JP2003232507A - 熱分解処理方法 - Google Patents

熱分解処理方法

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JP2003232507A
JP2003232507A JP2002030461A JP2002030461A JP2003232507A JP 2003232507 A JP2003232507 A JP 2003232507A JP 2002030461 A JP2002030461 A JP 2002030461A JP 2002030461 A JP2002030461 A JP 2002030461A JP 2003232507 A JP2003232507 A JP 2003232507A
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JP
Japan
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thermal decomposition
hot air
treated
air gas
container
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JP2002030461A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Incineration Of Waste (AREA)
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  • Coke Industry (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物の搬送方向と、同方向に熱風ガスを
通流するようにして、エネルギー負担を削減した熱分解
処理方法で、確実に加熱分解処理と装置、施設の小型化
を図る。 【解決手段】 第1熱分解装置1への熱風ガスの通流方
向を、被処理物の搬送方向と同方向となるようにすると
ともに、第2熱分解装置10への熱風ガスの通流方向を
も被処理物の搬送方向と同方向となるようにして、第1
熱分解装置1への熱風ガスの供給を、熱容量が最も必要
とする部位に、また、第2熱分解装置10への熱風ガス
の供給を、熱容量がさほど必要としない部位に供給す
る。このため、第1熱分解装置1の加熱ジャケット3に
は、被処理物の投入側に位する部位に熱風ガスを導入
し、また、第2熱分解装置10の加熱ジャケット13に
は、連通ダクト15側に位する部位に熱風ガスを熱風炉
20から導入する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、各種廃棄物など
の被処理物を外部からの間接加熱により熱分解処理して
減容化(乾燥、炭化、灰化)処理する熱分解処理方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】被処理物を外部から間接加熱により熱分
解処理する方法として、熱分解手段に回転キルン方式、
内部に搬送手段を備えたスクリュー方式、スパイラル方
式の装置を用いて行なわれることが知られている。
【0003】また、熱分解手段として熱分解容器は、略
水平に1本配置した場合と、複数本上下方向に配置した
場合などが知られている。
【0004】そして、熱分解容器の周囲には、加熱媒体
として熱風ガスを通風する加熱ジャケットを備えてお
り、熱分解容器が複数の場合には、個々の熱分解容器毎
に加熱ジャケットを設ける場合と、一括して単一の加熱
ジャケットで包囲する場合が知られている。
【0005】例えば、特開2000−264616号
は、スクリュー方式の熱分解容器を複数本配置し、一括
して加熱ジャケットで包囲したものである。熱分解容器
を複数本配置した場合には、熱分解容器に沿って仕切板
を配置して、通風する加熱媒体である熱風ガスが各熱分
解容器の外周部を加熱するようにしている。
【0006】また、特開2000−264616号は、
上段の熱分解容器で被処理物を乾燥し、中段の熱分解容
器で炭化させ、下段の熱分解容器で炭化物を賦活して活
性炭を得るものであり、各熱分解容器が必要とする温度
状態は、上段<中段<下段と高くなるように設定される
ことから、熱風ガスは下部側で発生し、得た高温熱風ガ
スにより下段側から順次熱分解容器を加熱して上部側か
ら排気するようにしている。
【0007】これらの従来の熱分解処理においては、被
処理物の搬送方向と逆方向に加熱媒体である熱風ガスを
通流する方法である。つまり、投入した被処理物の搬送
方向の終り側に加熱媒体を導入し、被処理物の投入側か
らその媒体を排出する方法である。
【0008】図4は上下2段の回転キルン方式の例を示
す概略構成図で、図4において、熱分解処理装置11
は、第1熱分解装置1、第2熱分解装置10及び熱風炉
20からなり、第1熱分解装置1において、被処理物の
乾燥と脱塩素処理を行い、第2熱分解装置10におい
て、乾留炭化処理を行い、被処理物を熱分解処理する装
置に構成した。
【0009】第1熱分解装置1は、回転自在の筒状の熱
分解容器2と、この熱分解容器2の外周に熱風ガスを導
入して熱分解容器2を外部から加熱する外部加熱手段と
しての加熱ジャケット3と、熱分解容器2を両端側で回
転自在に支承する支持ローラ(図示省略)と、熱分解容
器2を回転駆動する回転駆動手段(図示省略)とで構成
する。
【0010】また、筒状の熱分解容器2には、一端側に
被処理物を搬入する図示しない供給口側を、他端側に図
示しない排出口側を有し、内部には、図示省略してある
が熱分解容器2の軸線に対して傾斜した送り羽根が、径
方向及び軸方向に複数枚設けられる。
【0011】被処理物供給側ダクト4から投入される被
処理物は、供給口側から熱分解容器2に供給され、熱分
解容器2の回転により、図示符号A1の方向に被処理物
を排出口側に撹拌しながら搬送する。なお、被処理物供
給側ダクト4には、図示しないホッパから、被処理物と
脱塩素剤とを混合して投入する。
【0012】第2熱分解装置10は、乾留による炭化処
理機能を有し、この第2熱分解装置10は、第1熱分解
装置1と同じ構成をなす。従って、第1熱分解装置1と
同じ部分には、符号10の「1」の桁に第1熱分解装置
1と同じ符号を付して詳細な説明を省略する。
【0013】第1熱分解装置1と第2熱分解装置10と
は、上下方向で、且つ第2熱分解装置10の供給口側を
第1熱分解装置1の排出口側にして配置する。第1熱分
解装置1の排出口側と第2熱分解装置10の供給口側に
は、これら排出口側と供給口側を覆って連通する連通ダ
クト15を設け、第1熱分解装置1で加熱処理した被処
理物を第2熱分解装置10に導入する。第2熱分解装置
10では、被処理物を、図示符号A2の方向に搬送す
る。
【0014】20は熱風ガス(温度450〜600℃)を発生
する熱風炉で、この熱風炉20には熱風ガス発生用の燃
焼バーナー21が設けられている。発生した熱風ガス
は、第2熱分解装置10の加熱ジャケット13に供給
し、図示符号B2の方向に熱風ガスは熱分解容器12の
周囲に沿って回転しながら通流されて第2熱分解装置1
0の筒状の熱分解容器12を加熱した後、連絡管23を
介して第1熱分解装置1の加熱ジャケット3内に図示符
号B1の方向に熱分解容器2の周囲に沿って回転しなが
ら通流されて熱分解容器2を加熱する。このとき、温度
調整空気を送り込み、熱風ガスの温度を調整する。な
お、第1熱分解装置1、第2熱分解装置10は、熱風ガ
スで外部から間接加熱され、内部の被処理物が乾留処理
される。
【0015】第2熱分解装置10で乾留により得た炭化
物は、排出側ダクト内に設けられたパイプコンベアなど
の搬送手段14から搬送手段16に導入され、搬送手段
16により炭化物を排出する。
【0016】30はガス燃焼処理炉で、このガス燃焼処
理炉30に、第1熱分解装置1および第2熱分解装置1
0で加熱処理中に発生した乾留ガスを乾留ガス導管31
からエゼクタ32を介して導入する。また、ガス燃焼処
理炉30には、加熱ジャケット1からの排熱風ガスを循
環ブロア33、エゼクタブロア34を介してエゼクタ3
2からも導入する。なお、乾留ガス導管31は、外部を
熱ガスで保温して導管内壁に付着物が付くのを防止す
る。
【0017】ガス燃焼処理炉30は、燃焼バーナ36
で、エゼクタ32からの乾留ガスを燃焼する。なお、乾
留ガスが充分発生している場合には、燃料の供給を絞る
ことにより、燃焼バーナ36による燃焼は、抑制しても
良い。
【0018】ガス燃焼処理炉30で高温燃焼した排ガス
は、排出口35から熱交換器37、バグフィルタ38、
排気ブロア39、煙突40を介して排出される。
【0019】上述した図4の上下2段の回転キルン方式
では、上段の第1熱分解装置1の図中左側から、被処理
物が投入され、被処理物の乾燥と脱塩素処理が行なわれ
ながら、図示矢印符号A1方向に搬送される。
【0020】その後、連通ダクト15を介して乾燥と脱
塩処理された被処理物は、下段の第2熱分解装置10に
移送され、図中右側から、その被処理物は、乾留炭化処
理されながら図示矢印符号A2方向に搬送されて搬送手
段14、16を介して排出回収される。また、熱風ガス
の通風方向(図中矢印符号B1,B2)と、被処理物の
搬送方向(図中矢印符号A1,A2)とが対向する方向
(向流方式)となる加熱処理方法である。
【0021】なお、特開2000−264616号の場
合も図4の上下2段の回転キルン方式と同様の向流方式
の加熱処理方法である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】次に、上述した上下2
段の回転キルン方式の熱分解処理装置における第1、第
2熱分解装置の温度分布を図5に基づいて説明する。
【0023】まず、第1熱分解装置1について説明す
る。
【0024】第1熱分解装置1では、加熱により被処理
物が含有する水分の除去(乾燥)と、被処理物が含有す
る有機質成分の分解析出(塩素など)を行なう処理であ
ることから、第1熱分解装置1における反応は、被処理
物の加熱に大量の熱源を必要とする反応であり、所謂吸
熱反応となる。
【0025】第1熱分解装置1における被処理物の搬送
方向(図示矢印A1)と熱風ガスの通流方向(図示矢印
B1)とが対向する向流方式であることから、第1熱分
解装置1内の温度分布は、図中鎖線(L1a−H1a)
で示すように、被処理物の投入口側が低く、熱風ガスを
導入する連絡管23側が高い温度分布となっている。
【0026】一方、熱風ガスの温度分布は、図中鎖線
(GL1a−GH1a)で示すように、熱風ガスを導入
する連絡管23側の温度が高く、熱風ガスを排出する側
が低い温度分布となる。
【0027】これは、熱風ガスが通流する過程におい
て、一部は放熱し、また被処理物の加熱に消費されるこ
とに基因するものと考えられる。
【0028】また、上段の第1熱分解装置1において
は、室温の被処理物が投入されることから、第1熱分解
装置1の投入口側の温度は、設定温度(例えば350
℃)に比較して大幅に低下することから、第1熱分解装
置1における実質的な乾燥、有機質成分の分解析出は、
中央部より後部側(図中のZ1ゾーン)において行なわ
れるものと推察される。
【0029】従って、第1熱分解装置1において、熱源
を最も必要とする被処理物の投入部分において充分な熱
量を供給できていないことから、所定の設定温度に維持
するために所定温度の大量の熱風ガスを供給することが
必要となり、エネルギーコストの負担が増加する課題が
ある。
【0030】次に、第2熱分解装置10について説明す
る。
【0031】第2熱分解装置10では、有機質成分が削
減された被処理物の乾留による炭化処理であることか
ら、被処理物は自身が発熱する発熱反応である。
【0032】第2熱分解装置10における被処理物の搬
送方向(図示矢印A2)と熱風ガスの通流方向(図示矢
印B2)とが対向する向流方式であることから、第2熱
分解装置10内の温度分布は、図中鎖線(L2a−H2
a)で示すように、処理物の排出口側が低く、乾留が進
行している反排出口側が高い温度分布となっている。
【0033】一方、熱風ガスの温度分布は、図中鎖線
(GL2a−GH2a)で示すように、熱風ガスを導入
した部分の温度に比較して乾留による炭化により発熱反
応が進行している図中のZ2ゾーン側の温度が高いもの
となっている。
【0034】これは、熱風ガスが通流する過程におい
て、一部は放熱するものの内部の被処理物が発熱反応し
ていることに基因して被処理物から熱を受けているもの
と推察される。
【0035】従って、第2熱分解装置10において、発
熱反応が終了している部分にまず高温熱風ガスを導入し
て加熱するには、所定の設定温度に維持するために所定
温度の大量の熱風ガスを供給することが必要となり、エ
ネルギーコストの負担が増加する課題がある。
【0036】この発明は上記の事情に鑑みてなされたも
ので、従来とは逆に、被処理物の搬送方向と、熱風ガス
の通流方向とを同方向とすることで、(1)熱容量を最
も必要としている部分(例えば、吸熱反応である乾燥、
有機質成分の分解析出を行なう部分)にまず熱風ガスを
供給することで熱風ガスの温度低下を少ないものにする
ことでエネルギー負担の削減が図れること、(2)熱容
量をさほど必要としない部分(例えば、発熱反応を生じ
ている乾留による炭化部分)にまず熱風ガスを供給する
ことで、発熱反応による熱により熱風ガスが昇温するよ
うにしてエネルギー負担の削減が図れること、を見出
し、装置、施設の小型化が図れ、且つエネルギー負担の
少ない熱分解処理方法を提供することを目的する。
【0037】
【課題を解決するための手段】発明者は、従来の熱分解
処理装置にあっては、被処理物の搬送方向(A1,A
2)と、熱風ガスの通流方向(B1,B2)とが対向す
る向流方式であることに注目し、これら方向を同方向
(並流方式)とすることで、供給する熱容量を最も必要
としている部分側に熱風ガスを導入して加熱することで
被処理物の加熱処理を確実なものにし、また、供給する
熱容量をさほど必要としない部分にまず熱風ガスを導入
することで、熱風ガスの温度低下を防止し、且つ発熱反
応による発生熱により熱風ガスが昇温するようにしてエ
ネルギー負担の削減を図ることを見出し、装置、施設の
小型化が図れ、且つエネルギー負担を少なくすることに
着目した。
【0038】そこで、この発明では、被処理物を一端側
から導入して回転攪拌搬送しながら熱分解処理し、他端
側から排出する略筒状の熱分解容器と、熱分解容器を包
囲し内部に加熱媒体が導入される加熱ジャケットとを備
えて構成した熱分解処理手段を備え、加熱ジャケットの
一端側から導入し他端側から排出される熱媒体による加
熱により熱分解容器内を搬送する被処理物を加熱分解処
理する方法であり、被処理物の搬送方向と同方向に加熱
媒体を加熱ジャケットに通流(並流方式)して被処理物
を加熱分解することを特徴とする熱分解処理方法であ
る。
【0039】また、熱分解容器の被処理物の投入側に位
する部位の加熱ジャケットには、加熱媒体を導入し、被
処理物の排出側の加熱ジャケットから加熱媒体を導出す
ることを特徴とする熱分解処理方法であり、熱分解容器
は、筒状の容器である。
【0040】筒状の熱分解容器は、複数本を略水平方向
に配置し、且つ上下方向又は及び水平方向に配置し、ま
た、その熱分解容器は、回転するキルン方式により構成
し、さらに、筒状の熱分解容器は、その容器内部にスク
リュー方式又はスパイラル方式を備えた回転搬送手段に
より構成した熱分解処理方法である。
【0041】さらにまた、この発明では、被処理物を加
熱処理する際には、加熱により分解析出した塩素と接触
反応して無害な塩化物を生成する薬剤を添加することを
特徴とする熱分解処理方法である。
【0042】上記無害な塩化物を生成する薬剤は、例え
ば、発明者らが数多く提案している、例えば、アルカリ
金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカ
リ土類金属化合物の少なくとも1種類を選択又は2種類
以上を混合することが有用である。
【0043】アルカリ金属化合物が、リチウム、ナトリ
ウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの酸化物、
水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、ケイ酸塩、リン酸塩、
アルミン酸塩、硝酸塩または硫酸塩である。
【0044】具体的なアルカリ金属化合物の処理剤とし
ては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭
酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウム、炭酸水素カ
リウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸化ナトリウム、
水酸化カリウムを使用する。
【0045】炭酸水素ナトリウムとしては、酸性炭酸ナ
トリウム、重炭酸ナトリウム、重炭酸ソーダを、炭酸ナ
トリウムとしては、炭酸ソーダ、ソーダ、ソーダ灰、洗
濯ソーダ、結晶ソーダを、セスキ炭酸ナトリウムとして
は、二炭酸一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウ
ム、ナトリウムセスキカーボネートを、天然ソーダとし
ては、トロナをそれぞれ使用する。
【0046】アルカリ土類金属化合物が、石灰(Ca
O)、消石灰(Ca(OH)2)、炭酸カルシウム(C
aCO3)、ドロマイト(CaCO3・MgCO3)であ
る。
【0047】更にはアルカリ土類金属化合物が、マグネ
シウム、カルシウム、ストロンチウムまたはバリウムの
酸化物、水酸化物、炭酸水素塩または炭酸塩である。
【0048】アルカリ金属がLi,Na,K,Rb,C
s,Frである。
【0049】アルカリ土類金属がCa,Sr,Ba,R
aである。
【0050】もちろん,これに限らず、無害な塩化物を
生成するものであればいずれのものでも良い。
【0051】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1はこの発明の実施の形態を示
す概念図で、図5と同一部分には、同一符号を付して説
明する。図1に示す実施の形態の構成と図5に示す構成
と異なる部分は、第1熱分解装置1への熱風ガスの供給
を、熱容量が最も必要とする部位(被処理物が投入され
て吸熱する部位)に供給し、第2熱分解装置10への熱
風ガスの供給を、熱容量がさほど必要としない部位(炭
化が始まって発熱している部位)に供給したことにあ
る。
【0052】すなわち、第1熱分解装置1への熱風ガス
の通流方向を、被処理物の搬送方向と同方向となるよう
にするとともに、第2熱分解装置10への熱風ガスの通
流方向をも被処理物の搬送方向と同方向となるようにし
た。
【0053】このため、第1熱分解装置1の加熱ジャケ
ット3には、被処理物の投入側に位する部位に加熱媒体
である熱風ガスを導入し、また、第2熱分解装置10の
加熱ジャケット13には、連通ダクト15側に位する部
位に加熱媒体である熱風ガスを熱風炉20から導入す
る。
【0054】上記のように熱風ガスを加熱ジャケット
3,13に導入した際の第1、第2熱分解装置1、10
について説明する。
【0055】第1熱分解装置1では、加熱により被処理
物が含有する水分の除去(乾燥)と、被処理物が含有す
る有機質成分の分解析出(塩素など)を行なう処理であ
ることから、第1熱分解装置1における反応は、被処理
物の加熱に大量の熱源を必要とする反応であり、所謂吸
熱反応となる。
【0056】従って、第1熱分解装置1における被処理
物の搬送方向(図示矢印A1)と熱風ガスの通流方向
(図示矢印B1)とを同方向にすることにより、第1熱
分解装置1内の温度分布は、図中破線(L1−H1)で
示すように、熱風ガスを導入する連絡管23側の温度
(GH1)が高い温度分布であることから、被処理物の
投入口側で多少温度が低下するだけとなる。
【0057】このときの、熱風ガスの温度分布は、図中
二重線(GL1−GH1)で示すように、熱風ガスを導
入する連絡管23側の温度が高く、熱風ガスを排出する
側が低い温度分布となる。
【0058】このため、上段の第1熱分解装置1におい
ては、室温の被処理物が投入されても、第1熱分解装置
1の投入口側の温度は、設定温度(例えば350℃)に
比較してあまり低下しないために、第1熱分解装置1に
おける実質的な乾燥、有機質成分の分解析出は、炉全体
に渡って行なわれるようになる。
【0059】従って、第1熱分解装置1において、熱源
を最も必要とする被処理物の投入部分において充分な熱
量を供給できることから、被処理物の乾燥、有機成分の
分解析出は確実に行なえる。
【0060】次に、第2熱分解装置10について説明す
る。
【0061】第2熱分解装置10では、有機質成分が削
減された被処理物の乾留による炭化処理であることか
ら、被処理物は自身が発熱する発熱反応となる。
【0062】従って、第2熱分解装置10における被処
理物の搬送方向(図示矢印A2)と熱風ガスの通流方向
(図示矢印B2)とを同方向にすることにより、第2熱
分解装置10内の温度分布は、図中破線(L2−H2)
で示すように、処理物の排出口側が低く、乾留が進行し
ている反排出口側が高い温度分布となっているが、その
温度差は少ない。
【0063】一方、熱風ガスの温度分布は、図中二重線
(GL2−GH2)で示すように、熱風ガスを導入した
部分の温度と、乾留による炭化により発熱反応が進行し
ている部分の温度差は、少ない。
【0064】これは、熱風ガスが通流する過程におい
て、一部は放熱するものの内部の被処理物が発熱反応し
ていることに基因しているものと推察される。
【0065】従って、第2熱分解装置10において、発
熱反応が生じている部分に熱風ガスを導入することから
温度低下の少ない熱風ガスを通流できる。
【0066】図2は、上記実施の形態を上下2段の回転
キルン方式の熱分解処理装置に適用した概略構成図で、
図2において、第1熱分解装置1を構成する加熱ジャケ
ット3には、被処理物の投入側に位する部位に熱風ガス
を、連絡管23を介して導入し、また、第2熱分解装置
10を構成する加熱ジャケット13には、連通ダクト1
5側に位する部位に熱風ガスを熱風炉20から導入す
る。
【0067】上記のように構成することにより、熱風炉
20で発生した熱風ガスは、被処理物の搬送方向と同方
向に加熱ジャケット13内を熱分解容器12の周囲を回
転しながら通流して筒状の熱分解容器12を加熱する。
その後、熱風ガスは、連絡管23を介して第1熱分解装
置1の加熱ジャケット3に導入される。導入された熱風
ガスは、被処理物の搬送方向と同方向に加熱ジャケット
3内を熱分解容器2の周囲を回転しながら通流して筒状
の熱分解容器2を加熱する。
【0068】上記のように構成した第1熱分解装置1で
は、被処理物(例えば、有機ハロゲン成分を含む廃棄物
を破砕したもので、大きさは10〜20mm角アンダ
ー)と添加混合した脱塩素剤(炭酸水素ナトリウム、添
加量10重量%)とを投入し、300〜400℃で30
分間加熱して、被処理物が含有する塩素などの有機ハロ
ゲン成分を分解析出する。塩素成分は、添加混合してい
る脱塩素剤と接触反応して無機な塩化物に置換生成す
る。
【0069】また、分解ガスは、乾留ガス導管31を介
してガス燃焼処理炉30に導入し、燃焼(850℃、2
秒以上)処理して無害化する。
【0070】また、第2熱分解装置10では、450〜
550℃の温度にて熱分解を継続し、残存する揮発成分
の分解析出を行い、固定炭素質に富む炭化物を得る。
【0071】なお、30はガス燃焼処理炉で、このガス
燃焼処理炉30に、第1熱分解装置1および第2熱分解
装置10で加熱処理中に発生した乾留ガスを乾留ガス導
管31からエゼクタ32を介して導入する。
【0072】また、ガス燃焼処理炉30には、加熱ジャ
ケット1からの排熱風ガスを循環ブロア33、エゼクタ
ブロア34を介してエゼクタ32からも導入する。な
お、乾留ガス導管31は、外部を熱ガスで保温して導管
内壁に付着物が付くのを防止する。
【0073】ガス燃焼処理炉30は、燃焼バーナ36
で、エゼクタ32からの乾留ガスを燃焼する。乾留ガス
が充分発生している場合には、燃料の供給を絞ることに
より、燃焼バーナ36による燃焼を抑制しても良い。
【0074】ガス燃焼処理炉30で高温燃焼した排ガス
は、排出口35から熱交換器37、バグフィルタ38、
排気ブロア39、煙突40を介して排出される。
【0075】第2熱分解装置10で乾留により得た炭化
物は、排出側ダクト内に設けられたパイプコンベアなど
の搬送手段14から搬送手段16に導入され、搬送手段
16により炭化物を排出する。
【0076】図3は、上記実施の形態をスパイラル方式
の熱分解処理装置に適用した概略構成図で、図3はスパ
イラル式の撹拌と搬送手段を備えた熱分解容器を2段積
みとしたものである。
【0077】図3において、50は被処理物を投入する
投入装置で、ホッパ51とモータMで駆動される搬送手
段52とから構成される。60は被処理物を加熱して熱
分解する熱分解処理装置で、この熱分解処理装置60
は、上下に配設された2つの第1、第2熱分解装置61
と62とから構成される。
【0078】上段の第1熱分解装置61の一端に形成さ
れた供給口61aから被処理物を投入し、搬送手段61
bによって撹拌しながら排出口61cに被処理物を移送
し、フレキシブル継手63を介して下段の第2熱分解装
置62の供給口62aから被処理物を搬入する。
【0079】その後、第2熱分解装置62の搬送手段6
2bによって撹拌しながら炭化処理して排出口62cに
それを移送し、排出口62cから炭化物を排出し、搬送
手段65により炭化物を回収するように構成されてい
る。搬送手段61bおよび62bはスパイラル式のコン
ベアからなり、それぞれモータM1およびM2で回転駆動
される。
【0080】第1、第2熱分解装置61、62は、それ
ぞれ外部加熱手段により加熱される。この外部加熱手段
は、第1、第2熱分解装置61,62全体を覆う加熱ジ
ャケット64を、仕切壁66、67で仕切って第1、第
2熱分解装置61、62を別々に包囲する熱風ガス室6
1dおよび62dを形成し、これら両室を仕切壁66の
一端側に設けた連通口68で連通する。連通口68は、
被処理物の投入側に形成する。
【0081】また、第2熱分解装置62の下部に設けら
れた熱風炉70で発生した熱風ガスは、仕切壁67の一
端側に設けた連通口68aから熱風ガス室62dに導入
される。69は乾留ガス導管である。
【0082】71は、熱風炉70にて熱風ガスを生成す
る燃焼バーナーで、燃料を燃焼して設定温度の熱風ガス
を得る。また、乾留ガスは乾留ガス燃焼炉80に導入し
て燃焼する。さらに、加熱ジャケット64からの排ガス
を循環ブロア72、エゼクタブロア73を用いて、乾留
ガス燃焼炉80内に導入して燃焼する。81は燃焼バー
ナー、82は熱交換器、83はバグフィルタ、84は煙
突である。
【0083】上記のように、第1、第2熱分解装置6
1,62を構成することにより、第1熱分解装置61へ
の熱風ガスの供給を、熱容量が最も必要とする部位に供
給でき、第2熱分解装置62への熱風ガスの供給を、熱
容量がさほど必要としない部位に供給できるようにな
る。
【0084】すなわち、第1熱分解装置61への熱風ガ
スの通流方向を、被処理物の搬送方向と同方向となるよ
うにするとともに、第2熱分解装置62への熱風ガスの
通流方向をも被処理物の搬送方向と同方向となるように
なる。これにより、回転キルン方式と同様な作用効果が
得られる。
【0085】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
被処理物の搬送方向と、熱風ガスの通流方向とを同方向
とするように構成したので、 (1)熱容量を最も必要としている部分、被処理物の投
入部分側にまず熱風ガスを供給することで熱風ガスの温
度低下を少ないものにすることで被処理物の加熱処理
(乾燥、有機質成分の分解析出)を確実に行なえる。 (2)熱容量をさほど必要としない部分(例えば、発熱
反応を生じている乾留による炭化部分)にまず熱風ガス
を供給することで、熱風ガスの温度低下を防止できるの
で、エネルギー負担の削減が図れるとともに、装置、施
設の小型化も図れ、且つエネルギー負担を少なくするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態を示す概念図。
【図2】実施の形態を上下2段の回転キルン方式の熱分
解処理装置に適用した概略構成図。
【図3】実施の形態をスパイラル方式の熱分解処理装置
に適用した概略構成図。
【図4】上下2段の回転キルン方式を熱分解処理装置に
適用した概略構成図。
【図5】上下2段の回転キルン方式における第1、第2
熱分解装置の温度分布図。
【符号の説明】
1…第1熱分解装置 2,12…筒状の熱分解容器 3,13…加熱ジャケット 10…第2熱分解装置 15…連通ダクト 20…熱風炉 21…燃焼バーナー 23…連絡管 30…ガス燃焼処理炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C10B 53/00 C10B 53/00 A F23G 5/00 108 F23G 5/00 108B 5/02 5/02 D 5/20 5/20 A Fターム(参考) 3K061 AA07 AB02 AC01 BA05 BA10 CA07 FA10 FA12 GA05 GA10 KA02 KA05 KA15 KA21 KA28 3K065 AA07 AB02 AC01 BA05 BA10 CA04 4D004 AA01 CA24 CB04 CB05 CB09 CB34 CB36 CB45 CC12 4H012 HA03 HA04 HA05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被処理物を一端側から導入して回転攪拌
    搬送しながら熱分解処理し、他端側から排出する略筒状
    の熱分解容器と、熱分解容器を包囲し内部に加熱媒体が
    導入される加熱ジャケットとを備えて構成した熱分解処
    理手段を備え、 加熱ジャケットの一端側から導入し他端側から排出され
    る熱媒体による加熱により熱分解容器内を搬送する被処
    理物を加熱分解処理する方法であり、 被処理物の搬送方向と同方向に加熱媒体を加熱ジャケッ
    トに通流して被処理物を加熱分解することを特徴とする
    熱分解処理方法。
  2. 【請求項2】 熱分解容器の被処理物の投入側に位する
    部位の加熱ジャケットに加熱媒体を導入し、被処理物の
    排出側の加熱ジャケットから加熱媒体を導出することを
    特徴とする請求項1記載の熱分解処理方法。
  3. 【請求項3】 熱分解容器は、筒状の容器から構成され
    ることを特徴とする請求項1記載の熱分解処理方法。
  4. 【請求項4】 筒状の熱分解容器は、複数本を略水平方
    向に配置し、且つ上下方向又は及び水平方向に配置した
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の熱分解処理方
    法。
  5. 【請求項5】 筒状の熱分解容器は、その容器が回転す
    るキルン方式により構成したことを特徴とする請求項1
    又は2記載の熱分解処理方法。
  6. 【請求項6】 筒状の熱分解容器は、その容器内部にス
    クリュー方式又はスパイラル方式を備えた回転搬送手段
    により構成したことを特徴とする請求項1又は2記載の
    熱分解処理方法。
  7. 【請求項7】 被処理物を加熱処理する際には、加熱に
    より分解析出した塩素と接触反応して無害な塩化物を生
    成する薬剤を添加することを特徴とする請求項1から請
    求項6の何れかに記載の熱分解処理方法。
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