JP2000205753A - 被処理物の加熱処理方法と処理装置 - Google Patents

被処理物の加熱処理方法と処理装置

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JP2000205753A
JP2000205753A JP11011297A JP1129799A JP2000205753A JP 2000205753 A JP2000205753 A JP 2000205753A JP 11011297 A JP11011297 A JP 11011297A JP 1129799 A JP1129799 A JP 1129799A JP 2000205753 A JP2000205753 A JP 2000205753A
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JP
Japan
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processed
rotating
heat treatment
heating
treated
Prior art date
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JP11011297A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
Application filed by Meidensha Corp, Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd filed Critical Meidensha Corp
Priority to JP11011297A priority Critical patent/JP2000205753A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロータリーキルン方式による加熱処理装置
は、回転ドラムを一方向に回転させることで被処理物を
回転させながら供給口側から排出口側に搬送し、その間
において、所定の加熱制御(温度と時間)を行ってい
る。種々の加熱処理目的に適合した加熱処理を行うため
には回転ドラムの長さを長くする必要があった。 【解決手段】 回転ドラムを正転、逆転できるように
し、正転、逆転の運転時間を適宜調整することで、被処
理物の加熱処理炉1内での滞留時間の調整を可能とし、
短い寸法の回転ドラムでも処理時間を長く保てるように
したつ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種被処理物を加
熱処理目的に応じて加熱処理する被処理物の加熱処理方
法および加熱処理装置に関し、特に、回転円筒体(ロー
タリーキルン)内での加熱処理に関する。
【0002】
【従来の技術】各種の被処理物を加熱処理する際、回転
円筒体(ロータリーキルン)内に被処理物を投入して、
所定の温度と時間によって加熱処理目的に応じた加熱処
理が一般的に行われている。
【0003】各種の廃棄物を加熱処理する場合に例をと
ると、廃棄物の乾燥,熱分解,乾留,脱塩素処理、およ
び減容化のための炭化,灰化処理等の一連の工程(又は
独立した工程)を同一の加熱炉又は別々の加熱炉で夫々
の加熱処理目的に応じた温度と時間で加熱処理が行われ
ている。
【0004】また、セメントクリンカーの製造、廃棄物
以外の各種物質の乾燥等においても夫々の目的に応じた
加熱処理が行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般に、ロータリーキ
ルン方式による加熱処理装置は、回転ドラム(回転円筒
体)を一方向に回転させることで被処理物を回転させな
がら供給口側から排出口側に搬送し、その間において、
所定の加熱温度および加熱時間を制御して目的に応じた
加熱処理を行っている。
【0006】このときの加熱時間の制御は、回転ドラム
の回転数を増減変更することで搬送時間を制御するか、
又は回転ドラムの傾斜角度を変えることで、被処理物の
搬送速度を増減して、処理時間を調整している。
【0007】しかし、何れの制御方法も、同じ回転方向
においての加熱時間の制御であるので、次のような課題
が存在する。
【0008】(1)被処理物の性質は一定でないので、
被処理物の質的変動を勘案すれば、被処理物を加熱処理
目的に応じて安定に十分、確実に処理することには限界
があった。
【0009】(2)また、このようなことから、回転ド
ラムは、被処理物に対応した一定の長さが必要となり、
設置スペースは大きいものが必要となる。
【0010】(3)しかも、被処理物に応じた各種長さ
の回転ドラムを準備する必要があり、準備する煩雑さが
ある。
【0011】(4)更には、長尺の回転ドラムの場合に
は、加熱による熱膨張(特に、軸方向の)を考慮する必
要があり、シールの確保など各種の対策を考慮しておく
必要があり、熱対策設計が複雑なものになる問題があ
る。
【0012】このように、長尺の回転ドラムを用いる場
合には、解決しなければならない種々の課題が山積して
いるのが現状である。
【0013】本発明はこのような課題を解決するために
なされたもので、回転ドラムが短尺でも加熱処理時間を
任意に調整することができる新規の技術を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の従来の技術の有す
る課題に鑑み、本発明は回転円筒体(回転ドラム)を、
一方向だけでなく他方向、即ち、正転(被処理物の送り
方向)と逆転(被処理物を戻す方向)させ、この正転、
逆転の運転時間を適宜調整することにより、被処理物の
加熱処理炉内での滞留時間を自由に制御し、短尺の回転
円筒体でも加熱処理時間を長く保てるようにして、従来
技術の有する課題を解決したものである。
【0015】被処理物としては、無機物,有機物,有機
物質のいずれか又は混合して含む物質で、加熱処理目的
に応じた加熱温度および正転,逆転制御により被処理物
の加熱処理炉内での滞留時間を調整して加熱処理する。
【0016】また上記の課題を解決するためと装置とし
ては、被処理物を加熱する加熱手段および被処理物を供
給口側から排出口側に撹拌しながら移送する移送手段を
内部に有する回転円筒体を備えた被処理物の加熱処理装
置において、前記回転円筒体に、該回転円筒体を一方向
(正転)および他方向(逆転)に回転駆動させる回転駆
動手段を設けるものである。
【0017】また、加熱処理目的によって回転円筒体を
複数設け、各回転円筒体を異なる温度で加熱し、少なく
ともその中の一つに正転,逆転させる回転駆動手段を設
けて被処理物の加熱処理時間を制御可能とする。
【0018】回転駆動手段としては、駆動源を駆動モー
タで形成し、これを回転円筒体の両端側に設けて両駆動
モータを同一周波数電源で駆動する。このように両端側
の駆動モータを同一周波数電源で駆動すると回転数が同
期し、回転円筒体がスムーズに回転駆動される。
【0019】また、この回転駆動手段は、回転円筒体の
両端側に夫々2台の駆動モータを設けてもよい。このよ
うにすると、1台の駆動モータが焼損したときでも継続
運転が可能となる。
【0020】回転円筒体内の被処理物の移動手段として
は、回転円筒体の軸線に対して傾斜した送り羽根を、径
方向及び軸方向に複数枚設けて形成する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
によって説明する。
【0022】図1は本発明の加熱処理炉の基本構成の概
念図、図2および図3は加熱処理炉の加熱部分の説明図
で、図2は図1のA−A断面矢視図を示す。これらの図
において、1は加熱処理炉を示し、該加熱処理炉1は、
回転自在の回転円筒体2と、この回転円筒体2の外周に
ガスダクトを形成し熱ガスを導入して回転円筒体2を加
熱する加熱ジャケット3と、回転円筒体2を両端側で回
転自在に支承する支持ローラ4,4′と、回転円筒体2
を回転駆動する回転駆動手段5,5′とで構成され、ま
た回転円筒体2には一端側に被処理物を搬入する供給口
6、他端側に被処理物を排出する排出口7を有し、内部
には図2および図3に示すように回転円筒体の軸線に対
して傾斜した送り羽根2bが径方向及び軸方向に複数枚
設けられ、回転円筒体2が正回転のとき被処理物を供給
口6側から排出口7側に撹拌しながら移送し、逆回転の
とき、逆方向に戻し移送する。
【0023】加熱ジャケット3は、図示を省略してある
固定部材に固定支持され、回転円筒体2との接触部に
は、メカニカルシール8が施されている。
【0024】9は回転円筒体2の供給口6側を覆い被処
理物を回転円筒体内に供給する供給側ダクト、10は排
出口7側を覆い回転円筒体2内で処理された被処理物を
排出する排出側ダクトで、この排出側ダクト10には、
ロータリーバルブ11を有し、被処理物の排出量を調節
したり、空気の侵入を防止し、回転円筒体2内を低酸素
雰囲気に保持する。
【0025】12は熱ガス発生手段で、例えばLNG,
LPG等の燃料を燃焼させて熱ガスを発生させ、加熱ジ
ャケット3内に供給する。
【0026】支持ローラ4,4′は、図1および図2に
示すように、回転円筒体2の両端側に夫々4,4および
4′,4′の対の支持ローラからなり、また、回転駆動
手段5,5′は、両端側に設けられ、回転円筒体2を両
端側で駆動する構成としてる。
【0027】そして、この回転駆動手段5,5′は、例
えば、図1および図2に示すように、駆動モータ5a,
5′a,駆動歯車5b,5′bおよび回転円筒体2の外
周に設けた従動歯車2a,2′aから成り、駆動モータ
5a,5′aは図4にその1例を示すモータ制御装置3
0によって正転および逆転制御される。
【0028】モータ制御装置30は、一般の可変周波
数,可変電圧制御のインバータ装置により構成されてい
る。即ち、交流電力を一旦直流に変換した後、再び交流
電力に変換するインバータ部30aと、インバータのゲ
ートを制御する制御部30bから成り、手動運転スイッ
チHsおよび自動運転スイッチOsの選択操作により、
駆動モータ5a,5′aを駆動して回転円筒体2の回転
速度を設定する。
【0029】手動操作による速度設定の場合は、オペレ
ータが手動により設定器31を操作して駆動モータ5
a,5′aの回転数を調整する。
【0030】また、自動操作による速度設定の場合は、
外部の自動速度指令部32よりアナログ又はディジタル
信号を与え、この信号レベル(例えば、0〜10V,0
〜100%回転数)により、駆動モータ5a,5′aの
回転数を自動調整する。
【0031】この手動,自動運転スイッチHs又はOs
を選択して速度設定し、設定した速度指令を制御部30
bを介してインバータ部30aに与える。
【0032】回転方向の選択は、手動の場合は逆転指令
スイッチRsを操作することにより行い、また自動運転
の場合は、自動運転スイッチOsの投入を条件に制御部
30b内で設定された時間間隔で正転,逆転の切換が行
われる。
【0033】なお、図中Sはモータ制御装置30の始動
・停止スイッチを示している。
【0034】このように、回転駆動手段5,5′を回転
円筒体2の両側に各1台設けて、同一のモータ制御装置
30によって駆動すると、2台の駆動モータが同一周波
数電源で駆動されるため、両端側の駆動モータの回転数
が完全に同期し、回転円筒体がスムーズに回転駆動され
る。
【0035】また、この回転駆動手段としては、運転の
確実性を確保するために、駆動モータを4台使用し、回
転円筒体2の一端側(供給口側)に、図5に示すように
5,5を設け、他端側(排出口側)にも同様に5′,
5′を設けて選択的に運転して回転円筒体を正転、逆転
駆動するようにしてもよい。このようにすることで、1
台の駆動モータが焼損した場合でも継続運転が可能とな
る。
【0036】また、回転駆動手段は、上記の各例の如く
回転円筒体の両端側に必ずしも設ける必要はなく、中央
の1箇所にのみ設けても良いことは勿論である。
【0037】また、上述した回転駆動手段は、駆動モー
タからの動力の伝達手段として歯車を使用した場合につ
いて説明したが、必ずしも歯車による必要はなく、ロー
ラチェーン用のスプロケットを設け、ローラチェーンで
伝達するようにしてもよい。
【0038】以上の構成において被処理物の加熱処理
は、まず熱ガス発生手段12で熱ガスを発生させ、これ
を加熱ジャケット3内に送り込み、回転円筒体2を加熱
した後、排出管13から排出させる。次に、被処理物を
ホッパ14から供給側ダクト9に投入し、回転円筒体2
を回転駆動手段5によって正転して被処理物を排出口側
に送り、所定時間後逆転して被処理物を戻し、これを所
定回数繰り返しながら排出側ダクト10側に移送する。
【0039】この正転と逆転の運転モードは図6の
(A)又は(B)に示すように適宜選定し、被処理物の
回転円筒体内での滞留時間(処理時間)を任意に調整す
る。
【0040】このように、回転円筒体の回転を一方だけ
ではなく、正転,逆転して被処理物の加熱炉本体内の滞
留時間(処理時間)を調整することにより、滞留時間を
長く保てるようになる。このことにより、回転円筒体の
長手方向の寸法が短縮でき、また処理剤を投入したとき
は、発生ガスと処理剤との反応時間が長く確保でき、加
熱処理を確実にできる。
【0041】次に、本発明の加熱処理炉を、ハロゲン物
質等の有害成分を多量に含有する廃棄物などの被処理物
を、熱分解などの熱的処理を行った後、減容化処理する
加熱処理装置に適用した実施例について説明する。
【0042】図7はこの加熱処理装置の概念図で、図1
の加熱処理炉を2基用いて、第1の加熱処理炉で、乾燥
および後述する被処理物の無害化のための分解反応処理
を行い、第2の加熱処理炉で炭化等による減容化処理を
行う場合である。
【0043】図7において100は第1の加熱処理炉、
200は第2の加熱処理炉を示す。これら第1および第
2の加熱処理炉100および200は、図1に示した加
熱処理炉1と同じ構成をなす。
【0044】従って、図1と同じ部分には、100およ
び200の1の桁および10の桁にこれと同じ符号を付
して詳細な説明を省略し、異なる部分を重点的に説明す
る。
【0045】第1の加熱処理炉100と第2の加熱処理
炉200とは上下方向に配置し、且つ第2の加熱処理炉
200は供給口206側を第1の加熱処理炉100の排
出口107側に位置して配設し、排出側ダクト10を供
給口206の部分まで延設し、該排出側ダクト10で排
出口107と供給口206とを覆い、その中間にロータ
リーバルブ111を設ける。
【0046】また、熱ガス発生手段12で発生した熱ガ
スは、第2の加熱処理炉200の加熱ジャケット203
に供給し、第2の加熱処理炉200の回転円筒体202
を加熱した後、連絡管15を介して第1の加熱処理炉1
00の加熱ジャケット103内に供給される。このと
き、温度調整用の空気24を送り込み、熱ガスの温度を
調整する。
【0047】14はホッパで、被処理物と脱塩素剤等の
処理剤とを混合した混合物、又は混合しながら供給側ダ
クト109を介して回転円筒体102内に供給する。
【0048】16はガス燃焼手段で、第1および第2の
加熱処理炉100および200で加熱処理中に発生した
分解ガス(排ガス)をガス導出管25,26で導出して
タール分等の可燃性分を燃焼させ、排ガス冷却手段17
で冷却した後、バクフィルタ18で浄化して煙突19か
ら排出する。
【0049】20は溶解槽で、第2の加熱処理炉200
で加熱処理した被処理物と反応によって生成された塩化
物等を排出側ダクト210から排出されるのを受け、こ
れを水洗いして塩化物等を除去した後、脱水手段21で
脱水し、乾燥手段22で乾燥して炭化物等を取り出す。
23は排水処理手段で、溶液槽20からの水および脱水
時に発生する水分を無害処理した後、排水する。
【0050】第1の加熱処理炉100を加熱した熱ガス
は、排気管13からガス管27を介して乾燥手段22の
加熱源として利用した後、排ガス冷却手段17で冷却し
た後、バクフィルタ18を介して煙突19より排出す
る。
【0051】なお、排ガス冷却手段17での冷却は、残
存熱を熱交換器等により、熱を利用することで冷却すれ
ば、熱の有効利用が図れる。また冷却用の空気を混入す
ることで冷却する。
【0052】またガス燃焼手段16を設けることなく、
第1および第2の加熱処理炉で発生した排ガスを熱ガス
発生手段12に導入して燃料とともに燃焼させ、熱ガス
発生に利用してもよい。
【0053】次に一連の処理方法について説明する。ま
ず、熱ガス発生手段12でLNG等の燃料を燃焼して熱
ガスを発生させ、第2の加熱処理炉200の加熱ジャケ
ット203に供給して回転円筒体202を加熱した後、
連絡管15を介して第1の加熱処理炉100の加熱ジャ
ケット103に送り込み、回転円筒体102を加熱す
る。
【0054】次に、ハロゲン物質等の有害成分を含有す
る被処理物を破砕して細かくしたもの(または混合しな
がら破砕)と脱塩素剤等の処理剤とを混合したもの、又
は混合しながらホッパ14から供給側ダクト109を介
して第1の加熱処理炉100の回転円筒体102内に供
給する。
【0055】この第1の加熱処理炉100での加熱処理
は、被処理物から塩素系ガスが析出する温度と時間を事
前に調査して、被処理物の性質を把握し、この調査結果
を十分にカバーできる温度(例えば、200℃〜350
℃)と時間で処理する。この加熱時間は、図6に示すよ
うに、回転円筒体102の正転時間および逆転時間を適
宜調整して行い、温度の調整は、連絡管15に供給する
温度調整用の空気24の供給量によって行う。
【0056】この第1の加熱処理炉での加熱は、燃焼,
焼却ではなく、低酸素雰囲気中での蒸し焼き、熱分解で
の処理とし、熱分解により析出したHClガス等の有害
成分と処理剤とを接触反応させる。
【0057】被処理物と混合又は添加する処理剤は、少
なくともHCl(塩化水素)と接触反応して無害な塩化
物を生成するアルカリ物質を使用する。例えば、本願の
出願人が先に出願した特開平9−155326号,特開
平10−43731号,特開平10−235186号,
特開平10−235187号に示すように、アルカリ土
類金属,アルカリ土類金属化合物,アルカリ金属,アル
カリ金属化合物で、具体的には、カルシウム、石灰、消
石灰、炭酸カルシウム、ドロマイト、珪酸塩(珪酸カル
シウムなど)、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、
セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム
の中から1種類選択するか、数種類混合して使用する。
使用量としては、被処理物に対して5〜30重量%を混
合又は添加する。
【0058】例えば、上記の炭酸水素ナトリウム(Na
HCO3)を使用した場合、第1の加熱処理炉100内
においてHCl成分の分解ガスが発生するが、直ちに炭
酸水素ナトリウムと反応して(NaOH)+(HCl)
→(NaCl)+(H2O)となり、無害な塩化ナトリ
ウム(NaCl)を生成し、分解ガスから有害なHCl
が無くなる。このことによって、分解ガス中のHCl成
分の無害化と残渣の無害化が同時に行われる。
【0059】この有害成分を析出し、無害化した後の被
処理物(残渣)は、排出側ダクト10,ロータリバルブ
111を介して第2の加熱処理炉200の回転円筒体2
02の供給口206に送り込まれ、ここで被処理物が炭
化する温度(紙類は350℃程度で炭化が始まる。)3
50℃〜700℃に加熱して炭化処理、又は800℃以
上に加熱して灰化処理して減容化する。この減容化工程
の第2の加熱処理炉での加熱処理も、回転円筒体202
を正転および逆転させることにより、被処理物の滞留時
間を調整し、均等な加熱処理を行う。
【0060】この場合、第2の加熱処理炉200内に
は、HCl成分を含む分解ガスは存在しないので、炭化
又は灰化した被処理物はこれを吸収することはない。
【0061】この減容化した被処理物と、反応後の塩化
ナトリウムは、排出側ダクト210およびロータリーバ
ルブ211を介して溶解槽20に排出される。この溶解
槽20内で、減容化された被処理物,反応後の処理剤
(塩化ナトリウム)を水に溶解し、水に溶解した塩化ナ
トリウムを排水処理手段23に排出し、残りの固形物は
脱水手段21で脱水してこれを乾燥手段22で乾燥し、
炭化物等の固形物を取り出す。取り出され固形物は、物
性に応じて分別して、再利用に供する。
【0062】一方、第1および第2の加熱処理炉100
および200で加熱処理中に発生した排ガス(分解ガ
ス,乾留ガス)は、ガス導出管25および26を介して
ガス燃焼手段16に送り込み、ここで燃焼させる。
【0063】この排ガスには、塩化水素などの有害成分
は、第1の加熱処理炉100における反応処理によって
基本的には除去されているが、何等かの事由により反応
しきれず排ガス中に残存する可能性もある。また、ター
ル等の可燃性分も含まれているので、ガス燃焼手段16
で燃焼した後、排ガス冷却手段17で、バグフィルタ1
8の耐熱許容温度以下に下げて、バグフィルタ18で清
浄して煙突19から排出する。
【0064】以上の実施の形態例においては、第1およ
び第2の加熱処理炉の両方を正転、逆転する構成につい
て説明したが、いずれか一方のみ正転、逆転可能として
もよいことは勿論である。
【0065】
【発明の効果】本発明は以上のように、加熱処理炉の回
転円筒体を正転および逆転して投入した被処理物を前進
および後進させ、回転円筒体内に被処理物を充分に、又
任意時間滞留することができるようにしたので、次の効
果を奏する。
【0066】(1)被処理物の質的変動があっても、被
処理物を処理目的に応じて安定に十分・確実に処理する
ことができる。
【0067】(2)正逆転することから、被処理物を回
転円筒体内で充分に撹拌でき、加熱効果の均一化と分解
反応などの目的の熱処理を確実に行うことができる。
【0068】(3)また、このような事からも、回転円
筒体の長さは短くても充分である。
【0069】(4)しかも、被処理物に応じた各種長さ
の回転円筒体を準備しなくても、適切に正逆転を繰り返
すことができるので、被処理物の物性、処理時間に対応
して回転円筒体を準備しなくても、単一寸法の回転円筒
体で共用することが可能しなり、装置としての性能面の
安定性が確保できる。
【0070】(5)更には、回転円筒体の短縮化ができ
ることから、加熱による熱膨張(特に軸線方向)を考慮
する範囲は小さくてよく、シールの確保など各種対策の
点において極めて有利となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の基本構成の概念図。
【図2】図1のA−A断面矢視図。
【図3】図1の回転円筒体の説明図。
【図4】本発明の回転駆動手段の説明図。
【図5】回転駆動手段の他の実施例の説明図。
【図6】本発明の運転モードの説明図。
【図7】本発明の実施の形態例の概念図。
【符号の説明】
1,100,200…加熱処理炉 2,102,202…回転円筒体 3,103,203…加熱ジャケット 4,104,204…支持ローラ 5,105,205…回転駆動手段 6,106,206…供給口 7,107,207…排出口 8…メカニカルシール 9…供給側ダクト 10,210…排出側ダクト 11,111,211…ロータリーバルブ 12…熱ガス発生手段 13…排気管 14…ホッパ 15…連絡管 16…ガス燃焼手段 17…排ガス冷却手段 18…バグフィルタ 19…煙突 20…溶解槽 21…脱水手段 22…乾燥手段 23…排水処理手段 24…冷却用空気 25,26…ガス導出管 30…モータ制御装置

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を加熱する加熱手段および被処
    理物を供給口側から排出口側に撹拌しながら移送する移
    送手段を内部に有する回転円筒体を備えた被処理物の加
    熱処理方法において、前記回転円筒体を一方向に回転す
    ることで被処理物を供給口側から排出口側に加熱しなが
    ら送り処理し、他方向に回転することで加熱しながら戻
    し処理し、この送り処理と戻し処理の時間を調整するこ
    とで被処理物の回転円筒体内での加熱処理時間を調整す
    るようにしたことを特徴とする被処理物の加熱処理方
    法。
  2. 【請求項2】 被処理物は、無機物,有機物,有害物質
    のいずれか、又は混合して含む物質であることを特徴と
    する請求項1記載の被処理物の加熱処理方法。
  3. 【請求項3】 被処理物を加熱する加熱手段および被処
    理物を供給口側から排出口側に撹拌しながら移送する移
    送手段を内部に有する回転円筒体を備えた被処理物の加
    熱処理装置において、前記回転円筒体に、該回転円筒体
    を一方向(正転)および他方向(逆転)に回転駆動させ
    る回転駆動手段を設けたことを特徴とする被処理物の加
    熱処理装置。
  4. 【請求項4】 回転円筒体を複数設けて、各回転円筒体
    を異なる加熱温度で加熱し、少なくともその一つに正転
    および逆転させる回転駆動手段を設けたことを特徴とす
    る請求項3記載の被処理物の加熱処理装置。
  5. 【請求項5】 回転駆動手段は、駆動源を駆動モータで
    形成し、これを回転円筒体の両端側に設けて両駆動モー
    タを同一周波数電源で駆動するようにしたことを特徴と
    する請求項3又は4に記載の被処理物の加熱処理装置。
  6. 【請求項6】 回転駆動手段は、駆動源を駆動モータで
    形成し、これを回転円筒体の両端側に各2台設けたこと
    を特徴とする請求項3又は4に記載の被処理物の加熱処
    理装置。
  7. 【請求項7】 回転円筒体内の被処理物の移送手段は、
    回転円筒体の軸線に対して傾斜した送り羽根を、径方向
    及び軸方向に複数枚設けて形成したことを特徴とする請
    求項3又は4に記載の被処理物の加熱処理装置。
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