JP3449452B2 - 電子写真感光体及びその製造装置 - Google Patents

電子写真感光体及びその製造装置

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JP3449452B2
JP3449452B2 JP09738196A JP9738196A JP3449452B2 JP 3449452 B2 JP3449452 B2 JP 3449452B2 JP 09738196 A JP09738196 A JP 09738196A JP 9738196 A JP9738196 A JP 9738196A JP 3449452 B2 JP3449452 B2 JP 3449452B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体と
その製造方法、及び電子写真感光体の製造に用いる基体
保持治具に関する。
【従来の技術】例えば、特開昭59−127049号公
報には、基体を塗布液中から引き上げる前に溶剤蒸気を
減少させるものが、特開昭59−174844号公報に
は、基体の内面から空気の排出又は流入を行って、塗布
液表面近傍の溶剤蒸気濃度を制御するものが、特開昭6
3−7873号公報には、基体周囲に伸縮フードを設
け、基体周囲の塗工液蒸気濃度を減少させるものが、特
開平2−4470号公報には所定の時間塗工槽内の溶剤
蒸気を排出するものが、特開平2−21963号公報に
は、ドラム内側空間へ気体を供給又は排出し、蒸気濃度
を減少させるものが記載されている。
【0001】円筒状の基体外周囲に感光体塗布液を塗布
する代表的な方法として浸漬塗工法が広く知られてい
る。しかし、浸漬塗布法により塗布された基体表面上の
感光体塗膜は塗布液が指触乾燥するまでの間に膜厚ムラ
や塗膜上端部でのタレを発生することがある。
【0002】このような膜厚ムラや塗布開始端付近での
タレをなくす方法として、特開昭59−127049号
公報では、基体を感光体から引き上げる際、感光体塗工
液から発生する溶媒蒸気を減少させる方法が示されてい
る。しかし、この方法によると、溶媒蒸気濃度を減少さ
せるための気体通路を塗工槽上部に取り付けねばなら
ず、最も溶媒蒸気濃度が高いことが予想される塗工液近
傍の溶媒蒸気濃度を適切に調節することが困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、浸漬
塗工法により電子写真感光体を製造する際、基体表面上
の感光体塗膜の膜厚ムラや塗膜上端付近でのタレをなく
し、均一な膜厚の電子写真感光体を得るための方法と、
そのような膜厚形状を持った感光体を提供することであ
る。
【0004】特に、近年環境問題への対応から、ハロゲ
ン系溶剤の使用規制・禁止が要請されており、塗工液に
使用する溶剤を非ハロゲン系溶剤に変更すると、塗工液
の沸点が上昇する等の理由のため、塗工時に塗膜上端付
近でのタレが多くなる問題が発生する。そこで、本発明
の目的は非ハロゲン系溶剤を使用した場合に発生するタ
レを制御する塗工装置、塗工方法の提供、及びタレの少
ない感光体を提供することである。
【0005】また、電子写真感光体を複写機、プリンタ
ーあるいはファクシミリ等の感光体として使用すると
き、機械の使用に伴って感光体の塗膜が摩滅して薄くな
り、それが感光体の短寿命化原因となっていることがあ
る。この問題に対応して感光体を高耐久化するために、
感光体の塗膜成分を対摩耗性のある高分子に変更する、
あるいは、電荷輸送剤を高分子化することが試みられて
いる。感光体の高耐久化法としてこのような方法を採っ
た場合、従来の塗工液処方と同じ固形分濃度では塗工液
粘度が上昇するので、固形分濃度を下げて塗工しなけれ
ばならないが、この場合、塗工時に塗膜上端付近でのタ
レが多くなる問題が発生する。そこで、本発明の目的
は、耐摩耗性のある高分子を使用した塗工液、あるい
は、電荷輸送剤を高分子化した材料を使用した塗工液に
おいて発生するタレを制御する塗工装置、塗工方法の提
供、及びタレの少ない感光体を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】このような本発明の目的
は、(1)「電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する際
に使用する基体保持治具において、円筒多孔質体、あ
るいは底の中心に穴のあいたコップ状多孔質体からな
り、該円筒状多孔質体あるいはコップ状多孔質体内部か
ら外部に気体を放出する送気孔部を設け、更に、その送
気孔部を上部から覆うように下方が開いたフードを設け
て、送気流が下方あるいは斜め下方へ流れることを可能
にした基体保持治具であって、送気孔部とフードの間隔
が1mm以上4mm以下、且つ、フード下端と送気孔部
下端が一致するか、又は、送気孔部の一部がフードから
露出する割合が送気孔部幅に対して40%以内である構
造を有する基体保持治具」、(2)「電子写真感光体を
浸漬塗工法で製造する際、前記第(1)項に記載の基体
保持治具を使用し、塗工工程で送気することによって上
端縁部が厚い塗膜を形成し、更に塗膜上端縁部を拭き取
ること、あるいは塗膜を切り取ることによって感光体端
部に接地部を有し、且つ、塗膜の膜厚が均一な感光体を
製造する方法」、(3)「浸漬塗工法による電子写真感
光体の製造方法に用いる装置であって、前記第(1)項
に記載の基体保持治具を備え、電子写真感光体塗膜上部
を拭き取り可能に保持することを特徴とする電子写真感
光体の製造装置」、(4)「前記第(1)項に記載の基
体保持治具、および該基体保持治具の送気孔部に対し
て、供給する気体種を取り替える手段、あるいは二種以
上のガスを混合して送気する手段を設けたことを特徴と
する電子写真感光体の浸漬塗工装置」、(5)「前記第
(1)項に記載の基体保持治具を有する浸漬塗工装置を
用いて電子写真感光体を製造する方法であって、塗工開
始時には塗工液に使用する溶媒を含まない気体を該基体
保持具の送気孔部から送気し、次に、塗工液に使用する
ものと同じ溶媒を高濃度に含む気体を該基体保持具の送
気孔部から送気することを特徴とする電子写真感光体の
製造方法」によって達成される。以下、図面に基づいて
本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】図1、図2は本発明を実施するの
に好適な装置の例を示したものであり、図1は本発明に
よる送気機能付き基体保持治具の例、図2は本発明によ
る浸漬塗工装置の例をそれぞれ示している。各図におい
て、(1)は送気ガス供給配管、(2)は送気孔部、
(3)は基体保持手段、(4)は基体保持治具取り付け
棒、(5)は昇降モータ、(6)はボールネジ、(7)
は基体保持治具取り付け腕、(8)は被塗工基体、
(9)は塗工液、(10)は塗工液槽、(11)は送気
ガス供給元、(12)は送気ガス供給開閉弁、(13)
は筒状部を表わしている。送気ガス供給配管(1)と送
気孔部(2)は通じていて、送気孔部(2)の表面から
送気ガスの放出が可能となっている。送気孔部(2)は
図3に示す。図3はわかりやすくするため、送気孔部
(2)を有する円筒状多孔質体、及びコップ状多孔質体
の一部を切り欠いた状態を示している。円筒状あるいは
中心に穴のあいたコップ状の多孔質体はプラスチック粉
末、ガラス粉末、金属粉末等の粉末を型に入れ、加熱・
加圧して成形することにより作ることができる。プラス
チック粉末としては経時劣化のないこと、発塵のないこ
とから超高分子量ポリエチレン、ポリプロピレンが適
し、その粒径は20μm以上、300μm以下がよい。
また、その厚みは1mm以上、7mm未満がよく、好ま
しくは2mm以上4mm以下がよい。この場合、厚みが
薄いと多孔質体の強度が弱くなり、また、厚みが7mm
以上あると密度ムラが生じ易くなり、送気時に気流のム
ラが発生する場合がある。その実験結果を表1に示す。
表1において、気流の周方向ムラは送気部から出る気流
を周方向均等に6分割し、その気流を石鹸膜流量計(ジ
ーエルサイエンス製)に導いて流量を測定し、平均流量
に対する最大と最小の差をムラとした。
【0008】
【表1】
【0009】基体保持手段(3)は半径方向に開閉する
ことにより円筒状の被塗工物である被塗工基体(8)の
内壁に当接し、これを保持する爪状のものとすることが
できる。被塗工基体(8)の保持法としては、この方法
の他に被塗工基体(8)の内径より小さい外径を持った
ゴム状基体保持手段(3)を用い、ゴム状保持手段
(3)内部を加圧して膨張させ、基体(8)内面に当接
させることにより、基体を保持することもできる。
【0010】図2において、昇降モータ(5)を運転さ
せると、ボールネジ(6)を介して被塗工基体(8)を
保持した基体保持装置を上昇あるいは下降させることが
できる。被塗工基体(8)を基体保持治具に保持させた
後、図2の状態になるまで下降させ、被塗工基体(8)
を塗工液槽(10)内の塗工液(9)に浸漬させる。こ
の昇降動作中に送気ガス供給弁(12)を開き、送気ガ
ス供給配管(1)を経由して送気孔部(2)から送気ガ
スを放出させる。これにより、塗工液(9)表面近傍の
塗工液溶媒蒸気濃度を制御することができるとともに、
塗工液(9)表面の溶媒の蒸発を促進し、その固形分濃
度を上昇させることができる。昇降モータ(5)を運転
して、基体保持治具を上昇させることにより、基体に塗
工液を塗工することができる。基体上昇中に送気するこ
とも有効である。
【0011】図4及び、図5は本発明を実施するのに好
適な送気部の構造を示した図である。塗工装置全体とし
ては、図2で示した装置と同様な装置を使用する。図4
及び図5において(1)は送気ガス供給配管、(2)は
送気孔部、(3)は基体保持手段、(4)は基体保持治
具取り付け棒、(12)は送気ガス供給弁、(6)はフ
ードを示す。図4及び、図5では、わかりやすくするた
めに、フード(6)の一部を切り欠いた図を示してあ
る。
【0012】先に述べたように、送気孔部表面とフード
(6)の間隔(図4及び図5でのA寸法)は1mm以上
4mm以下であり、且つ、フード下端と送気孔部下端が
一致する(図4)か、又は、送気孔部がフードから露出
する幅(図5のBの長さ)は送気部幅(図5のCの長
さ)の40%以内がよいことを見い出した。
【0013】ここで、送気孔部(2)表面とフードの間
隔(図4及び図5でのAの長さ)は好ましくは1mm以
上3mm以下がよく、また、送気孔部がフードから露出
する幅(図5のBの長さ)は送気部幅(図5のCの長
さ)の30%以内がよい。
【0014】先に説明した送気機能付き基体保持治具を
使用し、塗工工程において送気を行いながら塗工する
と、塗工上端部縁がそれより下の部位の膜厚に比べて盛
り上がった塗膜を形成することができ、通常の浸漬塗工
で発生する上端タレの現象は起きない。そこで、前記の
ように上端縁部が盛り上がった塗膜を形成し、その後、
盛り上がり部を拭き取り除去することで、塗膜の厚みが
均一な感光体を製造する。
【0015】盛り上がり部の除去法としては溶剤を使用
した拭き取り以外にも、刃物による切削、あるいは、レ
ーザ光による除去が有効である。盛り上がり部を拭き取
ることにより、基体あるいは基体に被覆した導電部を露
出させ、これを電子写真プロセスの接地部として利用す
ることも可能である。
【0016】先に記載したように送気機能付き基体保持
治具を使用し、塗工工程において送気を行いながら塗工
して、塗工上端部縁がそれより下の部位の膜厚に比べて
盛り上がった塗膜を形成する。その後、盛り上がり部を
拭き取り除去することで、塗膜の厚みが均一な感光体を
製造する。
【0017】図6は本発明の浸漬塗工装置、構成例を示
している。図6において(1)は送気ガス供給配管、
(2)は送気孔部、(4)は基体保持治具取り付け棒、
(5)は昇降モータ、(6)はボールネジ、(7)は基
体保持治具取り付け腕、(8)は被塗工基体、(9)は
塗工液、(10)は塗工液槽、(12)は送気ガス供給
開閉弁、(14)は送気ガス種選択弁、(15)と(1
6)は送気ガス元を表わしている。
【0018】図6において送気ガス供給弁(12)は1
台しか描かれていないが、それぞれの送気ガス元にあっ
てもよく、それぞれの送気ガスの切り替えあるいは混合
を行う機能があればよい。また、図6では送気ガス元
(15)(16)は2種しか描かれていないが、2個以
上あってもよい。送気ガス供給配管(1)と送気孔部
(2)は通じていて、送気孔部(2)の表面から送気ガ
スの放出が可能となっている。
【0019】図6に示す装置を用い、送気ガス元(1)
(図6のG1)からの送気ガス(1)としては窒素ガス
あるいは空気、送気ガス元(2)(図6のG2)からの
送気ガス(2)としては送気ガス(1)の成分に更に塗
工液の溶媒蒸気を含有したガスを用いる。塗工過程にお
いて始めは溶媒蒸気を含まない送気ガス(1)を送気孔
部(2)から送気し、被塗工基体が塗工液中にほぼ完全
に浸漬した時点で溶媒蒸気を多く含有した送気ガス
(2)を送気する。これにより、送気に伴って発生する
塗工先端部の膜厚盛り上がりの低減ができる。溶媒蒸気
を含む送気孔部(2)からの送気ガス送気のタイミング
は被塗工基体が塗工液中に完全に浸漬した時点ばかりで
なく、盛り上がり部に該当する部位が液面上に位置する
ときに行ってもよく、それは基体の降下時あるいは上昇
時であるかを問わない。
【0020】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に詳しく説
明する。なお、実施例中の「部」及び「%」はいずれも
重量を基準とするものである。
【0021】実施例1 1.下引き層の形成 以下の材料を溶解して下引き層塗布液を調合した。 可溶性ナイロン 5重量部 (アラミンCM−8000、東レ製) メタノール 96重量部 アルミニウム製の円筒状基体に、上で調合した下引き層
塗布液を浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して、厚
さ0.3μmの下引き層を形成した。
【0022】
【化1】電荷発生材料
【0023】
【化2】電荷輸送材料
【0024】 2.電荷発生層の形成 構造式1に示す電荷発生剤 10重量部 ポリビニルブチラール 7重量部 テトラヒドロフラン 145重量部 をボールミルに入れ、72時間ミリングした。更にシク
ロヘキサノン200重量部を加えて、1時間分散を行っ
た。分散を終了した液を更にシクロヘキサノンで希釈、
調製し、電荷発生層塗布液とした。下引き層を形成した
前記アルミニウム製円筒状基体上に電荷発生層塗布液を
浸漬塗布し、100℃で10分間乾燥して厚さ約0.1
μmの電荷発生層を形成した。
【0025】 3.電荷輸送層の形成 構造式2に示す電荷輸送剤 7重量部 ポリカーボネート 10重量部 (パンライトC−1400、帝人化成製) テトラヒドロフラン 83重量部 を溶解して電荷輸送層塗布液を調合した。電荷発生層を
形成したアルミニウム製円筒状基体を本発明による基体
保持治具で保持し、電荷輸送層塗布液中に降下浸漬させ
た。基体降下時に送気孔より窒素ガスを100cc/s
ecの流量で流した。昇降モーターを動作させて、基体
を塗工液中から引き上げ、乾燥機に入れて120℃で3
0分間乾燥した。乾燥後に暗所で自然冷却後、塗膜の膜
厚を測定したが、周方向膜厚ムラは20%以内に収まっ
ていた。
【0026】実施例2 送気孔部表面とフードの間隔(図4及び図5でのA寸
法)、及びフードから送気部が露出する幅(図5のB
寸法)を変化させたときのシュリーレン法によって観察
した気流の状況の、及びその条件での塗膜品質を表2に
示す。表2において塗膜は送気部とフードの条件以外
は実施例1と同様の方法で作成した。
【0027】
【表2】
【0028】実施例3 送気ガスとして窒素ガスを使用し、送気流速は200c
c/secで送気して、実施例1に示したのと同様な方
法で感光体を製造した。塗膜は基体の縁から1mm内側
から形成した。塗工膜上部15mmをテトラヒドロフラ
ンを染み込ませた濾紙で拭き取り、アルミ基体を露出さ
せた。これにより、端部16mmはアルミ基体が露出
し、塗膜部は20±2μmの感光体を製造することがで
きた。
【0029】実施例4 送気ガス(1)として窒素ガス、送気ガス(2)として
テトラヒドロフランの飽和蒸気を含んだ窒素ガスを用意
した。基体はアルミニウム基体を用意した。また、下引
き層塗工液、電荷発生層塗工液、電荷輸送層塗工液は実
施例1に示した方法で調製した。図6で示した装置を使
用し、実施例1と同じ条件で下引き層、電荷発生層を形
成した。次に、送気機能付き基体保持治具に送気ガス1
を100cc/secの流量で送気しながら基体を塗工
液中に降下させ、基体が塗工下端にきたところで送気ガ
ス(1)の送気を停止し送気ガス(2)を50cc/s
ecの流量で送気したまま20秒間保持した。その後、
送気ガス(2)の供給を停止した後、基体を引き上げた
後、120℃で20分間乾燥後、暗所で自然冷却した。
これをサンプル1とする。
【0030】また、送気ガス(2)の送気を行わない以
外は上と同様な条件で作成したものを比較例とし、サン
プル2とした。感光体の中央部の膜厚を安定膜厚とし、
塗膜端部の盛り上がった部分との差を端部盛り上がり高
さとした。端部盛り上がり量測定結果を表3に示す。送
気孔部(2)からの送気ガスの供給を行ったサンプル1
の方が送気孔部(2)からの送気ガス(2)の供給を行
わないサンプル2より、端部盛り上がり高さが少ない結
果となり、本発明の効果が確認できる。
【0031】
【表3】
【0032】本発明において、電荷輸送層塗工液に使用
する樹脂としてビスフェノールAタイプのポリカーボネ
ート、ビスフェノールZタイプのポリカーボネート等が
使用できる。電荷輸送層塗工液としては、実施例に示し
たような高分子と電荷輸送剤及び、溶剤からなる液の他
に、電荷輸送剤の重合物と溶剤からなる液、あるいは、
高分子と電荷輸送剤の重合物及び溶剤からなる液、ある
いは、高分子と電荷輸送剤と電荷輸送剤の重合物及び溶
剤からなる液でもよい。
【0033】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的に説明したよう
に、本発明における、電子写真感光体を浸漬塗工法で製
造する際に使用する送気機能付き基本保持治具の送気孔
部である前記円筒型多孔質体、あるいは底の中心に穴の
あいたコップ状形状の前記円筒状多孔質体は、その厚み
が1mm以上、7mm未満なので、機械的強度が充分に
あり、且つ周方向のムラがなく、送気孔部として充分な
性能を有し、また、電子写真感光体を浸漬塗工法で製造
する際に使用する送気機能付きの前記基体保持治具にお
いては、送気孔部を外部から覆うように下方が開いたフ
ードを設けてあり、また、送気部とフードの間隔が1m
m以上4mm以下、且つ、フード下端と送気孔部下端が
一致するか、又は、送気孔部の一部がフードから露出す
る割合が40%以内であるので、送気流を下方あるいは
斜め下方へ向けて流すことができる。さらに、電子写真
感光体を浸漬塗工法で製造する際、前記のような送気機
能付き基体保持治具を使用し、塗工工程で送気すること
によって上端縁部が厚い塗膜を形成し、更に塗膜上端縁
部を拭き取る、あるいは塗膜を切り取るので、感光体膜
にタレの発生がなく、膜厚が均一な感光体を製造でき
る。また、これにより、塗工液の乾燥を促進することが
でき、沸点の高い溶媒の使用が可能になって、溶媒の選
択範囲を広げることができる。本発明に係る電子写真感
光体は、前記感光体の製造方法又は前記電子写真感光体
の製造装置によって一旦上端縁部が厚い塗膜を形成し、
次に塗膜上端縁部を拭き取っているので、タレの発生が
ないものとなっている。また、タレ発生がないことによ
り、沸点の高い溶媒の使用が可能になって、溶媒の選択
範囲を広げることができる。本発明の電子写真感光体を
浸漬塗工装置においては、塗工時に送気するガス種を取
り替えられるので、塗工時の溶媒の蒸発速度を制御で
き、塗膜タレの少ない感光体を製造することができる。
また、これにより、溶媒の選択範囲を広げることができ
る。本発明に係る電子写真感光体は、感光層塗膜の端部
盛り上がり高さが10μm以下であることを特徴とする
ものが得られ、このような感光体は、膜厚むらが少ない
ため、期待された帯電、クリーニング、耐磨耗性など
に、優れた電子写真プロセス上の特性を示し、また本発
明の製造方法は、浸漬塗工で製造する際に、送気機能付
き基体保持治具を使用し、塗工工程において始めに塗工
液と同じ溶媒を含まないか、あるいは極く少量しか含ま
ないガスを送気し、次に塗工液の溶媒と同じ溶媒を高濃
度に含むガスを送気して製造しているので、この方法に
よる電子写真感光体は塗工先端盛り上がりの少ないもの
となっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による送気機能付き基体保持治具の例で
ある。
【図2】本発明による浸漬塗工装置の例である。
【図3】各種形状を持った円筒状多孔質体、あるいは中
心に穴のあいたコップ形状の円筒状多孔質体である。
【図4】本発明を実施するのに好適な送気部の構造を示
した図である。
【図5】本発明を実施するのに好適な送気部の構造を示
した図である。
【図6】本発明の浸漬塗工装置の1構成例を示した図で
ある。
【符号の説明】
1 送気ガス供給配管 2 送気孔部 3 基体保持手段 4 基体保持治具取り付け棒 5 昇降モータ 6 ボールネジ 7 基体保持治具取り付け腕 8 被塗工基体 9 塗工液 10 塗工液槽 11 送気ガス供給元 12 送気ガス供給開閉弁 13 筒状部 14 送気ガス種選択弁 15 送気ガス元 16 送気ガス元 17 フード
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−254141(JP,A) 特開 昭60−158453(JP,A) 特開 昭60−110371(JP,A) 特開 昭59−225771(JP,A) 特開 昭59−42060(JP,A) 特開 平8−62868(JP,A) 特開 平6−289631(JP,A) 特開 平6−262113(JP,A) 特開 平5−111656(JP,A) 特開 平5−88385(JP,A) 特開 平4−219169(JP,A) 特開 平4−94763(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する
    際に使用する基体保持治具において、円筒多孔質体、
    あるいは底の中心に穴のあいたコップ状多孔質体からな
    り、該円筒状多孔質体あるいはコップ状多孔質体内部か
    ら外部に気体を放出する送気孔部を設け、更に、その送
    気孔部を上部から覆うように下方が開いたフードを設け
    て、送気流が下方あるいは斜め下方へ流れることを可能
    にした基体保持治具であって、送気孔部とフードの間隔
    が1mm以上4mm以下、且つ、フード下端と送気孔部
    下端が一致するか、又は、送気孔部の一部がフードから
    露出する割合が送気孔部幅に対して40%以内である構
    造を有する基体保持治具。
  2. 【請求項2】 電子写真感光体を浸漬塗工法で製造する
    際、請求項1に記載の基体保持治具を使用し、塗工工程
    で送気することによって上端縁部が厚い塗膜を形成し、
    更に塗膜上端縁部を拭き取ること、あるいは塗膜を切り
    取ることによって感光体端部に接地部を有し、且つ、塗
    膜の膜厚が均一な感光体を製造する方法。
  3. 【請求項3】 浸漬塗工法による電子写真感光体の製造
    方法に用いる装置であって、請求項1に記載の基体保持
    治具を備え、電子写真感光体塗膜上部を拭き取り可能に
    保持することを特徴とする電子写真感光体の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の基体保持治具、および
    該基体保持治具の送気孔部に対して、供給する気体種を
    取り替える手段、あるいは二種以上のガスを混合して送
    気する手段を設けたことを特徴とする電子写真感光体の
    浸漬塗工装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の基体保持治具を有する
    浸漬塗工装置を用いて電子写真感光体を製造する方法で
    あって、塗工開始時には塗工液に使用する溶媒を含まな
    い気体を該基体保持具の送気孔部から送気し、次に、塗
    工液に使用するものと同じ溶媒を高濃度に含む気体を該
    基体保持具の送気孔部から送気することを特徴とする電
    子写真感光体の製造方法。
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