JPH11274193A - 樹脂封止成形金型,樹脂封止成形装置,樹脂封止半導体装置の製造方法,および樹脂封止半導体装置 - Google Patents

樹脂封止成形金型,樹脂封止成形装置,樹脂封止半導体装置の製造方法,および樹脂封止半導体装置

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JPH11274193A
JPH11274193A JP7627198A JP7627198A JPH11274193A JP H11274193 A JPH11274193 A JP H11274193A JP 7627198 A JP7627198 A JP 7627198A JP 7627198 A JP7627198 A JP 7627198A JP H11274193 A JPH11274193 A JP H11274193A
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JP
Japan
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resin
gate
mold
semiconductor device
semiconductor chip
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JP7627198A
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English (en)
Inventor
Hirokazu Uchida
浩和 内田
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Encapsulation Of And Coatings For Semiconductor Or Solid State Devices (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂封止成形の際に内部ボイドや未充填ボイ
ドや内部ボイドの発生を防ぎ、信頼性の高い樹脂封止半
導体装置を提供する。 【解決手段】 樹脂封止成形のための成形金型の上型1
1のキャビティ31および下型12のキャビティ41の
それぞれに、樹脂の注入口である上部ゲート37,下部
ゲート47を設ける。各キャビティ31,41内に樹脂
を注入するための機構を各ゲート37,47毎に独立さ
せる。樹脂封止成形の際には、樹脂の注入圧力や速度、
注入のタイミング等を各ゲート37,47毎に調整する
ことにより、キャビティ31,41内全体に均一に樹脂
を注入することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数の端子を有す
るICなどの半導体チップを収納する樹脂封止半導体装
置,この樹脂封止半導体装置をモールド成形により製造
するための樹脂封止成形金型および樹脂封止成形装置,
および樹脂封止半導体装置の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】樹脂封止半導体装置は、複数の端子を有
する半導体チップとこの半導体チップの各端子に接続さ
れた複数のリードとを備え、半導体チップおよびこのリ
ードの一端部を樹脂により封止して構成されている。
【0003】樹脂封止半導体装置の樹脂封止方法は、従
来よりトランスファモールド法が最も一般的に用いられ
ている。図7は従来のトランスファモールド法に用いら
れるモールド装置の概略縦断面図である。以下、図7を
用いて、従来のトランスファモールド法およびモールド
装置の説明を行う。
【0004】モールド装置は、樹脂成形を行うための上
型81および下型82からなる成形金型を有している。
これら上型81および下型82は、矩形の平面形状を有
する金属製の板状物であり、成形されるべき樹脂が注入
されるべき箱形のキャビティ83,86を有している。
図8(a)は、上型81をキャビティ83側から見た平
面図、図8(b)は、図8(a)のA−A線に沿った縦断
面図、図8(c)は、下型82をキャビティ86側から
見た平面図、図8(d)は、図8(c)のB−B線に沿っ
た断面図である。上型81には、成形されるべき樹脂封
止半導体装置の封止樹脂層の片側半分の形状を反転させ
た複数の箱形のキャビティ83が、この上型81の長辺
に沿って2列に形成されている。また、この上型81に
は、円柱状の凹部である複数の上型ポット84が、上型
81の長辺方向に平行な中心軸に沿って並ぶよう、形成
されている。各上型ポット84の開口縁の、各キャビテ
ィ83に対向する4箇所からは、4本の溝部85が各キ
ャビティ83に向かって形成されている。
【0005】下型82において、上型81に形成された
各キャビティ83に重なる位置には、形成されるべき樹
脂封止半導体装置の封止樹脂層の残りの半分の形状を反
転させた複数のキャビティ86が形成されている。ま
た、下型82の、上型81に形成された各上型ポット8
4に対向する位置には、上型ポット84と同径の円柱状
の下型ポット87が、この下型82を貫通するように形
成されている。さらに、下型82において、上型81に
形成された各溝部85の端部に重なる位置から、各キャ
ビティ86に向かって、溝状のランナー88が形成され
ている。これら各ランナー88は、各キャビティ86の
近傍でその幅および深さが小さくなり、各キャビティ8
6の開口縁をわずかに切り欠いて形成されたゲート89
に接続されている。
【0006】以下、図7および図8を用いて、上述した
従来のモールド装置を用いた樹脂封止半導体装置の樹脂
封止成形方法を説明する。予め、リードフレーム92の
ダイパッド上に半導体チップ91を接着剤により固定
し、半導体チップ91の各端子とリードフレーム92に
形成された各インナリードの先端とを金属細線によって
接続する(図示せず)。そして、リードフレーム92に
固定された半導体チップ91を、下型82のキャビティ
86内にセットする。そして、下型82を上型81側に
上昇させて型締めし、半導体チップ91を成形金型内に
固定する。
【0007】次に、図示せぬプリヒーターによって予め
軟化された熱硬化性樹脂からなる樹脂タブレット93を
下型82の下型ポット87内に投入し、プランジャ94
によってこの樹脂タブレット93を上型81側に押し上
げる。すると、この樹脂は、上型ポット84から溝部8
5,ランナー88およびゲート89を介して、キャビテ
ィ83,86内に充填される。この状態で数分間放置す
ると、樹脂は重合し、硬化する。その後、通常の樹脂封
止半導体装置の製造工程に従って、樹脂封止半導体装置
が完成される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来のモールド装置を用いた樹脂封止半導体装置の製
造方法では、キャビティ83,86内において、ゲート
89近傍の位置とゲート89から離れた位置とでは、樹
脂が充填される圧力や速度,タイミングなどが異なるた
め、未充填によるボイド(空孔)が発生しやすい。
【0009】また、キャビティ83,86内に充填され
る樹脂が溶融している間に、この溶融樹脂内にエア(気
泡)が巻き込まれやすい。そこで、通常、樹脂がキャビ
ティ83,86内に全て充填された後も、プランジャ9
4を上げ続けてキャビティ83,86内に圧力をかける
ことにより、溶融樹脂内に巻き込まれたエアを除去して
いる。しかし、従来のモールド装置の構成では、ゲート
89から離れた位置まで樹脂が完全に充填される前に、
樹脂注入の初期段階で充填されたゲート89近傍の樹脂
の硬化が始まってしまう。このため、樹脂の充填後にキ
ャビティ83,86内に圧力を加えても、樹脂内のエア
を完全に除去することができず、これが内部ボイドの原
因となっていた。このように、封止樹脂層内に発生する
未充填ボイドや内部ボイドは、樹脂封止半導体装置の外
観を損ねるばかりでなく、封止樹脂層にクラック等が生
じる原因でもあり、半導体装置の性能の信頼性の低下を
引き起こしていた。
【0010】さらに、上述したようなキャビティ83,
86内部における樹脂の注入圧力や速度の偏りのため
に、半導体チップ91とリードフレーム92とを接続す
る金属細線の流れや変形によるショートなどが起こった
り、樹脂内に含まれるフィラーによって半導体チップ9
1の回路形成面にキズが生じたりする問題があった。
【0011】そこで、樹脂封止半導体装置の樹脂封止の
際に、内部ボイドや未充填ボイドの発生を防ぐことがで
き、樹脂封止半導体装置の動作の信頼性を損ねることの
ない樹脂封止半導体装置の製造方法を提供することを、
本発明の第1の課題とする。また、このような製造方法
を容易に行うことができる樹脂封止成形金型および樹脂
封止成形装置を提供することを、本発明の第2の課題と
する。さらに、製造工程において、成形金型内への樹脂
注入の際に生じる金属細線のショートによる不良が生じ
たり、樹脂に含まれるフィラーによって半導体チップ表
面にキズ等生じることのない、信頼性の高い樹脂封止半
導体装置を提供することを、本発明の第3の課題とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の樹脂封止成形金型は、樹脂封止半導体装置
をモールド成形するための樹脂封止成形金型であって、
成形されるべき樹脂封止半導体装置の一部の形状を反転
させた凹部状の第1のキャビティが形成された第1の型
と、前記第1のキャビティに対向する位置に前記樹脂封
止半導体装置の残りの部分の形状を反転させた凹部状の
第2のキャビティが形成された第2の型と、前記第1の
キャビティに開口された第1のゲートと、外部から樹脂
を供給するために前記第1のゲートに連通された第1の
樹脂供給口と、前記第2のキャビティに開口された第2
のゲートと、外部から樹脂を供給するために前記第2の
ゲートに連通された第2の樹脂供給口とを備えることを
特徴とする。
【0013】すなわち、本発明の樹脂封止成形金型は第
1の型および第2の型に形成された各キャビティそれぞ
れに、ゲートおよび樹脂供給口が設けられている。この
ような構成を採用することにより、各キャビティ内に注
入される樹脂の流れの偏りを減少させ、樹脂の流れをス
ムーズにすることができるため、ボイドの発生や金属細
線のショート等の不良の発生を防ぐことができる。
【0014】このような構成の樹脂封止成形金型を用い
る際には、前記第1のゲートを前記第1のキャビティの
開口縁の一部を切り欠いて形成されたものとし、前記第
2のゲートを前記第1のゲートに重ならない位置におい
て前記第2のキャビティの開口部の一部を切り欠いて形
成されたものとしてもよい。
【0015】また、本発明の樹脂封止成形装置は、樹脂
封止半導体装置をモールド成形するための樹脂封止成形
装置であって、成形されるべき樹脂封止半導体装置の一
部の形状を反転させた凹部状の第1のキャビティが形成
された第1の型と、前記第1のキャビティに対向する位
置に前記樹脂封止半導体装置の残りの部分の形状を反転
させた凹部状の第2のキャビティが形成された第2の型
と、前記第1のキャビティに開口された第1のゲート
と、外部から樹脂を供給するために前記第1のゲートに
連通された第1の樹脂供給口と、この第1の供給口に供
給された樹脂を前記第1のゲートを介して前記第1およ
び第2のキャビティ内に注入するための第1の樹脂注入
機構と、前記第2のキャビティに開口された第2のゲー
トと、外部から樹脂を供給するために前記第2のゲート
に連通された第2の樹脂供給口と、この第2の供給口に
供給された樹脂を前記第2のゲートを介して前記第1お
よび第2のキャビティ内に注入するための第2の樹脂注
入機構とを備えることを特徴とする。
【0016】すなわち、本発明の樹脂封止成形装置は、
第1の樹脂注入口に供給された樹脂を第1のゲートを介
して各キャビティ内に送るための第1の樹脂注入機構
と、第2の樹脂注入口に供給された樹脂を第2のゲート
を介して各キャビティ内に送るための第2の樹脂注入機
構とが、それぞれ独立されている。従って、各ゲートか
らキャビティ内に樹脂を注入する際の注入圧力や注入の
タイミングをそれぞれ別個にコントロールすることがで
きるため、ボイドや金属細線のショートなどの不良を防
ぐことができる。
【0017】また、本発明の樹脂封止半導体装置の製造
方法の第1の態様は、リードが装着された半導体チップ
をモールド成形により樹脂封止する樹脂封止半導体装置
の製造方法であって、(I)成形されるべき半導体装置
の形状を型どる金型内に、予めリードが装着された半導
体チップを設置するチップ固定工程と、(II)前記金型
において前記半導体チップの回路形成面側に形成された
第1のゲートからこの金型内にフィラーを含む熱硬化性
樹脂材料を注入する第1の樹脂注入工程と、(III)前
記金型において前記半導体チップの回路形成面の裏面側
に形成された開口部である第2のゲートからこの金型内
にフィラーを含む熱硬化性樹脂材料を注入する第2の樹
脂注入工程と、(IV)前記第1および第2の樹脂注入工
程で前記金型内に注入された熱硬化性樹脂材料を加熱す
ることにより硬化する樹脂硬化工程とを有することを特
徴とする。
【0018】このように、まず、金型内において半導体
チップの回路形成面側に熱硬化性樹脂材料を注入した後
に、その裏面側に熱硬化性樹脂を注入することにより、
金型内の樹脂の流れをスムーズにし、樹脂の注入圧力等
を均一に調整することができる。従って、樹脂封止の際
に半導体チップが傷つけられたり、金属細線のショート
が生じることを防ぐことができる。
【0019】また、本発明の樹脂封止半導体装置の製造
方法の第2の態様は、リードが装着された半導体チップ
をモールド成形により樹脂封止する樹脂封止半導体装置
の製造方法であって、(i)成形されるべき半導体装置
の形状を型どる金型内に、予めリードが装着された半導
体チップを設置するチップ固定工程と、(ii)前記金型
において前記半導体チップの回路形成面側に形成された
第1のゲートからこの金型内にフィラーを含む第1の熱
硬化性樹脂材料を注入する第1の樹脂注入工程と、(ii
i)前記金型において前記半導体チップの回路形成面の
裏面側に形成された第2のゲートからこの金型内にフィ
ラーを含む第2の熱硬化性樹脂材料を注入する第2の樹
脂注入工程と、(iv)前記第1および第2の樹脂注入工
程で前記金型内に注入された熱硬化性樹脂を加熱するこ
とにより硬化する樹脂硬化工程とを有することを特徴と
する。
【0020】このように、本発明の第2態様の樹脂封止
半導体装置の製造方法を用いれば、例えば、第1のゲー
トからのみ回路形成面にキズを付けにくい熱硬化性樹脂
材料をキャビティ内に注入することができるため、樹脂
注入の際に半導体チップの回路形成面を傷つけるのを防
ぐことができる。
【0021】上記第2態様の樹脂封止半導体装置の製造
方法を用いる際には、前記第1の熱硬化性樹脂材料に含
まれるフィラーは球形をなしており、その径は前記第2
の熱硬化性樹脂材料に含まれるフィラーの径より小さい
ことが望ましい。
【0022】また、本発明の樹脂封止半導体装置は、回
路形成面上に複数の電極が形成された半導体チップと、
この半導体チップに固定され、前記各電極に対して電気
的に接続された複数のリードと、前記半導体チップおよ
びこの半導体チップに固定された前記各リードの一端部
を封止する封止樹脂層と、前記封止樹脂層をモールド成
形する際にこの封止樹脂層の前記半導体チップの回路形
成面側の表面に形成された第1のゲート跡と、前記封止
樹脂層をモールド成形する際にこの封止樹脂層の前記半
導体チップの回路形成面の裏面側の表面に形成された第
2のゲート跡とを備えることを特徴とする。
【0023】また、本発明の樹脂封止半導体装置は、回
路形成面上に複数の電極が形成された半導体チップと、
この半導体チップに固定され、前記各電極に対して電気
的に接続された複数のリードと、フィラーを含む第1の
樹脂材料からなる封止樹脂層であって前記半導体チップ
の回路形成面およびこの半導体チップに固定された前記
各リードの一端部の一部を封止する第1の封止樹脂層
と、フィラーを含む第2の樹脂材料からなる封止樹脂層
であって前記半導体チップの回路形成面の裏面および前
記各リードの一端部の他の一部を封止する第2の封止樹
脂層とを備えることを特徴とする。
【0024】なお、このような樹脂封止半導体装置を採
用する際には、前記第1の封止樹脂層に含まれるフィラ
ーは球形をなしており、その径は前記第2の封止樹脂層
に含まれるフィラーの径よりも小さいことが望ましい。
【0025】また、このような樹脂封止半導体装置は、
前記第1の封止樹脂層をモールド成形する際にこの第1
の封止樹脂層の表面に形成された第1のゲート跡と、前
記第2の封止樹脂層をモールド成形する際にこの第2の
封止樹脂層の表面に形成された第2のゲート跡とをさら
に備えることを特徴とするものであってもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。 <第1実施形態> (樹脂封止成形装置および樹脂封止成形金型)図1
(a)は、本発明の第1実施形態による樹脂封止成形装
置であるモールド装置の縦断面図であり、図1(b)
は、図1(a)のI−I線に沿った縦断面図である。ま
た、図2は、図1(a)の断面図において、成形金型近
傍を拡大した図である。本実施形態のモールド装置は、
成形金型10の上型11を備えた固定盤13と、下型1
2を備えた可動盤14と、プランジャ51,55を上下
動させることにより樹脂封止成形金型10内に樹脂を注
入するための樹脂注入機構15a,15bとを備える。
【0027】固定盤13の下面(可動盤14に対向する
面)には、樹脂封止成形金型である成形金型10の上型
11(第1の型)が、上型ホルダベース17にはめ込ま
れて設置されている。この上型11には形成されるべき
樹脂封止半導体装置の封止樹脂層の片側半分を凹部状に
型どるの複数のキャビティ31(第1のキャビティ)
が、その開口部を下方に向けて形成されている。そし
て、固定盤13の周縁の四隅近傍には、4本の円柱状の
ガイド18が鉛直方向に挿通されて固定されている。
【0028】可動盤14の固定盤13に対向する面に
は、成形金型10の下型12(第2の型)が、下型ホル
ダベース19にはめ込まれて設置されている。この下型
12には、形成されるべき樹脂封止半導体装置の封止樹
脂層の形状の残りの片側半分を凹部状に型どる複数のキ
ャビティ41(第2のキャビティ)がその開口部を上方
に向けて、形成されている。そして、この可動盤14の
周縁の四隅近傍には、固定盤13に固定された4本のガ
イド18が挿通されており、図示せぬモーターにより、
これらのガイド18に沿って鉛直方向に上下に可動とな
っている。この可動盤14は、下型12を上型11に対
して圧接させる位置まで上昇可能である。
【0029】図3(a)は、成形金型10の上型11を
キャビティ31側から見た平面図であり、図3(b)
は、下型12をキャビティ41側から見た平面図であ
る。また、図4は、上型11と下型12とを重ね合わせ
たときの、図3のII−II線に沿った縦断面図(a),お
よびIII−III線に沿った縦断面図(b)である。以下、
図2ないし図4を用いて、本実施形態のモールド装置に
用いられている成形金型10の構造を詳しく説明する。
【0030】上述したように、成形金型10は、上型1
1および下型12より構成されている。これら上型11
および下型12は、略矩形の平面形状を有する金属製の
板状物である。そして、図4に示すように、成形金型1
0は、樹脂注入時にはキャビティ31の開口縁とキャビ
ティ41の開口縁とをそれぞれ当接させるように、これ
ら上型11および下型12を重ね合わせて使用される。
上型11において、平面形状の短手方向の中心部には、
上型11側からこのキャビティ31,41に樹脂を注入
するための複数の上部ゲート用ポット33aが、長手方
向に並べて形成されている。これら上部ゲート用ポット
33aは、円柱状の凹部であり、その深さはキャビティ
31の深さよりもやや小さい。この上型11には、上部
ゲート用ポット33aと同形状の複数の下部ゲート用ポ
ット34aが、各上部ゲート用ポット33aの間に位置
するように、それぞれ形成されている。すなわち、図3
(a)に示すように、上型11には、同数の上部ゲート
用ポット33aと下部ゲート用ポット34aとが、その
長手方向に交互に並べて形成されている。
【0031】この成形金型10によって形成されるべき
半導体装置の封止樹脂の片側半分の形状を反転させた複
数の箱形のキャビティ31は、上型11において、一対
のポット33aおよび34a毎に、それらの両側にひと
つずつ位置するよう形成されている。これら複数のキャ
ビティ31も、各ポット33a,34aと同様に上型1
1の長軸方向に沿って並べて形成されている。なお、本
実施形態においては、1個のポットからその両側に位置
する2個のキャビティに樹脂が注入されるので、上部ゲ
ート用ポット33a(あるいは下部ゲート用ポット34
a)の数の2倍のキャビティ31が形成されている。
【0032】各上部ゲート用ポット33aの開口縁にお
けるその両側に位置するキャビティ31,31にそれぞ
れ対向する2箇所からは、溝状の上部ゲート用ランナー
35が、キャビティ31に向かって形成されている。こ
れら各上部ゲート用ランナー35の深さは上部ゲート用
ポット33aとほぼ同じであり、その幅は上部ゲート用
ポット33aの径の1/3程度であるが、端部側では、
テーパ状に溝の幅が小さく、深さも浅くなっている。上
部ゲート用ランナー35は、この端部において、上型キ
ャビティ31の開口縁をわずかに切り欠いて形成された
上部ゲート37(第1のゲート)に接続されている。こ
の上部ゲート37は、キャビティ31の開口縁における
上部ゲート用ポット33aに最も近接した隅に形成され
ている。
【0033】上型11内部における各キャビティ31の
底の内側に位置する部分には、これら各キャビティ31
内に注入された樹脂を加熱硬化させるためのヒータ32
が埋設されている。
【0034】また、各下部ゲート用ポット34aの開口
縁におけるその両側に位置するキャビティ31,31に
それぞれ対向する2箇所からは、後述する下型12に形
成された下部ゲート用ランナー45と連通する溝部36
が、各上部ゲート用ランナー35に対して平行に形成さ
れている。また溝部36の長さは、上部ゲート用ランナ
ー35の長さ(上部ゲート用ポット33aの開口部33
cから上部ゲート37までの距離)の約1/4〜1/3
程度であり、深さおよび幅は上部ゲート用ランナー35
の深さとほぼ等しい。
【0035】上型11と一体に用いられる下型12に
は、まず、上型11の上部ゲート用ポット33aおよび
下部ゲート用ポット34aに重なる位置に、複数の上部
ゲート用ポット33bおよび下部ゲート用ポット34b
が、交互に並べて形成されている。これら各上部ゲート
用ポット33bおよび下部ゲート用ポット34bは、下
型12を貫通する円柱形の孔であり、それらの内径は、
上型に形成された上部ゲート用ポット33aおよび下部
ゲート用ポット34aの内径に等しい。
【0036】また、この下型12において、キャビティ
31に重なる位置には、この各キャビティ31と対をな
す複数の箱形のキャビティ41が形成されている。さら
に、下型12において、上型11に形成された溝部36
の端部と重なる位置からキャビティ41の開口縁に向か
って、複数の溝状の下部ゲート用ランナー45が形成さ
れている。これら下部ゲート用ランナー45の幅および
深さは、上部ゲート用ランナー35の幅および深さにほ
ぼ等しい。そして、上部ゲート用ランナー35と同様
に、下型キャビティ45近傍では、下部ゲート用ランナ
ー45の幅および深さもテーパ状に徐々に小さくなって
いる。そして、下型キャビティ41の開口縁をわずかに
切り欠いて形成された下部ゲート47(第2のゲート)
に、この下部ゲート用ランナー45が接続されている。
下部ゲート47は、キャビティ41の開口縁における下
部ゲート用ポット34bに最も近接した隅に形成されて
いる。
【0037】この下型12についても上型11と同様
に、キャビティ41底面の直下にも樹脂を加熱するため
のヒータ42が、埋設されている。このような構造の上
型11および下型12を重ね合わせることにより、図4
(a)に示すように、上部ゲート用ポット33a,33
b,および上部ゲート用ランナー35が連通されてキャ
ビティ31,41に接続される。また、図4(b)に示
すように、下部ゲート用ポット34a,34b,溝部3
6,および下部ゲート用ランナー45が連通されてキャ
ビティ31,41に接続される。なお、本実施形態にお
いては、上部ゲート用ポット33a,34b,および上
部ゲート用ランナー35とを併せて、第1の樹脂供給口
とし、下部ゲート用ポット34a,34b,溝部36,
および下部ゲート用ランナー45とを併せて、第2の樹
脂供給口としている。
【0038】図1および図2に戻り、樹脂注入機構15
a,15bについて説明する。この樹脂注入機構は、上
部ゲート37から成形金型10のキャビティ31,41
に樹脂を注入するための上部ゲート用樹脂注入機構15
aと、下部ゲート47からキャビティ31,41に樹脂
を注入するための下部ゲート用樹脂注入機構15bとか
らなる。
【0039】まず、上部ゲート用樹脂注入機構15a
(第1の樹脂注入機構)の説明を行う。下型12に形成
された複数の上部ゲート用ポット33bの下側の開口部
には、それぞれ、上部ゲート注入用プランジャ51が挿
入されている。各上部ゲート注入用プランジャ51は、
上部ゲート注入用マルチシリンダ52にはめ込まれてお
り、このマルチシリンダ52は、上部ゲート用等圧ユニ
ット53に接続されている。この等圧ユニット53に
は、上部ゲート用メイントランスファシリンダ54が、
各上部ゲート注入用プランジャ51に対してオフセット
された状態で接続されている。
【0040】以下、上部ゲート用ポット33aに注入さ
れた溶融樹脂が上部ゲート37からキャビティ31,4
1内に充填されるための、上部ゲート用樹脂注入機構1
5aの動作を説明する。まず、上部ゲート用メイントラ
ンスファシリンダ54が作動されることにより、上部ゲ
ート用等圧ユニット53に圧力が伝えられる。そして、
この上部ゲート用等圧ユニット53に加えられた圧力
は、上部ゲート注入用マルチシリンダ52の各シリンダ
に等分されて伝えられる。これら各シリンダに加えられ
た圧力により、上部ゲート注入用マルチシリンダ52に
はめ込まれた各上部ゲート注入用プランジャ51が、上
部ゲート用ポット33b内で上型11側に向けて押し上
げられる。このようにして上部ゲート注入用プランジャ
51を上下動させることにより、樹脂タブレット66
(溶融樹脂)が上部ゲート37からキャビティ31,4
1内に注入される。
【0041】下部ゲート用樹脂注入機構15b(第2の
樹脂注入機構)に関しても同様に、下部ゲート用ポット
34bの下側の開口部にそれぞれ挿入された複数の下部
ゲート注入用プランジャ55は、下部ゲート注入用マル
チシリンダ56、下部ゲート用等圧ユニット57を介し
て下部ゲート用メイントランスファシリンダ58に接続
されている。そして、上部ゲート37からキャビティ3
1,41内に樹脂が注入される場合と同様に、下部ゲー
ト47からキャビティ31,41内に樹脂が注入され
る。
【0042】すなわち、上部ゲート37および下部ゲー
ト47からキャビティ31,41内に樹脂を注入するた
めの樹脂注入機構は互いに独立しているため、各ゲート
37,47から樹脂を注入する際の注入圧力や注入のタ
イミングなどをそれぞれ独立に調節することができる。
【0043】(樹脂封止半導体装置の製造方法)以下、
本実施形態のモールド装置を用いた半導体装置の樹脂封
止成形方法を説明する。本実施形態では、インナリード
が半導体チップの回路成形面上に延出されたLOC(Le
ad on Chip)型の樹脂封止半導体装置のモールド成形を
行う。予め、ヒータ32,42により金型10の上型1
1および下型12を所定温度に加熱しておく。次に、半
導体チップ61上にリードフレーム62を固定し、半導
体チップ61上の図示せぬ各電極とリードフレーム62
に形成された各インナリード部の先端とを図示せぬ金属
細線により接続する。そして、図2に示すように、リー
ドフレーム62の外周部分(アウタリード部)をキャビ
ティ41の開口縁に掛けるようにして、この半導体チッ
プ61をキャビティ41内に納める。そして、予めプリ
ヒータで加熱軟化された樹脂タブレット66を、下型1
2に形成された各上部ゲート用ポット33bおよび各下
部ゲート用ポット34bに供給する。
【0044】次に、可動盤14ごと下型12を上型11
側に上昇させ、上型11と下型12とでリードフレーム
62を挟み込むようにして型締めし、半導体チップ61
をキャビティ31,41内に固定する。
【0045】次に、上部ゲート用樹脂注入機構15aを
作動させて、上部ゲート注入用プランジャ51を上部ゲ
ート用ポット33b内で上型11側に押し上げる。する
と、溶融樹脂(樹脂タブレット66)は、上型11に形
成された上部ゲート用ポット33aから上部ゲート用ラ
ンナー35内に流れ込み、上部ゲート37を介してキャ
ビティ31,41内に充填される(図4(a)参照)。
【0046】上部ゲート37から注入された溶融樹脂が
ある程度キャビティ31,41内に充填されたら、今度
は、下部ゲート用樹脂注入機構15bを作動させて、下
部ゲート注入用プランジャ55を下部ゲート用ポット3
4b内で上型11側に押し上げる。すると、溶融樹脂は
上型11に形成された下部ゲート用ポット34aから溝
部36に流れ込み、下型12に形成された下部ゲート用
ランナー45および下部ゲート47を介して、キャビテ
ィ31,41内に充填される(図4(b)参照)。
【0047】溶融樹脂がキャビティ31,41内全体に
充分に行き渡った状態で数分間保持すると、樹脂は加熱
重合することにより硬化する。樹脂が硬化したら、可動
盤14ごと下型12を降下させ、成形された樹脂封止半
導体装置を取り出す。なお、この段階では、樹脂の重合
反応が充分に進んでいないため、樹脂特性も安定してい
ない。
【0048】図5(a)は、上記成形方法を用いて製造
され、成形金型10から取り出された樹脂封止半導体装
置の平面断面図であり、図5(b)は、図5(a)のIV
−IV線に沿った縦断面図、図5(c)は、図5(a)の
Aの方向からこの樹脂封止半導体装置を透視した図であ
る。図5に示すように、半導体チップ61の回路成形面
上には、リードフレームのインナリード部62aが延出
されて固定されており、それらの先端部とチップの図示
せぬ各電極とは、金属細線64によって接続されてい
る。なお、図面の簡略化のため、図5(a),(b)に
おいては、金属細線64の図示を省略している。
【0049】そして、リードフレーム62が固定された
半導体チップ61は、リードフレーム62のインナリー
ド部62aとともに封止樹脂層63により覆われてい
る。リードフレーム62は、ダム・バー62bを境に、
アウタリード部62cおよびフレーム外枠62dがこの
封止樹脂層63から露出した構成となっている。
【0050】この段階では、樹脂封止層63は金型10
から取り出された状態であるので、上部および下部ゲー
ト37,47、これら各ゲート37,47に接続された
ランナー35,45内で硬化した樹脂も、封止樹脂層の
端部に付着した状態となっている。すなわち、上部ゲー
ト37近傍で硬化した樹脂63aは、図5(a)におい
て上部ゲート37の位置に相当する、リードフレーム6
2の図面上左上端部表面(半導体チップに対向しない
面)近傍に付着している。また、下部ゲート47近傍で
硬化した樹脂63bは、下部ゲート47の位置に相当す
る、リードフレーム62の図面上左下側端部裏面近傍に
付着している。
【0051】これら封止樹脂層63に付着した樹脂63
a,63bや、各ポット33,34内に残存したカルな
どの不要な樹脂部を封止樹脂層63から切除したのち
に、樹脂封止半導体装置をさらに数時間加熱して、樹脂
の重合を完成させる。
【0052】そして、通常の樹脂封止半導体装置製造工
程に従って、リードフレーム62等に付着した樹脂バリ
の除去、リードフレーム62にメッキを施す外装処理、
リードフレーム62のダム・バー62bやフレーム外枠
62dなどの不要部分の切り離し、各アウタリード62
cを所定形状に曲げる成形等を行うことにより、樹脂封
止半導体装置が完成される。なお、本実施形態によって
製造された樹脂封止半導体装置には、封止樹脂層63に
おいて金型10の上部ゲート37および下部ゲート47
に該当する部分には、樹脂封止成形の際に形成された2
箇所のゲート跡が残されている。
【0053】前述したように、LOC型の半導体装置
は、インナリード部62aが半導体チップ61の回路形
成面上に延出されて固定されているため、半導体チップ
61の回路形成面側の構造が複雑である。このため、従
来の樹脂封止半導体装置の製造方法では、回路形成面側
であるキャビティ31側の表面は樹脂が充填されにくい
ため、未充填ボイドや内部ボイドが発生しやすい。ま
た、このようなボイドの発生を防ごうとすると、ゲート
からの樹脂の注入圧力が大きくなり、金属細線の流れや
変形によりショートが発生したり、樹脂の注入圧力のた
めに樹脂に含まれるフィラーにより半導体チップ表面が
傷つけられたりする。
【0054】そこで、本実施形態のモールド装置は、キ
ャビティ31,41内への樹脂の注入口であるゲート3
7,47を上型11および下型12の各キャビティ3
1,41の開口縁にそれぞれ設け、これら各ゲート3
7,47毎にポット33,34および樹脂注入機構15
a,15bを独立させている。そして、まず、上型11
のキャビティ31に形成された上部ゲート37からキャ
ビティ31,41内に樹脂を注入し、キャビティ31,
41(特にキャビティ31側)に樹脂がある程度充填さ
れた後に、下型12のキャビティ41に形成された下部
ゲート47から樹脂を注入する。
【0055】すると、キャビティ31,41内におい
て、半導体チップ61の回路形成面側である上型11側
とその裏面側である下型12側とで、樹脂の注入速度や
圧力、樹脂注入のタイミングなどを個々にコントロール
することができるため、キャビティ31,41内の樹脂
の流れをスムーズにし、キャビティ31,41内に樹脂
を均一に注入できる。よって、上記したようなボイドの
発生や、リードの流れ、変形によるショートの発生を防
ぐことができ、信頼性の高い樹脂封止半導体装置を提供
することができる。
【0056】<第2実施形態>本実施形態は、第1実施
形態に示したような、上型および下型の各キャビティの
それぞれに形成された2個のゲートから、このキャビテ
ィ内に特性の異なる2種類の樹脂を同時に注入すること
により半導体チップの樹脂封止を行うことを特徴とす
る。なお、本実施形態に用いられるモールド装置は第1
実施形態のものと同様なので、説明を省略する。
【0057】以下、第2実施形態による樹脂封止半導体
装置の製造方法を説明する。まず、第1実施形態と同様
に、金型10の上型11および下型12を所定温度に加
熱し、予めリードフレーム62が固定され、金属細線の
接続が行われた半導体チップ61を、下型12のキャビ
ティ41内に納める。
【0058】次に、予めプリヒータで加熱軟化された樹
脂タブレット66を、下型12に形成された上部ゲート
用ポット33bおよび下部ゲート用ポット34bに供給
する。このとき、下部ゲート用ポット34bには通常の
樹脂封止半導体装置に用いられる樹脂(以下、これを
「樹脂B(第2の熱硬化性樹脂材料)」とする)を供給
し、上部ゲート用ポット33bには、樹脂Bに含まれる
フィラーよりも径が小さく、その形状が球形のフィラー
を含む樹脂(以下、これを「樹脂A(第1の樹脂硬化性
材料)」とする)を供給する。次に可動盤14ごと下型
12を上型11側に上昇させて型締めを行う。そして、
上部および下部ゲート樹脂注入機構15a,15bを作
動させて、上部ゲート注入用プランジャ51および下部
ゲート注入用プランジャ55を各ポット33b,34b
内で同時に上型11側に押し上げる。すると、上部ゲー
ト用ポット33bに供給された溶融樹脂Aは、上部ゲー
ト用ポット33aから上部ゲート用ランナー35内に流
れ込み、上部ゲート37を介してキャビティ31,41
内に充填される。一方、下部ゲート用ポット34bに供
給された溶融樹脂Bは、下部ゲート用ポット34aから
溝部36に流れ込み、下型12に形成された下部ゲート
用ランナー45および下部ゲート47を介してキャビテ
ィ31,41内に充填される。
【0059】溶融樹脂A,Bがキャビティ31,41内
に充分に行き渡った状態で数分間保持し、これら樹脂
A,Bを加熱重合させ、硬化させる。樹脂A、Bが硬化
したら可動盤14ごと下型12を硬化させ、成形された
樹脂封止半導体装置を取り出す。そして、第1実施形態
と同様に、通常の樹脂封止半導体装置の製造工程に従っ
て、樹脂封止半導体装置を完成させる。
【0060】図6は、本実施形態により製造された樹脂
封止半導体装置の縦断面図である。半導体チップ71に
はリード72の一端が延出されてこの半導体チップ71
に固定されており、金属細線74により半導体チップ7
1の電極73とリード72の先端部が接続されている。
そして、これら半導体チップ71のリード72が固定さ
れている面側は、樹脂A75により封止されている。ま
た、その反対面側は、樹脂B76により封止されている
(図面上では樹脂A75と樹脂B76は、半導体チップ
71を境界として完全に分かれた状態で示されている
が、実際には、多少は混ざりあった状態となってい
る)。また、本実施形態によって製造された樹脂封止半
導体装置は、樹脂Aおよび樹脂Bからなる封止樹脂層に
おいて金型10の上部ゲート35および下部ゲート45
に該当する部分に、樹脂封止成形の際に形成されたゲー
ト跡が残される(図示せず)。
【0061】このように、本実施形態では、上部ゲート
37からは球形でかつ小径なフィラーを含む樹脂A75
が金型10のキャビティ31(および41)内に注入さ
れるため、半導体チップ71の回路形成面(リード72
が固定された面)上はこの樹脂A75により封止され
る。従って、回路形成面が封止樹脂に含まれるフィラー
により受けるダメージを、従来技術に比べて極めて小さ
く抑えることができる。一方、下部ゲート47からは樹
脂封止半導体装置の封止樹脂剤として通常用いられてい
る樹脂Bが注入されるため、半導体チップ71の反対面
(リードが固定されていない面)側はこの樹脂Bにより
封止される。このように、キャビティの上下に形成され
た2つのゲートから、それぞれ特性が異なる樹脂を注入
することにより、必要な部分にのみ品質の高い樹脂を注
入することができるので、半導体チップ71の回路形成
面を保護しつつ、樹脂のコストを低減することができ
る。
【0062】また、第1実施形態と同様に、各ゲートか
ら37,47注入される樹脂の注入速度等を、それぞれ
独立してコントロールすることができるので、内部ボイ
ドや未充填ボイド、金属細線のショートなどの問題を防
ぐことができる。
【0063】<変形例>上記各実施形態については、各
種の変形が可能である。例えば、第1実施形態におい
て、金型10内に樹脂を注入する際、初めに上部ゲート
37からキャビティ31,41内に樹脂を注入した後
に、下部ゲート47からキャビティ31,41内に樹脂
を注入しているが、これに限らず、先に下部ゲート47
から樹脂を注入してもよいし、上下各ゲート37,47
とも樹脂の注入は同時に行い、注入速度のみをコントロ
ールしてもよい。また、第2実施形態では、上下各ゲー
ト37,47からの樹脂の注入を同時に行っているが、
これに関しても同様に、各ゲート37,47からの樹脂
の注入のタイミングや速度は、樹脂の性質や製造される
樹脂封止半導体装置の構造に応じて設定することができ
る。
【0064】さらに、上記各実施形態では、LOC型の
樹脂封止半導体装置が製造されるが、他の構造の樹脂封
止半導体装置にも適用可能であるのは当然である。
【0065】
【発明の効果】本発明によれば、樹脂封止の際にボイド
の発生を防ぐことができ、半導体装置の動作の信頼性を
損ねることのない半導体装置の製造方法を提供すること
ができる。また、このような製造方法を容易に行うこと
ができるモールド装置および成形金型を提供することが
できる。さらに、樹脂封止の際に生じる金属細線のショ
ートや半導体チップ表面のキズなどによる不良を防ぐこ
とができ、信頼性の高い樹脂封止半導体装置を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)本発明の第1実施形態による樹脂封止
成形装置の縦断面図,(b)図1(a)のI−I線に沿っ
た縦断面図
【図2】 図1(a)の樹脂封止成形金型10近傍を拡
大した縦断面図
【図3】 本発明の第1実施形態による樹脂封止成形金
型10の上型11の平面図(a),および下型12の平
面図(b)
【図4】 図3のII−II線に沿った縦断面図(a),お
よびIII−III線に沿った縦断面図(b)
【図5】 (a)本発明の第1実施形態によってモール
ド成形された樹脂封止半導体装置の断面図,(b)図5
(a)のIV−IV線に沿った縦断面図,および(c)図5
(a)のA方向から見た透視図
【図6】 本発明の第2実施形態によって得られた樹脂
封止半導体装置の縦断面図
【図7】 従来技術の樹脂封止成形装置の縦断面図
【図8】 従来技術の樹脂封止成形金型の平面図および
縦断面図
【符号の説明】
10 樹脂封止成形金型 11 上型 12 下型 13 固定盤 14 可動盤 15a 上部ゲート用樹脂注入機構 15b 下部ゲート用樹脂注入機構 31,41 キャビティ 33a,33b 上部ゲート用ポット 34a,34b 下部ゲート用ポット 35 上部ゲート用ランナー 37 上部ゲート 45 下部ゲート用ランナー 47 下部ゲート

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂封止半導体装置をモールド成形するた
    めの樹脂封止成形金型であって、 成形されるべき樹脂封止半導体装置の一部の形状を反転
    させた凹部状の第1のキャビティが形成された第1の型
    と、 前記第1のキャビティに対向する位置に前記樹脂封止半
    導体装置の残りの部分の形状を反転させた凹部状の第2
    のキャビティが形成された第2の型と、 前記第1のキャビティに開口された第1のゲートと、 外部から樹脂を供給するために前記第1のゲートに連通
    された第1の樹脂供給口と、 前記第2のキャビティに開口された第2のゲートと、 外部から樹脂を供給するために前記第2のゲートに連通
    された第2の樹脂供給口とを備えることを特徴とする樹
    脂封止成形金型。
  2. 【請求項2】前記第1のゲートは前記第1のキャビティ
    の開口縁の一部を切り欠いて形成され、 前記第2のゲートは前記第1のゲートに重ならない位置
    において前記第2のキャビティの開口部の一部を切り欠
    いて形成されたものであることを特徴とする請求項1記
    載の樹脂封止成形金型。
  3. 【請求項3】樹脂封止半導体装置をモールド成形するた
    めの樹脂封止成形装置であって、 成形されるべき樹脂封止半導体装置の一部の形状を反転
    させた凹部状の第1のキャビティが形成された第1の型
    と、 前記第1のキャビティに対向する位置に前記樹脂封止半
    導体装置の残りの部分の形状を反転させた凹部状の第2
    のキャビティが形成された第2の型と、 前記第1のキャビティに開口された第1のゲートと、 外部から樹脂を供給するために前記第1のゲートに連通
    された第1の樹脂供給口と、 この第1の供給口に供給された樹脂を前記第1のゲート
    を介して前記第1および第2のキャビティ内に注入する
    ための第1の樹脂注入機構と、 前記第2のキャビティに開口された第2のゲートと、 外部から樹脂を供給するために前記第2のゲートに連通
    された第2の樹脂供給口と、 この第2の供給口に供給された樹脂を前記第2のゲート
    を介して前記第1および第2のキャビティ内に注入する
    ための第2の樹脂注入機構と、を備えることを特徴とす
    る樹脂封止成形装置。
  4. 【請求項4】リードが装着された半導体チップをモール
    ド成形により樹脂封止する樹脂封止半導体装置の製造方
    法であって、 成形されるべき半導体装置の形状を型どる金型内に、予
    めリードが装着された半導体チップを設置するチップ固
    定工程と、 前記金型において前記半導体チップの回路形成面側に形
    成された第1のゲートからこの金型内にフィラーを含む
    熱硬化性樹脂材料を注入する第1の樹脂注入工程と、 前記金型において前記半導体チップの回路形成面の裏面
    側に形成された第2のゲートからこの金型内にフィラー
    を含む熱硬化性樹脂材料を注入する第2の樹脂注入工程
    と、 前記第1および第2の樹脂注入工程で前記金型内に注入
    された熱硬化性樹脂材料を加熱することにより硬化する
    樹脂硬化工程とを有することを特徴とする樹脂封止半導
    体装置の製造方法。
  5. 【請求項5】リードが装着された半導体チップをモール
    ド成形により樹脂封止する樹脂封止半導体装置の製造方
    法であって、 成形されるべき半導体装置の形状を型どる金型内に、予
    めリードが装着された半導体チップを設置するチップ固
    定工程と、 前記金型において前記半導体チップの回路形成面側に形
    成された第1のゲートからこの金型内にフィラーを含む
    第1の熱硬化性樹脂材料を注入する第1の樹脂注入工程
    と、 前記金型において前記半導体チップの回路形成面の裏面
    側に形成された第2のゲートからこの金型内にフィラー
    を含む第2の熱硬化性樹脂材料を注入する第2の樹脂注
    入工程と、 前記第1および第2の樹脂注入工程で前記金型内に注入
    された熱硬化性樹脂を加熱することにより硬化する樹脂
    硬化工程とを有することを特徴とする樹脂封止半導体装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】前記第1の熱硬化性樹脂材料に含まれるフ
    ィラーは球形をなしており、その径は前記第2の熱硬化
    性樹脂材料に含まれるフィラーの径より小さいことを特
    徴とする請求項5記載の樹脂封止半導体装置の製造方
    法。
  7. 【請求項7】回路形成面上に複数の電極が形成された半
    導体チップと、 この半導体チップに固定され、前記各電極に対して電気
    的に接続された複数のリードと、 前記半導体チップおよびこの半導体チップに固定された
    前記各リードの一端部を封止する封止樹脂層と、 前記封止樹脂材をモールド成形する際にこの封止樹脂層
    の前記半導体チップの回路形成面側の表面に形成された
    第1のゲート跡と 前記封止樹脂材をモールド成形する際にこの封止樹脂層
    の前記半導体チップの回路形成面の裏面側の表面に形成
    された第2のゲート跡とを備えることを特徴とする樹脂
    封止半導体装置。
  8. 【請求項8】回路形成面上に複数の電極が形成された半
    導体チップと、 この半導体チップに固定され、前記各電極に対して電気
    的に接続された複数のリードと、 フィラーを含む第1の樹脂材料からなる封止樹脂層であ
    って前記半導体チップの回路形成面およびこの半導体チ
    ップに固定された前記各リードの一端部の一部を封止す
    る第1の封止樹脂層と、 フィラーを含む第2の樹脂材料からなる封止樹脂層であ
    って前記半導体チップの回路形成面の裏面および前記各
    リードの一端部の他の一部を封止する第2の封止樹脂層
    とを備えることを特徴とする樹脂封止半導体装置。
  9. 【請求項9】前記第1の封止樹脂層に含まれるフィラー
    は球形をなしており、その径は前記第2の封止樹脂層に
    含まれるフィラーの径よりも小さいことを特徴とする請
    求項8記載の樹脂封止半導体装置。
  10. 【請求項10】前記第1の封止樹脂層をモールド成形す
    る際にこの第1の封止樹脂層の表面に形成された第1の
    ゲート跡と、 前記第2の封止樹脂層をモールド成形する際にこの第2
    の封止樹脂層の表面に形成された第2のゲート跡とをさ
    らに備えることを特徴とする請求項8または請求項9に
    記載の樹脂封止半導体装置。
JP7627198A 1998-03-24 1998-03-24 樹脂封止成形金型,樹脂封止成形装置,樹脂封止半導体装置の製造方法,および樹脂封止半導体装置 Pending JPH11274193A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102928764A (zh) * 2011-08-12 2013-02-13 上海华虹Nec电子有限公司 定位半导体芯片长距离金属线间缺陷的方法

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CN102928764A (zh) * 2011-08-12 2013-02-13 上海华虹Nec电子有限公司 定位半导体芯片长距离金属线间缺陷的方法

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