JPH11276960A - 浸漬塗工装置 - Google Patents

浸漬塗工装置

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JPH11276960A
JPH11276960A JP10100270A JP10027098A JPH11276960A JP H11276960 A JPH11276960 A JP H11276960A JP 10100270 A JP10100270 A JP 10100270A JP 10027098 A JP10027098 A JP 10027098A JP H11276960 A JPH11276960 A JP H11276960A
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    • B05C13/02Means for manipulating or holding work, e.g. for separate articles for particular articles
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浸漬塗工により電子写真感光体を製造する
際、膜厚ムラの少ない感光体塗膜を基体上に形成するこ
とができ、また複数本の基体を同時に浸漬塗工する際、
各感光体塗膜の膜厚を均一化することができる浸漬塗工
装置を提供する。 【解決手段】 多孔質体からなる気体放出部を有する被
塗工基体保持治具、該気体放出部に気体を供給する気体
供給経路、及び該気体供給経路に設けられた気体供給弁
を有し、該被塗工基体保持治具に保持された被塗工基体
の浸漬塗工時に気体供給弁を開き気体放出部から気体を
放出するようにした浸漬塗工装置において、多孔質体か
らなる気体放出部の圧損失を、気体供給弁から気体放出
部に至る気体供給経路の圧損失の2倍以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、浸漬塗工装置に関
し、更に詳しくは、気体放出部を有する被塗工基体保持
治具に保持された被塗工基体を塗布液中に浸漬して該基
体上に塗膜を形成する浸漬塗工装置に関するものであ
り、特に円筒状基体に感光体塗膜を形成して電子写真感
光体を製造するのに適した浸漬塗工装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】円筒状の基体外周囲に感光体塗布液を塗
布する代表的な方法として浸漬塗工法が広く実用化され
ている。しかし、浸漬塗工法により塗布された感光体塗
膜には、塗布開始端である塗工上端部が薄くなるいわゆ
るタレ現象が生じるという問題がある。このような塗布
開始端でのタレをなくす方法が特許公開公報に種々開示
されているが、いずれも塗工装置が複雑になる、塗膜ム
ラが生じ易い、タレ対策効果が充分でないなどの欠点を
有している。例えば、特開昭59−127049号公報
には、円筒状基体を感光体塗布液から引き上げる際、感
光体塗布液から発生する溶媒蒸気を減少させる方法が示
されているが、この方法によると、溶媒蒸気濃度を減少
させる為の気体通路を塗工槽上部に取り付けねばなら
ず、塗工装置が複雑となり、また気流の流れ方向は円筒
状基体に対して横方向であり、従って、風上側と風下側
で円筒状基体に対して気流の当たり方が異なり、塗布ム
ラが生じ易いという問題がある。特開昭59−2257
71号公報には、円筒状基体引き上げ時に塗工槽内部の
塗布液面上に位置させたリング状エアードクターから気
流を円筒状基体に当てる方法が開示されているが、この
方法では塗工槽内部の気流の乱れと、塗膜へ直接当たる
気流により塗膜ムラが発生するという問題がある。特開
昭63−7873号公報には、塗工槽上部に設けた伸縮
フードにより蒸気濃度を上から下へ減少させることが開
示されているが、この方法では装置が複雑になり、品種
交換等の手間も多くなって、実施が困難であるという不
具合がある。特開平1−107874号公報では、円筒
状基体の引き上げ時に水平方向の気流を発生させている
が、これも特開昭59−127049号公報と同様の原
因で塗布ムラが生じ易いという問題がある。特開平3−
213171号公報には、円筒状基体引き上げ時に、塗
工槽上部で周方向に回転する気流を吹き付ける方法が開
示されているが、この方法では装置が複雑になり、ま
た、気流が当たることによる塗布ムラが生じ易いという
問題がある。
【0003】特開平4−29773号公報には、円筒状
基体引き上げ時に円筒状基体の接線方向にノズルから気
流を吹き付ける方法が開示されているが、この方法では
ノズルからの気流の当たった部分の液が流れ、塗膜ムラ
となるという問題がある。その他に塗工上端部のタレ防
止を目的とする方法としては、特開平5−7812号公
報、特開平5−88385号公報などに数多く開示され
ているが、いずれも装置の構造が複雑になる、塗膜のム
ラが生じ易い等の欠点を有している。また、電子写真感
光体の電荷輸送層塗工時の溶媒として塩化メチレン等の
ハロゲン系溶媒を使用する場合があるが、近年環境保護
としてハロゲン系溶剤の使用規制・禁止が要請されてい
る。しかし、電荷輸送層塗布液に使用する溶剤を非ハロ
ゲン系溶剤に変更すると、塗布液の沸点が上昇する等の
理由のため、塗工時に塗膜上端付近でのタレが多くなる
という問題が発生する。
【0004】更に、電子写真感光体を複写機、プリンタ
ーあるいはファクシミリ等の感光体として使用すると、
繰り返し使用するに伴って電子写真感光体の感光体塗膜
が摩滅して薄くなり、それが電子写真感光体の短寿命化
の原因となるため、感光体塗膜の構成樹脂成分として耐
摩耗性のある高分子物質を用いる、あるいは電荷輸送剤
を高分子化して耐摩耗性を持たせることが試みられてい
る。電子写真感光体の高耐久化法としてこのような方法
を取った場合、従来の塗布液処方と同じ固形分濃度では
塗布液粘度が上昇する為、固形分濃度を下げて塗工しな
ければならないが、この場合、塗工時に塗膜上端付近で
のタレが多くなるという問題が発生する。このような問
題点を解決し、円筒状基体表面上の感光体塗膜の塗膜ム
ラや塗膜上端付近でのタレをなくし、均一な感光体塗膜
を有する電子写真感光体を製造することができる浸漬塗
工装置として、特開平9−265193号公報には、被
塗工基体保持治具に円筒状多孔質体からなる送気孔部を
設け、送気孔部から放出された気体を塗布液面に向けた
下降気流とするようにした浸漬塗工装置が開示されてい
る。しかしながら、この浸漬塗工装置を用いて電子写真
感光体を製造した場合においても、基体表面上の感光体
塗膜に膜厚ムラが発生する場合があり、また複数本の基
体表面上に同時浸漬塗工により感光体塗膜を形成した際
に各電子写真感光体間で感光体塗膜の膜厚が不均一とな
る場合があるという不具合がみられた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の課題は
このような問題点を解決し、特に浸漬塗工により電子写
真感光体を製造する際、膜厚ムラの少ない感光体塗膜を
基体上に形成することができる浸漬塗工装置を提供する
ことにある。また、本発明の課題は、特に浸漬塗工によ
り複数本の基体上に同時に感光体塗膜を形成して電子写
真感光体を製造する際、各電子写真感光体間で感光体塗
膜の膜厚を均一化することができる浸漬塗工装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、多孔質体からなる気体放出部を有する被塗工基体保
持治具、気体放出部に気体を供給する気体供給経路、及
び気体供給経路に設けられた気体供給弁を有し、被塗工
基体保持治具に保持された被塗工基体の浸漬塗工時に気
体供給弁を開き気体放出部から気体を放出するようにし
た浸漬塗工装置において、多孔質体からなる気体放出部
の圧損失が、気体供給弁から気体放出部に至る気体供給
経路の圧損失の2倍以上であることを特徴とする浸漬塗
工装置が提供される。
【0007】第二に、多孔質体からなる気体放出部を有
する複数の被塗工基体保持治具、及び複数の被塗工基体
保持治具の各気体放出部に気体を供給する気体供給経路
を有し、気体供給経路が一つの気体供給弁以降において
それぞれの気体放出部に向けて分岐しており、複数の被
塗工基体保持治具に保持された被塗工基体の同時塗工時
に気体供給弁を開き各気体放出部から気体を放出するよ
うにした浸漬塗工装置において、分岐した複数の気体供
給経路における圧損失の最大値と最小値の差が500P
a以下であることを特徴とする浸漬塗工装置が提供され
る。
【0008】第三に、多孔質体からなる気体放出部を有
する複数の被塗工基体保持治具、及び複数の被塗工基体
保持治具の各気体放出部に気体を供給する気体供給経路
を有し、複数の被塗工基体保持治具に保持された被塗工
基体の同時浸漬塗工時に各気体放出部から気体を放出す
るようにした浸漬塗工装置において、多孔質体からなる
複数の気体放出部における圧損失の最大値と最小値の差
が500Pa以下であることを特徴とする浸漬塗工装置
が提供される。
【0009】第四に、多孔質体からなる気体放出部を有
する被塗工基体保持治具、該気体放出部に気体を供給す
る気体供給経路、及び該気体供給経路に設けられた気体
供給弁を有し、該被塗工基体保持治具に保持された被塗
工基体の浸漬塗工時に気体供給弁を開き気体放出部から
気体を放出するようにした浸漬塗工装置において、気体
供給弁から気体放出部に至る気体供給経路を形成する管
が内径3mm以上、かつ気体を流したときのレイノルズ
数が2300以下であることを特徴とする浸漬塗工装置
が提供される。
【0010】第五に、多孔質体からなる気体放出部を有
する複数の被塗工基体保持治具、複数の被塗工基体保持
治具の各気体放出部に気体を供給する気体供給経路、及
び気体供給経路に設けられた気体供給弁を有し、複数の
被塗工基体保持治具に保持された被塗工基体の同時塗工
時に気体供給弁を開き各気体放出部から気体を放出する
ようにした浸漬塗工装置において、気体供給弁から気体
放出部に至る気体供給経路が内径3mm以上、かつ気体
を流したときのレイノルズ数が2300以下の管および
/または孔からなることを特徴とする浸漬塗工装置が提
供される。
【0011】第六に、多孔質体からなる気体放出部を有
する被塗工基体保持治具、気体放出部に気体を供給する
気体供給経路、及び気体供給経路内部の圧力を解除する
蓄圧解除弁を有し、被塗工基体保持治具に保持された被
塗工基体の浸漬塗工時に気体放出部から気体を放出する
ようにした浸漬塗工装置において、蓄圧解除弁の圧損失
が多孔質体からなる気体放出部の圧損失より小さいこと
を特徴とする浸漬塗工装置が提供される。
【0012】第七に、多孔質体からなる気体放出部を有
する複数の被塗工基体保持治具、各気体放出部に気体を
供給する気体供給経路、及び気体供給経路内部の圧力を
解除する蓄圧解除弁を有し、複数の被塗工基体保持治具
に保持された被塗工基体の同時浸漬塗工時に各気体放出
部から気体を放出するようにした浸漬塗工装置におい
て、蓄圧解除弁の圧損失が多孔質体からなる気体放出部
の圧損失より小さいことを特徴とする浸漬塗工装置が提
供される。
【0013】第八に、多孔質体からなる気体放出部を有
する被塗工基体保持治具、及び該気体放出部に気体を供
給する気体供給経路を有し、被塗工基体保持治具に保持
された被塗工基体の浸漬塗工時に気体放出部から気体を
放出するようにした浸漬塗工装置において、気体供給経
路内部の圧力を下げる減圧機構を有することを特徴とす
る浸漬塗工装置が提供される。
【0014】第九に、多孔質体からなる気体放出部を有
する複数の被塗工基体保持治具、及び各気体放出部に気
体を供給する気体供給経路を有し、複数の被塗工基体保
持治具に保持された被塗工基体の同時浸漬塗工時に各気
体放出部から気体を放出するようにした浸漬塗工装置に
おいて、気体供給経路内部の圧力を下げる減圧機構を有
することを特徴とする浸漬塗工装置が提供される。
【0015】上記の本発明の浸漬塗工装置によれば、浸
漬塗工により被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形
成することができる。従って本発明の浸漬塗工装置によ
って膜厚ムラの少ない感光体塗膜を有する電子写真感光
体を製造することができる。また、上記の本発明の浸漬
塗工装置によれば、複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工
することにより、各被塗工基体上に膜厚のバラツキの少
ない均一化された塗膜を形成することができる。従って
本発明の浸漬塗工装置によって感光体塗膜間で膜厚のバ
ラツキの少ない均一化された感光体塗膜を有する複数の
電子写真感光体を製造することができる。
【0016】以下、本発明を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の浸漬塗工装置における多孔質体からなる
気体放出部を有する被塗工基体保持治具部分の一例を模
式的に示す説明図であり、一部を切り欠いた状態を示し
てある。図1において、被塗工基体の浸漬塗工時に蓄圧
解除弁5が閉じた状態で気体供給弁4を開くと、気体供
給源6からの気体は送気配管3と被塗工基体保持治具内
に貫通する貫通孔10を通って円筒状の多孔質体からな
る気体放出部9の内部に入る。
【0017】円筒状の多孔質体からなる気体放出部9
は、気体供給弁4から気体放出部9に至る気体供給経
路、即ち送気配管3と貫通孔10の圧損失の2倍以上の
圧損失を持っているので、気体の導入口は被塗工基体保
持治具2の貫通孔10の1ケ所であるが、円筒状の多孔
質体からなる気体放出部9の全周から気流ムラなく気体
が放出される。放出された気体はフード1によって下向
きに変えられ、気流は下に向かって流れるようになって
いる。
【0018】気体放出部9からの気体の放出を停止する
には、気体供給弁4を閉め、同時に蓄圧解除弁5を開
く。蓄圧解除弁5を開くと、送気配管3、貫通孔10及
び円筒状の多孔質体からなる気体放出部9内部の加圧さ
れた気体は蓄圧解除弁5を通じて逃がされ、気体放出部
9からの気体の放出は速やかに停止する。図1におい
て、被塗工基体保保持爪8は半径方向に開閉することに
より円筒状の被塗工基体の内壁に当接し、被塗工基体を
保持することができるようになっている。なお、被塗工
基体の保持法としては、この方法の他に被塗工基体の内
径より短い外径を待ったゴム状基体保持体を用い、ゴム
状保持体内部を加圧して膨張させ、基体内面に当接させ
ることにより被塗工基体を保持する方法がある。
【0019】図2は本発明の浸漬塗工装置の一例を模式
的に示す断面図である。図2において、昇降モーター1
5の動作によってボールネジ16が回転し、被塗工基体
保持治具が取り付けらた腕14が上下動できる。被塗工
基体の浸漬塗工を行うには、まず被塗工基体11を多孔
質体からなる気体放出部9を有する被塗工基体保持治具
2に保持させた後、昇降モーター15を運転して下降さ
せ、被塗工基体11を塗工槽13内の塗布液12に浸漬
させる。この下降動作中に蓄圧解除弁5が閉じた状態で
気体供給弁4を開き、気体供給源6からの気体を、気体
供給経路としての送気配管3および貫通孔10(図1)
を経由して、多孔質体からなる気体放出部9(図1)か
ら放出させる。気体放出部9からは気流ムラなく気体が
放出される。放出された気体はフード1(図1)によっ
て下向きに変えられ、気流は下に向かって流れる。これ
により、塗布液12の表面近傍の塗布液溶媒蒸気濃度を
制御することができるとともに、塗布液12の表面の溶
媒の蒸発を促進し、その固形分濃度を上昇させることが
できる。
【0020】次に、昇降モーター15を運転して、被塗
工基体11を上昇させ、その表面に塗布液12を塗工す
ることにより、被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を
形成することができる。被塗工基体11の上昇中に気体
放出部9から気体を放出させることもまた有効である。
【0021】本発明の浸漬塗工装置における多孔質体か
らなる気体放出部としては、プラスチック粉末、ガラス
粉末、金属粉末等の粉末を型に入れ、加熱・加圧して円
筒状あるいは底の中央に孔のあいたコップ状の形状とし
て成形したものを用いることができる。プラスチック粉
末としては、経時劣化のないこと、発塵のないことから
超高分子量ポリエチレンが適しており、その粒径は20
μm以上300μm以下が好ましい。また、多孔質体か
らなる気体放出部の厚さとしてはlmm以上7mm未満
が適当であり、2mm以上4mm以下が好ましい。厚さ
が薄いと多孔質体の強度が弱くなり、また厚さが7mm
以上の場合は密度ムラが生じ易くなり気体放出時に気流
ムラが発生する場合がある。
【0022】図3は複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工
する本発明の浸漬塗工装置の一例を模式的に示す断面図
である。図3において、昇降モーター15の動作によっ
てボールネジ16が回転し、複数の被塗工基体保持治具
2が取り付けられた腕14が上下動できる。複数の被塗
工基体保持治具2におけるそれぞれの貫通孔10(図
1)には一つの気体供給弁4以降において分岐しいる送
気配管3が連結され、各気体放出部に気体を供給する分
岐した複数の気体供給経路が送気配管3および貫通孔1
0(図1)により形成されており、その分岐した複数の
気体供給経路における圧損失の最大値と最小値の差が5
00Pa以下となっている。
【0023】複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工するに
は、まず被塗工基体11を多孔質体からなる気体放出部
9を有する各被塗工基体保持治具2に保持させた後、昇
降モーター15を運転して下降させ、複数の被塗工基体
11を塗工槽13内の塗布液12に同時に浸漬させる。
この下降動作中に蓄圧解除弁5が閉じた状態で気体供給
弁4を開き、気体供給源6からの気体を気体供給経路と
しての送気配管3および貫通孔10(図1)を経由して
多孔質体からなる各気体放出部9(図1)から放出させ
る。放出された気体はフード1(図1)によって下向き
に変えられ、気流は下に向かって流れる。
【0024】次に、昇降モーター15を運転して、被塗
工基体11を上昇させることにより、各被塗工基体上に
塗膜を形成することができる。分岐した複数の気体供給
経路における圧損失の最大値と最小値の差が500Pa
以下であるので、被塗工基体保持治具2における各気体
放出部9(図1)からの気体の放出量の差を少なくする
ことが可能となり、各被塗工基体上の塗膜間において膜
厚のバラツキの少ない均一化された塗膜を形成すること
ができると共に、各被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗
膜を形成することができる。
【0025】また、図3の浸漬塗工装置において、多孔
質体からなる複数の気体放出部における圧損失の最大値
と最小値の差を500Pa以下とすることにより、各気
体放出部9(図1)からの気体の放出量の差を少なくす
ることが可能となり、各被塗工基体上の塗膜間において
膜厚のバラツキの少ない均一化された塗膜を形成するこ
とができると共に、各被塗工基体上に膜厚ムラの少ない
塗膜を形成することができる。
【0026】さらに、図2および図3の浸漬塗工装置に
おいて、気体供給弁4から気体放出部に至る気体供給経
路として、内径が3mm以上であり、かつ気体を流した
ときのレイノルズ数が2300以下である送気配管3や
貫通孔10(図1)を用いることにより、送気配管3の
位置や曲げ方を変えても送気の流量変動が生じず、膜厚
ムラの少ない塗膜を被塗工基体上に形成することがで
き、また、複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工した場合
には各被塗工基体上の塗膜間において膜厚のバラツキの
少ない均一化された塗膜を形成することができる。
【0027】また、図1の被塗工基体保持治具並びに図
2および図3の浸漬塗工装置において示したように、蓄
圧解除弁5を設け、蓄圧解除弁5の圧損失を多孔質体か
らなる気体放出部9(図1)の圧損失より小さくするこ
とにより、気体放出部9からの気体の放出を停止する
際、蓄圧解除弁5を開くことによって送気配管3、貫通
孔10及び多孔質体からなる気体放出部9内部の加圧さ
れた気体の迅速な蓄圧解除が可能となり、気体放出部9
(図1)からの気体の放出を速やかに停止させることが
でき、被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成する
ことができる。
【0028】上記蓄圧解除弁5に代えて、図4および図
5に示すように気体供給経路内部の圧力を下げる減圧機
構17を用いてもよく、それにより畜圧解除弁5を使用
する場合に比べ、送気配管や気体放出部9内部の減圧を
速やかに行うことができる利点がある。畜圧解除弁では
不充分な場合は減圧機構を用いることが有効であり、そ
れによって被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成
することができる。減圧機構17としては、真空ポン
プ、アスピレーター、ピストンなどの吸引減圧する機構
を用いることができる。
【0029】図3および図5の浸漬塗工装置によって、
複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工した場合には各被塗
工基体上の塗膜間において膜厚のバラツキの少ない均一
化された塗膜を形成することができる。図2〜図5では
塗布液の循環装置の図は省略してあるが、被塗工基体が
塗工槽13に入ることにより溢れた塗布液は、それを一
旦別に設置するタンクに集め、ポンプで塗工槽13に送
る方法が一般に行われている。
【0030】また、上記の浸漬塗工装置により電子写真
感光体を製造する場合に、電荷輸送層塗布液に使用する
樹脂としてはビスフェノールAタイプのポリカーボネー
ト、ビスフェノールZタイプのポリカーボネート等が挙
げられる。また電荷輸送層塗布液としては、樹脂などの
高分子化合物と電荷輸送剤及び溶剤からなる塗布液の他
に、電荷輸送剤の重合物と溶剤からなる塗布液、あるい
は高分子化合物と電荷輸送剤の重合物及び溶剤からなる
塗布液、あるいは高分子化合物と電荷輸送剤と電荷輸送
剤の重合物及び溶剤からなる塗布液などを用いることが
できる。
【0031】
【実施例】以下に本発明を実施例により説明する。
【0032】実施例1 1)下引き層の形成 可溶性ナイロン(アラミンCM−8000、東レ社製)
5重量部をメタノール95重量部に溶解して下引き層塗
布液を調合し、これをアルミニウム製円筒状基体に浸漬
塗工し、100℃で10分間乾燥させて厚さ0.3μm
の下引き層を形成した。 2)電荷発生層の形成 下記構造式(1)に示す電荷発生剤10重量部、ポリビ
ニルブチラール7重量部およびテトラヒドロフラン14
5重量部をボールミルに入れ、72時間ミリングし、更
にシクロヘキサノン200重量部を加えて1時間分散を
行い、これに更にシクロヘキサノンを加えて希釈、調整
して電荷発生層塗布液を調合した。
【0033】
【化1】
【0034】この電荷発生層塗布液を下引き層を形成し
た上記アルミニウム製円筒状基体上に浸漬塗工し、10
0℃で10分間乾燥させて厚さ0.1μmの電荷発生層
を形成した。 3)電荷輸送層の形成 下記構造式(2)に示す電荷輪送剤7重量部およびポリ
カーボネート(パンライトC−1400、帝人社製)1
0重量部をテトラヒドロフラン83重量部に溶解して電
荷輸送層塗布液を調合した。
【0035】
【化2】
【0036】次に、図2に示す浸漬塗工装置を使用し、
電荷発生層を形成したアルミニウム製円筒状基体を電荷
輸送層塗布液中に隆下浸漬させ、基体降下時に蓄圧解除
弁5が閉じた状態で気体供給弁4を開き、気体供給経路
としての送気配管3および貫通孔10(図1)を経由し
て多孔質体からなる気体放出部9(図1)から窒素ガス
を100ml/secの流量で放出させた。基体が塗布
液中の最下端に到達したとき気体供給弁4を閉じ、同時
に蓄圧解除弁5を1秒間開いた。続いて、昇降モーター
15を動作させて、基体を塗布液中から引き上げ電荷発
生層上に電荷輸送層を形成し、ついで乾燥機に入れて1
20℃で30分間乾燥させ乾燥後に暗所で自然冷却して
電子写真感光体を作成した。
【0037】この浸漬塗工装置における多孔質体からな
る気体放出部9(図1)の圧損失は5000Pa、気体
供給弁から気体放出部に至る気体供給経路(送気配管3
と基体保持治具内部の貫通孔10)の圧損失は2100
Paであった。従って、多孔質体からなる気体放出部の
圧損失が、気体供給弁から気体放出部に至る気体供給経
路の圧損失の2倍以上となっている。
【0038】このようにして得られた電子写真感光体の
電荷輸送層の膜厚を測定した。その結果を下記表1に示
す。膜厚の測定には電子マイクロメーター(アンリツ社
製)を使用し、塗工上端から4mm、6mm、8mm、
10mm、12mmの各位置の電荷輸送層の膜厚を測定
した。電荷輸送層の目標膜厚は20μm±2μmであ
る。
【0039】比較例1 図2に示す浸漬塗工装置において、多孔質体からなる気
体放出部9(図1)の圧損失が5000Pa、気体供給
弁から気体放出部に至る気体供給経路(送気配管3と基
体保持治具内部の貫通孔10)の圧損失が3000Pa
である浸漬塗工装置を用いた以外は実施例1と同様にし
て電子写真感光体を作成した。比較例1では実施例1と
比較して、気体供給弁4を開いてから気体放出部9(図
1)から窒素ガスが放出されるまでの時間に0.5秒程
度の遅れが認められた。得られた電子写真感光体につい
て、実施例1と同様にして電荷輸送層の膜厚を測定し
た。その結果を下記表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかなように、実施例1では塗
工上端より8mmの位置で目標膜厚を満足し膜厚ムラの
少ない感光体塗膜を有する電子写真感光体を得ることが
できるが、比較例1では塗工上端より10mmの位置で
も目標膜厚を満足していない。
【0042】実施例2 複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工する浸漬塗工装置と
して、図3に示す装置と同様な構成で被塗工基体保持治
具が9個取り付けられ、9個の分岐した気体供給経路
(送気配管3および貫通孔10)や9個の塗工槽13を
有する浸漬塗工装置を用意した。この浸漬塗工装置にお
ける分岐した9個の気体供給経路(送気配管3および貫
通孔10)の圧損失の最大値と最小値の差を測定したと
ころ、最大値は1200Pa、最小値は770Paであ
り、その差は430Paであった。
【0043】この浸漬塗工装置を使用し実施例1と同様
にして、電荷発生層を形成した9個のアルミニウム製円
筒状基体に電荷輸送層の同時塗工を行い、9個の電子写
真感光体を作成した。得られた9個の電子写真感光体の
それぞれについて、塗工上端から12mmの位置におけ
る電荷輸送層の膜厚を電子マイクロメーター(アンリツ
社製)で測定した。9個の電子写真感光体における電荷
輸送層の膜厚の最大値、最小値、最大値と最小値の差、
及び平均値を下記表2に示す。
【0044】比較例2 実施例2で使用した浸漬塗工装置において送気配管3を
別のものと交換し、分岐した9個の気体供給経路(送気
配管3および貫通孔10)の圧損失の最大値と最小値の
差を測定したところ、最大値は1350Pa、最小値は
670Paであり、その差は680Paであった。この
浸漬塗工装置を使用して実施例2と同様にして9個の電
子写真感光体を作成した。得られた9個の電子写真感光
体について実施例2と同様にして電荷輸送層の膜厚を測
定した。その結果を下記表2に示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2から明らかなように、実施例2では膜
厚の最大値と最小値の差が0.9μmであり、各電子写
真感光体間で感光体塗膜の膜厚のバラツキが少なく均一
化された塗膜を形成することができるのに対し、比較例
2では膜厚の最大値と最小値の差が4.1μmであり膜
厚のバラツキが大きいものである。
【0047】実施例3 複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工する浸漬塗工装置と
して、図3に示す装置と同様な構成で被塗工基体保持治
具が9個取り付けられ、9個の分岐した気体供給経路
(送気配管3および貫通孔10)や9個の塗工槽を有す
る浸漬塗工装置を用意した。この浸漬塗工装置の9個の
被塗工基体保持治具における円筒状多孔質体からなる気
体放出部のそれぞれについて圧損失を測定したところ、
最大値は5230Pa、最小値は4750Paであり、
その差は480Paであった。
【0048】この浸漬塗工装置を使用し実施例1と同様
にして、電荷発生層を形成した9個のアルミニウム製円
筒状基体に電荷輸送層の同時塗工を行い、9個の電子写
真感光体を作成した。得られた9個の電子写真感光体の
それぞれについて、塗工上端から12mmの位置におけ
る電荷輸送層の膜厚を電子マイクロメーター(アンリツ
社製)で測定した。9個の電子写真感光体における電荷
輸送層の膜厚の最大値、最小値、最大値と最小値の差、
及び平均値を下記表3に示す。
【0049】比較例3 実施例3で使用した浸漬塗工装置において円筒状多孔質
体からなる気体放出部を別に用意したものと交換し、9
個の気体放出部の圧損失の最大値と最小値の差を測定し
たところ、最大値は5500Pa、最小値は4750P
aであり、その差は750Paであった。この浸漬塗工
装置を使用して実施例3と同様にして9個の電子写真感
光体を作成した。得られた9個の電子写真感光体につい
て実施例3と同様にして電荷輸送層の膜厚を測定した。
その結果を下記表3に示す。
【0050】
【表3】
【0051】表3から明らかなように、実施例3では膜
厚の最大値と最小値の差が0.9μmであり、各電子写
真感光体間で感光体塗膜の膜厚のバラツキが少なく均一
化された塗膜を形成することができるのに対し、比較例
3では膜厚の最大値と最小値の差が5.6μmであり膜
厚のバラツキが大きいものである。
【0052】実施例4 浸漬塗工装置として、図2に示す装置において気体供給
弁4から気体放出部に至る気体供給経路としての送気配
管3に内径が4mm長さが1mのナイロン製チューブを
用いた浸漬塗工装置を用意した。このナイロン製チュー
ブに空気を流量100ml/secの流量で流したとき
のレイノルズ数は2140であった。なお、レイノルズ
数を求める式は流体力学に関する書籍に記載されてお
り、例えば化学工学便覧第四版の109頁に記載されて
いる。
【0053】この浸漬塗工装置において、蓄圧解除弁5
が閉じた状態で気体供給弁4を開き、気体供給経路とし
てのナイロン製チューブを経由して多孔質体からなる気
体放出部から空気を100ml/secの流量で放出さ
せ、ナイロン製チューブの曲げ方を変えても流量に変化
は認められなかった。これにより、送気配管3の位置や
曲げ方を変えても流量の変動が生じず、浸漬塗工により
膜厚ムラの少ない塗膜を形成できることが分かった。
【0054】比較例4 実施例4における浸漬塗工装置において、内径が2mm
のナイロン製チューブを用いた以外は同様な浸漬塗工装
置を用意した。実施例4と同様にして気体放出部から空
気を100ml/secの流量で放出させナイロン製チ
ューブを直線状とすると流量が大きくなり、曲げると流
量が少なくなり、ナイロン製チューブの曲げ方で流量が
変化した。すなわち、上記ナイロン製チューブを直線状
において流量を100ml/secに合わせ、ナイロン
製チューブを曲げ半径15mmで90度曲げを4回行う
と流量は73ml/secに下がった。従って、比較例
の条件では送気配管のレイアウトにより流量が変動する
ことが確認できた。この原因として、実施例4では送気
配管3内の空気の流れは層流であり、従って送気配管を
曲げても大きな流量変化は生じないが、比較例では送気
配管内の空気の流れが乱流となり、配管の曲げ方で流量
に大きな変化が生じたことが原因と考えられる。
【0055】実施例5 複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工する浸漬塗工装置と
して、図3に示す装置と同様な構成で被塗工基体保持治
具が9個取り付けられ、9個の分岐した気体供給経路
(送気配管3および図1の貫通孔10)や9個の塗工
槽、蓄圧解除弁5を有する浸漬塗工装置を用意した。こ
の浸漬塗工装置の9個の被塗工基体保持治具における円
筒状多孔質体からなる気体放出部のそれぞれについて圧
損失を測定したところ、最大値は5200Pa、最小値
は4900Paであった。また蓄圧解除弁5の圧損失は
4420Paであった。この浸漬塗工装置を使用し実施
例1と同様にして、電荷発生層を形成した9個のアルミ
ニウム製円筒状基体に電荷輸送層の同時塗工を行い、9
個の電子写真感光体を作成した。得られた9個の電子写
真感光体の中から1本を無作為に選び、電荷輸送層の膜
厚を塗工上端から4mmの位置から2mmおきに電子マ
イクロメーター(アンリツ社製)で測定した。目標膜厚
は20μm±2μmである。その結果を下記表4に示
す。
【0056】比較例5 実施例5で使用した浸漬塗工装置の蓄圧解除弁5を圧損
失が5500Paのものと交換し、実施例5と同様にし
て9個の電子写真感光体を作成した。得られた9個の電
子写真感光体の中から1本を無作為に選び、実施例5と
同様にして膜厚の測定を行った。その結果を下記表4に
示す。
【0057】
【表4】
【0058】表4から明らかなように、実施例5では塗
工上端より8mmの位置で目標膜厚に達し膜厚ムラの少
ない塗膜を形成することができるが、比較例5では10
mmの位置でも目標膜厚に達していない。実施例5の方
が膜厚ムラの少ない塗膜を形成することができる理由と
しては、実施例5では畜圧解除弁5の圧損失が多孔質体
からなる気体放出部の圧損失より低いため、畜圧解除弁
5を開くと、送気配管、貫通孔及び気体放出部内部の気
体の圧力がすみやかに低下するのに対し、比較例5では
畜圧解除弁の圧損失が大きく、弁を開いても送気配管や
気体放出部内部の加圧された気体の圧力が速やかには下
がらないことによるものと考えれれる。
【0059】実施例6 図2に示す浸漬塗工装置における蓄圧解除弁5に代えて
減圧機構17を使用した浸漬塗工装置(図4に示す浸漬
塗工装置)を用いた以外は実施例1と同様にして電子写
真感光体を作成した。このようにして得られた電子写真
感光体の電荷輸送層の膜厚を測定した。その結果を下記
表5に示す。膜厚の測定には電子マイクロメーター(ア
ンリツ社製)を使用し、塗工上端から4mm、6mm、
8mm、10mm、12mmの各位置の膜厚を測定し
た。目標膜厚は20μm±2μmである。
【0060】
【表5】
【0061】表6から明らかなように、実施例6では塗
工上端より8mmの位置で目標膜厚を満足し膜厚ムラの
少ない感光体塗膜を有する電子写真感光体を得ることが
でき、実施例1と同等の効果が得られる。
【0062】
【発明の効果】請求項1の浸漬塗工装置によれば、多孔
質体からなる気体放出部の内側に気体圧を貯えることが
でき、気体放出部から気流ムラのない気体の放出が可能
となり、被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成す
ることができる。これにより膜厚ムラの少ない感光体塗
膜を基体上に有する電子写真感光体を製造することがで
きる。請求項2の浸漬塗工装置によれば、各気体放出部
からの気体の放出量の差を少なくすることが可能とな
り、各被塗工基体上の塗膜間において膜厚のバラツキの
少ない均一化された塗膜を形成することができると共
に、各被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成する
ことができる。これにより複数の電子写真感光体間で感
光体塗膜の膜厚のバラツキが少なく、且つ膜厚ムラの少
ない感光体塗膜を有する電子写真感光体を製造すること
ができる。
【0063】請求項3の浸漬塗工装置によれば、各気体
放出部からの気体の放出量の差を少なくすることが可能
となり、各被塗工基体上の塗膜間において膜厚のバラツ
キの少ない均一化された塗膜を形成することができると
共に、各被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成す
ることができる。これにより複数の電子写真感光体間で
感光体塗膜の膜厚のバラツキが少なく、且つ膜厚ムラの
少ない感光体塗膜を有する電子写真感光体を製造するこ
とができる。請求項4の浸漬塗工装置によれば、気体供
給弁から気体放出部に至る気体供給経路を形成する管の
位置や曲げ方を変えても送気の流量変動が生じず、被塗
工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成することができ
る。これにより膜厚ムラの少ない感光体塗膜を基体上に
有する電子写真感光体を製造することができる。
【0064】請求項5の浸漬塗工装置によれば、気体供
給弁から気体放出部に至る分岐した気体供給経路を形成
する管の位置や曲げ方を変えても送気の流量変動が生じ
ず、各被塗工基体上の塗膜間において膜厚のバラツキの
少ない均一化された塗膜を形成することができると共
に、各被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗膜を形成する
ことができる。これにより複数の電子写真感光体間で感
光体塗膜の膜厚のバラツキが少なく、且つ膜厚ムラの少
ない感光体塗膜を有する電子写真感光体を製造すること
ができる。請求項6または8の浸漬塗工装置によれば、
気体放出部からの気体の放出を停止する際に迅速な蓄圧
解除が可能となり、被塗工基体上に膜厚ムラの少ない塗
膜を形成することができる。これにより膜厚ムラの少な
い感光体塗膜を有する電子写真感光体を製造することが
できる。
【0065】請求項7または9の浸漬塗工装置によれ
ば、各気体放出部からの気体の放出を停止する際に迅速
な蓄圧解除が可能となり、各被塗工基体上の塗膜間にお
いて膜厚のバラツキの少ない均一化された塗膜を形成す
ることができると共に、各被塗工基体上に膜厚ムラの少
ない塗膜を形成することができる。これにより複数の電
子写真感光体間で感光体塗膜の膜厚のバラツキが少な
く、且つ膜厚ムラの少ない感光体塗膜を有する電子写真
感光体を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の浸漬塗工装置における多孔質体からな
る気体放出部を有する被塗工基体保持治具部分の一例を
模式的に示す説明図である。
【図2】本発明の浸漬塗工装置の一例を模式的に示す断
面図である。
【図3】複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工する本発明
の浸漬塗工装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の浸漬塗工装置の他の例を模式的に示す
断面図である。
【図5】複数の被塗工基体を同時に浸漬塗工する本発明
の浸漬塗工装置の他の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1 フード 2 被塗工基体保持治具 3 送気配管 4 気体供給弁 5 蓄圧解除弁 6 気体供給源 8 被塗工基体保保持爪 9 気体放出部 10 貫通孔 11 被塗工基体 12 塗布液 13 塗工槽 14 腕 15 昇降モーター 16 ボールネジ 17 減圧機構

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多孔質体からなる気体放出部を有する被
    塗工基体保持治具、気体放出部に気体を供給する気体供
    給経路、及び気体供給経路に設けられた気体供給弁を有
    し、被塗工基体保持治具に保持された被塗工基体の浸漬
    塗工時に気体供給弁を開き気体放出部から気体を放出す
    るようにした浸漬塗工装置において、多孔質体からなる
    気体放出部の圧損失が、気体供給弁から気体放出部に至
    る気体供給経路の圧損失の2倍以上であることを特徴と
    する浸漬塗工装置。
  2. 【請求項2】 多孔質体からなる気体放出部を有する複
    数の被塗工基体保持治具、及び複数の被塗工基体保持治
    具の各気体放出部に気体を供給する気体供給経路を有
    し、気体供給経路が一つの気体供給弁以降においてそれ
    ぞれの気体放出部に向けて分岐しており、複数の被塗工
    基体保持治具に保持された被塗工基体の同時塗工時に気
    体供給弁を開き各気体放出部から気体を放出するように
    した浸漬塗工装置において、分岐した複数の気体供給経
    路における圧損失の最大値と最小値の差が500Pa以
    下であることを特徴とする浸漬塗工装置。
  3. 【請求項3】 多孔質体からなる気体放出部を有する複
    数の被塗工基体保持治具、及び複数の被塗工基体保持治
    具の各気体放出部に気体を供給する気体供給経路を有
    し、複数の被塗工基体保持治具に保持された被塗工基体
    の同時浸漬塗工時に各気体放出部から気体を放出するよ
    うにした浸漬塗工装置において、多孔質体からなる複数
    の気体放出部における圧損失の最大値と最小値の差が5
    00Pa以下であることを特徴とする浸漬塗工装置。
  4. 【請求項4】 多孔質体からなる気体放出部を有する被
    塗工基体保持治具、該気体放出部に気体を供給する気体
    供給経路、及び該気体供給経路に設けられた気体供給弁
    を有し、該被塗工基体保持治具に保持された被塗工基体
    の浸漬塗工時に気体供給弁を開き気体放出部から気体を
    放出するようにした浸漬塗工装置において、気体供給弁
    から気体放出部に至る気体供給経路を形成する管が内径
    3mm以上、かつ気体を流したときのレイノルズ数が2
    300以下であることを特徴とする浸漬塗工装置。
  5. 【請求項5】 多孔質体からなる気体放出部を有する複
    数の被塗工基体保持治具、複数の被塗工基体保持治具の
    各気体放出部に気体を供給する気体供給経路、及び気体
    供給経路に設けられた気体供給弁を有し、複数の被塗工
    基体保持治具に保持された被塗工基体の同時塗工時に気
    体供給弁を開き各気体放出部から気体を放出するように
    した浸漬塗工装置において、気体供給弁から気体放出部
    に至る気体供給経路が内径3mm以上、かつ気体を流し
    たときのレイノルズ数が2300以下の管および/また
    は孔からなることを特徴とする浸漬塗工装置。
  6. 【請求項6】 多孔質体からなる気体放出部を有する被
    塗工基体保持治具、気体放出部に気体を供給する気体供
    給経路、及び気体供給経路内部の圧力を解除する蓄圧解
    除弁を有し、被塗工基体保持治具に保持された被塗工基
    体の浸漬塗工時に気体放出部から気体を放出するように
    した浸漬塗工装置において、蓄圧解除弁の圧損失が多孔
    質体からなる気体放出部の圧損失より小さいことを特徴
    とする浸漬塗工装置。
  7. 【請求項7】 多孔質体からなる気体放出部を有する複
    数の被塗工基体保持治具、各気体放出部に気体を供給す
    る気体供給経路、及び気体供給経路内部の圧力を解除す
    る蓄圧解除弁を有し、複数の被塗工基体保持治具に保持
    された被塗工基体の同時浸漬塗工時に各気体放出部から
    気体を放出するようにした浸漬塗工装置において、蓄圧
    解除弁の圧損失が多孔質体からなる気体放出部の圧損失
    より小さいことを特徴とする浸漬塗工装置。
  8. 【請求項8】 多孔質体からなる気体放出部を有する被
    塗工基体保持治具、及び該気体放出部に気体を供給する
    気体供給経路を有し、被塗工基体保持治具に保持された
    被塗工基体の浸漬塗工時に気体放出部から気体を放出す
    るようにした浸漬塗工装置において、気体供給経路内部
    の圧力を下げる減圧機構を有することを特徴とする浸漬
    塗工装置。
  9. 【請求項9】 多孔質体からなる気体放出部を有する複
    数の被塗工基体保持治具、及び各気体放出部に気体を供
    給する気体供給経路を有し、複数の被塗工基体保持治具
    に保持された被塗工基体の同時浸漬塗工時に各気体放出
    部から気体を放出するようにした浸漬塗工装置におい
    て、気体供給経路内部の圧力を下げる減圧機構を有する
    ことを特徴とする浸漬塗工装置。
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