JPH11278906A - 低分離性セメント組成物 - Google Patents

低分離性セメント組成物

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JPH11278906A
JPH11278906A JP7910898A JP7910898A JPH11278906A JP H11278906 A JPH11278906 A JP H11278906A JP 7910898 A JP7910898 A JP 7910898A JP 7910898 A JP7910898 A JP 7910898A JP H11278906 A JPH11278906 A JP H11278906A
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JP
Japan
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cement composition
thickener
cement
weight
calcium
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Application number
JP7910898A
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English (en)
Inventor
Shoichi Ogawa
彰一 小川
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Taiheiyo Cement Corp
Original Assignee
Taiheiyo Cement Corp
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Publication date
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B28/00Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements
    • C04B28/02Compositions of mortars, concrete or artificial stone, containing inorganic binders or the reaction product of an inorganic and an organic binder, e.g. polycarboxylate cements containing hydraulic cements other than calcium sulfates
    • C04B28/021Ash cements, e.g. fly ash cements ; Cements based on incineration residues, e.g. alkali-activated slags from waste incineration ; Kiln dust cements
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/0068Ingredients with a function or property not provided for elsewhere in C04B2103/00
    • C04B2103/0082Segregation-preventing agents; Sedimentation-preventing agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B2103/00Function or property of ingredients for mortars, concrete or artificial stone
    • C04B2103/44Thickening, gelling or viscosity increasing agents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 凝結性および材料特性に優れたセメント組
成物を提供する。 【解決手段】エコセメントに増粘剤を含有させ、必要に
応じて、他の水硬性材料ないし減水剤を加えてなる凝結
性および材料特性に優れたセメント組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ゴミ焼却灰や
下水汚泥焼却灰等の廃棄物を原料として製造してなる水
硬性組成物(以下、エコセメントと云う)を主体とし、
これに増粘剤を加えて高い粘性と流動性を兼備させたセ
メント組成物であって、水中不分離性コンクリート、高
流動コンクリート、自己充填モルタル、セルフレベリン
グモルタル等の材料として好適な低分離性セメント組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、材料分離を抑制したセメント組
成物(以下、低分離性セメント組成物)は、セメント等の
水硬性材料と水とを練り混ぜ、骨材を含まないセメント
ペーストとして、細骨材を添加したモルタルとして、あ
るいは粗骨材を加えたコンクリートとして使用され、使
用目的によって水中不分離性コンクリート、高流動コン
クリート、自己充填モルタル、セルフレベリングモルタ
ルなどの名称で用いられている。
【0003】低分離性セメント組成物は高粘性と高流動
性の両性質を兼ね備えている。この高い粘性はセメント
組成物の種々の材料分離を抑制する役割を果たしてお
り、例えば、セメント組成物の運搬時の振動やポンプ圧
送による材料分離、セメント組成物の成型時において型
枠に取り付けられた鉄筋に対して粗骨材のみが排除され
ることによって生じる材料分離、施工時におけるセメン
ト組成物の自由落下による材料分離、水中打設時におけ
る水硬性組成物の水中への拡散によって生じる材料分離
などが抑制される。これら材料分離は、水硬性組成物と
水との分離、セメントペースト部分と細骨材の分離、モ
ルタル部分と粗骨材の分離などによって生じるが、セメ
ント組成物が高粘性を有することによってこれらの材料
の分離が抑制される。また、セメント組成物の高い流動
性は、セメント組成物成型時の振動締め堅めや、あるい
は表面仕上げを不要として施工時の作業性を向上させる
だけでなく、高粘性セメント組成物が高い粘性をもって
いるにも関わらずその流動性を確保して、セメント組成
物の自重で型枠の隅々までセメント組成物を均質に充填
し、また取り扱いを容易にする。
【0004】セメント組成物の分離を抑制する手段とし
ては、(i)セメント組成物に多量の微粉末、例えばフラ
イアッシュ、石灰石微粉末やシリカフュームなどの鉱物
質微粉末を含有させる方法や、(ii)セメント組成物に増
粘剤を添加する方法などが従来行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このうち、増粘剤を使
用せずにセメント組成物に多量の微粉末を含有させたも
の(以下、粉体系セメント組成物)では、微粉末がセメン
ト組成物の水を吸収するために単位水量を増加する必要
が生じ、この結果、硬化体の強度低下を招く問題があ
る。また、流動性が低下するために減水率の高い高性能
な減水剤を必要とする。さらに、粉体含有量が多いため
にセメント組成物中に含有される単位粗骨材量や単位細
骨材量が結果として少なくなり、自己収縮や乾燥収縮あ
るいはクリープが大きくなるなどの問題がある。
【0006】また、粉体系セメント組成物を製造する場
合には、セメント等の水硬性組成物と鉱物質微粉末を予
め混合する方法と、セメント組成物の練混ぜ時に鉱物質
微粉末を計量して投入する方法とがあるが、前者の方法
では施工状況に応じて粉体の添加量を調製することがで
きず、また後者の方法では練混ぜミキサーと共に粉体の
計量設備が必要となり、施工上の負担が大きい。
【0007】一方、増粘剤を使用する方法では、増粘剤
には水硬性組成物の凝結を遅延させる作用があるため、
設計強度に達するまでに時間がかかり施工効率が低下す
る。さらに、凝結の遅延により施工後のコンクリート沈
下量の増大や、ブリーディングが多くなり、充填性の低
下や、ブリーディング水が蒸発した時に生じる結晶物に
よって表面が白く粉を噴いた状態となって表面美観を損
なったりするなどの問題を有している。この他に、低分
離性セメント組成物が高い流動性を確保するために減水
剤が使用されるが、この減水剤も水硬性組成物の凝結を
遅延させ、特に増粘剤を使用する方法では増粘剤の遅延
作用と相俟って凝結遅延による弊害がより顕著となって
しまうと云う問題がある。
【0008】本発明は、このような従来の低分離性セメ
ント組成物における問題を解決したものであり、エコセ
メントを利用することにより、増粘剤を用いながらもエ
コセメントの速硬性を活かして凝結遅延や材料分離を生
じることのないセメント組成物を得たものである。本発
明のセメント組成物は、強度発現性、流動性、自己充填
性、ポンプ圧送性に優れ、水中不分離性コンクリート、
高流動コンクリート、自己充填モルタル、セルフレベリ
ングモルタルなどの用途に好適であり、粉体の計量投入
設備を必要とせず、また工期を短縮することができる。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、
(1)都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種以上を原
料としてなる焼成物であって、カルシウムクロロアルミ
ネート、カルシウムフルオロアルミネート、カルシウム
アルミネートの一種以上を10〜40重量%およびカル
シウムシリケートを含む焼成物と石膏からなる水硬性組
成物を主成分とし、増粘剤を含有することを特徴とする
低分離性セメント組成物に関するものである。
【0010】本発明のセメント組成物において、具体的
には、例えば、(2)増粘剤は、アクリルアミドを含む
アクリル系水溶性高分子、糖類のβ-1,4結合またはβ-
1,3結合からなるセルロース系高分子、炭素数2〜5の
オキシアルキレン基が付加したポリエーテル系高分子の
一種または2種以上のものである。また、本発明のセメ
ント組成物は、好ましくは、(3)増粘剤と共に減水剤
を含有し、(4)セメント組成物中の増粘剤の添加量
は、その固形分として、水硬性組成物100重量部に対
して0.05〜5重量部である。さらに、(5)セメン
ト組成物に鉱物質微粉末が添加されており、その添加量
が水硬性組成物100重量部に対して0〜100重量部
であるもの、(6)上記水硬性組成物に、エコセメント
以外の水硬性材料が混合されているものを含む。本発明
の上記セメント組成物は、(7)水中不分離性コンクリ
ート、高流動コンクリート、自己充填モルタル、または
セルフレベリングモルタルとして最適である。
【0011】以下に本発明を具体的に説明する。本発明
のセメント組成物は、都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰
の一種以上を原料とした焼成物であって、カルシウムク
ロロアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、
カルシウムアルミネートの一種以上を10〜40重量%
およびカルシウムシリケートを含む焼成物と石膏からな
る水硬性組成物によって形成されるエコセメントを主体
としたものである。
【0012】上記鉱物組成において、例えば、カルシウ
ムクロロアルミネートは11CaO・7Al23・Ca
Cl2(C11A7CaCl2と略記)の組成式で表わされるもの
であり、カルシウムフルオロアルミネートは11CaO
・7Al23・CaF2(C11A7CaF2と略記)の組成式で
表わされるものである。また、カルシウムアルミネート
は3CaO・Al23(C3Aと略記)などである。この
他に、通常のセメントに含まれるジカルシウムシリケー
ト(2CaO・SiO2、C2Sと略記)、およびトリカル
シウムシリケート(3CaO・SiO2、C3Sと略記)の
1種以上が含まれる。
【0013】エコセメントの原料は、貝殼や下水汚泥に
生石灰を混合した下水汚泥乾粉、その他の一般廃棄物や
産業廃棄物などが用いられ、さらには、普通のセメント
原料である石灰石、粘土、珪石、アルミ灰、ボーキサイ
卜、鉄等を混合して成分調整した原料を用いてもよい。
これらの原料を1200〜1500℃で焼成して得たク
リンカーを粉砕し、必要に応じて、粉砕時または粉砕後
に石膏を添加して、エコセメントを製造する。
【0014】この焼成物中のアルミニウム源は主に焼却
灰から由来する。従って、C117CaCl2、C117
CaF2、C3A等のアルミニウム化合物の含有量が10
重量%未満では、焼却灰の使用量が少なくなり、廃棄物
の有効利用および再資源化の観点から好ましくない。ま
た、この量が40重量%を上回るとその水和の進行によ
ってセメント硬化体が過大に膨張する場合があるので適
当ではない。
【0015】上記焼成物に添加される石膏は、無水石
膏、二水石膏、半水石膏のいずれでもよい。強度発現性
から、石膏の添加量は焼成物100重量部に対して1〜
30重量部が好ましい。
【0016】本発明においては、エコセメントと共にそ
の他の水硬性材料を添加したものでも良い。例えば、普
通、早強、中庸熱、耐硫酸塩などの各ポルトランドセメ
ントやC2Sを多く含有するビーライトセメント、鉱物
質微粉末であるフライアッシュ、高炉スラグ微粉末、シ
リカヒューム、石灰石微粉末、シリカ、火山灰、珪藻土
などを添加した混合セメント、またはアルミネート鉱物
を添加した速硬性セメント等を添加して良い。このエコ
セメント以外の水硬性材料の混合量はその性状に応じて
適宜定めることができる。なお、エコセメント、あるい
はエコセメントに他の水硬性材料を加えたものを便宜
上、水硬性組成物と云う。
【0017】本発明のセメント組成物は、以上述べたエ
コセメント、あるいはエコセメントに他の水硬性材料を
加えた水硬性組成物に、増粘剤を含有させたものであ
り、更に、この増粘剤と共に減水剤を含有させたもの、
鉱物質微粉末を添加したものを含む。
【0018】本発明において、エコセメントの量は、セ
メント組成物100重量部のうち、エコセメントの含有
量が1〜80重量部であることが好ましい。ここで、セ
メント組成物重量とは、エコセメント、増粘剤および水
を基本成分として、さらにその他の水硬性組成物、鉱物
質微粉末、その他の混和材料、細骨材、あるいは粗骨材
を含有した合計量であり、各成分材料と共に水を加えて
練り混ぜた状態での全重量に対するエコセメントの量で
ある。本発明のセメント組成物100重量部のうち、エ
コセメントの量が1重量部より少ないと所定の強度が得
られず、その他のポルトランドセメントなどの水硬性材
料を添加しても早期強度の発現が劣り、ブリーディング
が多くなる。一方、エコセメントの量が80重量部より
多いと、凝結が急激になって流動性の保持時間が短く施
工性が低下し、また水和による発熱が大きく熱ひび割れ
を起こすことがあるので好ましくない。
【0019】本発明のセメント組成物において、含有す
る増粘剤は、アクリル系水溶性高分子、セルロース系高
分子および/またはポリエーテル系高分子が適当であ
る。このアクリル系水溶性高分子は、アクリルアミドお
よび/またはその誘導体の重合物、またはその変性物や
部分加水分解物が用いられる。その構造式を図1に例示
した。また、アクリルアミドに換えて、N−ビニルアセ
トアミドを主成分とした重合物(ポリ−N−ビニルアセ
トアミド)を増粘剤として用いてもよい。
【0020】セルロース系高分子は、単糖類が主にβ-
1,4結合またはβ-1,3結合した高分子であり、β-1,4結
合のものとしては、図2に示したグルコースおよび/ま
たはその誘導体がβ-1,4結合したもの、D-マンノウロン
酸のβ-1,4結合したアルギン酸とそのアルカリ金属塩ま
たはアルカリ土類金属塩が例示される。また、β-1,3結
合した高分子としては、菌類あるいは藻類の細胞壁成分
や細胞外生産多糖類があり、特に菌類の1種(Alcaligen
es faecalis)がつくる細胞外多糖であるカードランは工
業的に生産することができ、これは本発明の水硬性組成
物から溶出するアルカリによって可溶化すると同時に粘
性を上昇させるので本発明の増粘剤として好ましい。こ
のセルロース系高分子は直鎖状である必要はなく、β-
1,4結合またはβ-1,3結合の他に、部分的に例えばβ-1,
6結合などで分岐した構造をとってもよい。
【0021】ポリエーテル系高分子は、炭素数2〜5の
オキシアルキレン基が付加重合したポリエーテルを構造
中にもつ水溶性高分子が適当であり、この炭素数2〜5
のオキシアルキレンが付加重合したポリエーテル鎖を構
造中にもつものであれば、オキシアルキレンが直鎖状で
も分岐していても、あるいは炭素数2〜5のオキシアル
キレンがブロック状あるいはランダム状に重合したもの
でもよい。さらにオキシアルキレン以外の官能基やアル
キル基を含んでもよい。何れのポリエーテルでもセメン
ト組成物中の液層の粘度を上昇させ、結果としてセメン
ト組成物自体の粘性が向上し、材料分離を抑制する。ポ
リエーテル系高分子の重量平均分子量は1万〜500万
の範囲にあるものが好ましく、重量平均分子量が1万以
下であると十分な粘性が得られず、一方、500万以上
では粘性が強すぎてセメント組成物の流動性が著しく低
下し、作業性を損なう。
【0022】これらの増粘剤はエコセメントに対して凝
結の遅延効果が少なく、かつ十分な粘性を発揮する。こ
れは、エコセメントのアルミニウムを含有する化合物、
例えば、C117CaCl2、C117CaF2、C3Aに
より、まず練混ぜ時の注水でエコセメント組成物粒子の
表面が激しく水和するが、このとき増粘剤は高分子であ
るため移動速度が遅く、水和層に増粘剤が取り込まれる
ことが少なく、結果として安定した初期水和物を形成し
てエコセメント表面を覆うので、凝結時間まで安定した
流動性が得られ、同時に増粘剤も液層から失われずに粘
性を十分に発揮できるようになる。
【0023】以上のように、増粘剤によって十分な粘性
が与えられるので、セメント組成物の種々の材料分離が
効果的に抑制され、セメント組成物の運搬時やポンプ圧
送時の材料分離、成型時や施工時の材料分離、水中打設
時における水中への拡散による材料分離などが確実に防
止されると云う材料特性に優れた効果が得られる。
【0024】本発明のセメント組成物における増粘剤の
含有量は、何れの増粘剤でも、本発明の水硬性組成物1
00重量部に対して増粘剤の固形分として0.05〜5
重量部が好ましい。0.05重量部より少ないと十分な
増粘性を付与することができず、また5重量部より多い
と粘性が高すぎるため、セメント組成物の流動性を損な
い、ポンプ圧送時には大きな圧力を必要とし、また施工
性が劣る。本発明のセメント組成物を水中不分離性コン
クリートとして使用する場合、増粘剤の量は、水硬性組
成物100重量部に対して増粘剤固形分として0.5 〜
2重量部が好ましい。この範囲の含有量のものは、セメ
ント組成物を水中落下させても水質汚濁することがな
く、良好なセルフレベリング性と型枠細部への充填性が
得られる。
【0025】本発明のセメント組成物は、増粘剤によっ
てその粘性を高めるので、鉱物質微粉末の添加は特に必
要としないが、さらにブリーディングを抑制し、自己充
填性を増すために鉱物質微粉末を添加することは有効で
ある。鉱物質微粉末の添加量は水硬性組成物100重量
部に対して0〜100重量部が好ましい。
【0026】鉱物質微粉末はフライアッシュ、高炉スラ
グ微粉末、または石灰石微粉末の1種または2種以上が
好ましい。フライアッシュは火力発電所の集塵器から採
取される微粉灰であり、通常、シリカ(SiO2)含有量が4
5重量%以上のものである。また高炉スラグ微粉末は銑
鉄の製造工程で生じるスラグを徐冷または急冷し、さら
に粉砕して微粉化したものであり、比表面積が2000
cm2/g以上、シリカ含有量が約30重量%である。フラ
イアッシュまたは高炉スラグ微粉末は含有するシリカが
水硬性組成物から遊離する水酸化カルシウムと結合して
充填材の強度と水密性を増進するだけでなく、水和熱を
減少させる効果があり、特にフライアッシュは球状であ
るため、そのボールベアリング効果によって充填材の流
動性を増し、さらに単位水量を減じることができるので
ブリーディングが抑制される。
【0027】本発明のセメント組成物は、良好な流動性
を保つために減水剤、AE剤、高性能減水剤、高性能A
E減水剤や流動化剤を添加することが好ましい。また、
その他の混和材料として、例えば、凝結遅延剤、消泡
剤、促進剤、増粘剤、収縮低減剤、防錆剤、発泡材、膨
張材やスチールファイバーや樹脂繊維などの補強剤など
を配合してもよい。
【0028】凝結遅延剤としては、クエン酸、ガラクト
ン酸、グルコン酸、グルコヘプトン酸、酒石酸、リンゴ
酸、ピルビン酸、オキシカルボン酸などのカルボキシル
基を構造中にもつ有機酸やそのアルカリ金属塩またはア
ルカリ土類金属塩、グルコース、マンノース、フラクト
ース、サッカロース、マルトース、デキストリン、ソル
ビトールなどの糖または糖アルコール、トリポリ燐酸な
どの燐酸含有化合物、珪フッ化マグネシウムなどを使用
することができ、これらによって本発明のセメント組成
物の凝結時間を任意に調整することができる。
【0029】本発明のセメント組成物は、細骨材や粗骨
材を含有させてモルタル、コンクリートとして用いるこ
とができる。使用する細骨材および粗骨材の種類は制限
されず、天然に産出する骨材の他、軽量骨材、溶融スラ
グ骨材なども使用できる。
【0030】本発明のセメント組成物を製造する場合、
セメント組成物を構成する材料の添加順序は特に制限さ
れるものではなく、例えば、エコセメントと増粘剤およ
び細骨材をプレミックスとしてもよく、あるいは、増粘
剤を予め水に溶解させてエコセメントを添加してもよ
い。また、エコセメント、増粘剤、水、細骨材を練り混
ぜた後に減水剤等の混和材料を添加してもよい。さらに
本発明のセメント組成物は、エコセメント、その他の水
硬性組成物、細骨材または粗骨材、フライアッシュ、高
炉スラグ、または石灰石微粉末などの微粉末ないし混和
材料の添加方法、各材料の練り混ぜ方法、セメント組成
物の輸送方法、ポンプ圧送方法、施工方法なども制限さ
れない。
【0031】
【発明の効果】本発明セメント組成物は、強度発現性、
流動性、自己充填性、ポンプ圧送性に優れており、従っ
て、水中不分離性コンクリート、高流動コンクリート、
自己充填モルタル、セルフレベリングモルタル等の低分
離性セメント組成物として最適である。また、従来の粉
体を使用した低分離性セメント組成物と異なり、多量の
粉体を使用するものではないので、その計量、混合、投
入設備を必要とせず施工上の負担が少ない。しかも、増
粘剤の添加は練混ぜ時に少量添加すればよく、また水溶
液として添加できるので作業性にさらによい。その上、
従来の増粘剤を用いたものと異なり、凝結遅延を招かず
凝結時間が短いので工期を短縮できる。また、材料特性
が優れ、材料分離を生じないので水中汚濁を起こすこと
がなく、環境保全にも適する。
【0032】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。これらは例示
であり本発明を限定するものではない。なお、実施例で
用いたエコセメントは以下のようにして製造した。エコセメントの製造 表1に示す乾燥した都市ゴミ焼却灰54.3重量%、石
灰石粉42.5重量%、アルミ灰1.1重量%、粘土1.
1重量%、蛍石0.5重量%を原料とし、ロータリーキ
ルンを用いて1300〜1450℃でクリンカーを焼成
した。得られたクリンカーを竪型ミルでブレーン比表面
積が4000cm2/gになるよう粉砕し、この焼成物10
0重量に対して無水石膏を12重量部添加してブレーン
比表面積4700cm2/gのエコセメントを製造した。な
お、製造した焼成物の鉱物組成を表2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】実施例1 上記エコセメントを用い、表3に示す配合に従って、
水、骨材、増粘剤および減水剤を加えコンクリートを調
製した。試料No.1,2は水中不分離性コンクリートと
して、試料No.3,4は高流動コンクリートとして使用
することを目的にしたものである。なお、普通セメント
を用いたもの、増粘剤を含まないものを比較例として示
した。使用した増粘剤は、A;アクリル系水溶性高分子
(商品名シーベター、三共化成工業社製)、B;β-1,4
結合セルロース系高分子(商品名エルコン、株式会社小
野田製)、C;β-1,3結合セルロース系高分子(商品名
カードラン、武田薬品工業社製)D;ポリエチレングリ
コール平均分子量30万〜50万(試薬ポリエチレング
リコール500,000、和光純薬工業社製)であり、細骨材
は小笠産陸砂、粗骨材は骨材最大寸法20mmの岩瀬産砕
石を使用した。また、減水剤は試料No.1,2はリグニ
ン系減水剤とAE剤を併用し、試料No.3,4は高性能
AE減水剤を各々スランプフロー値が55cmおよび70
cmとなる量を添加した。練混ぜは、練混ぜ量を100リッ
トルとして強制二軸型ミキサーを用い、練混ぜ後のスラン
プフローを日本工業規格(JIS A 1101)に準じて測定し
た。また、練混ぜ直後に5mm篩いを用いてモルタル分だ
けを採取した試料について上記規格(JIS A6204)に準じ
て凝結試験を行い、また上記規格(JIS A 1123)に準じて
ブリーディングを測定した。さらに試料の一部について
水中でコンクリートを落下させた場合の水質の濁りを観
察した。これらの試験結果を表4に示した。
【0036】この結果から明らかなように、本発明の試
料(No.1〜4)は何れも普通セメントを用いたもの(比較N
o.2)に比べて凝結時間が格段に早く、ブリーディング率
も著しく小さい。特に水中不分離性コンクリート用の試
料No.1,2は水中落下させたときの水に濁りを生じさ
せないものであった。
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いるアクリル系水溶性高分子の構
造式を示す説明図
【図2】 本発明で用いるセルロース系高分子の構造式
を示す説明図
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 24:32) 103:44 111:62

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 都市ゴミ焼却灰、下水汚泥焼却灰の一種
    以上を原料としてなる焼成物であって、カルシウムクロ
    ロアルミネート、カルシウムフルオロアルミネート、カ
    ルシウムアルミネートの一種以上を10〜40重量%お
    よびカルシウムシリケートを含む焼成物と石膏からなる
    水硬性組成物を主成分とし、増粘剤を含有することを特
    徴とする低分離性セメント組成物。
  2. 【請求項2】 増粘剤が、アクリルアミドを含むアクリ
    ル系水溶性高分子、糖類のβ-1,4結合またはβ-1,3結合
    からなるセルロース系高分子、炭素数2〜5のオキシア
    ルキレン基が付加したポリエーテル系高分子の一種また
    は2種以上である請求項1のセメント組成物。
  3. 【請求項3】 セメント組成物中の増粘剤の添加量が、
    その固形分として、水硬性組成物100重量部に対して
    0.05〜5重量部である請求項1または2のセメント
    組成物。
  4. 【請求項4】 増粘剤と共に減水剤を含有する請求項1
    〜3のいずれかに記載のセメント組成物。
  5. 【請求項5】 セメント組成物に鉱物質微粉末が添加さ
    れており、その添加量が水硬性組成物100重量部に対
    して0〜100重量部である請求項1〜4のいずれかに
    記載のセメント組成物。
  6. 【請求項6】 上記水硬性組成物に、エコセメント以外
    の水硬性材料が混合されている請求項1〜5のいずれか
    に記載のセメント組成物。
  7. 【請求項7】 水中不分離性コンクリート、高流動コン
    クリート、自己充填モルタル、またはセルフレベリング
    モルタルとして用いられる請求項1〜6のいずれかに記
    載のセメント組成物。
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