JP2003232508A - 熱分解処理方法及びその施設 - Google Patents

熱分解処理方法及びその施設

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JP2003232508A
JP2003232508A JP2002030462A JP2002030462A JP2003232508A JP 2003232508 A JP2003232508 A JP 2003232508A JP 2002030462 A JP2002030462 A JP 2002030462A JP 2002030462 A JP2002030462 A JP 2002030462A JP 2003232508 A JP2003232508 A JP 2003232508A
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thermal decomposition
furnace
heat
combustion
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JP2002030462A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Treating Waste Gases (AREA)
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  • Incineration Of Waste (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱分解処理系において、当該処理系から排出
されたガスを有効利用して、エネルギー効率を向上させ
ること。 【解決手段】 熱分解炉1において被処理物を熱風ガス
により加熱して熱分解して得た分解ガスをガス燃焼炉4
にて燃焼する熱分解処理において、ガス燃焼炉で発生し
た燃焼排ガスを気体媒体(空気)に置換する熱交換手段
5によって熱ガスを得た後、この熱ガスの少なくとも一
部を、熱分解炉1における被処理物の加熱に利用する。
また、熱ガスの少なくとも一部を、ガス燃焼炉4におけ
る分解ガスの燃焼に利用してもよい。さらに、熱ガスの
少なくとも一部を、炭化物燃焼炉3における残渣の燃焼
に利用してもよい。また、被処理物が有機ハロゲン化合
物を含む場合には、被処理物にこれと接触反応して無害
な塩化物を生成する薬剤を添加して処理することで、ダ
イオキシン類再合成の問題はない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物等を加熱し
て熱分解処理した場合に発生する熱分解ガスの燃焼処理
に係わり、特に燃焼処理持に発生する排ガスの熱エネル
ギーにより得られた高温空気を有効利用する方法及びそ
の施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物などの熱分解処理を行う場合、熱
処理によって発生した分解ガスなどは、800℃以上、
2秒以上で燃焼処理して排出すること、また、ダイオキ
シン類の再合成防止を図る趣旨から、排ガス温度を降下
するときに600〜300℃の温度域を短時間に冷却通
過することが求められている。
【0003】このことから、一般的には、高温排ガスの
冷却手段としては、気体−液体による熱交換により温水
として回収する方法(以下、方法1)、排ガスに冷却空
気を導入して排ガスを冷却する方法(以下、方法2)、
または方法1と方法2を併用する方法(以下、方法3)
が採られている。また、排ガスを熱交換器にて高温気体
を得、これを熱交換手段に利用する方法(以上、方法
4)として特開平10−2528号が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記方
法1は、施設の規模、状況により温水の使い道が整わな
い場合があり、このときには廃棄する必要となるが、そ
うなると新たな課題を惹起することになる。また、前記
方法2は、排ガス量が多くなることから、排気ブロア、
バクフィルターが大型化する問題がある。そして、前記
方法3の場合には、先の方法1及び2の問題と程度の差
はあるものの同様な課題がある。
【0005】また、方法4の特開平10−2528号で
は、気体−気体熱交換器の後段にさらに廃熱ボイラを備
えており、これによれば、排ガスの温度をダイオキシン
再合成の温度域600〜300℃をいかに処理するかに
ついては考慮されていない。
【0006】このように、前記いずれの方法の場合であ
っても、800℃以上の高エネルギーを具備する排ガス
の有効利用が効果的に再利用されていないのが現状であ
る。
【0007】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、熱分解処理系において、当該処理系か
ら排出されたガスを有効利用して、エネルギー効率を向
上させた熱分解処理方法及びその施設の提供、にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者は、鋭意検討した
結果、被処理物の熱分解処理系において生成した乾留ガ
ス及び残渣を燃焼処理したガスを気体媒体に熱交換する
ことによって高温ガスを得て、これを当該熱分解処理系
における熱源として利用することが最も有効な手段であ
ることを見出した。
【0009】すなわち、前記課題を解決するための本発
明は以下のことを特徴とする。
【0010】請求項1記載の発明は、被処理物を加熱し
て熱分解する熱分解処理方法において、熱分解により発
生した分解ガスを燃焼して発生した燃焼排ガスを気体媒
体に熱交換することによって、排ガスの温度を急速冷却
し、熱ガスを得た後、この熱ガスの少なくとも一部を、
前記被処理物の加熱源に利用することを特徴とするもの
である。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1または2
記載の熱分解処理方法において、前記熱交換によって得
た熱ガスの少なくとも一部を、前記熱分解によって得ら
れた残渣の燃焼に利用することを特徴とするものであ
る。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1から3の
いずれか記載の熱分解処理方法において、気体媒体とし
て空気を導入することを特徴するものである。
【0013】請求項4記載の発明は、被処理物を熱風ガ
スにより加熱分解して分解ガスを得る熱分解炉と、熱分
解炉に熱風を送出する熱風炉と、前記分解ガスが供給さ
れ、これを燃焼して燃焼排ガスを得るガス燃焼炉と、前
記燃焼排ガスを熱媒体として熱風ガスを得る熱交換手段
と、を備えた熱分解処理施設であることを特徴するもの
である。
【0014】請求項5記載の発明は、請求項4記載の熱
分解処理施設において、熱分解炉で被処理物を熱分解し
て得た熱分解残渣が供給され、これを燃焼する炭化物燃
焼炉を備え、炭化物燃焼炉からの排ガスは、ガス燃焼炉
に供給したことを特徴するものである。
【0015】請求項6記載の発明は、請求項4または5
記載の熱分解処理施設において、熱交換手段と熱風炉と
の間、若しくは熱交換手段と前記炭化物燃焼炉との間
の、少なくとも一方に、熱交換手段で得た熱ガスの供給
管を設けたことを特徴するものである。
【0016】請求項7記載の発明は、請求項4から6の
いずれか記載の熱分解処理施設において、熱交換手段
は、熱媒体が流通する熱伝導管を具備した熱交換器を複
数器備え、熱媒体はガス燃焼手段の燃焼排ガスであるこ
とを特徴とするものである。
【0017】熱交換器を複数備えることで、各熱交換器
にて得られる温度の熱ガスを使用目的の機器に分配供給
できるので、被処理物の熱分解処理過程から得た熱の多
目的利用が図られる。
【0018】また、熱交換器を複数備えることで、耐熱
温度に応じた施設材料の選択が容易となりイニシャルコ
ストが安価となる。
【0019】そして、請求項8記載の発明は、請求項1
から7のいずれか記載の熱分解処理方法及びその施設に
おいて、被処理物に有機ハロゲン化合物と反応して無害
な塩化物(無機の塩化物)を生成する薬剤を添加混合す
ることを特徴するものである。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て述べる。
【0021】図1及び2は、それぞれ本発明の熱分解処
理方法の一実施形態である熱分解処理施設の概略図であ
る。図1は、本発明の熱分解処理施設から排出されるガ
スを熱媒体とする熱交換によって得た熱ガス(空気)を
被処理物の熱分解に供した場合の実施形態例であり、図
2は、本発明の熱分解処理施設から排出されたガスを熱
媒体とする熱交換によって得た熱ガス(空気)を炭化物
燃焼にも供した場合の実施形態例である。
【0022】図1に示したように、熱分解炉1は、回転
キルン方式を採用し、回転自在で円筒状の回転炉11
と、回転炉11の外周にガスダクトを形成し、熱風ガス
を導入して回転炉11を外部から加熱する外部加熱手段
としての加熱ジャケット12と、回転炉11を両端側で
回転自在に支承する支持ローラ14a,14bと、回転
炉11を回転駆動する回転駆動源15と、を具備してな
る。熱風ガスは、後述の熱風炉2から導入している。
尚、本実施形態においては、熱分解炉1を1基配置して
いるが、被処理物の負荷量、処理形態に応じて適宜複数
配置される。
【0023】回転炉11は、その一端側に被処理物を搬
入する図示省略した供給口を、また他端側に図示省略し
た排出口を設け、炉の内部には、回転炉11の軸線に対
して傾斜した図示省略された送り羽根を複数枚具備させ
ている。そして、供給側ダクト10から供給された被処
理物を、供給口側から回転炉11に導入し、回転炉11
の回転によって、該被処理物を撹拌しながらの排出口側
への移送を可能とさせている。また、供給側ダクト10
には、被処理物と脱塩素剤とを混合した混合物を投入す
るためのホッパー設備16が具備される。さらに、回転
炉11の排出側には、乾留ガスと熱分解残渣(炭化物)
とを分離排出するための排出ジャケット17が具備され
る。
【0024】尚、被処理物が有機ハロゲン化合物を含有
する場合、熱分解炉1では、加熱により分解析出した有
機ハロゲン化合物と接触反応して無害な塩化物を生成す
る薬剤を、被処理物と共に添加混合して加熱処理してい
る。
【0025】薬剤は、塩素と接触反応して無害な塩化物
に置換生成する薬剤である。例えば、発明者らが先に出
願している、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アル
カリ土類金属、アルカリ土類金属化合物中の少なくとも
1種類を選択または2種類以上を混合したものが有効で
ある。
【0026】アルカリ金属化合物としては、例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム
またはフランシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸水素
塩、炭酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、硝酸塩または硫
酸塩等が挙げられる。
【0027】具体的なアルカリ金属化合物の処理剤とし
ては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、
セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられる。尚、炭酸水素
ナトリウムは、酸性炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム
または重炭酸ソーダと別称される。炭酸ナトリウムは、
炭酸ソーダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダまたは結晶
ソーダと別称される。セスキ炭酸ナトリウムは、二炭酸
一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウムまたはナト
リウムセスキカーボネートと別称される。天然ソーダ
は、トロナと別称される。
【0028】また、アルカリ土類金属化合物としては、
例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムまたは
ラジウムの、酸化物、水酸化物、炭酸水素塩または炭酸
塩等が挙げられる。
【0029】具体的なアルカリ金属化合物の処理剤とし
ては、例えば、石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO3)またはドロマイド
(CaCO3・MgCO3)等が挙げられる。
【0030】熱風炉2は、熱風ガス(温度450〜60
0℃)を発生させて熱分解1に供給する設備であり、熱
風を発生させるための燃焼バーナー21を備えている。
また、本実施形態において、熱風炉2は、後述の熱交換
手段5から熱ガスを補充導入するための熱ガス導入管5
4を備えている。熱風炉2にて得た熱ガスは、供給管2
2を介して、熱分解炉1の加熱ジャケット12内に供給
される。このように、熱風炉2から供給された熱風ガス
によって、熱分解炉1内部の被処理物は、外部から間接
加熱されて乾留処理される。
【0031】炭化物燃焼炉3は、熱分解炉1から供給さ
れた残渣(炭化物)を燃焼させて灰化させるための設備
である。当該残渣は、熱分解炉1の排出ジャケット17
からパイプコンベアなどの搬送手段を介して導入してい
る。尚、炭化物燃焼炉3は、目的に応じて、炭化物中の
揮発成分を一層除去して固定炭粉の多い炭化物を得ると
か、賦活処理によって活性炭を得るために利用できる。
【0032】炭化物燃焼炉3は、前記加熱処理物が供給
される図示省略した回転炉を備え、この回転炉は筒状の
鋼材からなり、その筒状の鋼材の内部にはキャスタブル
材による耐火・耐熱層(図示省略)が設けられている。
【0033】回転炉は、軸方向の両側が回転ローラで支
持され、駆動源により回転される。当該回転炉は、進行
方向に2〜3度傾斜して構成され、自然搬送が可能とな
るようにしている。また、回転炉の内部には、図示しな
いが軸方向に延び且つ半径方向に突出した回転搬送手段
を備えている。そして、回転炉の上流側、すなわち、被
燃焼処理物投入側には、箱状の投入ジャケットが具備さ
れ、炭化物の搬送手段(スクリュー、スパイラル)と、
炭化物を着火燃焼する燃焼バーナー31とが具備されて
いる。また、回転炉の下流側、すなわち、灰化物排出側
には、内部にキャスタブル材による耐火・耐熱層を装着
した箱状の排出ジャケットが具備される。排出ジャケッ
トから排出された灰化物は、図示省略した灰回収箱にて
回収される。尚、排出ジャケットからの排ガスは、ガス
燃焼炉4に供される。
【0034】ガス燃焼炉4は、熱分解炉1で発生した乾
留ガスを燃焼処理する。ここでは、乾留ガスを乾留ガス
導管40からエゼクタ41を介して導入している。この
とき、ガス燃焼炉4には、加熱ジャケット12からの排
熱風ガスが、循環ブロア43とエゼクタブロア44等の
移送手段によって、エゼクタ41を介し導入される。
尚、乾留ガス導管40は熱ガスによって保温され、浮遊
物が導管内壁に付着するのを防いでいる。
【0035】ガス燃焼炉4は、導入したガスを燃焼する
ガス燃焼室を備える。ガス燃焼室においては、乾留ガス
さらには炭化物燃焼炉3で発生した排ガスを導入して燃
焼バーナー42によって混合燃焼する。尚、乾留ガスが
充分発生している場合には、燃焼バーナー42による燃
焼は、燃料の供給を絞ることにより適宜制限される。
【0036】熱交換手段5は、単一または複数の熱交換
器50を備える。熱交換器50は、気体−気体熱交換方
式を採用し、被加熱ガスである空気が供給される胴体5
1内に、熱媒体が流通する熱伝導管52を備えて構成さ
れる。さらに、図示省略されているが、熱交換器50に
は、所定温度の熱ガスを得るための温度測定手段が付帯
される。
【0037】熱交換器50は、熱媒体にガス燃焼炉4か
ら排出された高温燃焼処理ガスを利用している。そし
て、熱交換によって得た熱ガスを、ガス導入管54を介
して、熱風炉2に供給している。ここで、図示されたよ
うに、熱風炉2を介さずに、供給管55を介して、直
接、熱分解炉1に供給してもよい。
【0038】また、図2に開示した熱分解処理施設のよ
うに、熱交換によって得た熱ガスを、ガス導入管56を
介して、炭化物燃焼炉3に供給してもよい。
【0039】尚、ガス燃焼炉4の排ガスを熱交換器50
に供給する連絡路には、ガス温度調整用の空気を導入す
るための供給路を具備するとよい。ガス燃焼炉4での燃
焼ガス温度が約900〜1000℃以上となった場合に
は、熱交換手段5に損傷を及ぼす恐れがあるので、ここ
では冷却空気を導入することにより排ガス温度を所定の
値までに(例えば約850℃)下げている。
【0040】一方、熱媒体として利用されたガスは、所
定温度(200〜150℃)に冷却処理した後、バグフ
ィルタ6、ブロア7及び煙突8を介して、系外に排出し
ている。ここで、ガス中に硫黄成分が含まれていると、
ガス温度が150℃以下では、硫酸ガスを発生させ、や
がてこのガスはガス温度が120〜100℃になると結
露し硫酸となり、これが配管を腐食させる(露点腐食)
可能性がある。当該熱分解処理施設では、排ガスの温度
を150℃以上200℃以下(バグフィルタの保護を兼
ねて)に調整することで、所定の熱エネルギーを得ると
共に、この露点腐食現象を防止する。本実施形態におい
ては、熱交換器50を三基(50a,50b,50c)
備えているが、単一の熱交換器によって排ガスを短時間
に850℃近辺から200℃以下150℃以上に降下で
きるのであれば、具備する熱交換器50は一基のみでも
よい。
【0041】尚、ガス燃焼炉4での燃焼ガス温度が90
0〜1000℃以上となった場合には、熱交換器50に
損傷を及ぼす恐れがあるので、ガス燃焼炉4と熱交換手
段5の連絡路に冷却空気を導入するための導入路を設け
て、熱交換手段5に供給されるガスの温度調整を行って
いる。このように、熱ガス及びこれの温度調整媒体に空
気を採用することで、低廉な被処理物の熱分解処理が可
能となる。
【0042】本発明の熱分解処理施設の動作例について
概説する。
【0043】先ず、分解炉1では、被処理物(被処理物
の大きさは、例えば10〜20mm角アンダーに予め破
砕処理される)と添加混合した薬剤(例えば、炭酸水素
ナトリウム 添加量 10重量%)とが投入され、30
0〜400℃の雰囲気及び一定の滞留時間(例えば約3
0分間)のもとで、乾留処理される。このとき、被処理
物に含有する塩素などを含んだ有機ハロゲン化合物が被
処理物から分解析出する。また、析出した塩素成分は添
加混合している脱塩素剤と接触反応して無害な塩化物
(例えば、無機の塩化物)に置換生成する。
【0044】さらに、他の分解析出したガス成分は、乾
留ガス導入経路40を介してガス燃焼炉4における燃焼
処理に供され、一定の雰囲気及び滞留時間のもとで(例
えば、約850℃の雰囲気で、2秒以上の滞留時間)、
無害化処理される。また、熱分解炉1における熱分解処
理により発生した分解ガス(乾留ガス)も、熱風ガスの
一部と新鮮な空気と共に、乾留ガス導入管40を介し
て、ガス燃焼炉4に導入され、燃焼処理される。
【0045】一方、熱分解炉1での熱分解処理により発
生した残渣は、炭化物燃焼炉3に供給され600〜10
00℃の雰囲気で加熱処理されて灰化され、このとき発
生した燃焼排ガスはガス燃焼炉4における燃焼処理に供
される。
【0046】ガス燃焼炉4にて発生したガスは、空気の
温度を調整するための熱媒体として熱交換手段5に供給
される。熱交換手段5に導入された排ガスは、先ず、第
一熱交換器5aにおいて、温度が例えば約850℃から
600℃付近までに降下される。次いで、第二熱交換器
50bにおいて、例えば約600℃から300℃付近ま
でに降下される。この温度域は、排ガス中に分解したダ
イオキシン類構成元素(例えば、酸素や塩素成分さらに
は炭化水素)が存在している場合には、ダイオキシンの
再合成(デノボ生成)が起こる恐れがある(通説には、
500〜300℃が再合成温度域)。当該熱分解処理施
設においては、被処理物が有機ハロゲン化合物を含む場
合には、被処理物にこれと接触反応して無害な塩化物を
生成する薬剤を添加して処理し、ダイオキシン類の構成
元素の塩素を除去しているので、ダイオキシン類の生成
及びデノボ生成現象は生じない。次いで、排ガスは、バ
クフィルターの耐熱温度を考慮して、第三熱交換器50
cにおいて、例えば300℃から200℃以下(150
℃以上)の温度に降下され、その後、バグフィルタ6に
て浄化した後排出する。そして、この過程において、露
点腐食現象を防止させながら、熱交換手段5で得た熱ガ
スは、熱風炉2または熱分解炉1さらには炭化物燃焼炉
3に供され、熱源及び熱媒体として利用される。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は以下の効果を奏する。
【0048】本発明の熱分解処理方法及びその施設は、
排出する高温排ガスを気体−気体熱交換によって高温ガ
スを得て、これを熱分解手段の加熱手段の加熱源、燃焼
の熱源・媒体に利用できるので、施設運転のエネルギー
として有効利用でき、このことにより、熱分解処理系に
おけるエネルギーコストが削減され、エネルギー的によ
り効率な被処理物の熱分解処理を可能とする。
【0049】また、高温ガスの生産にあたり、ガス温度
を150℃以上に制御しているので、施設における露点
腐食現象を防止することができる。
【0050】さらに、被処理物が有機ハロゲン化合物を
含む場合には、被処理物にこれと接触反応して無害な塩
化物を生成する薬剤を添加して処理しているので、ガス
温度を急速に冷却しても(例えば、600〜300
℃)、ダイオキシン類再合成を懸念する必要がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である熱分解処理施設の概
略図。
【図2】本発明の他の一実施形態である熱分解処理施設
の概略図。
【符号の説明】
1…熱分解炉,11…回転炉,12…加熱ジャケット 2…熱風炉 3…炭化物燃焼炉 4…ガス燃焼炉 5…熱交換手段,51…胴体,52…熱伝導管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B09B 3/00 F23G 5/14 D F23G 5/02 5/16 B 5/14 5/46 A 5/16 B09B 3/00 303J 5/46 B01D 53/34 134E Fターム(参考) 3K061 AA07 AB01 AB02 AC01 BA05 BA10 CA01 CA07 FA04 FA10 FA21 FA27 3K065 AA07 AB01 AB02 AC01 BA05 CA04 JA05 JA15 3K078 AA05 BA08 BA26 CA02 CA07 CA21 4D002 AA21 BA03 BA13 BA14 DA02 DA16 EA02 4D004 AA01 CA24 CA28 CB09 CB36 CC12 DA02 DA06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を加熱して熱分解する熱分解処
    理方法において、熱分解により発生した分解ガスを燃焼
    して発生した燃焼排ガスを気体媒体に熱交換することに
    よって、排ガスの温度を急速冷却し、熱ガスを得た後、
    この熱ガスの少なくとも一部を、前記被処理物の加熱源
    に利用することを特徴とする熱分解処理方法。
  2. 【請求項2】 前記熱交換によって得た熱ガスの少なく
    とも一部を、前記熱分解によって得られた残渣の燃焼に
    利用することを特徴とする請求項1または2記載の熱分
    解処理方法。
  3. 【請求項3】 気体媒体として空気を導入することを特
    徴する請求項1から3のいずれか記載の熱分解処理方
    法。
  4. 【請求項4】 被処理物を熱風ガスにより加熱分解して
    分解ガスを得る熱分解炉と、熱分解炉に熱風を送出する
    熱風炉と、前記分解ガスが供給され、これを燃焼して燃
    焼排ガスを得るガス燃焼炉と、前記燃焼排ガスを熱媒体
    として熱風ガスを得る熱交換手段と、を備えたことを特
    徴する熱分解処理施設。
  5. 【請求項5】 熱分解炉で被処理物を熱分解して得た熱
    分解残渣が供給され、これを燃焼する炭化物燃焼炉を備
    え、炭化物燃焼炉からの排ガスは、ガス燃焼炉に供給し
    たことを特徴する請求項5記載の熱分解処理施設。
  6. 【請求項6】 熱交換手段と熱風炉との間、若しくは熱
    交換手段と前記炭化物燃焼炉との間の、少なくとも一方
    に、熱交換手段で得た熱ガスの供給管を設けたことを特
    徴する請求項5または6記載の熱分解処理施設。
  7. 【請求項7】 熱交換手段は、熱媒体が流通する熱伝導
    管を具備した熱交換器を複数器備え、熱媒体はガス燃焼
    手段の燃焼排ガスであることを特徴とする請求項5から
    6のいずれか記載の熱分解処理施設。
  8. 【請求項8】 被処理物に有機ハロゲン化合物と反応し
    て無害な塩化物を生成する薬剤を添加混合することを特
    徴する請求項1から8のいずれか記載の熱分解処理方法
    及びその施設。
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