用いているため、被
着体の一方もしくは双方に反応性ホットメルト接着剤を
塗布した後、被着体同士を貼り合わせるまでの塗り置き
時間、すなわち可使時間を長くすると、雰囲気中の湿気
により硬化が進行し、接着できなくなるという問題があ
った。また、接着後、硬化物が耐熱性を発現するまでの
時間が、季節や天候により大きく変化するという問題も
あった。
【0007】他方、特開平8−245939号公報に
は、初期接着力及び耐熱接着性に優れたホットメルト接
着剤として、同一分子内に、ビニル芳香族化合物を主体
とする重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロッ
クとからなるブロック共重合体の共役ジエン化合物の不
飽和炭素の二重結合をエポキシ化してなるエポキシ変成
ブロック共重合体と、エポキシ樹脂硬化剤とを含むホッ
トメルト接着剤組成物が開示されている。このホットメ
ルト接着剤組成物では、上記エポキシ硬化剤を作用させ
てエポキシ変成ブロック共重合体を硬化させることによ
り、接着強度及び硬化物の耐熱性が高められている。し
かしながら、エポキシ樹脂硬化剤を活性化させると、エ
ポキシ変成ブロック共重合体の硬化が速やかに進行する
ため、やはり、塗り置き時間をさほど長くすることがで
きず、作業性の点で難があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、接着
強度及び硬化物の耐熱性に優れているだけでなく、接着
剤を塗布した後貼り合わせるまでの塗り置き時間を十分
に長くすることができ、かつ貼り合わせ後耐熱性を発現
するまでの時間が季節や天候に左右され難い、反応性ホ
ットメルト接着剤組成物及び該反応性ホットメルト接着
剤組成物を用いた接着方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明に
係る反応性ホットメルト接着剤組成物は、(A)ビニル
芳香族化合物を主体とする第1の重合体ブロックと、共
役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックまたはその
部分水添物の重合体ブロックである第2の重合体ブロッ
クとを同一分子内に有するブロック共重合体であって、
前記共役ジエン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキ
シ化してなるエポキシ変成ブロック共重合体、(B)ヒ
ドロキシル化合物、及び(C)活性エネルギー線の照射
により前記エポキシ変成ブロック共重合体を硬化させる
ためのカチオン重合開始剤を含むことを特徴とする。
【0010】請求項2に記載の発明は、前記ヒドロキシ
ル化合物が、ポリオキシアルキレンポリオールの構造を
有する化合物、ケトン樹脂及びキシレン樹脂からなる群
から選択した少なくとも1種であることを特徴とする。
【0011】請求項3に記載の発明では、上記ヒドロキ
シル化合物として、1分子当たり1個の脂肪族ヒドロキ
シル基を有する化合物が用いられる。請求項4に記載の
発明は、前記カチオン重合開始剤が、芳香族ヨードニウ
ム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩からなる
群から選択した少なくとも1種であることを特徴とす
る。
【0012】請求項5に記載の発明は、本発明に係る反
応性ホットメルト接着剤組成物を用いた接着方法であ
り、請求項1〜4のいずれかに記載の反応性ホットメル
ト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方または双方
に溶融状態で塗布し、被着体同士を貼り合わせるにあた
り、反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー
線を照射することを特徴とする。
【0013】以下、本発明の詳細を説明する。 (エポキシ変成ブロック共重合体)本発明において用い
られるエポキシ変成ブロック共重合体(A)は、上記第
1,第2の重合体ブロックを同一分子内に有し、共役ジ
エン化合物の不飽和炭素の二重結合をエポキシ化するこ
とにより構成されている。
【0014】上記第1の重合体ブロックを構成するビニ
ル芳香族化合物としては、特に限定されるわけではない
が、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、p−第3級ブチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、p−メチルスチレン、1,2−ジフェニルスチレン
などの1種または2種以上を用いることができ、なかで
もスチレンが好ましく用いられる。
【0015】また、共役ジエン化合物としては、例え
ば、ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、
2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、
3−ブチル−1,3−オクタジエン、フェニル−1,3
−ブタジエンなどのうち、1種または2種以上を用いる
ことができる。なかでも、ブタジエン、イソプレン及び
これらの組合せが好ましい用いられる。
【0016】上記エポキシ変成ブロック共重合体におけ
る第1の重合体ブロックと第2の重合体ブロックとの割
合、すなわちビニル芳香族化合物と共役ジエン化合物と
の共重合比については、特に限定されるわけではない
が、重量比で5/95〜70/30の範囲とすることが
好ましく、より好ましくは10/90〜60/40とさ
れる。
【0017】また、上記エポキシ変成ブロック共重合体
の重量平均分子量については、好ましくは10000〜
400000、より好ましくは50000〜25000
0の範囲である。また、分散度(重量平均分子量/数平
均分子量)については、10以下であることが望まし
い。
【0018】上記エポキシ変成ブロック共重合体の分子
構造については、特に限定されず、直鎖状、分岐状、放
射状あるいはこれらの任意の組合せのいずれがあっても
よい。
【0019】また、上記第2の重合体ブロックにおける
共役ジエン化合物の不飽和結合については、部分的に水
素添加されていてもよい。上記第1,第2の重合体ブロ
ックを同一分子内に有するブロック共重合体の製造方法
については、上記構造を有する限り特に限定されない。
例えば、特公昭40−23798号公報に記載のよう
に、リチウム触媒などを用いて不活性溶媒中でビニル芳
香族化合物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を製造
することができる。
【0020】あるいは、不活性溶媒中で水素添加触媒の
存在下に水素添加し、部分的に水素添加されたブロック
共重合体を製造してもよい。本発明において、上記エポ
キシ変成ブロック共重合体(A)は、上記のようにして
得られたブロック共重合体をエポキシ化することにより
構成される。
【0021】このエポキシ化については、ブロック共重
合体を得た後、不活性溶媒中においてハイドロパーオキ
サイト類、過酸類などのエポキシ化剤と反応させること
により行い得る。
【0022】上記ハイドロパーオキサイド類としては、
過酸化水素、ターシャリーブチルハイドロパーオキサイ
ド、クメンパーオキサイドなどを例示することができ
る。過酸類としては、過ギ酸、過酢酸、過安息香酸、ト
リフルオロ過酢酸などを例示することができる。
【0023】上記エポキシ化に際しては、必要に応じて
触媒を用いてもよい。例えば、過酸の場合には、炭酸ソ
ーダなどのアルカリや硫酸などの酸を触媒として用いる
ことができる。
【0024】他方、ハイドロパーオキサイド類をエポキ
シ化剤として用いる場合には、タングステン酸と水酸化
ナトリウムとの混合物を過酸化水素と、あるいは有機酸
と過酸化水素と、あるいはモリブデンヘキサカルボニル
をターシャリーブチルハイドロパーオキサイドと併用す
ることにより触媒効果を得ることができる。
【0025】上記エポキシ化剤の量については特に限定
されず、使用する個々のエポキシ化剤、所望とされるエ
ポキシ化度、使用する個々のブロック共重合体に応じて
適宜選択すればよい。
【0026】また、上記エポキシ化についての反応条件
についても特に限定されず、使用するエポキシ化剤の反
応性によって反応温度域や反応時間を適宜選択すればよ
い。上記エポキシ変成ブロック共重合体(A)として
は、好ましくは、ビニル芳香族化合物が5〜70重量
%、より好ましくは10〜60重量%の割合で含まれて
いるものが好適に用いられる。
【0027】また、エポキシ変成ブロック共重合体
(A)の重量平均分子量については、好ましくは100
00〜500000、より好ましくは5000〜250
000の範囲である。エポキシ変成ブロック共重合体
(A)の重量平均分子量が小さすぎると、凝集力が低下
することがあり、大きすぎると、溶融粘度が高くなり、
作業性が悪くなることがある。
【0028】(ヒドロキシル化合物)本発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物では、エポキシ変成ブロッ
ク共重合体の硬化の進行を遅延させるために、ヒドロキ
シル化合物(B)が配合されている。
【0029】上記ヒドロキシル化合物(B)としては、
少なくとも1個の脂肪族ヒドロキシル基を有する有機化
合物であれば、特に限定されず、液体であっても、固体
であってもよい。また、上記ヒドロキシル化合物(B)
は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであって
もよく、その構造についても特に限定されるものではな
い。
【0030】また、脂肪族ヒドロキシル基は分子末端に
あってもよく、あるいはポリマーもしくはコポリマーの
側基として存在していてもよい。上記ヒドロキシル化合
物(B)としては、脂肪族ヒドロキシル基以外の活性水
素を持たないものが好ましく、100℃以下の温度で加
熱された際、あるいは化学線もしくは電子線が照射され
た際に、分解もしくは揮発しないものが好ましい。
【0031】本発明において用い得るヒドロキシル化合
物(B)の例としては、ポリヒドロキシアルカン、アル
キレングリコール、アルキレングリコールモノアルキル
エーテル、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリオキ
シアルキレンポリオールモノアルキルエーテル、ヒドロ
キシル基末端ポリアルカジエン、ヒドロキシル基末端ポ
リエステル、ヒドロキシル基末端ポリカプロラクトン、
ヒドロキシル基末端ポリカーボネート、ひまし油、ケト
ン樹脂、キシレン樹脂あるいはこれらのヒドロキシル化
合物の各種変性物を挙げることができる。また、これら
に特に限定されるものではない。
【0032】また、上記ヒドロキシル化合物(B)は、
少なくとも2個の脂肪族ヒドロキシル基を有するヒドロ
キシル化合物によりカルボキシル基含有化合物のカルボ
キシル基をエステル化して得られたものであってもよ
い。この際に用いられるカルボキシル基含有化合物とし
ては、分子内にカルボキシル基を2個以下有するものが
好ましく、特に限定されるわけではないが、例えば、脂
肪酸、ダイマー酸、ロジン樹脂などを例示することがで
きる。
【0033】さらに、上記ヒドロキシル化合物(B)
は、前述したヒドロキシル化合物のうち少なくとも2個
の脂肪族ヒドロキシル基を有する化合物によって、芳香
族ヒドロキシル基含有化合物の芳香族ヒドロキシル基を
エーテル化したものであってもよい。この場合用いられ
る芳香族ヒドロキシル基含有化合物としては、芳香族ヒ
ドロキシル基を分子内に2個以下有するものが好まし
く、特に限定されるわけではないが、例えば、アルキル
フェノールやテルペンフェノールなどを例示することが
できる。
【0034】上記ヒドロキシル化合物(B)は、2種以
上併用してもよい。また、ヒドロキシル化合物(B)
は、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物の他
の成分と均一に相溶するものが好ましい。
【0035】上記ヒドロキシル化合物(B)としては、
好ましくは、ポリオキシアルキレンポリオールの構造を
有する化合物、ケトン樹脂またはキレシン樹脂が用いら
れ、これらのヒドロキシル化合物を1種または2種以上
用いることにより、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物における硬化の進行をより効果的に遅延させ
ることができる。
【0036】上記ポリオキシアルキレンポリオールの構
造を有する化合物としては、特に限定されるわけではな
いが、ポリオキシアルキレンポリオール、ポリオキシア
ルキレンポリオールモノアルキルエーテル、ポリオキシ
アルキレンポリオールによりカルボキシル基含有化合物
のカルボキシル基をエステル化したもの、ポリオキシア
ルキレンポリオールにより芳香族ヒドロキシル基含有化
合物の芳香族ヒドロキシル基をエーテル化したものなど
を挙げることができる。
【0037】また、好ましくは、上記ヒドロキシル化合
物(B)としては、1分子当たり1個の脂肪族ヒドロキ
シル基を有するものが用いられる。この場合には、ヒド
ロキシル化合物によるエポキシ変成ブロック共重合体の
架橋が起こり難くなるため、硬化の進行をより効果的に
遅延させることができる。
【0038】1分子当たりの脂肪族ヒドロキシル基の数
については、ヒドロキシル化合物(B)中の脂肪族ヒド
ロキシル基の数を存在するヒドロキシル化合物分子の総
数によって除算することにより求めることができる。
【0039】(カチオン重合開始剤)本発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物では、エポキシ変成ブロッ
ク共重合体の重合による硬化を開始するために、カチオ
ン重合開始剤(C)が配合されている。
【0040】上記カチオン重合開始剤(C)としては、
活性エネルギー線の照射により、エポキシ変成ブロック
共重合体の重合を開始するためのカチオンを生成するも
のであれば、特に限定されるものではない。好ましく
は、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩及び
/またはメタロセン塩などを挙げることができ、これら
のカチオン重合開始剤を用いることにより、200〜4
00nmの波長を含む光により硬化を速やかに進行させ
ることができ、かつ反応性ホットメルト接着剤組成物の
貯蔵安定性を高めることができる。
【0041】好ましい芳香族ヨードニウム塩及び芳香族
スルホニウム塩については、特に限定されるわけではな
いが、例えば、米国特許第4,256,828号に開示
されている。
【0042】また、上記メタロセン塩としては、特に限
定されるわけではないが、例えば、米国特許第5,08
9,536号に開示されている。上記カチオン重合開始
剤(C)の配合割合については、活性エネルギー線の種
類、強度、エポキシ変成ブロック共重合体(A)の種
類、配合割合、カチオン重合開始剤(C)の種類などに
よって異なるため、一義的には定め得ないが、好ましく
は、エポキシ変成ブロック共重合体(A)+ヒドロキシ
ル化合物(B)の合計100重量部に対し0.01〜1
0重量部の割合で配合される。
【0043】カチオン重合開始剤(C)の配合割合が
0.01重量部未満の場合には、エポキシ変成ブロック
共重合体(A)の重合・硬化を十分に進行させ得ないこ
とがあり、10重量部を超えても、その効果は同じであ
り不経済である。
【0044】(他に添加し得る成分)また、本発明に係
る反応性ホットメルト接着剤組成物には、必要に応じ
て、エポキシ化合物を含有させてもよい。含有させるエ
ポキシ化合物としては、上記エポキシ変成ブロック共重
合体(A)以外のエポキシ化合物であって、カチオン重
合によって重合可能な少なくとも1個のオキシラン環を
有する有機化合物を挙げることができ、このエポキシ化
合物は、モノマー、オリゴマー、ポリマーのいずれであ
ってもよく、脂肪族系、脂環式系、芳香族系などのいず
れの化合物であってもよい。
【0045】また、含有させ得るエポキシ化合物の構造
についても特に限定されるわけではないが、好ましく
は、1分子当たり、1個よりも多いエポキシ基を有し、
より好ましくは1分子当たり2個より多いエポキシ基を
有するものが用いられる。
【0046】1分子当たりのエポキシ基の数は、エポキ
シ化合物中のエポキシ基の数を存在するエポキシ分子の
総数によって除算することにより求めることができる。
上記エポキシ化合物として、ポリマーのエポキシ化合物
を用いる場合、末端エポキシ基を有する直鎖状ポリマー
(例えば、ポリオキシアルキレングリコールのジグリシ
ジルエーテル)、骨格中にオキシラン単位を有するポリ
マー(例えば、ポリブタジエンポリエポキシド)、及び
側鎖にエポキシ基を有するポリマー(例えば、グリシジ
ル(メタ)アクリレートポリマーまたは同コポリマー)
を挙げることができる。この種のエポキシ化合物の分子
量については、重量平均分子量で58〜100000の
範囲のものを用いることができる。
【0047】より具体的には、上記エポキシ化合物とし
ては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂などの
芳香族エポキシ樹脂;3,4−エポキシシクロヘキシル
メチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレ
ートなどの脂環式エポキシ樹脂;トリメチロールプロパ
ントリグリシジルエーテルや2,2−ビス〔4−(2,
3−エポキシプロポキシ)シクロヘキシル〕プロパンな
どの脂肪族エポキシ樹脂;グリシジル(メタ)アクリレ
ートのように分子中にオキシラン環を有する(メタ)ア
クリレートの重合体あるいは共重合体;エポキシ化ポリ
ブタジエンもしくはブタジエンと他のモノマーとの共重
合体のエポキシ化物;これらのエポキシ樹脂の各種変性
物などを例示することができる。
【0048】上記エポキシ化合物は2種以上併用しても
よい。また、上記エポキシ化合物は、上述したエポキシ
変成ブロック共重合体(A)と均一に相溶するものであ
ることが好ましい。
【0049】また、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物においては、必要に応じて、ホットメルト型
樹脂が添加され得る。上記ホットメルト型樹脂として
は、低分子量のものから高分子量のものまで適宜の分子
量のものを用いることができ、例えば、スチレン系樹脂
や石油性樹脂、天然系樹脂などの粘着付与樹脂として慣
用されている樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
などのポリオレフィン系樹脂、ブタジエン−スチレンブ
ロック共重合体などのゴム系樹脂、アクリル系共重合体
樹脂、ポリエステル系樹脂またはこれらのホットメルト
型樹脂の各種変成物を例示することができるが、これら
に限定されるものではなく、またこれらのホットメルト
型樹脂については2種以上併用してもよい。
【0050】さらに、本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物には、必要に応じて、(シランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤などの)密着性向上剤、増
感剤、脱水剤、老化防止剤、安定剤、可塑剤、ワック
ス、充填剤、難燃剤、発泡剤、帯電防止剤、防カビ剤、
粘度調整剤などの成分を添加することができるが、添加
し得る他の成分については上記各成分に限定されるわけ
ではない。また、上記添加し得る成分は2種以上添加さ
れていてもよい。また、これらの成分は先に述べたホッ
トメルト型樹脂製造時に予め添加されている場合もあ
り、その場合も許容される。
【0051】(反応性ホットメルト接着剤組成物の製造
方法)本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物の
製造方法についても、配合する各成分を混合し、均一に
分散し得る限り、如何なる方法を採用してもよいが、使
用材料が溶融し得る適度な加熱条件下で製造する必要が
ある。また、製造に際しての各成分の混合分散は無溶媒
で行ってもよく、不活性溶媒中で行ってもよい。具体的
には、ダブルヘリカルリボン浴もしくはゲート浴、バタ
フライミキサー、プラネタリミキサー、三本ロール、ニ
ーダールーダー型混練機またはエクストルーダー型混練
押出機などの1種または2種以上を用いて行い得る。も
っとも、各成分を混練する装置については、これらに限
定されるわけではない。
【0052】いずれの設備を用いて各成分を混合分散す
る場合においても、カチオン重合を阻害する成分である
水分の混入が少なくなるので無水条件下で混合分散する
ことが好ましい。
【0053】また、各成分の混合分散に際しては、大気
圧下、あるいは必要ならば大気圧以上もしくは大気圧以
下で混合分散を行う。また、製造時の各成分の投入順序
については特に限定されるわけではないが、溶融時間の
短縮あるいは得られた組成物の劣化を低減するには、一
般に、溶融し難いもの、あるいは溶融時の熱や機械的剪
断力により劣化を受け難いものから順に仕込むことが望
ましい。
【0054】上記エポキシ化SBSは、溶融し難いた
め、最初に仕込むことが望ましいが、溶融し始めると急
激に溶融物の粘度が上昇し、攪拌機に加わる負荷が増大
するため、他の低分子量物と共に徐々に仕込むことが望
ましい。上記カチオン重合開始剤は、熱や機械的剪断力
により分解もしくは劣化し易いため、最後に仕込むこと
が望ましい。
【0055】なお、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物を製造するに際しては、硬化開始に有効な活
性エネルギー線を遮断した状態で行うことが必要であ
る。上記のようにして得られたホットメルト接着剤組成
物は、粘着性を有するものであってもよく、非粘着性で
あってもよい。
【0056】反応性ホットメルト接着剤組成物の貯蔵方
法については、硬化開始に有効な活性エネルギー線を遮
断し得る限り、特に限定されるわけではないが、好まし
い貯蔵容器としては、ペール缶、ブリキ缶、ドラム缶、
カートリッジ、離型箱、離型トレー、段ボール容器、紙
袋、プラスチック製の袋(例えばアルミ箔をサンドイッ
チした複合フィルム)などの硬化開始に有効な活性エネ
ルギー線に対して不透明な容器などを挙げることができ
る。もっとも、これらの容器に限定されるわけではな
く、またこれらの容器の材質についても、活性エネルギ
ー線を遮断し得る限り、特に限定されるものではない。
また、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物
は、貯蔵されることなく、製造直後に直ちに使用されて
もよい。
【0057】(接着方法)本発明に係る接着方法では、
本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物を加熱溶
融し、被着体の一方または双方に溶融状態で塗布し、被
着体同士を貼り合わせるにあたり、反応性ホットメルト
接着剤組成物に活性エネルギー線を照射することを特徴
とする。
【0058】この場合、活性エネルギー線の照射は、被
着体同士を貼り合わせる前に行ってもよく、貼り合わせ
後に行ってもよい。好ましくは、上記反応性ホットメル
ト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方または双方
に溶融状態で塗布し、塗布された反応性ホットメルト接
着剤組成物に活性エネルギー線を照射してから被着体を
貼り合わせ、圧着することにより接着を行う。
【0059】上記反応性ホットメルト接着剤組成物を加
熱溶融して塗布する方法については、特に限定されるわ
けではないが、例えば、通常のホットメルトアプリケ
ーターやホットメルトコーターなどにより加熱溶融した
ホットメルト接着剤組成物を被着体に塗布する方法、
加熱溶融した反応性ホットメルト接着剤組成物中に被着
体を浸漬する方法、ホットメルトエアーガンなどによ
り、加熱溶融しているホットメルト接着剤組成物を被着
体に噴霧する方法、押出機などにより加熱溶融したホ
ットメルト接着剤組成物を被着体表面に押出する方法な
どが挙げられる。
【0060】また、ペールアンローダー、カートリッジ
ディスペンサーなどを用いて、ホットメルトアプリケー
ターにホットメルト接着剤組成物を供給してもよく、ス
ティック、ペレット、スラッグ、ブロック、ピロー、ビ
レットなどの形態で、塗布装置にホットメルト接着剤組
成物を供給してもよい。
【0061】加熱については、反応性ホットメルト接着
剤組成物全体を加熱溶融してもよく、あるいは加熱体の
近傍のみで加熱溶融してもよい。いずれの溶融塗工方法
を用いる場合においても、溶融塗工に際しては、硬化開
始に有効な活性エネルギー線を遮断した状態で行うこと
が望ましい。
【0062】活性エネルギー線としては、上記カチオン
重合開始剤(C)からカチオンを生成し得る限り、適宜
の活性エネルギー線を用いることができ、活性エネルギ
ー線の種類については、カチオン重合開始剤の種類に応
じて適宜選択され、好ましくは、光、特に、紫外線が用
いられる。好ましくは、200〜600nmの波長を含
む活性エネルギー線が用いられ、特に、カチオン重合開
始剤(C)として芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホ
ニウム塩、メタロセン塩などを用いる場合には、200
〜400nmの波長を含む活性エネルギー線を用いるこ
とが望ましい。
【0063】活性エネルギー線の照射量についても、カ
チオン重合開始剤(C)の種類や反応性ホットメルト接
着剤組成物の塗布されている部分の厚みや量によっても
異なるため、一義的には定め得ないが、0.001〜1
0Jの範囲とすることが望ましい。
【0064】活性エネルギー線として、紫外線を用いる
場合には、線源としては、蛍光ランプ、高圧水銀灯など
の紫外線の照射源として一般的に用いられているものを
使用することができる。
【0065】また、上記活性エネルギー線の照射方法に
ついては、ホットメルト接着剤に直接照射してもよく、
あるいは透明もしくは半透明の被着体を通して活性エネ
ルギー線をホットメルト接着剤に有効量照射する方法を
採用してもよく、特に限定されるものではない。
【0066】被着体の貼り合わせ及び圧着方法について
は、一方の被着体に反応性ホットメルト接着剤組成物
を塗布した後、他方の被着体を貼り合わせ、適宜の圧力
及び温度で必要な時間加圧する方法、両方の被着体に
反応性ホットメルト接着剤組成物を塗布した後、適宜の
圧力及び温度で必要な時間加圧する方法などを例示する
ことができる。
【0067】本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物は、常態条件下において上記活性エネルギー線の照
射により十分硬化し得るが、さらに硬化時間を短縮した
い場合には、適当な温度に加熱してもよい。この場合、
加熱方法は、反応性ホットメルト接着剤組成物の種類、
被着体の形状や性質、加熱条件などに応じて異なるため
一義的には定め得ないが、例えば、温風を吹き付ける
方法、加熱したオーブン中に置く方法、ヒーターに
て加熱する方法などを用いることができ、これらを2種
以上併用してもよい。もっとも、上記加熱方法について
は、上記方法に限定されるものではない。なお、硬化時
間を短縮する場合の加熱温度については、反応性ホット
メルト接着剤組成物自体が軟化する温度よりも低い温度
とすることが望ましい。さもないと、組成物の軟化によ
り接着部分のズレ等が生じるおそれがある。
【0068】(適用される被着体)本発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物が適用される被着体、並びに
本発明に係る接着方法で用いる被着体としては、特に限
定されるものではないが、例えば、鉄、アルミニウムな
どの金属もしくは合金、プラスチックまたはプラスチッ
ク混合物、ガラス、コンクリート、石、モルタル、セラ
ミックなどの無機材、木材や紙などのセルロース系材
料、皮革など広範な材質からなる被着体に適用すること
ができる。また、被着体の形状についても、板、塊、
棒、シート、紐、繊維、ハニカム、管、粒子など適宜の
形態であってよく、また、異なる形態の被着体の貼り合
わせに用いることも可能である。
【0069】(用途)本発明に係る反応性ホットメルト
接着剤組成物は、反応性ホットメルト接着剤として、特
に、弾性接着剤、構造用接着剤、感圧接着剤、シーリン
グ材などとして使用することができる。このような反応
性ホットメルト接着剤組成物は、例えば、ドアパネル、
間仕切り、雨戸、家具、黒板、白板、事務機器のハウジ
ング用パネルなどのサンドイッチパネルの芯材と表面材
との接着、家具、パーティション、自動車内装材のドア
パネルや天井材などにおける芯材と表面材との接着など
の用途に好ましく用いられる。もっとも、反応性ホット
メルト接着剤の用途については、上記用途に限定される
わけではない。
【0070】(作用)請求項1に記載の発明に係る反応
性ホットメルト接着剤組成物では、上記エポキシ変成ブ
ロック共重合体(A)、ヒドロキシル化合物(B)及び
カチオン重合開始剤(C)とを含み、加熱により溶融す
るため、通常のホットメルト接着剤と同様にして被着体
に溶融状態において容易に塗布することができる。
【0071】また、被着体同士を貼り合わせるに際し、
反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー線を
照射することにより、カチオン重合開始剤(C)がカチ
オンを生成し、エポキシ変成ブロック共重合体(A)が
重合し、硬化が進行する。従って、硬化の進行と共に接
着強度が高められると共に、硬化後には、耐熱性及び接
着強度に優れた接着硬化物を与える。
【0072】上記活性エネルギー線の照射によってのみ
硬化が進行するので、被着体に反応性ホットメルト接着
剤を塗布した後に、活性エネルギー線を照射する場合に
は、貼り合わせのタイミングに応じて活性エネルギー線
を照射することにより、貼り合わせ前に硬化が進行しす
ぎることを防止することができる。従って、塗り置き時
間を十分な長さとすることができる。
【0073】さらに、上記活性エネルギー線の照射によ
り硬化が開始され、進行するため、接着後耐熱性を発現
するまでの時間が、周囲の雰囲気の湿度などに影響され
ることもない。
【0074】さらに、上記ヒドロキシル化合物(B)が
含有されているので、エポキシ変成ブロック共重合体
(A)のカチオン重合による硬化の進行が適度に遅延さ
れる。従って、塗り置き時間を十分な長さとすることが
でき、活性エネルギー線の照射後すぐに貼り合わせを行
うことが困難な場合であっても、貼り合わせ前に硬化が
過度に進行することを確実に防止することができる。
【0075】請求項2に記載の発明では、上記ヒドロキ
シル化合物(B)が、ポリオキシアルキレンポリオール
の構造を有する化合物、ケトン樹脂及び/またはキシレ
ン樹脂からなるため、並びに請求項3に記載の発明で
は、ヒドロキシル化合物(B)が、1分子当たり1個の
脂肪族ヒドロキシル基を有する化合物であるため、いず
れの場合においても、カチオン重合による硬化の進行を
より効果的に遅延させることができ、塗り置き時間を十
分な長さとすることができる。
【0076】請求項4に記載の発明では、上記カチオン
重合開始剤(C)が、芳香族ヨードニウム塩、芳香族ス
ルホニウム塩、及び/またはメタロセン塩からなるた
め、200〜400nmの取扱いが容易な波長の光を照
射するだけで、反応性ホットメルト接着剤組成物を確実
にかつ容易に硬化させることができる。
【0077】請求項5に記載の発明に係る接着方法で
は、請求項1〜4のいずれかに記載の反応性ホットメル
ト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方または双方
に溶融状態で塗布するが、反応性ホットメルト接着剤組
成物が、加熱により通常のホットメルト接着剤と同様に
溶融するので、被着体の一方または双方に容易に塗布す
ることができる。
【0078】また、被着体同士を貼り合わせるにあた
り、反応性ホットメルト接着剤組成物に活性エネルギー
線を照射するため、該活性エネルギー線によりカチオン
重合開始剤(C)が活性化されてカチオンを発生し、該
カチオンによりエポキシ変成ブロック共重合体(A)の
カチオン重合が開始され、硬化が進行する。従って、硬
化が完了すると、被着体同士が強固にかつ十分な耐熱性
を持って接合される。
【0079】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を挙げるこ
とにより、本発明を明らかにする。
【0080】以下の実施例1〜3及び比較例1,2で使
用した材料の詳細は以下の通りである。 エポキシ変成ブロック共重合体…ダイセル化学工業社
製、エポキシ化SBS、商品名:エポフレンドA102
0、180℃溶融粘度=4170ポイズ、ブタジエン/
スチレンの重量比60/40。
【0081】ヒドロキシル化合物1…三洋化成社製、ポ
リエーテルモノオール、商品名:ニューポールLB−6
5、常温液状、数平均分子量340。 ヒドロキシル化合物2…荒川化学工業社製、ジエチレン
グリコール変性ロジン樹脂、品番:KE−3640、常
温液状。
【0082】ヒドロキシル化合物3…日立化成工業社
製、ケトン樹脂、商品名:ハイラック111、軟化点1
00〜120℃。 ホットメルト型樹脂…荒川化学工業社製、脂肪族飽和炭
化水素樹脂、商品名:アルコンP115、軟化点115
℃。 カチオン重合開始剤…旭電化工業社製、カチオン重合触
媒、アデカオプトマー:SP−170、常温液状。
【0083】(実施例1)下記の表1に示すように、エ
ポキシ変成ブロック共重合体70重量部と、ヒドロキシ
ル化合物1を30重量部とを、加熱オイルを循環させ得
るジャケット付きプラネタリーミキサーに投入し、15
0℃で30rpmにて30分間混合した後、アルミ箔で
ミキサーを覆い、カチオン重合開始剤1重量部を投入
し、150℃で30rpmにて10分間混合し、反応性
ホットメルト接着剤組成物を得た。
【0084】(実施例2)ヒドロキシル化合物1に代え
て、ヒドロキシル化合物2を用いたことを除いては、実
施例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を
得た。
【0085】(実施例3)ヒドロキシル化合物1に代え
て、ヒドロキシル化合物3を用いたことを除いては、実
施例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤組成物を
得た。
【0086】(比較例1)ヒドロキシル化合物1の代わ
りに、上記ホットメルト型樹脂を用いたことを除いて
は、実施例1と同様にして反応性ホットメルト接着剤組
成物を得た。
【0087】(比較例2)比較例2として、市販の反応
性ホットメルト接着剤(積水化学工業社製、商品名:エ
スダイン9613、湿気反応硬化型、軟化点68℃)を
用意した。
【0088】(実施例及び比較例の評価)実施例及び比
較例で得た各反応性ホットメルト接着剤について、初
期接着強度、耐熱接着強度を、以下の要領で評価し
た。結果を、下記の表1に示す。
【0089】初期接着強度…150℃(比較例2につ
いては120℃)に設定されたロールコーターを用いて
反応性ホットメルト接着剤を、25mm×125mm×
1.6mmのSPCCダル鋼板に50〜150μmの厚
さで塗布した。しかる後、下記の表1に示す条件(すな
わち、養生なしあるいは23℃、相対湿度60%、7日
間の養生)で養生した。次いで、塗布した反応性ホット
メルト接着剤に、ORK製作所製、高圧水銀灯(商品
名:ジェットライトJL2300)を用いて照度25m
W/cm2 となるようにして波長365nmの光を30
秒間照射した後、23℃、相対湿度60%の条件で10
分間放置した。しかる後、25mm×125mmの大き
さの9号綿帆布を反応性ホットメルト接着剤に重ね合わ
せ、120℃の温度で0.5kg/cm2 の圧力で2分
間加熱プレスした後、23℃の温度で、0.5kg/c
2 の圧力で2分間冷却プレスし、剥離試験片を作製し
た。
【0090】この剥離試験片について、作製直後に、J
IS K6854に準じて23℃における浮動ローラー
法剥離試験を行ったときの強度を測定し、初期接着強度
とした。
【0091】耐熱接着強度…150℃(比較例2につ
いては120℃)に設定されたロールコーターを用いて
反応性ホットメルト接着剤を、25mm×125mm×
1.6mmのSPCCダル鋼板に50〜150μmの厚
さで塗布した。次いで、塗布した反応性ホットメルト接
着剤に、ORK製作所製、高圧水銀灯(商品名:ジェッ
トライトJL2300)を用いて照度25mW/cm2
となるようにして波長365nmの光を30秒間照射し
た直後に、25mm×125mmの大きさの9号綿帆布
を反応性ホットメルト接着剤に重ね合わせ、120℃の
温度で0.5kg/cm2 の圧力で2分間加熱プレスし
た後、23℃の温度で、0.5kg/cm2 の圧力で2
分間冷却プレスし、剥離試験片を作製した。
【0092】この剥離試験片を23℃、相対湿度30%
の雰囲気において3日間養生した後、JIS K685
4に準じて100℃に浮動ローラー法剥離試験を行い、
測定された剥離強度を耐熱接着強度(23℃、30%3
日養生)とした。また、剥離試験片の養生条件を23
℃、相対湿度95%の雰囲気で3日間養生した場合に変
更し、同様に100℃において浮動ローラー法剥離試験
を行ったときの強度を測定し、耐熱接着強度(23℃、
95%3日養生)とした。
【0093】
【表1】
【0094】表1から明らかなように、比較例1の反応
性ホットメルト接着剤では、エポキシ変成ブロック共重
合体とホットメルト樹脂とカチオン重合開始剤とを含む
が、ヒドロキシル化合物を含有していないため、反応性
ホットメルト接着剤を塗布した後養生せずに光を照射し
た場合でも、照射後23℃、相対湿度60%で10分間
放置している間に硬化が進行し、初期接着強度(養生な
し)が0.3kg/25.4mmと非常に低かった。同
様に、塗布後、23℃、相対湿度60%にて7日間養生
した後に光を照射した場合においても、硬化が進行して
しまったためか、初期接着強度は0.4kg/25.4
mmと低かった。
【0095】また、比較例2の反応性ホットメルト接着
剤は、湿気硬化型であるため、塗布後直ちに貼り合わせ
た場合、硬化が速やかに進行し、初期接着強度は2.1
kg/25.4mmであったが、塗布後23℃で相対湿
度60%にて7日間養生した後貼り合わせた場合には、
初期接着強度は0kg/25.4mmとなり、接着に供
することができなかった。
【0096】加えて、耐熱接着強度評価において、剥離
試験片を23℃、相対湿度30%にて3日間養生した場
合には、耐熱接着強度(23℃30%3日養生)が0.
2kg/25.4mmと低かった。すなわち、雰囲気の
湿度が低い場合には、十分な耐熱接着強度を示さなかっ
た。
【0097】これに対して、実施例1〜3の反応性ホッ
トメルト接着剤では、上記ヒドロキシル化合物1,2ま
たは3を含有しているため、初期接着強度評価において
塗布後養生せずに光を照射し、剥離試験片を作製した場
合には、初期接着強度(養生なし)は4.2kg/2
5.4mm以上と高く、かつ塗布後23℃で相対湿度6
0%にて7日間養生した後に光を照射して貼り合わせた
場合においても、初期強度(23℃60%7日養生)は
4.3kg/25.4mm以上と高かった。
【0098】さらに、耐熱接着強度評価においても、剥
離試験片を23℃、相対湿度30%及び相対湿度95%
のいずれの雰囲気において3日養生した場合でも、十分
な耐熱接着強度を示した。
【0099】
【発明の効果】請求項1〜4に記載の発明に係る反応性
ホットメルト接着剤組成物は、従来のホットメルト接着
剤と同様に加熱溶融により被着体に容易に塗布すること
ができる。また、光の照射によりカチオン重合開始剤
(C)が活性化され、エポキシ変成ブロック共重合体
(A)の重合による硬化が進行するため、接着強度及び
接着硬化物の耐熱性が高められる。また、貼り合わせ後
耐熱性を発現するまでの時間が、季節や天候に左右され
ることがない。
【0100】加えて、上記ヒドロキシル化合物(B)に
より、エポキシ変成ブロック共重合体の硬化の進行が適
度に遅延され、従って、塗り置き時間を十分な長さとす
ることができると共に、塗り置き時間の調整に容易に行
い得る。
【0101】従って、塗り置き時間の調整が容易であ
り、作業性に優れ、かつ接着強度及び耐熱接着性に優れ
た反応性ホットメルト接着剤を提供することが可能とな
る。さらに、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組
成物は、硬化に湿気を必要としないので、金属やプラス
チックなどの非透湿材料を被着体とする接合用途に好適
に用いることができる。
【0102】また、本発明に係る反応性ホットメルト接
着剤組成物は、雰囲気中の湿気で硬化しないので、保存
に際し非透湿性容器、例えば缶などを必要としない。従
って、貯蔵に際しての取扱い性も高め得る。また、従来
から使用されている汎用のホットメルトアプリケーター
やホットメルトコーターによって容易に溶融・塗布を行
い得る。
【0103】請求項5に記載の発明に係る接着方法で
は、本発明に係る反応性ホットメルト接着剤組成物を用
いるため、被着体に対して容易に塗布することができる
と共に、硬化完了後には被着体同士を十分な強度で接着
することができると共に、接着部分の耐熱性も高め得
る。加えて、塗り置き時間の調整が容易であるため、ホ
ットメルト接着剤を溶融塗布した後に、直ちに貼り合わ
せることが困難な用途にも好適に用いることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)ビニル芳香族化合物を主体とする
    第1の重合体ブロックと、共役ジエン化合物を主体とす
    る重合体ブロックまたはその部分水添物の重合体ブロッ
    クである第2の重合体ブロックとを同一分子内に有する
    ブロック共重合体であって、前記共役ジエン化合物の不
    飽和炭素の二重結合をエポキシ化してなるエポキシ変成
    ブロック共重合体、 (B)ヒドロキシル化合物、及び (C)活性エネルギー線の照射により前記エポキシ変成
    ブロック共重合体を硬化させるためのカチオン重合開始
    剤を含むことを特徴とする反応性ホットメルト接着剤組
    成物。
  2. 【請求項2】 前記ヒドロキシル化合物が、ポリオキシ
    アルキレンポリオールの構造を有する化合物、ケトン樹
    脂及びキシレン樹脂からなる群から選択した少なくとも
    1種である請求項1に記載の反応性ホットメルト接着剤
    組成物。
  3. 【請求項3】 前記ヒドロキシル化合物が、1分子当た
    り1個の脂肪族ヒドロキシル基を有する化合物である請
    求項1または2に記載の反応性ホットメルト接着剤組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記カチオン重合開始剤が、芳香族ヨー
    ドニウム塩、芳香族スルホニウム塩及びメタロセン塩か
    らなる群から選択した少なくとも1種である請求項1〜
    3のいずれかに記載の反応性ホットメルト接着剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の反応性
    ホットメルト接着剤組成物を加熱溶融し、被着体の一方
    または双方に溶融状態で塗布し、被着体同士を貼り合わ
    せるにあたり、反応性ホットメルト接着剤組成物に活性
    エネルギー線を照射することを特徴とする接着方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001030934A1 (fr) * 1999-10-27 2001-05-03 Sekisui Chemical Co., Ltd. Composition reactive d'adhesif thermofusible
JP2004531610A (ja) * 2001-05-09 2004-10-14 ヘンケル・コマンディットゲゼルシャフト・アウフ・アクチエン 顆粒形態のホットメルト接着剤

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