JP2001065831A - 被処理物の加熱処理方法。 - Google Patents

被処理物の加熱処理方法。

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JP2001065831A
JP2001065831A JP23623599A JP23623599A JP2001065831A JP 2001065831 A JP2001065831 A JP 2001065831A JP 23623599 A JP23623599 A JP 23623599A JP 23623599 A JP23623599 A JP 23623599A JP 2001065831 A JP2001065831 A JP 2001065831A
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treatment
temperature
treated
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
Nobuyuki Yoshioka
信行 吉岡
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物を加熱処理炉で加熱処理し、発生し
た分解ガスを燃焼炉で燃焼処理した後排出する場合、ダ
イオキシン類の発生を防止するため、加熱処理炉と分解
ガス燃焼炉の温度を稼働温度に立ち上げた後、被処理物
の投入が行われる。分解ガス燃焼炉の稼働温度は高いた
め、その温度に達するまで作業を待たなければならな
い。 【解決手段】 加熱処理炉が設定温度となるt2で加熱
処理炉にダミーの処理物を投入して分解ガスを発生さ
せ、燃焼炉に導入して燃焼し、t3でガス燃焼炉を設定
温度に立ち上げ、ここで被処理物の投入を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物等の被処理
物の加熱処理方法に関し、特に、被処理物から発生した
分解ガスを燃焼する分解ガス燃焼炉の炉内温度を、被処
理物の投入開始前に昇温して被処理物の処理開始を早
め、処理量の拡大を図るとともに、ハロゲン物質(塩素
など)等の有機性物質を含有する被処理物を乾留処理し
被処理物から分解析出する有害物質(塩化水素等)と処
理剤とを接触反応させて無害な塩化物を生成して、無害
な排ガスと無害な残渣を得るようにした加熱処理方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】産業廃棄物や一般廃棄物等の各種廃棄物
は多量の有機性物質(ハロゲン物質)を含有しており、
これを被処理物として加熱処理すると、各種の有害物質
(例えば、塩化水素、ダイオキシン類)が析出して排ガ
ス中に含まれていることは広く知られている。従って、
この排ガスを大気中にそのまま排出することはできない
ので、大気中に排出する前段階で排ガスの浄化処理を行
うこと(排出の抑制)が一般に行われる。
【0003】この排ガスの浄化装置として一般的な装置
として、特開平8−108026号などに示されている
バグフィルタ装置がある。この装置は、排ガスの浄化剤
として消石灰を使用して排ガス中の塩化水素、ダイオキ
シン類を除去するようにしている。
【0004】また、加熱処理により多量に発生した塩化
水素は、苛性ソーダなどで中和するか、塩酸にして回収
することも一般に行われている。
【0005】しかし、排ガス処理のための、バグフィル
タで使用した消石灰粉末、排ガス中の飛灰、焼却残渣
(焼却灰等)などの、排ガス以外の物にも塩素系ガス成
分は付着・吸着されて、猛毒のダイオキシン類を生成し
てしまうことが知られている。
【0006】一方、本願の出願人は、ハロゲン物質であ
る有機塩素化合物(塩化水素)が、従来の「排出の抑
制」でなく、「発生の抑制」を行うことで、塩化水素な
どの有害物質の発生を抑制し、排ガスの無害化と残渣の
無害化、塩素による処理装置の損傷の低減を行うことを
提案している。
【0007】即ち、被処理物にアルカリ物質の処理剤を
添加混合して所定の温度で加熱することで塩化水素を分
解析出させると同時に、添加混合している処理剤と接触
反応させて無害な塩化物に置換生成する技術を見出し、
既に、特開平9−155326号、特開平10−437
13号、特開平10−235186号、特開平10−2
35187号などで提案し、更に、処理剤を多孔質化し
て接触反応する面積を増加させて反応効果を高めた処理
剤も提案している(特開平10−193844号)。
【0008】これらの処理剤を使用し被処理物を加熱処
理して炭化物の残渣を得、この炭化物は多孔質である特
性から、土壌改良材、水質浄化剤、融雪剤、保温剤に使
用され、また、燃料としても利用できるなど、幅広い分
野でリサイクル品としての利用を可能としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】被処理物を加熱処理す
る場合、被処理物の加熱処理温度が低い温度域を通過す
る運転開始時と停止時に、ダイオキシン類が多く発生す
ることが知られている。これは、不完全燃焼領域が存在
することに起因しており、この不完全燃焼領域を形成し
ないように、運転開始と停止を極力少なくした運転条件
(例えば、24時連続運転)で処理することが推奨され
ている。
【0010】しかし、現実には、24時間連続運転する
には、被処理物を大量に集積する必要があり、被処理物
が連続して所定の量を確保できないとか、断続的に発生
する場合は実現できない。そこで、中・小規模の処理施
設では、加熱処理炉および分解ガス燃焼炉を、毎日運転
と停止を繰り返して処理することが行われる。この場
合、運転開始時の加熱処理炉および分解ガス燃焼炉が所
定の温度(稼働温度など)に昇温するまで立ち上げ時間
がかかる。特に、分解ガス燃焼炉は、構造上および設定
温度が800℃以上と高いため、時間がかかり、この時
間の短縮が、1日の作業時間の確保に重要なかぎとな
り、1日の被処理物の処理量に大きく影響する。
【0011】本発明は、このような課題に鑑み、分解ガ
ス燃焼炉の昇温時間を短縮し、昇温までの待ち時間を少
なくして、1日の作業時間を確保することを目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
発明者らは、加熱処理炉を24時間連続運転することな
く、少量の被処理物でも確実に、且つダイオキシン類を
発生させることなく安全に処理する方法として、被処理
物を乾留処理し、発生する塩化水素と接触反応して無害
な塩化物を生成するアルカリ物質の処理剤を添加混合し
て処理することで被処理物を無害化処理することを見出
し、且つ加熱処理炉の炉内温度が所定温度に到達した後
に、発生熱量の高い処理物(例えば、塩素を含有しない
か極少ないプラスチック類)を、加熱処理炉に先行投入
して分解ガス(乾留ガス、排ガスともいう)を発生さ
せ、この分解ガスを分解ガス燃焼炉に導入して燃焼させ
ることで分解ガス燃焼炉の炉内温度を短時間で所定の温
度に昇温することを見出した。本発明は、これらの知見
を基になされたものである。
【0013】しかして、上記の課題を解決するための手
段は、被処理物を加熱処理炉に投入して熱分解処理する
加熱処理工程と、この加熱処理時に発生した分解ガスを
分解ガス燃焼炉に導入して燃焼処理する工程を有する被
処理物の加熱処理方法であって、前記加熱処理工程の前
処理として加熱処理炉を加熱し、該加熱処理炉内の温度
があらかじめ設定した設定温度に達した後、発生熱量の
高いダミーの処理物を投入し、これを加熱処理して分解
ガスを発生させ、この分解ガスを分解ガス燃焼炉に導入
して燃焼させることで分解ガス燃焼炉内の温度をあらか
じめ設定した設定温度に達する昇温時間を短縮するよう
にする。
【0014】このようにすることで、分解ガス燃焼炉内
が所定温度に上がるまでの無駄な待ち時間が無くなり、
1日の被処理物の処理量を拡大することができる。
【0015】上記のダミーの処理物は、塩素成分を含有
しないか、又は少ないプラスチック類で、例えば、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アセタール樹
脂、ポリエチレンテレフタレート、PET、PBT等が
使用できる。
【0016】前記の加熱処理工程は、脱塩素処理と減容
化処理とを異なる少なくとも2つの加熱処理炉で行うこ
とが望ましい。
【0017】また、脱塩素処理および減容化処理する加
熱処理炉の炉内設定温度は、夫々200℃以上および3
00℃以上、分解ガス燃焼炉の炉内温度は750℃以上
とすることが望ましい。
【0018】そして、加熱処理炉での脱塩素処理は、被
処理物にアルカリ物質の処理剤を添加混合して加熱処理
し、発生した分解ガスの有害物質と処理剤とを接触反応
させて有害物質を無害な反応物に置換することで分解ガ
ス(排ガス)・残渣の無害化を図るようにする。
【0019】脱塩素処理に使用する処理剤は、アルカリ
物質の粉体で、被処理物に対して5〜30重量%添加す
ることが望ましい。
【0020】この、アルカリ物質は、加熱により被処理
物から分解析出する有害成分と反応して無害な塩化物を
生成するアルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ
土類金属、アルカリ土類金属化合物に含まれる物質の中
から、少なくとも1種類を選択、又は2種類以上の混合
物を含み、アルカリ金属は、Na,Kなど、アルカリ土
類金属は、Ca,Sr,Ba,Raなど、アルカリ土類
金属化合物は、石灰、消石灰、生石灰(炭酸カルシウ
ム)、ドロマイトなどである。
【0021】また、アルカリ金属化合物の処理剤は、水
酸化物、炭酸化物のナトリウム系、カリウム系の物質
で、 (a)炭酸水素ナトリウム、別称、酸性炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダ(俗称、重曹) (b)炭酸ナトリウム、別称、炭酸ソーダ、ソーダ、ソ
ーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ (c)セスキ炭酸ナトリウム、別称、二炭酸一水素ナト
リウム、三二炭酸水素ナトリウム、ナトリウムセスキカ
ーボネート (d)天然ソーダ、別称、トロナ (e)炭酸カリウム (f)炭酸水素カリウム (g)炭酸ナトリウムカリウム (h)水酸化ナトリウム (i)水酸化カリウム から選択した単体、又は複数種を混合したものを含む。
【0022】なお、塩化水素の無害化効果に対して苛性
ソーダは有効であるが、取り扱いに工夫が必要であり、
取り扱いが簡便で、それ自体無害である物質を選択する
ことが好ましい。
【0023】加熱処理炉を加熱するガス燃焼炉、排ガス
燃焼炉の燃料としては、LNG又はLPGを使用するこ
とが望ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。
【0025】図1は、本発明の加熱処理方法を適用する
被処理物の加熱処理装置の概念図で、該加熱処理装置
は、同じ構成の加熱処理炉を2基用い、第1の加熱処理
炉10に、被処理物を乾留し脱塩素処理の機能を持た
せ、第2の加熱処理炉20に、炭化又は灰化処理による
減容化処理の機能を持たせた場合である。
【0026】第1の加熱処理炉10は、内部に被処理物
を撹拌しながら移動させる羽根11a(図2を参照)を
有する回転自在の円筒体11と、該円筒体11の外周に
ガスダクトを形成し、熱ガスを導入して円筒体11を加
熱する加熱筒12と、円筒体11の一方の端部に設けら
れ、被処理物を円筒体11内に供給する供給口13と、
円筒体11の他方の端部に設けられた排出口14とで構
成され、この円筒体11は回転駆動手段15によって回
転駆動される。回転駆動手段15は駆動用モータ15
a、駆動歯車15b、円筒体11に設けられた従動歯車
15cから成る。
【0027】16は供給口13側を包囲する供給側ダク
ト、17は排出口14側を包囲する排出側ダクト、18
は動的シール(メカニカルシール)で、円筒体10の外
周に接するダクト16,17(図示省略)および加熱筒
12との接触部をシールしている。
【0028】19は円筒体11を両端側で回転自在に支
持する支持ローラーである。
【0029】第2の加熱処理炉20は、前記の第1の加
熱処理炉10とは基本的構成は同じである。よって、同
一又は相当部分には20の一桁を同じ数字とし(例え
ば、21は円筒体、22は加熱筒、29は支持ローラ
ー)説明を省略する。
【0030】30はホッパで、被処理物とアルカリ物質
からなる脱塩素材(以下、処理剤と称す)とを添加混合
して投入し、円筒体11の供給口13から円筒体11内
に供給する。被処理物としては、一般廃棄物、産業廃棄
物等の固形物や灰類、汚泥いずれでもよい。
【0031】また、このホッパ30は、破砕機能と処理
剤の混合機能を持たせ、固形物を破砕しながら処理剤と
混合してもよいし、また、あらかじめ破砕した被処理物
と処理剤とを混合して投入してもよい。
【0032】第1の加熱処理炉10の円筒体11と、第
2の加熱処理炉20の円筒体21とは上下方向に配設さ
れ、円筒体11の排出側ダクト17と供給側ダクト26
とは、ロータリーバルブ32を介して連通され、また、
第2の加熱処理炉20の円筒体21の排出側ダクト27
はロータリーバルブ33を介して溶解槽34に、加熱処
理後の炭化物又は処理灰を排出する。
【0033】35はガス燃焼炉で、LNG又はLPGの
燃料を燃焼して熱ガスを発生させる。この熱ガスは円筒
体21の外周に設けた加熱筒22内に供給され円筒体2
1を加熱した後、連絡管37を介して円筒体11の加熱
筒12内に送入し、この円筒体11を加熱した後、排出
管38から乾燥手段39の加熱に利用した後、排ガス冷
却部40に送り込まれる。
【0034】41は分解ガス燃焼炉で、第1の加熱処理
炉10および第2の加熱処理炉20内で加熱処理中に発
生する分解ガスを排ガス管e1およびe2を介して導入
し、燃焼処理する。
【0035】この分解ガス燃焼炉41でガスを燃焼して
タール分等の可燃成分を除去した後、排ガス冷却部40
でバグフィルタ42の使用適温まで冷却してバグフィル
タ42に送り込み、ここで清浄化して煙突43より排出
する。この冷却には熱交換器を使用して廃熱を利用しな
がら冷却するようにするとよい。
【0036】44は脱水手段で、溶解槽34内で減容化
された被処理物と反応した後の処理剤等を水に溶解した
ものを、この脱水手段44で固体物と液体とを分離し、
固体物は乾燥手段39で乾燥した後、炭化物などを取り
出す。一方、液体は排水処理手段45で、処理済みの処
理剤を回収し、中和剤等を注入して処理した後排水す
る。
【0037】次に、一連の被処理物の加熱処理方法を、
図3の加熱時間と温度との関係図を参照して説明する。
【0038】まず、被処理物を投入しない段階の時間t
1で、第2の加熱処理炉20(以下、減容炉と称す)、
第1の加熱処理炉10(以下、脱塩素炉と称す)および
分解ガス燃焼炉41の加熱運転を開始する。即ち、ガス
燃焼炉35と分解ガス燃焼炉41でLNG等の燃料を燃
焼させ、各炉を加熱する。
【0039】ガス燃焼炉35で発生した熱ガスは、減容
炉20の加熱筒22に供給され、円筒体21を加熱した
後、連絡管37から脱塩素炉10の加熱筒12内に送り
込まれ、円筒体11を加熱する。
【0040】このときの減容炉20の加熱温度は、被処
理物が炭化する温度(300℃〜600℃)に、また、
脱塩素炉10の加熱温度は、被処理物から有害物質が分
解析出する温度(200℃〜400℃)に加熱する。ま
た分解ガス燃焼炉41の加熱温度は800℃以上になる
ように加熱する。
【0041】このとき、分解ガス燃焼炉41は設定温度
が高いためと炉の構造上から、立ち上げに最も時間がか
かる。そこで、まず、脱塩素炉10の温度が設定温度
(200℃〜400℃)に達した時間t2のとき、脱塩
素炉10にダミーの処理物を投入して加熱し、ダミーに
よる分解ガスを発生させる。
【0042】この分解ガスは、分解ガス燃焼炉41に導
入されて燃焼される。この燃焼により、炉内の温度は急
速に上昇し、時間t3で分解ガス燃焼炉の設定温度(8
00℃以上)に達する。この時間t3に到達することを
見計らってホッパ30から被処理物と処理物とを混合し
たもの、又は混合しながら脱塩素炉10内に供給する。
【0043】なお、図3の丸線で囲んだ部分の点線は、
ダミーによる分解ガスを燃焼させなかった場合で、分解
ガス燃焼炉41の設定温度(800℃以上)は、被処理
物を加熱処理したときに発生するガスの燃焼熱を加味し
て設定されている。従って、分解ガス燃焼炉41の炉内
温度は、加熱開始時間t1から直線的に上昇し、700
℃〜750℃で脱塩素炉10に被処理物が投入される
と、所定時間後、分解ガスが発生し、これが分解ガス燃
焼炉41に導入されて燃焼し、点線で示すように時間t
4で設定温度となる。
【0044】ダミーの処理物としては、分解ガス発生量
が多く、これを燃焼したときに発生熱量が高く、且つ塩
素成分を含有しないか、又は少ないプラスチック類、例
えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アセ
タール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、PET、P
BT等が使用に適する。
【0045】この脱塩素炉10での加熱処理は、本例で
は、乾燥・脱塩素処理を行わせるもので、被処理物から
有害成分が析出する温度と時間を事前に調査して、被処
理物の性質を把握し、この調査結果を十分にカバーでき
る温度と時間で処理する。
【0046】なお、この時間と温度は、加熱処理炉の状
態(大きさ、加熱手段などの炉に依存する条件)、処理
量、処理時間、処理温度などにも関係するので、事前に
調査などを十分に行っておく必要があり、またデータを
取り蓄積しておく必要がある。
【0047】また、この脱塩素炉10での加熱処理は、
「燃焼、焼却」ではなく、低酸素雰囲気の乾留処理、
「蒸し焼き、熱分解」での処理とし、塩素系ガス等を被
処理物から分解析出して処理剤を反応させ、無害な塩類
を生成させる。
【0048】被処理物と混合又は添加する処理剤は、少
なくともHCl(塩化水素)と接触反応して無害な塩化
物を生成するアルカリ物質を使用する。例えば、本願の
出願人が先に出願した特開平9−155326号、特開
平10−43731号、特開平10−235186号、
特開平10−235187号に示すように、アルカリ土
類金属、アルカリ土類金属化合物、アルカリ金属、アル
カリ金属化合物で、具体的にはカルシウム、石灰、消石
灰、炭酸カルシウム、ドロマイト、珪酸塩(珪酸カルシ
ウムなど)、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セ
スキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムの中
から1種類選択するか、数種類混合して使用する。使用
量としては、被処理物に対して5〜30重量%を混合又
は添加する。
【0049】例えば、上記の炭酸水素ナトリウム(Na
HCO3)を使用した場合、第1の加熱処理炉である脱
塩素炉内においてHCl成分の分解ガスが発生するが、
直ちに炭酸水素ナトリウムと反応して(NaHCO3
+(HCl)→(NaCl)+(H2O)+(CO2)と
なり、無害な塩化ナトリウム(NaCl)を生成し、分
解ガスから有害なHClが無くなる。このことによっ
て、分解ガス中のHCl成分の無害化と残渣の無害化が
同時に行われる。
【0050】この有害成分を析出した後の被処理物はダ
クト17、ロータリーバルブ32、ダクト26を介して
減容炉20の円筒体21の供給口23に送り込まれ、こ
こで被処理物が炭化する温度(300℃〜600℃)で
加熱して炭化処理、又は800℃以上に加熱して灰化処
理して減容化する。
【0051】この減容化処理する減容炉20内には、H
Cl等の有害成分、ダイオキシン類を含む分解ガスは存
在しないので、炭化又は灰化した被処理物にはこれを吸
収することはない。
【0052】この減容化した被処理物と、反応後の処理
剤はダクト27、ロータリーバルブ33を介して溶解槽
34内に排出される。この溶解槽34内で、減容化され
た被処理物、反応した後の処理剤等を水に溶解し、これ
を脱水手段44で固体物と液体とを分離して、固体物は
乾燥手段39で乾燥した後取り出し、一方、液体は水処
理手段45で中和剤等を注入して処理した後排水する。
【0053】減容炉20の温度制御は、ガス燃焼炉35
による燃料供給量の制御によって、また脱塩素炉10の
温度制御は連絡管37に温度調整空気36の送風量を調
整することで行うことができる。
【0054】一方、脱塩素炉10および減容炉20で発
生した分解ガスは、ガス排出管e1およびe2から分解ガ
ス燃焼炉41に導入され燃焼される。この分解ガス燃焼
炉41での燃焼は、ダイオキシン類を生成されないよう
に850℃とされているので、この温度に近い800℃
〜900℃が望ましい。
【0055】この分解ガス燃焼炉41でタール分等の可
燃性成分および残存する有害物質を燃焼して除去した
後、排ガス冷却部40でバグフィルタ42の使用適温に
まで冷却し、バグフィルタ42を介して煙突43から排
出される。
【0056】上記の加熱処理炉での加熱処理で生じた分
解ガス中には、前記のように基本的に有害な塩素系ガス
は含まれていないが、被処理物の性質は千差万別であ
り、また、処理条件等により不完全反応等の原因によ
り、塩素成分を完全に除去できない場合も起こり得る
が、燃焼することで分解し、完全に除去される。
【0057】加熱処理炉の加熱を停止する場合は、図3
に示すように、まず時間t5で被処理物の投入を停止
し、停止後、加熱処理された被処理物が全て排出される
時間を見計らった時間t6で減容炉20および脱塩素炉
10の加熱を停止する。そして、分解ガス燃焼炉41
は、減容炉20および脱塩素炉10の加熱停止後も燃焼
を継続し、所定時間(30〜60分)後の時間t7で、
ガス燃焼炉41の運転(燃焼)を停止する。
【0058】なお、脱塩素炉10および減容炉20の回
転停止は、炉内温度が200℃以下になったときに停止
することが好ましい。
【0059】このように分解ガス燃焼炉41の運転を最
後に停止させると次の効果がある。
【0060】即ち、脱塩素炉10、減容炉20内には、
分解ガスが残存しており、これをブロアにより誘導排出
しているが、このガスを未燃焼のまま排出すると、悪臭
を伴った排ガスを排出することになり、しかも、有害物
質を含んだ排ガスを排出する恐れもある。従って、脱塩
素炉、減容炉の停止後も燃焼を継続することでその恐れ
は解消される。
【0061】このように、被処理物の加熱処理および排
ガスの燃焼処理におけるダイオキシンの発生原因となる
低温領域での不完全燃焼を無くしたので、毎日運転・停
止を繰り返してもダイオキシン類の発生の恐れがない。
【0062】そして、設定温度に立ち上がる時間の最も
長い分解ガス燃焼炉の昇温時間を短縮することができる
ので、(30〜60分)1日の処理時間を延ばし処理量
を拡大することができる。
【0063】従って、1日の廃棄物の処理作業を、例え
ば、午前8時に開始し、被処理物の投入開始は、30〜
60分後、作業停止は、午後3時、終了は午後5時とな
るような運転サイクルを定め、加熱処理施設の各種の機
器をこのサイクルに合うように構成することで、無駄時
間が少なく好ましい中・小規模の処理施設が実現でき
る。
【0064】
【発明の効果】本発明は以上のように、分解ガス量およ
び/又は発熱量の高いダミーの処理物を先行して加熱処
理炉に投入して分解ガスを発生させ、これを分解ガス燃
焼炉に導入して燃焼し、分解ガス燃焼炉内の温度を短時
間で設定温度に上昇するようにしたので、1日毎運転、
停止を繰り返す中・小規模の加熱処理施設に適用した場
合の、運転開始時の待ち時間を短縮でき、1日の作業時
間を有効に活用でき、被処理物の処理量を拡大すること
ができる。
【0065】また、加熱処理炉の加熱停止時には、被処
理物の投入を停止し、加熱処理された被処理物の排出完
了後、所定時間をおいて排ガス燃焼炉の運転を停止する
ようにしたので、一般的に言われている、運転開始時と
停止時における不完全燃焼によるダイオキシン類の発生
はなく、しかも、アルカリ物質の処理剤を添加・混合し
て塩化水素と接触反応させて無害な塩化物に置換してい
るので、無害な排ガスと残渣を得ることができ、運転開
始・停止時のみならず、全処理工程において安全、且つ
安定した加熱処理が出来る、等環境上極めて好ましい処
理効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の加熱処理方法を説明するための被処理
部の加熱処理装置の概念図。
【図2】回転円筒体の断面図。
【図3】本発明の加熱処理方法を説明するための加熱時
間−加熱温度の関係図。
【符号の説明】
10,20…加熱処理炉 11,21…円筒体 12,22…加熱筒 13,23…供給口 14,24…排出口 15,25…回転駆動手段 16,26…供給側ダクト 17,27…排出側ダクト 18…動的シール 19,29…支持ローラー 30…ホッパ 31,32,33…ロータリーバルブ 34…溶解槽 35…ガス燃焼炉 36…温度調整空気 37…連絡管 38…排出管 39…乾燥手段 40…排ガス冷却部 41…分解ガス燃焼炉 42…バグフィルタ 43…煙突 44…脱水処理 45…排水処理手段
フロントページの続き Fターム(参考) 3K061 AA07 AB02 AC01 AC11 BA02 BA08 BA10 CA01 FA04 FA25 3K078 AA02 AA08 AA10 BA08 BA26 CA02 CA24 4D004 AA46 AB07 BA03 CA13 CA15 CA24 CA41 CA42 CB09 CC02 CC12 DA02 DA03 DA06 DA10

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を加熱処理炉に投入して熱分解
    処理する加熱処理工程と、この加熱処理時に発生した分
    解ガスを分解ガス燃焼炉に導入して燃焼処理する工程を
    有する被処理物の加熱処理方法であって、前記加熱処理
    工程の前処理として加熱処理炉を加熱し、該加熱処理炉
    内の温度があらかじめ設定した温度に達した後、該加熱
    処理炉に発生熱量の高いダミーの処理物を投入し、これ
    を加熱処理して分解ガスを発生させ、この分解ガスを分
    解ガス燃焼炉に導入して燃焼させることで分解ガス燃焼
    炉内の温度をあらかじめ設定した設定温度に達する昇温
    時間を短縮するようにしたことを特徴とする被処理物の
    加熱処理方法。
  2. 【請求項2】 ダミーの処理物は、塩素成分を含有しな
    いか、少ないプラスチック類であることを特徴とする請
    求項1記載の被処理物の加熱処理方法。
  3. 【請求項3】 加熱処理工程は、脱塩素処理と減容化処
    理とを異なる少なくとも2つの加熱処理炉で行うことを
    特徴とする請求項1記載の被処理物の加熱処理方法。
  4. 【請求項4】 脱塩素処理および減容化処理する加熱処
    理炉の炉内設定温度は、夫々200℃以上および300
    ℃以上、分解ガス燃焼炉の炉内温度は、750℃以上と
    したことを特徴とする請求項1又は3記載の被処理物の
    加熱処理方法。
  5. 【請求項5】 脱塩素処理は、被処理物にアルカリ物質
    の処理剤を添加混合して加熱処理し、発生した分解ガス
    の有害物質と処理剤とを接触反応させて有害物質を無害
    な反応物に置換することで分解ガス・残渣の無害化を図
    ったことを特徴とする請求項3又は4記載の被処理物の
    加熱処理方法。
  6. 【請求項6】 処理剤はアルカリ物質の粉体で、被処理
    物に対して5〜30重量%添加することを特徴とする請
    求項3,4又は5のいずれか1項に記載の被処理物の加
    熱処理方法。
  7. 【請求項7】 アルカリ物質は、加熱により被処理物か
    ら分解析出する有害成分と反応して無害な塩化物を生成
    するアルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類
    金属、アルカリ土類金属化合物に含まれる物質の中か
    ら、少なくとも1種類を選択、又は2種類以上の混合物
    であることを特徴とする請求項5又は6記載の被処理物
    の加熱処理方法。
  8. 【請求項8】 アルカリ金属化合物は、炭酸水素ナトリ
    ウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、天然ソ
    ーダ、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウ
    ムカリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムから選
    択した単体、又は複数種の混合であることを特徴とする
    請求項7記載の被処理物の加熱処理方法。
  9. 【請求項9】 加熱処理炉を加熱するガス燃焼炉、分解
    ガス燃焼炉の燃料として、LNG又はLPGを使用した
    ことを特徴とする請求項1又は4記載の被処理物の加熱
    処理方法。
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