JP2003226511A - 活性炭製造方法とその施設 - Google Patents

活性炭製造方法とその施設

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JP2003226511A
JP2003226511A JP2002030463A JP2002030463A JP2003226511A JP 2003226511 A JP2003226511 A JP 2003226511A JP 2002030463 A JP2002030463 A JP 2002030463A JP 2002030463 A JP2002030463 A JP 2002030463A JP 2003226511 A JP2003226511 A JP 2003226511A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低廉でしかも比表面積の大きい高品質な活性
炭を得ること。 【解決手段】 孔を有する固定炭素成分からなる原料か
ら活性炭を得る活性炭製造方法であって、原料を含浸用
液体によって含浸処理することで、当該原料の孔内に含
浸用液体を含浸させる含浸処理工程2と、前記含浸処理
した原料等を凍結処理することで、含浸させた孔の体積
を膨張させる凍結処理工程3と、前記凍結処理した原料
を加熱処理することで、前記孔内の含浸成分を除去して
活性炭を得る賦活処理工程4と、を有する。ここで、含
浸用液体は、凍結が容易な水、水蒸気、または酸若しく
はアルカリの水溶液であるとよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭化物を賦活して
活性炭得る方法とその施設に関するものである。
【0002】
【従来の技術】活性炭を得るには、各種材料の炭化物を
600〜1000℃に加熱し、且つ多孔化媒体などを併
用して炭化物を多孔質化して比表面積を拡大する、いわ
ゆる賦活によって得るのが一般的な方法である。
【0003】尚、賦活手段として、水蒸気を用いること
も一般的に行われている。
【0004】例えば、特開平8−2910号は、水分を
含有する有機性産業廃棄物を原料とし、炭化と並行して
含有する水分による水蒸気による賦活を行って活性炭を
得ている。
【0005】また、特開平5−132306号は、各種
木質繊維物質、炭素化合物原料を水蒸気と接触させるこ
とで賦活することにより活性炭を得ている。
【0006】さらに、特開平7−242407号は、下
水汚泥をアルカリ、酸性雰囲気で賦活して活性炭を得て
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、水蒸気
等を用いての前記賦活処理方法は高エネルギーが必要で
あり、施設の大型化及び高コスト化となり、活性炭を安
価に製造することが困難となる。
【0008】本発明は、かかる事情に鑑みなされたもの
で、その目的は、低廉でしかも比表面積の大きい高品質
な活性炭の製造を可能とする活性炭の製造方法及びその
施設の提供、にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】発明者は、鋭意検討した
結果、炭化物に水分などの溶液を含ませ、この溶液を膨
張させることでクラックを発生させることにより、多孔
質化を促進することが可能となり、孔径の拡大化及び活
性炭の比表面積の増大が図れ、これにより、低廉でしか
も比表面積の大きい高品質な活性炭が得られることを見
出した。
【0010】すなわち、前記課題を解決するための本発
明は以下のことを特徴とする。
【0011】請求項1記載の発明は、孔を有する固定炭
素成分からなる原料から活性炭を得る活性炭製造方法で
あって、前記原料の孔に含浸用液体を含浸させ、この原
料を凍結処理した後、含浸成分を除去することにより、
活性炭を得ることを特徴するものである。
【0012】請求項2記載の発明は、請求項1記載の活
性炭製造方法において、前記凍結処理した含浸成分を含
む原料を、加熱処理することにより、該原料から含浸成
分を除去することを特徴とするものである。
【0013】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の活性炭製造方法において、固定炭素を含有する有
機質材料を熱分解処理して前記原料を得た後、この原料
の孔に含浸用液体を含浸させてから、これを前記凍結処
理に供することを特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の発明は、請求項1から3記
載の活性炭製造方法において、固定炭素を含有する有機
質材料を熱分解処理して得た前記原料を、破砕して粉炭
を得た後、この粉炭の孔に含浸用液体を含浸させから、
これを前記凍結処理に供することを特徴とするものであ
る。
【0015】請求項5記載の発明は、請求項1から4記
載の活性炭除去方法において、前記凍結処理した原料
を、解砕した後、含浸成分を除去することを特徴とす
る。
【0016】請求項6記載の発明は、孔を有する固定炭
素成分からなる原料から活性炭を生成する活性炭の製造
施設であって、前記原料が供給され、これを含浸用液体
によって含浸処理する含浸処理手段と、前記含浸処理し
た原料を凍結処理して、当該原料の孔を膨張させて活性
炭を得る凍結処理手段と、を備えたことを特徴するもの
である。
【0017】請求項7記載の発明は、請求項6記載の活
性炭製造施設において、固定炭素を有する有機質材料を
熱分解によって孔を有する固定炭素成分からなる前記原
料を得る熱分解処理装置を備え、当該原料を含浸処理手
段における含浸処理に供することを特徴とするものであ
る。
【0018】請求項8記載の発明は、請求項6または7
記載の活性炭製造施設において、前記熱分解処理によっ
て得た原料若しくは前記凍結処理した原料が供給され、
これを加熱処理して活性炭を得る賦活処理炉を備えたこ
とを特徴するものである。
【0019】請求項9記載の発明は、請求項6から8い
ずれか記載の活性炭製造施設において、熱分解処理装置
で得た原料を粉砕して粉炭を得る破砕機を備え、当該粉
炭を、含浸処理手段における含浸処理に供することを特
徴とするものである。
【0020】請求項10記載の発明は、請求項6から9
いずれか記載の活性炭製造施設において、凍結処理手段
にて凍結処理した原料若しくは粉炭を解砕する解砕機を
備え、解砕した原料若しくは粉炭を、賦活処理炉に供す
ることを特徴とするものである。
【0021】請求項11記載の発明は、請求項6から1
0いずれか記載の活性炭製造施設において、凍結処理手
段は、被冷凍物移送中に直接または間接的に冷媒を供給
することを特徴とするものである。
【0022】請求項12記載の発明は、請求項11記載
の活性炭製造施設において、凍結処理手段は、被冷凍物
を搬送する胴体に、冷媒供給手段または冷媒が流通する
凍結ジャケットを備えた冷凍機からなることを特徴とす
るものである。
【0023】請求項13記載の発明は、請求項1から1
2いずれか記載の活性炭製造方法と活性炭製造施設にお
いて、含浸用液体は、水、水蒸気、または酸若しくはア
ルカリの水溶液であることを特徴とするものである。
【0024】請求項14記載の発明は、請求項1から1
3いずれか記載の活性炭製造方法と活性炭製造施設にお
いて、凍結処理に供する冷媒は、液体窒素であることを
特徴とするものである。
【0025】請求項15記載の発明は、請求項2から5
または7から14いずれか記載の活性炭製造方法とその
施設において、固定炭素を含有する有機質材料に、有機
ハロゲン化合物と反応して無害な塩化物を生成する薬剤
を添加混合して加熱処理することを特徴するものであ
る。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施形態につい
て述べる。
【0027】図1は、本発明の活性炭製造方法の概要を
示したフローチャート図である。また、図2は、本発明
の活性炭製造方法を実施するための活性炭製造施設の一
例を示した概略図である。
【0028】熱分解処理装置10は、図1記載の熱分解
処理工程1を実施するための設備で、原料を熱分解処理
(乾留)して、原料に含まれる有機物成分を分解析出さ
せる。図2示したように、本実施形態においては、第一
分解炉11と第二分解炉12と熱風炉16とを備える。
第一分解炉11と第二分解炉12は、図2に示されたよ
うに、上下2段に配置され、第二分解炉12の供給口側
が第一分解炉11の排出口側と連絡するように二段配置
されている。そして、第一分解炉11の原料供給側に
は、原料供給ダクト13が具備される。また、第一分解
炉11の排出口側と第二分解炉12の供給口側には、こ
れら排出口側と供給口側を覆って連通する連通ダクトが
設けられ、第一分解炉11で加熱処理した原料を、第二
分解炉12での、さらなる加熱処理(乾留)に供してい
る。さらに、第二分解炉12の排出側には、含処理処理
手段20と連絡する排出ダクト15が具備されている。
排出ダクト15内には、炭化物を含浸処理手段20に供
給するために、後述するように駆動源Mによって作動す
るスクリュー等の搬送手段が具備される(図3)。
【0029】第一分解炉11は、回転キルン方式を採用
し、回転自在の回転円筒体11aと、回転円筒体の外周
にガスダクトを形成し熱風ガスを導入して回転円筒体1
1aを外部から加熱する外部加熱手段としての加熱ジャ
ケット11bと、回転円筒体11aを両端側で回転自在
に支承する支持ローラ(図示省略)と、回転円筒体を回
転駆動する回転駆動手段(図示省略)と、を具備してな
る。尚、熱風ガスは、熱風炉16から導入している。
【0030】回転円筒体11aは、その一端側に被処理
物を搬入する図示省略した供給口側を、また他端側に図
示省略した排出口側を設け、円筒体内部には回転円筒体
11aの軸線に対して傾斜させた図示省略した送り羽根
が複数枚具備されている。そして、原料供給ダクト13
から供給された被処理物を、供給口側から回転円筒体1
1aに導入し、回転円筒体11aの回転によって、該被
処理物を撹拌しながらの排出口側への移送を可能とさせ
ている。尚、供給側ダクト13には、被処理物と脱塩素
剤とを混合した混合物を投入するために、図示省略され
たホッパー設備が具備される。
【0031】第二分解炉12は、第一分解炉11から供
給された処理物中に残存する有機物成分の分解析出を行
う炉であり、回転キルン方式を採用し、第一分解炉11
と同じ構成をなし、回転円筒体12aと加熱ジャケット
11bとを備える。第二分解炉12の構成の詳細な説明
は、先の第一分解炉11の説明に譲る。
【0032】熱風炉16は、熱風ガス(例えば温度約4
50〜600℃程度)を発生し第一及び第二分解炉1
1,12に供給するための設備で、熱風を発生させるた
めの燃焼バーナー17を備えている。発生した熱ガス
は、第二分解炉12の加熱ジャケット12bに供給し、
第二分解炉12の回転円筒体を加熱した後、連絡管12
0を介して、第一分解炉11の加熱ジャケット11b内
に供給される。このとき、温度調整空気を送り込み、熱
風ガスの温度を調整する。このように、第一分解炉11
と第二分解炉12は、熱風ガスで外部から間接加熱さ
れ、内部の原料が乾留処理される。
【0033】尚、熱分解処理装置10に供される原料
は、炭素を含んだ化合物であれば、いかなる材料でもよ
い。すなわち、具体的な原料としては、一般廃棄物や産
業廃棄物等が例示される。
【0034】また、原料が有機ハロゲン化合物を含有す
る場合、熱分解処理装置10は、加熱により分解析出し
た有機ハロゲン化合物と接触反応して無害な塩化物を生
成する薬剤を被処理物に添加混合して、これを加熱処理
している。
【0035】脱塩素剤は、原料の熱分解により生成した
塩素と接触反応して無害な塩化物を置換生成する薬剤で
ある。例えば、発明者らが先に出願している、アルカリ
金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカ
リ土類金属化合物中の少なくとも1種類を選択または2
種類以上を混合したものが有効である。
【0036】アルカリ金属化合物としては、例えば、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム
またはフランシウムの、酸化物、水酸化物、炭酸水素
塩、炭酸塩、ケイ酸塩、アルミン酸塩、硝酸塩または硫
酸塩等が挙げられる。
【0037】具体的なアルカリ金属化合物の処理剤とし
ては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、
セスキ炭酸ナトリウム、天然ソーダ、炭酸カリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等が挙げられる。尚、炭酸水素
ナトリウムは、酸性炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム
または重炭酸ソーダと別称される。炭酸ナトリウムは、
炭酸ソーダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダまたは結晶
ソーダと別称される。セスキ炭酸ナトリウムは、二炭酸
一水素ナトリウム、三二炭酸水素ナトリウムまたはナト
リウムセスキカーボネートと別称される。天然ソーダ
は、トロナと別称される。
【0038】また、アルカリ土類金属化合物としては、
例えば、カルシウム、ストロンチウム、バリウムまたは
ラジウムの、酸化物、水酸化物、炭酸水素塩または炭酸
塩等が挙げられる。
【0039】具体的なアルカリ金属化合物の処理剤とし
ては、例えば、石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH)
2)、炭酸カルシウム(CaCO3)またはドロマイド
(CaCO3・MgCO3)等が挙げられる。
【0040】含浸処理手段20は、図1記載の含浸処理
工程2を行うための設備で、熱分解処理装置10で生成
させた炭化物の孔に含浸用液体を含浸させる。本実施形
態において、含浸手段20は、例えば図3に示した形態
のように、熱分解処理装置10と凍結処理手段30とを
連絡するダクト21内に、含浸用液体を供給するための
含浸用液体供給手段22を備えたような構成となってい
る。含浸用液体供給手段22の一例としては、スプレー
ノズル等の噴霧手段があり、ダクト内に適宜複数付帯さ
れる。含浸用液体としては、水蒸気や水、さらには酸若
しくはアルカリの水溶液が例示される。
【0041】また、図示省略するが、排出ダクト15
に、熱分解処理装置で得た炭化物を粉砕して粉炭を得る
破砕機を備えるとよい。粉炭とすることにより、炭化物
の総表面積が広くなり、これに含浸用液体を含浸して凍
結処理すれば、より一層表面積の広い活性炭が得られる
からである。破砕機は、炭化物を粉砕できるものであれ
ばよく、既知のものでよい。
【0042】凍結処理手段30は、図1記載の凍結処理
工程3を実施するための設備で、含浸処理手段20にて
含浸処理した炭化物を凍結処理する。凍結処理手段30
は、例えば図4(a)(b)に示した形態のように、被
凍結物を搬送する胴体31に、冷媒供給手段21または
凍結ジャケット24を備えた冷凍機からなる。
【0043】冷媒としては、液体窒素が例示される。冷
媒は、被凍結物に形成された孔に含浸した液相を冷却氷
化できるものであればよいので、液体窒素に限定される
ものではない。
【0044】また、凍結処理手段30には、冷却効率を
一定に維持させるために、炉内温度の監視するための図
示省略した温度測定手段が具備される。尚、凍結処理手
段30における胴体31には、被凍結物の表面を均一に
冷却させながら次工程の賦活処理炉40に移送させるた
めの移送手段が具備される。移送手段としては、スクリ
ューやスパイラル等が採用される。
【0045】ここで、図4(a)に例示した凍結処理手
段は、冷媒を直接的に供給する方式のもので、胴体31
内に冷媒供給手段32を適所に適宜複数具備している。
具体的な冷媒供給手段の一例として、スプレーノズル等
の噴霧手段がある。胴体31には、凍結処理に使用され
て揮発したガス状冷媒を系外に移送するための排出路3
3が設けられている。
【0046】また、図4(b)に例示した凍結処理手段
は、冷媒を間接的に供給する方式のもので、胴体31
に、冷媒を流通または循環流通させた凍結ジャケット3
1を付帯させている。胴体31には、凍結処理に使用し
た冷媒を一時的に系外に移送するための排出路35が設
けられている。
【0047】賦活処理炉40は、図1記載の賦活工程4
を実施するための設備で、凍結処理手段30にて凍結処
理した炭化物を加熱処理する。当該炭化物は、パイプコ
ンベアなどの搬送手段41によって導入している。
【0048】また、図示省略したが、凍結処理手段30
と搬送手段41を連絡する経路に、凍結処理手段にて凍
結処理した原料、炭化物若しくは粉炭を解砕する解砕機
を備えるとよい。解砕機を設けたことの趣旨は、前記破
砕機と同様である。解砕機も、凍結処理した原料等を粉
砕できるものであればよく、既知のものでよい。
【0049】賦活処理炉40は、回転炉42から構成さ
れ、回転炉42は、筒状の鋼材からなり、その筒状の鋼
材の内部にはキャスタブル材による耐火・耐熱層が設け
られている。また、回転炉42は、軸方向の両側が回転
ローラ43,44で支持され、モータMからなる駆動源
45によって回転する。
【0050】回転炉42は、進行方向に適度に傾斜して
構成され、自然搬送が可能となるようにしている。回転
炉42の内部には、図示省略した回転搬送手段を備えて
いる。
【0051】また、回転炉42の上流側、すなわち、炭
化物投入側には、箱状の投入ジャケット46がシール4
61を介して具備され、炭化物の搬送手段(スクリュ
ー、スパイラル)41と、炭化物を着火燃焼する燃焼バ
ーナー47とが具備されている。また、投入ジャケット
46には、燃焼効率を維持させるために図示省略した空
気供給手段が具備される。
【0052】さらに、回転炉42の下流側、すなわち、
灰化物排出側には、内部にキャスタブル材による耐火・
耐熱層(図示省略)を装着した箱状の排出ジャケット4
8がシール481を介して備えられている。排出ジャケ
ット48から排出された灰化物は、図示省略した灰回収
箱にて回収される。尚、排出ジャケット48からの排ガ
スは燃焼処理炉50に供される。
【0053】ガス燃焼処理炉50は、第一分解炉11及
び第二分解炉12で発生した乾留ガス及び賦活処理炉4
0からの排出ガスを燃焼処理する。ここでは、乾留ガス
を乾留ガス導管140からエゼクタ52を介して導入し
ている。このとき、ガス燃焼処理炉50には、加熱ジャ
ケット11bからの排熱風ガスが、ブロア53,54等
の移送手段によって、エゼクタ52を介し、導入され
る。尚、乾留ガス導管140は熱ガスによって保温さ
れ、浮遊物が導管内壁に付着するのを防いでいる。
【0054】ガス燃焼処理炉50は、導入したガスを燃
焼するガス燃焼室を備える。ガス燃焼室においては、乾
留ガスさらには賦活処理炉40で発生した排ガスを燃焼
バーナー51によって混合燃焼する。尚、乾留ガスが充
分発生している場合には、燃焼バーナー51による燃焼
は、燃料の供給を絞ることにより適宜制限される。高温
燃焼処理されたガスは、熱交換器55、バグフィルタ5
6、排気ブロア57及び煙突58を介して、系外に排出
される。
【0055】図1及び5を参照しながら、当該活性炭製
造施設における各工程の作用について説明する。
【0056】先ず、熱分解処理装置10における第一分
解炉1では、原料(炭素を含んだ化合物、具体的には例
えば一般廃棄物や産業廃棄物であり、例えば10〜20
mm角アンダーまでに破砕処理されたもの)が投入さ
れ、約300〜400℃程度の雰囲気及び一定の滞留時
間(例えば約30分間)のもとで、乾留処理される。
尚、原料に塩素等のハロゲン成分が含まれている場合、
当該原料に脱塩素剤(例えば、炭酸水素ナトリウム 添
加量 10重量%)が添加混合される。
【0057】このとき、原料に含有した有機物成分が先
ず分解析出する。また、塩素成分は添加混合している脱
塩素剤と接触反応して無害な塩化物に置換される。さら
に、他の分解析出有機物成分は、乾留ガス導入管140
を介してガス燃焼処理炉50における燃焼処理に供さ
れ、一定の雰囲気及び滞留時間のもとで(例えば、約8
50℃の雰囲気で、2秒以上の滞留時間)、無害化処理
される。
【0058】次いで、第二分解炉2では、第一分解炉1
から供給された処理物が、例えば約450〜600℃程
度の雰囲気で、さらに乾留処理されることで、該処理物
に残存する有機物成分がさらに分解析出し、除去され
る。この分解析出成分は、乾留ガス導入管140を介
し、ガス燃焼処理炉50に供され、無害化処理される。
【0059】尚、第一及び第二分解炉11,12におけ
る熱分解処理により発生した分解ガス(乾留ガス)は、
移送手段によって、熱風ガスの一部と新鮮な空気と共
に、乾留ガス導入管60を介して、ガス燃焼処理炉6に
導入され、燃焼処理される。
【0060】このように、熱分解処理装置10で生成し
た炭化物は、有機物成分が除去され多孔化し、図5
(a)に示されたような、複数の孔、すなわちマクロポ
アやメソポアを形成させている。当該炭化物は、排出ダ
クト15を介して、含浸処理手段20に供される。
【0061】含浸処理手段20では、前記炭化物に含浸
用液体が噴霧される。かかる工程によって、含浸用液体
が炭化物の孔内に浸入し、やがて孔内は、図5(b)に
示したように、含浸用液体によって満たされる(図5
(b)斜線部分)。このとき、含浸用液体に酸またはア
ルカリの水溶液を用いた場合、炭化物表面に残留してい
た有機成分や無機成分が、含浸液相内に溶出し、分離除
去される。そして、この過程によって、サブミクロポア
の形成が容易となる。この含浸処理した炭化物は、直ち
に、凍結処理手段30に供される。
【0062】凍結処理手段30では、含浸処理炭化物が
凍結処理される。当該炭化物は、先の有機物成分が除去
されて多孔化している。そこで、この多孔質化した炭化
物を凍結処理することで、孔内の液相は凍結氷化して膨
張する。そして、この膨張によって、当該炭化物は多数
のクラックを生じ、多孔質化が促進されて、ミクロポア
やサブミクロポアが形成され、または、破壊されて細粒
となる(図5(c))。細粒化及び多孔質化された炭化
物は、搬送手段41を介して、賦活処理炉40に供され
る。
【0063】賦活処理炉40では、凍結処理した炭化物
は、例えば600から1000℃の雰囲気のもとで、加
熱処理される。このとき、当該炭化物の孔内に含浸され
た液相成分は蒸発する。そして、この蒸発の際に、当該
炭化物の表面はさらに削られて、マクロポア、メソポ
ア、ミクロポア、さらにはサブミクロポアを形成させる
(図5(d))。このようにして、当該炭化物は、なお
一層多孔質化され、比表面積の大きい高品質の活性炭が
生成される。
【0064】尚、第一及び第二分解炉11,12におけ
る熱分解処理により発生した分解ガス(乾留ガス)は、
熱風ガスの一部と新鮮な空気と共に、乾留ガス導入管1
40を介して、ガス燃焼処理炉6に導入され、賦活処理
炉40から排出されたガスと共に、燃焼処理される。
【0065】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
は以下の効果を奏する。
【0066】本発明の熱分解処理方法及びその施設は、
炭化物に水分などの含浸用液体を含浸させて凍結すると
いった簡単な手段にて、炭化物内に多数のクラックを惹
起させて多孔化を促進でき、さらに、これを加熱処理す
ることで、一層の多孔化が図れ、これにより、低廉でし
かも比表面積の大きい高品質な活性炭を得ることができ
る。
【0067】また、本発明は、ダイオキシン類等の有害
物質の副生成させることなく、活性炭を製造させること
ができるので、一般廃棄物及び産業廃棄物の有効利用に
寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の活性炭製造方法の概要を示したフロー
チャート図。
【図2】本発明の一実施形態である熱分解処理施設の概
略図。
【図3】本発明における含浸処理手段の実施形態例を示
した概略図。
【図4】本発明における凍結処理手段の実施形態例を示
した概略図で、(a)は直接冷却方式、(b)は間接冷
却方式。
【図5】本発明の活性炭製造工程における炭化物の状態
を概説した説明図。
【符号の説明】
1…熱分解処理工程、2…含浸処理工程 3…凍結処理工程 4…賦活処理工程 10…熱分解処理装置,11…第一分解炉,12…熱風
炉 20…含浸処理手段,22…含浸用液体供給手段 30…凍結処理手段,32…冷媒供給手段 40…賦活処理炉

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 孔を有する固定炭素成分からなる原料か
    ら活性炭を得る活性炭製造方法であって、前記原料の孔
    に含浸用液体を含浸させ、この原料を凍結処理した後、
    含浸成分を除去することにより、活性炭を得ることを特
    徴する活性炭製造方法。
  2. 【請求項2】 前記凍結処理した含浸成分を含む原料
    を、加熱処理することにより、該原料から含浸成分を除
    去することを特徴とする請求項1記載の活性炭製造方
    法。
  3. 【請求項3】 固定炭素を含有する有機質材料を熱分解
    処理して前記原料を得た後、この原料の孔に含浸用液体
    を含浸させてから、これを前記凍結処理に供することを
    特徴とする請求項1または2記載の活性炭製造方法。
  4. 【請求項4】 固定炭素を含有する有機質材料を熱分解
    処理して得た前記原料を、破砕して粉炭を得た後、この
    粉炭の孔に含浸用液体を含浸させから、これを前記凍結
    処理に供することを特徴とする請求項1から3記載の活
    性炭製造方法。
  5. 【請求項5】 前記凍結処理した原料を、解砕した後、
    含浸成分を除去することを特徴とする請求項1から4記
    載の活性炭除去方法。
  6. 【請求項6】 孔を有する固定炭素成分からなる原料か
    ら活性炭を生成する活性炭の製造施設であって、前記原
    料が供給され、これを含浸用液体によって含浸処理する
    含浸処理手段と、前記含浸処理した原料を凍結処理し
    て、当該原料の孔を膨張させて活性炭を得る凍結処理手
    段と、を備えたことを特徴する活性炭製造施設。
  7. 【請求項7】 固定炭素を有する有機質材料を熱分解に
    よって孔を有する固定炭素成分からなる前記原料を得る
    熱分解処理装置を備え、当該原料を含浸処理手段におけ
    る含浸処理に供することを特徴とする請求項6記載の活
    性炭製造施設。
  8. 【請求項8】 前記熱分解処理によって得た原料若しく
    は前記凍結処理した原料が供給され、これを加熱処理し
    て活性炭を得る賦活処理炉を備えたことを特徴する請求
    項6または7記載の活性炭製造施設。
  9. 【請求項9】 熱分解処理装置で得た原料を粉砕して粉
    炭を得る破砕機を備え、当該粉炭を、含浸処理手段にお
    ける含浸処理に供することを特徴とする請求項6から8
    いずれか記載の活性炭製造施設。
  10. 【請求項10】 凍結処理手段にて凍結処理した原料若
    しくは粉炭を解砕する解砕機を備え、解砕した原料若し
    くは粉炭を、賦活処理炉に供することを特徴とする請求
    項6から9いずれか記載の活性炭製造施設。
  11. 【請求項11】 凍結処理手段は、被冷凍物移送中に直
    接または間接的に冷媒を供給することを特徴とする請求
    項6から10いずれか記載の活性炭製造施設。
  12. 【請求項12】 凍結処理手段は、被冷凍物を搬送する
    胴体に、冷媒供給手段または冷媒が流通する凍結ジャケ
    ットを備えた冷凍機からなることを特徴とする請求項1
    1記載の活性炭製造施設。
  13. 【請求項13】 含浸用液体は、水、水蒸気、または酸
    若しくはアルカリの水溶液であることを特徴とする請求
    項1から12いずれか記載の活性炭製造方法と活性炭製
    造施設。
  14. 【請求項14】 凍結処理に供する冷媒は、液体窒素で
    あることを特徴とする請求項1から13いずれか記載の
    活性炭製造方法と活性炭製造施設。
  15. 【請求項15】 固定炭素を含有する有機質材料に、有
    機ハロゲン化合物と反応して無害な塩化物を生成する薬
    剤を添加混合して加熱処理することを特徴する請求項2
    から5または7から14いずれか記載の活性炭製造方法
    とその施設。
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