JPH11279162A - 新規なイソシアヌル酸誘導体 - Google Patents

新規なイソシアヌル酸誘導体

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JPH11279162A
JPH11279162A JP9675198A JP9675198A JPH11279162A JP H11279162 A JPH11279162 A JP H11279162A JP 9675198 A JP9675198 A JP 9675198A JP 9675198 A JP9675198 A JP 9675198A JP H11279162 A JPH11279162 A JP H11279162A
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幸宏 坂本
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好也 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂の成形加工時に起る熱分解
を防止するために添加する安定剤としてCa−Zn金属
石鹸系安定剤を使用したときに起る加熱成形時の着色
(ジンクバーニング)を抑制し、樹脂との相容性に優れ
たCa−Zn金属石鹸系安定剤の安定助剤になり得る新
規なイソシアヌル酸誘導体を提供する。 【解決手段】 この発明の新規なイソシアヌル酸誘導体
は、下記の一般式で表されるものである。 (但し、式中のR1 とR2 は水素原子又はメチル基を表
し、R1 とR2 が水素原子のとき、R3 は水素原子、メ
チル基、フェニル基、ベンジル基、ニトロ基、塩素原子
を表す。また、R1 とR2 がメチル基のとき、R3 は水
素原子を表す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、新規なイソシア
ヌル酸誘導体に関するものであり、Ca−Zn金属石鹸
系安定剤と併用することにより塩化ビニル系樹脂の熱安
定性を改善する安定助剤として有用なものである。
【0002】
【従来の技術】ポリ塩化ビニル樹脂及び塩化ビニルをコ
モノマーとして含む共重合体樹脂等の塩化ビニル系樹脂
は、各種の優れた性質を有しており、土木材料、建築材
料、電気材料などの広範な分野で利用されている。しか
し、成形加工時に高温に曝されると脱塩化水素を主とし
た熱分解を起こして着色を伴う劣化を起こす欠点があ
る。この欠点を改善するために種々の安定剤を添加して
塩化ビニル系樹脂の熱安定性を改善することが行われて
いる。
【0003】この安定剤として、鉛化合物、錫化合物、
Ca−Zn系金属石鹸類などが知られている。これら安
定剤の中で、鉛系化合物は熱安定性に特に優れており、
低価格であることから中心的な安定剤であったが、近
年、鉛の持つ毒性が問題になり、非鉛系の安定剤が望ま
れている。
【0004】また、錫系安定剤は、優れた熱安定化効果
を持っているが、その臭気による作業環境上の問題や成
形機への粘着性が強いため多量の滑剤を必要とするなど
の欠点がある。
【0005】上記の安定剤に比べて、Ca−Zn金属石
鹸系安定剤は毒性が少なく、鉛系安定剤に替わる安定剤
として注目されているが、単独で使用した場合にジンク
バーニングと呼ばれる黒化現象が起こるため、安定助剤
として多価アルコールを併用してジンクバーニングを防
いでいる。しかし、一般に多価アルコールは塩化ビニル
系樹脂に対する相容性が悪く、成形加工工程中に樹脂と
接触する成形機の金属表面に所謂プレートアウトと呼ば
れる附着現象を起こし易く、円滑な成形加工ができない
といった欠点がある他、吸水性が大きいために樹脂配合
物中に水分を含み易く、成形品に悪影響を与えるといっ
た欠点もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は、このよ
うな実状から見て検討を重ねた結果、塩化ビニル系樹脂
に使用するCa−Zn金属石鹸系安定剤の安定助剤とし
て併用する前記の多価アルコールの欠点を解消した熱安
定化効果を塩化ビニル系樹脂に付与できる方法を見出
し、この発明を完成した。
【0007】この発明は、塩化ビニル系樹脂に使用する
Ca−Zn金属石鹸系安定剤の安定助剤として有用な下
記化2の一般式で表される、新規なイソシアヌル酸誘導
体を提供するものである。
【0008】
【化2】 (但し、式中のR1 とR2 は水素原子又はメチル基を表
し、R1 とR2 が水素原子のとき、R3 は水素原子、メ
チル基、フェニル基、ベンジル基、ニトロ基、塩素原子
を表す。また、R1 とR2 がメチル基のとき、R3 は水
素原子を表す。)
【0009】
【課題を解決するための手段】以下、本発明のイソシア
ヌル酸誘導体について詳述する。
【0010】上記化2の一般式で表される分子内にフェ
ノールエステル構造を持つ新規なイソシアヌル酸誘導体
は、下記のA工程及びB工程より製造することができ
る。
【0011】A工程:下記化3の一般式で表されるトリ
ス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートに塩素化
剤を反応させて、化4の一般式で表されるトリス(2−
クロロホルミルエチル)イソシアヌレートを製造する工
程。
【0012】
【化3】
【0013】
【化4】
【0014】B工程:上記化4の一般式で表されるトリ
ス(2-クロロホルミルエチル)イソシアヌレートと化5
の一般式で表されるフェノール類をピリジン、トリエチ
ルアミンまたは水酸化ナトリウム等の酸受容体の存在下
で反応させる工程。
【0015】
【化5】 (但し、式中のR1 とR2 は水素原子又はメチル基を表
し、R1 とR2 が水素原子のとき、R3 は水素原子、メ
チル基、フェニル基、ベンジル基、ニトロ基、塩素原子
を表す。また、R1 とR2 がメチル基のとき、R3 は水
素原子を表す。)
【0016】上記A工程に使用する化3の一般式で表さ
れるトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレート
は、市販の試薬として入手可能であるが、化6の一般式
で表されるイソシアヌル酸にアクリロニトリルを付加さ
せて得られる化7の一般式で表されるトリス(2−シア
ノエチル)イソシアヌレートを硫酸、塩酸等の鉱酸を用
いて加水分解することによっても得られる。
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】この発明のA工程は、化3の一般式で表さ
れるトリス(2-カルボキシエチル)イソシアヌレートを
カルボン酸の活性化誘導体の一つである酸塩化物とする
工程である。この工程に使用する塩素化剤としては、塩
化チオニル、三塩化リン、五塩化リンなどを使用するこ
とができるが、反応の副成物が気体で除き易いことや反
応後の過剰の塩素化剤を蒸留で除けるといった利点か
ら、塩化チオニルが好ましい。また、塩素化剤として塩
化チオニルを使う場合は、特に溶媒を必要としないが、
ジメチルホルムアミドはこの反応を促進する効果がある
ので、溶媒として適している。
【0020】A工程の反応は、化3の一般式で表される
トリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレートの1
モルに対して塩化チオニルを3〜20モル、特にジメチ
ルホルムアミドなどの溶媒を使用するときは3〜10モ
ル用い、室温(約20℃)〜100℃の温度で3〜10
時間の反応時間で行うことができる。
【0021】この発明のB工程は、前述したA工程で得
られる化4の一般式で表されるトリス(2−クロロホル
ミルエチル)イソシアヌレートと化5の一般式で表され
るフェノール類を反応させて化2の一般式で表されるこ
の発明のフェノールエステル構造を持つイソシアヌル酸
誘導体を製造する工程である。
【0022】B工程の反応は、化4の一般式で表される
トリス(2−クロロホルミルエチル)イソシアヌレート
の1モルに対して、化5の一般式で表されるフェノール
類を3〜10モル用い、溶媒はクロロホルムなどのハロ
ゲン化炭化水素やベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化
水素など酸塩化物に対して不活性な溶媒であれば特に制
限なく使用できる。また、反応温度は、室温(約20
℃)〜100℃が適しており、2〜10時間の反応時間
で行うことができる。この際、反応の進行に伴って生成
する塩酸を除くために、ピリジン、トリエチルアミンな
どのアミン化合物や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
などの無機アルカリ化合物を3〜10モル加えることが
好ましい。
【0023】この発明で使用するCa−Zn金属石鹸系
安定剤は、有機酸Ca塩と有機酸Zn塩の混合物であ
り、有機酸としては、ヘプタン酸、オクタン酸、デカン
酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリス
チン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リ
ノール酸、ナフテン酸などの有機酸が挙げられる。ま
た、有機酸Ca塩と有機酸Zn塩の混合割合は、重量比
で有機酸Ca塩に対して有機酸Zn塩を1:0.1〜1
0の割合で用いる。
【0024】また、塩化ビニル系樹脂に対する添加量
は、樹脂100重量部に対して有機酸Ca塩と有機酸Z
n塩の混合物を1〜5重量部、この発明のイソシアヌル
酸誘導体を0.05〜5重量部用いる。
【0025】また、必要に応じて前記有機酸塩と前記化
2の一般式で表されるイソシアヌル酸誘導体の他に、可
塑剤、顔料、充填剤、滑剤、帯電防止剤、難燃剤、光安
定剤、酸化防止剤等、通常の塩化ビニル系樹脂に使用さ
れる添加剤を配合してもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例によりこの発明を具
体的に説明する。 〔実施例1〕トリス(2-フェノキシカルボニルエチル)
イソシアヌレートの合成(下記化8の一般式で表される
化合物)
【0027】
【化8】
【0028】A工程 1200mlのジメチルホルムア
ミドにトリス(2−カルボキシエチル)イソシアヌレー
ト310.8g(0.90モル)を加え、室温(20
℃)で攪拌下溶解させた。次いで、塩化チオニル230
ml(2.99モル)を2時間かけて滴下した。この
間、液温は25.0℃から47.0℃に上昇した。塩化
チオニルの滴下終了後、さらに室温で1.5時間攪拌を
続け、その後、15℃まで冷却して結晶を析出させた。
析出した結晶を濾取し、50mlのクロロホルムで洗浄
後、乾燥することにより、黄白色結晶のトリス(2−ク
ロロホルミルエチル)イソシアヌレート325.0gを
得た。得られた反応生成物の物性は下記のとおりであっ
た。
【0029】融点:177.9℃(DTA) IR(KBr):1796cm-1(酸塩化物), 1688cm-1(イ
ソシアヌレート)
【0030】B工程 130mlのクロロホルムにフェ
ノール23.3g(0.245モル)とピリジン19.
5g(0.244モル)を加えて、攪拌下溶解させた。
次いで、A工程で得られたトリス(2−クロロホルミル
エチル)イソシアヌレート31.8g(0.079モ
ル)を1時間かけて添加した。この間、液温は33.0
℃から65.2℃に上昇した。さらに1時間室温で攪拌
を続けた後、反応を終了させた。反応液を濃縮し、濃縮
物に60mlのクロロホルムを加えて、40mlの水で
洗浄した。分取したクロロホルム相に0.1gの活性炭
を添加して1時間室温で攪拌した後、濾過して活性炭を
除いた。クロロホルム溶液を濃縮して得られた濃縮物を
メタノールで再結晶して、目的物のトリス(2−フェノ
キシカルボニルエチル)イソシアヌレート20.2gを
得た。(収率39.9%)
【0031】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:131.8℃(DTA) IR(KBr):1750, 1200cm-1(エステル),1686,76
2cm -1(イソシアヌレート),1593,741, 691cm-1(一置
換ベンゼン環) NMR(CDCl3 ):δ2.88ppm(t,6H,CH2-COO-),4.1
9ppm(t,6H,N-CH2) 7.33(m,15H, 一置換ベンゼン環)
【0032】〔実施例2〕 トリス〔2−(2’,6’−ジメチルフェノキシカルボ
ニル)エチル〕イソシアヌレートの合成(下記化9の一
般式で表される化合物)
【0033】
【化9】
【0034】ピリジン60mlに2,6−キシレノール
9.42gを加え、室温(20℃)下攪拌しながら実施
例1のA工程で得られたトリス(2−クロロホルミルエ
チル)イソシアヌレート10.4gを1時間かけて添加
した。この間反応液の温度は、約25℃上昇した。その
後、50℃で1時間、さらに90℃で2時間反応させ
た。反応終了後、反応液を冷却して析出した結晶を除い
た濾液を濃縮して得られた結晶を濾取し、酢酸エチルで
2回再結晶して白色の粉末状結晶4.3gを得た。(収
率25.4%)
【0035】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:145.7℃(DTA) IR(KBr):1752, 1163cm-1(エステル),1690,77
0cm -1(イソシアヌレート) NMR(CDCl3 ):δ2.10ppm(s,18H,CH3),2.93ppm
(t,6H,CH2-COO-),4.30ppm(t,6H,N-CH2),6.97ppm(9H,s,
三置換ベンゼン環)
【0036】〔実施例3〕 トリス〔2−(4’−メチルフェノキシカルボニル)エ
チル〕イソシアヌレートの合成(下記化10の一般式で
表される化合物)
【0037】
【化10】
【0038】120mlのクロロホルムにp−クレゾー
ル22.3g(0.21モル)とピリジン16.9g
(0.21モル)を加え、室温(25℃)で攪拌下溶解
させた。次いで、実施例1のA工程で得られたトリス
(2−クロロホルミルエチル)イソシアヌレート28.
0g(0.07モル)を10分かけて添加した。この
間、反応液の温度は25℃から58℃に上昇した。添加
終了後、さらに50℃で1時間反応させた。反応終了
後、反応液を濃縮し、濃縮物に75mlのクロロホルム
を加えて、50mlの水で洗浄した。クロロホルム相を
分取し硫酸マグネシウムで乾燥させた後、濃縮して乳白
色の結晶を得た。この結晶をクロロホルムとメタノール
の混合溶媒から再結晶させて目的物のトリス〔2−
(4’−メチルフェノキシカルボニル)エチル〕イソシ
アヌレート20.2gを得た。(収率47.0%)
【0039】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:132.8℃(DTA) IR(KBr):1759, 1198cm-1(エステル),1692,77
4cm -1(イソシアヌレート),1509, 816cm-1 (p-置換ベ
ンゼン環) NMR(CDCl3 ):δ2.27ppm(s,9H,-CH3),2.80ppm
(t,6H,CH2-COO),4.24ppm(t,6H,N-CH2),6.83ppm(d,6H, p
-置換ベンゼン環),7.05ppm(d,6H,p-置換ベンゼン環)
【0040】〔実施例4〕 トリス〔2−(4’−クロロフェノキシカルボニル)エ
チル〕イソシアヌレートの合成(下記化11の一般式で
表される化合物)
【0041】
【化11】
【0042】p−クレゾールの替わりに4−クロロフェ
ノールを使用した以外は、実施例3と同様に行い、目的
物のトリス〔2−(4’−クロロフェノキシカルボニ
ル)エチル〕イソシアヌレートを得た。(収率43.1
%)
【0043】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:138.2℃(DTA) IR(KBr):1755, 1208cm-1(エステル),1686,76
6cm -1(イソシアヌレート) NMR(CDCl3 ):δ2.83ppm(t,6H,CH2COO),4.28p
pm(t,6H,N-CH2),6.97ppm(d,6H, p-置換ベンゼン環),7.
27ppm(d,6H,p-置換ベンゼン環)
【0044】〔実施例5〕 トリス〔2−(4’−ベンジルフェノキシカルボニル)
エチル〕イソシアヌレートの合成(下記化12の一般式
で表される化合物)
【0045】
【化12】
【0046】p−クレゾールの替わりに4−ベンジルフ
ェノールを使用した以外は、実施例3と同様に行い、目
的物のトリス〔2−(4’−ベンジルフェノキシカルボ
ニル)エチル〕イソシアヌレートを得た。(収率28.
4%)
【0047】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:112.4℃(DTA) IR(KBr):1757, 1198cm-1(エステル),1694,76
6cm -1(イソシアヌレート),1603,1507cm-1(ベンゼン
環) NMR(CDCl3 ):δ2.80ppm(t,6H,CH2-COO),3.87
ppm(s,6H,-CH2-),4.23ppm(t,6H,N-CH2),6.88ppm(d,6H,
p-置換ベンゼン環),7.10ppm(d,6H,p-置換ベンゼン
環),7.11ppm(s.15H, 一置換ベンゼン環)
【0048】〔実施例6〕 トリス〔2−(4’−フェニルフェノキシカルボニル)
エチル〕イソシアヌレートの合成(下記化13の一般式
で表される化合物)
【0049】
【化13】
【0050】p−クレゾールの替わりに4−フェニルフ
ェノールを使用した以外は、実施例3と同様に行い、目
的物のトリス〔2−(4’−フェニルフェノキシカルボ
ニル)エチル〕イソシアヌレートを得た。(収率25.
7%)
【0051】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:219.8℃(DTA) IR(KBr):1755, 1194cm-1(エステル),1694, 7
62cm-1(イソシアヌレート),853cm-1(p−置換ベンゼ
ン環),691cm-1(一置換ベンゼン環) NMR(CDCl3 ):δ2.89ppm(t,6H,CH2-COO),4.33
ppm(t,6H,N-CH2),7.07■7.66ppm(m,27H, ベンゼン環)
【0052】〔実施例7〕 トリス〔2−(4’−ニトロフェノキシカルボニル)エ
チル〕イソシアヌレートの合成(下記化14の一般式で
表される化合物)
【0053】
【化14】
【0054】p−クレゾールの替わりに4−ニトロフェ
ノールを使用した以外は、実施例3と同様に行い、目的
物のトリス〔2−(4’−ニトロフェノキシカルボニ
ル)エチル〕イソシアヌレートを得た。(収率40.5
%)
【0055】得られた反応生成物の物性は、下記のとお
りであり、目的物であることを確認した。 融点:179.0℃(DTA) IR(KBr):1757, 1202cm-1(エステル),1694, 7
62cm-1(イソシアヌレート),1524,1348cm-1(ニトロ
基) NMR(CDCl3 ):δ2.93ppm(t,6H,CH2-COO),4.24
ppm(t,6H,N-CH2),7.28ppm(d,6H, p-置換ベンゼン環),
8.15ppm(d,6H,p-置換ベンゼン環)
【0056】〔実施例8〕ポリ塩化ビニル樹脂に対する
熱安定性試験
【0057】(1)配合混練シートの作成 ビーカー中に表−1記載の配合成分をその配合組成でと
り、充分かき混ぜた後、150℃に設定したΦ127×
300(mm)の試験ロールに投入して5分間混練した
後、厚さ約5mmのシートを作成した。
【0058】(2)熱安定性試験 (1)で得たロール混練シートから2cm×10cmの
試験片を切り取り、160℃に加熱したギアーオーブン
老化試験機中に入れ、時間経過に対する着色の程度を目
視で観測した。その結果を表1に示した。
【0059】〔比較例〕この発明の化合物を配合せずに
試験片を作成した以外は、実施例8と同様に行い、時間
経過に対する着色の程度を目視で観測した。
【0060】
【表1】
【0061】ポリ塩化ビニル樹脂は、日本ゼオン(株)
製 グレード103EPを使用した。また、着色度合い
の判定は、○=変化なし、△=ジンクバーニングによる
黒点の出現、×=試験片全体が黒変により示した。
【0062】上記表1の結果から、この発明の実施例1
〜7の化合物は、ベンゼン環に結合した置換基により若
干の効果の差異があるが、いずれの化合物も無添加の場
合に比べて加熱による試験シートの黒変(ジンクバーニ
ング)を抑制する効果があることが明らかである。
【0063】
【発明の効果】この発明のフェノールエステル構造を持
ったイソシアヌル酸誘導体は、塩化ビニル系樹脂の安定
剤としてCa−Zn金属石鹸系安定剤を使用するときに
起り得る加熱成形時の着色(ジンクバーニング)を抑制
する作用があり、Ca−Zn金属石鹸系安定剤の安定助
剤としての効果がある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記化1の一般式で表されるフェノール
    エステル構造を持つ新規なイソシアヌル酸誘導体。 【化1】 (但し、式中のR1 とR2 は水素原子又はメチル基を表
    し、R1 とR2 が水素原子のとき、R3 は水素原子、メ
    チル基、フェニル基、ベンジル基、ニトロ基、塩素原子
    を表す。また、R1 とR2 がメチル基のとき、R3 は水
    素原子を表す。)
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