JPH11273849A - 被処理物の加熱処理装置 - Google Patents
被処理物の加熱処理装置Info
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- JPH11273849A JPH11273849A JP10069621A JP6962198A JPH11273849A JP H11273849 A JPH11273849 A JP H11273849A JP 10069621 A JP10069621 A JP 10069621A JP 6962198 A JP6962198 A JP 6962198A JP H11273849 A JPH11273849 A JP H11273849A
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- heat treatment
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩素や硫化物等の有害物質を多量に含有する
廃棄物を熱分解などの熱処理を行って有害成分を分解析
出させ、これに処理剤を添加して分解ガスと反応させ
て、発生ガス又は残渣の無害化を図る試みがなされてい
る。このとき、加熱処理炉内で加熱処理する際、被処理
物の性質(内容)によって加熱温度を制御する必要があ
る。加熱温度の制御は電気的加熱手段を用いると速応性
のある加熱制御ができるが、加熱コストが高価となる。 【解決手段】 加熱処理炉1,1′の最も加熱が必要と
する複数箇所に加熱コイル5,6,5′,6′を設け、
これを三相電源Pにデルタ(又はスター)接続し、その
1相を切換手段COSで、5′又は6′のいずれか一
方、又は接点Cを閉じてその両方を選択的に接続して加
熱する。
廃棄物を熱分解などの熱処理を行って有害成分を分解析
出させ、これに処理剤を添加して分解ガスと反応させ
て、発生ガス又は残渣の無害化を図る試みがなされてい
る。このとき、加熱処理炉内で加熱処理する際、被処理
物の性質(内容)によって加熱温度を制御する必要があ
る。加熱温度の制御は電気的加熱手段を用いると速応性
のある加熱制御ができるが、加熱コストが高価となる。 【解決手段】 加熱処理炉1,1′の最も加熱が必要と
する複数箇所に加熱コイル5,6,5′,6′を設け、
これを三相電源Pにデルタ(又はスター)接続し、その
1相を切換手段COSで、5′又は6′のいずれか一
方、又は接点Cを閉じてその両方を選択的に接続して加
熱する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物等の被処理
物を加熱処理する加熱処理装置に関し、特に、加熱手段
として電気的加熱手段を用いた加熱処理装置に関する。
物を加熱処理する加熱処理装置に関し、特に、加熱手段
として電気的加熱手段を用いた加熱処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般廃棄物(都市ゴミなど)、産業廃棄
物(シュレッダーダストなど)、灰類(焼却灰、飛灰な
ど)、処理済み媒体(バグフィルタなどでの処理粉体な
ど)、汚泥、その他各種有機物含有物などの、被処理物
を、燃焼させるのではなく、蒸し焼き状態で加熱処理
(乾燥、熱分解、炭化、灰化)して、被処理物の改質と
減容化をすることが行われている。
物(シュレッダーダストなど)、灰類(焼却灰、飛灰な
ど)、処理済み媒体(バグフィルタなどでの処理粉体な
ど)、汚泥、その他各種有機物含有物などの、被処理物
を、燃焼させるのではなく、蒸し焼き状態で加熱処理
(乾燥、熱分解、炭化、灰化)して、被処理物の改質と
減容化をすることが行われている。
【0003】この種の加熱処理方法として低温乾留法に
より廃棄物を熱処理する方法がある。この方法は例え
ば、特表平8−510789号に開示されているよう
に、回転炉内に低温乾留室(熱分解炉)を有し、低温乾
留室は送り込まれた廃棄物を、低温乾留ガスと熱分解残
留物とに変換し、これを高温燃焼炉で燃焼して溶融液状
のスラグを生成してガラス状に固化し、発生したガスは
ボイラ、除去フィルタ及びガス浄化装置で処理して排出
する。この低温乾留室としては、内部に多数の平行な加
熱管を備え、この加熱管によって廃棄物を、ほぼ空気を
遮断した状態で加熱し、また、回転の際この加熱管によ
って廃棄物が上下動され、低温乾留ドラムの取り出し口
の方向へ移動されるようにするものである。
より廃棄物を熱処理する方法がある。この方法は例え
ば、特表平8−510789号に開示されているよう
に、回転炉内に低温乾留室(熱分解炉)を有し、低温乾
留室は送り込まれた廃棄物を、低温乾留ガスと熱分解残
留物とに変換し、これを高温燃焼炉で燃焼して溶融液状
のスラグを生成してガラス状に固化し、発生したガスは
ボイラ、除去フィルタ及びガス浄化装置で処理して排出
する。この低温乾留室としては、内部に多数の平行な加
熱管を備え、この加熱管によって廃棄物を、ほぼ空気を
遮断した状態で加熱し、また、回転の際この加熱管によ
って廃棄物が上下動され、低温乾留ドラムの取り出し口
の方向へ移動されるようにするものである。
【0004】また、他の方法として、被処理物を加熱処
理する際、塩素成分と反応しやすいアルカリ系の添加剤
を適量混入して加熱処理し、処理灰に塩素成分を固定化
して無害な排ガスを得、処理灰は水洗浄等により塩素成
分を除去する方法も提案されている(特開平9−155
326)。
理する際、塩素成分と反応しやすいアルカリ系の添加剤
を適量混入して加熱処理し、処理灰に塩素成分を固定化
して無害な排ガスを得、処理灰は水洗浄等により塩素成
分を除去する方法も提案されている(特開平9−155
326)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の加熱処理装置に
おける加熱手段は、単一の加熱手段によって加熱するの
が一般的である。
おける加熱手段は、単一の加熱手段によって加熱するの
が一般的である。
【0006】前記の低温乾留法による加熱手段は、回転
炉内に多数配設した加熱管に加熱ガスを導入して加熱す
るので、この加熱管に被処理物が接触し、被処理物を加
熱しやすい利点はあるが、多数の加熱管を設置するの
で、製作時および保守が非常に煩雑となる。また長期間
にわたっての安定した加熱処理性能を維持することは困
難となる。
炉内に多数配設した加熱管に加熱ガスを導入して加熱す
るので、この加熱管に被処理物が接触し、被処理物を加
熱しやすい利点はあるが、多数の加熱管を設置するの
で、製作時および保守が非常に煩雑となる。また長期間
にわたっての安定した加熱処理性能を維持することは困
難となる。
【0007】しかも、燃焼ガスのみで加熱しているの
で、被処理物の温度が低下した場合の昇温制御に遅れが
生じやすく、均一な加熱が行われがたく被処理物の一部
に未処理部分が生じやすい。
で、被処理物の温度が低下した場合の昇温制御に遅れが
生じやすく、均一な加熱が行われがたく被処理物の一部
に未処理部分が生じやすい。
【0008】また、前記の処理灰に塩素成分を固定化す
る方法における加熱手段は、外部から誘導加熱等の電気
的手段によるものであるが、この手段は、被処理物の温
度が低下した場合の昇温制御は迅速に行える利点はある
が、全体を誘導加熱で加熱すると加熱のためのコストは
高価なものとなる。
る方法における加熱手段は、外部から誘導加熱等の電気
的手段によるものであるが、この手段は、被処理物の温
度が低下した場合の昇温制御は迅速に行える利点はある
が、全体を誘導加熱で加熱すると加熱のためのコストは
高価なものとなる。
【0009】即ち、加熱炉の円筒体全長に渡って加熱コ
イルを設けることは不経済であり、これを解消するため
に円筒体に沿って複数の加熱コイルに分割して相互に離
間して接続することも考えられるが、加熱コイルの取付
け構造が複雑となる。また、一連の加熱処理を複数の加
熱処理炉に分けて行う場合には、一層複雑なものにな
る。
イルを設けることは不経済であり、これを解消するため
に円筒体に沿って複数の加熱コイルに分割して相互に離
間して接続することも考えられるが、加熱コイルの取付
け構造が複雑となる。また、一連の加熱処理を複数の加
熱処理炉に分けて行う場合には、一層複雑なものにな
る。
【0010】本発明は、このような課題を解決するため
になされたもので、電気的加熱手段により効果的に被処
理物を加熱する此の種の加熱処理装置を提供することを
目的とする。
になされたもので、電気的加熱手段により効果的に被処
理物を加熱する此の種の加熱処理装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は被処理物を加熱
処理する円筒体の外周の所定位置に、所定数の加熱コイ
ルを設け、この加熱コイルに三相電源を接続して最も加
熱が必要な箇所を、適切に加熱するために、加熱コイル
を選択的に切り換えてエネルギーを供給するようにし
て、効率的な加熱制御を行えるようにするものである。
処理する円筒体の外周の所定位置に、所定数の加熱コイ
ルを設け、この加熱コイルに三相電源を接続して最も加
熱が必要な箇所を、適切に加熱するために、加熱コイル
を選択的に切り換えてエネルギーを供給するようにし
て、効率的な加熱制御を行えるようにするものである。
【0012】これを実現するための具体的手段は、一端
側に被処理物を供給する供給口および他端側にこれを排
出する排出口を有し、略水平位置に配置した円筒体と、
該円筒体の内部に設けられ被処理物を供給口側から排出
口側に撹拌しながら移送させる手段と、この円筒体を外
部から加熱する加熱手段とで加熱処理炉を構成し、前記
加熱手段は、円筒体に近接して加熱コイルを少なくとも
3箇設け、該加熱コイルに三相電源を接続して加熱する
電気的加熱手段とするものである。
側に被処理物を供給する供給口および他端側にこれを排
出する排出口を有し、略水平位置に配置した円筒体と、
該円筒体の内部に設けられ被処理物を供給口側から排出
口側に撹拌しながら移送させる手段と、この円筒体を外
部から加熱する加熱手段とで加熱処理炉を構成し、前記
加熱手段は、円筒体に近接して加熱コイルを少なくとも
3箇設け、該加熱コイルに三相電源を接続して加熱する
電気的加熱手段とするものである。
【0013】また、上記の加熱処理炉を複数基(少なく
とも2基)配設し、一方の加熱処理炉の円筒体に2つの
加熱コイル、他方の加熱処理炉に少なくとも一つの加熱
コイルを設けて、これら加熱コイルに三相電源を接続す
る。
とも2基)配設し、一方の加熱処理炉の円筒体に2つの
加熱コイル、他方の加熱処理炉に少なくとも一つの加熱
コイルを設けて、これら加熱コイルに三相電源を接続す
る。
【0014】電気的加熱手段としては、商用の三相電源
をそのまま使用する誘導加熱手段又は高周波電源による
高周波誘導加熱手段のいずれでもよい。
をそのまま使用する誘導加熱手段又は高周波電源による
高周波誘導加熱手段のいずれでもよい。
【0015】加熱コイルが全体として3個以上ある場合
は、少なくとも一相を切換スイッチ等の切換手段を介し
て加熱コイルを選択的に加熱するようにする。
は、少なくとも一相を切換スイッチ等の切換手段を介し
て加熱コイルを選択的に加熱するようにする。
【0016】加熱コイルは、円筒体の外周に銅などの導
体を巻回するか、又は導体を渦巻状にしたものを円筒体
の外周に沿う形で円弧状に形成する。この加熱コイル
は、円筒体が回転自在のものである場合は、円筒体と非
接触で且つ円筒体に近接して設けられる。
体を巻回するか、又は導体を渦巻状にしたものを円筒体
の外周に沿う形で円弧状に形成する。この加熱コイル
は、円筒体が回転自在のものである場合は、円筒体と非
接触で且つ円筒体に近接して設けられる。
【0017】円筒体は鉄系の材料で形成する。鉄系とす
ることで、誘導加熱が効率良く行われる。
ることで、誘導加熱が効率良く行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。
によって説明する。
【0019】図1は本発明の第1の実施の形態の概念図
で、加熱処理炉を2基使用した場合を示している。
で、加熱処理炉を2基使用した場合を示している。
【0020】図1において、1は第1の加熱処理炉、
1′は第2の加熱処理炉を示し、第1の加熱処理炉1
は、円筒体2と、該円筒体2の一端側に設けられ被処理
物を円筒体内に供給する供給口3と、円筒体2の他端側
に設けられた排出口4と、円筒体2の外周の両端側に設
けられた加熱コイル5,6とで構成され、円筒体2内に
は被処理物が供給口3側から排出口4側に移送するため
の移送手段が設けられている。この移送手段は、円筒体
自体が回転するものである場合は、円筒体内部に中心に
向けて突出した複数の羽根を設け、また円筒体が回転し
ないものであるときは、中心線方向に長いスクリュー等
を設けて、円筒体の外部より回転駆動するようにする。
1′は第2の加熱処理炉を示し、第1の加熱処理炉1
は、円筒体2と、該円筒体2の一端側に設けられ被処理
物を円筒体内に供給する供給口3と、円筒体2の他端側
に設けられた排出口4と、円筒体2の外周の両端側に設
けられた加熱コイル5,6とで構成され、円筒体2内に
は被処理物が供給口3側から排出口4側に移送するため
の移送手段が設けられている。この移送手段は、円筒体
自体が回転するものである場合は、円筒体内部に中心に
向けて突出した複数の羽根を設け、また円筒体が回転し
ないものであるときは、中心線方向に長いスクリュー等
を設けて、円筒体の外部より回転駆動するようにする。
【0021】7は円筒体2の供給口3側を気密に包囲す
る供給側ダクト、8は排出口4を包囲する排出側ダク
ト、9は開閉扉(仕切)を示す。
る供給側ダクト、8は排出口4を包囲する排出側ダク
ト、9は開閉扉(仕切)を示す。
【0022】第2の加熱処理炉1′は、第1の加熱処理
炉1とほぼ同じ構成をしているので、同一部分、又は相
当部分には、同一符号にダッシュを付して説明を省略す
る。第1の加熱処理炉1の排出側ダクト8と第2の加熱
処理炉1′の供給側ダクト7′とは開閉扉9を介して連
通される。
炉1とほぼ同じ構成をしているので、同一部分、又は相
当部分には、同一符号にダッシュを付して説明を省略す
る。第1の加熱処理炉1の排出側ダクト8と第2の加熱
処理炉1′の供給側ダクト7′とは開閉扉9を介して連
通される。
【0023】なお、図中Hは被処理物および処理剤を第
1の加熱処理炉1内に供給するためのホッパを示してい
る。
1の加熱処理炉1内に供給するためのホッパを示してい
る。
【0024】Pは三相電源、COSは切換手段としのて
切換スイッチで、この切換スイッチCOSは、三相の中
の一相、例えばW相を接点A又はB側に切り換え、加熱
コイル5′又は6′側に接続し、いずれか一方の加熱コ
イルに電力を供給する。接点Cは、加熱コイル5′と
6′を並列接続し、再加熱コイルを加熱するときに閉成
する。
切換スイッチで、この切換スイッチCOSは、三相の中
の一相、例えばW相を接点A又はB側に切り換え、加熱
コイル5′又は6′側に接続し、いずれか一方の加熱コ
イルに電力を供給する。接点Cは、加熱コイル5′と
6′を並列接続し、再加熱コイルを加熱するときに閉成
する。
【0025】図2は、加熱コイルと三相電源との接続の
例で、(A)は加熱コイルをスター接続した場合、
(B)はデルタ接続した場合を示している。なお、同図
においてCBは遮断器を示す。
例で、(A)は加熱コイルをスター接続した場合、
(B)はデルタ接続した場合を示している。なお、同図
においてCBは遮断器を示す。
【0026】加熱コイルは、図1に示すように円筒体2
の外周に導体を巻回する場合、又は図3に示すように、
銅帯等の導体を渦巻状で、且つ矩形状に形成し、これを
円筒体2の表面に沿って円弧状に形成するかいずれの方
法でもよい。そして、円筒体への設置場所は、最も加熱
が必要な箇所に設置する。
の外周に導体を巻回する場合、又は図3に示すように、
銅帯等の導体を渦巻状で、且つ矩形状に形成し、これを
円筒体2の表面に沿って円弧状に形成するかいずれの方
法でもよい。そして、円筒体への設置場所は、最も加熱
が必要な箇所に設置する。
【0027】被処理物の一連の加熱処理は、ポッパHに
被処理物と処理剤とを混合したもの又は混合しながら投
入して第1の加熱処理炉1の供給口3から円筒体2内に
供給し、加熱コイル5,6で第1の工程の加熱処理し、
これを排出側ダクト8,開閉扉9および供給側ダクト
7′を介して第2の加熱処理炉1′の供給口3′側から
円筒体2′内に送り込み、ここで第2工程の加熱処理が
行われる。これら一連の加熱処理における加熱温度は、
被処理物の性質(内容物)や被処理物の加熱炉内の移動
速度等の処理条件によって、箇所毎に異なる場合があ
る。例えば、第2工程の前段で、又は後段で加熱温度を
昇温したい場合等である。かかる場合、切換スイッチC
OSを操作してAの接点又はBの接点を選択し、加熱コ
イル5′又は6′のいずれか一方を電源に接続して加熱
する。また両加熱コイルを加熱したい場合は、A又はB
の接点を閉じた状態でCの接点を閉じる。
被処理物と処理剤とを混合したもの又は混合しながら投
入して第1の加熱処理炉1の供給口3から円筒体2内に
供給し、加熱コイル5,6で第1の工程の加熱処理し、
これを排出側ダクト8,開閉扉9および供給側ダクト
7′を介して第2の加熱処理炉1′の供給口3′側から
円筒体2′内に送り込み、ここで第2工程の加熱処理が
行われる。これら一連の加熱処理における加熱温度は、
被処理物の性質(内容物)や被処理物の加熱炉内の移動
速度等の処理条件によって、箇所毎に異なる場合があ
る。例えば、第2工程の前段で、又は後段で加熱温度を
昇温したい場合等である。かかる場合、切換スイッチC
OSを操作してAの接点又はBの接点を選択し、加熱コ
イル5′又は6′のいずれか一方を電源に接続して加熱
する。また両加熱コイルを加熱したい場合は、A又はB
の接点を閉じた状態でCの接点を閉じる。
【0028】図1および図2の実施例では、切換スイッ
チCOSは、W相により、第2の加熱処理炉1′の加熱
コイルの切換えを行う場合を示してあるが、第1の加熱
処理炉1側の加熱コイルを選択的に加熱する場合は、他
の相、例えば、U相又はV相に切換スイッチを設けれ
ば、同様に行うことができる。加熱処理炉が単基の場合
は、加熱コイルを3個又は4個設けて同様に行う。
チCOSは、W相により、第2の加熱処理炉1′の加熱
コイルの切換えを行う場合を示してあるが、第1の加熱
処理炉1側の加熱コイルを選択的に加熱する場合は、他
の相、例えば、U相又はV相に切換スイッチを設けれ
ば、同様に行うことができる。加熱処理炉が単基の場合
は、加熱コイルを3個又は4個設けて同様に行う。
【0029】図4は、第2の実施の形態の概念図で、第
1の実施の形態の電気的加熱手段と熱ガスによるガス加
熱手段とを併用し、ハロゲン物質や硫化物等の有害成分
を多量に含有する被処理物を、熱分解などの処理を行っ
て処理剤と反応させて有害成分を除去する処理装置に適
用した場合である。
1の実施の形態の電気的加熱手段と熱ガスによるガス加
熱手段とを併用し、ハロゲン物質や硫化物等の有害成分
を多量に含有する被処理物を、熱分解などの処理を行っ
て処理剤と反応させて有害成分を除去する処理装置に適
用した場合である。
【0030】図4において、10は第1の加熱処理炉、
20は第2の加熱処理炉を示す。第1の加熱処理炉10
は、回転自在の円筒体11と、該円筒体11の外周にガ
スダクトを形成し熱ガスを導入して円筒体11を加熱す
る加熱筒12と、円筒体11の一方の端部に設けられ、
被処理物を円筒体11内に供給する供給口13と、円筒
体11の他方の端部に設けられた排出口14とで構成さ
れ、この円筒体11は回転駆動手段15によって回転駆
動される。回転駆動手段15は駆動用モータ15a、駆
動歯車15b,円筒体11に設けられた従動歯車15c
から成る。16は供給口13側を包囲する供給側ダク
ト、17は排出口14側を包囲する排出側ダクト、18
は加熱コイル(誘導加熱)で、加熱筒12の両側の円筒
体11の外周に、円筒体11とは非接触で且つ近接して
設けられ、加熱筒12と共に加熱手段を構成する。
20は第2の加熱処理炉を示す。第1の加熱処理炉10
は、回転自在の円筒体11と、該円筒体11の外周にガ
スダクトを形成し熱ガスを導入して円筒体11を加熱す
る加熱筒12と、円筒体11の一方の端部に設けられ、
被処理物を円筒体11内に供給する供給口13と、円筒
体11の他方の端部に設けられた排出口14とで構成さ
れ、この円筒体11は回転駆動手段15によって回転駆
動される。回転駆動手段15は駆動用モータ15a、駆
動歯車15b,円筒体11に設けられた従動歯車15c
から成る。16は供給口13側を包囲する供給側ダク
ト、17は排出口14側を包囲する排出側ダクト、18
は加熱コイル(誘導加熱)で、加熱筒12の両側の円筒
体11の外周に、円筒体11とは非接触で且つ近接して
設けられ、加熱筒12と共に加熱手段を構成する。
【0031】なお、図中19は温度センサ装着用筒、P
は動的シールを示している。
は動的シールを示している。
【0032】第2の加熱処理炉20は、前記の第1の加
熱処理炉10とは基本的構成は同じである。よって、同
一又は相当部分には20の次の一桁を同じ数字とし(例
えば、21は円筒体、22は加熱筒)説明を省略する。
熱処理炉10とは基本的構成は同じである。よって、同
一又は相当部分には20の次の一桁を同じ数字とし(例
えば、21は円筒体、22は加熱筒)説明を省略する。
【0033】30はホッパで、被処理物とアルカリ金属
化合物からなる処理剤とを混合して投入し、開閉バルブ
(開閉扉)31を介して円筒体11の供給口13から円
筒体11内に供給する。被処理物としては、一般廃棄
物,産業廃棄物等の固形物や、灰類,汚泥いずれでもよ
い。
化合物からなる処理剤とを混合して投入し、開閉バルブ
(開閉扉)31を介して円筒体11の供給口13から円
筒体11内に供給する。被処理物としては、一般廃棄
物,産業廃棄物等の固形物や、灰類,汚泥いずれでもよ
い。
【0034】また、このホッパ30は、破砕機能と処理
剤の混合機能を持たせ、固形物を破砕しながら処理剤と
混合してもよいし、また、あらかじめ破砕した被処理物
と処理剤とを混合して投入してもよい。
剤の混合機能を持たせ、固形物を破砕しながら処理剤と
混合してもよいし、また、あらかじめ破砕した被処理物
と処理剤とを混合して投入してもよい。
【0035】第1の加熱処理炉10の円筒体11と、第
2の加熱処理炉20の円筒体21とは上下方向に配設さ
れ、円筒体11の排出側ダクト17と円筒体21の供給
口23とは、開閉バルブ(開閉扉)32を介して連通さ
れ、また、第2の加熱処理炉20の円筒体21の排出側
ダクト27は開閉バルブ33を介して溶解槽34に連通
し、加熱処理後の残渣および反応済みの処理剤を排出す
る。
2の加熱処理炉20の円筒体21とは上下方向に配設さ
れ、円筒体11の排出側ダクト17と円筒体21の供給
口23とは、開閉バルブ(開閉扉)32を介して連通さ
れ、また、第2の加熱処理炉20の円筒体21の排出側
ダクト27は開閉バルブ33を介して溶解槽34に連通
し、加熱処理後の残渣および反応済みの処理剤を排出す
る。
【0036】35は燃焼装置で、例えばLNGを燃焼さ
せる場合はLNGタンク36からのLNGを燃焼して熱
ガスを発生させる。この熱ガスは円筒体21の外周に設
けた加熱筒22内に供給され円筒体21を加熱した後、
連絡管37を介して円筒体11の加熱筒12内に送入
し、この円筒体11を加熱した後、排出管38を介して
乾燥手段39に送出して、乾燥手段の熱として利用した
後、管路41を介して燃焼手段42に送り込まれる。
せる場合はLNGタンク36からのLNGを燃焼して熱
ガスを発生させる。この熱ガスは円筒体21の外周に設
けた加熱筒22内に供給され円筒体21を加熱した後、
連絡管37を介して円筒体11の加熱筒12内に送入
し、この円筒体11を加熱した後、排出管38を介して
乾燥手段39に送出して、乾燥手段の熱として利用した
後、管路41を介して燃焼手段42に送り込まれる。
【0037】燃焼手段42は、第1の加熱処理炉10の
排出側ダクト17,第2の加熱処理炉20の供給側ダク
ト26内のガスと、燃焼装置35から送出され、各加熱
部に利用し後のガスとを燃焼させ、次工程のバグフィル
タ40に送り込む。
排出側ダクト17,第2の加熱処理炉20の供給側ダク
ト26内のガスと、燃焼装置35から送出され、各加熱
部に利用し後のガスとを燃焼させ、次工程のバグフィル
タ40に送り込む。
【0038】この燃焼手段42では、ガスを燃焼してタ
ール分を除去し、且つバグフィルタ40の耐久温度以下
にガスを冷却して送り込む。
ール分を除去し、且つバグフィルタ40の耐久温度以下
にガスを冷却して送り込む。
【0039】バグフィルタ40では処理剤で反応処理し
た後、未反応の処理剤をホッパ30に送って再利用し、
排ガスは排ガス燃焼部43に送り込み、ここでLNG等
により燃焼処理を行い、煙突44から放出する。
た後、未反応の処理剤をホッパ30に送って再利用し、
排ガスは排ガス燃焼部43に送り込み、ここでLNG等
により燃焼処理を行い、煙突44から放出する。
【0040】45は脱水手段で、溶解槽34内の水溶液
を固、液分離し、固形物は乾燥手段39で乾燥した後、
炭化物ホッパ46に排出し、液体は、水処理手段47で
中和剤等により中和した後、溶解槽34に返送して、再
利用を図る。
を固、液分離し、固形物は乾燥手段39で乾燥した後、
炭化物ホッパ46に排出し、液体は、水処理手段47で
中和剤等により中和した後、溶解槽34に返送して、再
利用を図る。
【0041】次に一連の処理方法について説明すると、
まず、燃焼装置35でLNGを燃焼して熱ガスを発生さ
せ、加熱筒22及び12に供給する。同時に加熱コイル
18,28に三相電源を接続して円筒体21,11を加
熱する。次に、(又は同時に)ハロゲン物質,硫化物を
含有する被処理物とアルカリ金属化合物からなる処理剤
とを混合したもの、又は混合しながらホッパ30から第
1の加熱処理炉10の円筒体11内に供給する。
まず、燃焼装置35でLNGを燃焼して熱ガスを発生さ
せ、加熱筒22及び12に供給する。同時に加熱コイル
18,28に三相電源を接続して円筒体21,11を加
熱する。次に、(又は同時に)ハロゲン物質,硫化物を
含有する被処理物とアルカリ金属化合物からなる処理剤
とを混合したもの、又は混合しながらホッパ30から第
1の加熱処理炉10の円筒体11内に供給する。
【0042】この第1の加熱処理炉10での加熱処理
は、被処理物からのHClガス,SOxガスが析出する
温度と時間を事前に調査して、被処理物の性質を把握
し、この調査結果を十分にカバーできる温度(200℃
〜350℃)と時間で処理する。
は、被処理物からのHClガス,SOxガスが析出する
温度と時間を事前に調査して、被処理物の性質を把握
し、この調査結果を十分にカバーできる温度(200℃
〜350℃)と時間で処理する。
【0043】なお、この時間と温度は、加熱炉の状態
(大きさ、加熱手段などの炉に依存する条件)、処理
量、処理時間、処理温度などにも関係するので、事前に
調査などを十分に行っておく必要があり、またデータを
取り蓄積しておく必要がある。
(大きさ、加熱手段などの炉に依存する条件)、処理
量、処理時間、処理温度などにも関係するので、事前に
調査などを十分に行っておく必要があり、またデータを
取り蓄積しておく必要がある。
【0044】また、第1の加熱処理炉での加熱は、「燃
焼、焼却」ではなく、「蒸し焼き、熱分解」での処理と
すると、析出した有害なHClガス、SOxガスとアル
カリ金属化合物の処理剤とを効果的に接触反応させるこ
とができる。
焼、焼却」ではなく、「蒸し焼き、熱分解」での処理と
すると、析出した有害なHClガス、SOxガスとアル
カリ金属化合物の処理剤とを効果的に接触反応させるこ
とができる。
【0045】第1の加熱処理炉10内においては、HC
l,SOx成分を含む分解ガスが発生するが、直ちにH
Cl,SOx成分は添加しているアルカリ金属化合物、
例えば、炭酸水素ナトリウムと反応して無害な塩化ナト
リウム(NaCl)、亜硫酸塩(Na2SO3)を生成
し、分解ガスから有害なHCl,SOxを無くする。こ
れによって、分解ガス中のHCl,SOx成分の無害化
と残渣の無害化が同時に行える。
l,SOx成分を含む分解ガスが発生するが、直ちにH
Cl,SOx成分は添加しているアルカリ金属化合物、
例えば、炭酸水素ナトリウムと反応して無害な塩化ナト
リウム(NaCl)、亜硫酸塩(Na2SO3)を生成
し、分解ガスから有害なHCl,SOxを無くする。こ
れによって、分解ガス中のHCl,SOx成分の無害化
と残渣の無害化が同時に行える。
【0046】この有害成分を析出し、無害化した後の被
処理物はダクト17,開閉バルブ32を介して第2の加
熱処理炉20の円筒体21の供給口23に送り込まれ、
ここで被処理物が炭化する温度(紙類は350℃程度で
炭化が始まる。)350℃〜700℃に加熱して炭化処
理、又は800℃以上に加熱して灰化処理して減容化す
る。この減容化工程の第2の加熱処理炉20内には、H
Cl,SOx成分を含む分解ガスは存在しないので、炭
化又は灰化した被処理物にはこれを吸収することはな
い。
処理物はダクト17,開閉バルブ32を介して第2の加
熱処理炉20の円筒体21の供給口23に送り込まれ、
ここで被処理物が炭化する温度(紙類は350℃程度で
炭化が始まる。)350℃〜700℃に加熱して炭化処
理、又は800℃以上に加熱して灰化処理して減容化す
る。この減容化工程の第2の加熱処理炉20内には、H
Cl,SOx成分を含む分解ガスは存在しないので、炭
化又は灰化した被処理物にはこれを吸収することはな
い。
【0047】この減容化した被処理物と、反応後の塩化
ナトリウム,亜硫酸塩等はダクト、開閉バルブ33を介
して溶解槽34内に排出される。この溶解槽34内で、
減容化された被処理物,反応した後の処理剤等を水に溶
解し、これを脱水手段45で固体物と液体とを分離し
て、固体物は乾燥手段39で乾燥した後、炭化物ホッパ
46から取り出し、一方、液体は水処理手段47で処理
済みの処理剤を回収し、中和剤等を注入して処理した
後、溶解槽43に戻し再利用する。
ナトリウム,亜硫酸塩等はダクト、開閉バルブ33を介
して溶解槽34内に排出される。この溶解槽34内で、
減容化された被処理物,反応した後の処理剤等を水に溶
解し、これを脱水手段45で固体物と液体とを分離し
て、固体物は乾燥手段39で乾燥した後、炭化物ホッパ
46から取り出し、一方、液体は水処理手段47で処理
済みの処理剤を回収し、中和剤等を注入して処理した
後、溶解槽43に戻し再利用する。
【0048】第1および第2の加熱処理炉の温度制御手
段は、次のように行われる。第1の加熱処理炉10にお
いては、第2の加熱処理炉20の加熱筒22との連絡管
37にバルブ(開閉バルブ又は3方弁)を設け、このバ
ルブの開閉制御により、又は連絡管37を複数本設けて
使用本数をバルブ開閉制御により選択する手段により熱
ガスの流量を制御し、次に、加熱コイル18に供給する
電流又は周波数を制御する手段により昇温制御が行われ
る。これらの制御はダクト17内のHCl等のガス濃度
をガス濃度計45又は温度センサ装着用筒19内に設け
られた温度センサによる検出温度により自動又は手動で
制御される。
段は、次のように行われる。第1の加熱処理炉10にお
いては、第2の加熱処理炉20の加熱筒22との連絡管
37にバルブ(開閉バルブ又は3方弁)を設け、このバ
ルブの開閉制御により、又は連絡管37を複数本設けて
使用本数をバルブ開閉制御により選択する手段により熱
ガスの流量を制御し、次に、加熱コイル18に供給する
電流又は周波数を制御する手段により昇温制御が行われ
る。これらの制御はダクト17内のHCl等のガス濃度
をガス濃度計45又は温度センサ装着用筒19内に設け
られた温度センサによる検出温度により自動又は手動で
制御される。
【0049】また、第2の加熱処理炉20の温度制御手
段は、上記と同様に行われ、電気加熱手段では更に切換
スイッチCOSの切換えによって行われる。これらの制
御も、ダクト26,27内のHCl濃度を計測するガス
濃度計46,47および温度センサ装着用筒29内の温
度センサによる検出温度を反映して制御する。
段は、上記と同様に行われ、電気加熱手段では更に切換
スイッチCOSの切換えによって行われる。これらの制
御も、ダクト26,27内のHCl濃度を計測するガス
濃度計46,47および温度センサ装着用筒29内の温
度センサによる検出温度を反映して制御する。
【0050】加熱処理炉内で被処理物とアルカリ金属化
合物とを加熱処理すると、分解した塩素系ガスおよび硫
黄酸化物系ガスとアルカリ金属化合物とが反応して分解
ガスの無害化と残渣の無害化が同時に行うことができ
る。このことは、本願の発明者の、次の実験調査により
明らかとなっている。
合物とを加熱処理すると、分解した塩素系ガスおよび硫
黄酸化物系ガスとアルカリ金属化合物とが反応して分解
ガスの無害化と残渣の無害化が同時に行うことができ
る。このことは、本願の発明者の、次の実験調査により
明らかとなっている。
【0051】実験は、試料としての被処理物に硫黄成分
を含む固形化燃料(以下、RDFと称す)を使用して行
った。
を含む固形化燃料(以下、RDFと称す)を使用して行
った。
【0052】RDFとは、可燃できるように固形化処理
したものを言い、広義には、 (1)厨芥類(肉類、魚頭、骨、卵殻、野菜、果物等の
残り物で「コンポスト」と称されている。) (2)プラスチック類(ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチン、ポリ塩化ビニリデン、等) (3)紙類(ティッシュペーパ、新聞紙、広告紙、袋
類、箱類、飲料パック、等) (4)その他可燃物(布などの繊維類、木片、ゴム、皮
革、等) の混合物を固形化したものを言う。
したものを言い、広義には、 (1)厨芥類(肉類、魚頭、骨、卵殻、野菜、果物等の
残り物で「コンポスト」と称されている。) (2)プラスチック類(ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチン、ポリ塩化ビニリデン、等) (3)紙類(ティッシュペーパ、新聞紙、広告紙、袋
類、箱類、飲料パック、等) (4)その他可燃物(布などの繊維類、木片、ゴム、皮
革、等) の混合物を固形化したものを言う。
【0053】狹義には、(1)のコンポストを含まない
(2)、(3)、(4)のものを言う。今回はコンポス
トを含まないRDFを使用した。
(2)、(3)、(4)のものを言う。今回はコンポス
トを含まないRDFを使用した。
【0054】このような試料のRDFを破砕し、本発明
によるアルカリ金属化合物の中から数種の物質を用い、
また、未破砕のRDFを用いて比較実験を行った。
によるアルカリ金属化合物の中から数種の物質を用い、
また、未破砕のRDFを用いて比較実験を行った。
【0055】なお、一般に知られている処理済みのRD
Fの硫黄成分は、約1.0重量%含有し、プラスチック
系のRDFは、0.29〜0.89重量%の塩素成分を
含有している。また、古紙系のRDFは、0.2重量%
の塩素成分を含有している。
Fの硫黄成分は、約1.0重量%含有し、プラスチック
系のRDFは、0.29〜0.89重量%の塩素成分を
含有している。また、古紙系のRDFは、0.2重量%
の塩素成分を含有している。
【0056】実験は、排気管付きで、開閉扉を有する密
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、排気管を開けて昇
温時、キープ時でHCIガス,SO2ガス濃度(pp
m)を測定した。
閉容器にて低酸素雰囲気を作り、この密閉容器に試料を
入れ、電気炉にて加熱し、250℃から600℃まで5
0℃間隔で各温度にて5分間保持し、排気管を開けて昇
温時、キープ時でHCIガス,SO2ガス濃度(pp
m)を測定した。
【0057】ガス濃度の測定は、JIS−K0804に
規定されている検知管によって測定した。
規定されている検知管によって測定した。
【0058】表1および表2にこの測定結果を示す。H
Clガス,SO2ガス濃度は実験10回における測定値
で表2の比較例1〜比較例3は最低値、表1の実施例1
〜7は最高値を示す。
Clガス,SO2ガス濃度は実験10回における測定値
で表2の比較例1〜比較例3は最低値、表1の実施例1
〜7は最高値を示す。
【0059】なお、“ND”は“検出されず”を表し、
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
10回の実験でいずれも検出されなかったことを示す。
【0060】最初に、上記の未破砕のRDF40gを破
砕して、これに処理剤としてNaHCO3を10g添加
したものと、4gを添加したものを夫々実施例1および
実施例2とし、またRDFを破砕した20gに、処理剤
としてKHCO3を3gおよびNa2CO3+K2CO3を
3g添加したものを夫々実施例3および4とし、また、
RDFを破砕した20gに、処理剤としてNaOHおよ
びKOHを3g添加したものを夫々実施例5および6と
し、更に、RDFを破砕しない塊状のもの40gに処理
剤としてNaHCO3を10gを添加したものを実施例
7として各試料についてHCl濃度およびSO2濃度を
測定をした。その結果を表1に示す。
砕して、これに処理剤としてNaHCO3を10g添加
したものと、4gを添加したものを夫々実施例1および
実施例2とし、またRDFを破砕した20gに、処理剤
としてKHCO3を3gおよびNa2CO3+K2CO3を
3g添加したものを夫々実施例3および4とし、また、
RDFを破砕した20gに、処理剤としてNaOHおよ
びKOHを3g添加したものを夫々実施例5および6と
し、更に、RDFを破砕しない塊状のもの40gに処理
剤としてNaHCO3を10gを添加したものを実施例
7として各試料についてHCl濃度およびSO2濃度を
測定をした。その結果を表1に示す。
【0061】
【表1】
【0062】次に、従来知られている処理済みのRDF
を破砕したものを40gと20gを使用したものを夫々
比較例1および比較例2とし、また、RDFを破砕せず
に塊状のものを40g使用したものを比較例3として、
それぞれについてHCl濃度およびSO2濃度を測定し
た。その結果を表2に示す。
を破砕したものを40gと20gを使用したものを夫々
比較例1および比較例2とし、また、RDFを破砕せず
に塊状のものを40g使用したものを比較例3として、
それぞれについてHCl濃度およびSO2濃度を測定し
た。その結果を表2に示す。
【0063】
【表2】
【0064】これら表1および表2の実験結果から、次
のように考察される。
のように考察される。
【0065】塩化水素(HCl)の場合 (1)破砕した場合には、実施例4で400℃で微量に
検出されたが、他の例では検出されず非常に良好な結果
が得られた。
検出されたが、他の例では検出されず非常に良好な結果
が得られた。
【0066】比較例1〜2と比較しても相当低減してい
ることが判る。
ることが判る。
【0067】(2)塊の場合には、350〜450℃で
破砕した場合に比較して若干検出されているが、比較例
3に比較して相当低減していることが判る。
破砕した場合に比較して若干検出されているが、比較例
3に比較して相当低減していることが判る。
【0068】硫化ガス(SO2)の場合、 (1)破砕した場合には、400〜450℃でSO2が
若干発生するが全体として非常に良好である(実施例1
〜6)。
若干発生するが全体として非常に良好である(実施例1
〜6)。
【0069】比較例1〜2と比較しても相当低減してい
ることが判る。
ることが判る。
【0070】(2)塊のままの場合には、350〜45
0℃で破砕した場合に比較してSO2が若干多く発生す
るが全体としては良好である(実施例7)。
0℃で破砕した場合に比較してSO2が若干多く発生す
るが全体としては良好である(実施例7)。
【0071】比較例3と比較しても相当低減しているこ
とが判る。
とが判る。
【0072】以上の実験調査により、塩素成分と硫黄成
分を含有する処理物を処理する場合には、有害なHCl
及びSOxと反応して無害な塩化物及び亜硫酸塩を生成
する、アルカリ金属化合物を添加して処理することで、
HCl及びSOxの無害化処理できることが確認でき
た。
分を含有する処理物を処理する場合には、有害なHCl
及びSOxと反応して無害な塩化物及び亜硫酸塩を生成
する、アルカリ金属化合物を添加して処理することで、
HCl及びSOxの無害化処理できることが確認でき
た。
【0073】なお、600℃以上においても同様な脱塩
素効果はあるが、設備の形態、時間、処理量などに基づ
いて決定すればよい。
素効果はあるが、設備の形態、時間、処理量などに基づ
いて決定すればよい。
【0074】アルカリ金属化合物を添加して処理する
と、HClおよびSOxの無害化処理ができる理由は、
次のような反応による。
と、HClおよびSOxの無害化処理ができる理由は、
次のような反応による。
【0075】(A)、HClの場合の反応 有害な塩化水素が無害な塩化物に置換生成される理由は
下記のように反応していることから明らかとなった。
下記のように反応していることから明らかとなった。
【0076】炭酸水素ナトリウム (NaHCO3)+(HCl)→(NaCl)+(H
2O)+(CO2) 炭酸水素カリウム (KHCO3)+(HCl)→(KCl)+(H2O)+
(CO2) 水酸化ナトリウム (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O) 水酸化カリウム (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H2O) 特に炭酸水素系の場合の効果が顕著であるが、これは、
塩化水素(HCl)が分解析出する温度(250℃以
上)以下の温度でまず、CO2が分離することで、残り
のNaOH,KOHと発生したHClとの反応がスムー
ズに行える雰囲気状態となっているものと考えられる。
2O)+(CO2) 炭酸水素カリウム (KHCO3)+(HCl)→(KCl)+(H2O)+
(CO2) 水酸化ナトリウム (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O) 水酸化カリウム (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H2O) 特に炭酸水素系の場合の効果が顕著であるが、これは、
塩化水素(HCl)が分解析出する温度(250℃以
上)以下の温度でまず、CO2が分離することで、残り
のNaOH,KOHと発生したHClとの反応がスムー
ズに行える雰囲気状態となっているものと考えられる。
【0077】すなわち、反応状態は、 炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)→(NaOH)+(CO2) (NaOH)+(HCl)→(NaCl)+(H2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (KOH)+(HCl)→(KCl)+(H2O) となり、NaOH、KOHとHClとが迅速に反応して
無害な塩化物(NaCl,KCl)を新たに生成するも
のである。
無害な塩化物(NaCl,KCl)を新たに生成するも
のである。
【0078】一方、炭酸カルシウム(CaCO3)、消
石灰(Ca(OH)2)の場合には、同様に無害な塩化
物(CaCl)を生成するもののCaとの反応がスムー
ズでないものと思われる。
石灰(Ca(OH)2)の場合には、同様に無害な塩化
物(CaCl)を生成するもののCaとの反応がスムー
ズでないものと思われる。
【0079】上記のように生成した、NaCl,KCl
は無害な塩化物であり、上記物質以外にも、同様に、N
aCl,KClを生成するナトリウム系、カリウム系の
下記の物質があり、同様な効果が得られる。
は無害な塩化物であり、上記物質以外にも、同様に、N
aCl,KClを生成するナトリウム系、カリウム系の
下記の物質があり、同様な効果が得られる。
【0080】炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、セスキ炭酸ナ
トリウム、天然ソーダ。
リウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、セスキ炭酸ナ
トリウム、天然ソーダ。
【0081】次に処理後の塩素系物質の確認を行った。
【0082】得られた残渣を分析した結果、有害な塩素
系ガス成分は検出されず、無害な塩化物である塩化ナト
リウム、塩化カリウムが検出された。更に残渣を10分
間撹拌して水洗浄することにより、塩化ナトリウム、塩
化カリウムは水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭
化物中にも有害な塩素系ガス成分は検出されなかった。
系ガス成分は検出されず、無害な塩化物である塩化ナト
リウム、塩化カリウムが検出された。更に残渣を10分
間撹拌して水洗浄することにより、塩化ナトリウム、塩
化カリウムは水に溶解し、炭化物が残存するが、この炭
化物中にも有害な塩素系ガス成分は検出されなかった。
【0083】従って、有害な塩素成分は、残渣の一部と
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシンの原因となる塩化水素を発生することはなく、排
ガス及び残渣の無害化が実現できる。
なる、塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム(K
Cl)、水分(H2O)、気体(CO2)となり、ダイオ
キシンの原因となる塩化水素を発生することはなく、排
ガス及び残渣の無害化が実現できる。
【0084】(B)、SOxの反応の場合 有害なSOxが無害な亜硫酸塩に置換生成される理由は
下記のように反応していることから明らかとなった。
下記のように反応していることから明らかとなった。
【0085】炭酸水素ナトリウム (NaHCO3)→(NaOH)+(CO2) (2NaOH)+(SO2)→(Na2SO3)+(H
2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (2KOH)+(SO2)→(K2SO3)+(H2O) 水酸化ナトリウム (2NaOH)+(SO2)→Na2SO3)+(2H
2O) 水酸化カリウム (2KOH)+(SO2)→(K2SO3)+(H2O) 炭酸ナトリウムカリウム (Na2HCO3+K2CO3)+(2SO2)→(Na2S
O3)+(K2SO3)+(2CO2) 特に炭酸水素系の場合の効果が顕著であるが、これは、
硫化ガス(SO2)が分解析出する温度(300℃以
上)以下の温度でまず、CO2が分離することで、残り
のアルカリ金属水酸化物(NaOH,KOH)と発生し
たSO2との反応がスムーズに行える雰囲気状態となっ
ているものと考えられる。
2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (2KOH)+(SO2)→(K2SO3)+(H2O) 水酸化ナトリウム (2NaOH)+(SO2)→Na2SO3)+(2H
2O) 水酸化カリウム (2KOH)+(SO2)→(K2SO3)+(H2O) 炭酸ナトリウムカリウム (Na2HCO3+K2CO3)+(2SO2)→(Na2S
O3)+(K2SO3)+(2CO2) 特に炭酸水素系の場合の効果が顕著であるが、これは、
硫化ガス(SO2)が分解析出する温度(300℃以
上)以下の温度でまず、CO2が分離することで、残り
のアルカリ金属水酸化物(NaOH,KOH)と発生し
たSO2との反応がスムーズに行える雰囲気状態となっ
ているものと考えられる。
【0086】すなわち、反応状態は、 炭酸水素ナトリウムの場合 (NaHCO3)→(NaOH)+(CO2) (2NaOH)+(SO2)→(Na2SO3)+(H
2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (2KOH)+(SO2)→(K2SO3)+(H2O) となり、NaOH、KOHとSO2とが迅速に反応して
無害な塩化物(Na2SO3、K2SO3)を新たに生成す
るものである。上記のように生成した、Na2SO3(亜
硫酸ナトリウム)、K2SO3(亜硫酸カリウム)は無害
な亜硫酸塩であり、上記物質以外にも、同様に、Na2
SO3、K2SO3を生成するナトリウム系、カリウム系
の下記の物質があり、同様の効果が得られる。
2O) 炭酸水素カリウム (KHCO3)→(KOH)+(CO2) (2KOH)+(SO2)→(K2SO3)+(H2O) となり、NaOH、KOHとSO2とが迅速に反応して
無害な塩化物(Na2SO3、K2SO3)を新たに生成す
るものである。上記のように生成した、Na2SO3(亜
硫酸ナトリウム)、K2SO3(亜硫酸カリウム)は無害
な亜硫酸塩であり、上記物質以外にも、同様に、Na2
SO3、K2SO3を生成するナトリウム系、カリウム系
の下記の物質があり、同様の効果が得られる。
【0087】炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、セスキ炭酸ナ
トリウム、天然ソーダ。
リウムカリウム、炭酸ナトリウム水和物、セスキ炭酸ナ
トリウム、天然ソーダ。
【0088】次に、処理後の硫化物の確認を行った。
【0089】得られた残渣を分析した結果、有害なSO
xガス成分は検出されず、無害な亜硫酸塩であるカリウ
ム金属塩(Na2SO3,K2SO3)が検出された。
xガス成分は検出されず、無害な亜硫酸塩であるカリウ
ム金属塩(Na2SO3,K2SO3)が検出された。
【0090】更に残渣を10分間撹拌して水洗浄するこ
とにより、亜硫酸塩のアルカリ金属塩は水に溶けやす
く、加水分解してアルカリ性を呈し、 (Na2SO3)+(2H2O)→(2NaOH)+(H2
SO3) (K2SO3)+(2H2O)→(2KOH)+(H2SO
3) これらの物質は水に溶解し、炭化物が残存するが、この
炭化物中にも有害なSOxガス成分は検出されなかっ
た。
とにより、亜硫酸塩のアルカリ金属塩は水に溶けやす
く、加水分解してアルカリ性を呈し、 (Na2SO3)+(2H2O)→(2NaOH)+(H2
SO3) (K2SO3)+(2H2O)→(2KOH)+(H2SO
3) これらの物質は水に溶解し、炭化物が残存するが、この
炭化物中にも有害なSOxガス成分は検出されなかっ
た。
【0091】従って、有害なSOx成分は、残渣の一部
となる、亜硫酸ナトリウム(粉末)(Na2SO3)、亜
硫酸カリウム(粉末)(K2SO3)、水分(H2O)、
気体(CO2)となり、SOxガスの発生は防止され、
分解ガス及び残渣からSOxガスの無害化が実現できる
ことが確認できた。
となる、亜硫酸ナトリウム(粉末)(Na2SO3)、亜
硫酸カリウム(粉末)(K2SO3)、水分(H2O)、
気体(CO2)となり、SOxガスの発生は防止され、
分解ガス及び残渣からSOxガスの無害化が実現できる
ことが確認できた。
【0092】このような、有害成分処理に使用する処理
剤としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物
質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム
系の物質 (4)脱硫剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、から選択した単体、複
数種の混合が適合することも判明した。
剤としては、 (1)アルカリ金属化合物の単体、複数種の混合 (2)アルカリ金属化合物は、水酸化物、炭酸化物の物
質 (3)水酸化物、炭酸化物は、ナトリウム系、カリウム
系の物質 (4)脱硫剤は、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウ
ム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、から選択した単体、複
数種の混合が適合することも判明した。
【0093】従って、発生する分解ガス中の有害成分
(塩素系ガス及び硫黄酸化物系ガス)と加えた処理剤と
の接触反応により、有害成分が無害な塩化ナトリウム
(NaCl、KCl)及び亜硫酸塩(Na2SO3、K2
SO3)に置換生成されるので、分解ガスおよび残渣か
ら有害な成分(塩素系ガス及び硫黄酸化物系ガス)を無
くすることができ、無害な分解ガスおよび無害な残渣と
することができる。
(塩素系ガス及び硫黄酸化物系ガス)と加えた処理剤と
の接触反応により、有害成分が無害な塩化ナトリウム
(NaCl、KCl)及び亜硫酸塩(Na2SO3、K2
SO3)に置換生成されるので、分解ガスおよび残渣か
ら有害な成分(塩素系ガス及び硫黄酸化物系ガス)を無
くすることができ、無害な分解ガスおよび無害な残渣と
することができる。
【0094】この無害化された残渣(被処理物)は、第
2の加熱処理炉20で炭化等による減容化が行われ、反
応生成物の無害な塩化ナトリウム、亜硫酸塩とともに溶
解槽34に取り出される。この塩化ナトリウム、亜硫酸
塩は水などの溶液で洗浄することにより、効果的に除去
できる。
2の加熱処理炉20で炭化等による減容化が行われ、反
応生成物の無害な塩化ナトリウム、亜硫酸塩とともに溶
解槽34に取り出される。この塩化ナトリウム、亜硫酸
塩は水などの溶液で洗浄することにより、効果的に除去
できる。
【0095】以上のように、被処理物の含有する有害成
分を分解析出させると同時にアルカリ金属化合物と反応
させる分解反応手段と、その後の被処理物を加熱して減
容化する手段とを別の加熱処理炉で行うと、 (1)実験の結果から明らかなように、塩素成分及び硫
黄成分を含有する廃棄物等の被処理物を加熱処理した場
合には、有害な塩素系ガスおよび硫黄酸化物系ガスが分
解析出するが、アルカリ金属化合物と、発生した有害成
分とが反応して無害な塩類を置換生成するので、分解ガ
スと残渣の両方の無害化が実現でき、しかも、残渣中の
生成した塩類は、水などの溶液によって除去でき、除去
溶液中にも有害成分は析出しないので、安全に廃棄物を
処理できる。
分を分解析出させると同時にアルカリ金属化合物と反応
させる分解反応手段と、その後の被処理物を加熱して減
容化する手段とを別の加熱処理炉で行うと、 (1)実験の結果から明らかなように、塩素成分及び硫
黄成分を含有する廃棄物等の被処理物を加熱処理した場
合には、有害な塩素系ガスおよび硫黄酸化物系ガスが分
解析出するが、アルカリ金属化合物と、発生した有害成
分とが反応して無害な塩類を置換生成するので、分解ガ
スと残渣の両方の無害化が実現でき、しかも、残渣中の
生成した塩類は、水などの溶液によって除去でき、除去
溶液中にも有害成分は析出しないので、安全に廃棄物を
処理できる。
【0096】従って、ダイオキシン類を生成する塩素系
ガスの除去、大気汚染を促進する硫黄酸化物系ガスの除
去を効果的に行うことができる。
ガスの除去、大気汚染を促進する硫黄酸化物系ガスの除
去を効果的に行うことができる。
【0097】(2)被処理物の含有する有害物質を分解
析出させる分解反応工程において、被処理物と処理剤の
アルカリ金属化合物とを共に加熱しているので、分解析
出したガスと処理剤との接触反応は迅速に、且つ確実に
行われ、無害な塩類を生成して排ガス中には、有害成分
は存在しない。よって、ダイオキシンの生成は防止され
る。
析出させる分解反応工程において、被処理物と処理剤の
アルカリ金属化合物とを共に加熱しているので、分解析
出したガスと処理剤との接触反応は迅速に、且つ確実に
行われ、無害な塩類を生成して排ガス中には、有害成分
は存在しない。よって、ダイオキシンの生成は防止され
る。
【0098】また、煙道の腐食もなく、高温の排ガス又
は高温にして、熱源、燃料として安全に使用できる。
は高温にして、熱源、燃料として安全に使用できる。
【0099】分解ガスは無害なものであるから、再利用
のため燃料(タービン、ボイラなど)として利用でき
る。
のため燃料(タービン、ボイラなど)として利用でき
る。
【0100】(3)塩素系ガスを除去した被処理物を加
熱して減容化する減容化工程は、先の分解反応工程の加
熱処理炉とは別の加熱処理炉で行うので、減容化工程で
は残渣中には有害成分に起因して生成されるダイオキシ
ン類は存在しないので、ダイオキシン類が残渣(炭化
物,灰類)に吸着混入することはなく、残渣の無害化が
実現でき、残渣から金属,炭化物を取り出して再利用で
きる。
熱して減容化する減容化工程は、先の分解反応工程の加
熱処理炉とは別の加熱処理炉で行うので、減容化工程で
は残渣中には有害成分に起因して生成されるダイオキシ
ン類は存在しないので、ダイオキシン類が残渣(炭化
物,灰類)に吸着混入することはなく、残渣の無害化が
実現でき、残渣から金属,炭化物を取り出して再利用で
きる。
【0101】
【発明の効果】本発明は、上記のように、加熱処理炉の
円筒体の適材適所に夫々加熱コイルを配設し、各加熱コ
イルに三相電源を接続し、且つ切換手段により加熱コイ
ルの選択使用ができるようにしたので、商用三相電源が
そのまま使用でき、また単一の加熱処理炉のみではな
く、複数の加熱処理炉にも適用でき、更に、最も加熱が
必要な箇所に適切に回路を切換えてエネルギーを供給す
ることができるので、効果的に被処理物を加熱処理する
ことができるという効果を奏する。
円筒体の適材適所に夫々加熱コイルを配設し、各加熱コ
イルに三相電源を接続し、且つ切換手段により加熱コイ
ルの選択使用ができるようにしたので、商用三相電源が
そのまま使用でき、また単一の加熱処理炉のみではな
く、複数の加熱処理炉にも適用でき、更に、最も加熱が
必要な箇所に適切に回路を切換えてエネルギーを供給す
ることができるので、効果的に被処理物を加熱処理する
ことができるという効果を奏する。
【図1】本発明の第1の実施の形態の概念図。
【図2】本発明の加熱コイルの接続図。
【図3】加熱コイルの説明図。
【図4】本発明の第2の実施形態の概念図。
1,1′…加熱処理炉 2,2′…円筒体 3,3′…供給口 4,4′…排出口 5,6,5′,6′…加熱コイル 7,7′…供給側ダクト 8,8′…排出側ダクト 9…開閉扉 COS…切換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F27D 11/02 ZAB H05B 6/04 311 11/06 ZAB B09B 3/00 ZAB H05B 6/04 311 302F
Claims (8)
- 【請求項1】 一端側に被処理物を供給する供給口およ
び他端側にこれを排出する排出口を有し、略水平位置に
配置した円筒体と、該円筒体の内部に設けられ被処理物
を供給口側から排出口側に撹拌しながら移送させる手段
と、この円筒体を外部から加熱する加熱手段とで加熱処
理炉を構成し、前記加熱手段は、円筒体に近接して加熱
コイルを少なくとも3箇設け、該加熱コイルに三相電源
を接続して加熱する電気的加熱手段としたことを特徴と
する被処理物の加熱処理装置。 - 【請求項2】 一端側に被処理物を供給する供給口およ
び他端側にこれを排出する排出口を有し、略水平位置に
配置した円筒体と、該円筒体の内部に設けられ被処理物
を供給口側から排出口側に撹拌しながら移送させる手段
と、この円筒体を外部から加熱する加熱手段とで加熱処
理炉を構成し、該加熱処理炉を少なくとも2基配置し、
これら各加熱処理炉の加熱手段は、一方の加熱処理炉の
円筒体に2つの加熱コイルを設けて、他方の加熱処理炉
に少なくとも一つの加熱コイルを設けて、これら加熱コ
イルに三相電源を接続して加熱する電気的加熱手段とし
たことを特徴とする被処理物の加熱処理装置。 - 【請求項3】 電気的加熱手段は、誘導加熱としたこと
を特徴とする請求項1又は2記載の被処理物の加熱処理
装置。 - 【請求項4】 電気加熱手段は、高周波誘導加熱とした
ことを特徴とする請求項1又は2記載の被処理物の加熱
処理装置。 - 【請求項5】 三相電源の少なくとも一相を切換手段を
介して2つの加熱コイルに接続したことを特徴とする請
求項1又は2記載の被処理物の加熱処理装置。 - 【請求項6】 加熱コイルは、円筒体の外周を巻回する
導体で形成したことを特徴とする請求項1ないし5のい
ずれか1項に記載の被処理物の加熱処理装置。 - 【請求項7】 加熱コイルは、渦巻状の導体を円筒体の
外表面に沿って円弧状に形成したことを特徴とする請求
項1ないし5のいずれか1項に記載の被処理物の加熱処
理装置。 - 【請求項8】 円筒体は、鉄系材料からなることを特徴
とする請求項1又は2記載の被処理物の加熱処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10069621A JPH11273849A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 被処理物の加熱処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10069621A JPH11273849A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 被処理物の加熱処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11273849A true JPH11273849A (ja) | 1999-10-08 |
Family
ID=13408137
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10069621A Withdrawn JPH11273849A (ja) | 1998-03-19 | 1998-03-19 | 被処理物の加熱処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11273849A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008298977A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Kyushu Nissho:Kk | 熱処理装置 |
-
1998
- 1998-03-19 JP JP10069621A patent/JPH11273849A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008298977A (ja) * | 2007-05-30 | 2008-12-11 | Kyushu Nissho:Kk | 熱処理装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040823 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20060313 |