JPH11277674A - 金属箔張り積層板の製造方法及び金属箔張り積層板 - Google Patents

金属箔張り積層板の製造方法及び金属箔張り積層板

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JPH11277674A
JPH11277674A JP8304698A JP8304698A JPH11277674A JP H11277674 A JPH11277674 A JP H11277674A JP 8304698 A JP8304698 A JP 8304698A JP 8304698 A JP8304698 A JP 8304698A JP H11277674 A JPH11277674 A JP H11277674A
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JP8304698A
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Yoshifumi Shimokawabe
義史 下河邊
Shunya Yokozawa
舜哉 横澤
Kohei Tsumura
航平 津村
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Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジュール熱で加熱する際の金属箔同士や金属
箔と中間板とのショートを生じることなく、安定した積
層板の品質を得ることができる金属箔張り積層板の製造
方法及び金属箔張り積層板を提供する。 【解決手段】 プリプレグと積層した金属箔に通電し
て、金属箔を発熱させることにより一体化させる積層体
の製造方法において、金属箔の表面に除去可能な絶縁層
を被覆する金属箔張り積層板の製造方法。除去可能な絶
縁層が水、酸又はアルカリ液に可溶又は膨潤し、厚みが
3〜200μmであると好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリント配線板、
多層配線板に用いることのできる金属箔張り積層板の製
造方法及び金属箔張り積層板に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線板に用いる金属箔張り積層
板の製造は、複数枚のプリプレグを重ねさらにその両面
または片面に銅箔等の金属箔を重ねこれを加圧加熱して
成形する方法により行われている。また、配線板を多層
化した多層配線板は、回路付配線板である内層配線板の
片面または両面にプリプレグを配しその外側に銅箔等の
金属箔を重ね、これを加圧加熱して成形する方法を行っ
ている。上記の金属箔張り積層板や多層配線板の加圧、
加熱成形方法として、プリプレグと金属箔を重ね合わせ
た材料を多段に重ね、それを熱盤間に挿入し加圧、加熱
して一体化成形する、いわゆる多段プレス法が一般的で
ある。しかしこの多段プレス法は、熱盤の近くに配置さ
れた材料と熱盤から離れて配置された材料に温度差が発
生し、同じ構成や材料を用いても得られた積層板には特
性等の品質のばらつきが生じるので、長時間加熱する必
要があり、さらにこの温度差を少なくするために熱盤間
に入れる材料段数に制約があった。
【0003】この問題を解決するため、プリプレグと重
ねる金属箔に通電して金属箔を発熱させることにより加
圧、加熱成形する方法が特表平7−508940号公報
等により提案されている。図1に、この方法を使用した
例を示す。回路付配線板1の両面にプリプレグ2を配
し、この回路付配線板1とその両面のプリプレグを一組
の構成材料として連続した金属箔3を蛇行状に折り曲げ
ながら重ねて構成する。そして、折り曲げた金属箔が接
触しないように平滑な中間板4を構成材料1、2と交互
に金属箔の間に重ねていく。それを加圧プレス5の間に
入れ加圧しながら、電源6と金属箔3を金属線7で接続
し通電させ、ジュール熱で発熱させ加圧、加熱成形し
て、構成材料1、2と銅箔3を積層一体化する。なお、
回路付配線板1の代わりにプリプレグのみにすると両面
金属箔張り積層板が得られる。この方法では、いずれの
位置にあるプリプレグや回路付配線板と接している金属
箔を同じ条件で直接加熱できるため多段に重ねても構成
材料間の温度の差を少なくでき、得られた積層板の品質
のばらつきが少ない多層配線板や金属箔張り積層板を得
ることができる。また、加熱時間の短縮化が図れるよう
になる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように金属箔に
通電して金属箔を発熱させ、加圧、加熱することにより
プリプレグと金属箔を一体化する方法は、各段の品質の
ばらつきを少なくできる特徴があるが、加圧プレス内で
蛇行状に配される各段の金属箔が接近しているため、金
属箔どうしが接触したり、構成材料面を平滑にするため
に用いる中間板に導電性があると通電した際、短絡し電
流経路や電流値が変化してしまい発熱量が変わり温度が
不均一となり、得られる積層板の特性等の品質がばらつ
く問題が生じた。これを避けるため、中間板の材質を硬
質アルマイト処理をした上にさらに4フッ化エチレン処
理をしたアルミ材等が用いられている。このような中間
板の絶縁性を向上する処理により中間板の平均使用回数
は増加できるが、作業の際、中間板に傷を付けてしまう
とそこで短絡し数回で使用不可能になる。一方、金属箔
は連続で蛇行状に構成されるため、折り返しの所で中間
板の外に出るが、この中間板の外に出た部分同士の金属
箔が接触し短絡することがあった。このように、この製
造法はジュール熱で加熱するため電流値の変化があると
温度むらが生じ積層板の品質のばらつきが発生すること
があり、また、大きな電流値の変化があると危険を伴う
ことがあった。
【0005】本発明は上記の事情に鑑み、ジュール熱で
加熱する際の金属箔同士や金属箔と中間板とのショート
を生じることなく、安定した積層板の品質を得ることが
できる金属箔張り積層板の製造方法及び金属箔張り積層
板を提供することを目的とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、プリプレグと
積層した金属箔に通電して、金属箔を発熱させることに
より一体化させる積層体の製造方法において、金属箔の
表面に除去可能な絶縁層を被覆することを特徴とする金
属箔張り積層板の製造方法である。そして、除去可能な
絶縁層が水、酸又はアルカリ液に可溶又は膨潤するもの
であると好ましい金属箔張り積層板の製造方法である。
また、除去可能な絶縁層の厚さが3〜200μmである
と好ましい金属箔張り積層板の製造方法であり、除去可
能な絶縁層が金属箔の表面側の全面及びプリプレグと接
する裏面側の一部に被覆されていると好ましい金属箔張
り積層板の製造方法である。また、本発明は、上記の金
属箔張り積層板の製造方法により得られる金属箔張り積
層板である。
【0007】本発明は、プリプレグと積層した金属箔に
通電して、金属箔を発熱させることによって加圧一体化
させる積層体の製造方法に関するもので、金属箔の表面
に除去可能な絶縁層を被覆することを特徴とする。ここ
で、除去可能な絶縁層が水、酸またはアルカリ液に可溶
または膨潤することにより、金属箔からの除去が容易に
なる。また、除去可能な絶縁層の厚さは、3〜200μ
mの樹脂を主体とする材料が好ましい。金属箔を被覆す
る部分としては、プリプレグと直接接する面を裏面とす
ると表面側を被覆するだけでなく、裏面側の一部、例え
ばプリプレグより広くなっている部分も被覆することに
より、金属箔どうしが接触した場合に短絡防止を図るこ
とができ、より好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明について、図2を用い
て説明する。本発明は金属箔3のプリプレグと接する面
の反対側の表面に除去可能な絶縁層8を被覆させること
で金属箔表面に絶縁性を付与することができる。金属箔
への絶縁層の被覆は、樹脂のような絶縁材料を連続的に
または部分的にコータやロール等でコートする塗工方法
を用いたり、スプレーで塗布する方法等により金属箔表
面に絶縁層の塗膜を形成する。また、絶縁層となるフィ
ルム状の絶縁材料を連続的にまたは部分的に貼付けする
方法によっても形成することができる。絶縁層の金属箔
への形成は、金属箔表面に絶縁性を付与し、金属箔が導
体に接触したときに短絡しなければ、どのような方法を
用いて形成させても良く制限するものではない。
【0009】本発明の除去可能な絶縁層は、被覆した絶
縁層となる材料が金属箔張り積層板や多層配線板などの
積層板になった状態において除去できることが重要であ
り、例えば水、温水、酸またはアルカリ液、さらには物
理的に除去するものでも良く、前記液状物に可溶であっ
たり、膨潤して容易に除去できるものであることが好ま
しい。もちろん溶剤を用いて絶縁層を除去しても構わな
い。
【0010】本発明で使用する除去可能な絶縁層は、不
飽和二重結合を分子内に有し、重量平均分子量が1,0
00〜50,000の範囲で、アクリルアミドまたはメ
タクリルアミドモノマーを5〜50重量部含有するアク
リル系共重合体を主成分とする活性光線あるいは熱で架
橋する樹脂組成を用いることができる。アクリル系共重
合を構成するアミドモノマー以外のモノマーとして、メ
チル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレー
ト、ブチル(メタ)アクリレート等のアクリル系又はメ
タクリル系のアルキルエステルモノマーやスチレン、酢
酸ビニルなどのビニルモノマーや(メタ)アクリル酸、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジ
ル(メタ)アクリレートなどの側鎖官能基含有ビニル系
モノマーが挙げられる。分子内に導入する不飽和二重結
合を有する基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、ビ
ニルカルボニルオキシ基、アクリロイル基、メタクリロ
イル基等が挙げられる。その合成法として、例えば、攪
拌機、温度計、滴下ロート及び窒素ガス吹き込み装置を
備えた四つ口フラスコにメチルメタクリレート60重量
部、アクリルアミド25重量部、アクリル酸15重量部
及び重合開始剤であるアゾビスイソブチロニトリル4重
量部からなる混合物を入れ、窒素気流中攪拌しながら、
80℃にする。更に同温度で6時間反応を続けることに
より粘度が104センチポイズ(E型粘度計、30℃)
で重量平均分子量が約8,000のプレポリマーを得
る。次いで、100℃まで昇温し、グリシジルメタクリ
レート5重量部、トリエチルベンジルアンモニウムクロ
ライド0.5重量部、熱重合防止剤0.1重量部添加し
てなる混合液を滴下ロートにより30分間かけて滴下
し、側鎖に不飽和二重結合を持ったアクリル系共重合体
を得ることができる。このアクリル系共重合体は、10
Mradの電子線照射やベンゾイルパーオキサイド等の
過酸化物を配合して架橋させることができる。そして、
180℃程度の温度で特性劣化することが無く、除去の
場合、常温の水で2分間、80℃の温水で30秒程度浸
漬あるいはスプレーすることにより容易に除去すること
ができる。
【0011】更に、本発明で使用する除去可能な絶縁層
として、骨格がポリオキシアルキレン型ポリマー、また
は、その共重合体で構成され、分子内に不飽和二重結合
を有し、分子量が500〜50,000の範囲にある親
水性プレポリマーと1分子中に少なくとも2個以上のメ
ルカプト基を有し、分子量が100〜1,000の範囲
にある多官能連鎖移動剤と骨格の主成分がアクリル酸エ
ステルの共重合体で構成され、水酸基、カルボキシル基
又はアミノ基のうち少なくとも1種以上の官能基を有
し、分子量が50,000以上のアクリルポリマーとか
らなる樹脂組成物が挙げれれる。上記の親水性プレポリ
マーとして、例えば、ポリエチレングリコールやポリプ
ロピレングリコールに対する(メタ)アクリル酸付加
物、(メタ)アクリルイソシアネート付加物、またはポ
リエチレングリコール酸やポリプロピレングリコール酸
のグリシジル(メタ)アクリレート付加物、ポリエチレ
ングリコールジグリシジルエーテルの(メタ)アクリル
酸付加物が挙げられる。分子内に導入する不飽和二重結
合を有する基としては、ビニル基、ビニルオキシ基、ア
クリロイル基、メタアクリロイル基等が挙げられるが、
アクリロイル基とメタアクリロイル基は反応性が良く、
良好な結果が得られる。上記ポリマーの他に、官能基を
有する親水性官能基含有モノマーを配合することができ
る。このようなモノマーとして、エポキシアクリレー
ト、ウレタンアクリレート、ポリエーテルアクリレー
ト、ポリエステルアクリレート等が挙げられる。エポキ
シアクリレートとしては、1,6−へキサンジオールジ
グリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシ
ジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテ
ル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸
ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステ
ル、付加モル数が5以下のポリエチレングリコールジグ
リシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシ
ジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペ
ンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビ
トールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル
酸付加物等が挙げられる。連鎖移動剤は、1分子中に少
なくとも2個以上のメルカプト基を有するチオール化合
物であり、例えばトリメチロールプロパントリス−(β
−チオプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ
ス−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトールテト
ラキス−(チオグリコレート)、ペンタエリスリトール
テトラキス−(チオグリコレート)等が挙げられる。こ
れらは単独で用いても良く、2種以上を混合して用いて
も良い。その添加量は、親水性プレポリマー100重量
部に対し、0.5〜50重量部、好ましくは1〜30重
量部の範囲で選択して使用する。0.5重量部未満で
は、架橋分散の効果が不十分であり、50重量部を超え
ると硬化が不十分となり凝集力不足で接着性に悪影響を
与える場合がある。
【0012】例えば、親水性プレポリマーとして、ポリ
プロピレングリコールジメタクリレート(Mw=13,
000)100重量部、アクリルポリマーとして、下記
のように合成したアクリルポリマー20重量部、連鎖移
動剤としてトリメチロールプロパン−トリス−(β−チ
オプロピオネート)5重量部、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.5重量部を混合攪拌して金属箔上に塗工して絶縁
層を形成する。この絶縁層は、常温の水に1分間程度浸
漬するだけで剥離できる。アクリルポリマーの合成は、
ブチルメタクリレート40重量部、エチルアクリレート
50重量部、アクリル酸10重量部、β−メルカプトプ
ロピオン酸2.5重量部、4、4’−アゾビス−4−シ
アノバレリン酸3重量部を窒素下70℃で5時間反応さ
せた後、ハイドロキノン0.01重量部を加えることに
よりMw=約50万、不揮発分10重量%のアクリルポ
リマーを合成することができる。
【0013】金属箔に形成する絶縁層の厚みは、必要な
耐電圧と絶縁性を得ることや被覆を形成する作業性、除
去する作業性を考慮すると、3〜200μmの範囲が好
ましい。3μm未満では、傷等により絶縁性の保持が困
難になり、また200μmを超えて厚いと絶縁層となる
材料を金属箔に被覆する時間がかかり、更に除去する時
にも時間がかかるので好ましくない。
【0014】金属箔に絶縁層を形成し金属箔を被覆する
場所は、図2に示したようにプリプレグと接する金属箔
の反対側の表面側が適切である。金属箔のプリプレグと
接する反対側の表面側に少なくとも絶縁層を形成するこ
とにより、加圧プレス5で加圧された際に短絡が発生し
なくなる。従来は短絡を防止するため中間板4に手間の
かかる絶縁処理を行っていたが、本発明ではその必要性
が少ない。本発明では、中間板に絶縁処理を施していな
い場合でも、中間板とは絶縁層が接するため絶縁性が確
保され積層板の成形が可能となる。また、絶縁処理を行
った中間板を使用した場合には、その中間板の使用でき
る回数が大幅に増加する。
【0015】また、本発明では、金属箔張り積層板に成
形した場合、金属箔に絶縁層を形成した面が積層板製品
の表面側に存在するため、この絶縁層が積層成形終了時
の解体作業や搬送、積層板を規定の寸法に切断する工程
等において、積層板の傷防止の表面保護を行う効果を奏
する。また、積層成形時においては、プリプレグから飛
散する樹脂粉、ガラス粉または空気中からの異物が一緒
に成形され金属箔に打痕が付いたり、樹脂粉が付着した
りするのを防止することもできる。さらに、本発明で
は、通電の際の短絡防止を確実にするため、プリプレグ
と接する金属箔のプリプレグと接する金属箔側でプリプ
レグと接しない部分、例えば両端部にも絶縁層を被覆す
ると好ましい。この場合、金属箔張り積層板の構成材料
を加圧プレスに仕込むとき等に金属箔の端部に触れて折
り曲げてしまった場合、金属箔の短絡を確実に防止でき
る。このようにすることにより、積層板の生産性を向上
することができる。
【0016】本発明で使用する金属箔は制限するもので
なく積層板分野で通常に使用しているもので有れば使用
することができる。通常積層板に用いられている5〜2
00μmのものを使用できる。また、ニッケル、ニッケ
ル−リン、ニッケル−スズ合金、ニッケル−鉄合金、
鉛、鉛−スズ合金等を中間層とし、この両面に0.5〜
15μmの銅層と10〜300μmの銅層を設けた3層
構造の複合箔あるいはアルミニウムと銅箔を複合した複
合箔を用いることができる。成形条件は、特に制限する
ものでなく、通常温度は、昇温させてから一定温度に保
持し、圧力は、通常0.5〜10MPaの範囲で行う。
【0017】
【実施例】以下に、本発明を実施例により具体的に説明
する。 (実施例)厚み0.8mmのガラス布基材エポキシ樹脂
両面銅張り積層板(MCL E−67、日立化成工業株
式会社製商品名、銅箔厚み35μm)の両面の銅箔を回
路形成した回路付配線板1の両側にプリプレグ2(厚さ
0.1mmのガラスクロスにエポキシ樹脂を含浸させB
ステージまで半硬化させたプリプレグ、GEA−67
N、日立化成工業株式会社製商品名)を2枚づつ重ねた
500×500mmの材料を20セット準備した。ま
た、寸法が520×520mm、厚さ2mmのアルミニ
ウム板の表面を絶縁性のあるアルマイト処理した中間板
4を21枚準備した。
【0018】次に前記したポリプロピレングリコールジ
メタクリレート(Mw=13,000)100重量部、
アクリルポリマー20重量部、連鎖移動剤としてトリメ
チロールプロパン−トリス−(β−チオプロピオネー
ト)5重量部、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部
を混合攪拌してなる液状材料をコータを用いて、厚さ1
8μm、幅520mmのロール状の連続銅箔に表面(光
沢面)全面と裏面の端部10mm部分に30μm厚さで
塗布し乾燥し、銅箔上に絶縁層を形成した。この絶縁層
8付き銅箔3を用いて図2に示すように、加圧プレスの
盤面に中間板4を配し、更に絶縁層が形成されていない
銅箔表面にプリプレグ2、回路付配線板1、プリプレグ
2を配置し、その上に銅箔を折り込むように重ね、銅箔
の絶縁層形成面に中間板4を重ねてまた銅箔を折り返し
て銅箔の絶縁層が形成されていない面に再び、プリプレ
グ2、回路付配線板1、プリプレグ2と積層板の構成材
料を重ねた。このようにして、積層板構成材料の20セ
ットと中間板を組み立てて重ねた後、加圧プレス5に挿
入し10Kg/cm2で加圧しながら、銅箔の両端に電
源6から約50Vの電圧をかけ通電した。プレス中は、
昇温速度が3〜5℃/分で昇温し、温度が180℃にな
ったら10分間保持するよう温度制御して4層配線板を
作製した。成形後、加圧プレスから取り出し冷却した後
製品を解体した。そして銅箔表面の絶縁層を常温(25
〜30℃)の水をスプレーして除去した。30秒〜1分
間で容易に絶縁層を除去することができた。さらに4層
配線板の周辺を切断し480×480mmの積層板を得
た。
【0019】(比較例)実施例と同様な回路付配線板1
とプリプレグ2を準備し、さらに実施例と同一の中間板
4を準備した。幅520mm、厚さ18μmのロール状
の金属箔(銅箔3)に絶縁層を形成することなくそのま
ま用い、実施例と同一の条件でセットし蛇行させながら
プリプレグと中間板を重ねた。その後加圧プレス5に挿
入し同一条件で温度制御して4層配線板を作製した。そ
して周辺を切断し480×480mmの積層板を得た。
【0020】実施例と比較例により得られた4層配線板
の表面状態について、ふくれ・しわの発生、打痕、銅箔
の色むらについて評価し、その結果を表1に示した。
【0021】
【表1】 項目 実施例 比較例 ふくれ・しわの発生枚数 0枚 2枚 直径0.5mm以上の打痕発生枚数 0枚 3枚 周辺部の色むら発生状況 無 部分変色有り
【0022】実施例、比較例で製造した4層配線板の2
0枚について、その表面を比較した結果、実施例で作製
した4層配線板にはふくれやしわの発生は1枚も見られ
なかった。比較例で作製した4層配線板には、ふくれ、
しわが2枚発生した。この発生した部位を調べたとこ
ろ、中間板に微少な傷があり、その中間板を挟んで作製
した4層配線板の2枚に、樹脂の硬化過程に起因すると
思われるふくれ、しわが発生していた。また、直径が
0.5mm以上の打痕を調べたところ、実施例の4層配
線板には1ヶ所もなかったが、比較例では、3枚に打痕
が発生していた。更に、4層配線板の色むらについて、
比較例では、銅箔が空気と触れた周辺部は変色し、更に
製品となる部分にまで若干の酸化による色むらが見られ
た。一方、実施例では、銅箔の表面を絶縁層で被覆して
いるため色むらは無かった。実施例においては、銅箔を
蛇行させながらプリプレグ等と中間板とを重ね加圧プレ
スの間で加圧して通電させた時、銅箔どうしが接触して
いても何の問題も生じなかった。しかし、比較例におい
ては、通電した時に銅箔の端部が一部接触した所は短絡
が生じ、銅箔の一部に変色が発生した。
【0023】
【発明の効果】本発明のプリプレグと積層した金属箔に
通電して金属箔を発熱させることによって一体化させる
積層体の製造方法において、金属箔の表面に除去可能な
絶縁層を被覆して加圧、加熱成形する金属箔張り積層板
の製造方法により、従来の多段プレスによる一括成形の
ように温度差による品質のばらつきが無く、均一な特性
を有する品質で、また、打痕の少ない表面状態の優れた
積層板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来例の加圧プレス中の製品構成の断面図を
示す。
【図2】 本発明の実施例を示す加圧プレス中の製品構
成の断面図を示す。
【符号の説明】
1.回路付配線板 2.プリプレグ 3.金属箔 4.中間板 5.加圧プレス 6.電源装置 7.金属線 8.絶縁層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プリプレグと積層した金属箔に通電し
    て、金属箔を発熱させることにより一体化させる積層体
    の製造方法において、金属箔の表面に除去可能な絶縁層
    を被覆することを特徴とする金属箔張り積層板の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 除去可能な絶縁層が水、酸又はアルカリ
    液に可溶又は膨潤することを特徴とする請求項1に記載
    の金属箔張り積層板の製造方法。
  3. 【請求項3】 除去可能な絶縁層の厚さが3〜200μ
    mである請求項1または請求項2に記載の金属箔張り積
    層板の製造方法。
  4. 【請求項4】 除去可能な絶縁層が金属箔の表面側の全
    面及びプリプレグと接する裏面側の一部に被覆されてい
    ることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか
    に記載の金属箔張り積層板の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし請求項4のいずれかに記
    載の金属箔張り積層板の製造方法により得られる金属箔
    張り積層板。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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