JPH11277884A - 記録媒体及びインクジェット記録方法 - Google Patents

記録媒体及びインクジェット記録方法

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JPH11277884A
JPH11277884A JP10087100A JP8710098A JPH11277884A JP H11277884 A JPH11277884 A JP H11277884A JP 10087100 A JP10087100 A JP 10087100A JP 8710098 A JP8710098 A JP 8710098A JP H11277884 A JPH11277884 A JP H11277884A
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Yuji Kondo
祐司 近藤
Masako Ichioka
正子 市岡
Hitoshi Yoshino
斉 芳野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像を形成した場合に、高画像濃度の良好な
印字品位を有する画像が得られ、しかもケナフ紙が有す
る自然な風合いや色味が保持される記録媒体の提供、及
び上記した優れた画像が得られる記録媒体を用いて記録
するインクジェット記録方法の提供。 【解決手段】 ケナフパルプを含む基紙の少なくとも一
方の面に、顔料を含むインク受容層が設けられている記
録媒体において、基紙紙面の色味と、上記記録媒体のイ
ンク受容層側のインク受容面の色味の差ΔEが0〜2.
0の範囲内となるように構成されていることを特徴とす
る記録媒体、これを用いたインクジェット記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケナフ紙の有する
自然の風合いと色味を保持し、且つ画像特性に優れた記
録媒体、及び該記録媒体を用いてインクを液滴として飛
翔させて記録するインクジェット記録方法に関する。
【0002】
【従来技術】インクジェット記録方式は、種々の作動原
理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙等の記録媒体
に付着させ、画像、文宇等の記録を行なうものである
が、高速印字、低騒音での稼働が可能で、多色化が容易
であり、更に、記録パターンの融通性が高く、現像定着
工程が不要である等の特徴がある。そして、近年では、
文字を含めた各種の図形からなるモノクロ画像の記録用
としては勿論のこと、フルカラー画像の記録用としても
広く用いられている。又、その用途も、事務機器用とし
てだけでなく、工業用、或いは芸術作品の作成用等、種
々の用途に用いられ、急速に普及している。
【0003】これに伴ってインクジェット記録方式に用
いられる記録媒体についても、インクの高速吸収性や高
い吸収容量、或いは、印字した場合における画像濃度や
印字品位の向上、更には、印字物の耐水性の向上等が要
求されるようになってきている。このような要請に対し
て、特開昭55−51583号公報に、非晶質シリカと
高分子バインダーからなる被覆層が、水性インクによる
印字に対して、高いインク吸収性を示し、高速印字に適
しているとの開示がある。従って、かかる被覆層をイン
クジェット用記録媒体のインク受容層として適用するこ
とは有効であると思われる。
【0004】又、インクジェット記録方式で使用される
記録媒体の主成材料についても、通常の木材パルプから
なるコピー用紙、ボンド紙等のいわゆる普通紙は勿論の
こと、画像形成層を表面に有する各種のコート紙や、合
成樹脂からなるOHP用透明フィルム、各種の繊維で形
成されている布帛等、多種のものが用いられている。こ
れらの中でも、近年のパーソナルコンピュータの普及
や、事務のOA化に伴って普通紙の使用量の増大は目覚
ましく、その原料となる木材の使用量も年々増加してい
る。これに対し、地球レベルでの地球環境保護の立場か
ら、木材パルプに代替し得る材料を用いた記録媒体の開
発が望まれている。
【0005】これに対し、近年、製紙用パルプ材料の木
材に代替し得るものとして注目を集めているものに、ケ
ナフがある。ケナフは、中国、オーストラリア等で栽培
されており、植物学上は、アオイ科、ハイビスカス属に
属する1年生草木であり、木質部と靭皮部(外皮のすぐ
下にある内皮に合まれる繊維細胞の集束した組織)とか
らなっている。このケナフを原料とするケナフパルプ
は、木質部と靭皮部の全部をパルプ化した全幹パルプ
と、靭皮部だけをパルプ化した靭皮パルプと、木質部だ
けをパルプ化した木質部パルプに大別される。これらの
ケナフパルプを主材料とするケナフ紙は、和紙のような
風合いを有するものであって、嵩高く、インク収容量が
多く、インク吸収性に優れたものである。
【0006】又、ケナフパルプの利用技術については、
1950年代にアメリカ農務省がその研究に先鞭をつけ
て以来、基礎研究、更には産業レベルでの研究がなされ
ており、数多くの提案がなされている。例えば、特公平
2−42952号公報では、厚壁繊維の有する平滑不良
性を改良することを目的として、ケナフ木質部化学パル
プを厚壁繊維パルプと併用することを提案している。
又、特開平2−91297号公報には、ケナフ木質部パ
ルプをメカニカルパルプと併用することで、メカニカル
パルプの性能を向上させることが提案されている。更
に、ケナフ木質部化学パルプを通常パルプと併用するこ
とによって、グラシン紙を得ることが特開平2−746
99号公報に、又、感熱記録紙を得ることが特開平2−
88286号公報に、更に、感圧複写用原紙を得ること
が特開平2−92576号公報に夫々提案されている。
【0007】しかしながら、先に述べたように、ケナフ
パルプを用いたケナフ紙は嵩高く、インク収容量が多い
ものであるため、上記したような従来のケナフ紙に対し
てインクジェット記録方式で記録を行った場合に、形成
される画像に滲みやフェザリング等が発生し、更に、印
字濃度も低く、文字品位が良好であるとは言い難かっ
た。又、得られる画像の耐水性についても好ましいもの
ではなかった。これらの点を改良するために、先に挙げ
た公報に記載されている情報に従い、非晶質シリカと高
分子バインダーからなる被覆層をケナフ紙表面に形成
し、インク受容層とすれば、確かに、インク吸収性や高
速印字適性といったインクジェット記録特性を向上させ
ることができるが、この場合には、紙面がシリカにより
覆われてしまい、非常に白くなって、ケナフ紙の有する
自然な風合いや色味が失われてしまうという問題が発生
する。更に、画像が形成されるインク受容面が白いため
に、黒色インクの茶変が生じたり、形成される画像が耐
光性に劣り、更には、フルカラー画像を形成した場合に
画質が劣る等の問題もあった。
【0008】これに対し、紙面が白くなることを防止す
るために、本発明者らは、特開昭61−134290号
公報等の多数の公報に開示されている、ポリビニルアル
コール等の水溶性高分子やゼラチンを主体とする塗工液
をケナフ紙表面に塗工し、乾燥させてインク受容層を形
成することを試みた。この結果、紙面が白くなることを
防止することはできるが、この場合は、ケナフ紙表面に
樹脂被膜が形成されるので、ケナフ紙の有する独特の自
然な風合いが損なわれてしまうという別の問題を生じ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記したような現状に鑑み、画像を形成した場合
に、高画像濃度の良好な印字品位を有する画像が得ら
れ、しかもケナフ紙が有する自然な風合いや色味が保持
される記録媒体を提供することにある。又、本発明の目
的は、上記した優れた画像が得られる記録媒体を用いて
記録するインクジェット記録方法を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、下記の本
発明によって達成される。即ち、本発明は、ケナフパル
プを含む基紙の少なくとも一方の面に、顔料を含むイン
ク受容層が設けられている記録媒体において、基紙紙面
の色味と、上記記録媒体のインク受容層側のインク受容
面の色味の差ΔEが0〜2.0の範囲内となるように構
成されていることを特徴とする記録媒体、及びこれを用
いたインクジェット記録方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の好ましい実施の
形態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の記録媒
体は、ケナフパルプを含む基紙の少なくとも一方の面
に、顔料を含むインク受容層が設けられたものである
が、画像特性に優れ、しかもその色味が基紙であるケナ
フ紙と殆ど同様で差がなく、ケナフ紙の有する自然な風
合いや色味が損なわれていない記録媒体である。即ち、
本発明者らは、上記した従来技術の課題を解決すべく鋭
意研究の結果、ケナフパルプを含む基紙に、画像特性を
付与する目的で、インク受容層を設けた記録媒体を構成
する場合に、基紙自体の有する紙面の色味と、インク受
容層が設けられている紙面(以下、インク受容面と称
す)の色味の差ΔEを、色彩色差計を用いて、夫々の面
内におけるa*及びb*を測定し、これらの値から基紙紙
面の色味の平均値a2 *及びb2 *と、記録媒体のインク受
容面の色味の平均値a1 *及びb1 *とを求め、更に、これ
らの値から下記式によって算出した場合に、得られるΔ
Eが0〜2.0の範囲内となるようにすれば、画像特性
に優れ、且つ、基紙であるケナフ紙の有する自然な風合
いや色味が損なわれることがないことを知見して本発明
に至った。
【数1】
【0012】即ち、ΔEの値が0に近い程、インク受容
面の色調が基紙自体の色味に近いことになるが、インク
受容層の構成材料によっては、インク受容面の色調が基
紙本来の色味と異なった印象を与えるものとなってしま
う。そこで、記録媒体を改良し、上記のようにして測定
したΔEの値が2よりも小さくなるように構成すれば、
その色味において、インク受容層が設けられている面が
基紙であるケナフ紙と同一の印象を与えるものとなるこ
とは勿論のこと、その風合いにおいてもケナフ紙の有す
る自然な風合いが保たれた状態の記録媒体となる。
【0013】以上のように、本発明の記録媒体は、ケナ
フパルプを含んで形成された基紙を用い、且つその少な
くとも一方の面に設けられるインク受容層側のインク受
容面の色味が上記した要件を満足するようになっていれ
ばよく、他の構成材料や構成方法等については何ら限定
されない。以下、本発明の記録媒体を構成するケナフパ
ルプを含む基紙と、その上に設けるインク受容層の好ま
しい態様について説明する。
【0014】先ず、本発明に用いる基紙について説明す
る。該基紙は、ケナフパルプを原料とし、これが含有さ
れているものであれば、いずれのものでもよい。従っ
て、ケナフパルプのみをパルプ原料とするものでもよい
し、ケナフパルプと木材パルプ等の他の種類のパルプと
から構成されているものでもよい。先に説明したよう
に、ケナフは、木質部と靭皮部とからなるが、その木質
部と靭皮部とでは特性が多少異なっており、木質部から
なる木質パルプは、繊維は短くてリグニン量が多いのに
対し、靭皮部からなる靭皮パルプは、繊維は長くてリグ
ニン量が少ない。これらの木質部と靭皮部を一緒にパル
プ化した場合は、これらの中間の特性を持つパルプにな
る。本発明においては、いずれのケナフパルプを用いる
こともできるが、特に、木質パルプに、所望する特性に
応じて適宜に靭皮パルプを含有させたケナフパルプを用
いることが好ましい。即ち、ケナフの木質部のみを原料
とする木質化学パルプを用いた場合には、得られる基紙
が通気性の悪いものとなり、特に、本発明の記録媒体を
インクジェット用記録紙として用いる場合には、インク
の吸収性が不充分となり易いからである。
【0015】本発明に用いる基紙は、上記したようなケ
ナフパルプを含んで構成されるが、本発明においては、
ケナフパルプの配合量が、基紙を構成している全パルプ
中の10重量%〜100重量%、更に、ケナフの風合い
及び色味の観点から、好ましくは、30重量%〜100
重量%の範囲のものを使用する。即ち、基紙中のケナフ
パルプの配合量が10重量%未満になると、ケナフ独特
の風合いや色味が損なわれたケナフ紙になってしまうの
で好ましくない。
【0016】この際にケナフパルプと共に用いることの
できるパルプとしては、例えば、赤松、黒松、エゾマ
ツ、トドマツ及び杉等の針葉樹、ブナ、カバ及びシイノ
キ等の広葉樹等を主原料とする通常のパルプが挙げられ
る。又、いずれの方法でこれらをパルプ化したものでも
よく、例えば、砕木パルプ、亜硫酸パルプ、クラフトパ
ルプ、セミケミカルパルプ、ケミグランドパルプ、リフ
ァイナーグランドパルプ等を用いることができる。更
に、リサイクルによって得られた古紙パルプを使用する
こともできる。又、本発明の記録媒体においては、これ
らのセルロース繊維の他に、ガラス繊維等の無機繊維、
或いは、ポリエステル繊維やアラミド繊維等の合成繊維
を必要に応じて適宣使用することも可能である。本発明
においては、記録媒体の用途に応じ、上記に挙げる材料
を単独で、或いはこれらの中から複数の材料を適宣に選
択してケナフパルプと併用して、基紙を形成することが
できる。
【0017】本発明の記録媒体で用いる基紙は、ケナフ
パルプをその原材料として用いる以外は、通常の木材パ
ルプからなる紙を製造する場合と同様にして形成でき
る。例えば、本発明で使用する基紙は、上記に挙げたケ
ナフパルプを含むパルプ材料に、紙の柔軟性、表面の平
滑性、不透明性、印刷適性等を改善する目的で添加され
る各種の填料、インク等の液体に対し抵抗性を付与する
ための各種の内添サイズ剤、及び、これらのサイズ剤を
定着させるための定着剤、その他、必要に応じて、紙力
増強剤、歩留向上剤、消泡剤、導電剤、染料等を内添し
た後、従来公知の抄紙機で抄造してとすることができ
る。
【0018】基紙を作製する際に使用することのできる
填料としては、例えば、クレー、タルク、軽質炭酸カル
シウム、焼成カオリン、酸化アルミニウム、水酸化アル
ミニウム、酸化チタン等の無機顔料からなる無機填料が
挙げられる。又、内添サイズ剤としては、従来より広く
使用されているロジン系サイズ剤を使用することがで
き、この場合には定着剤として硫酸バンドを添加する。
アルキルケテンダイマー、アルケニルコハク酸等の中性
サイズ剤を使用する場合は、カチオン澱粉等のカチオン
系定着助剤と共に用いる。更に、紙力増強剤としては、
ポリアクリルアミド系ポリマー、澱粉等を用いることが
できる。
【0019】更に、本発明で使用する基紙は、上記で説
明した内部サイジングの他に、必要に応じて、抄紙機に
おいて紙の表面に薬品(表面サイズ剤)を施して、表面
サイズ処理をしてもよい。この場合の表面サイズ剤とし
ては、ロジン系、石油樹脂系、酸化澱粉、アセチル化澱
粉、ヒドロキシエチル化澱粉等の澱粉及びその誘導体、
ポリビニルアルコール及びその誘導体、アルキド樹脂、
ポリアミド、スチレン、アクリル、オレフィン、マレイ
ン酸、酢酸ビニル等の重合体又はこれらからなる共重合
体等の合成樹脂系及びこれらの合成樹脂のエマルジョン
系、ワックス系等のものが挙げられる。
【0020】本発明の記録媒体においては、厚みが、5
0〜250μm、坪量50〜250m2/gの範囲の基
紙を使用することが好ましい。そして、本発明で使用す
る基紙の作製の際に、その厚みや表面平滑性を調整する
場合には、必要に応じてマシンカレンダーやスーパーカ
レンダー等の従来公知の設備を用いることができる。
【0021】次に、本発明の記録媒体を構成するインク
受容層について説明する。上記したようにして形成され
るケナフパルプを含む基紙の少なくとも一方の面に設け
られるインク受容層は、少なくとも顔料を含んで、好ま
しくは、顔料とバインダーとを含んで構成される。この
際に使用し得る顔料としては、例えば、シリカ、ゼオラ
イト、炭酸カルシウム、ケイソウ土、カオリンクレー、
焼成クレー、タルク、水酸化アルミニウム、コロイダル
アルミナ、アルミナ、アルミナ水和物、硫酸バリウム、
二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、珪酸マグネシウ
ム、炭酸マグネシウム、有機顔料(プラスチックピグメ
ント)等の、従来より一般の塗工紙のコート剤に使用さ
れている顔料を挙げることができる。又、本発明におい
ては、これらの顔料を、単独で、或いは2種以上を適宜
に混合して用いることができる。
【0022】又、本発明においては、記録媒体のインク
受容層を形成する際に、これらの顔料を分散させた塗工
液を作製し、これを基紙の上に塗工する等して設けるこ
とができるが、その場合に塗工液において顔料が分散さ
れた状態において、顔料の平均粒子径が500nm未満
になるようにすることが好ましい。アルミナ水和物は、
このような状態になり易く、本発明においては、インク
受容層を構成する顔料としてアルミナ水和物を用いると
よい。更に、このような粒子径のアルミナ水和物の中で
も、BET比表面積が5〜500m2/gのアルミナ水
和物を用いることが更に好ましい。この際、平均粒径
は、遠心沈降法によって求められる。又、BET比表面
積については、窒素吸着脱離法によって求められる。
【0023】本発明の記録媒体において、上記塗工液中
における分散状態の顔料の平均粒子径が500nmより
も大きいと、インク受容層を形成した場合、インク受容
面が非常に白い印象を与える面となってしまい、ケナフ
の持つ色味や風合いが損なわれることが生じる。これに
対し、塗工液中における分散状態の顔料の平均粒子径が
500nmよりも小さいものを使用してインク受容層を
形成すれば、該顔料によって基紙であるケナフの色味や
風合いが損なわれることがない。本発明に好適なアルミ
ナ水和物、特に、X線的に非晶質の又はベーマイト、擬
ベーマイト等のアルミナ水和物、ガンマアルミナ等を用
いれば、例えば、酢酸、塩酸、硝酸、ギ酸等の公知の処
理剤によって、比較的簡単に、アルミナ水和物が平均粒
子径300nm以下となった状態で分散された塗工液が
得られる。この結果、該塗工液を用いてインク受容層を
形成すれば、基紙であるケナフ紙の色味や風合いが損な
われずに保持された記録媒体が得られる。
【0024】更に、アルミナ水和物には、上記した利点
の他、正電荷を有しているため、インクジェット記録用
等に広く用いられているインク中に使用されている負電
荷を有する染料に対する定着性がよいといった利点があ
るため、インク受容層をアルミナ水和物を使用して形成
すれば、発色性に優れた画像の形成が可能となる。従っ
て、本発明の記録媒体のインク受容層を構成する顔料と
して、アルミナ水和物を使用すれば、従来より、インク
受容層の材料として知られているシリカ化合物を用い、
従来と同様の被覆層を形成してインク受容層とした場合
に生じる黒色インクの茶変の問題や、耐光性等の問題を
生じることがなく、特に、フルカラー画像を形成した場
合に、画質の点で従来の記録媒体に比べ格段に好ましい
ものが得られる。
【0025】本発明の記録媒体のインク受容層は、上記
に挙げたような顔料を少なくとも含有して形成される
が、好ましくは、これらの顔料を基紙表面に安定して固
着させるためのバインダーと共に構成することが好まし
い。この際に用いるバインダーとしては、例えば、ポリ
ビニアルコール、変性ポリビニルアルコール、ポリアク
リルアマイド、部分ケン化ポリ酢酸ビニル、酸化澱粉、
エーテル化澱粉、カルボキシメチルセルロースやヒドロ
キシエチルセルロース等のセルロース誘導体、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆蛋白、マレイン酸樹脂等が挙げられ
る。これらは1種でもよいし2種以上混合して使用して
もよい。
【0026】本発明においては、上記したようなバイン
ダーと、先に説明したアルミナ水和物等の顔料を配合し
た塗工液を作製し、これを用いてケナフパルプを含む基
紙の少なくとも一方の面に塗布し、乾燥させてインク受
容層を形成して本発明の記録媒体とすることが好まし
い。この際の塗工液における顔料の配合比率は、形成さ
れたインク受容層の全固形分の15〜90重量%となる
ようにすることが好ましい。即ち、15重量%未満で
は、形成されたインク受容層に画像を形成した場合に、
インク中の染料の定着性が不充分になり易く、得られた
画像において印字濃度の低下、フェザリング、滲みの発
生がみられ、文字品位、画像品位が損なわれ易い。一
方、90重量%を超えると、形成されたインク受容層か
らの粉落ちが生じてしまい、本発明の記録媒体をインク
ジェットプリンタに適用する等した場合に、搬送性に問
題を生じる場合がある。又、インク受容層を形成した面
が白色化する傾向があり、ケナフの自然な色味が損なわ
れ易い。
【0027】更に、本発明において、インク受容層の形
成にバインダーを用いる場合におけるバインダーの配合
比率は、バインダーが、形成されたインク受容層の全固
形分の10〜85重量%となるようにすることが好まし
い。即ち、85重量%を超える場合には、バインダーに
よる被膜の形成によって、インク受容層のインク吸収性
が損われる傾向がある。一方、10重量%未満では、基
紙表面へのインク受容層の結着力が不充分となって粉落
ちを生じる恐れがある。しかし、インク受容層を構成す
る顔料としてアルミナ水和物を単独で用いた場合には、
これを基紙表面に付与するとアルミナ水和物が基紙表面
に容易に沈み込むため、基紙の自然な風合いがそのまま
保持される一方、通常の使用においては、記録媒体表面
からの粉落ちの問題を生じることも殆どないので、この
場合には、インク受容層の形成にバインダーを用いなく
ても問題はない。従って、本発明においては、バインダ
ーはインク受容層を形成する場合に必ずしも必須ではな
い。
【0028】インク受容層を形成する際の塗工液中に
は、この他、必要に応じて、添加剤として、顔料分散
剤、消泡剤、着色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、粘度
調整剤、滑剤、架橋剤、更には、インクジェット記録用
インクのように、水系インクを用いて画像を形成する場
合における記録後の印字物の耐水性を向上させるための
カチオン性化合物やカチオン性樹脂等を、記録媒体の製
造条件、得られる印字物の印字品質等の要求性能に応じ
て、適宜に選択して使用される。
【0029】以下に、インク受容層の形成方法について
説明する。先ず、上記したインク受容層の構成成分を、
通常の方法で水系媒体中に均一に分散又は溶解して塗工
液を作製する。この際に使用する水系媒体としては、
水、又は水と有機溶剤との混合媒体を用いる。又、分散
方法としては、例えば、ボールミル、アトライター、サ
ンドミル、ホモミキサー、マイクロフルイダイザー(マ
イクロフルイデックス社製)、ナノマイザー(ナノマイ
ザー社製)等の分散機を用い、均一に分散又は溶解させ
ることが好ましい。以上のようにして調製する塗工液の
粘度は、基紙表面に塗工液を塗工する際に用いる塗工方
式、塗工装置、塗工量等によっても異なるが、一般的に
は30cps〜1000cpsに調整して用いることが
好ましい。30cpsより低いと、基紙表面に塗工液を
所定量塗工することが困難であるし、1000cpsよ
り高いと塗工面が不均一となり好ましくない。
【0030】本発明の記録媒体の製造方法としては、ケ
ナフパルプを有する基紙の表面に、上記で説明したよう
な構成の塗工液を、塗工装置やサイズプレス装置を用い
て塗布して、インク受容層を設ける。塗工方法として
は、オンマシンコーター、オフマシンコーターのどちら
でもよく、従来公知のエアーナイフコーター、ダイコー
ター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バー
コーター、ロッドコーター、ロールコーター、グラビア
コーター、カーテンコーター等が使用できる。そして、
基紙への塗工後に、熱風を吹き付けることにより塗工液
を乾燥させてインク受容層を形成する。この際の熱風の
温度や風量は、使用する基紙や塗工液によって適宜に変
更すればよいが、例えば、熱風の温度を50℃〜160
℃程度とすることが好ましい。50℃より低いと乾燥に
時間がかかる一方、160℃よりも高いと基紙や塗工液
に変性を生じ易く、好ましくない。
【0031】更に、塗工後、マシンカレンダー、スーパ
ーカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー処理を
行なって表面の平滑仕上等を行なってもよい。本発明の
記録媒体においては、上記のようにして基紙表面に形成
されるインク受容層が、固形分塗工量(坪量)で表した
場合に、固形分で1〜10g/m2の範囲内にあること
が好ましい。即ち、塗工量が1g/m2未満であるよう
なインク受容層を有する記録媒体の場合には、画像を形
成すると、印字濃度の低下、フェザリングや滲みが発生
し易く、文字品位や画像品位に劣った画像となる傾向が
ある。これに対し、塗工量が10g/m2を超えるよう
なインク受容層を有する記録媒体とした場合には、イン
ク受容層面の白色性が増してしまい、ケナフの自然な色
味が損なわれると同時に、基紙であるケナフ紙自身の表
面が、インク受容層の構成成分によってかなり密に覆わ
れることになるので、ケナフ紙の持つ風合いがかなり損
なわれることが生じる。
【0032】上記のようにして形成される本発明の記録
媒体を構成するインク受容層は、多くの場合、ケナフパ
ルプを有する基紙表面を覆う状態で形成されるのではな
く、基紙内部に塗工液が一部浸透した状態で形成され
る。即ち、本発明の記録媒体においては、塗工液の一部
が基紙内部に含浸された状態となるので、インク受容層
と基紙との境界は必ずしも明確な状態とはならない。こ
のため、インク受容層が形成されている側のインク受容
面の色味や風合いは、基紙であるケナフ紙と差程変わら
ないものになる。
【0033】本発明の記録媒体においては、基紙として
使用するケナフ紙の自然な風合いや色味が、インク受容
層を形成した側の面において保持されることが最大のポ
イントであり、このためには、基紙であるケナフ紙の色
味と、記録媒体のインク受容面の色味の差が少ないこと
が必要となる。このため、本発明においては、先に述べ
たように、両者の色味の差ΔEを求めた場合に、ΔEの
値が0〜2.0となるように構成する。これに対し、Δ
Eが上記範囲外になる場合には、インク受容層を設けた
面がケナフ紙の有する自然な色味と風合いを有さなくな
って、異質な印象を与えるものになってしまう。本発明
においては、更に、ΔEの値が0〜1.8となるように
構成することが好ましい。
【0034】本発明においては、基紙紙面の色味と、記
録媒体のインク受容層側のインク受容面の色味との差Δ
Eは、以下のようにして求める。先ず、色彩色差計を用
いて、基紙とインク受容面の夫々の面内における9点の
*及びb*を測定し、これらの値より、基紙紙面の色味
の平均値a2 *及びb2 *と、記録媒体のインク受容面の色
味の平均値a1 *及びb1 *を夫々求め、これらの値から下
記式によって算出する。
【数2】
【0035】そして、本発明の記録媒体においては、上
記のようにして求められたΔEの値が、0〜2.0の範
囲になるように、基紙やインク受容層の構成成分や形成
方法を、先に説明したものから適宣に選択すればよい。
例えば、インク受容層を構成する顔料として、分散性の
良好であって、分散させた状態で平均粒子径が500n
m以下のものが得られ易いアルミナ水和物を用いれば、
ΔEの値が上記の範囲内となる記録媒体を容易に得るこ
とができる。
【0036】更に、ΔEの値が上記した範囲内になるよ
うに調整する場合には、インク受容層を形成する際の塗
工液の塗工量が及ぼす影響も大きいので、本発明におい
ては、上記ΔEの範囲を満たす記録媒体を得ることがで
きる塗工量を、インク受容層の構成成分の種類等に応じ
て適宣に選択することが好ましい。本発明の記録媒体に
おいては、先に説明したように、この点からは、塗工量
が固形分で1〜10g/m2となるようにすることが好
ましい。又、本発明においては、使用する基紙が、表裏
面の色味のa*及びb*の値を測定した場合に、共に誤差
の範囲内にあって同等であるものを使用することが好ま
しい。
【0037】本発明の記録媒体においては、基紙のイン
ク受容層を基紙の両側に設けてもよいし、インク受容層
の形成面とは反対側の面に、これとは別の配合のバック
コート層を設けてもよい。このバックコート層の塗工
量、塗工方法等は、何等制限されるものではない。
【0038】本発明の記録媒体は、各種の記録方式に使
用することができるが、特に、従来は、滲みやフェザリ
ングが発生し、印字濃度も低く、画像品位が良好である
とは言い難かった、水性インクを用いるインクジェット
記録方式に用いた場合に顕著な効果が得られる。この場
合のインクジェット記録方式に使用するインクとして
は、下記の着色剤、液媒体、その他の添加剤からなる通
常のインクを使用すればよい。この際の着色剤として
は、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性染料、或
いは食品用色素等の水溶性染料が挙げられ、液媒体とし
ては、水、又は水と水溶性の各種有機溶剤を用いた水性
液媒体を用いることができる。
【0039】本発明の記録媒体を使用することのできる
他の記録方式としては、例えば、熱溶融性物質、染顔料
等を主成分とする熱溶融性インクを樹脂フィルム、高密
度紙、合成紙等の薄い基材上に塗布した媒体を、その裏
面より加熱し、インクを溶融させて転写する熱転写記録
方式、熱溶融性インクを加熱溶融して微小液滴化し、飛
翔させて記録する固体インクジェット記録方式、油溶性
染料を溶媒に溶解したインクを用いたインクジェット記
録方式、光重合型モノマー及び無色又は有色の染顔料を
内包したマイクロカプセルを用いた感光感圧型ドナーシ
ートを用いる記録方式等が挙げられる。これらの記録方
式の共通点は、記録時にインクが液状である点にある。
液状インクは、硬化、固化、又は定着までに記録媒体の
インク受容層の深さ方向又は水平方向に対して浸透又は
拡散する性質があり、これら各種記録方式用の記録媒体
は、夫々の方式に応じた適宜な吸収性を必要とする。従
って、本発明の記録媒体においては、インク受容層を形
成する場合に、顔料やバインダー等を適宜に選択するこ
とによって、上記した各種の記録方式に適した適宜な吸
収性を有するものを形成すればよい。
【0040】更に、本発明の記録媒体は、複写機やプリ
ンター等に広く使用されている電子写真記録方式の、液
体状でない固体の記録剤であるトナーを加熱定着する記
録方式の記録媒体としても利用できる。又、通常の筆記
具や絵の具によって文字や画像を形成するための記録媒
体として、或いは、版画等の特殊なインクを利用する記
録方式用の記録媒体としても利用できる。
【0041】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は勿論これらの実施例に限定される
ものではない。尚、文中の「%」は特に断りのない限り
重量基準である。 実施例1 先ず、タイ産ケナフの木質部を20%及び靭皮部を80
%蒸解、晒し処理して、カナディアン・スタンダード・
フリーネス410mlのケナフ紙原料を得た。上記で得
られたケナフ紙原料に、パルプ重量に対して、無機填料
として軽質炭酸カルシウム(商品名「PC−700」、
白石工業株式会社製造)を5%、内添サイズ剤(商品名
「サイズパインK−903」、荒川化学株式会社製造)
を1%、歩留り向上剤(商品名「ハイホールダー35
1」、栗田工業株式会社製)を0.1%、夫々添加した
後、坪量が150g/m2となるように、長網抄紙機を
用いて抄紙して、パルプ原料としてケナフパルプを10
0%含有する基紙を得た。
【0042】次に、この基紙の片面に、下記組成(固形
分換算)を有する塗工液を、乾燥固形分換算で7.5g
/m2となるように塗布した後、乾燥してインク受容層
を形成し、本実施例の記録媒体を得た。塗工液の水系媒
体としては、40重量部の水を用いた。又、塗工液中に
分散された状態の顔料の平均粒子径を測定したところ、
225nmであった。 顔料: ・微粒子シリカ(商品名「サイロイド」、富士シリシア化学社製) 1重量部 ・アルミナ水和物(商品名「カタロイド−AP」、触媒化成工業社製 BET 比表面積230m2/g) 3.5重量部 カチオン性物質: ・ポリアリルアミン塩酸塩(商品名「PAA−HCl−3L」、分子量1万、 日東紡社製) 2.5重量部 バインダー: ・ポリビニルアルコール(商品名「PVA117」、クラレ社製) 3重量部 ・水 40重量部
【0043】実施例2 実施例1で使用したと同じケナフ紙原料に、パルプ重量
に対して、内添サイズ剤(日本PMC社製 AS20
2)を0.3%、ポリアミドエピクロロヒドリン樹脂
(日本PMC社製 WS570)を0.07%、無機填
料である炭酸カルシウム(白石工業社製 PCX−85
0)を3%添加し、坪量が150g/m2となるように
長網抄紙機を用いて抄紙して、パルプ原料としてケナフ
パルプを100%含有する基紙を得た。次に、得られた
基紙の片面に、実施例1と同じ塗工液を用いて、乾燥固
形分換算で5g/m2となるように塗布した後、乾燥し
てインク受容層を形成し、本実施例の記録媒体を得た。
【0044】実施例3及び実施例4 実施例1及び実施例2と同じ方法で、パルプ原料として
ケナフパルプを100%含有する基紙を夫々得た。次
に、得られた基紙に夫々、下記組成(固形分換算)の顔
料としてアルミナ水和物のみを用いた塗工液を用い、乾
燥固形分換算で5g/m2となるように塗布した後、乾
燥してインク受容層を夫々形成して、実施例3及び実施
例4の記録媒体を得た。 顔料: ・アルミナ(商品名「アルミナゾル520」、日産化学社製 BET比表面積 232m2/g) 6.5重量部 カチオン性物質: ・塩化ベンザルコニウム(商品名「G−50」、三洋化成工業(株)社製) 1重量部 バインダー: ・ポリビニルアルコール(商品名「PVA117」、クラレ社製) 2.5重量部 ・水 40重量部
【0045】実施例5 タイ産ケナフの木質部及び靭皮部の全てを蒸解、晒し処
理したいわゆる全幹ケナフパルプ40重量部と、針葉樹
晒クラフトパルプ(NBKP)40重量部と、広葉樹晒
クラフトパルプ(LBKP)20重量部とを混合し、こ
れに、ロジン系サイズ剤(商品名「SPN700」、荒
川林産化学社製)を1.5重量部、その定着剤として硫
酸バンド5重量部、紙力増強剤として澱粉(商品名「ア
ミコール」、日澱化学社製)を0.5重量部を加えて、
フリーネス400mlで長網抄紙機で坪量125g/m
2となるように抄紙して、パルプ原料として、ケナフパ
ルプと木材パルプとを混合してなる基紙を得た。上記得
られた基紙の片面に、実施例1と同じ塗工液を用いて、
乾燥固形分換算で5.5g/m2となるように塗布した
後、乾燥してインク受容層を形成し、本実施例の記録媒
体を得た。
【0046】比較例1 実施例1と同様の基紙を用い、インク受容層の乾燥固形
分が15g/m2とした以外は実施例1の場合と同様に
して、本比較例の記録媒体を得た。
【0047】比較例2 実施例1で使用した基紙をそのまま(インク受容層を形
成せずに)用いて、本比較例の記録媒体とした。
【0048】実施例1〜実施例5、比較例1及び比較例
2の記録媒体のインク受容面と、インク受容面が設けら
れていない基紙紙面の夫々の面内の9点について、色彩
色差計(JUKI社製 色彩計JUKI318)を用い
てa*及びb*を測定し、更に、これより基紙紙面の色味
の平均値a2 *及びb2 *、記録媒体のインク受容面の色味
の平均値a1 *及びb1 *を夫々求め、これらの値から下記
式によって色差ΔEを算出した。得られた結果を表1に
示す。
【数3】
【0049】又、実施例1〜実施例5、比較例1及び比
較例2の記録媒体について、記録媒体のインク受容面
と、インク受容面が設けられていない基紙紙面の夫々の
面の色味の差を目視にて観察して、差異を感じなければ
○、差異を感じた場合は×と評価してもらった。このパ
ネルテストは、年齢の異なる男12人、女8人によって
行なった。
【0050】又、上記の色味のテストの場合と同様の人
に、夫々の記録媒体について、目視観察と指触による官
能試験を行ない、ケナフ基紙の風合いが残っていれば
○、風合いが損なわれていると感じた場合には×と評価
してもらった。
【0051】更に、実施例1〜実施例5、比較例1及び
比較例2の記録媒体について、夫々画像を形成し、印字
の際のインク吸収性、形成した印字画像についての滲み
の発生、フェザリングの発生を、下記の基準で夫々評価
した。この際の印字は、インクジェットプリンター(商
品名「BJC430J」、キヤノン社製)を用いて同様
の画像形成を行なった。そして得られた画像について、
インク吸収性については、印字後、直ちに印字部を手で
触れてみて、手にインクが付着しなければ○とし、付着
した場合には×として評価した。更に、滲みについて
は、形成された印字画像を目視で観察して滲みの発生、
フェザリングの発生が認められなければ○、認められた
場合は×として評価した。
【0052】
【表1】表1 評価結果
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
以下の効果が得られる。 1.基紙に用いたケナフ紙と、この上にインク受容層を
形成した記録媒体を目視により観察して比べた場合に、
両者の色味の差異が少なく、上記記録媒体が、インク受
容層が形成された塗工紙でありながら、塗工面において
もケナフ紙自身のもつ風合いが充分保たれていてケナフ
紙を用いると同じ感覚で使用することができ、その上、
ケナフ紙に画像を形成した場合と異なり、フェザリング
がなく、印字濃度が高く、文字品位・画像品位に優れた
画像の形成が可能な記録媒体が得られる。 2.水性インクを用いるインクジェット記録方式に適用
した場合にも、上記したと同様に、ケナフ紙自身の有す
る色味と風合いが充分保たれており、しかも上記したと
同様の優れた画像の形成が可能な記録媒体が得られる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケナフパルプを含む基紙の少なくとも一
    方の面に、顔料を含むインク受容層が設けられている記
    録媒体において、基紙紙面の色味と、上記記録媒体のイ
    ンク受容層側のインク受容面の色味の差ΔEが0〜2.
    0の範囲内となるように構成されていることを特徴とす
    る記録媒体。
  2. 【請求項2】 基紙中にケナフが10重量%〜100重
    量%含有されている請求項1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】 インク受容層が、平均粒子径が500n
    m以下の顔料が分散された塗工液を塗工して設けられた
    ものである請求項1に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】 顔料がBET比表面積5〜500m2
    gのアルミナ水和物である請求項1に記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】 インク受容層中にカチオン性物質が含ま
    れている請求項1に記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】 インク受容層を塗工量で表した場合に、
    塗工量が固形分で1〜10g/m2である請求項1に記
    載の記録媒体。
  7. 【請求項7】 請求項1に記載の記録媒体を用いて記録
    を行うことを特徴とするインクジェット記録方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005131580A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Toppan Forms Co Ltd マイクロカプセルおよびその水系分散液からの回収方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005131580A (ja) * 2003-10-31 2005-05-26 Toppan Forms Co Ltd マイクロカプセルおよびその水系分散液からの回収方法
JP4527962B2 (ja) * 2003-10-31 2010-08-18 トッパン・フォームズ株式会社 マイクロカプセル含有油性インキの製造方法

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