JP3346906B2 - 粘接着剤用ブロック共重合体組成物 - Google Patents

粘接着剤用ブロック共重合体組成物

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JP3346906B2
JP3346906B2 JP21127894A JP21127894A JP3346906B2 JP 3346906 B2 JP3346906 B2 JP 3346906B2 JP 21127894 A JP21127894 A JP 21127894A JP 21127894 A JP21127894 A JP 21127894A JP 3346906 B2 JP3346906 B2 JP 3346906B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、初期粘着力(タッ
ク)、接着力(剥離強度・剪断強度)、クリープ特性
(保持力)に優れ、溶融粘度が低く、しかも溶融安定性
に優れたホットメルト形粘接着剤用ブロック共重合体に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ラミネートフィルム、コンポジッ
ト材料などを中心として、各種工業材料の複合化が盛ん
になってきており、複合素材の高機能化に伴い、被着材
である極性を有する合成樹脂、極性を持たない合成樹
脂、または、鉄、アルミニウム、銅などの金属、あるい
は、木材、紙などのセルロース系材料、さらにはガラス
などの無機材料といった、異種素材の複合化に必須の成
分として、接着性ポリマーが接着剤として多用されてい
る。そして、これら複合素材の高機能化は、該被着材料
に用いる接着性ポリマーの高機能化によって達成されて
いる。
【0003】一方、従来から、粘着剤は粘着テープ、ラ
ベルなど、種々の用途に使用されている。これらのテー
プ類への粘着剤の塗布は、これまでは粘着剤を溶剤に溶
かした粘着剤溶液を、ロール、スプレーなどの手段を用
いて基材に塗布する方法がとられてきた。しかし、この
様な溶剤の使用は、大気汚染、火災、労働環境、衛生な
ど、多くの面から問題を含んでいることが認知されてき
ており、溶剤を使用しないホットメルトタイプが一般的
になりつつある。
【0004】このような事情は接着剤に関しても同様で
あり、ホットメルト形粘接着剤が好まれる傾向にある。
【0005】このようなホットメルト形粘接着剤に要求
される特性としては、(a)粘着性に関しては 粘着特性(タック、剥離強度、保持力)がよいこと。
【0006】(b)接着性に関しては 接着特性(剥離強度、剪断強度)がよいこと。
【0007】が当然のことながら求められ、さらにホッ
トメルトとして使用する観点からは 加熱溶融による粘度変化や着色、粘接着特性の低下が
ないこと。
【0008】溶融時の流動性が良く、塗布安定性に優
れていること。
【0009】などが必要である。
【0010】特に最近は、塗布装置の改良が進み、細い
ノズルから糸状に粘接着剤を塗布するタイプに替りつつ
あるため、より低い溶融粘度で、しかも長期間の溶融滞
留に対しても品質の変化の少ない、粘接着特性に優れた
ホットメルト形粘接着剤が要求されている。しかしなが
ら、従来のホットメルト型粘接着剤では、上記の要求を
全て満足するような優れたものがないのが実情である。
【0011】たとえば、特公昭44−17037号公報
及び特公報47−21720号公報には、スチレン−ブ
タジエン−スチレンあるいはスチレン−イソプレン−ブ
タジエン−スチレンからなるブロック共重合体を用いた
ホットメルト形粘接着剤が開示されている。しかしなが
ら、これらは優れた粘接着力を有するものの、加熱によ
る劣化が激しく、安定には使用できない。
【0012】この熱安定性を改良すべく、共役ジエン部
分を水素添加した、スチレン−エチレン/ブチレン−ス
チレンブロック共重合体を用いた粘接着剤が、米国特許
第3427269号及び特公昭55−7875号公報に
開示されている。しかしながら、これらは水素添加によ
って熱安定性は改善されるものの、粘接着力が著しく低
下する。また、溶融粘度が高いために、使用条件が制限
される上に、使用する粘着付与剤の種類も制限される。
【0013】特開平2−1788号公報には、トリブロ
ック構造と特定のブロック構造を組合わせた水素添加ブ
ロック共重合体を用いる開示がある。しかしながら、こ
の組合わせでは、溶融粘度、タック、保持力のバランス
が悪く、特にタックが不足する。また、特開平1−20
284号公報には、特定の水素添加率のブロック共重合
体を用いた接着剤が開示されているが、この粘接着剤組
成物は、タックと溶融粘度が十分でない。
【0014】また、接着後に架橋によって硬化させさら
に接着強度を高めるような用途に対しては、熱安定性に
満足できる程度まで水素添加したブロック共重合体は反
応点がないために利用できず、熱安定性を落して一定量
の二重結合を残すか、グラフト変性によってグリシジル
基などを導入しているのが現状であるが、グラフト変性
では導入できる官能基の量があまり多くないので、満足
な架橋密度が得られない。
【0015】本発明者等は、特願平6-208797[1994-9月1
日出願]においてエポキシ変性ブロック共重合体が接着
性ポリマーとして有用であることを提案したが、溶融滞
留した場合の熱安定性に問題があり、加工性にもやや不
満が残されている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低い
溶融粘度でありながら、保持力をはじめとする粘接着特
性に優れ、かつ、溶融滞留に対し、溶融粘度、粘接着特
性の変化が少ない、優れたホットメルト型粘接着剤用ポ
リマーを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を改善すべく鋭意検討の結果、熱劣化の原因となる共役
ジエン部分の二重結合を減らす方策として、水素添加の
他にエポキシ化を併用することにより、粘接着力を維持
しながら熱安定性を改善し、さらに、特定のブロック構
造のブロック共重合体を混合して用いることにより溶融
粘度も低下させることができることを見いだし、本発明
を完成するに至った。
【0018】即ち本発明は「下記(a)および(b) (a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
Aと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
とからなり、下記の一般式で表されるブロック共重合体
の共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合の一部を水素
添加し、残りの共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合
の一部をエポキシ化したエポキシ変性水添ブロック共重
合体; A−(B−A)、[(A−B)m+1−X 《ただし、nおよびmは1以上の整数であり、Xは多官
能のカップリング剤残基である》 (b)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
Cと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックD
とからなり、下記の一般式で表されるブロック共重合体
の共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合の一部を水素
添加し、残りの共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合
の一部をエポキシ化したエポキシ変性水添ブロック共重
合体C−DまたはD−C−Dからなり、上記(a)と
(b)の配合比が80/20〜20/80(重量%)であ
る粘接着剤用ブロック共重合体組成物」である。
【0019】本発明における第1の特徴は、共役ジエン
部分の二重結合を飽和させて熱安定性を向上させる方策
として、従来行われていた水素添加の他にエポキシ化を
併用して行なったことにある。
【0020】これによって、従来水素添加によって犠牲
になっていた粘接着力を維持しながら熱安定性を改善で
きるとともに、エポキシ化の特徴としての溶融粘度の低
下がもたらされるのである。さらに、導入されるエポキ
シ基の量が比較的に多量であるため、接着後に架橋によ
って硬化させるような用途に対しても十分な架橋密度が
得られる。
【0021】また、本発明の第2の特徴は、特定のブロ
ック構造を有するブロック共重合体を混合して用いるこ
とにより、より一層の溶融粘度の低下が実現し、加工性
の大幅な改善が達成できる。
【0022】以下、本発明に関して詳しく述べる。
【0023】本発明で使用するブロック重合体を構成す
るビニル芳香族化合物としては、例えばスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエン、p−第3級ブチルス
チレン、ジビニルベンゼン、p−メチルスチレン、1,
1−ジフェニルスチレン、ビニルナフタレン、ビニルア
ントラセン等のうちから1種または2種以上が選択で
き、中でもスチレンが価格の面から好ましく用いられ
る。また共役ジエン化合物としては、例えば、ブタジエ
ン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメ
チル−1,3−ブタジエン、ピペリレン、3−ブチル−
1,3−オクタジエン、フェニル−1,3−ブタジエン
等のうちから1種、または2種以上が選ばれ、中でもブ
タジエン、イソプレン及びこれらの組み合わせが価格の
面から好ましく用いられる。
【0024】ここでいうブロック共重合体とは、ビニル
芳香族化合物を主体とする重合体ブロックと、共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックとからなるブロッ
ク共重合体をいい、ビニル芳香族化合物と共役ジエン化
合物の共重合比は5/95〜70/30であり、特に10/90〜60/
40の重合比が好ましい。また、本発明に供するブロック
共重合体の数平均分子量は5000〜600000、好ましくは10
000 〜500000の範囲であり、分子量分布[重量平均分子
量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/M
n)])は10以下である。
【0025】ここで制限した共重合比、分子量および分
子量分布は、一般にスチレン系熱可塑性エラストマーと
して広く利用されてる範囲のものであり、わざわざこの
範囲から外れた特殊なものを利用することは、本発明に
おいては単に入手の困難さとコストアップを招くにすぎ
ない。
【0026】本発明のブロック重合体(a)の分子構造
は、下記の一般式で表される。
【0027】 A−(B−A)、[(A−B)m+1−X ただし、n及びmは1以上の整数であり、Aはビニル芳
香族化合物を主体とする重合体ブロック、Bは共役ジエ
ン化合物を主体とする重合体ブロックXは多官能のカッ
プリング剤残基である。
【0028】本発明のブロック重合体(b)の分子構造
は、下記C−D、またはD−C−Dの一般式で表され
る。
【0029】ただし、Cはビニル芳香族化合物を主体と
する重合体ブロック、Dは共役ジエン化合物を主体とす
る重合体ブロックである。)本発明に供するブロック重
合体の製造方法としては上記した構造を有するものであ
ればどのような製造方法もとることもできる。例えば、
特公昭40-23798号、特公昭43-17979号、特公昭46-32415
号、特公昭56-28925号公報に記載された方法により、リ
チウム触媒等を用いて不活性溶媒中でビニル芳香族化合
物−共役ジエン化合物ブロック共重合体を合成すること
ができる。さらに特公昭42-8704 号公報、特公昭43-663
6 号公報、あるいは特開昭59-133203 号公報に記載され
た方法により、不活性溶媒中で水素添加触媒の存在下に
水素添加して、本発明に供する部分的に水添したブロッ
ク共重合体を合成することができる。
【0030】水素添加の程度は、水素添加前及び水素添
加後のブロック共重合体のNMRを測定することによっ
て知ることができ、水素添加率あるいは略して水添率で
表され、未水素添加・未エポキシ化の原料ブロック共重
合体の共役ジエン化合物に由来する二重結合のうち、水
素添加されたものの百分率として定義される。
【0031】本発明における水添率は、完全に水素添加
してしまうとエポキシ化され得る二重結合が存在しなく
なってしまうので、80%以下にとどめるのが好まし
い。
【0032】これらブロック共重合体をエポキシ変性す
る方法については、本発明において特に制限はなく、例
えば、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体を不活性溶媒中でハイドロパーオキサイド類、
過酸類などのエポキシ化剤と反応させることにより得る
ことができる。
【0033】不活性溶媒としては、例えばヘキサン、シ
クロヘキサン、トルエン、ベンゼン、酢酸エチル、四塩
化炭素、クロロホルム等を用いることができる。
【0034】ハイドロパーオキサイド類としては、過酸
化水素、ターシャリブチルハイドロパーオキサイド、ク
メンパーオキサイド等がある。過酸類としては、過ギ
酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢酸などがあ
る。このうち、過酢酸は工業的に大量に製造されてお
り、安価に入手でき、安定度も高いので好ましいエポキ
シ化剤である。さらに、エポキシ化の際には必要に応じ
て触媒を用いることができる。例えば、過酸類の場合に
は、炭酸ソーダ等のアルカリや硫酸などの酸を触媒とし
て用いることができる。
【0035】エポキシ化剤の量に厳密な規制がなく、そ
れぞれの場合における最適量は、使用する個々のエポキ
シ化剤、所望されるエポキシ化度、使用する個々のブロ
ック共重合体等のごとき可変要因によって決まる。
【0036】エポキシ化反応条件には厳密な規制はな
い。用いるエポキシ化剤の反応性によって使用できる反
応温度域は定まる。例えば、過酢酸についていえば0〜
70℃が好ましく、70℃を越えると過酢酸の分解が起こ
る。反応混合物の特別な操作は必要なく、例えば混合物
を2〜10時間攪拌すればよい。得られたエポキシ変性共
重合体の単離は適当な方法、例えば貧溶媒で沈殿させる
方法、重合体を熱水中に攪拌の下で投入し溶媒を蒸留除
去する方法などで行うことができる。
【0037】本発明における粘接着剤用ブロック共重合
体のエポキシ化の程度は、0.1 規定の臭化水素酸で滴定
し、次式により算出する。
【0038】エポキシ当量=10000×W/(f×V) ただし、Wは滴定に用いたブロック共重合体の重量
(g)、Vは0.1 規定の臭化水素酸の滴定量(ml)、f
は臭化水素酸のファクタ−である。
【0039】また、本発明におけるエポキシ化率とは、
未水素添加・未エポキシ化の原料ブロック共重合体の共
役ジエン化合物に由来する二重結合のうち、エポキシ化
されたものの百分率であり、エポキシ当量から次の式で
求める。
【0040】エポキシ化率=[10000×D+2×H×(10
0-S)]/[(N-16)×(100-S)] ただし、Dは共役ジエンの分子量、Hは水添率(%)、
Sはビニル芳香族化合物の含有量(%)、Nはエポキシ
当量である。
【0041】本発明における粘接着剤用ブロック共重合
体のエポキシ化率は、10〜40%である。導入された
エポキシ基の量が少なすぎると十分な効果が期待できな
い反面、過度のエポキシ基を導入することは、エポキシ
基の反応活性が高くなりすぎてゲル化し易くなり、かえ
って熱安定性を悪くする。
【0042】また、本発明における粘接着剤用ブロック
共重合体は、水素添加もエポキシ化もされずに不飽和の
まま残存する共役ジエン部分が共役ジエン全体の90%
未満であり、特に40%以下のものが熱安定性の点から
は好ましい。
【0043】本発明における粘接着用ブロック共重合体
組成物のブロック共重合体(a)および(b)の配合比
(a)/(b)は、80/20〜20/80である。配合
比がこの範囲を外れると、ブロック共重合体(a)また
は(b)の量の多い方単独の性質が大きくなり、混合し
て用いることの効果が十分に得られない。
【0044】本発明における粘接着剤用ブロック共重合
体組成物は、ブロック共重合体(a)及び(b)を別々
に重合し水添及びエポキシ変性を行った後に混合して
も、別々の重合して水添あるいはエポキシ化の前に混合
してもよく、また、重合時にそのような組成になるよう
な仕込方法によって組成物とすることもできる。
【0045】本発明で得られる粘接着剤用ブロック共重
合体組成物は、単独で優れた粘接着性能を有するが、他
の熱可塑性エラストマー(ポリオレフィン系、ポリスチ
レン系、ナイロン系、ポリエステル系)、熱可塑性樹脂
(ポリオレフィン系、ポリスチレン系、ナイロン系、ポ
リエステル系)や、公知の構造用接着剤を配合して使用
することも、本発明の実施態様の一部である。
【0046】また、必用に応じて粘着付与剤、軟化剤、
補強性樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤などを
配合してもよい。粘着付与剤は、従来粘着付与剤として
ホットメルト型接着剤に使用されているものがそのまま
使用でき、例えば、クマロン・インデン樹脂、フェノー
ル樹脂、p−ターシャルブチルフェノール・アセチレン
樹脂、フェノール・ホルムアルデヒド樹脂、テルペン・
フェノール樹脂、ポリテルペン樹脂、キシレン・ホルム
アルデヒド樹脂、合成ポリテルペン樹脂、芳香族系炭化
水素樹脂、脂肪族系環状炭化水素樹脂、モノオレフィン
やジオレフィンのオリゴマー、水素添加炭化水素樹脂、
炭化水素系粘着化樹脂、ポリブテン、ロジンの多価アル
コールエステル、水素添加テルペン樹脂、水素添加ロジ
ン、水素添加ウッドロジン、水素添加ロジンとモノアル
コールまたは多価アルコールとのエステル、テレピン系
粘着付与剤などが挙げられる。
【0047】より詳細には、「ゴムプラスチック配合薬
品」(ラバーダイジェスト社編)に記載のものが使用で
きる。
【0048】また、軟化剤は、石油系軟化剤(パラフィ
ン系オイル、ナフテン系オイル、アロマ系オイルな
ど)、パラフィン、植物油系軟化剤、可塑剤などであ
り、具体的には前述の「ゴムプラスチック配合薬品」
(ラバーダイジェスト社編)に記載のものが使用でき
る。軟化剤は、粘接着剤組成物の用途毎に要求される適
切な粘度及び硬さに応じて、粘接着剤用ブロック共重合
体組成物100重量部に対し、5〜200重量部、好ま
しくは20〜100重量部の範囲で使用される。
【0049】これら配合剤は、溶融混合などの方法やド
ライブレンドによって本発明の粘接着剤用ブロック共重
合体組成物に混合できる。
【0050】本発明の粘接着剤用ブロック共重合体組成
物は、接着剤、特に構造用接着剤として、粉末状、ペレ
ット状、シート状、フィルム状で、被着体に対して例え
ば2層ボトル成形機、3層インフレーション成形機など
を使用する共押出方法や、予熱した被コーティング材を
押出成形で被覆する押出コーティング方法や、Tダイフ
ィルム(シート)成形機、インフレーション成形機など
で成形したフィルム(シート)を熱圧着する接着フィル
ム(シート)法や、パウダー化して金属表面に静電塗装
機、流動浸漬装置を用いてパウダーコーティングする方
法など、公知の各種方法で接着層を形成することができ
る。
【0051】また、本発明の粘接着剤用ブロック共重合
体組成物は、各種シート、テープの粘着剤にも利用で
き、特に溶剤を使用しないことから紙おむつや生理用ナ
プキンなどの衛生材料分野に使用でき、産業上の利用価
値は極めて大きい。
【0052】本発明をより具体的に説明するために以下
に実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって何
等制限されるものではない。
【0053】<合成例1/部分水添ブロック共重合体A
の調製>窒素雰囲気下の撹拌機付ステンレス製重合釜に
スチレン7.5 重量部を含有するシクロヘキサン溶液を仕
込み、n−ブチルリチウム0.032 重量部を含有するヘキ
サン溶液を添加して、60℃で1時間重合した。次にブタ
ジエン17.5重量部を含有するシクロヘキサン溶液を添加
し3時間重合した。次にn−ブチルリチウム0.064 重量
部及びブタジエン52.5重量部を含有するシクロヘキサン
溶液を添加して1.5時間重合した。さらに、スチレン
22.5重量部を含有するシクロヘキサン溶液を加えて1時
間重合した。
【0054】続いて特開昭59−133203号公報の実施例1
〜9に記載の方法に準じて、パラジウム−カーボン担持
触媒で50kgf/cm2の水素ガスを用い、60℃で水添反応を
行った。水素添加率は水素ガスの供給量によって制御し
た。得られた部分水添ブロック共重合体溶液に2 ,6 −
ジ−第3 −ブチル−4 −メチルフェノール0 .5 重量部
とトリス(ノニルフェニル)フォスファイト0 .5 重量
部を添加して溶媒を加熱除去して、部分水添ブロック共
重合体を得た。
【0055】数平均分子量は、GPCによって測定し、
ポリスチレン換算値として求めた。水添率は水添反応
前、後のブロック共重合体のNMR(270MHz)を重水素
化クロロホルムで測定し求めた。
【0056】表1に合成した部分水添ブロック共重合体
の一覧を示す。
【0057】<合成例2/部分水添ブロック共重合体B
の調製>窒素雰囲気下の撹拌機付ステンレス製重合釜に
スチレン15重量部を含有するシクロヘキサン溶液を仕込
み、n−ブチルリチウム0.064 重量部を含有するヘキサ
ン溶液を添加して、60℃で1時間重合した。次にブタジ
エン70重量部を含有するシクロヘキサン溶液を添加し3
時間重合した。次にスチレン15重量部を含有するシクロ
ヘキサン溶液を加えて1時間重合した。
【0058】続いて特開昭59−133203号公報の実施例1
〜9に記載の方法に準じて、パラジウム−カーボン担持
触媒で50kgf/cm2の水素ガスを用い、60℃で水添反応を
行った。水素添加率は水素ガスの供給量によって制御し
た。得られた部分水添ブロック共重合体溶液に2 ,6 −
ジ−第3 −ブチル−4 −メチルフェノール0 .5 重量部
とトリス(ノニルフェニル)フォスファイト0 .5 重量
部を添加して溶媒を加熱除去して、部分水添ブロック共
重合体を得た。
【0059】数平均分子量は、GPCによって測定し、
ポリスチレン換算値として求めた。水添率は水添反応
前、後のブロック共重合体のNMR(270MHz)を重水素
化クロロホルムで測定し求めた。
【0060】表1に合成した部分水添ブロック共重合体
の一覧を示す。
【0061】<合成例3/部分水添ブロック共重合体C
の調製>窒素雰囲気下の撹拌機付ステンレス製重合釜に
スチレン15重量部を含有するシクロヘキサン溶液を仕込
み、n−ブチルリチウム0.128 重量部を含有するヘキサ
ン溶液を添加して、60℃で1時間重合した。次にブタジ
エン70重量部を含有するシクロヘキサン溶液を添加し3
時間重合した。次にスチレン15重量部を含有するシクロ
ヘキサン溶液を加えて1時間重合した。
【0062】続いて特開昭59−133203号公報の実施例1
〜9に記載の方法に準じて、パラジウム−カーボン担持
触媒で50kgf/cm2の水素ガスを用い、60℃で水添反応を
行った。水素添加率は水素ガスの供給量によって制御し
た。得られた部分水添ブロック共重合体溶液に2 ,6 −
ジ−第3 −ブチル−4 −メチルフェノール0 .5 重量部
とトリス(ノニルフェニル)フォスファイト0 .5 重量
部を添加して溶媒を加熱除去して、部分水添ブロック共
重合体を得た。
【0063】数平均分子量は、GPCによって測定し、
ポリスチレン換算値として求めた。水添率は水添反応
前、後のブロック共重合体のNMR(270MHz)を重水素
化クロロホルムで測定し求めた。
【0064】表1に合成した部分水添ブロック共重合体
の一覧を示す。
【0065】<合成例4/部分水添ブロック共重合体
D、E、Fの調製>攪拌機、還流冷却管、および温度計
を備えたジャケット付反応器に上記(I)〜合成例3で合
成した部分水添ブロック共重合体300g、酢酸エチル1500
g を仕込み溶解した。ついで過酢酸の30重量%酢酸エチ
ル溶液を所定量連続滴下させ、攪拌下40℃で3 時間エポ
キシ化反応をおこなった。反応粗液は、水で抽出するこ
とにより副成物を除去して精製した。反応液を常温にも
どして反応器より取り出し、スチームストリッピングを
行って溶剤を除去した。最後に乾燥して水分を除去し
た。表2に合成したエポキシ化部分水添ブロック共重合
体の一覧を示す。
【0066】《実施例/部分水添ブロック共重合体の評
価》以下の項目を測定した。測定結果を表3に示す。
【0067】剪断強度 被着体にSUS304を用い、JISK6850に準じ
て測定した。
【0068】剥離強度 被着体にSUS304、接着剤の担持体にアルミ箔を用
い、SUS面との剥離強度をJISK6854に準じて
測定した。
【0069】溶融粘度 フローテスターを用い、温度180℃、ダイ1mmφ×
10mm、予熱5分にて測定した。
【0070】[実施例1、比較例1〜5]比較例2およ
び3は、一般的なトリブロックタイプの部分水添ブロッ
ク共重合体であり、比較例1は、本発明ブロック共重合
体組成物の未エポキシ化物である。溶融粘度は低くなっ
ているものの満足できるレベルではなく、接着力におい
ては全く改善されていない。一方、比較例4および5
は、一般的なトリブロックタイプの部分水添ブロック共
重合体のエポキシ化物である。接着力は改善されている
が、溶融粘度はやや下がった程度である。これらに対
し、本発明実施例は、接着力が向上するとともに、特に
低荷重での溶融粘度の低下が著しく、加工性が大きく改
善される。
【0071】 表1 ポリマー 数平均分子量S/B比 (a)/(b)比 水添率 (重量%) (%) A 66300 30 50 /50 33 B 101000 30 50 / 0 35 C 54100 30 50 / 0 39 表2 ポリマー 原料ポリマー エポキシ当量 エポキシ化率水添率 残存不飽和 (g/mol) (%) (%) (%) D A 326 25 33 42 E B 336 24 35 41 F C 338 24 39 37 表3 実験例 ポリマ− 剪断 剥離 溶融粘度 溶融粘度 溶融粘度 荷重50kgf 荷重100kgf 荷重150kgf 実施例1 D 50 8 1800 910 560 比較例1 A 24 4 3000 960 530 比較例2 B 27 5 流動せず 10000 7000 比較例3 C 34 5 3500 1000 550 比較例4 E 40 10 15000 6000 3500 比較例5 F 43 10 3000 900 520 上記表3において、剪断はSUS304で、単位はkgf/cm2
剥離はSUS304で、単位はkgf/25mm、溶融粘度の単位は
荷重50kgf、荷重100kgf、荷重150kgfいずれの場合もpoi
seである。
【0072】
【発明の効果】本発明によって得られる粘接着剤用ブロ
ック共重合体組成物は、特に構造接着剤として有用であ
る。すなわち、耐熱性、耐候性、機械的特性に優れた水
添ブロック共重合体組成物をベースとし、さらに官能基
としてのエポキシ基を導入して有るため、加熱反応によ
って各種被着材への接着性を高度に付与できる。そのた
め、本発明の粘接着剤用ブロック共重合体組成物は、各
種金属、無機材料、紙、木材、他の各種熱可塑性エラス
トマー、熱可塑性樹脂などの被着材に、溶融下で強固に
接着し、接着強度、耐熱性、耐候性に優れた構造接着剤
を与える。
【0073】また、粘着剤としても、本発明の粘接着剤
用ブロック共重合体組成物は、溶融粘度、粘着特性、熱
安定性のバランスのとれたホットメルト粘着剤を与え
る。
【0074】(以下余白)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 53/02 C08G 59/34 C08L 63/00 - 63/10 C09J 153/02 C09J 163/00 - 163/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記(a)および(b) (a)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
    Aと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックB
    とからなり、下記の一般式で表されるブロック共重合体
    の共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合の一部を水素
    添加し、残りの共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合
    の一部をエポキシ化したエポキシ変性水添ブロック共重
    合体; A−(B−A)、[(A−B)m+1−X 《ただし、nおよびmは1以上の整数であり、Xは多官
    能のカップリング剤残基である》 (b)ビニル芳香族化合物を主体とする重合体ブロック
    Cと、共役ジエン化合物を主体とする重合体ブロックD
    とからなり、下記の一般式で表されるブロック共重合体
    の共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合の一部を水素
    添加し、残りの共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合
    の一部をエポキシ化したエポキシ変性水添ブロック共重
    合体C−DまたはD−C−Dからなり、上記(a)と
    (b)の配合比が80/20〜20/80(重量%)であ
    る粘接着剤用ブロック共重合体組成物。
  2. 【請求項2】 共役ジエン部分の不飽和炭素の二重結合
    100%に対して、水素添加率が0%を越えて80%以
    下であり、エポキシ化率が10%以上40%以下であ
    り、残存する二重結合が5%以上90%以下(ただし、
    3者の合計は100%)である請求項1に記載の粘接着
    剤用ブロック共重合体組成物。
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