JPH11275805A - バランス補正装置及びこれを備えた回転装置 - Google Patents

バランス補正装置及びこれを備えた回転装置

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JPH11275805A
JPH11275805A JP9526698A JP9526698A JPH11275805A JP H11275805 A JPH11275805 A JP H11275805A JP 9526698 A JP9526698 A JP 9526698A JP 9526698 A JP9526698 A JP 9526698A JP H11275805 A JPH11275805 A JP H11275805A
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rotating
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turntable
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Naoki Horata
直樹 母良田
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Iron Core Of Rotating Electric Machines (AREA)
  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好なバランス補正を行え、かつ小型化が可能
なバランス補正装置を備えた回転装置を提供する。 【解決手段】ハブ部材30に雌ねじ40a、円筒体39
に雄ねじ40bを形成して螺合し、ハブ部材30に対し
て円筒体39を軸方向に移動自在に取り付け、押え板4
3とターンテーブル31との間に各球体37を挟持可能
にする。ターンテーブル31の始動後暫くは、円筒体3
9のターンテーブル31に対する相対的回転を阻止して
各球体37を拘束し、その後重り体46を梁45に沿い
外方へ移動可能な状態にすることで慣性力による円筒体
39及び重り体46のターンテーブル31に対する相対
的な回転を許容し、ねじ40を緩めて押え板43を下動
させ、各球体37を解放してアンバランス補正位置への
移動を可能にする。このとき外側レール55と重り体4
6との係合により、円筒体39をターンテーブル31の
回転に追従させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、モータ等の回転
装置に取り付けられ、その回転時におけるアンバランス
を修正するバランス補正装置及びこれを備えた回転装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、モータには各種のものがあり、
そのひとつにデータの記録・再生を行うための記録ディ
スク駆動用のものがある。そして、その記録ディスクに
は、CD、FD、MO、MD、DVD等種々のものがあ
る。これらの記録ディスクは、記録・再生方式やデータ
容量、回転速度、記録密度等の仕様あるいはディスクの
材料、価格が異なるため、各ディスクごとにそれを駆動
するモータとして種々のものが存在する。
【0003】近年、電子情報が文字から画像へと移行
し、それに伴う情報の高度化、大容量化によって、その
情報を大量にかつ素早く記録・再生ができること、更に
は低コストであることなどが記録ディスク及びこれを駆
動する駆動装置に対して要求されている。
【0004】例えばCDの場合、当初は音楽再生用とし
て登場したが、その利点を生かしCD−ROMとしてコ
ンピュータ用へと用途が拡大した。これにより、データ
容量が増大し、動作時間(シークタイム)の短縮化と共
に記録ディスク側を速く回転させること、即ち記録ディ
スク駆動用モータが高速化されるに至り、最近では音楽
用CDを基準速度として、20倍速を超えるものが実現
化されている。
【0005】ところで、従来の記録ディスク駆動用モー
タの具体的構成について図11を参照して説明する。
【0006】図11に示すように、シャーシ等の固定部
材1に形成された開口にほぼ円筒状を成す保持部材2の
下端部が嵌着され、保持部材2の底面開口部が閉塞板3
により閉塞され、スラスト受4が閉塞板3上に載置され
て保持部材2内の底部に配設され、滑り軸受5が保持部
材2の内側に嵌着されている。
【0007】更に、保持部材2の外側にはコア7aが嵌
着され、このコア7aに巻線7bが巻装されステータ7
を構成している。また、シャフト8が滑り軸受5に嵌入
され、その下端がスラスト受け4に当接し上端部が保持
部材2の上方に突出して配設されている。シャフト8の
上端部にはアルミニウム等の非磁性材から成るハブ部材
9が嵌着され、鉄等の磁性材から成る回転部材であるヨ
ーク部材10がハブ部材9に取り付けられている。
【0008】このヨーク部材10は、ほぼ円板状の基部
とこの基部の周縁に下方に垂下して一体形成された垂下
部とにより構成され、その基部の中央部に形成された開
口の周りの部分がハブ部材9の下端部に加締めにより取
り付けられている。更に、駆動用マグネット11がヨー
ク部材10の垂下部の内側に嵌入され、ステータ7に相
対向する位置に配設されている。
【0009】また図11に示すように、ハブ部材9の外
側にターンテーブル部13が形成され、このハブ部材9
の中央にこの上面とほぼ同一面を形成するようにクラン
プマグネット14が埋設され、このクランプマグネット
14により図示しない駆動装置側のディスク押圧手段が
磁気吸引されて記録ディスクDが固定される。そして、
ステータ7の巻線7bへの電流の通流方向が制御されて
ステータ7が回転磁界を発生し、この回転磁界と駆動用
マグネット11との静磁界との吸引及び反発の繰り返し
によって、静止状態のステータ7に対して駆動用マグネ
ット11、ヨーク部材10、ハブ部材9及びシャフト8
が回転し、これによりターンテーブル部13及び記録デ
ィスクDが一定方向に回転する。
【0010】ところで、CD−ROM等の記録ディスク
Dでは、その記録面と反対側の面に様々な印刷がなさ
れ、印刷に使用されるインクの重量に起因して記録ディ
スクDの回転時に重量バランスの偏り(アンバランス)
を生じ、モータの回転振れの原因となることがある。こ
れは、上述したモータの高速化により、微量なインクの
重量でさえも影響を及ぼすようになっているという背景
によるためである。またモータの高速化は、それまで問
題にはならなかったような各部の寸法誤差によるアンバ
ランスをも招来する。
【0011】そこで、このようなアンバランスを補正す
るバランス補正装置として、従来例えば図11に示すよ
うに、ハブ部材9におけるターンテーブル部13の下面
とヨーク部材10の基部とで環状空間の収容部16を形
成し、この収容部16に複数個の球体17を周方向に移
動自在に収容することが行われている。このとき、アン
バランス補正の広範囲化、高精度化を図るために、複数
の収容部16を同心に形成し、各収容部16にそれぞれ
複数個の球体17を収容し、各収容部16内を各球体1
7が周方向に移動するようにしたものも提案されてい
る。
【0012】このような構成によると、記録ディスクD
を載置した状態でモータが所定の回転速度に到達する
と、各球体17がアンバランス位置と対称な位置に移動
し、モータのアンバランスが各球体17により補正され
て回転振れを防止することができるのである。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したバラ
ンス補正装置を備えたモータは、モータが起動してから
そのバランス補正装置が作用する所定の回転数までの間
においては、球体17は収容部16内を周方向や径方向
に振動を拡大する位置に転動するため、モータの不安定
な回転が一層助長されるといった問題がある。
【0014】更に、そのモータが例えば上記したような
記録ディスク駆動用モータから成るCD−ROM駆動装
置を搭載したノートパソコンのように、携帯或いは移動
可能な状況下で使用される場合には、外力により収容部
16内の球体17同士が衝突し、或いは球体17が収容
部16の内周面に衝突するので、携帯或いは移動中に耳
障りな不快音が生じるといった問題もある。
【0015】また従来、モータ等の各種回転装置に着脱
自在に装着が可能なバランス補正装置はなく、各回転装
置毎にバランス補正装置を組み込まなければならず、組
立作業の煩雑化を招くという問題もある。
【0016】更に、ノートパソコンに装備されたCD−
ROM等の記録ディスク駆動用モータでは、回転装置及
びバランス補正装置をより小型化する必要がある。
【0017】この発明が解決しようとする第1の課題
は、モータ等の回転装置に着脱自在に装着が可能で、ア
ンバランスを補正し、しかもバランス体の不要な移動に
関連する不具合が生じることのない汎用性を有し、かつ
小型化が可能なバランス補正装置を提供することにあ
る。
【0018】また、この発明が解決しようとする第2の
課題は、バランス体の不要な移動に関連する不具合が生
じないようにして良好なバランス補正を行え、かつ小型
化が可能なバランス補正装置を備えた回転装置を提供す
ることにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記した第1の課題を解
決するために、本発明におけるバランス補正装置は、回
転軸に連動して回転する第1部材と、前記第1部材の回
転の軸方向に沿って一方向及びその反対の他方向に移動
自在に設けられた第2部材と、前記両部材の間に前記回
転軸と同心の環状に形成された移動路と、前記移動路内
を周方向に移動自在に前記移動路に収容されたバランス
体と、前記第1部材と同軸に設けられ前記第1部材に対
して相対的に双方向に回転する回転体と、前記回転体の
前記第1部材に対する相対的な回転を前記軸方向への直
線的な移動に変換して前記第2部材に伝達する変換手段
と、前記回転体にそれぞれ径方向に移動自在に且つ前記
回転体の中心方向に付勢して設けられ前記回転体に連動
して回転する作動体と、両端が前記第1部材と前記回転
体とに係止して設けられ前記第1部材に対する前記回転
体の相対的な回転により前記第1部材及び前記回転体の
間に回転ずれが生じたときに前記回転体を付勢する渦巻
きばねと、前記第1部材に設けられ前記作動体が遠心力
によりその付勢方向と反対方向に移動したときに前記作
動体に係合して前記回転体を前記第1部材の回転に追従
させる追従手段とを備え、前記第2部材の前記一方向へ
の移動により、前記両部材間に前記バランス体を挟持し
て前記バランス体を拘束状態に保持し、前記第2部材の
前記他方向への移動により、前記バランス体を拘束状態
から解放して前記バランス体を移動可能な状態にするよ
うにしている。
【0020】このような構成によれば、第1部材の回転
が始動すると、回転体が慣性力により第1部材に対して
相対的に回転し、この回転体の回転が変換手段により第
2部材に伝達されて第2部材が他方向、即ち第1部材の
回転の軸方向に沿って第1部材との間にバランス体を挟
持する方向と反対方向に移動し、バランス体が両部材に
よる挟持状態から解放されて移動路内を移動可能にな
り、バランス体がアンバランスを補正する位置に移動す
る。
【0021】このとき、第1部材が始動してからその回
転数が所定回転数になるまでの間、渦巻きばねの復元力
によって回転体を第1部材の回転に連動させるように渦
巻きばねの復元力を設定しておくことで、所定回転数に
なるまでは回転体が第1部材と一緒に回転してバランス
体を第1、第2部材により挟持して拘束したままの状態
に維持することができる。そして、第1部材の回転数が
所定回転数を超えると、回転体に働く慣性力の作用によ
り、渦巻きばねの復元力によって回転体を第1部材の回
転に連動させることができず、回転体は第1部材の回転
に追随できなくなり、上記したように慣性力により回転
体が第1部材に対して相対的に回転し始めて第2部材が
第1部材との間にバランス体を挟持する方向と反対方向
に移動し、バランス体が両部材による挟持状態から解放
されて移動路内を移動できるようになる。
【0022】次に、回転体が第1部材に対して相対的に
回転することで、第1部材と回転体との間に生じる回転
ずれが大きくなり、それに伴って渦巻きばねに発生する
復元力が増加し、この復元力が回転体の慣性力を一致す
ると回転体が第1部材に連動して回転するようになり、
第2部材はそれ以上は他方向に移動することはなく、バ
ランス体が第1、第2部材による挟持から解放された状
態のまま、回転体及び第2部材が第1部材と一緒に回転
する。
【0023】更に、このように回転体が第1部材と一緒
に回転するのに伴って作動体に遠心力が働き、この遠心
力が作動体に作用している回転体の中心方向への付勢力
を上回ると、作動体が回転体の径方向を外方に向かって
移動し、やがて作動体が追従手段に係合して回転体が第
1部材に完全に追従して回転する。
【0024】その後、第1部材の回転が定速になると、
回転体に働く慣性力が小さくなって渦巻きばねの復元力
のみが回転体に作用することになるため、この復元力
は、回転体と第1部材との回転ずれをなくすように、回
転体が第1部材に対し始動時とは逆方向に相対回転して
第2部材を始動時と逆方向(一方向)、つまり第1部材
との間にバランス体を挟持する方向に移動させるように
作用するが、上記したように作動体の追従手段との係合
により、回転体の第1部材に対する始動時とは逆方向へ
の相対回転が阻止され、両部材によりバランス体が挟持
されることはない。
【0025】次に、第1部材及び回転体が定速回転する
状態から減速を始め、作動体に働く遠心力が作動体に作
用している中心方向への付勢力を下回るまで第1部材及
び回転体の回転数が低下すると、作動体の追従手段との
係合が解除されて作動体が回転体の径方向を内方に向か
って移動し始める。これと同時に、回転体に働く慣性力
と渦巻きばねの復元力によって、回転体が第1部材に対
して始動時とは逆の一方向、つまり第1部材との間にバ
ランス体を挟持する方向に移動し、バランス体が両部材
により挟持される。
【0026】従って、第1部材が減速を開始すると、直
ぐにバランス体が両部材によって挟持されるため、バラ
ンス体はアンバランスを補正する位置で両部材により挟
持されることになり、次に第1部材が始動したときに
は、バランス体はアンバランスを補正する位置に拘束さ
れた状態のままとなる。
【0027】ところで、この場合のバランス体は、複数
個の球体やその他の転動体であるのが望ましい。また、
移動路は第1または第2部材に形成されたリング状の凹
陥部であったり、第1または第2部材に円形の仕切部材
を設けることによって形成されたものであるのが好まし
い。このときの移動路は、同心に複数設けられていても
よく、第1部材に形成された1つの凹陥部内を仕切って
2以上の移動路を形成したり、複数の円形仕切部材によ
り第1または第2部材間を複数に仕切ることによって形
成するとよい。但し、このように複数の移動路を設ける
場合には、隣接する移動路にバランス体が侵入できない
ようにするのが望ましい。
【0028】更に、ここでいう第1部材及び第2部材と
は円盤状のものが望ましく、要するに上記した凹陥部を
形成することを考慮した厚みを有していればよく、凹陥
部を形成せずに円形仕切部材により移動路を形成する場
合には薄板状であっても構わない。
【0029】また、作動体は、例えば円弧状を有する剛
体であるのが望ましく、これら剛体から成る作動体をゴ
ムやばねのほか、剛体を吸着する磁石等により回転体の
中心方向へ付勢するようにすればよい。
【0030】更に追従手段は、作動体を吸着する磁石
や、作動体との間の摩擦力により係合するものにより構
成することができる。
【0031】また、本発明におけるバランス補正装置
は、前記追従手段を、前記作動体に形成された凸部また
は凹部が嵌挿する凹部または凸部を有する部材により構
成している。
【0032】このような構成によれば、作動体の追従手
段との係合を凸部、凹部により簡単に実現することがで
き、磁石による吸着力や摩擦力により係合する場合に比
べ、より簡単かつ確実に作動体の追従手段との係合を実
現できる。
【0033】また、上記した第2の課題を解決するため
に、本発明における回転装置は、静止部材及びこの静止
部材に対して回転自在に設けられた回転部材とにより構
成され、前記回転部材の回転軸に連動して回転する第1
部材と、前記第1部材の回転の軸方向に沿って一方向及
びその反対の他方向に移動自在に設けられた第2部材
と、前記第1、第2部材の間に前記回転軸と同心の環状
に形成された移動路と、前記移動路内を周方向に移動自
在に前記移動路に収容されたバランス体と、前記第1部
材と同軸に設けられ前記第1部材に対して相対的に双方
向に回転する回転体と、前記回転体の前記第1部材に対
する相対的な回転を前記軸方向への直線的な移動に変換
して前記第2部材に伝達する変換手段と、前記回転体に
それぞれ径方向に移動自在に且つ前記回転体の中心方向
に付勢して設けられ前記回転体に連動して回転する作動
体と、両端が前記第1部材と前記回転体とに係止して設
けられ前記第1部材に対する前記回転体の相対的な回転
により前記第1部材及び前記回転体の間に回転ずれが生
じたときに前記回転体を付勢する渦巻きばねと、前記第
1部材に設けられ前記作動体が遠心力によりその付勢方
向と反対方向に移動したときに前記作動体に係合して前
記回転体を前記第1部材の回転に追従させる追従手段と
を備え、前記第2部材の前記一方向への移動により、前
記第1、第2部材間に前記バランス体を挟持して前記バ
ランス体を拘束状態に保持し、前記第2部材の前記他方
向への移動により、前記バランス体を拘束状態から解放
して前記バランス体を移動可能な状態にするバランス補
正装置を備えている。
【0034】このような構成によれば、第1部材の回転
が始動すると、回転体が慣性力により第1部材に対して
相対的に回転し、この回転体の回転が変換手段により第
2部材に伝達されて第2部材が他方向、即ち第1部材の
回転の軸方向に沿って第1部材との間にバランス体を挟
持する方向と反対方向に移動し、バランス体が両部材に
よる挟持状態から解放されて移動路内を移動可能にな
り、バランス体がアンバランスを補正する位置に移動す
る。
【0035】このとき、第1部材が始動してからその回
転数が所定回転数になるまでの間、渦巻きばねの復元力
によって回転体を第1部材の回転に連動させるように渦
巻きばねの復元力を設定しておくことで、所定回転数に
なるまでは回転体が第1部材と一緒に回転してバランス
体を第1、第2部材により挟持して拘束したままの状態
に維持することができる。そして、第1部材の回転数が
所定回転数を超えると、回転体に働く慣性力の作用によ
り、渦巻きばねの復元力によって回転体を第1部材の回
転に連動させることができず、回転体は第1部材の回転
に追随できなくなり、上記したように慣性力により回転
体が第1部材に対して相対的に回転し始めて第2部材が
第1部材との間にバランス体を挟持する方向と反対方向
に移動し、バランス体が両部材による挟持状態から解放
されて移動路内を移動できるようになる。
【0036】次に、回転体が第1部材に対して相対的に
回転することで、第1部材と回転体との間に生じる回転
ずれが大きくなるり、それに伴って渦巻きばねに発生す
る復元力が増加し、この復元力が回転体の慣性力を一致
すると回転体が第1部材に連動して回転するようにな
り、第2部材はそれ以上は他方向に移動することはな
く、バランス体が第1、第2部材による挟持から解放さ
れた状態のまま、回転体及び第2部材が第1部材と一緒
に回転する。このように回転体が第1部材と一緒に回転
するのに伴って作動体に遠心力が働き、この遠心力が作
動体に作用している回転体の中心方向への付勢力を上回
ると、作動体が回転体の径方向を外方に向かって移動
し、やがて作動体が追従手段に係合して回転体が第1部
材に完全に追従して回転する。
【0037】一方、第1部材及び回転体が定速回転する
状態から減速を始め、作動体に働く遠心力が作動体に作
用している中心方向への付勢力を下回るまで第1部材及
び回転体の回転数が低下すると、作動体の追従手段との
係合が解除されて作動体が回転体の径方向を内方に向か
って移動し始める。これと同時に、回転体に働く慣性力
と渦巻きばねの復元力によって、回転体が第1部材に対
して始動時とは逆の一方向、つまり第1部材との間にバ
ランス体を挟持する方向に移動し、バランス体が両部材
により挟持される。
【0038】従って、バランス体の不要な移動に関連す
る不具合が生じないようにして良好なバランス補正を行
え、かつ小型化が可能なバランス補正装置を備えた回転
装置を提供することが可能になる。
【0039】また、本発明における回転装置は、前記追
従手段を、前記作動体に形成された凸部または凹部が嵌
挿する凹部または凸部を有する部材により構成してい
る。
【0040】このようにすると、作動体の追従手段との
係合を凸部、凹部により簡単に実現することができ、良
好なバランス補正を行うことのできるモータ等の回転装
置を提供することが可能になる。
【0041】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)この発明の第
1の実施形態について図1ないし図8を参照して説明す
る。本実施形態は、バランス補正装置を備えた回転装置
としての直流モータの例であり、図1は切断正面図、図
2は平面図、図3及び図4はそれぞれ一部の平面図及び
斜視図、図5は他の一部をある方向から見たときの分解
斜視図、図6は図5に示す異なる一部をある方向から見
たときの分解斜視図、図7はある部分の斜視図、図8は
更に異なる一部の変形例の斜視図である。
【0042】図1、図2において、21はシャーシに固
定されたプリント基板等の固定部材、22は固定部材2
1に形成された開口23に下端部が嵌着された静止部材
としてのほぼ円筒状の保持部材、24は保持部材22の
底面開口部を閉塞した閉塞板、25は閉塞板24上に載
置されて保持部材22内の底部に配設されたスラスト
受、26は滑り軸受であり、保持部材22の中心部に形
成された貫通孔の内側に嵌着されている。
【0043】更に、28は保持部材22の外側に嵌着し
て設けられたコア28a及びこのコア28aに巻装され
た巻線28bから成るステータ、29は滑り軸受26に
嵌入され下端がスラスト受け25に当接し上端部が保持
部材22の上方に突出して配設された回転部材としての
シャフト、30はアルミニウム等の非磁性材から成る回
転部材としてのハブ部材であり、円板状の基部30aと
この基部30aの周縁に垂直に垂下して一体に形成され
た縁部30bとにより構成され、基部30aの中央の透
孔にシャフト29が挿通されてハブ部材30がシャフト
29の上端部に嵌着されている。
【0044】また、31はハブ部材30の縁部30bの
外側に取り付けられた鉄等の磁性材から成る第1部材と
しての円盤状のターンテーブル、32はターンテーブル
31の周縁に一体的に形成された鉄等の磁性材から成る
短円筒状のヨーク部材、33は駆動用マグネットであ
り、ヨーク部材32の内側に嵌入され、ステータ28に
相対向する位置に配設されている。そして、シャフト2
9、ハブ部材30、ターンテーブル31、ヨーク部材3
2及び駆動用マグネット33が一緒に回転する。尚、タ
ーンテーブル31の上面には図示しない緩衝材を介し
て、CD−ROM等の記録ディスクが載置されるように
なっている。
【0045】更に、35はターンテーブル31の下面に
同軸に取り付けられた径の異なる複数の円形の仕切部
材、36は径の異なる複数の環状の移動路であり、ター
ンテーブル31と、各仕切部材35と、後述する第2部
材としての押え板とにより、ターンテーブル31の下面
に形成されており、これら各移動路36には各移動路3
6内を周方向に移動自在にバランス体としての鋼球等か
ら成る同一径の複数個の球体37が収容されている。
【0046】ここで、仕切部材35の上下方向の高さ
は、後述する第2部材としての押え板が下動したときに
各移動路36内それぞれにおける各球体37が隣接する
移動路36に侵入せず、押え板が上動したときに押え板
と仕切部材35とが当たらないような寸法に設定するこ
とが好ましい。更に、球体37が各移動路36を占有す
る範囲は、各移動路36それぞれのほぼ半周程度である
ことが望ましい。
【0047】また、39はターンテーブル31と同軸に
設けられ保持部材22の上端部に遊貫されてターンテー
ブル31に対して相対的に双方向に回転する回転体とし
ての円筒体、40は変換手段としてのねじであり、ハブ
部材30の縁部30bの内周面に形成された雌ねじ40
aと、円筒体39の外周面に形成された雄ねじ40bと
から成り、円筒体39の雄ねじ40bがハブ部材30の
雌ねじ40aに螺合することによって、ハブ部材30及
びターンテーブル31に対して円筒体39が軸方向(上
下方向)に移動自在に取り付けられている。
【0048】更に、42はハブ部材30の内側に設けら
れ内終端及び外終端がそれぞれハブ部材30の下面中央
及び円筒体39の上面に固着されターンテーブル31及
び円筒体39の間に回転ずれが生じたときに円筒体39
を付勢する渦巻きばね、43は第2部材としての押え板
であり、ターンテーブル31よりも若干小径の円盤状を
有し、円筒体39の下部に取り付けられて第1部材であ
るターンテーブル31の回転の軸方向に沿って一方向及
びその反対の他方向に移動し、ターンテーブル31との
間に各球体37を挟持する。ここで、一方向及びその反
対の他方向とは、ターンテーブル31及び押え板43間
に各球体37を挟持して拘束する方向、及びその挟持状
態から各球体37を解放する方向である。
【0049】また、45は円筒体39の下部両側に配設
され円筒体39及び押え板43に固定された一対の梁、
46は作動体であるほぼ半円形の一対の重り体であり、
両梁45に沿い、径方向に移動自在に取り付けられてお
り、両重り体46は図示しないゴムやばね等により、円
筒体39の中心方向であるシャフト29に向かう方向に
付勢されている。尚、両重り体46の付勢は、両重り体
46を吸着する磁石により行うようにしてもよい。
【0050】ここで、図3、図4に示すように、両重り
体46に梁45が嵌挿する凹状の切欠部47が形成さ
れ、この切欠部47の中央部に、例えば円柱状のガイド
体48が下向きに植設され、梁45にはこのガイド体4
8が嵌挿する長孔49が透設され、重り体46の切欠部
47に梁45が嵌り込むと同時にガイド体48が長孔4
9に嵌り込み、重り体46が梁45に対して径方向に移
動自在に取り付けられている。
【0051】また、51は短円筒状の内側レールであ
り、ハブ部材30の縁部30bの外側で両重り体46の
内側に配設されてターンテーブル31の下面に固着さ
れ、図5に示すように、下部に複数の凹状の切欠部52
が形成され、両重り体46の内周面に形成された複数の
突起53が内側レール51の切欠部52に嵌挿するよう
になっている。更に、ハブ部材30の雌ねじ40aと円
筒体39の雄ねじ40bとが締まり、円筒体39がハブ
部材30に対して上動した状態のときに、突起53が切
欠部52に嵌挿するような高さ位置に突起53及び切欠
部52が各々形成されている。尚、モータの停止時に、
図2中に破線で示す位置において両重り体46の突起5
3が内側レール51の切欠部52に嵌挿し、そのときの
渦巻きばね42の復元力がゼロとなるように、渦巻きば
ね42を取り付けておく。
【0052】このとき、上記したように両重り体46が
シャフト29に向かう方向に付勢されているため、モー
タが始動してシャフト29の回転が次第に加速していっ
たときに、両重り体46に働く回転に伴う遠心力がシャ
フト29方向への付勢力よりも小さい間は両重り体46
の突起53が内側レール51の切欠部52に嵌挿して円
筒体39及び押え板43がターンテーブル31と一緒に
回転する。そして、回転数が増して両重り体46に働く
遠心力がシャフト29方向への付勢力よりも大きくなる
と、両重り体46の突起53が内側レール51の切欠部
52から脱離し、両重り体46が両梁45に沿って外方
に移動している間に、円筒体39がターンテーブル31
に対して相対的に回転するようになる。
【0053】更に図1、図2において、55は追従手段
としての短円筒状の外側レールであり、両重り体46の
外側に配設されてターンテーブル31の下面に固着さ
れ、図6に示すように、下部に複数の凹部としての切欠
部56が形成され、両重り体46の外周面に形成された
凸部としての複数の突起57が形成され、遠心力により
両重り体46が両梁45に沿って外方に移動し、両重り
体46の各突起57が外側レール55の切欠部56に嵌
挿するようになっている。
【0054】このとき、内側レール51と外側レール5
5との間隔は、重り体46の幅と突起53、57の突出
量との和と同程度若しくは若干大きく設定されている。
また、ハブ部材30の雌ねじ40aと円筒体39の雄ね
じ40bとが緩み、円筒体39がハブ部材30に対して
所定量だけ下動した状態のときに、突起57が外側レー
ル55の切欠部56に嵌挿するような高さ位置に突起5
7及び切欠部56が各々形成されている。
【0055】このように、ターンテーブル31、各仕切
部材35、各移動路36、各球体37、円筒体39、ね
じ40、押え板43、梁45、両重り体46、内側レー
ル51及び外側レール55により、モータのアンバラン
スを補正するバランス補正装置59が構成されている。
【0056】次に、記録ディスクを搭載したときのモー
タの動作について説明する。但し、記録ディスクを搭載
したモータにアンバランスがあるものとして説明する。
【0057】いま、同じ記録ディスクを搭載した状態で
モータの一連の回転が終了した後に再びモータが始動す
る時には、後で詳述するように、各球体37がアンバラ
ンスを補正する位置においてターンテーブル31及び押
え板43との間に挟持されている。
【0058】そして、記録ディスクを搭載した状態でモ
ータが再始動すると、始動後暫くは両重り体46の突起
53が内側レール51の切欠部52に嵌挿しているた
め、円筒体39及び押え板43はターンテーブル31と
一緒に回転し、このときには、初めての回転でアンバラ
ンスが補正されているので、各球体37はアンバランス
を補正する位置にあってターンテーブル31及び押え板
43により挟持されて拘束されたままとなる。
【0059】更に、モータの回転数が増して両重り体4
6に働く回転に伴う遠心力がシャフト29方向への付勢
力よりも大きくなると、両重り体46の突起53が内側
レール51の切欠部52から脱離し、両重り体46が両
梁45に沿って外方に移動し、両重り体46等に働く慣
性力Fαにより円筒体39がターンテーブル31に対し
て相対的(ターンテーブル31に対して反対方向)に回
転するようになる。このとき、記録ディスクを搭載した
状態でのモータの固有振動数に共振する共振回転数に達
したときに、両重り体46に働く遠心力がシャフト29
方向への付勢力よりも大きくなるように、両重り体46
に作用する付勢力を調整しておくことで、モータが共振
回転数を超えるまでの間は各球体37を拘束状態に保持
しておくことができる。
【0060】このように、円筒体39がターンテーブル
31に対して相対的に回転すると、雌ねじ40a、雄ね
じ40bから成るねじ40が緩んで円筒体39及び押え
板43が下動し、押え板43がターンテーブル31との
間に各球体37を挟持する方向とは反対に移動し、各球
体37がターンテーブル31及び押え板43による挟持
状態から解放されて各移動路36内を移動できるように
なり、各球体37がアンバランスを補正する位置に移動
する。但し、各球体37はすでにアンバランスを補正す
る位置近くで挟持されているため、各球体37が挟持状
態から解放されても、各移動路36内における各球体3
7の移動は殆どない。
【0061】このような円筒体39のターンテーブル3
1に対する相対的な回転によって、ターンテーブル31
と円筒体39との間に生じる回転ずれが大きくなるのに
伴い、渦巻きばね42に発生する復元力Fkが増加し、
この復元力Fkが円筒体39及び両重り体46に働く慣
性力Fαを一致すると円筒体39がターンテーブル31
に連動して回転するようになり、押え板43はそれより
下動することはなく、各球体37がターンテーブル31
及び押え板43による挟持から解放された状態のまま、
円筒体39及び押え板43がターンテーブル31と一緒
に回転する。
【0062】更に、このように円筒体39がターンテー
ブル31と一緒に回転するのに伴って両重り体46に遠
心力が働き、この遠心力が両重り体46に作用している
中心方向への付勢力を上回ると、両重り体46が円筒体
39の径方向を外方に向かって移動し始め、やがて両重
り体46の外側の突起57が外側レール55の切欠部5
6に嵌挿して係合し、円筒体39及び押え板43がター
ンテーブル31に完全に追従して回転するようになる。
【0063】その後、モータが定速で回転するようにな
ると、円筒体39及び両重り体46に働く慣性力Fαが
小さくなって渦巻きばね42の復元力Fkのみが円筒体
39に作用することになるため、この復元力Fkは、円
筒体39とターンテーブル31との回転ずれを減少する
ように、円筒体39がターンテーブル31に対し始動時
とは逆の方向に相対的に回転して押え板43を始動時と
反対方向、つまりターンテーブル31との間に各球体3
7を挟持する方向に移動させるように作用するが、上記
したように両重り体46の突起57が外側レール55の
切欠部56に嵌挿して係合することで、円筒体39のタ
ーンテーブル31に対する相対的な回転が阻止され、タ
ーンテーブル31及び押え板43により各球体37が挟
持されることはない。
【0064】従って、モータの始動直後は若干不安定な
回転となるものの、各球体37はアンバランスを補正す
る位置に拘束されたままであるため、各球体37により
この不安定な回転が助長されることはなく、しかも各球
体37同士が衝突して騒音を発生することもないため、
モータは各球体37が自由に移動できる状態で回転する
場合に比べ安定して且つ静かに回転し、モータの回転数
が上昇し共振回転数を超えるのに伴い、各球体37がタ
ーンテーブル31及び押え板43による挟持から解放さ
れる。これはアンバランスを補正するように作用するた
め、より安定して回転する。そして、モータが定速で回
転する状態になっても、各球体37はターンテーブル3
1及び押え板43による挟持から解放された状態に維持
され続ける。
【0065】一方、モータが定速で回転している状態か
ら減速を始め、両重り体46に働く遠心力が両重り体4
6に作用している中心方向への付勢力を下回るまでター
ンテーブル31及び円筒体39の回転数が低下すると、
両重り体46の突起57が外側レール55の切欠部56
から脱離してその係合状態が解除され、両重り体46が
円筒体39の径方向を内方に向かって移動し始める。
【0066】これと同時に、両重り体46に働く慣性力
Fαと渦巻きばね42の復元力Fkによって、円筒体3
9がターンテーブル31に対して始動時とは逆方向に相
対的に回転し、雌ねじ40a、雄ねじ40bから成るね
じ40が締まって円筒体39及び押え板43が上動し、
各球体37がターンテーブル31及び押え板43により
挟持される。このとき、両重り体46の内側の突起53
が内側レール51の切欠部52に嵌挿し、各球体37が
ターンテーブル31及び押え板43により挟持された状
態のまま、ターンテーブル31及び押え板43が減速し
てやがて停止する。次に同じ記録ディスクを搭載したま
までモータが始動したときには、各球体37はアンバラ
ンスを補正する位置に拘束された状態のままとなる。
【0067】その結果、次にモータが再始動する際に
は、各球体37はすでにモータのアンバランスを補正す
る位置に留まっていることになり、上記したように各球
体37が解放されてアンバランスを補正する位置への移
動が瞬時に行われ、アンバランス補正が迅速に成され
る。
【0068】ところで、モータがバランスしている正常
な場合には、モータの回転数が上昇して各球体37が移
動可能な状態になると、各球体37はそれぞれの移動路
36内をほぼ等間隔となるように位置するため、このよ
うにアンバランスがない場合には、球体37自身が回転
のバランスを乱さないように分布してモータは安定して
回転する。なお、モータの回転後に記録ディスクの脱着
を行って回転させる場合は、アンバランスの位置が変更
されるので、各球体37のアンバランスを補正する位置
も変更される。それ故に、このようにして使用する場合
にアンバランスが補正されるまでの時間は、同じ記録デ
ィスクを搭載した状態(脱着なし)で使用する場合に比
べて幾分長くなるが、アンバランスの補正に問題はな
く、実際の記録ディスク装置の動作上の不具合はない。
【0069】従って、第1の実施形態によれば、モータ
が始動して暫くは、各球体37をアンバランスを補正す
る位置に拘束された状態のまま保持できるため、従来の
ようにモータの始動後における球体等のバランス体の不
要な移動による不安定な回転や騒音等を防止することが
できる。
【0070】また、モータの回転数が上昇して共振回転
数を超えると、各球体37の押え板43及びターンテー
ブル31による挟持状態が解除されて各球体37が各移
動路36内を移動できるようになると、各球体37はア
ンバランスを補正する位置に即座に移動し、良好なバラ
ンス補正を行うことができる。
【0071】更に、モータが定速で回転している状態か
ら減速を開始すると、押え板43が各球体37を挟持す
る方向に移動し始め、各球体37がターンテーブル31
及び押え板43により挟持されるため、各球体37を次
の始動時にアンバランスを補正する位置に拘束しておく
ことができ、モータを同じ記録ディスクを搭載したまま
で再始動する際において、モータの不安定さが助長され
るのを防止することができると共に、各球体37が衝突
することもなく、騒音の発生を防止することができ、し
かもアンバランス補正が迅速になされる。
【0072】更に、両重り体46の追従手段である外側
レール55との係合を各々の突起57及び切欠部56に
より簡単に実現することができるため、磁石による吸着
力や摩擦力により係合する場合に比べ、より簡単かつ確
実に両重り体46の外側レール55との係合を実現でき
る。
【0073】このとき、球体を拘束する手段として、例
えば磁石により磁性材から成る球体を吸着する方法が考
えられるが、移動路が複数あるときには各移動路毎に磁
石を設ける必要があるため、磁石の配置スペースを確保
するのに伴って装置全体が複雑かつ大型化するのに対
し、上記したように、押え板43及びターンテーブル3
1により複数の移動路36に配設された各球体37を一
括して挟持することで、複数の移動路36内の各球体3
7を簡単に拘束することができ、モータの薄型化、小型
化を図る上で非常に有利である。
【0074】また、円筒体39とハブ部材30とに作用
する渦巻きばね42の復元力Fkは、円筒体39のター
ンテーブル31に対する回転ずれをある程度以上になら
ないように阻止する上で有効に作用するのに留まらず、
この渦巻きばね42により、停止状態のモータに何らか
の外力が加わっても、円筒体39が回転してねじ40が
勝手に緩んでしまうことを防止でき、モータが停止して
いる間押え板43及びターンテーブル31による各球体
37の挟持状態を確実に維持することができる。
【0075】なお、第1の実施形態の変形例として、図
8に示すように、内側レール51及び外側レール55の
上部に切欠部52、56をそれぞれ形成してもよい。
【0076】また、各移動路36に収容する各球体37
は全て同一径である必要はなく、移動路36毎に収容す
る球体37の径を変えてもよい。
【0077】更に、内側レール51を設けると各球体3
7の挟持、解放の制御をより確実に行えるが、内側レー
ル51は必ずしも設けなくてもよい。このとき、渦巻き
ばね42の復元力の設定の仕方によって、内側レール5
1を設けずに、モータの回転がその共振回転数になるま
で各球体37を拘束しておくことが可能になる。
【0078】即ち、モータが始動してその回転数が所定
回転数になるまでの間、渦巻きばね42の復元力によっ
て円筒体39をターンテーブル31の回転に連動させる
ように渦巻きばね42の復元力を強力なものに設定して
おくことで、モータがその共振回転数になるまでは、円
筒体39がターンテーブル31と一緒に回転して各球体
37をターンテーブル31及び押え板43により挟持し
て拘束したままの状態に維持することができる。この場
合、モータが共振回転数を超えると、円筒体39に働く
慣性力の作用により、渦巻きばね42の復元力によって
円筒体39をターンテーブル31の回転に連動させるこ
とができず、円筒体39はターンテーブル31の回転に
追随できなくなり、慣性力により円筒体39がターンテ
ーブル31に対して相対的に回転し始めて押え板43が
ターンテーブル31との間に各球体37を挟持する方向
と反対方向に移動し、各球体37がターンテーブル31
及び押え板43による挟持状態から解放されて移動路3
6内を移動できるようになる。
【0079】(第2の実施形態)この発明の第2の実施
形態について図9及び図10を参照して説明する。本実
施形態は、ユニット化されたバランス補正装置の例であ
り、図9は切断正面図、図10は平面図である。
【0080】本実施形態は、基本的に上記した第1の実
施形態におけるバランス補正装置59(図1ないし図7
参照)とほぼ同様の構成を有するが、上下が逆転してい
る点が主として相違しており、以下にその構成について
詳細に説明する。
【0081】図9及び図10に示すように、回転体とし
ての軸体71の下端部に、円板の周縁部が上方に折れ曲
がった形状を有する第1部材としての受け部材72が、
図示しない軸受などを介して回転自在に軸着され、軸体
71に対して半径の異なる同心円状の複数の環状突起7
3が受け部材72の上面に同軸に取り付けられて移動路
74が複数形成され、これら各移動路74にバランス体
である各球体37が周方向に移動自在に収容されてい
る。
【0082】また、図9及び図10に示すように、軸体
71の上半部には雄ねじ76が形成され、この雄ねじ7
6にナット77の雌ねじ78が螺合し、これら軸体71
の雄ねじ76及びナット77の雌ねじ78により変換手
段が形成されている。更に、ナット77の下部には受け
部材72の周側部内径より若干小径の第2部材としての
円盤状の押え板79が固着され、ナット77に対して軸
体71が回転することでこの押え板79が軸体71に沿
って上下方向に移動するようになっている。このとき、
受け部材72の周側部の上端内周側には一対の内方への
凸部72aが一体的に形成され、押え板79の周縁部に
はこの凸部72aが嵌挿するような一対の凹部79aが
形成されている。
【0083】ところで、受け部材72の上方で押え板7
9の下方には、図10に明確に示されている一対の梁8
1が配設されて軸体71の中央下寄り部分の両側に固着
され、両梁81それぞれの先端に作動体としての半円形
状の一対の重り体82が両梁81に沿って径方向に移動
自在に設けられ、しかも両重り体82は図示しないゴム
やばね等により軸体71に向かって(図10の矢印方
向)付勢されている。このときの両重り体82の両梁8
1への取り付けは、例えば重り体82に透設された透孔
に梁81の先端部を遊通することで実現できる。
【0084】尚、両重り体82の付勢は、両重り体82
を吸着することで軸体71の方向に付勢する磁石により
行ってもよい。
【0085】また、図9に示すように、軸体71の受け
部材72の下方に突出した部分には渦巻きばね85が巻
装され、この渦巻きばね85の内終端及び外終端がそれ
ぞれ軸体71及び受け部材72に係止されており、軸体
71と受け部材72との間の回転ずれに応じて渦巻きば
ね85に復元力Fkが発生し、この復元力Fkにより軸
体71及び両重り体82の受け部材72に対する相対的
な回転が規制されるようになっている。
【0086】更に、図9及び図10に示すように、複数
の凹状の切欠部88を有する追従手段としての短円筒状
のレール89が、両重り体82の外側に配設されて受け
部材72の上面に固着されている。一方、両重り体82
の外周面にはレール89の切欠部88に嵌挿することに
よって係合する突起90がそれぞれ形成されている。
【0087】このように、軸体71、受け部材72、各
環状突起73、各移動路74、各球体37、ナット7
7、雄ねじ76、雌ねじ78、押え板79、両梁81、
両重り体82、渦巻きばね85、切欠部88、レール8
9及び突起90により、バランス補正装置91が構成さ
れている。
【0088】次に、動作について説明すると、まず記録
ディスク駆動用モータ等の回転装置の回転軸に連動して
受け部材72が回転するように、上記した構成の補正装
置91を回転装置に装着する。
【0089】いま、この記録ディスク駆動用モータ等の
回転装置がアンバランスを生じている場合において、こ
の回転装置が一連の回転を終了した後に、同じ記録ディ
スクを搭載したまま、即ち同じ条件のまま再始動する
と、後で詳述するように、各球体37はアンバランスを
補正する位置において押え板79及び受け部材72の間
に挟持されている。
【0090】そして、回転装置の回転軸がこのように始
動すると、これに連動して受け部材72が回転を開始す
るが、渦巻きばね85の復元力によって各球体37が押
え板79及び受け部材72により挟持された状態のま
ま、押え板79、ナット77及び受け部材72が回転を
始める。
【0091】ところが、回転装置の回転数が上昇して共
振回転数を超えると、両重り体82等には回転装置の回
転方向と反対方向への慣性力Fαが働くため、この慣性
力Fαにより両重り体82及び軸体71が共に受け部材
72の回転に追随できなくなり、軸体71及び両重り体
82が受け部材72に対して相対的に回転し始める。
【0092】このとき、押え板79の凹部79aに受け
部材72の凸部72aが嵌挿しているため、押え板79
及びナット77が受け部材72と一緒に回転しようとす
るのに対して、上記したように軸体71が相対的に回転
することで、雄ねじ76が雌ねじ78に対して緩む方向
に回転し、これによりナット77及び押え板79が軸体
71に沿って上動して各球体37が押え板79及び受け
部材72による挟持状態から解放され、各球体37は各
移動路74内をアンバランスを補正する位置に移動して
回転装置のアンバランスが補正される。
【0093】尚、各球体37は、後述するようにすでに
アンバランスを補正する位置近くで挟持されているた
め、各球体37が挟持状態から解放されても、各移動路
74内における各球体37の移動は殆どなく、このよう
な各球体37のアンバランス位置への移動は瞬時に行わ
れる。
【0094】このような軸体71の受け部材72に対す
る相対的回転によって、受け部材72と軸体71との間
に生じる回転ずれが大きくなるのに伴い、渦巻きばね8
5に発生する復元力Fkが増加し、この復元力Fkが両
重り体82等に働く慣性力Fαと一致すると軸体71が
受け部材72に連動して回転するようになり、押え板7
9はそれより上動することはなく、各球体37が受け部
材72及び押え板79による挟持から解放された状態の
まま、軸体71及び押え板79が受け部材72と一緒に
回転する。
【0095】更に、このように軸体71が受け部材72
と一緒に回転するのに伴って両重り体82に遠心力が働
き、この遠心力が両重り体82に作用している中心方向
への付勢力を上回ると、両重り体82が軸体71の径方
向を外方に向かって移動し始め、やがて両重り体82の
突起90がレール89の切欠部88に嵌挿して係合し、
軸体71及び押え板79が受け部材72に完全に追従し
て回転するようになる。
【0096】その後、回転装置の回転が定速になると、
両重り体82に働く慣性力Fαが小さくなり、渦巻きば
ね85の復元力Fkのみが作用することになるため、こ
の復元力Fkは、軸体71と受け部材72との間の回転
ずれを減少するように、軸体71が受け部材72に対し
始動時と逆の方向に相対的に回転して押え板79を始動
時と反対方向、つまり受け部材72との間に各球体37
を挟持する方向に移動させるように作用するが、上記し
たように両重り体82の突起90がレール89の切欠部
88に嵌挿しているために、軸体71の受け部材72に
対する相対的な回転が阻止され、押え板79及び受け部
材72により各球体37が挟持されることはなく、各球
体37は拘束状態から解放されたままとなる。
【0097】従って、回転装置の始動直後は若干不安定
な回転となるものの、各球体37がこの不安定な回転を
助長する位置に移動することがなく、しかも各球体37
同士が衝突して騒音を発生することもないため、回転装
置は各球体37が自由に移動できる状態で回転する場合
に比べ安定して且つ静かに回転し、回転装置の回転数が
上昇して共振回転数を超えるのに伴い、各球体37が受
け部材72及び押え板79による挟持から解放され、ア
ンバランスを補正するように作用する。そして、回転装
置が定速で回転する状態になっても、各球体37は受け
部材72及び押え板79による挟持から解放された状態
に維持され続ける。
【0098】一方、回転装置が定速で回転している状態
から減速を始め、両重り体82に働く遠心力が両重り体
82に作用している中心方向への付勢力を下回るまで受
け部材72及び軸体71の回転数が低下すると、両重り
体82の突起90がレール89の切欠部88から脱離し
てその係合状態が解除され、両重り体82が軸体71の
径方向を内方に向かって移動し始める。
【0099】これと同時に、軸体71及び両重り体82
に働く慣性力Fαと渦巻きばね85の復元力Fkによっ
て、軸体71及び両重り体82が受け部材72に対して
始動時とは逆方向に相対的に回転し、雄ねじ76及び雌
ねじ78が締まってナット77及び押え板79が下動
し、各球体37が受け部材72及び押え板79により挟
持され、回転装置が減速してやがて停止し、次に回転装
置が始動したときには、各球体37はアンバランスを補
正する位置に拘束された状態のままとなる。
【0100】その結果、次に回転装置が同じ記録ディス
クを搭載したままで再始動する際には、各球体37はす
でに回転装置のアンバランスを補正する位置に留まって
いることになり、上記したように各球体37が解放され
てアンバランスを補正する位置への移動が瞬時に行わ
れ、アンバランス補正が迅速に成される。
【0101】ところで、回転装置がバランスしている正
常な場合には、回転装置の回転数が上昇して各球体37
が移動可能な状態になると、各球体37はそれぞれの移
動路36内をほぼ等間隔となるように位置するため、こ
のようにアンバランスがない場合には、球体37自身が
回転のバランスを乱さないように分布してモータは安定
して回転する。
【0102】従って、第2の実施形態によれば、モータ
等の回転装置に着脱自在に装着できるため、その回転装
置の回転時のアンバランスを補正することができ、汎用
性のある安価で静音型のバランス補正装置91を提供す
ることが可能になる。
【0103】ところで、第2の実施形態において、上記
した第1の実施形態における内側レール51に相当する
ものを設けてもよく、このようにすれば各球体37の挟
持、解放の制御をより確実に行うことが可能になる。
【0104】なお、上記した各実施形態では、第1部材
に仕切部材を設けることで第1部材側に複数の移動路を
形成した場合について説明したが、第2部材側に仕切部
材を設けて複数の移動路を形成してもよいのはいうまで
もない。
【0105】また、上記した各実施形態では、複数の移
動路を設けた場合について説明したが、移動路は1個で
あってもよいのは勿論である。
【0106】更に、移動路が複数の場合において、各移
動路の直径や数、更には各移動路に収容する各球体37
の径や個数は、上記した各実施形態に限定されるもので
はなく、モータの形状や補正すべきアンバランス量に応
じて適宜設定すればよい。例えば、内周側の移動路に質
量の小さいものを配置して外周側の移動路に質量の大き
いものを配置したり、移動路の幅を変更して球体の可動
量を変えたりしてもよく、こうすることでアンバランス
の補正精度の向上を図ることが可能になる。
【0107】但し、移動路毎に球体の径を変える場合に
は、第1、第2部材により挟持するために第1部材或い
は第2部材の形状を工夫する必要がある。例えば第1の
実施形態では、押え板43を平板状ではなく段差を有す
る断面形状にすることなどが考えられる。
【0108】また、上記した各実施形態では、バランス
体を球体37とした場合について説明したが、バランス
体は必ずしも球体である必要はなく、他の転動体であっ
てもよい。
【0109】更に、上記した第1の実施形態では、シャ
フト29が回転するタイプのモータにこの発明を適用し
た場合について説明したが、その他にインナーロータタ
イプのモータやシャフトが固定されたタイプのモータに
もこの発明を適用することができるのは勿論である。
【0110】また、上記した大の実施形態において、内
側及び外側レール51、55側に凸部を形成し、重り体
46側にこれらが嵌挿して係合する凹部を形成してもよ
く、同様に第2の実施形態において、レール89側に凸
部を形成し、重り体82側にこれが嵌挿して係合する凹
部を形成してもよいのはいうまでもない。
【0111】更に、この発明は、上記した各実施形態の
ようにモータに対して適用できるのに留まらず、回転軸
を有し回転時にアンバランスを生じ得る全ての回転装置
に対しても適用することが可能である。
【0112】また、この発明は上記した各実施形態に限
定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにお
いて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能で
ある。
【0113】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、モータ等の回転装置に着脱自在に装着でき、そ
の回転装置の回転時のアンバランスを補正することがで
き、汎用性のある安価で汎用性を有し、かつ小型化が可
能なバランス補正装置を提供することが可能になる。
【0114】このとき、渦巻きばねの復元力の設定の仕
方によって、モータ等の回転装置の回転が例えば共振回
転数等の所定回転数になるまでバランス体を拘束状態に
維持しておくことが可能になり、回転装置が所定回転数
を超えたときに、バランス体を速やかに解放してアンバ
ランスを補正する位置への移動を可能にすることができ
る。
【0115】更に、回転装置に装着したときに、回転装
置の回転軸に連動して第1部材が始動して暫くは、簡易
な構造により、アンバランスを補正する位置にバランス
体を拘束した状態のまま保持することができるため、従
来のように回転装置の始動後におけるバランス体の不要
な移動による不安定な回転や騒音等を防止することがで
きると共に、共振回転数等のある回転数を超えた後は瞬
時にアンバランスを補正することが可能になる。このこ
とは、特に複数の移動路を有する場合に効果的である。
【0116】また、請求項2に記載の発明によれば、作
動体の追従手段との係合を凸部、凹部により簡単に実現
することができ、磁石による吸着力や摩擦力により係合
する場合に比べ、より簡単かつ確実に作動体の追従手段
との係合を実現できる。
【0117】また、請求項3に記載の発明によれば、バ
ランス体の不要な移動に関連する不具合が生じないよう
にして良好なバランス補正を行うことが可能で、かつ小
型化が可能なバランス補正装置を備えた回転装置を提供
することができる。
【0118】また、請求項4に記載の発明によれば、作
動体の追従手段との係合を凸部、凹部により簡単に実現
することができ、良好なバランス補正を行うことのでき
るモータ等の回転装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態の切断正面図であ
る。
【図2】第1実施形態の一部の平面図である。
【図3】第1実施形態の他の一部の平面図である。
【図4】第1実施形態の他の一部の斜視図である。
【図5】第1実施形態の異なる一部をある方向から見た
ときの分解斜視図である。
【図6】第1実施形態の異なる一部を異なる方向から見
たときの分解斜視図である。
【図7】第1実施形態のある部分の斜視図である。
【図8】第1実施形態の更に異なる一部の変形例の概略
図である。
【図9】この発明の第2実施形態の切断正面図である。
【図10】第2実施形態の平面図である。
【図11】従来例の切断正面図である。
【符号の説明】
22 保持体(静止部材) 29 シャフト(回転部材) 30 ハブ部材(回転部材) 31 ターンテーブル(第1部材) 36、74 移動路 37 球体(バランス体) 39 円筒体(回転体) 40 ねじ(変換手段) 40a、78 雌ねじ 40b、76 雄ねじ 42、85 渦巻きばね 43、79 押え板(第2部材) 46、82 重り体(作動体) 55 外側レール(追従手段) 56、88 切欠部 57、90 突起 59、91 バランス補正装置 71 軸体(回転体) 72 受け部材(第1部材) 89 レール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転軸に連動して回転する第1部材と、 前記第1部材の回転の軸方向に沿って一方向及びその反
    対の他方向に移動自在に設けられた第2部材と、 前記両部材の間に前記回転軸と同心の環状に形成された
    移動路と、 前記移動路内を周方向に移動自在に前記移動路に収容さ
    れたバランス体と、 前記第1部材と同軸に設けられ前記第1部材に対して相
    対的に双方向に回転する回転体と、 前記回転体の前記第1部材に対する相対的な回転を前記
    軸方向への直線的な移動に変換して前記第2部材に伝達
    する変換手段と、 前記回転体にそれぞれ径方向に移動自在に且つ前記回転
    体の中心方向に付勢して設けられ前記回転体に連動して
    回転する作動体と、 両端が前記第1部材と前記回転体とに係止して設けられ
    前記第1部材に対する前記回転体の相対的な回転により
    前記第1部材及び前記回転体の間に回転ずれが生じたと
    きに前記回転体を付勢する渦巻きばねと、 前記第1部材に設けられ前記作動体が遠心力によりその
    付勢方向と反対方向に移動したときに前記作動体に係合
    して前記回転体を前記第1部材の回転に追従させる追従
    手段とを備え、 前記第2部材の前記一方向への移動により、前記両部材
    間に前記バランス体を挟持して前記バランス体を拘束状
    態に保持し、前記第2部材の前記他方向への移動によ
    り、前記バランス体を拘束状態から解放して前記バラン
    ス体を移動可能な状態にすることを特徴とするバランス
    補正装置。
  2. 【請求項2】 前記追従手段は、前記作動体に形成され
    た凸部または凹部が嵌挿する凹部または凸部を有する部
    材から成ることを特徴とする請求項1に記載のバランス
    補正装置。
  3. 【請求項3】 静止部材及びこの静止部材に対して回転
    自在に設けられた回転部材とにより構成され、 前記回転部材の回転軸に連動して回転する第1部材と、
    前記第1部材の回転の軸方向に沿って一方向及びその反
    対の他方向に移動自在に設けられた第2部材と、前記第
    1、第2部材の間に前記回転軸と同心の環状に形成され
    た移動路と、前記移動路内を周方向に移動自在に前記移
    動路に収容されたバランス体と、前記第1部材と同軸に
    設けられ前記第1部材に対して相対的に双方向に回転す
    る回転体と、前記回転体の前記第1部材に対する相対的
    な回転を前記軸方向への直線的な移動に変換して前記第
    2部材に伝達する変換手段と、前記回転体にそれぞれ径
    方向に移動自在に且つ前記回転体の中心方向に付勢して
    設けられ前記回転体に連動して回転する作動体と、両端
    が前記第1部材と前記回転体とに係止して設けられ前記
    第1部材に対する前記回転体の相対的な回転により前記
    第1部材及び前記回転体の間に回転ずれが生じたときに
    前記回転体を付勢する渦巻きばねと、前記第1部材に設
    けられ前記作動体が遠心力によりその付勢方向と反対方
    向に移動したときに前記作動体に係合して前記回転体を
    前記第1部材の回転に追従させる追従手段とを備え、前
    記第2部材の前記一方向への移動により、前記第1、第
    2部材間に前記バランス体を挟持して前記バランス体を
    拘束状態に保持し、前記第2部材の前記他方向への移動
    により、前記バランス体を拘束状態から解放して前記バ
    ランス体を移動可能な状態にするバランス補正装置を備
    えていることを特徴とする回転装置。
  4. 【請求項4】 前記追従手段は、前記作動体に形成され
    た凸部または凹部が嵌挿する凹部または凸部を有する部
    材から成ることを特徴とする請求項3に記載の回転装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN117713436A (zh) * 2023-12-18 2024-03-15 爱克玛电驱动系统(苏州)有限公司 一种带有导向安装的稳固式筒轴电机

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US7367037B2 (en) 1996-10-09 2008-04-29 Samsung Electronics Co., Ltd. Disk player, and turntable incorporating self-compensating dynamic balancer, clamper incorporating self-compensating dynamic balancer and spindle motor incorporating self-compensating dynamic balancer adopted for disk player
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