JPH11277885A - 記録媒体及びインクジェット記録方法 - Google Patents

記録媒体及びインクジェット記録方法

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JPH11277885A
JPH11277885A JP10087102A JP8710298A JPH11277885A JP H11277885 A JPH11277885 A JP H11277885A JP 10087102 A JP10087102 A JP 10087102A JP 8710298 A JP8710298 A JP 8710298A JP H11277885 A JPH11277885 A JP H11277885A
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kenaf
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JP10087102A
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Hitoshi Yoshino
斉 芳野
Yuji Kondo
祐司 近藤
Masako Ichioka
正子 市岡
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基紙表面にインク受容層を設け、且つ裏面に
各種印刷模様が設けられていても、裏面の印刷層の影響
を受けることなく良好な印字が可能である記録媒体、及
び該記録媒体を用いるインクジェット記録方法を提供す
ること。 【解決手段】 ケナフパルプを含む基紙の少なくとも一
方の面に、顔料を含むインク受容層が設けられ、該基紙
の他方の面に裏面印刷が施されていることを特徴とする
記録媒体、及び該記録媒体を使用するインクジェット記
録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケナフ紙の有する
自然の風合いを保持し、且つ画像特性に優れた記録媒
体、及び該記録媒体を用いてインクを液滴として飛翔さ
せて記録するインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来技術】インクジェット記録方式は、種々の作動原
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録媒体
に付着させ、画像、文宇等の記録を行なうものである
が、高速印字、低騒音での稼働が可能で、多色化が容易
であり、更に記録パターンの融通性が高く、現像定着工
程が不要である等の特徴がある。そして、近年では、文
字を含めた各種の図形からなるモノクロ画像の記録用と
しては勿論のこと、フルカラー画像の記録用としても広
く用いられている。又、その用途も、事務機器用にとし
てだけでなく、工業用或いは芸術作品の作成用等、種々
の用途に用いられ、急速に普及している。
【0003】又、インクジェット記録方式で使用される
記録媒体の主成材料についても、通常の木材パルプから
なるコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙は勿論の
こと、画像形成層を表面に有する各種のコート紙や、合
成樹脂からなるOHP用透明フィルム、各種の繊維で形
成されている布帛等、多種のものが用いられている。こ
れらの中でも、近年のパーソナルコンピュータの普及
や、事務のOA化に伴って普通紙の使用量の増大は目覚
ましい。
【0004】これに伴ってインクジェット記録方式に用
いられる記録媒体についても、インクの高速吸収性や高
い吸収容量、或いは印字した場合における画像濃度や印
字品位の向上、更には印字物の耐水性の向上等が要求さ
れるようになってきている。このような要請に対して、
特開昭55−51583号公報に、非晶質シリカと高分
子バインダーからなる被覆層が、水性インクによる印字
に対して高いインク吸収性を示し高速印字に適している
との開示がある。従って、かかる被覆層をインクジェッ
ト用記録媒体のインク受容層として適用することは有効
であると思われる。
【0005】以上の如くインク受容層を設けた記録媒
体、特に普通紙を基材とした記録媒体を使用する場合に
は、インク受容層を有する面に記録を行なうことが当然
であるが、インク受容層は基紙の表面との区別が困難で
あり、表裏を間違えて使用し記録媒体をロスする場合が
ある。このような表裏の間違いを防ぐためには、インク
受容層が形成されていない裏面に視認し易いマーク、例
えば、「裏面」の文字やその他の標識等の各種印刷を印
刷しておくことによって容易に解決される。これらの印
刷を行なう場合には、印刷枚数が多数枚である場合に
は、オフセット印刷やグラビア印刷によって高速印刷さ
れる。この場合に使用される印刷インクは通常非水性イ
ンク又は油性インクである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】以上のように基紙の裏
面に印刷を施した記録媒体にインクジェット記録を行な
うと、インクジェット用インクは通常水性インクであ
り、該水性インクの吸収によって画像が定着される。こ
の場合、裏面に油性インクによる印刷層が存在する領域
においては、上記の水性インクの吸収が不十分となり、
形成される画像に濃度ムラや滲みが発生するという問題
が生じる。又、裏面印刷がベタ印刷や全面印刷の場合に
は、裏面からの水分の蒸発が抑制されることから、記録
媒体に付与された水性インクの乾燥が不十分であり、印
字物に指触した場合や、印字物を重ねた場合には印字画
像が汚染される等の問題がある。又、裏面印刷がパター
ン状であり、インクジェットによる印字も大面積である
場合には、裏面の印刷層の影響で表面の印字画像の濃淡
が乱れ、印字品位が低下するという問題がある。
【0007】従って、本発明は、基紙表面にインク受容
層を設け、且つ裏面に各種印刷模様が設けられていて
も、裏面の印刷層の影響を受けることなく良好な印字が
可能である記録媒体、及び該記録媒体を用いるインクジ
ェット記録方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、ケナフパルプを
含む基紙の少なくとも一方の面に、顔料を含むインク受
容層が設けられ、該基紙の他方の面に印刷層が施されて
いることを特徴とする記録媒体、及び該記録媒体を使用
するインクジェット記録方法を提供する。本発明によれ
ば、記録媒体の基紙として、ケナフパルプを含む基紙を
用いることによって前記従来技術の課題が解決される。
即ち、ケナフパルプを含む基紙は通常、嵩高く、インク
収容量が多く且つインク吸収性が高く且つ厚みが大であ
るので、該基紙の裏面に油性インクによる印刷層が形成
されていても、表面から付与される水性インクの吸収及
び定着に悪影響を及ぼすことがなく、裏面に印刷層が形
成されていない場合と同様に優れた高品位画像の形成が
可能である。従って本発明の記録媒体は、その使用に際
して表裏を間違えることがなく、又、裏面に各種の印刷
が施されている化粧紙であっても、その表面に高品位の
印字画像が形成可能である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を詳細に説明する。先ず、本発明に用いる基紙に
ついて説明する。該基紙は、ケナフパルプを原料とし、
これが含有されているものであれば、いずれのものでも
よい。従って、ケナフパルプのみをパルプ原料とするも
のでもよいし、ケナフパルプと木材パルプ等の他の種類
のパルプとから構成されているものでもよい。ケナフ
は、木質部と靭皮部とからなるが、その木質部と靭皮部
とでは特性が多少異なっており、木質部からなる木質パ
ルプは、繊維は短くてリグニン量が多いのに対し、靭皮
部からなる靭皮パルプは、繊維は長くてリグニン量が少
ない。これらの木質部と靭皮部を一緒にパルプ化した場
合は、これらの中間の特性を持つパルプになる。
【0010】本発明においては、いずれのケナフパルプ
を用いることもできるが、特に木質パルプに、所望する
特性に応じて適宜に靭皮パルプを含有させたケナフパル
プを用いることが好ましい。即ち、ケナフの木質部のみ
を原料とする木質化学パルプを用いた場合には、得られ
る基紙が通気性の悪いものとなり、特に本発明の記録媒
体をインクジェット用記録紙として用いる場合には、イ
ンクの吸収性が不充分となり易い。
【0011】本発明に用いる基紙は、上記したようなケ
ナフパルプを含んで構成されるが、本発明においては、
ケナフパルプの配合量が、基紙を構成している全パルプ
中の10重量%〜100重量%、更に好ましくはケナフ
紙の風合い、色味の観点から30〜100重量%の範囲
のものを使用することが好ましい。即ち、基紙中のケナ
フパルプの配合量が10重量%未満になると、ケナフ独
特の風合いや色味が損なわれたケナフ紙になってしまう
ので好ましくない。
【0012】この際にケナフパルプと共に用いることの
できるパルプとしては、例えば、赤松、黒松、エゾマ
ツ、トドマツ及び杉等の針葉樹、ブナ、カバ及びシイノ
キ等の広葉樹等を主原料とする通常のパルプが挙げられ
る。又、いずれの方法でこれらをパルプ化したものでも
よく、例えば、砕木パルプ、亜硫酸パルプ、クラフトパ
ルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプ、リフ
ァイナーグランドパルプ等を用いることができる。更に
リサイクルによって得られた古紙パルプを使用すること
もできる。又、本発明の記録媒体においてはこれらのセ
ルロース繊維の他に、ガラス繊維等の無機繊維或いはポ
リエステル繊維やアラミド繊維等の合成繊維を必要に応
じて適宜使用することも可能である。本発明において
は、記録媒体の用途に応じ、上記に挙げる材料を単独
で、或いはこれらの中から複数の材料を適宣に選択して
ケナフパルプと併用して、基紙を形成することができ
る。
【0013】本発明の記録媒体で用いる基紙は、ケナフ
パルプをその原材料として用いる以外は、通常の木材パ
ルプからなる紙を製造する場合と同様にして形成でき
る。例えば、本発明で使用する基紙は上記に挙げたケナ
フパルプを含むパルプ材料に、紙の柔軟性、表面の平滑
性、不透明性、印刷適性等を改善する目的で添加される
各種の填料、インク等の液体に対し抵抗性を付与するた
めの各種の内添サイズ剤及びこれらのサイズ剤を定着さ
せるための定着剤、その他、必要に応じて、紙力増強
剤、歩留向上剤、消泡剤、導電剤、染料等を内添した
後、従来公知の抄紙機で抄造してとすることができる。
【0014】基紙を作製する際に使用することのできる
填料としては、例えば、クレー、タルク、軽質炭酸カル
シウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム、酸化チタン等の無機顔料からなる無機填料が
挙げられる。又、内添サイズ剤としては、従来より広く
使用されているロジン系サイズ剤を使用することがで
き、この場合には定着剤として硫酸バンドを添加する。
アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸等の中性
サイズ剤を使用する場合は、カチオン澱粉等のカチオン
系定着助剤と共に用いる。更に紙力増強剤としては、ポ
リアクリルアミド系ポリマー、澱粉等を用いることがで
きる。
【0015】更に本発明で使用する基紙は上記で説明し
た内部サイジングの他に、必要に応じて、抄紙機におい
て紙の表面に薬品(表面サイズ剤)を施して、表面サイ
ズ処理をしてもよい。この場合の表面サイズ剤として
は、ロジン系、石油樹脂系、酸化澱粉、アセチル化澱
粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の澱粉及びその誘導体、
ポリビニルアルコール及びその誘導体、アルキド樹脂、
ポリアミド、スチレン、アクリル、オレフィン、マレイ
ン酸、酢酸ビニル等の重合体又はこれらからなる共重合
体等の合成樹脂系及びこれらの合成樹脂のエマルジョン
系、ワックス系等のものが挙げられる。
【0016】以上の如き本発明において使用する基紙の
ケナフパルプ分はケナフの木質部及び靭皮部からなる混
合物であることが好ましい。又、本発明の記録媒体にお
いては、厚みが50〜250μm、坪量50〜250m
2/gの範囲の基紙を使用することが好ましい。又、本
発明で使用する基紙は、離解濾水度が150〜600m
lであることが好ましい。そして本発明で使用する基紙
の作製の際に、その厚みや表面平滑性を調整する場合に
は、必要に応じてマシンカレンダーやスーパーカレンダ
ー等の従来公知の設備を用いることができる。
【0017】本発明においては上記ケナフ紙からなる基
紙の一方の面にインク受容層を、そして他方の面に裏面
印刷を設ける。インク受容層と裏面印刷の形成順序は何
れでもよいが、先ず、裏面印刷の形成について説明す
る。裏面印刷は何れの印刷方式で設けてもよいが、生産
性及び高速性等の観点からはオフセット印刷方式又はグ
ラビア印刷方式が好ましい。オフセット印刷に用いる印
刷インクは多くの場合、液状の合成樹脂、樹脂変性乾性
油等をベヒクルとして着色顔料を分散させた粘稠な油性
インク若しくは非水性インクであり、多くの商業印刷で
広く使用されているもので、本発明では何れの印刷イン
クも使用でき特に限定されない。一方、グラビアインク
は疎水性樹脂を溶解した有機溶剤溶液からなるベヒクル
に顔料を分散させたものであり、その印刷方式も良く知
られており、何れも本発明で使用することができる。勿
論、本発明における印刷方式は上記方式に限定されるも
のではなく、スクリーン印刷、フレキソ印刷、凸版印刷
等、何れの方式でもよい。
【0018】上記印刷によって形成される印刷は、記録
媒体の裏面であることを示す単なる標識でもよく、その
他各種の絵柄、模様、地紋等の何れでもよく、更には全
面ベタ印刷であってもよい。このベタ印刷である場合に
は後述するインク受容層の形成の際に使用するグラビア
コーター、ロールコーター等の各種の塗工方法によって
印刷層を形成してもよい。形成される印刷の厚みは任意
である。このようにして印刷層を形成する場合におい
て、使用する印刷インクは基紙であるケナフ紙に一部浸
透して乾燥されるが、基紙が嵩高いために基紙の厚み全
体に浸透することはなく、インクの浸透深さは通常基紙
の厚みの30%以下である。従って基紙の表面に水性イ
ンクが付与されたとしても、該水性インクによる画像形
成に特別な悪影響を与えることがない。
【0019】次に、本発明の記録媒体を構成するインク
受容層について説明する。上記したようにして形成され
るケナフパルプを含む基紙の少なくとも一方の面に設け
られるインク受容層は少なくとも顔料を含んで、好まし
くは顔料とバインダーとを含んで構成される。この際に
使用し得る顔料としては、例えば、シリカ、ゼオライ
ト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、カオリンクレー、焼
成クレー、タルク、水酸化アルミニウム、コロイダルア
ルミナ、アルミナ、アルミナ水和物、硫酸バリウム、二
酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸マグネシウム、
炭酸マグネシウム、有機顔料(プラスチックピグメン
ト)等の、従来より一般の塗工紙のコート剤に使用され
ている顔料を挙げることができる。又、本発明において
はこれらの顔料を、単独で或いは2種以上を適宜に混合
して用いることができる。特に好ましい顔料はアルミナ
水和物又はシリカである。
【0020】又、本発明においては、記録媒体のインク
受容層を形成する際に、これらの顔料を分散させた塗工
液を作製し、これを基紙の上に塗工する等して設けるこ
とができるが、その場合に塗工液において顔料が分散さ
れた状態において、顔料の平均粒子径が500nm未満
になるようにすることが好ましい。アルミナ水和物は、
このような状態になり易く、本発明においては、インク
受容層を構成する顔料としてアルミナ水和物を用いると
よい。更にこのような粒子径のアルミナ水和物の中で
も、BET比表面積が5〜500m2/gのアルミナ水
和物を用いることが更に好ましい。
【0021】本発明の記録媒体において、上記塗工液中
における分散状態の顔料の平均粒子径が500nmより
も大きいと、インク受容層を形成した場合、インク受容
面が非常に白い印象を与える面となってしまい、ケナフ
の持つ色味や風合いが損なわれることが生じる。これに
対し、塗工液中における分散状態の顔料の平均粒子径が
500nmよりも小さいものを使用してインク受容層を
形成すれば、該顔料によって基紙であるケナフの色味や
風合いが損なわれることがない。
【0022】本発明に好適なアルミナ水和物、特にX線
的に非晶質又はベーマイト、擬ベーマイト等のアルミナ
水和物、ガンマアルミナ等を用いれば、例えば、酢酸、
塩酸、硝酸、ギ酸等の公知の処理剤によって、比較的簡
単に、アルミナ水和物が平均粒子径300nm以下とな
った状態で分散された塗工液が得られる。この結果、該
塗工液を用いてインク受容層を形成すれば、基紙である
ケナフ紙の色味や風合いが損なわれずに保持された記録
媒体が得られる。
【0023】更にアルミナ水和物には、上記した利点の
他、正電荷を有しているためにインクジェット記録用等
に広く用いられているインク中に使用されている負電荷
を有する染料に対する定着性がよいといった利点があ
る。そのためにインク受容層をアルミナ水和物を使用し
て形成すれば、発色性に優れた画像の形成が可能とな
る。従って、本発明の記録媒体のインク受容層を構成す
る顔料として、アルミナ水和物を使用すれば、従来よ
り、インク受容層の材料として知られているシリカ化合
物を用い、従来と同様の被覆層を形成してインク受容層
とした場合に生じる黒色インクの茶変の問題や耐光性等
の問題を生じることがなく、特にフルカラー画像を形成
した場合に、画質の点で従来の記録媒体に比べ格段に好
ましいものが得られる。
【0024】本発明の記録媒体のインク受容層は、上記
に挙げたような顔料を少なくとも含有して形成される
が、好ましくはこれらの顔料を基紙表面に安定して固着
させるためのバインダーと共に構成することが好まし
い。この際に用いるバインダーとしては、例えば、ポリ
ビニアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアク
リルアマイド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、
エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロースやヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、マレイン酸樹脂等が挙げられ
る。これらは1種でもよいし2種以上混合して使用して
もよい。
【0025】本発明においては、上記したようなバイン
ダーと先に説明したアルミナ水和物等の顔料を配合した
塗工液を作製し、これを用いてケナフパルプを含む基紙
の少なくとも一方の面に塗布し、乾燥させてインク受容
層を形成することが好ましい。この際の塗工液における
顔料の配合比率は、形成されたインク受容層の全固形分
の15〜90重量%となるようにすることが好ましい。
即ち、15重量%未満では形成されたインク受容層に画
像を形成した場合に、インク中の染料の定着性が不充分
になり易く、得られた画像において印字濃度の低下、フ
ェザリング、滲みの発生がみられ、文字品位、画像品位
が損なわれ易い。一方、90重量%を超えると形成され
たインク受容層からの粉落ちが生じてしまい、本発明の
記録媒体をインクジェットプリンタに適用する等した場
合に、搬送性に問題を生じる場合がある。又、インク受
容層を形成した面が白色化する傾向があり、ケナフの自
然な色味が損なわれ易い。
【0026】更に本発明において、インク受容層の形成
にバインダーを用いる場合におけるバインダーの配合比
率は、バインダーが形成されたインク受容層の全固形分
の10〜85重量%となるようにすることが好ましい。
即ち、85重量%を超える場合にはバインダーによる被
膜の形成によって、インク受容層のインク吸収性が損わ
れる傾向がある。一方、10重量%未満では基紙表面へ
のインク受容層の結着力が不充分となって粉落ちを生じ
る恐れがある。しかし、インク受容層を構成する顔料と
してアルミナ水和物を単独で用いた場合には、これを基
紙表面に付与するとアルミナ水和物が基紙表面に容易に
沈み込むため、基紙の自然な風合いがそのまま保持され
る一方、通常の使用においては、記録媒体表面からの粉
落ちの問題を生じることも殆どないので、この場合には
インク受容層の形成にバインダーを用いなくても問題は
ない。従って、本発明においてはバインダーはインク受
容層を形成する場合に必ずしも必須ではない。
【0027】インク受容層を形成する際の塗工液中に
は、この他、必要に応じて添加剤として、顔料分散剤、
消泡剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度調整
剤、滑剤、架橋剤、更にはインクジェット記録用インク
のように、水系インクを用いて画像を形成する場合にお
ける記録後の印字物の耐水性を向上させるためのカチオ
ン性化合物やカチオン性樹脂等を、記録媒体の製造条
件、得られる印字物の印字品質等の要求性能に応じて適
宜に選択して使用される。
【0028】次にインク受容層の形成方法について説明
する。先ず、上記したインク受容層の構成成分を、通常
の方法で水系媒体中に均一に分散又は溶解して塗工液を
作製する。この際に使用する水系媒体としては、水、又
は水と有機溶剤との混合媒体を用いる。又、分散方法と
しては、例えば、ボールミル、アトライター、サンドミ
ル、ホモミキサー、マイクロフルイダイザー(マイクロ
フルイデックス社製)、ナノマイザー(ナノマイザー社
製)等の分散機を用い、均一に分散又は溶解させること
が好ましい。
【0029】以上のようにして調製する塗工液の粘度
は、基紙表面に塗工液を塗工する際に用いる塗工方式、
塗工装置、塗工量等によっても異なるが、一般的には3
0cps〜1000cpsに調整して用いることが好ま
しい。30cpsより低いと、基紙表面に塗工液を所定
量塗工することが困難であるし、1000cpsより高
いと塗工面が不均一となり好ましくない。
【0030】本発明ではケナフパルプを有する基紙の表
面に、上記で説明したような構成の塗工液を、塗工装置
やサイズプレス装置を用いて塗布してインク受容層を設
ける。塗工方法としては、オンマシンコーター、オフマ
シンコーターのどちらでもよく、従来公知のエアーナイ
フコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ゲート
ロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、ロー
ルコーター、グラビアコーター、カーテンコーター等が
使用できる。そして、基紙への塗工後に熱風を吹き付け
ることにより塗工液を乾燥させてインク受容層を形成す
る。この際の熱風の温度や風量は、使用する基紙や塗工
液によって適宜に変更すればよいが、例えば、熱風の温
度を50℃〜160℃程度とすることが好ましい。50
℃より低いと乾燥に時間がかかる一方、160℃よりも
高いと基紙や塗工液に変性を生じ易く好ましくない。
【0031】更に塗工後、マシンカレンダー、スーパー
カレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー処理を行
なって表面の平滑仕上等を行なってもよい。本発明の記
録媒体においては上記のようにして基紙表面に形成され
るインク受容層が、固形分塗工量(坪量)で表した場合
に固形分で1〜10g/m2の範囲内が好ましい。即
ち、塗工量が1g/m2未満であるようなインク受容層
を有する記録媒体の場合には、画像を形成すると、印字
濃度の低下、フェザリングや滲みが発生し易く、文字品
位や画像品位に劣った画像となる傾向がある。これに対
し塗工量が10g/m2を超えるようなインク受容層を
有する記録媒体とした場合には、インク受容層面の白色
性が増してしまい、ケナフの自然な色味が損なわれると
同時に、基紙であるケナフ紙自身の表面が、インク受容
層の構成成分によってかなり密に覆われることになるの
で、ケナフ紙の持つ風合いがかなり損なわれることが生
じる。本発明においては特にケナフ紙の色味や風合いを
保持する点からインク受容層の塗工量が10g/m2
下になるように形成することが好ましい。
【0032】上記のようにして形成される本発明の記録
媒体を構成するインク受容層は、多くの場合、ケナフパ
ルプを有する基紙表面を覆う状態で形成されるのではな
く、基紙内部に塗工液が一部浸透した状態で形成され
る。即ち、本発明の記録媒体においては、塗工液の一部
が基紙内部に含浸された状態となるので、インク受容層
と基紙との境界は必ずしも明確な状態とはならない。こ
のためインク受容層が形成されている側のインク受容面
の色味や風合いは、基紙であるケナフ紙と差程変わらな
いものになる。
【0033】本発明の記録媒体は各種の記録方式に使用
することができるが、特に従来は、滲みやフェザリング
が発生し、印字濃度も低く、画像品位が良好であるとは
言い難かった、水性インクを用いるインクジェット記録
方式に用いた場合に顕著な効果が得られる。この場合の
インクジェット記録方式に使用するインクとしては、着
色剤、液媒体、その他の添加剤からなる通常のインクを
使用すればよい。この際の着色剤としては、直接染料、
酸性染料、塩基性染料、反応性染料、或いは食品用色素
等の水溶性染料が挙げられ、液媒体としては、水、又は
水と水溶性の各種有機溶剤を用いた水性液媒体を用いる
ことができる。
【0034】本発明の記録媒体を使用することのできる
他の記録方式としては、例えば、熱溶融性物質、染顔料
等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フィルム、高密
度紙、合成紙等の薄い基材上に塗布した媒体を、その裏
面より加熱し、インクを溶融させて転写する熱転写記録
方式、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液滴化し、飛
翔させて記録する固体インクジェット記録方式、油溶性
染料を溶媒に溶解したインクを用いたインクジェット記
録方式、光重合型モノマー及び無色又は有色の染顔料を
内包したマイクロカプセルを用いた感光感圧型ドナーシ
ートを用いる記録方式等が挙げられる。
【0035】これらの記録方式の共通点は記録時にイン
クが液状である点にある。液状インクは硬化、固化又は
定着までに記録媒体のインク受容層の深さ方向又は水平
方向に対して浸透又は拡散する性質があり、これら各種
記録方式用の記録媒体は、夫々の方式に応じた適宜な吸
収性を必要とする。従って、本発明の記録媒体において
はインク受容層を形成する場合に、顔料やバインダー等
を適宜に選択することによって、上記した各種の記録方
式に適した適宜な吸収性を有するものを形成すればよ
い。
【0036】更に本発明の記録媒体は、複写機やプリン
ター等に広く使用されている電子写真記録方式の、液体
状でない固体の記録剤であるトナーを加熱定着する記録
方式の記録媒体としても利用できる。又、通常の筆記具
や絵の具によって文字や画像を形成するための記録媒体
として或いは版画等の特殊なインクを利用する記録方式
用の記録媒体としても利用できる。
【0037】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は勿論これらの実施例に限定される
ものではない。尚、文中の「%」は特に断りのない限り
重量基準である。
【0038】実施例1 タイ産ケナフの木質部及び靭皮部を蒸解及び晒し処理し
てカナディアン・スタンダード・フリーネス310ml
のケナフ紙料を得た。このケナフ紙料に、対パルプ重量
で軽質炭酸カルシウム(商品名「PC−700」、白石
工業株式会社製造)5%、サイズ剤(商品名「サイズパ
インK−903」、荒川化学株式会社製造)1%及び歩
留り向上剤(商品名「ハイホールダー351」、栗田工
業株式会社製)0.1%を添加し、坪量が150g/m
2となるように長網抄紙機を用いて抄紙して本発明で使
用する基紙を得た。
【0039】上記基紙の片面に下記組成(固形分換算)
の塗工液を乾燥固形分換算で7g/m2の割合で塗布・
乾燥してインク受容層を形成した。 ・微粒子シリカ(商品名「サイロイド」、富士シリシア化学社製) 8重量部 ・ポリアリルアミン塩酸塩(商品名「PAA−HCl−3L」、分子量1万、日 東紡社製) 1重量部 ・ポリビニルアルコール(商品名「PVA117」、クラレ社製) 1重量部 ・水 40重量部 次にインク受容層非形成面(裏面)に、米国AB Di
ck製オフセット印刷機(AB Dick350)で絵
柄模様を印刷して本発明の記録媒体を得た。尚、印刷イ
ンキは大日本インキ化学工業製Fグロス墨#85であ
り、給湿液としては岩崎通信機製給湿液U(10倍希
釈)を使用した。
【0040】実施例2 実施例1と同じケナフ紙料に、対パルプ重量でサイズ剤
(日本PMC社製AS202)0.3%、ポリアミドエ
ピクロロヒドリン樹脂(日本PMC社製 WS57
0)0.07%及び炭酸カルシウム(白石工業社製PC
X−850)3%を添加し、坪量が150/m2となる
ように長網抄紙機を用いて抄紙した。実施例1と同じ塗
工液を用いて乾燥固形分換算で9g/m2の割合で塗布
・乾燥してインク受容層を形成した。インク受容層の非
形成面に実施例1と同じ方法で印刷を施して本発明の記
録媒体を得た。
【0041】実施例3及び4 実施例1及び2と同じ方法でケナフを含有する基紙を得
た。この基紙に下記組成(固形分換算)の塗工液を乾燥
固形分換算で5g/m2の割合で塗布・乾燥してインク
受容層を形成した。 ・アルミナ(商品名「アルミナゾル520」、日産化学社製) 8重量部 ・塩化ベンザルコニウム(商品名「G-50」、三洋化成工業(株)社製) 1重量部 ・ポリビニルアルコール(商品名「PVA117」、クラレ社製) 1重量部 ・水 40重量部 インク受容層非形成面に実施例1と同じ方法で印刷を施
して本発明の記録媒体を得た。
【0042】評価 実施例1〜4の被記録媒体にインクジェットプリンター
(商品名「BJC430」、キヤノン社製)を用いて印
字した。印字後の記録媒体を目視観察して和紙の風合い
が残っていれば○とした。印字部を手で触れてインクが
付着しなければ○とした。目視観察してはじき、裏抜け
が発生していなければ○とした。裏面印刷の滲みがなけ
れば○とした。
【0043】
【表1】表1 評価結果
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ケナフパルプを含む基紙は通常、嵩高く、インク収容量
が多く且つインク吸収性が高く且つ厚みが大であるの
で、該基紙の裏面に油性インクによる印刷層が形成され
ていても、表面から付与される水性インクの吸収及び定
着に悪影響を及ぼすことがなく、裏面に印刷層が形成さ
れていない場合と同様に、滲みや裏抜けのない高品位画
像の形成が可能である。従って本発明の記録媒体は、そ
の使用に際して表裏を間違えることがなく、又、裏面に
各種の印刷が施されている化粧紙であっても、その表面
に高品位の印字画像が形成可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D21H 5/14 Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケナフパルプを含む基紙の少なくとも一
    方の面に、顔料を含むインク受容層が設けられ、該基紙
    の他方の面に裏面印刷が施されていることを特徴とする
    記録媒体。
  2. 【請求項2】 基紙中にケナフが10重量%〜100重
    量%含有されている請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 印刷層が、非水性インク又は油性インク
    で形成されている請求項1に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 顔料がBET比表面積5〜500m2
    gのアルミナ水和物又はシリカである請求項1に記載の
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 インク受容層中にカチオン性物質が含ま
    れている請求項1に記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 カチオン性物質が第4級アンモニウム塩
    である請求項1に記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 基紙がケナフの木質部及び靭皮部からな
    り、離解濾水度が150〜600mlである請求項1に
    記載の記録媒体。
  8. 【請求項8】 基紙が填料を含む請求項1に記載の記録
    媒体。
  9. 【請求項9】 インク受容層を塗工量で表した場合に、
    塗工量が固形分で1〜10g/m2である請求項1に記
    載の記録媒体。
  10. 【請求項10】 坪量が50〜250g/m2である請
    求項1に記載の記録媒体。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載の記録媒体を用いて記
    録を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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