JP2023019513A - フレキシブルプリント基板用保護フィルム及びフレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法 - Google Patents

フレキシブルプリント基板用保護フィルム及びフレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、FPC基板製造の際の熱プレスを複数回行ったとしても、糊残りもなく、良好な剥離性を有する、フレキシブルプリント基板用保護フィルム及び当該フレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法を提供することを目的とする。【解決手段】粘着層及び基材層をこの順に有し、前記粘着層が、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物の硬化物である、フレキシブルプリント基板用保護フィルム。【選択図】なし

Description

本発明は、フレキシブルプリント基板用保護フィルム及びフレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法に関する。
フレキシブルプリント基板(FPC基板)は、ポリイミド等の樹脂フィルムの基板上に銅箔等の金属により回路がパターンとして形成された構成を有しており、自由に曲げることができることから、今日までに様々な電子機器等の部品として用いられている。
特に、自由に曲げることのできるフレックス部と、折り曲げることができないリジット部を有するFPC基板は、電子機器等の内部で三次元的に配置することが容易であることから、電子機器等の設計の幅を広げることが可能である。
上述のような、フレックス部とリジット部とを有するFPC基板は、一般に、基板上に銅箔等で回路をパターン形成し、その上にカバーレイ等を形成した後、更にその上にプリプレグ等の充填材を熱プレスにより積層し、フレックス部に該当する部分の充填材をレーザー等でカットし除去することにより形成される。この際、回路やカバーレイを熱プレスのダメージから保護し、また、フレックス部の充填材を容易に除去するために、銅箔及びカバーレイと充填材との間には、保護フィルムが配置される。
FPC基板用の保護フィルムに関して、特許文献1には、カルボキシル基及びエチレン性不飽和結合を有するアクリルポリマーとエポキシ基を有する熱硬化剤とを含有し、発熱反応の開始温度が100℃以下である保護フィルム用組成物が提案されている。
また、特許文献2には、基板フィルムと粘着層を有し、前記粘着層のガラス転移温度が10℃から45℃であり、かつ、少なくともアクリル樹脂と架橋剤とから形成されている、熱プレス用離型シートが提案されている。
特開2015-89926号公報 特開2020-104518号公報
しかしながら、特許文献1及び2に開示されている保護シート等は、充填剤を積層する際の熱プレスを2回以上受けると、FPC基板から剥離をした際に、粘着剤等が糊残りをしてしまう問題があった。また、糊残りの問題から、特許文献1及び2に開示されている保護シート等では、プリプレグ等の充填剤を複数積層する場合、熱プレスによる積層を1回するごとに保護シートを貼り直す必要があり、FPC基板の製造効率を向上させることができなかった。
本発明は、FPC基板製造の際の熱プレスを複数回行ったとしても、糊残りもなく、良好な剥離性を有する、フレキシブルプリント基板用保護フィルム及び当該フレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、以下の[1]~[9]を提供する。
[1]粘着層及び基材層をこの順に有し、前記粘着層が、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物の硬化物である、フレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[2]前記粘着剤が、熱硬化性樹脂組成物である、[1]に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[3]前記熱硬化性樹脂組成物が、水酸基を有する、[2]に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[4]前記粘着層において、前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量が、前記粘着剤100質量部に対し、2質量部以上100質量部以下である、[1]~[3]のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[5]前記粘着層において、前記電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量が、前記粘着剤100質量部に対し、0.05質量部以上15質量部以下である、[1]~[4]のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[6]前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量に対する前記電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量の質量比([電離放射線硬化性フッ素化合物]/[3官能以上の電離放射線硬化性化合物])が、0.1/100以上150/100以下である、[1]~[5]のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[7]前記基材層の、JIS C 2151:2019に規定される、200℃、30分間における加熱収縮率が、0.50%以下である、[1]~[6]のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[8]前記粘着層の前記基材層側とは反対側の面に、セパレータを有する、[1]~[7]のいずれかに記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
[9]次の工程(1)~(3)を有する、フレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法。
工程(1):基材層の一方の面上に、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物を塗布する工程。
工程(2):窒素雰囲気下で、電離放射線を照射し、前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物と前記電離放射線硬化性フッ素化合物とを反応させる工程。
工程(3):エージングにより、粘着剤の硬化を進行させ、粘着層を形成させる工程。
本発明によれば、FPC基板製造の際の熱プレスを複数回行ったとしても、糊残りもなく、良好な剥離性を有する、フレキシブルプリント基板用保護フィルム及び当該フレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法を提供することができる。
[フレキシブルプリント基板用保護フィルム]
本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムは、粘着層及び基材層をこの順に有し、前記粘着層が、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物の硬化物であることを特徴としている。本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムは、上記特徴を有することによって、フレキシブルプリント基板製造の際に熱プレスを複数回行ったとしても、糊残りもなく、良好な剥離性を発現することができる。
[粘着層]
本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムにおける粘着層は、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物の硬化物である。粘着層が上記構成を有することにより、本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムに耐熱性を付与することができるため、熱プレスを複数回実施したとしても、粘着層と被着体との密着性が必要以上に大きくなることを防ぐことができ、被着体からフレキシブルプリント基板用保護フィルムを糊残りなく剥離することができる。
<粘着層組成物>
本発明における粘着層組成物は、少なくとも、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む組成物である。当該粘着組成物を後述の基材層上に塗布し硬化させて硬化物とすることにより、粘着層を形成することができる。
(粘着剤)
本発明における粘着層組成物は、粘着剤を含有する。粘着剤を含有することにより、本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムに粘着性を付与することができるため、熱プレスをする際の基板上に貼り合わせることが可能となり、保護フィルムとしての機能を発現させることができる。
粘着剤は、熱硬化性樹脂組成物であることが好ましい。熱硬化性樹脂組成物であることにより、形成された粘着層の凝集力を向上させることができるため、貼り合わせ時に粘着剤がはみ出すことを抑制しやすくでき、更に、熱プレス後に被着体から本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムを剥離する際に、粘着層の凝集破壊を防ぎやすくできるため、糊残りなく剥離することができる。
熱硬化性樹脂組成物としては、熱によって化学反応が生じて架橋する性質を有する組成物を含むものが好ましく、例えば、2液硬化型ウレタン系粘着剤、ポリエステルウレタン系粘着剤、ポリエ-テルウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ポリ酢酸ビニル系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ゴム系粘着剤等を挙げることができ、これらの中では、粘着層の耐熱性及び粘着性の観点から、2液硬化型ウレタン系粘着剤、アクリル系粘着剤、エポキシ系粘着剤が好ましく、2液硬化型ウレタン系粘着剤が好ましい。
また、前記熱硬化性樹脂組成物としては、水酸基を有することが好ましい。熱硬化性樹脂組成物が水酸基を有することにより、高分子量化しやすくなり凝集破壊を防ぐことができる。
ここで、2液硬化型ウレタン系粘着剤を構成するウレタン系樹脂は、ポリオール(多価アルコール)を主剤とし、イソシアネートを架橋剤とするポリウレタンである。
なお、粘着層内において、熱硬化性樹脂組成物は一部が架橋していてもよい。すなわち、粘着層は、熱硬化性樹脂組成物の硬化物を含んでいてもよい。未硬化の熱硬化性樹脂組成物は、保護フィルムの製造時のエージング工程で硬化を進行させることが好ましい。
前記ポリオールは、分子中に2個以上の水酸基を有するものである。ポリオールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6-ヘキサンジオール、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール等が用いられる。これらのポリオールは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのポリオールのうち、被着体との密着性の観点及び耐熱性の観点から、アクリルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオールを用いることが好ましく、アクリルポリオールを用いることが特に好ましい。
前記ポリオールの重量平均分子量は、10万以上120万以下が好ましく、20万以上100万以下がより好ましく、40万以上90万以下が更に好ましい。重量平均分子量を10万以上とすることで、粘着層の強度を高くし、凝集力を向上しやすくできる。また、重量平均分子量を120万以下とすることで、粘着層組成物の粘度を適正な範囲にすることができるため、均一な粘着層を形成でき、外観の良好保護フィルムを形成できる。
なお、本明細書における重量平均分子量は、GPC分析によって測定され、かつ標準ポリスチレンで換算された平均分子量である。
前記イソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,4,8-トリイソシアネートオクタン、1,3,6-トリイソシアネートヘキサン、2,5,7-トリメチル-1,8-ジイソシアネート-5-イソシアネートメチルオクタン等の脂肪族ポリイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、1,4-シクロヘキサンジイソシアネート、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、1,3,5-トリイソシアネートシクロヘキサン、1,3,5-トリメチルイソシアネートシクロヘキサン、2-(3-イソシアネートプロピル)-2,5-ジ(イソシアネートメチル)-ビシクロ(2,2,1)ヘプタン等の脂環族ポリイソシアネート、1,3-又は1,4-キシリレンジイソシアネート又はその混合物、1,3-又は1,4-ビス(1-イソシアネート-1-メチルエチル)ベンゼン、1,3,5-トリイソシアネートメチルベンゼン等の芳香脂肪族ポリイソシアネート、m-フェニレンジイソシアネート、p-フェニレンジイソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタン-2,2’,5,5’-テトライソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネートの誘導体等が用いられる。これらのポリイソシアネートは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのポリイソシアネートのうち、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート及び芳香脂肪族ポリイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が好ましく用いられる。
前記ポリオールと前記イソシアネートとの配合比は、粘着層の形成及び形成後の粘着層と被着体との密着性の観点から、前記ポリオールに含まれる水酸基と前記イソシアネートに含まれるイソシアネート基とのモル比nOH/nNCOが、1/1.1~5/1が好ましく、1.5/1~3/1がより好ましい。
(3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物)
本発明における粘着層組成物は、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含有する。
粘着層組成物に3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含有することにより、粘着層が形成される際、粘着層の表面側(粘着層が被着体と接する側の面)に浮上した電離放射線硬化性フッ素化合物を、電離放射線硬化性化合物と架橋させることによって、形成される粘着層の表面側に離放射線硬化性フッ素化合物を固定化させることが可能となる。そのため、粘着層の剥離強度を調節することができ、フレキシブルプリント基板の製造の際に、熱プレスを複数回実施したとしても、粘着層と被着体との密着性が必要以上に大きくなることを防ぐことができ、被着体からフレキシブルプリント基板用保護フィルムを糊残りなく剥離することができる、フレキシブルプリント基板用保護フィルムを得ることができる。
一方で、粘着組成物に3官能以上の電離放射線硬化性化合物が含まれない場合、粘着層を形成の際に粘着層の表面側に浮上した電離放射線硬化性フッ素化合物を、粘着層の表面側に固定化することができない。そのため、フレキシブルプリント基板の製造の際、特に複数回の熱プレスによって粘着層の剥離強度が必要以上に大きくなる場合があり、保護フィルムを剥離する際の糊残りを防ぐことができない。また、粘着組成物に電離放射線硬化性フッ素化合物が含まれない場合は、粘着層の剥離強度が大きくなりすぎるため、保護フィルムを剥離する際の糊残りを防ぐことができない。
電離放射線硬化性化合物とは、電離放射線硬化性官能基を有する化合物である。電離放射線硬化性官能基としは、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられる。なお、本明細書において、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又はメタクロイル基を示す。また、本明細書において、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを示す。
また、電離放射線とは、電磁波又は荷電粒子線のうち、分子を重合あるいは架橋し得るエネルギー量子を有するものを意味し、通常、紫外線(UV)又は電子線(EB)が用いられるが、その他、X線、γ線などの電磁波、α線、イオン線などの荷電粒子線も含まれる。
(3官能以上の電離放射線硬化性化合物)
本発明における粘着層組成物は、3官能以上の電離放射線硬化性化合物を含有する。3官能以上とは、電離放射線硬化性官能基を3以上有することを意味する。また、本発明における粘着層組成物も3官能以上の電離放射線硬化性化合物は、フッ素原子を含まない。
3官能以上の電離放射線硬化性化合物を含有することにより、形成された粘着層の架橋密度を向上させることができるため、熱プレス後に被着体から本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムを剥離する際に、粘着層の凝集破壊を防ぐことができ、糊残りなく剥離することができる。
一方で、2官能以下の電離放射性硬化性化合物の場合、形成された粘着層の架橋密度が低くなるため、粘着層の凝集破壊を防ぐことができず、また、電離放射線硬化性フッ素化合物を粘着層の表層に固定し難いことから、熱プレス後に被着体からフレキシブルプリント基板用保護フィルムを糊残りなく剥がすことが困難となる。
3官能以上の電離放射線硬化性化合物は、具体的には、従来電離放射線硬化性樹脂として慣用されている3官能以上の重合性モノマー及び3官能以上の重合性オリゴマーの中から適宜選択して用いることができ、粘着層の架橋密度をより向上させる観点から、3官能以上の重合性モノマーを用いることが好ましい。
3官能以上の重合性モノマーとしては、分子中に3つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートモノマーが挙げられ、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
3官能以上の重合性モノマーの官能基数は、粘着層の剥離強度を調節する目的並びに加工特性及び耐熱性を向上させる観点から、3以上8以下が好ましく、3以上7以下がより好ましく、3以上6以下が更に好ましく、3以上5以下がより更に好ましい。
3官能以上の重合性オリゴマーとしては、例えば、分子中に3つ以上の電離放射線硬化性官能基を有し、かつ該官能基として少なくとも(メタ)アクリロイル基を有する(メタ)アクリレートオリゴマーが挙げられる。例えば、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、アクリル(メタ)アクリレートオリゴマー等が挙げられる。
更に、重合性オリゴマーとしては、他にポリブタジエンオリゴマーの側鎖に(メタ)アクリレート基をもつ疎水性の高いポリブタジエン(メタ)アクリレート系オリゴマー、主鎖にポリシロキサン結合をもつシリコーン(メタ)アクリレート系オリゴマー、小さな分子内に多くの反応性基をもつアミノプラスト樹脂を変性したアミノプラスト樹脂(メタ)アクリレート系オリゴマー、あるいはノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂肪族ビニルエーテル、芳香族ビニルエーテル等の分子中にカチオン重合性官能基を有するオリゴマー等がある。
これらの重合性オリゴマーは、単独で、又は複数種を組み合わせて用いてもよい。粘着層の剥離強度を調節する目的並びに加工特性及び耐熱性を向上させる観点から、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリカーボネート(メタ)アクリレートオリゴマー、及びアクリル(メタ)アクリレートオリゴマーから選ばれる1種以上が好ましく、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー及びポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー選ばれる1種以上がより好ましい。
3官能以上の重合性オリゴマーの官能基数は、粘着層の剥離強度を調節する目的並びに加工特性及び耐熱性を向上させる観点から、3以上8以下が好ましく、3以上7以下がより好ましく、3以上6以下が更に好ましい。
また、これらの重合性オリゴマーの重量平均分子量は、粘着層の剥離強度を調節する目的並びに加工特性及び耐熱性を向上させる観点から、1,000以上7,500以下が好ましく、1,200以上5,000以下がより好ましく、1,500以上3,000以下が更に好ましい。
本発明における粘着層において、3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量は、粘着剤100質量部に対し、2質量部以上100質量部以下であることが好ましく、4質量部以上80質量部以下であることがより好ましく、6質量部以上40質量部以下であることが更に好ましく、8質量部以上20質量部以下であることがより更に好ましい。
3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量が2質量部以上であることにより、粘着層と被着体との粘着性が高くなりすぎることを防止しやすくでき、また、形成された粘着層の架橋密度を向上させることから粘着層の凝集破壊を防ぎやすくできるため、熱プレス後に被着体から本発明の保護フィルムを剥離する際に、糊残りなく剥離しやすくできる。また、3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量が100質量部以下であることにより、被着体と粘着層との密着性が低くなりすぎることを防止しやすくでき、本発明の保護フィルムを用いてフレキシブルプリント基板を製造する工程中に、意図しないタイミングで保護フィルムが剥離することを防ぎやすくできる。
(電離放射線硬化性フッ素化合物)
本発明における粘着層組成物は、電離放射線硬化性フッ素化合物を含有する。電離放射線硬化性フッ素化合物を含有することにより、形成された粘着層と被着体との剥離強度が大きくなりすぎることを防ぐことができるため、熱プレス後に、熱プレス後に被着体から本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムを糊残りなく剥がすことが可能となる。
一方で、粘着層組成物に電離放射線硬化性フッ素化合物が含有されない場合、特に複数回の熱プレスを行った際に、被着体とフレキシブルプリント基板用保護フィルムとの剥離強度が大きくなるため、被着体からフレキシブルプリント基板用保護フィルムを糊残りなく剥がすことが困難となる。
電離放射線硬化性フッ素化合物としては、フッ素含有置換基として、パーフルオロポリエーテル基、パーフルオロアルキレン基及びパーフルオロアルキル基から選ばれる少なくとも1種の基を有する電離放射線硬化性化合物であることが好ましい。
また、電離放射線硬化性フッ素化合物は、電離放射線硬化性官能基を有する化合物である。電離放射線硬化性官能基としは、上述の通り、電離放射線の照射によって架橋硬化する基であり、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基などのエチレン性二重結合を有する官能基などが好ましく挙げられ、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
電離放射線硬化性フッ素化合物の電離放射線硬化性官能基の数は、粘着層の剥離強度を調節する観点から、1以上8以下が好ましく、2以上7以下がより好ましく、3以上6以下が更に好ましい。
また、これらの電離放射線硬化性フッ素化合物の分子量は、粘着層の剥離強度を調節する観点から、300以上10000以下が好ましく、500以上8000以下がより好ましく、800以上5000以下が更に好ましく、1000以上3000以下がより更に好ましい。
本発明における粘着層において、電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量は、上述の粘着剤100質量部に対し、0.05質量部以上15質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、0.15質量部以上5質量部以下であることが更に好ましく、0.2質量部以上1.0質量部以下であることがより更に好ましく、0.2質量部以上0.5質量部以下であることが特に好ましい。
電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量が0.05質量部以上であることにより、粘着層と被着体との粘着性が高くなりすぎることを防止しやすくでき、熱プレス後に被着体から本発明の保護フィルムを剥離する際に、糊残りなく剥離しやすくできる。
一方で、電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量の含有量が、粘着剤100質量部に対し15質量部を超えると、粘着層形成時に泡が生じ、粘着層表面が均一に形成されにくくなる問題が生じる場合がある。したがって、電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量の含有量が15質量部以下とすることにより、上記泡の発生し難くでき、粘着層の表面を均一に形成しやすくできる。
3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量に対して、電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量が少ないと、熱プレス後に被着体から本発明の保護フィルムを剥離する際に糊残りが発生しやすい傾向があり、一方で、電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量が多いと、被着体へのフッ素成分の移行や製品加工時に発生する気泡によって、製品の表面上に不良を起こしやすい傾向がある。このため、3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量に対する電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量の質量比([電離放射線硬化性フッ素化合物]/[3官能以上の電離放射線硬化性化合物])は、0.1/100以上150/100以下であることが好ましく、0.5/100以上120/100以下であることがより好ましく、1/100以上100/100以下であることが更に好ましく、1.5/100以上50/100以下であることが更に好ましく、1.5/100以上10/100以下であることがより更に好ましく、1.5/100以上5/100以下であることが特に好ましい。
上述の3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物は、加工特性を向上させる観点から、紫外線硬化性化合物であることが好ましい。3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物が紫外線硬化性化合物である場合、粘着層組成物は光重合開始剤や光重合促進剤等の添加剤を含むことが好ましい。
光重合開始剤としては、アセトフェノン、ベンゾフェノン、α-ヒドロキシアルキルフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾイン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾイルベンゾエート、α-アシルオキシムエステル、チオキサントン類等から選ばれる1種以上が挙げられる。
また、光重合促進剤は、硬化時の空気による重合阻害を軽減させ硬化速度を速めることができるものであり、例えば、p-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、p-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等から選ばれる1種以上が挙げられる。
粘着層の厚さは、本発明の保護フィルムの取り扱い性及び粘着層と被着体との密着性の観点から、0.5μm以上50μm以下が好ましく、1μm以上40μm以下がより好ましく、3μm以上30μm以下が更に好ましく、5μm以上20μm以下がより更に好ましい。
上述の粘着層組成物を用いる場合において、塗布剤として用いられる溶媒は特に限定されず、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の非水溶性有機溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルプロピルアルコール等の水溶性有機溶剤、水、又はこれらの混合溶剤等が挙げられる。
[基材層]
本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムは基材層を有する。基材層は、上述の粘着層の表面側(粘着層が被着体と接する側の面)とは反対側の面に形成される層であり、本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムをフレキシブルプリント基材の製造に用いる際、被着体に対する保護層としての機能を発現する層である。
基材層は、フレキシブルプリント基板の製造における熱プレス工程での加工性の観点から、耐熱性を有するプラスチックフィルムであることが好ましい。
プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン6又はナイロン66等のポリアミド系樹脂、ポリイミド樹脂、オレフィン樹脂等が挙げられ、この中ではポリイミド樹脂を用いることが好ましい。
また、基材層は、フレキシブルプリント基板の製造における熱プレス工程での加工性及び耐熱性の観点から、JIS C 2151:2019に規定される、200℃、30分間における加熱収縮率が、0.50%以下であることが好ましく、0.40%以下であることが好ましく、0.30以下であることがより好ましい。
基材層の厚さは、保護フィルムの取り扱い性の観点及びフレキシブルプリント基板の製造における熱プレス工程における保護機能の観点から、8μm以上50μm以下が好ましく、10μm以上40μm以下がより好ましく、12μm以上30μm以下がより好ましい。
[セパレータ]
本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムにおいて、粘着層の基材層側とは反対側の面に、セパレータを有することが好ましい。
セパレータを有することにより、本発明の保護フィルムをフレキシブルプリント基板の製造に用いるまでの間に、粘着層の表面側(粘着層が被着体と接する側の面)を保護することができる。そのため、本発明の保護フィルムの粘着層表面に欠陥が生じることを防ぎやすくでき、フレキシブルプリント基板の製造に好適に用いることができる。
セパレータとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、トリアセチルセルロース、ポリ( メタ) アクリレート、ポリ塩化ビニル等のプラスチックフィルムや紙等に離型処理を施したものが好適である。
また、セパレータの厚さは、取り扱い性の観点から、10μm以上100μm以下が好ましく、25μm以上75μm以下がより好ましい。セパレータは、フレキシブルプリント基板へのシリコーン成分が移行することによる悪影響を防止するために、非シリコーン系の離型剤で離型処理されたセパレータであることが好ましい。非シリコーン系の離型剤としてはポリオレフィンが挙げられる。
[フレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法]
本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法は、次の(1)~(3)の製造工程を有する。
工程(1):基材層の一方の面上に、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物を塗布する工程。
工程(2):窒素雰囲気下で、電離放射線を照射し、前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物と前記電離放射線硬化性フッ素化合物とを反応させる工程。
工程(3):エージングにより、粘着剤の硬化を進行させ、粘着層を形成させる工程。
工程(1)は、基材層の一方の面上に、上述の粘着層組成物を塗布し、粘着層組成物の塗膜を形成する工程である。
工程(1)における、粘着層組成物の塗布方法としては、公知の塗布方法を用いることができ、例えば、ロールコート、グラビアコート、エアナイフコート、コンマコート等が用いられ、生産性の観点から、グラビアコートが好ましく用いられる。
工程(2)は、工程(1)で形成した粘着層組成物の塗膜に電離放射線を照射することにより、3官能以上の電離放射線硬化性化合物と電離放射線硬化性フッ素化合物とを反応させる工程である。
工程(2)により、粘着剤を硬化させる(工程(3))よりも先に3官能以上の電離放射線硬化性化合物と電離放射線硬化性フッ素化合物とを反応させることにより、粘着層組成物の塗膜の上層(粘着層となった時の、被着体と接する側の面)と電離放射線硬化性フッ素化合物を固定化することができる。そのため、得られた本発明の保護フィルムを用いてフレキシブルプリント基板する際、特に複数回の熱プレス工程を実施した後においても、被着体から、本発明の保護フィルムを糊残りなく剥離することができるようになる。
工程(3)は、エージングをすることにより、粘着剤の硬化を進行させる工程である。
工程(3)により、3官能以上の電離放射線硬化性化合物と電離放射線硬化性フッ素化合物とを反応させた後(工程(2)の後)に、粘着剤を硬化させることにより、粘着層の凝集力を向上させることができる。そのため、得られた本発明の保護フィルムを用いてフレキシブルプリント基板を製造する際、貼り合わせ時に粘着剤がはみ出すことを抑制しやすくでき、更に、特に複数回の熱プレス工程を実施した後においても、被着体から、本発明の保護フィルムを糊残りなく剥離することができるようになる。
本発明の製造方法は、工程(2)と工程(3)との間に、下記工程(2.5)を有することが好ましい。
工程(2.5):前記粘着組成物の塗膜上に、セパレータをラミネートする工程。
工程(2.5)におけるラミネートとしては、公知のラミネート方法を用いることができ、例えば、上述のセパレータで例示したフィルムを、粘着組成物の塗膜上に重ね合わせ、ラミネートロールに通して圧力を加えることによって、セパレータを形成することができる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。各性状値は、次の方法により評価した。
1.評価
1-1.剥離性評価
厚さ125μmのポリイミドフィルム(「カプトン500H」、東レデュポン株式会社製)上に、カバーレイとしてパイララックスHXC-1215(デュポン社製、厚さ27μm)を積層したものを、試験用基板として準備した。
実施例及び比較例のフレキシブルプリント基板用保護フィルムからセパレータを剥離し、前記試験用基板のオーバーレイ側と、実施例及び比較例のフレキシブルプリント基板用保護フィルムの粘着層とを対向させて貼り合わせ、下記(1)及び(2)の各条件で熱プレスを行い、評価用積層体を作製した。
各評価用積層体について、幅25mm、長さ8cmの試験片とし、万能試験機(「テンシロン万能試験機」、株式会社オリエンテック製)を用い、フレキシブルプリント基板用保護フィルム側を180°に折り返し、300mm/minの条件で剥離強度を測定した。測定結果は表2に示す。
(熱プレス条件)
(1)プレス温度:230℃、プレス圧力:3MPa、プレス時間:2時間、プレス回数:1回
(2)プレス温度:230℃、プレス圧力:3MPa、プレス時間:2時間、プレス回数:4回(熱プレス後、室温で24時間静置後、次の熱プレスを実施するサイクルで行った。)
1-2.糊残り評価
上記剥離性評価後の試験片において、試験用基板上を目視で確認し、下記評価基準に基いてフレキシブルプリント基板用保護フィルムの粘着層の糊残りを評価した。評価結果を表2に示す。
A:試験機基板上に糊残りは無かった。
B:試験基板上に、一部糊残りが生じた。
C:試験基板上に、フレキシブルプリント基板用保護フィルムの粘着層が転着した。
2.フレキシブルプリント基板用保護フィルムの作製
<実施例1>
厚さ12.5μmのポリイミドフィルム(「カプトン50KN」、東レデュポン株式会社製)を基材層とし、前記基材層上に下記粘着層組成物を、乾燥後の厚さが15μmとなるように塗布し乾燥させた後、無電極ランプを用い、窒素雰囲気下で積算光量が400mJ/cmとなるようにUV照射した。
その後、下記の粘着組成物1の塗膜上に、セパレータ(「セラピール38BX9A」、東レ株式会社製、厚さ38μm)を、室温下、ラインスピード2m/min、圧力0.4MPaの条件でラミネートし積層体とした。
次いで前記積層体を、45℃で5日間エージングすることで、粘着剤と架橋剤を架橋反応させて硬化することで粘着層を形成し、実施例1のフレキシブルプリント基板用保護フィルムを得た。
(粘着層組成物)
・粘着剤主剤(アクリル系粘着剤、「AS-200X」、固形分比26質量%、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製):100.00質量部(固形分26質量部相当)
・粘着剤架橋剤(ヘキサメチレンジイソシアネート、「架橋剤N」、固形分比75質量%、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製):6.00質量部(固形分4.50質量部相当)
・電離放射線硬化性化合物:PETIA(ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート、固形分比100質量%、ダイセル・オルネクス株式会社製):5.20質量部
・光重合開始剤(「オムニラッド184」、固形分比100質量%、IGM Resins B.V.社製):0.78質量部
・電離放射線硬化性フッ素化合物(「KY1203」、固形分比20質量%、信越化学工業株式会社製):0.46質量部(固形分0.09質量部相当)
・トルエン(溶剤):11.11質量部
・メチルエチルケトン(溶剤):11.11質量部
<実施例2~10、比較例1~4>
粘着層組成物の、粘着剤、電離放射性硬化性化合物、電離放射線硬化性フッ素化合物及び溶媒の、種類及び配合量を表1に変更した以外は、実施例1と同様に、実施例2~10及び比較例1~4のフレキシブルプリント基板用保護フィルムを得た。
Figure 2023019513000001
表1中の、粘着剤、電離放射線硬化性化合物及び電離放射性フッ素化合物は、以下の通りである。
(粘着剤)
・主剤:「AS-200X」:アクリル系粘着剤、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製、固形分比26質量%
・架橋剤:「架橋剤N」:ヘキサメチレンジイソシアネート、ライオンスペシャリティケミカルズ株式会社製、固形分比75質量%
(電離放射線硬化性化合物)
・「PETIA」:ペンタエリスリトール(トリ/テトラ)アクリレート、ダイセル・オルネクス株式会社製(官能基数:3)、固形分比100質量%
・「EBECRYL40」:ペンタエリスリトールアルコキシテトラアクリレート(官能基数:4)、ダイセル・オルネクス株式会社製、固形分比100質量%
・「EBECRYL450」:ポリエステルアクリレート(官能基数:6)、ダイセル・オルネクス株式会社製、固形分比100質量%
・「EBECRYL3700」:ビスフェノールAタイプ(官能基数:2)、ダイセル・オルネクス株式会社製、固形分比100質量%
(電離放射線硬化性フッ素化合物)
・「KY1203」:信越化学工業株式会社製、固形分比20質量%
・「RS75A」:DIC株式会社製、固形分比20質量%
Figure 2023019513000002
表2の結果より、粘着層に粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物の硬化物を含有する実施例1~10のフレキシブルプリント基板用保護フィルムは、熱プレス後の剥離性が良好であり、特に複数回熱プレスを行った後の剥離性に優れるものであった。
本発明のフレキシブルプリント基板用保護フィルムは、熱プレスを行った後であっても、糊残りもなく、良好な剥離性を有する、優れた特性を示すことから、熱プレスを含む工程を有するフィルムやシート等の製造に好適に用いることができ、特にフレキシブルプリント基板を製造時の保護フィルムとして好適に用いることができる。

Claims (9)

  1. 粘着層及び基材層をこの順に有し、
    前記粘着層が、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物の硬化物である、フレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  2. 前記粘着剤が、熱硬化性樹脂組成物である、請求項1に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  3. 前記熱硬化性樹脂組成物が、水酸基を有する、請求項2に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  4. 前記粘着層において、前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量が、前記粘着剤100質量部に対し、2質量部以上100質量部以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  5. 前記粘着層において、前記電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量が、前記粘着剤100質量部に対し、0.05質量部以上15質量部以下である、請求項1~4のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  6. 前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物の含有量に対する前記電離放射線硬化性フッ素化合物の含有量の質量比([電離放射線硬化性フッ素化合物]/[3官能以上の電離放射線硬化性化合物])が、0.1/100以上150/100以下である、請求項1~5のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  7. 前記基材層の、JIS C 2151:2019に規定される、200℃、30分間における加熱収縮率が、0.50%以下である、請求項1~6のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  8. 前記粘着層の前記基材層側とは反対側の面に、セパレータを有する、請求項1~7のいずれか1項に記載のフレキシブルプリント基板用保護フィルム。
  9. 次の工程(1)~(3)を有する、フレキシブルプリント基板用保護フィルムの製造方法。
    工程(1):基材層の一方の面上に、粘着剤、3官能以上の電離放射線硬化性化合物及び電離放射線硬化性フッ素化合物を含む粘着層組成物を塗布する工程。
    工程(2):窒素雰囲気下で、電離放射線を照射し、前記3官能以上の電離放射線硬化性化合物と前記電離放射線硬化性フッ素化合物とを反応させる工程。
    工程(3):エージングにより、粘着剤の硬化を進行させ、粘着層を形成させる工程。
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