JPH11278301A - 車体のフレーム構造 - Google Patents

車体のフレーム構造

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JPH11278301A
JPH11278301A JP10087260A JP8726098A JPH11278301A JP H11278301 A JPH11278301 A JP H11278301A JP 10087260 A JP10087260 A JP 10087260A JP 8726098 A JP8726098 A JP 8726098A JP H11278301 A JPH11278301 A JP H11278301A
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勝則 花川
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貢 深堀
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恭聡 石田
Yukio Yamamoto
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フレーム断面内に充填される充填材として備
えるべき材料特性を検討し、これに適合した充填材を用
いることによってフレームのエネルギ吸収性をより効果
的に高める。 【解決手段】 フレームFRの断面内の少なくとも一部
分に充填材Sが充填されてなる車体のフレーム構造であ
って、上記充填材Sは、平均圧縮強度が4MPa以上お
よび/または最大曲げ強度が10MPa以上に設定され
ていることを特徴とし、特に、平均圧縮強度が5MPa
以上および/または最大曲げ強度が60MPa以上に設
定されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、例えば自動車等
の車体のフレーム構造、特に、フレーム断面内の少なく
とも一部分に充填材が充填されてなる車体のフレーム構
造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動車等の車両における車体フレ
ーム構造として、衝突時の安全性を高めることを目的
に、フレームの板厚を増したり又はフレーム断面内に補
強用の板材(所謂、レインフォースメント)を配設する
ことにより、フレームの強度および剛性を高めるととも
に衝撃エネルギ吸収性の向上を図るようにしたものは、
一般に良く知られている。一方、近年では、特に、燃費
性能向上の観点から、車体重量の増加を抑制することが
求められているが、上記従来のフレーム構造では、かな
りの重量増加を招くことになり、燃費性能の維持と衝突
安全性の向上とを両立して達成することは困難である。
【0003】このため、フレーム断面内の少なくとも一
部分に、充填材として発泡ウレタンを充填することによ
り、フレームの板厚自体を増したりレインフォースメン
トを設ける場合のような大きな重量増加を招くことな
く、フレームの強度・剛性および衝突の際のエネルギ吸
収性の向上を図ることが考えられ、一部には既に実用に
も供されている。例えば特開平3−32990号公報で
は、フレーム(センタピラー)断面内に発泡ウレタンを
充填するに際して、この充填作業を簡単かつ確実に行え
るようにすることを目的として、センタピラーのルーフ
サイドレールとの結合部分に空気抜き孔を設けた構造が
開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のようにフレーム
断面内に充填材を充填して衝突時のフレームのエネルギ
吸収性の向上を図る場合、上記発泡ウレタンのように衝
突荷重の作用に対してある程度以上高い変形能を有する
充填材料を用い、かかる充填材を含めたフレームの変形
によってエネルギ吸収を図るのが、従来、一般的であ
る。しかしながら、本願発明者は、充填材の適用による
フレームのエネルギ吸収性の向上に関して鋭意研究を重
ねた結果、発泡ウレタンのように、充填材の強度が低
く、また、余りに変形し易い場合には、フレームのエネ
ルギ吸収性の十分な向上を達成することが難しいことを
見出した。これは、従来通り発泡ウレタンのような変形
能の高い材料を充填材に用いた場合には、衝突荷重が荷
重入力点から周囲のフレーム鋼板に十分に分散して伝達
され難く、フレームが荷重入力点およびその近傍のみで
局部的に大きく変形してしまうからである。
【0005】このように、フレーム断面内に充填材を充
填してエネルギ吸収性の向上を図る場合、充填材の種類
や機械的特性によってその効果は大きく異なるのであ
る。ところが、従来では、発泡ウレタンとされた充填材
のフレーム断面内への充填の仕方や保持構造について提
案したものは数多くあるが、フレーム断面内に充填して
用いられる充填材として備えるべき材料特性、特にその
機械的特性について検討し、これに基づいたフレームへ
の使用の適否について言及したものは見当たらず、ま
た、充填材に発泡ウレタン以外の材料を用いることにつ
いても、具体的に検討されていないのが実情であった。
【0006】そこで、この発明は、充填材を用いて車体
フレームのエネルギ吸収性の向上を図るに際して、フレ
ーム断面内への充填材として備えるべき材料特性を検討
し、これに適合した充填材を用いることにより、フレー
ムのエネルギ吸収性をより効果的に高めることができる
ようにすることを基本的な目的としてなされたものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】このため、本願の第1の
発明は、フレーム断面内の少なくとも一部分に充填材が
充填されてなる車体のフレーム構造であって、上記充填
材は平均圧縮強度が4MPa以上または最大曲げ強度が
10MPa以上に設定されていることを特徴としたもの
である。ここに、上記充填材について、平均圧縮強度が
4MPa以上または最大曲げ強度が10MPa以上とし
たのは、以下の理由による。すなわち、充填材の平均圧
縮強度が大きくなるにつれてフレームのエネルギ吸収量
も増加するが、平均圧縮強度が4MPa以上になるとエ
ネルギ吸収量の増加度合いは飽和する。換言すれば、平
均圧縮強度が4MPa以上であれば、ほぼ最大値に近い
エネルギ吸収量を得ることができるからである。また
は、充填材の最大曲げ強度が大きくなるにつれてフレー
ムのエネルギ吸収量も増加するが、最大曲げ強度が10
MPa以上になるとエネルギ吸収量の増加度合いは飽和
する。換言すれば、最大曲げ強度が10MPa以上であ
れば、ほぼ最大値に近いエネルギ吸収量を得ることがで
きるからである。
【0008】また、本願の第2の発明は、上記第1の発
明において、上記充填材は平均圧縮強度が5MPa以上
または最大曲げ強度が60MPa以上に設定されている
ことを特徴としたものである。ここに、上記充填材につ
いて、平均圧縮強度が5MPa以上または最大曲げ強度
が60MPa以上としたのは、以下の理由による。すな
わち、充填材の平均圧縮強度が特に5MPa以上になれ
ば、フレームのエネルギ吸収量の増加度合いはより安定
して飽和し、最大値に近いエネルギ吸収量をより安定し
て得ることができるからであり、または、充填材の最大
曲げ強度が特に60MPa以上になれば、フレームのエ
ネルギ吸収量の増加度合いはより安定して飽和し、最大
値に近いエネルギ吸収量をより安定して得ることができ
るからである。
【0009】更に、本願の第3の発明は、フレーム断面
内の少なくとも一部分に充填材が充填されてなる車体の
フレーム構造であって、上記充填材は、平均圧縮強度が
4MPa以上で、かつ最大曲げ強度が10MPa以上に
設定されていることを特徴としたものである。ここに、
上記充填材について、平均圧縮強度が4MPa以上で、
かつ最大曲げ強度が10MPa以上としたのは、以下の
理由による。すなわち、充填材の平均圧縮強度が大きく
なるにつれてフレームのエネルギ吸収量も増加するが、
平均圧縮強度が4MPa以上になるとエネルギ吸収量の
増加度合いは飽和する。換言すれば、平均圧縮強度が4
MPa以上であれば、ほぼ最大値に近いエネルギ吸収量
を得ることができるからである。しかも、充填材の最大
曲げ強度が大きくなるにつれてフレームのエネルギ吸収
量も増加するが、最大曲げ強度が10MPa以上になる
とエネルギ吸収量の増加度合いは飽和する。換言すれ
ば、最大曲げ強度が10MPa以上であれば、ほぼ最大
値に近いエネルギ吸収量を得ることができるからであ
る。
【0010】また、更に、本願の第4の発明は、上記第
3の発明において、上記充填材は、平均圧縮強度が5M
Pa以上で、かつ最大曲げ強度が60MPa以上に設定
されていることを特徴としたものである。ここに、上記
充填材について、平均圧縮強度が5MPa以上で、かつ
最大曲げ強度が60MPa以上としたのは、以下の理由
による。すなわち、充填材の平均圧縮強度が特に5MP
a以上になれば、フレームのエネルギ吸収量の増加度合
いはより安定して飽和し、最大値に近いエネルギ吸収量
をより安定して得ることができるからであり、しかも、
充填材の最大曲げ強度が特に60MPa以上になれば、
フレームのエネルギ吸収量の増加度合いはより安定して
飽和し、最大値に近いエネルギ吸収量をより安定して得
ることができるからである。
【0011】また、更に、本願の第5の発明は、上記第
1〜第4の発明のいずれか一において、上記平均圧縮強
度は衝突荷重入力側についてのものであり、一方、上記
最大曲げ強度は反衝突荷重入力側についてのものである
ことを特徴としたものである。
【0012】また、更に、本願の第6の発明は、上記第
5の発明において、上記特性を有した異なる充填材を多
層構造として配設したことを特徴としたものである。
【0013】また、更に、本願の第7の発明は、上記第
1〜第6の発明のいずれか一において、上記充填材は、
密度が1.0[g/cm3]以下に設定されていることを
特徴としたものである。ここに、上記充填材の密度を
1.0[g/cm3]以下としたのは、フレーム断面内に
レインフォースメントを設けた場合に対し、1.0[g
/cm3]を越えると、軽量化およびコスト面から好ま
しくないからである。
【0014】また、更に、本願の第8の発明は、上記第
1〜第7の発明のいずれか一において、上記充填材は多
孔質の材料でなることを特徴としたものである。ここ
に、上記多孔質の材料には、発泡体は勿論のこと、これ
以外にも、例えば、金属等の焼結体,圧し固めたウッド
チップ,中空ビーズを混入させたものなど、多孔性を有
する種々の材料が含まれる。
【0015】また、更に、本願の第9の発明は、上記第
8の発明において、上記充填材はエポキシ樹脂であるこ
とを特徴としたものである。
【0016】また、更に、本願の第10の発明は、上記
第1〜第9の発明のいずれか一において、上記充填材
は、フレームの荷重支点間の長さに対して15%以上の
長さの範囲に充填されていることを特徴としたものであ
る。ここに、上記充填材の充填範囲を、フレームの荷重
支点間の長さに対して15%以上としたのは、充填材の
充填長さ範囲が大きくなるにつれて吸収エネルギが高く
なるが、約15%でほぼ飽和する。換言すれば、充填材
の充填長さ範囲が15%以上であれば、ほぼ最大値に近
いエネルギ吸収量を得ることができるからである。
【0017】また、更に、本願の第11の発明は、上記
第1〜第10の発明のいずれか一において、上記充填材
の反衝突荷重入力側には補強部材が配設されていること
を特徴としたものである。
【0018】また、更に、本願の第12の発明は、上記
第1〜第11の発明のいずれか一において、フレーム断
面内の少なくとも一部分に、該フレーム及び/又は充填
材を補強する補強部材が配設され、該補強部材は充填材
を保持する保持機能を備えていることを特徴としたもの
である。
【0019】また、更に、本願の第13の発明は、上記
第1〜第12の発明のいずれか一において、上記充填材
の反衝突荷重入力側には、フレーム断面を構成するパネ
ル材への電着工程において当該フレーム断面内及び/又
はその充填材配設部分から電着液を排出させるための排
出穴が設けられていることを特徴としたものである。
【0020】また、更に、本願の第14の発明は、上記
第1〜第13の発明のいずれか一において、上記フレー
ム断面を構成するパネル材の少なくとも一部分と上記充
填材層との間に、接着剤層が設けられていることを特徴
としたものである。
【0021】また、更に、本願の第15の発明は、上記
第14の発明において、記接着剤層は、上記充填材の衝
突荷重入力側と上記パネル材の少なくとも一部分との間
に設けられていることを特徴としたものである。
【0022】また、更に、本願の第16の発明は、上記
第14または第15の発明において、上記接着剤層は3
MPa以上の剪断接着強さを有していることを特徴とし
たものである。ここに、上記接着剤層の剪断接着強さを
3MPa以上としたのは、接着剤層の剪断接着強さが大
きくなるにつれてフレームが負担し得る最大曲げモーメ
ントも増加するが、剪断接着強さが3MPa以上になる
と最大曲げモーメントの増加度合いはそれまでに比べて
緩かになる。つまり、剪断接着強さが3MPa以上であ
れば、フレームが負担できる最大曲げモーメントを非常
に効果的に増大させ、高いエネルギ吸収能力を得ること
ができるからである。
【0023】また、更に、本願の第17の発明は、上記
第16の発明において、上記特性を備えつつ、上記充填
材自体が3MPa以上の剪断接着強さを有していること
を特徴としたものである。ここに、上記充填材自体の剪
断接着強さを3MPa以上としたのは、剪断接着強さが
大きくなるにつれてフレームが負担し得る最大曲げモー
メントも増加するが、剪断接着強さが3MPa以上にな
ると最大曲げモーメントの増加度合いはそれまでに比べ
て緩かになる。つまり、剪断接着強さが3MPa以上で
あれば、フレームが負担できる最大曲げモーメントを非
常に効果的に増大させ、高いエネルギ吸収能力を得るこ
とができるからである。
【0024】また、更に、本願の第18の発明は、上記
第8または第9の発明において、多孔質の孔を独立させ
て接着剤の密閉性を高めた構造としたことを特徴とした
ものである。
【0025】また、更に、本願の第19の発明は、上記
第1〜第18の発明のいずれか一において、上記車体の
フレームが、自動車の車体側部において上下に延びるピ
ラー部材,自動車の車体両側において前後に延びるフレ
ーム部材,左右のフレーム部材を連結する連結部材,ド
ア本体部の補強部材およびバンパの補強部材の少なくと
もいずれか一つに適用したことを特徴としたものであ
る。ここに、上記ピラー部材は、自動車の車体側部にお
いて上下に延びる、所謂、センターピラー,フロントピ
ラー,ヒンジピラー部,リヤピラーを含み、上記フレー
ム部材は、自動車の車体両側において前後に延びる、所
謂、サイドシル,リヤサイドフレーム及びフロントフレ
ームを含み、上記連結部材は、左右のフレーム部材を連
結する所謂クロスメンバを含み、上記ドア本体部の補強
部材は所謂インパクトバーを含み、また、上記バンパの
補強部材は所謂バンパレインフォースメントを含むもの
である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、添付図面を参照しながら説明する。まず、充填材そ
のものについて(つまりフレーム断面内に充填された状
態ではなく、充填材自体について)、その基礎的な物理
的および機械的特性を調べた。すなわち、表1に示す6
種類の材料について、各々その密度を調べるとともに、
その密度に対する圧縮強度および曲げ強度を試験によっ
て求めた。なお、上記密度は、いずれの材料について
も、室温(約20℃)における値を調べた。
【0027】各材料の仕様は以下の通りである。 ・発泡ウレタン樹脂:硬度[8kg/cm2] ・Al発泡体:アルミニウム発泡材 ・木材:松 ・エポキシ樹脂A ・エポキシ樹脂B ・Al塊:棒状のアルミニウム材 ・レインフォースメント:一般的にフレーム断面内に設
けられる鋼板(板厚1mmの鋼板SPC1−N)製の補
強材(レインフォースメント) 尚、上記レインフォースメントの密度は、後述する図7
に示すようなフレーム断面内に配設されたレインフォー
スメント重量と、当該レインフォースメント配設部分に
対応するフレームの容積から、フレーム内換算密度とし
て算出したものである。また、発泡ウレタンの平均圧縮
強度、並びにレインフォースメントの平均圧縮強度およ
び最大曲げ強度については、いずれも値が低すぎて計測
することができなかった。
【0028】
【表1】
【0029】各充填材の圧縮強度と密度との関係を調べ
るための充填材の単体圧縮試験は、以下のようにして行
った。すなわち、各材料の供試材を一辺30mmの立方
体に加工してそれぞれ試験片を作製し、これに対して一
方向から圧縮荷重を加え、図3において模式的に示すよ
うに、変位量(圧縮量)0〜8mmの範囲での、平均荷
重を求めて当該充填材の圧縮強度(平均圧縮強度)とし
た。また、各充填材の曲げ強度を調べるための充填材の
単体曲げ試験は、以下のようにして行った。すなわち、
各材料の供試材を、幅5cm×長さ15cm×厚さ1c
mの平板状に加工してそれぞれ試験片を作製し、各充填
材の試験片について、所謂オートグラフにて支点間距離
8cmで三点曲げ試験を行った。そして、その荷重−変
位線図から各充填材の曲げ強度を算出した。
【0030】上記表1の各充填材の密度のデータおよび
コスト,軽量化効果等から、車体フレームのフレーム断
面内に充填する充填材の密度としては、1.0[g/c
3]以下が適当であり、好ましくは、0.6[g/cm
3]以下であれば、さらに軽量化効果が期待できる。
【0031】次に、上記各充填材をフレームの所定部分
の内部空間に充填して、フレームの主としてエネルギ吸
収特性を評価する試験を行った。まず、フレームを構成
するパネル材としては、板厚1mmの鋼板SPC1−N
を用いた。この鋼板(SPC1−N)の機械的性質は、
以下の通りであった。 ・引張強さ:292[N/mm2] ・降伏点:147[N/mm2] ・伸び:50.4[%]
【0032】この鋼板を用いて、図7に示すように、片
側が開口した断面コ字状のパネル材Poと平板状のパネ
ル材Piとを片ハット状に組み合わせ、その重合部分L
fについて60mmピッチでスポット溶接を行って最終
的に組み立てた。尚、図7において仮想線で示すよう
に、フレーム断面内にレインフォースメントRfを配設
したものの場合、このレインフォースメントRfの材料
はフレームFRのパネル材Pi,Poの材料と同じもの
を用いた。この場合、レインフォースメントRfの両端
フランジ部分(不図示)は、両パネル材Pi,Poのフ
ランジ(重合部分Lf)に挟み込んだ上で、三枚重ねに
してスポット溶接で組み立てられる。
【0033】上記のフレームFRの所定部分の内部空間
に表1の各充填材をそれぞれ充填して各種の機械的試験
を行い、圧縮強度あるいは曲げ強度とエネルギ吸収性と
の関係を調べた。まず、フレームの静的三点曲げ試験を
実施した。図1は、フレームRfの静的三点曲げ試験を
行う試験装置を模式的に表した説明図である。また、図
6は、この静的三点曲げ試験装置の要部を拡大して示し
た説明図である。図7において実線で示される断面形状
を備えた所定長さのフレームFRの断面内に充填材Sを
Ef=50〜300mmの長さにわたって充填し、万能
試験機により、圧子Maを介してフレームFRの中央に
静的荷重Wsを加え図4に示すように、変位量0〜45
mmの範囲での荷重−変位を測定し、静的エネルギ吸収
量を求めた。
【0034】試験結果を図10〜図14のグラフに示
す。まず、図10は、充填材重量とエネルギ吸収量の関
係を表したものである。この図10において、黒丸印
(●)は木材を、黒四角印(■)はエポキシ樹脂Aを、
それぞれ充填した場合を示し、また、白三角印(△)は
鋼板レインフォースメント(板厚1.0mm)をフレー
ム断面内に設けた場合を示している。尚、白丸印(○)
は、板厚1.6mmの鋼板(SPC1−N)の場合を参
考までに示したものである。
【0035】このグラフ(図10)から良く分かるよう
に、木材およびエポキシ樹脂Aのいずれにおいても、充
填材Sの充填重量が増えるにつれて吸収エネルギが高く
なり、試験装置の両支点Msで支持されたフレーム部分
が潰れた状態で最大値を示した。また、木材やエポキシ
樹脂等の充填材Sを用いた場合、レインフォースメント
を設けただけの場合と比較して、同等のエネルギ吸収量
を得るのにはるかに少ない充填重量で済む。このよう
に、フレーム断面内に充填材Sを充填することにより、
レインフォースメントRfを設けただけの場合に比べ
て、フレームFRのエネルギ吸収性が大幅に向上するこ
とが確認できた。
【0036】また、図11は充填材Sの平均圧縮強度と
エネルギ吸収量の関係を表したもので、グラフの横軸は
対数目盛である。この測定においては、各充填材Sの充
填長さEfを50mmとした。充填長さがこの程度以下
の場合には、充填材Sはほとんど曲げ作用を受けること
はなく、そのエネルギ吸収性は圧縮強度との相関性が非
常に強くなる。尚、図11において、a1点,a2点,
a3点,a4点およびa5点は、ウレタン樹脂,Al発
泡体,木材,エポキシ樹脂AおよびAl塊についてのデ
ータであることをそれぞれ示している。
【0037】この図11のグラフから良く分かるよう
に、充填材Sの平均圧縮強度が大きくなるにつれてエネ
ルギ吸収量も増加するが、平均圧縮強度が4MPa以上
になるとフレームFRのエネルギ吸収量の増加度合いは
飽和する。換言すれば、平均圧縮強度が4MPa以上で
あれば、ほぼ最大値に近いエネルギ吸収量を得ることが
できる。特に、平均圧縮強度が5MPa以上になれば、
フレームFRのエネルギ吸収量の増加度合いはより安定
して飽和し、最大値に近いエネルギ吸収量をより安定し
て得ることができる。
【0038】更に、図12は充填材Sの最大曲げ強度と
エネルギ吸収量の関係を表したもので、また、図13は
上記図12のグラフにおける最大曲げ強度80MPa以
下の部分を拡大して示すグラフである。この測定におい
ては、各充填材Sの充填長さEfを100mmとした。
充填長さが100mm程度にまで増加すると、充填材の
曲げ強度もフレームFRのエネルギ吸収性の向上に大き
く寄与するようになる。尚、図12および図13におい
て、b1点,b2点,b3点およびb4点は、Al発泡
体,エポキシ樹脂A,木材およびAl塊のデータである
ことをそれぞれ示している。
【0039】これらのグラフから良く分かるように、充
填材Sの最大曲げ強度が大きくなるにつれてエネルギ吸
収量も増加するが、最大曲げ強度が10MPa以上にな
ると(特に図13参照)フレームFRのエネルギ吸収量
の増加度合いは飽和する。換言すれば、最大曲げ強度が
10MPa以上であれば、ほぼ最大値に近いエネルギ吸
収量を得ることができる。特に、最大曲げ強度が60M
Pa以上になれば、フレームFRのエネルギ吸収量の増
加度合いはより安定して飽和し、最大値に近いエネルギ
吸収量をより安定して得ることができる。
【0040】以上の静的エネルギ吸収性の試験におい
て、フレーム断面内に充填材が充填されていない場合に
は、図8に示すように、フレームFRは荷重Wsの入力
点で局部的に大きく変形する。これに対して、フレーム
断面内に充填材が充填されている場合には、図9に示す
ように、入力荷重Wsは、入力点だけでなく、長さEf
の範囲で充填された充填材Sを介してフレームFRの充
填部分周辺に分散されることになる。すなわち、充填材
Sを内部に充填することにより、フレームは、局部的に
大きな変形が生じることなく、広範囲にわたって変形す
ることになる。これにより、吸収エネルギも飛躍的に増
加するものと考えられる。尚、このときの充填材Sの単
体のエネルギ吸収量を計算によって求めると、全吸収エ
ネルギの7%以下であった。このことからも、充填材S
をフレームFR内に充填することによるエネルギ吸収性
の向上は、充填材S自体のエネルギ吸収性よりも、充填
材Sによる荷重分散効果が非常に大きく寄与しているこ
とが理解できる。
【0041】また、図10のグラフにおいて、特に、エ
ネルギ吸収量の上限を示す木材を充填したフレームにつ
いて、試験後のフレームの状態を目視観察すると、試験
装置の両支点Msで支持されたフレーム部分がほぼ完全
に潰れた状態となっていた。つまり、本フレームFRで
の最大のエネルギ吸収がこの支点Msによる支持部分の
潰れによるものであると考えられる。したがって、この
場合、充填材Sの役割は入力荷重Wsを支点部分に分散
させることにあると言える。
【0042】更に、充填長さEf=50mmで各充填材
をそれぞれ充填した各フレームについて、試験後のフレ
ーム断面の潰れ状態を目視観察すると、エネルギ吸収性
が比較的低いもの(レインフォースメントRfのみ,ウ
レタン樹脂およびAl発泡体)はフレーム断面が荷重入
力点でほぼ完全に潰れており、一方、エネルギ吸収性が
比較的高いもの(エポキシ樹脂,木材およびAl塊)は
フレーム断面は荷重入力点で余り潰れていなかった。こ
の荷重入力点でのフレーム断面の潰れは、充填材Sの圧
縮強度が大きく寄与しており、上述のように、充填材S
の平均圧縮強度が増すにつれてエネルギ吸収量が増加
し、約4MPaで飽和し、約5MPaでより安定して飽
和している(図11参照)。
【0043】このことから、断面の潰れはフレームのエ
ネルギ吸収性能に大きく影響しており、断面が潰れると
応力集中が生じて局部的な変形を加速し、フレームFR
の折れを招来して、十分なエネルギ吸収量を確保するこ
とができなくなるものと考えられる。フレームFR内に
充填された充填材Sへの圧縮荷重は、特に荷重入力側に
直接的に作用するので、充填材Sの平均圧縮強度は、特
に荷重入力側において上記断面の潰れを防ぐに足る値
(4MPa以上)に維持されることが好ましい。
【0044】また、上述のように、充填材Sの充填長さ
Efが一定以上長くなると、充填材Sの平均圧縮強度が
ほぼ同等であってもエネルギ吸収性に差が生じる。充填
材Sの充填長さEfを100mmとした場合においてエ
ネルギ吸収量が比較的低かったエポキシ樹脂Aを充填し
たフレームの断面を目視観察すると、充填材(エポキシ
樹脂)に割れが生じていた。この割れに対しては最大曲
げ強度が大きく影響しており、この最大曲げ強度が高く
なるにつれてエネルギ吸収量が増加し、約10MPaで
飽和し、約60MPaでより安定して飽和していた(図
12および図13参照)。フレームFR内に充填された
充填材Sへの曲げ荷重は、特に反荷重入力側に直接的に
作用するので、上記充填材Sの最大曲げ強度は、特に反
荷重入力側において上記充填材の割れを防ぐに足る値
(10MPa以上)に維持されることが好ましい。
【0045】尚、以上のことから、フレームFR内に充
填材Sを充填する場合、充填材Sを異なる充填材で成る
多層構造とし、荷重入力側には平均圧縮強度が所定値
(少なくとも4MPa)以上の充填材層を設け、反荷重
入力側には最大曲げ強度が所定値(少なくとも10MP
a)以上の充填材層を設けるようにすれば、非常に効率
良くフレームFRのエネルギ吸収性を高めることができ
る。
【0046】上述の静的三点曲げ試験に続いて、フレー
ムの動的三点曲げ試験を実施した。図2は、フレームF
Rの動的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に表した
説明図である。静的三点曲げ試験の場合と同様に、図7
において実線で示される断面形状を備えた所定長さのフ
レームFRのフレーム断面内に充填材を50〜300m
mの長さにわたって充填し、落錘Mbによりフレーム中
央部分に衝撃荷重Wdを与えた場合のフレームFRの変
形量を測定するとともに、衝撃荷重をロードセルMcで
測定し、図5に示すように、変位量0〜45mmの範囲
でのエネルギ吸収量を求めた。
【0047】図14は、充填材重量とエネルギ吸収量の
関係を表したものである。この図14において、黒丸印
(●)は木材を、黒四角印(■)はエポキシ樹脂Aをそ
れぞれ充填した場合を示している。このグラフ(図1
4)から良く分かるように、静的三点曲げ試験の場合と
同様に、木材およびエポキシ樹脂Aのいずれにおいて
も、充填材Sの充填量が増えるにつれて吸収エネルギが
高くなり、また、エネルギ吸収量の上限が認められ、そ
の値は約0.85KJであった。このように、動的荷重
Wdについても、フレーム断面内に充填材Sを充填する
ことにより、フレームFRのエネルギ吸収性が向上する
ことが確認できた。
【0048】また、静的荷重Wsの場合と動的荷重Wd
の場合とを比較すると、動的荷重Wdに対する方がエネ
ルギ吸収量は大きく、静的荷重Wsに対する場合の約
1.7倍であった。更に、以上で得られた静的荷重Ws
および動的荷重Wdそれぞれにおけるエネルギ吸収性の
データから、静的荷重Wsの場合と動的荷重Wdの場合
との比(静動比)を算出すると、非常に高い相関性が認
められた。したがって、静的荷重Wsにおけるエネルギ
吸収性について行った考察(充填材Sによる荷重分散効
果など)は、少なくとも基本的には、動的荷重Wdにお
けるエネルギ吸収性を取り扱う場合にも、適用すること
ができるものと考えられる。
【0049】図15は、上記動的三点曲げ試験におい
て、フレーム断面内にレインフォースメントRfのみが
設けられた場合に対するエネルギ吸収性の向上率と、充
填材Sの充填長さ範囲(荷重支点間距離に対する充填長
さ割合)との関係を示すグラフである。この図15にお
いて、白丸印(○)は木材を、白三角印(△)はエポキ
シ樹脂Aをそれぞれ充填した場合を示している。このグ
ラフ(図15)から良く分かるように、木材およびエポ
キシ樹脂のいずれにおいても、充填材Sの充填長さ範囲
が大きくなるにつれて吸収エネルギが高くなるが、約1
5%でほぼ飽和する。換言すれば、充填材Sの充填長さ
範囲が荷重支点間距離に対して15%以上あれば、ほぼ
最大のエネルギ吸収量を得ることができる。従って、充
填材Sの充填範囲としては、荷重支点間距離に対して1
5%以上であることが好ましい。
【0050】次に、以上のような充填材をフレーム断面
内に充填したフレームを、自動車の車体に適用する場合
について説明する。図16は自動車の車体構造を示す斜
視図であるが、かかる構造の車体1に、前方もしくは後
方または側方からの衝突があった場合(図16における
矢印Af,Ar,As参照)、衝突方向に応じて車体各部
のフレームに衝突荷重が入力される。例えば車体側方か
らの衝突(いわゆる側突)があった場合には、特に、車
体側部中央において上下に延びる所謂センターピラー2
に大きな衝突荷重が作用するので、その付け根部分の折
れやベルトライン部分の折れによるセンターピラー2の
車室側への侵入を防止することがが乗員保護の上で重要
である。従って、センターピラー2については、これら
の部分に充填材を充填して衝突エネルギの吸収性を高め
ることが求められる。
【0051】また、車体に後方からの衝突(いわゆる後
突)があった場合には、特に、車体後部において前後方
向に延びるリヤサイドフレームの折れ、特に、図17お
よび図18に示すように、その屈曲部3aでの折れが生
じ易く、リヤサイドフレーム3についてはこの屈曲部3
aに充填材を充填して衝突エネルギの吸収性を高めるこ
とが求められる。すなわち、図18に示すように、リヤ
サイドフレーム3のアウタパネル3Poとインナパネル
3Piとで形成されるフレーム断面内において、上記屈
曲部3aに対応する部分に充填材3Sを充填して、フレ
ーム3のエネルギ吸収性を高めることが求められる。
尚、図18において符号3Rfは、リヤサイドフレーム
3の断面内に配設されるレインフォースメントである。
さらに、車体側部の前側において上下に延びるヒンジピ
ラー4についても、その付け根部分が折れ易く、充填材
により補強することが好ましい。更に、車室フロア部の
両側部において前後に延びるサイドシル5、及び車室ル
ーフ部の両側部において前後に延びるルーフサイドレー
ル6などについても、特に他のフレーム材との結合部お
よびその近傍に充填材を充填して補強することが好まし
い。
【0052】上記センターピラー2について、車体側方
からの衝突(いわゆる側突)があった場合には、このセ
ンターピラー2のベルトライン部分あるいはその近傍に
対して直接に大きな衝突荷重が作用するが、この場合、
センターピラー2の付け根に対しては、片持ち梁の場合
と類似した荷重モードの曲げモーメントとして作用す
る。この曲げモーメントによるフレーム(センターピラ
ー2)の折損を防止するために充填材を適用する必要が
ある。本願発明者は、フレーム断面内に充填材を充填す
る際に、フレームを構成するパネル材の少なくとも一部
分と充填材との間に接着剤層を介在させることにより、
フレームが耐え得る最大曲げモーメントおよびエネルギ
吸収性を大幅に高めることができることを見出した。
【0053】図19は、フレームの静的片持ち曲げ試験
を行う試験装置を模式的に表した説明図である。図20
に示される断面形状を備えた所定長さのフレームFRの
断面内に充填材Sを充填した上で、このフレームFRの
一端を支持板Meに固定し、この支持板Meを装置基盤
Mfに固定する。そして、万能試験機により、フレーム
FRの他端近傍に圧子Mdを介して静的荷重Wmを加
え、変位および曲げ角度と荷重との関係を測定し、最大
曲げモーメント及び静的エネルギ吸収量を求めた。
【0054】図21は、種々の充填材を充填したフレー
ムの曲げ角度と曲げモーメントとの関係を示すグラフで
ある。このグラフにおいて、a〜eの各曲線はそれぞれ
以下の充填材を適用したフレームの特性を示している。 ・曲線a:充填材なし(鋼板フレームのみ) ・曲線b:エポキシ樹脂A ・曲線c:エポキシ樹脂B ・曲線d:エポキシ樹脂BでフレームFRのパネル材P
o又はPiとの間に接着剤(剪断強度7.3MPaの車
体シーラ)を適用 ・曲線e:木材(松)
【0055】この図21のグラフから分かるように、い
ずれの曲線についても、曲げ角度がある程度に達するま
では、曲げモーメント値は曲げ角度の増加に伴って立ち
上がるように大きく上昇する。そして、曲線a〜c及び
曲線eについては、それぞれある曲げ角度でピーク(極
大点)を迎え、その後は曲げ角度が増すにつれて曲げモ
ーメントは低下する。曲線a(充填材なしで鋼板フレー
ムのみ)の場合、この低下度合いが特に大きい。
【0056】これに対して、曲線d(エポキシ樹脂B+
接着剤)の場合には、曲げモーメントが大きく上昇した
後でも、曲げ角度の増加に対して曲げモーメントの落ち
込みは見られず、高い曲げモーメント値を維持してい
る。また、最大曲げモーメント値も5つの曲線のうちで
最も大きい。同じ充填材(エポキシ樹脂B)を用いた曲
線cと比較して、曲げ角度の増加に対する傾向および最
大曲げモーメントの大きさの両方について、明確な差が
ある。すなわち、同じ充填材を用いても、この充填材を
フレームのパネル材に対して接着剤で固定することによ
り、フレームの曲げモーメント特性が大きく向上するこ
とが分かる。
【0057】また、図22は、図21と同様の種々の充
填材を充填したフレームの最大曲げモーメント[Nm]
及びエネルギ吸収量[J]を示す棒グラフである。この
グラフにおいて、A〜Eの各欄はそれぞれ以下の充填材
を適用したフレームの特性を示している。また、各欄に
おいて、左側の数値(白抜きの棒グラフ)がフレームの
最大曲げモーメント[Nm]を示し、右側の数値(斜線
ハッチングの棒グラフ)はフレームのエネルギ吸収量
[J]を示している。 ・A欄:充填材なし(鋼板フレームのみ) ・B欄:エポキシ樹脂A ・C欄:エポキシ樹脂B ・D欄:エポキシ樹脂B+接着剤(充填材がエポキシ樹
脂BでフレームFRのパネル材Po又はPiとの間に接
着剤(剪断強度7.2MPaの車体シーラ)を適用した
もの) ・E欄:木材(松)
【0058】この図22のグラフから良く分かるよう
に、フレームのエネルギ吸収量は、エポキシ樹脂B+接
着剤(D欄)を適用したものが最も大きく、同じ充填材
(エポキシ樹脂B)を用いたC欄のエネルギ吸収量と比
べて明確な差がある。すなわち、同じ充填材を用いて
も、この充填材をフレームのパネル材に対して接着剤で
固定することにより、フレームのエネルギ吸収特性が大
きく向上することが分かる。
【0059】図23は、接着剤層の剪断接着強さと最大
曲げモーメントとの関係を示すグラフである。この図2
3のグラフから良く分かるように、接着剤層の剪断接着
強さが大きくなるにつれて最大曲げモーメントも増加す
るが、剪断接着強さが3MPa以上になると、最大曲げ
モーメントの増加度合い(グラフにおける曲線の勾配)
は、それまでに比べて緩やかになる。つまり、接着剤層
の剪断接着強さが3MPa以上であれば、フレームが負
担できる最大曲げモーメントを非常に効果的に増加さ
せ、十分な曲げモーメント値を達成して高いエネルギ吸
収能力を得ることが可能である。従って、接着剤層の剪
断接着強さとしては、3MPa以上であれば良い。ま
た、剪断接着強さが更に大きくなり、7MPa以上にな
ると最大曲げモーメントの増加度合いは飽和する。換言
すれば、剪断接着強さが7MPa以上であれば、ほぼ最
大値に近い曲げモーメント値を得ることができる。従っ
て、接着剤層の剪断接着強さが7MPa以上であること
が更に好ましい。尚、充填材自体が接着性を有している
場合には、別途に接着剤を用いることなく、その接着性
を利用してそのままフレームのパネル材に接着固定させ
ても良い。この場合においても、剪断接着強さが3MP
a以上であることが好ましく、7MPa以上であること
が更に好ましい。
【0060】次に、以上のような特性を備えた主として
発泡性の充填材を自動車の車体フレームに充填する場合
の具体例について説明する。図24は、図16に示した
ような車体の製造工程の概略を示すとともに、例えばエ
ポキシ樹脂Bでなる発泡性の充填材を車体フレームに適
用する場合の充填作業を示す工程説明図である。この図
に示すように、工程#1のプレス加工で形成された各鋼
板部材は組立工程#2及び#3でサブアッセンブリされ
るが、これらの組立工程#2及び#3で必要箇所に充填
材(例えばエポキシ樹脂B:発泡温度150〜170℃
程度)が充填される(矢印参照)。この充填材は、工程
#4及び#5で車体全体の組立を終えた後、工程#6の
電着工程において電着塗膜を乾燥させる際に、その乾燥
温度で発泡硬化する。尚、電着工程の後の塗装工程#7
でも塗装後の乾燥が行われるので、この乾燥時に発泡硬
化させることもできる。
【0061】図25は、車体フレーム内へのエポキシ樹
脂等の発泡性の充填材の適用を、例えばセンターピラー
を例にとって詳しく示す工程説明図である。また、図2
6および図27は、センターピラーのベルトライン近傍
を示す縦断面説明図である。更に、図28(a)〜図2
8(e)は、このセンターピラー断面内に充填材をセッ
トする際の詳細な工程を示す工程説明図である。これら
の図に示すように、鋼板をプレス成形して得られたサイ
ドフレームアウタ部品(フレームのアウタパネル),レ
インフォース部品(レインフォースメント)及びインナ
部品(フレームのインナパネル)を組み立てる際には、
まず、サイドフレームアウタ部品(フレームFRのアウ
タパネルPo:図28(a)参照)に未発泡の充填材S
aをセット(図28(b)参照)した後、レインフォー
スメントRfを組み付ける(工程#11;図28(c)
参照)。
【0062】そして、このレインフォースメントRfの
内側に未発泡の充填材Sbをセット(図28(d)参
照)した上で、インナパネルPiを組み立ててフレーム
FRを構成する(工程#12;図28(e)参照)。
尚、上記エポキシ樹脂は、未発泡状態では粘土状で、ア
ウタパネルPoあるいはレインフォースメントRf上に
容易にセットすることができる。これにより、図26に
示すように、フレーム断面内に未発泡の充填材So(S
a+Sb)が充填される。そして、この充填材Soを発
泡硬化させることにより、図27に示すように、所定箇
所に発泡硬化した充填材Sが充填されてなるフレームF
Rが形成されることになる。
【0063】以下に、本実施の形態に係る充填材をフレ
ーム断面内の少なくとも一部分に充填されてなるフレー
ム構造の具体例について説明する。 具体例1:具体例1は、充填材の反衝突荷重入力側に補
強部材が配設されているものである。図29および図3
0は、自動車の車体フレームとしての例えば所謂センタ
ーピラーのフレーム構造を示すものである。すなわち、
これらの図に示すように、本具体例に係るフレームFR
1では、フレーム断面内に、荷重Wの入力側においてア
ウタパネルPoと平行に配設された鋼板製レインフォー
スメントRfとは別に、反荷重入力側に例えば線状(ワ
イヤ状)の補強材K1が複数配設されている。これら複
数のワイヤ状補強材K1は、より好ましくはステンレス
鋼製で、インナパネルPiと平行に(つまり、荷重入力
方向と垂直に)延びている。このように、レインフォー
スメントRf及びワイヤ状補強材K1を配置した上で、
フレーム断面内に充填材S1として例えばエポキシ樹脂
が充填されている。
【0064】上記ワイヤ状補強材K1は、具体的には、
例えば、未発泡未硬化の充填材S1を所定厚さのシート
状に形成し、このシート状充填材S1にフレームの長手
方向に延びるようにセットされる。必要に応じて更にシ
ート状充填材S1を積層し、補強材K1のセットが繰り
返して行われる。そして、その後、充填材S1(例えば
エポキシ樹脂)を発泡させることにより、図29及び図
30に示すようなフレーム構造が得られる。図31は、
この具体例1の変形例に係るフレームFR2を示してい
る。この変形例では、充填材S2の反衝突荷重入力側に
配設される補強材として、例えばステンレス鋼製のネッ
ト(網)状のシートK2が用いられている。尚、この代
わりに、多孔状のシート材を用いても良く、また、ワイ
ヤ状の補強線材を交差させてクロスネット状に配置する
ようにしても良い。
【0065】本具体例では、以上のように充填材S1,
S2の反衝突荷重入力側に補強部材K1,K2を配設し
たことにより、充填材S1,S2の反衝突荷重入力側の
曲げ強度を高めることができる。これにより、充填材S
1,S2の充填長さをある程度以上長く設定した場合で
も、衝突荷重Wが作用した際に充填材S1,S2に割れ
が生じることを抑制でき、フレームFR1,FR2のエ
ネルギ吸収能力をより一層高めることができるのであ
る。
【0066】具体例2:この具体例2は、フレーム断面
内に配設された補強材に充填材を保持する機能を併せて
付与したフレーム構造を示すものである。すなわち、図
32に示すように、本具体例に係るフレームFR3で
は、フレーム断面内のアウタ側(つまり荷重入力側)
に、断面が略コ字形をなすボックス状の補強部材K3が
配設されている。この補強部材K3は、荷重入力側にお
いてアウタパネルPo及びレインフォースメントRfと
略平行に延びる本体部K3aとこれに垂直な(つまり荷
重入力方向と略平行な)一対の縦壁部K3bとで構成さ
れている。そして、充填材S3はこの略コ字形のボック
ス状補強部材K3の内部に保持されている。この補強部
材K3は、予めアウタ側のパネル材(つまりレインフォ
ースメントRf)に溶接または接着によって接合され、
この接合体に対して充填材S3がセットされる。あるい
は、補強部材K3に充填材S3をセットした上で、これ
をレインフォースメントRfに接合するようにしても良
い。
【0067】このように、本具体例では、フレーム断面
内に上記補強部材K3を配設したことによってフレーム
FR3及び充填材S3の特にアウタ側部分が補強され
る。そして、この補強部材K3に充填材S3が保持され
ている。すなわち、フレームFR3及び充填材S3の補
強機能と充填材S3の保持機能とを一つの部材K3で行
わせることができるので、フレームFR3の構造の簡素
化および軽量化を図りつつ、上記両機能を実現すること
ができる。
【0068】図33は、具体例2の変形例に係るフレー
ムFR4を示している。この変形例では、断面が略L字
形をなす補強部材K4がフレーム断面内のアウタ側(つ
まり荷重入力側)に配設されている。この補強部材K4
は、荷重入力側においてアウタパネルPoと略平行に延
びる本体部K4aとこれに垂直な(つまり荷重入力方向
と略平行な)縦壁部K4bとで構成されている。そし
て、充填材S4はこの略L字状断面の内部に保持されて
いる。
【0069】図34および図35は、具体例2の他の変
形例に係るフレームFR5,FR6を示している。これ
らの変形例では、フレーム断面内のインナ側(つまり反
荷重入力側)に補強部材K5,K6がそれぞれ配設され
ている。すなわち、フレームFR5では、フレーム断面
内のインナ側(つまり反荷重入力側)に、断面が略コ字
形をなすボックス状の補強部材K5が配設されている。
この補強部材K5は、反荷重入力側においてインナパネ
ルPiと略平行に延びる本体部K5aとこれに垂直な
(つまり荷重入力方向と略平行な)一対の縦壁部K5b
とで構成されており、充填材S5はこの略コ字形のボッ
クス状補強部材K5の内部に保持されている。また、フ
レームFR6では、フレーム断面内のインナ側(つまり
反荷重入力側)に、断面が略L字形をなす補強部材K6
が配設されている。この補強部材K6は、反荷重入力側
においてインナパネルPiと略平行に延びる本体部K6
aとこれに垂直な(つまり荷重入力方向と略平行な)縦
壁部K6bとで構成されており、充填材S6はこの略L
字状断面の内部に保持されている。
【0070】尚、上記他の変形例(図34および図35
の変形例)では、補強部材K5,K6により、フレーム
FR5,FR6及び/又は充填材S5,S6のインナ側が
補強されることになる。また、補強部材K5,K6のイ
ンナパネルPiへの固定方法は、図32の例において補
強部材K3をアウタ側のパネル材(レインフォースメン
トRf)に接合固定する場合と同様である。
【0071】具体例3 この具体例3は、フレーム断面を構成するパネル材への
電着工程において当該フレーム断面内及び/又はその充
填材配設部分から電着液を排出させるための排出穴が設
けられたフレーム構造を示すものである。すなわち、図
36および図37に示すように、本具体例に係るフレー
ムFR7では、フレーム断面内に充填された充填材S7
のインナ側(つまり反荷重入力側)に、インナパネルP
iに接するようにしてフレーム長手方向に延びる穴部H
d(ドレン穴)が例えば複数設けられている。
【0072】このドレン穴Hdは、フレーム断面を構成
するインナパネルPi及びアウタパネルPo並びにレイ
ンフォースメントRfに電着塗装を施す電着工程におい
て、フレーム断面内及び/又はその充填材S7を充填し
た部分から電着液を排出させるためのもので、樹脂製ま
たは鋼製のパイプをインナパネルPiの組付前に充填材
S7のインナ側(反荷重入力側)にセットしておき、そ
の後、充填材S7を発泡硬化させることにより、インナ
パネルPiにほぼ接するように形成される。電着工程で
フレームFR7内に適用された電着液は、上記充填材S
7が発泡硬化した際でも、上記ドレン穴Hdを介して流
れることができるので、この充填材S7によってその前
後が堰止められることはなく、また、充填材S7の充填
部分に溜まることもない。更に、上記ドレン穴Hdは反
荷重入力側においてフレーム長手方向に沿って延びるパ
イプ材で形成されているので、充填材S7の反荷重入力
側は補強されて曲げ強度が向上する。尚、このようにパ
イプ材を用いる代わりに、多孔質の例えば樹脂をインナ
側に配設するようにしても良い。
【0073】このように、本具体例では、充填材S7に
上記ドレン穴Hdを設けたので、このドレン穴Hdから
フレーム断面内及び/又はその充填材S7を充填した部
分から支障なく電着液を排出させることができる。ま
た、上記ドレン穴Hdは充填材S7の反荷重入力側に設
けられるので、ドレン穴Hdをフレーム長手方向に沿っ
て延びるパイプ材で形成することにより、充填材S7の
反荷重入力側を補強して曲げ強度を高めることができ
る。これにより、充填材S7の充填長さをある程度以上
長く設定した場合でも、衝突荷重が作用した際に充填材
S7に割れが生じることを抑制でき、フレームFR7の
エネルギ吸収能力をより一層高めることができるのであ
る。
【0074】具体例4 この具体例4は、フレーム断面を構成するパネル材の少
なくとも一部分と充填材層との間に接着剤層が設けられ
たフレーム構造を示すものである。すなわち、図38
(a)〜図38(e)に示すように、まずアウタパネル
Poの内面側に接着剤を塗布した上で、未発泡の充填材
S8a(例えばエポキシ樹脂)をセットする(図38
(b))。そして、充填材S8aの内方にレインフォー
スメントRfを組み付け(図38(c))、次に、レイ
ンフォースメントRfの内外面に接着剤を塗布した上
で、未発泡の充填材S8b(例えばエポキシ樹脂)をセ
ットする。尚、レインフォースメントRfの内外面に予
め接着剤を塗布した上で、当該レインフォースメントR
fの組付を行うようにしても良い。
【0075】そして、インナパネルPiの内面側に接着
剤を塗布した上で、当該インナパネルPiを組み付けて
フレームFR8を構成する。尚、このとき、インナパネ
ルPi側に接着剤を塗布する代わりに、充填材S8b側
に接着剤を塗布するようにしても良い。インナパネルP
iに電着液が適用されることを勘案すれば、接着剤は充
填材S8b側に塗布することが好ましい。その後、例え
ば電着工程における乾燥時に上記充填材S8a及びS8
bを発泡硬化させることにより、所定箇所に発泡硬化し
た充填材が充填されてなるフレームFR8が形成される
ことになる。この充填材の発泡硬化により、充填材は各
パイプ材に対して強固に接着固定される。上記接着剤と
しては種々のものが適用できるが、本実施の形態では、
例えば、165℃に加熱後、20分間冷却硬化させた後
における剪断接着強さが約7MPaの熱硬化性のものを
用いた。
【0076】このように、本具体例では、フレーム断面
を構成するパネル材の少なくとも一部分と充填材層とが
接着剤により接着固定されるので、接着剤を適用するだ
けの簡単な構成で、フレームFR8の当該充填材が充填
された部分の剛性を高めることができる。特に、上記充
填材がフレームFR8の曲げモーメントが作用する部分
に充填されている場合には、充填材が接着剤を用いてパ
ネル材に接着固定されているので、簡単な構成で、フレ
ームFR8が負担し得る最大曲げモーメント値を高め、
エネルギ吸収能力を向上させることができるのである。
更に、充填材の衝突荷重入力側とパネル材(インナパネ
ルPi)の少なくとも一部分との間に上記接着剤層が設
けられているので、上記充填材の衝突荷重入力側の圧縮
強度を高めることができ、フレームFR8の断面の潰れ
を有効に抑制してエネルギ吸収能力をより向上させるこ
とが可能になる。
【0077】具体例5 この具体例5は、フレーム断面を構成するパネル材の少
なくとも一部分と充填材層との間に接着剤層が設けられ
たフレーム構造の他の具体例を示すものである。すなわ
ち、図39(a)〜図39(e)に示すように、この具
体例では、まず、アウタパネルPoとレインフォースメ
ントRfとが所定箇所f9で接着剤により接着固定され
る(図39(b))。このとき、所謂センターピラーの
場合には衝突荷重が入力されるベルトライン及びその近
傍を接着することが好ましい。次に、レインフォースメ
ントRfの内面側に接着剤を塗布(図39(c))した
上で充填材S9をセットする(図39(d))。そし
て、インナパネルPiの内面側に接着剤を塗布した上
で、当該インナパネルPiを組み付けてフレームFR9
を構成する(図39(e))。尚、このとき、インナパ
ネルPi側に接着剤を塗布する代わりに、充填材S9側
に接着剤を塗布するようにしても良い。
【0078】この具体例では、アウタパネルPoとレイ
ンフォースメントRfとが所定箇所f9(特に荷重入力
点あるいはその近傍)で接着剤により接着固定されるの
で、この部分のフレーム剛性および充填材S9の衝突荷
重入力側の圧縮強度を高めることができ、フレームFR
9の断面の潰れを有効に抑制してエネルギ吸収能力をよ
り向上させることが可能になる。尚、接着剤としては上
記具体例4と同様のものが適用できる。
【0079】具体例6 この具体例6は、フレーム断面を構成するパネル材への
電着工程においてパネル材内面に電着液が支障なく流通
できるようにしたフレーム構造を示すものである。図4
0および図41に示すように、本具体例に係るフレーム
FR10では、フレーム断面内のインナ側(つまり反荷
重入力側)に、インナパネルPiに接するようにして、
フレーム長手方向に延びる棒状部材B1が例えば複数設
けられている。この棒状部材B1は、例えば樹脂製また
は鋼製で、未発泡の充填材S10の反荷重入力側におい
て、インナパネルPi側に突出し、該インナパネルPi
に接するようにしてセットされている。
【0080】すなわち、充填材S10は上記棒状部材B
1を介してインナパネルPiに対して所定の隙間を隔て
た状態で、かつレインフォースメントRfに対しても一
定の隙間を隔てた状態で、換言すれば、フレーム断面内
で浮いた状態でセットされており、パネル材への電着工
程においてパネル材内面に電着液が支障なく流通でき
る。そして、その後、充填材S10を発泡硬化させるこ
とにより、フレーム断面内が充填材S10でほぼ満たさ
れるようになっている。この場合、充填材S10の反荷
重入力側がフレーム長手方向に延びる棒状部材B1で補
強されることになるので、充填材S10の曲げ強度が向
上し、エネルギ吸収能力も高められることになる。
【0081】具体例7 この具体例7も、具体例6と同じく、フレーム断面を構
成するパネル材への電着工程においてパネル材内面に電
着液が支障なく流通できるようにしたフレーム構造を示
すものである。すなわち、図42および図43に示すよ
うに、本具体例に係るフレームFR11では、フレーム
断面内にパネル材に垂直な(つまり荷重入力方向の)一
対の矩形状の板材B2(支持板)が配設され、この支持
板B2間に未発泡の充填材S11がセットされている。
この一対の支持板B2に両端が支持された例えば複数の
棒状部材B3が設けられており、上記未発泡の充填材S
11は、この棒状部材B3に巻き付けるようにしてセッ
トされている。また、上記各支持板B2の4隅にはイン
ナ側またはアウタ側にそれぞれ突き出す脚部B2aが設
けられており、各脚部B2aがインナパネルPiまたは
レインフォースメントRfと当接することにより、これ
らパネル材Pi,Rfとの間で所定以上の間隙を保持す
るようになっている。
【0082】換言すれば、充填材S11はフレーム断面
内で浮いた状態でセットされており、パネル材への電着
工程においてパネル材内面に電着液が支障なく流通でき
る。そして、その後、充填材S11を発泡硬化させるこ
とにより、フレーム断面内が充填材S11でほぼ満たさ
れるようになっている。この場合にも、フレーム長手方
向に延びる棒状部材B3を充填材S11の反荷重入力側
にできるだけ近い側に取り付けることにより、充填材S
11の反荷重入力側が棒状部材B3で補強され、充填材
S11の曲げ強度が向上し、エネルギ吸収能力が高めら
れることになる。
【0083】具体例8 この具体例8は、フレーム断面内の充填材の充填状況を
フレーム外部から確認できるようにしたフレーム構造を
示すものである。すなわち、図44および図45に示す
ように、本具体例に係るフレームFR12では、インナ
パネルPiに検査用の穴部Hiが設けられている。この
検査用穴部Hiは、例えば約5mmの直径を有し、充填
材S12が充填される部分に対応した箇所に設けられて
いる。従って、発泡性の充填材S12が発泡硬化した際
には、充填度合いが十分なものであれば、この穴部Hi
から充填材が盛り上がるので確認ができる。尚、エポキ
シ樹脂などの発泡性充填材の場合、直径が5〜7mm程
度以下の穴であれば、この穴部から充填材が漏れ出すこ
とはない。尚、上記穴部Hiから充填材S12発泡時の
エア抜きを行うこともできる。
【0084】具体例9 この具体例9は、パネル材に突起部を設けて充填材を保
持させるようにしたフレーム構造を示すものである。す
なわち、図46および図47に示すように、本具体例に
係るフレームFR13では、レインフォースメントRf
の内面側に多数の突起部Rfaが設けられている。これ
ら突起部Rfaは、より好ましくは、レインフォースメ
ントRf内面に対して垂直ではなく、フレームFR13
が車体に取り付けられた状態で斜め上方に伸びるように
設けられている。そして、充填材13は、その荷重入力
側を上記突起部Rfaに係止された状態で、レインフォ
ースメントRfに保持されている。従って、充填材S1
3がフレームFR13内で下方(図における右方)に脱
落することはない。この構造は、特に別部材を設けるこ
となく(つまり、構造の複雑化を招くことなく)、充填
材S13をフレーム断面内に保持できるもので、エポキ
シ樹脂等の発泡性充填材を未発泡状態で保持する場合の
他、木質系の充填材を保持する場合に特に有効である。
【0085】具体例10 この具体例10は、充填材とパネル材との間に発泡材を
セットし、この発泡材によって充填材をパネル材に対し
て保持固定するようにしたフレーム構造を示すものであ
る。すなわち、図48および図49に示すように、本具
体例に係るフレームFR14では、例えば木質系の充填
材S14aとインナパネルPi及びレインフォースメン
トRfとの間に発泡性の充填材S14bを未発泡状態で
セットしておき、この未発泡の充填材S14bを発泡硬
化させることにより、充填材S14aがインナパネルP
iとレインフォースメントRfとの間に保持固定されて
いる。この場合にも、特に別部材を設けることなく(つ
まり、構造の複雑化を招くことなく)、充填材S14a
をフレーム断面内に保持することができる。
【0086】具体例11 この具体例11は、発泡性の充填材の見かけ上の発泡倍
率を下げることにより、充填材を目的とする部位に安定
して充填を行うことができるようにしたフレーム構造を
示すものである。すなわち、図50および図51に示す
ように、本具体例に係るフレームFR15では、発泡性
(例えばエポキシ樹脂)の充填材S15aを予め発泡硬
化させた状態でフレームFR15内に配置し、その発泡
硬化済みの充填材S15aとインナパネルPi及びレイ
ンフォースメントRfとの間に未発泡状態の発泡性(例
えばエポキシ樹脂)の充填材S15bをセットしてお
き、この未発泡の充填材S15bを例えば電着工程にお
ける乾燥時に発泡硬化させることにより、充填材S15
aがインナパネルPiとレインフォースメントRfとの
間に保持固定される。このとき、電着乾燥工程では、後
からセットした未発泡の充填材S15bのみが発泡する
ので、充填材全体が発泡する場合に比べて、見かけ上の
発泡倍率は非常に低くなる。
【0087】充填材の発泡倍率がある程度以上高い場合
には、フレーム形状によっては、フレーム内の本来目的
とする部位に充填材を十分に充填できないことがある
が、本具体例のように見かけ上の発泡倍率を下げること
により、目的とする部位への安定した充填を行うことが
できるのである。尚、見かけ上の発泡倍率を下げる方法
としては、充填材を予め低温で発泡させておき、その低
温発泡状態で充填材をフレーム断面内にセットし、その
後に高温で(例えば、電着乾燥工程で)最終発泡させ、
100%の発泡倍率を得るようにしても良い。この場
合、最終発泡工程での見かけ上の発泡倍率は、予め低温
で発泡させた分だけ低下する。
【0088】具体例12 この具体例12は、充填材をフレーム断面内で所定の支
持部材で支持することにより、フレーム断面を構成する
パネル材への電着工程においてパネル材内面に電着液が
支障なく流通できるようにしたフレーム構造を示すもの
である。すなわち、図52および図53に示すように、
本具体例に係るフレームFR16では、フレーム断面内
にパネル材と垂直な(つまり荷重入力方向の)一対の矩
形状の縦壁部B6とインナパネルPiに平行な板状の本
体部B7とでなるボックス状の支持部材B5が設けら
れ、未発泡状態の発泡性充填材S16(例えばエポキシ
樹脂)がこの支持部材B5の内部にセットされる。
【0089】上記各縦壁部B6の4隅にはインナ側また
はアウタ側にそれぞれ突き出す脚部B6aが設けられて
おり、荷重入力側の各脚部B6aがレインフォースメン
トRfと当接することにより、未発泡の充填材S16と
レインフォースメントRf及びインナパネルPiとの間
に所定以上の間隙が保持されている。従って、パネル材
Pi,Po及びRfへの電着工程においてパネル材内面
に電着液が支障なく流通できる。そして、その後、充填
材S16を発泡硬化させるようになっている。
【0090】図54〜図56は具体例12の変形例を示
している。この変形例に係るフレームFR17では、支
持部材B5の本体部B7に、所定以上の直径を有する多
数の穴をあけた多孔部B7hが設けられている。そし
て、未発泡の充填材S17が発泡硬化する際には、充填
材S17が上記多孔部B7hの穴部からインナ側に充填
されることにより、フレームFR17のアウタ側のみな
らずインナ側にも支障なく充填材S17が充填されるこ
とになる。尚、この場合、充填材S17の反荷重入力側
が支持部材B5の本体部B7で補強されるので、充填材
S17の曲げ強度が向上し、フレームFR17のエネル
ギ吸収能力が高められることになる。
【0091】具体例13 この具体例13は、フレームのパネル材に例えばナット
等を埋め込んで開口部を設ける場合に、この開口部が充
填材で閉塞されることを防止するようにしたフレーム構
造を示すものである。従来例に係るフレームでは、図5
7に示すように、フレームFR18'のインナパネルP
i'にナットNt'を固定した場合、充填材S18'の発
泡硬化に伴って充填材S18'がナット穴Hn'内に侵入
してこの穴部Hn'を塞いでしまうことになる。
【0092】本具体例に係るフレームFR18では、図
58に示すように、ナットNtの反インナパネルPi側
に充填材侵入防止用の例えば紙製あるいはビニール系の
シート材B8が配設されている。従って、充填材S18
を発泡硬化させた際に、この発泡した充填材S18がナ
ット穴Hn内に侵入して来ることはない。また、図59
は具体例13の変形例を示している。この変形例に係る
フレームFR19では、ナットNtの反インナパネルP
i側に充填材侵入防止用の例えば樹脂製のキャップ材B
9が配設されており、このキャップ材B9により、充填
材S19の侵入が防止される。
【0093】具体例14 この具体例14は、木質系充填材中に発泡性材料を含侵
させておき、この発泡性材料を発泡させることによって
充填材をフレームに固定するようにしたフレーム構造を
示すものである。すなわち、図60(a)〜図60
(d)に示すように、本具体例に係るフレームFR20
では、まず、フレームの充填部位の形状に合わせた例え
ば松あるいは杉などの木質系充填材S20を約1mm程
度の厚さにスライスし(図60(a))、このようにス
ライス加工した複数の木質系材料S20を、例えばエポ
キシ樹脂系あるいはフェノール樹脂系の接着剤で接着し
て積層する。そして、これを乾燥させた後、発泡性成分
を含んだ例えばエポキシ樹脂系あるいはフェノール樹脂
系の樹脂槽B10内に侵漬する(図60(b))。この
とき、必要に応じて圧力を加えて樹脂の木質系充填材S
20内への含侵を促進する。
【0094】このようにして発泡性材料を含侵させた木
質系充填材S20をフレームFR20内にセットし、こ
れを例えば電着塗装して乾燥させる。この乾燥により、
木質系充填材S20内に含侵した発泡成分が発泡し、充
填材S20がインナパネルPi及びレインフォースメン
トRfに対して密着し固定される(図60(c)及び図
60(d))。この場合には、特に接着剤を使用する必
要なしに、木質系充填材S20内に含侵した発泡成分に
よって、充填材S20をフレームFR20のパネル材
(インナパネルPi及びレインフォースメントRf)に
対して密着固定することができるのである。
【0095】具体例15 この具体例15は、フレームの曲げモーメントが集中的
に作用する部分に充填材を充填して補強するようにした
フレーム構造を示すものである。すなわち、図61に示
すように、本具体例に係る例えばリヤサイドフレームと
されたフレームFR21では、その屈曲部にインナパネ
ルPi21との間で閉断面を形成する補強部材B21が
固定されており、その閉断面内に多孔質の充填材として
例えば発泡性の充填材S21(例えばエポキシ樹脂)が
充填されている。
【0096】この補強部材B21は、フレームFR21
を補強するとともに、充填材S21の保持機能を有する
ものである。フレームFR21の曲げモーメントが集中
的に作用する部分の断面内に、上記のような補強部材B
21を設けて充填材S21を保持させることにより、フ
レームFR21が負担し得る最大の曲げモーメント値を
大幅に向上させることが可能となる。
【0097】具体例16 この具体例16は、多孔質の孔を独立させて接着剤の密
閉性を高めた構造としたものである。すなわち、図62
および図63に示すように、本具体例に係るフレームF
R22では、インナパネルPiとレインフォースメント
Rfとで形成される閉断面内に多孔質の充填材S22が
充填されるが、この充填材22では、レインフォースメ
ントRfに対応する面に独立した複数の孔部Shが設け
られている。そして、充填材22は接着剤層Adにより
レインフォースメントRfの内面に接着固定される。こ
のように、多孔質体(充填材S22)の孔部Shを独立
させることにより、荷重入力時に孔部分から割れが発生
することを抑制し、同時に、接着剤Adの接着面積を増
大させることで接着剤の密着性を高め、より安定した接
着力を得ることができる。この結果、フレームFR22
が負担できる曲げモーメント値の向上効果を安定して得
ることができ、エネルギ吸収能力を向上させることが可
能になる。
【0098】具体例17 この具体例17は、本願において開示した平均圧縮強度
特性または最大曲げ強度特性を有した異なる充填材を多
層構造として配設したフレーム構造を示すものである。
すなわち、図64および図65に示すように、本具体例
に係るフレームFR23では、本願において開示した最
大曲げ強度特性として10MPa以上の最大曲げ強度を
有した充填材(第1充填材)を所定厚さの板状に形成し
たものS23a(第1充填材層)と、本願において開示
した平均圧縮強度特性として4MPa以上の平均圧縮強
度を有した充填材(第2充填材)を所定厚さの板状に形
成したものS23b(第2充填材層)とがそれぞれ複数
枚用意され、これら板状の充填材層S23a,S23b
が、フレームFR23のインナパネルPiとレインフォ
ースメントRfとで形成される閉断面内に、例えば交互
に積層して充填されている。尚、この場合、上記第1充
填材の平均圧縮強度は4MPa未満であり、また、第2
充填材の最大曲げ強度は10MPa未満である。
【0099】このように、10MPa以上の最大曲げ強
度を有した第1充填材層S23aと4MPa以上の平均
圧縮強度を有した第2充填材層S23bとを多層にして
積み重ねることにより、個々のものとしては一方の特性
しか有していない充填材S23a,S23bを用いて、
全体としては上記両方の特性(つまり、最大曲げ強度が
10MPa以上で、かつ、平均圧縮強度が4MPa以
上)を備えた充填材を得ることができる。尚、第1充填
材層S23aの最大曲げ強度を60MPa以上、第2充
填材層S23bの平均圧縮強度を5MPa以上に設定し
て、より高い特性を得るようにしても良い。また、上記
のように強度特性が異なる充填材S23a,S23bを
板状にして積層する代わりに、いずれか一方の充填材を
棒状にして他方の充填材と組み合わせ積層するようにし
ても良い。
【0100】具体例18 この具体例18は、本願において開示した平均圧縮強度
特性または最大曲げ強度特性を有した異なる充填材を2
層構造としてフレームの荷重入力側と反荷重入力側とに
配設したフレーム構造を示すものである。図66および
図67に示すように、本具体例に係るフレームFR24
では、図66において矢印で示された方向から荷重が入
力されるが、フレームFR24の荷重入力側と反荷重入
力側とで強度特性の異なる充填材が配設されている。す
なわち、反荷重入力側には最大曲げ強度特性のより優れ
た充填材S24aが、荷重入力側には平均圧縮強度特性
のより優れた充填材S24bがそれぞれ配設されてい
る。反荷重入力側の充填材S24aは、本願において開
示した最大曲げ強度特性として10MPa以上の最大曲
げ強度を有し、荷重入力側の充填材S24bは、本願に
おいて開示した平均圧縮強度特性として4MPa以上の
平均圧縮強度を有している。
【0101】このように、フレームFR24の反荷重入
力側に10MPa以上の最大曲げ強度を有した第1の充
填材層S24aを設け、荷重入力側に4MPa以上の平
均圧縮強度を有した第2の充填材層S24bを配するこ
とにより、容易かつ確実に、フレームFR24の荷重入
力側および反荷重入力側それぞれに対して最も効果的な
強度特性を付与することができる。尚、第1の充填材層
S24aの最大曲げ強度を60MPa以上、第2の充填
材層S24bの平均圧縮強度を5MPa以上に設定し
て、より高い特性を得るようにしても良い。
【0102】尚、上記実施の形態は、車体フレームとし
て、自動車の車体側部において上下に延びる所謂センタ
ーピラーを主として例にとって説明したものであった
が、本発明は、かかる場合に限らず、自動車の車体側部
において上下に延びる他のピラー部材(例えば、フロン
トピラー,ヒンジピラー部,リヤピラー等),自動車の
車体両側において前後に延びるフレーム部材(例えば、
サイドシル,リヤサイドフレーム及びフロントフレーム
等),左右のフレーム部材を連結する連結部材(例え
ば、所謂クロスメンバ等),ドア本体部の補強部材(例
えば、所謂インパクトバー等)およびバンパの補強部材
(例えば、所謂バンパレインフォースメント等)など、
他の車体フレームに対しても有効に適用することができ
るものである。このように、本発明は、以上の実施態様
に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲
において、種々の改良あるいは設計上の変更が可能であ
ることは言うまでもない。
【0103】
【発明の効果】本願の第1の発明によれば、上記充填材
は平均圧縮強度が4MPa以上または最大曲げ強度が1
0MPa以上に設定されているので、平均圧縮強度が4
MPa以上であることにより、フレームが荷重入力点お
よびその近傍で局部的に大きく変形して断面の潰れが生
じることを抑制し、入力荷重をフレームの支持部分に有
効に分散して高いエネルギ吸収能力を得ることができ
る。または、最大曲げ強度が10MPa以上であること
により、フレームが荷重入力点およびその近傍で局部的
に大きく変形した場合でも、充填材の割れ発生を抑制
し、フレームが脆性的に折損することを防止するととも
に、入力荷重をフレームの支持部分に有効に分散して高
いエネルギ吸収能力を得ることができる。
【0104】また、本願の第2の発明によれば、基本的
には、上記第1の発明と同様の効果を奏することができ
る。特に、上記充填材は平均圧縮強度が5MPa以上ま
たは最大曲げ強度が60MPa以上に設定されているの
で、第1の発明と同様の効果をより安定して得ることが
できる。
【0105】更に、本願の第3の発明によれば、上記充
填材は平均圧縮強度が4MPa以上で、かつ最大曲げ強
度が10MPa以上に設定されているので、平均圧縮強
度が4MPa以上であることにより、フレームが荷重入
力点およびその近傍で局部的に大きく変形して断面の潰
れが生じることを抑制し、入力荷重をフレームの支持部
分に有効に分散して高いエネルギ吸収能力を得ることが
できる。かつ、最大曲げ強度が10MPa以上であるこ
とにより、フレームが荷重入力点およびその近傍で局部
的に大きく変形した場合でも、充填材の割れ発生を抑制
し、フレームが脆性的に折損することを防止するととも
に、入力荷重をフレームの支持部分に有効に分散して高
いエネルギ吸収能力を得ることができる。
【0106】また、更に、本願の第4の発明によれば、
基本的には、上記第3の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記充填材は、平均圧縮強度が5MP
a以上で、かつ最大曲げ強度が60MPa以上に設定さ
れているので、第3の発明と同様の効果をより安定して
得ることができる。
【0107】また、更に、本願の第5の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第4の発明のいずれか一と同様
の効果を奏することができる。特に、上記平均圧縮強度
は衝突荷重入力側についてのものであり、一方、上記最
大曲げ強度は反衝突荷重入力側についてのものであるの
で、主として荷重入力側に直接的に作用する圧縮荷重を
有効に負担し、かつ、主として反荷重入力側に直接的に
作用する曲げ荷重を有効に負担することができる。すな
わち、フレームの荷重入力側および反荷重入力側それぞ
れに対して最も効果的な特性を付与し、効率的な補強を
行うことができる。
【0108】また、更に、本願の第6の発明によれば、
基本的には、上記第5の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記特性を有した異なる充填材を多層
構造として配設したので、上記平均圧縮強度を有した充
填材層と上記最大曲げ強度を有した充填材層とを多層に
して積み重ねることにより、全体として上記両方の特性
を備えた充填材を得ることができる。また、フレームの
荷重入力側に上記平均圧縮強度を有した充填材層を設
け、反荷重入力側に上記最大曲げ強度を有した充填材層
を配することにより、容易かつ確実に、フレームの荷重
入力側および反荷重入力側それぞれに対して最も効果的
な特性を付与することができる。
【0109】また、更に、本願の第7の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第6の発明のいずれか一と同様
の効果を奏することができる。しかも、その上、上記充
填材の密度を1.0[g/cm3]以下としたので、軽量
で、かつ高いエネルギ吸収能力を得ることができる。
【0110】また、更に、本願の第8の発明によれば、
基本的には、上記第1〜第7の発明のいずれか一と同様
の効果を奏することができる。特に、上記充填材を多孔
質の材料としたので、フレーム内への充填が容易で、し
かも、軽量でかつ高いエネルギ吸収能力をを得ることが
できる。
【0111】また、更に、本願の第9の発明によれば、
基本的には、上記第8の発明と同様の効果を奏すること
ができる。特に、上記充填材をエポキシ樹脂としたの
で、該樹脂の発泡性を利用して、フレーム断面内への充
填作業を容易かつ確実に行うことができる。
【0112】また、更に、本願の第10の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第9の発明のいずれか一と
同様の効果を奏することができる。特に、上記充填材は
フレームの荷重支点間の長さに対して15%以上の長さ
の範囲に充填されているので、入力荷重をその入力点側
からフレーム内に有効に分散して高いエネルギ吸収能力
を得ることができる。
【0113】また、更に、本願の第11の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第10の発明のいずれか一
と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、
充填材の反衝突荷重入力側に補強部材を配設したので、
当該充填材の反衝突荷重入力側の曲げ強度を高めること
ができる。これにより、例えば充填材の充填長さをある
程度以上長く設定した場合でも、フレームに衝突荷重が
作用した際に充填材に割れが生じることを抑制でき、フ
レームのエネルギ吸収能力をより一層高めることができ
る。
【0114】また、更に、本願の第12の発明によれ
ば、基本的には、上記第11の発明と同様の効果を奏す
ることができる。しかも、その上、フレーム及び/又は
充填材の補強機能と充填材の保持機能とを一つの部材で
行わせることができるので、フレームの構造の簡素化お
よび軽量化を図りつつ、上記両機能を実現することがで
きる。
【0115】また、更に、本願の第13の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第12の発明のいずれか一
と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、
充填材に上記排出穴を設けたので、この排出穴からフレ
ーム断面内及び/又はその充填材を充填した部分から支
障なく電着液を排出させることができる。また、上記排
出穴は充填材の反荷重入力側に設けられるので、該穴を
フレーム長手方向に沿って延びる部材で形成することに
より、充填材の反荷重入力側を補強して曲げ強度を高め
ることができる。これにより、充填材の充填長さをある
程度以上長く設定した場合でも、衝突荷重が作用した際
に充填材に割れが生じることを抑制でき、フレームのエ
ネルギ吸収能力をより一層高めることができる
【0116】また、更に、本願の第14の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第13の発明のいずれか一
と同様の効果を奏することができる。しかも、その上、
フレーム断面を構成するパネル材の少なくとも一部分と
充填材層とが接着剤により接着固定されるので、接着剤
を適用するだけの簡単な構成で、フレームの当該充填材
が充填された部分の剛性を高めることができる。特に、
上記充填材がフレームの曲げモーメントが作用する部分
に充填されている場合には、充填材が接着剤を用いてパ
ネル材に接着固定されているので、簡単な構成で、フレ
ームが負担し得る最大曲げモーメント値を高め、エネル
ギ吸収能力を向上させることができる。
【0117】また、更に、本願の第15の発明によれ
ば、基本的には、上記第14の発明と同様の効果を奏す
ることができる。特に、充填材の衝突荷重入力側とパネ
ル材の少なくとも一部分との間に上記接着剤層が設けら
れているので、上記充填材の衝突荷重入力側の剛性を高
めるとともに、入力荷重の確実な分散を図ることがで
き、フレームの断面の潰れを抑制してエネルギ吸収能力
をより向上させることが可能になる。
【0118】また、更に、本願の第16の発明によれ
ば、基本的には、上記第14または第15の発明と同様
の効果を奏することができる。特に、上記接着剤層の剪
断接着強さを3MPa以上としたので、フレームが負担
できる最大曲げモーメント値を非常に効果的に増大させ
ることができ、高いエネルギ吸収能力を得ることができ
る。
【0119】また、更に、本願の第17の発明によれ
ば、基本的には、上記第16の発明と同様の効果を奏す
ることができる。特に、充填材自体の剪断接着強さを3
MPa以上としたので、フレームが負担できる最大曲げ
モーメント値を非常に効果的に増大させることができ、
高いエネルギ吸収能力を得ることができる。
【0120】また、更に、本願の第18の発明によれ
ば、基本的には、上記第8または第9の発明と同様の効
果を奏することができる。特に、多孔質の孔を独立させ
て接着剤の密閉性を高めた構造としたので、より効果的
な接着が可能となり、フレームが負担し得る最大曲げモ
ーメント値を安定して高められ、エネルギ吸収能力を向
上させることができる。
【0121】また、更に、本願の第19の発明によれ
ば、基本的には、上記第1〜第18の発明のいずれか一
と同様の効果を奏することができる。特に、自動車の車
体側部において上下に延びるピラー部材(例えば、セン
ターピラー,フロントピラー,ヒンジピラー部,リヤピ
ラー等),自動車の車体両側において前後に延びるフレ
ーム部材(例えば、サイドシル,リヤサイドフレーム及
びフロントフレーム等),左右のフレーム部材を連結す
る連結部材(例えば、所謂クロスメンバ等),ドア本体
部の補強部材(例えば、所謂インパクトバー等)および
バンパの補強部材(例えば、所謂バンパレインフォース
メント等)の少なくともいずれか一つに適用することに
より、当該車体フレームのエネルギ吸収能力を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態に係る車体フレームの静
的三点曲げ試験を行う試験装置を模式的に表した説明図
である。
【図2】 上記フレームの動的三点曲げ試験を行う試験
装置を模式的に表した説明図である。
【図3】 充填材の平均圧縮強度を説明するためにフレ
ームの静的圧縮荷重−変位曲線を模式的に示したグラフ
である。
【図4】 充填材の最大曲げ強度を説明するためにフレ
ームの静的曲げ荷重−変位曲線を模式的に示したグラフ
である。
【図5】 充填材の動的エネルギ吸収特性を説明するた
めにフレームの動的曲げ荷重−変位曲線を模式的に示し
たグラフである。
【図6】 図1の静的三点曲げ試験の要部を拡大して示
す説明図である。
【図7】 上記三点曲げ試験に用いた車体フレームの断
面構造を示す説明図である。
【図8】 充填材なしのフレームの変形モードの一例を
模式的に示す説明図である。
【図9】 充填材入りのフレームの変形モードの一例を
模式的に示す説明図図である。
【図10】 充填材重量とフレームの静的エネルギ吸収
量の関係を示すグラフである。
【図11】 充填材の平均圧縮強度とフレームの静的エ
ネルギ吸収量の関係を示すグラフである。
【図12】 充填材の最大曲げ強度とフレームの静的エ
ネルギ吸収量の関係を示すグラフである。
【図13】 図12のグラフの要部を拡大して示すグラ
フである。
【図14】 充填材重量とフレームの動的エネルギ吸収
量の関係を示すグラフである。
【図15】 動的三点曲げ試験における充填長さ範囲と
エネルギ吸収性の向上率との関係を示すグラフである。
【図16】 自動車の車体構造の一例を示す斜視図であ
る。
【図17】 上記車体が後方から衝突された際のリヤサ
イドフレームへの衝突荷重の入力モードを示す説明図で
ある。
【図18】 上記車体のリヤサイドフレームの図17の
状態における部分縦断面説明図である。
【図19】 車体フレームの静的片持ち曲げ試験を行う
試験装置を模式的に表した説明図である。
【図20】 上記片持ち曲げ試験に用いた車体フレーム
の断面構造を示す説明図である。
【図21】 上記片持ち曲げ試験における各種充填材入
りフレームの曲げ角度と曲げモーメントの関係を示すグ
ラフである。
【図22】 上記片持ち曲げ試験における各種充填材入
りフレームの最大曲げモーメントとエネルギ吸収量を示
すグラフである。
【図23】 接着剤層の剪断接着強さと最大曲げモーメ
ントとの関係を示すグラフである。
【図24】 自動車の車体の製造工程を概略的に示す工
程説明図である。
【図25】 上記車体のフレーム内への充填材の適用工
程を概略的に示す工程説明図である。
【図26】 充填された発泡性充填材が未発泡状態であ
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図27】 上記充填材が発泡した後の上記車体フレー
ムの断面構造を示す説明図である。
【図28】(a) 上記車体のフレーム内への充填材の
適用工程を概略的に示す工程説明図の一部で、フレーム
のアウタパネルの断面説明図である。 (b) 上記工程説明図の一部で、アウタパネルの内面
に充填材を固定した状態を示す断面説明図である。 (c) 上記工程説明図の一部で、充填材の内方にレイ
ンフォースメントを配置した状態を示す断面説明図であ
る。 (d) 上記工程説明図の一部で、レインフォースメン
トの内面に充填材を固定した状態を示す断面説明図であ
る。 (e) 上記工程説明図の一部で、フレーム組立完了状
態を示す断面説明図である。
【図29】 本発明の実施の形態における具体例1に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図30】 上記図29におけるY30−Y30線に沿
った断面説明図である。
【図31】 上記具体例1の変形例に係る車体フレーム
についての図30と同様の断面説明図である。
【図32】 本発明の実施の形態における具体例2に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図33】 上記具体例2の変形例に係る車体フレーム
の断面構造を示す説明図である。
【図34】 上記具体例2の他の変形例に係る車体フレ
ームの断面構造を示す説明図である。
【図35】 上記具体例2の更に他の変形例に係る車体
フレームの断面構造を示す説明図である。
【図36】 本発明の実施の形態における具体例3に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図37】 上記図36におけるY37−Y37線に沿
った断面説明図である。
【図38】(a) 本発明の実施の形態における具体例
4に係る車体のフレーム内への充填材の適用工程を概略
的に示す工程説明図の一部で、フレームのアウタパネル
の断面説明図である。 (b) 上記工程説明図の一部で、アウタパネルの内面
に充填材を接着固定した状態を示す断面説明図である。 (c) 上記工程説明図の一部で、充填材の内方にレイ
ンフォースメントを配置した状態を示す断面説明図であ
る。 (d) 上記工程説明図の一部で、レインフォースメン
トの内面に充填材を接着固定した状態を示す断面説明図
である。 (e) 上記工程説明図の一部で、フレーム組立完了状
態を示す断面説明図である。
【図39】(a) 本発明の実施の形態における具体例
5に係る車体のフレーム内への充填材の適用工程を概略
的に示す工程説明図の一部で、フレームのアウタパネル
の断面説明図である。 (b) 上記工程説明図の一部で、アウタパネルの内側
にレインフォースメントを接合した状態を示す断面説明
図である。 (c) 上記工程説明図の一部で、レインフォースメン
トの内面に接着剤層を設けた状態を示す断面説明図であ
る。 (d) 上記工程説明図の一部で、レインフォースメン
トの内面に充填材を接着固定した状態を示す断面説明図
である。 (e) 上記工程説明図の一部で、フレーム組立完了状
態を示す断面説明図である。
【図40】 本発明の実施の形態における具体例6に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図41】 上記図36におけるY41−Y41線に沿
った断面説明図である。
【図42】 本発明の実施の形態における具体例7に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図43】 上記車体フレームを図42におけるY43
−Y43方向から見て示した矢視図である。
【図44】 本発明の実施の形態における具体例8に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図45】 上記図44におけるY45−Y45線に沿
った断面説明図である。
【図46】 本発明の実施の形態における具体例9に係
る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図47】 上記図46におけるY47−Y47線に沿
った断面説明図である。
【図48】 本発明の実施の形態における具体例10に
係る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図49】 上記図48におけるY49−Y49線に沿
った断面説明図である。
【図50】 本発明の実施の形態における具体例11に
係る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図51】 上記図50におけるY51−Y51線に沿
った断面説明図である。
【図52】 本発明の実施の形態における具体例12に
係る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図53】 上記車体フレームを図52におけるY53
−Y53方向から見て示した矢視図である。
【図54】 本発明の実施の形態における具体例12の
変形例に係る車体フレームの充填材未発泡状態における
断面構造を示す説明図である。
【図55】 上記変形例に係る車体フレームを図54に
おけるY55−Y55方向から見て示した矢視図であ
る。
【図56】 上記変形例に係る車体フレームの充填材発
泡後の状態における断面構造を示す説明図である。
【図57】 本発明の実施の形態における具体例13に
対する従来例に係る車体フレームの要部の断面構造を示
す説明図である。
【図58】 上記具体例13に係る車体フレームの要部
の断面構造を示す説明図である。
【図59】 上記具体例13の変形例に係る車体フレー
ムの要部の断面構造を示す説明図である。
【図60】(a) 本発明の実施の形態における具体例
14に係る車体フレーム内への充填材の適用工程を概略
的に示す工程説明図の一部で、スライス状態の充填材を
示す断面説明図である。 (b) 上記工程説明図の一部で、積層された充填材の
樹脂侵漬状態を示す断面説明図である。 (c) 上記工程説明図の一部で、樹脂侵漬された充填
材のフレーム内への組付完了状態を示す断面説明図であ
る。 (d) 上記工程説明図の一部で、上記図60(c)に
おけるY60−Y60線に沿った断面説明図である。
【図61】 本発明の実施の形態における具体例15に
係る車体フレームの要部の断面構造を示す説明図であ
る。
【図62】 本発明の実施の形態における具体例16に
係る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図63】 上記図62におけるY63−Y63線に沿
った断面説明図である。
【図64】 本発明の実施の形態における具体例17に
係る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図65】 上記図64におけるY65−Y65線に沿
った断面説明図である。
【図66】 本発明の実施の形態における具体例18に
係る車体フレームの断面構造を示す説明図である。
【図67】 上記図66におけるY67−Y67線に沿
った断面説明図である。
【符号の説明】
1…自動車の車体 2…センターピラー 3…リヤサイドフレーム FR,FR1〜FR24…フレーム Hd…排出穴 K1〜K6…補強部材 Pi…インナパネル Po…アウタパネル Rf…レインフォースメント S,Sa,Sb,So,S1〜S7,S8a,S8b,S9
〜S13,S14a,S14b,S15a,S15b,S
16〜S22,S23a,S23b,S24a,S24b
…充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 幸男 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フレーム断面内の少なくとも一部分に充
    填材が充填されてなる車体のフレーム構造であって、 上記充填材は、平均圧縮強度が4MPa以上または最大
    曲げ強度が10MPa以上に設定されていることを特徴
    とする車体のフレーム構造。
  2. 【請求項2】 上記充填材は、平均圧縮強度が5MPa
    以上または最大曲げ強度が60MPa以上に設定されて
    いることを特徴とする請求項1記載の車体のフレーム構
    造。
  3. 【請求項3】 フレーム断面内の少なくとも一部分に充
    填材が充填されてなる車体のフレーム構造であって、 上記充填材は、平均圧縮強度が4MPa以上で、かつ最
    大曲げ強度が10MPa以上に設定されていることを特
    徴とする車体のフレーム構造。
  4. 【請求項4】 上記充填材は、平均圧縮強度が5MPa
    以上で、かつ最大曲げ強度が60MPa以上に設定され
    ていることを特徴とする請求項3記載の車体のフレーム
    構造。
  5. 【請求項5】 上記平均圧縮強度は衝突荷重入力側につ
    いてのものであり、一方、上記最大曲げ強度は反衝突荷
    重入力側についてのものであることを特徴とする請求項
    1〜請求項4のいずれか一に記載の車体のフレーム構
    造。
  6. 【請求項6】 上記特性を有した異なる充填材を多層構
    造として配設したことを特徴とする請求項5記載の車体
    のフレーム構造。
  7. 【請求項7】 上記充填材は、密度が1.0[g/c
    3]以下に設定されていることを特徴とする請求項1
    〜請求項6のいずれか一に記載の車体のフレーム構造。
  8. 【請求項8】 上記充填材は多孔質の材料でなることを
    特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一に記載の車
    体のフレーム構造。
  9. 【請求項9】 上記充填材はエポキシ樹脂であることを
    特徴とする請求項8記載の車体のフレーム構造。
  10. 【請求項10】 上記充填材は、フレームの荷重支点間
    の長さに対して15%以上の長さの範囲に充填されてい
    ることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか一に
    記載の車体のフレーム構造。
  11. 【請求項11】 上記充填材の反衝突荷重入力側には、
    補強部材が配設されていることを特徴とする請求項1〜
    請求項10のいずれか一に記載の車体のフレーム構造。
  12. 【請求項12】 フレーム断面内の少なくとも一部分
    に、該フレーム及び/又は充填材を補強する補強部材が
    配設され、該補強部材は充填材を保持する保持機能を備
    えていることを特徴とする請求項1〜請求項11記載の
    車体のフレーム構造。
  13. 【請求項13】 上記充填材の反衝突荷重入力側には、
    フレーム断面を構成するパネル材への電着工程において
    当該フレーム断面内及び/又はその充填材配設部分から
    電着液を排出させるための排出穴が設けられていること
    を特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか一に記載
    の車体のフレーム構造。
  14. 【請求項14】 上記フレーム断面を構成するパネル材
    の少なくとも一部分と上記充填材層との間に、接着剤層
    が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項1
    3のいずれか一に記載の車体のフレーム構造。
  15. 【請求項15】 上記接着剤層は、上記充填材の衝突荷
    重入力側と上記パネル材の少なくとも一部分との間に設
    けられていることを特徴とする請求項14記載の車体の
    フレーム構造。
  16. 【請求項16】 上記接着剤層は3MPa以上の剪断接
    着強さを有していることを特徴とする請求項14または
    請求項15に記載の車体のフレーム構造。
  17. 【請求項17】 上記特性を備えつつ、上記充填材自体
    が3MPa以上の剪断接着強さを有していることを特徴
    とする請求項16に記載の車体のフレーム構造。
  18. 【請求項18】 多孔質の孔を独立させて接着剤の密閉
    性を高めた構造としたことを特徴とする請求項8または
    請求項9に記載の車体のフレーム構造。
  19. 【請求項19】 上記車体のフレームを、自動車の車体
    側部において上下に延びるピラー部材,自動車の車体両
    側において前後に延びるフレーム部材,左右のフレーム
    部材を連結する連結部材,ドア本体部の補強部材および
    バンパの補強部材の少なくともいずれか一つに適用した
    ことを特徴とする請求項1〜請求項18のいずれか一に
    記載の車体のフレーム構造。
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