JP2003012857A - 廃繊維強化プラスチック材の処理方法及び処理装置 - Google Patents

廃繊維強化プラスチック材の処理方法及び処理装置

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JP2003012857A
JP2003012857A JP2001201608A JP2001201608A JP2003012857A JP 2003012857 A JP2003012857 A JP 2003012857A JP 2001201608 A JP2001201608 A JP 2001201608A JP 2001201608 A JP2001201608 A JP 2001201608A JP 2003012857 A JP2003012857 A JP 2003012857A
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reinforced plastic
fiber reinforced
plastic material
waste fiber
conveyor
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JP2001201608A
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Yoshiyuki Kashiwagi
佳行 柏木
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
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  • Gasification And Melting Of Waste (AREA)
  • Separation, Recovery Or Treatment Of Waste Materials Containing Plastics (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 被処理物中の繊維物が熱分解手段内を閉塞す
るのを防止するとともに、プラスチック材が含有する有
機ハロゲン化合物を安全に除去する。 【解決手段】 廃繊維強化プラスチック材を破砕して得
た被処理物を投入装置16により熱分解装置19に脱塩
化剤と共に投入し、天側の分解炉20中を移動手段22
により移動させて乾燥・脱塩素処理、搬送路24中を搬
送手段25により搬送した後、地側の分解炉21中を移
動手段23に移動させて炭化処理し、得た炭化物と繊維
物からなる処理物を回収手段45により回収する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、繊維強化プラス
チック材からなる構造物の廃材の有効再利用処理に係
り、原料となる廃繊維強化プラスチック材(繊維強化プ
ラスチック材の廃材)の無害化処理を行い、有害物質を
含まない繊維、炭化物を回収し、これを用いて再利用品
の原料を得るようにした廃繊維強化プラスチック材の処
理方法及び処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ガラス繊維などで強化された繊維強化プ
ラスチック材からなる構造物の廃材は、ガラス繊維など
の微細材とプラスチックなどの可燃物質を含むことか
ら、焼却処理し、残渣は埋め立てなどにより処理するこ
とが一般的に行われている。例えば、特開平10−30
0050号、特開平8−135950号、特開平6−1
14368号、特開平5−280720号等には、FR
P(繊維強化プラスチック)廃船等の焼却処理手段が提
案されている。
【0003】一方、資源を有効活用し、循環型社会を目
指すために、資源を焼却に代えて再利用する各種の技術
が提案されている。まず、ガラス成分を利用するものと
して、特開平6−127978号(特公平7−8823
7号)があり、これは、ガラス繊維強化プラスチックの
ガラス成分を活用して結晶化ガラスに再生するものであ
り、廃FRP材(繊維強化プラスチックの廃材)を熱分
解あるいは燃焼した残渣を粉砕して得た粉末(ガラス成
分が主体)を成形し、850〜950℃で熱処理して結
晶化ガラスを得るものである。
【0004】又、ガラス成分を利用するものとして、特
開平6−116057号があり、これは、主成分のフラ
イアッシュに破砕したガラス繊維強化プラスチックなど
を添加混合し、700〜1000℃で焼結して多孔質セ
ラミックスを得るものであり、添加したFRPは200
℃付近で熱分解しガスを発生して炭化し、さらに高温に
なるとこの炭化物もCOガスを発生し、気孔が形成され
て多孔質化し、またガラス繊維が網目状に残って靱性を
確保するようになり、吸着材、濾過材として再利用でき
るようにしたものである。
【0005】また、繊維の状態で回収するものとして、
特開平10−87872号があり、これは、超臨界、亜
臨界の環境で反応させてFRPから損傷のないガラス繊
維、炭素繊維を分離回収して再利用するものである。
【0006】さらに、ガラス繊維強化プラスチックとは
限らないが、ガラスと炭化物との組み合わせにより多孔
質体を形成するものとして、特開2000−30886
4があり、これは、炭化物粉末とガラス粉末とその他の
無機質材を混合し、高温加熱処理して多孔質物(粒状、
板状など)を得、路盤材、水質浄化材などとして再利用
するものである。又、特開2000−34179では、
各種無機質材料(例えばガラス)に可燃性発熱物質(例
えば「チャー」)等を混合し、1000〜1300℃で
焼結することにより、気孔率20%以上の粒状焼結体に
して保水性を備えたものを得、農業土壌、植生土壌の保
水通気材などとして再利用するものが示されている。
又、特開平10−46585号では、骨材としてガラス
繊維を分散した緑化用構造物が示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】廃FRP材から繊維を
回収し、再利用する場合に問題となるのは、プラスチッ
ク材が含有する有機ハロゲン化合物を安全に除去するこ
とである。この技術に関しては、本発明者は既に数多く
提案しており、例えば有機ハロゲン化合物を塩素と接触
反応させて無害な塩化物を生成させ、残渣、分解ガス中
に塩素、ダイオキシン類が残存、生成しないようにした
技術である。
【0008】又、プラスチックと繊維の分離を効率良く
行うことが重要である。本発明者は、幾多の実験の結
果、熱分解でプラスチックを炭化することにより、繊維
を分離できることを見出したが、新たな課題が生じた。
即ち、投入初期は固形状態であった被処理物は、熱分解
の進行により、プラスチックと繊維に分離する。分離し
た繊維は熱分解炉内を搬送中に絡み合って綿状の状態に
なって団子状になり、熱分解炉内の搬送炉内に溜まり、
搬送炉内を閉塞する状況が発生することが判明した。こ
れは、熱分解炉内の強制的に搬送される部位では弊害は
生じないが、熱分解炉が複数に分割され、接続ダクトで
接続して一連の熱分解処理を行うようにした場合、移動
方向が急激に変わるため、分離した繊維がこの部分に溜
まるものと考えられる。このことは、プラスチック量に
比較して繊維量が多い場合に顕著であり、例えばFRP
船やFRP浴槽などの住宅機器を処理する場合などであ
る。
【0009】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、被処理物中の繊維物が熱分解
手段内を閉塞するのを防止するとともに、プラスチック
材が含有する有機ハロゲン化合物を安全に除去すること
ができる廃繊維強化プラスチック材の処理方法及び処理
装置を得ることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
る廃繊維強化プラスチック材の処理方法は、廃繊維強化
プラスチック材を破砕して得た被処理物を投入する投入
手段と、投入された被処理物を熱分解して炭化物と繊維
物とに置換する熱分解手段と、得た処理物を回収する回
収手段とを備えた処理装置を用いて廃繊維強化プラスチ
ック材を処理する方法であって、被処理物が熱分解手段
内を通過する全工程で強制搬送されるものである。
【0011】請求項2に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理方法は、熱分解処理において、被処理物が含有す
る有機ハロゲン化合物と接触反応して無害な塩化物を生
成する薬剤を添加するものである。
【0012】請求項3に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理方法は、薬剤として、アルカリ金属、アルカリ金
属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物
のうちの1種類または2種類以上を混合して用いるもの
である。
【0013】アルカリ金属化合物としては、リチウム、
ナトリウム、カリウム、ルビジウムまたはセシウムの酸
化物、水酸化物、炭酸水素塩、炭酸塩、ケイ酸塩、リン
酸塩、アルミン酸塩、硝酸塩または硫酸塩がある。具体
的なアルカリ金属化合物の処理剤としては、炭酸水素ナ
トリウム(別称:酸性炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウ
ム、重炭酸ソーダ)、炭酸ナトリウム(別称:炭酸ソー
ダ、ソーダ、ソーダ灰、洗濯ソーダ、結晶ソーダ)、セ
スキ炭酸ナトリウム(別称:二炭酸一水素ナトリウム、
三二炭酸水素ナトリウム、ナトリウムセスキカーボネー
ト)、天然ソーダ(別称:トロナ)、炭酸カリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸ナトリウムカリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウムがある。又、アルカリ土類金属
化合物としては、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウムまたはバリウムの酸化物、水酸化物、炭酸水素塩
または炭酸塩がある。具体的なアルカリ土類金属化合物
の処理剤としては、石灰(CaO)、消石灰(Ca(O
H)2)、炭酸カルシウム(CaCO3)、ドロマイト
(CaCO3・MgCO3)がある。
【0014】請求項4に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理装置は、廃繊維強化プラスチック材を破砕して得
た被処理物を投入する投入手段と、投入された被処理物
を熱分解して炭化物と繊維物とに置換する熱分解手段
と、得た処理物を回収する回収手段とを備え、熱分解手
段は、被処理物を移動する手段を有する少なくとも二つ
の分解炉を併設し、各分解炉の投入手段及び回収手段と
接続されていない側の端部間に被処理物を強制的に搬送
する搬送手段を設けたものである。
【0015】請求項5に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理装置は、搬送手段を、スパイラルコンベア、スク
リューコンベア、プッシャー手段のうちのいずれかによ
り構成したものである。
【0016】請求項6に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理装置は、処理物の回収手段を、処理物を受け取っ
て搬送するコンベアで構成したものである。
【0017】請求項7に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理装置は、回収手段を構成するコンベアを、パイプ
コンベア又はスパイラルコンベア又はスクリューコンベ
アとしたものである。
【0018】請求項8に係る廃繊維強化プラスチック材
の処理装置は、回収手段を構成するコンベアを、スパイ
ラルコンベアまたはスクリューコンベアにパイプコンベ
アを接続して構成したものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明に実施の形態を図
面とともに説明する。図1はガラス繊維強化プラスチッ
ク材からなる廃FRP船の熱分解処理システムの説明
図、図2は破砕行程の説明図、図3は細破砕装置の断面
図であり、まず廃FRP船を重機1による切断等により
粗破砕し、1〜1.5m角程度の断片2とし、ここで金
属類を除去した場合には細破砕行程へ進むが、そうでな
い場合には中間破砕行程へ進む。中間破砕行程において
は、断片2を破砕機3内に入れ、二軸の回転刃4により
切断破砕し、5〜10cm程度に破砕し、切断物は下方
に落下させる。この際、破砕機3内の空気を吸引し、破
砕粉末が破砕機3の上方へ飛散するのを防止する。
【0020】次に、金属除去装置5により除去した金属
を二軸の回転刃により破砕し、再び金属除去装置5へ戻
して回収する。次に、中間破砕された被処理物を投入コ
ンベア(パイプコンベア)6を介して細破砕装置7に脱
塩素剤(薬剤)とともに投入する。細破砕装置7におい
ては、被処理物は円弧状のスクリーン8内において固定
刃9と一軸回転刃10とにより1〜3cm程度に細破砕
され、スクリーン8を介して落下する。スクリーン8内
においては、プッシャーガイド11に案内されたプッシ
ャー12により被処理物は押圧される。13はプッシャ
ー12を駆動する駆動源である。スクリーン8から落下
した被処理物はスパイラルコンベアからなる搬出装置1
4によって搬出される。
【0021】図4は熱分解処理装置15の構成図を示
し、搬出装置14によって搬出された被処理物は投入装
置16のホッパ17に収納され、モータMにより駆動さ
れるスクリューコンベア18により熱分解装置19に投
入される。熱分解装置19は、天地方向に併設された二
つの分解炉20,21を有し、分解炉20,21はスク
リューコンベア又はスパイラルコンベアからなる移動手
段22,23を内部に有する。天側の分解炉20の一端
の供給口20aから被処理物は投入され、モータMによ
って駆動される移動手段22によって撹拌されながら分
解炉20の他端側まで強制的に搬送される。分解炉2
0,21の他端間は搬送路24及びフレキシブル継手2
6により接続され、搬送路24内にはモータMによって
駆動されるスクリューコンベア又はスパイラルコンベア
からなる搬送手段25が設けられている。搬送路24内
を搬送手段25によって撹拌されながら強制的に搬送さ
れた被処理物はフレキシブル継手26を介して地側の分
解炉21の他端側に搬入され、モータMによって駆動さ
れる移動手段23によって撹拌されながら分解炉21の
一端側まで強制的に搬送される。
【0022】分解炉20,21は外部加熱手段により加
熱される。即ち、分解炉20,21の周囲は加熱ジャケ
ット27により覆われ、この加熱ジャケット27を仕切
板28,29により仕切って熱風ガス室30,31を形
成するとともに、熱風ガス室30,31間に連通路32
を形成する。33はガスタービン発電装置であり、ガス
タービン34と、ガスタービン34に燃焼ガスを供給す
る燃焼器37と、ガスタービン34によって駆動される
空気圧縮機35及び発電機36とから構成される。ガス
タービン発電装置33から排出される排ガスは、加熱ジ
ャケット25内の下部に形成された熱風炉38内に導入
され、分解炉20,21を加熱する熱源として利用す
る。又、分解炉20,21内で加熱処理中に発生した分
解ガス(乾留ガス)を搬送路24の上部に接続された乾
留ガス導管39によって熱風炉38内に導入し、燃焼す
る。
【0023】又、熱風炉38内には燃焼バーナ40が挿
入され、気体燃料、液体燃料を燃焼し、所定温度の熱風
ガスを得る。なお、ガスタービン排ガス又は及び乾留ガ
スの燃焼と合成したものでもよく、乾留ガスの燃焼で所
定の熱風ガスが得られる場合には、燃焼バーナー40は
停止又は絞る。分解炉20,21を加熱した後の熱風ガ
スは循環ブロア41及びエゼクタブロア42を介して熱
風炉38に挿入されたノズル43に吹き込み、乾留ガス
導管39からノズル43に送入された分解ガスを熱風炉
38内に誘引する。又、地側の分解炉21の右端にはモ
ータMにより駆動されるスクリューコンベア又はスパイ
ラルコンベアからなる補助送り手段44が設けられ、補
助送り手段44は搬送手段25により送り込まれた被処
理物を確実に分解炉21に送り込む機能を有するととも
に、乾留ガス導管39に接続されて分解ガスを熱風炉3
8に挿入する機能も有する。
【0024】次に、一連の加熱処理について説明する。
まず、被処理物を投入する前に、ガスタービン発電機3
3のガスタービン34を起動し、その排ガスを熱風炉3
8に導入する。ガスタービンの排ガス温度は400〜5
00℃であって、所定の600〜650℃に対して不足
する。このことから、別に燃焼バーナー40を設けて助
けており、燃焼バーナ40により熱風ガスを発生させて
両者で所定温度の熱風ガスを得る。この熱風ガスを矢印
で示すように、仕切板29に設けた導入口29a、地側
の熱風ガス室31、連通路32、天側の熱風ガス室30
を通って分解炉20,21を加熱した後、その一部は各
ブロア41,42及びノズル43を介して熱風炉38内
に戻され、他の一部は循環ブロア41から熱交換器等で
熱の一部を回収した後、バグフィルタで清浄化して排出
される。
【0025】次に、投入装置16から投入した被処理物
を分解炉20,21において350〜500℃で熱分解
処理して、プラスチック等の有機物を熱分解し、炭化物
とガラス繊維とからなる残渣を得る。加熱分解により発
生した分解ガスは、搬送路24、乾留ガス導管39、補
助送り手段44、及びノズル43を介して熱風炉38内
に送入され、ブロア41,42等による循環ガスの一部
と共に燃焼して熱風ガスを得る。補助送り手段44は乾
留ガスを導く部位に設ける必要があり、この部分に繊維
が侵入して乾留ガス導管39を詰まらせることを防止す
るために設けてある。
【0026】細破砕工程で投入された脱塩素剤(薬剤)
としては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカ
リ土類金属、アルカリ土類金属化合物の1種類又は2種
類以上が混合して用いられ、具体的には炭酸水素ナトリ
ウム等が用いられる。例えば、炭酸水素ナトリウムを用
いた場合には、その5重量%を被処理物に添加混合し、
まず、300〜400℃で30分間乾燥と脱塩素(被処
理物から分解析出した塩素と接触反応させて無害な塩化
物を生成する。)を行い、次に400〜500℃で30
分間加熱処理を行って炭化処理を行い、炭化物と繊維物
の分離を行う。乾燥と脱塩素は主に天側の分解炉20に
より行い、炭化処理は主に地側の分解炉21により行
う。
【0027】被処理物は、加熱により、プラスチック及
び塗料が含有する有機ハロゲン化合物、例えば塩素成分
が分解析出され、析出した塩素成分は添加した薬剤と接
触反応し、無害な塩化物(例えば、無機の塩化ナトリウ
ム)を生成する。これらについては、発明者らは既に特
開平11−19616号等により提案している。従っ
て、得られた炭化物、繊維物などの残渣中、及び発生分
解ガス中には有害な有機ハロゲン化合物(塩素、ダイオ
キシン類)は含まれず、後行程で安全で安心して使用す
ることができる残渣を得ることができる。
【0028】天側の分解炉20で処理された被処理物
は、プラスチックの分解により繊維が分離しており、こ
の状態の被処理物を地側の分解炉21へ搬送するために
は、スクリューコンベア等からなる搬送手段25が用い
られ、この搬送手段25によって強制的に搬送される。
地側の分解炉21に搬送供給された被処理物は、移動手
段23により搬送移動されながら炭化処理される。
【0029】地側の分解炉21の一端の下側には搬出口
21aが設けられ、搬出口21aにはパイプコンベアか
らなる回収手段45が設けられる。図5は分解炉21の
搬出口21a及び回収手段45の断面図を示し、46は
パイプ47内を移動するチェーン、48はチェーン46
に取り付けられたブレードであり、これらにより回収手
段45が構成され、移動手段23により搬送され、搬出
口21aから搬出された炭化物及び繊維物からなる処理
物を受け取って搬送する。このように、回収手段45を
パイプコンベアで構成した場合には、大気に開口する部
分は吐き出し回収部分のみであり、パイプコンベア自体
の機密性は高く、搬出口21aから分解炉21内への大
気の侵入は少なくなる。このため、分解炉21内の被処
理物の発火を防止することができる。
【0030】図6は回収手段の変形例を示し、この例で
は回収手段46はモータにより駆動されるスクリューコ
ンベアにより構成される。ただし、回収した後の搬送は
パイプコンベア47により行われる。このように、回収
手段46をスクリューコンベアで構成したので、スクリ
ューコンベア内には被処理物が存在することによりシー
ル効果が生じ、その機密性を一層高めることができ、分
解炉21内の被処理物の発火を防止することができる。
【0031】上記実施形態においては、投入装置16を
介して熱分解装置19に投入された被処理物は、分解炉
20,21内の移動手段22,23及び搬送手段25に
よって入口から出口まで強制的に搬送されており、熱分
解により分離した繊維は搬送過程で綿状の塊となること
はなく、強制搬送により閉塞することはなくなり、長期
間安定した熱分解処理を行うことができる。又、廃繊維
強化プラスチック材を熱分解して繊維物と炭化物を得て
おり、プラスチックが含有する有機ハロゲン化合物など
の有害物は、繊維物、炭化物から除去されている。
【0032】又、熱分解処理を行う際に、含有する有機
ハロゲン化合物と接触反応して無害な塩化物を生成する
薬剤を添加しており、残渣となる繊維物、炭化物及び分
解ガス中に有害な有機ハロゲン化合物(塩素、ダイオキ
シン類)が残存することはなく、廃繊維強化プラスチッ
ク材の処理及びこれを原料とした焼結体の生成において
有害物質が発生することはなく、原料の処理及びこれを
用いた焼結体の製造も安全、安心に行うことができる。
従って、これらの繊維物と炭化物とを利用して焼結体を
形成した際に、内部に有害物質が取り込まれることはな
く、安全、安心な焼結体を得ることができ、各種用途の
浄化フィルタに適用できる。又、廃繊維強化プラスチッ
ク材を熱分解して得た繊維物と炭化物を同時に利用でき
ることから、従来は専ら焼却、埋設によって処理され
て、再利用の手段が閉ざされていた廃繊維強化プラスチ
ック製品の再利用の新たな処理手段を提供することがで
きる。
【0033】なお、上記実施形態においては、搬送手段
25をスクリューコンベア又はスパイラルコンベアによ
り構成したが、プッシャー手段により構成してもよい。
又、回収手段45,46をパイプコンベア又はスクリュ
ーコンベアにより構成したが、スパイラルコンベアによ
り構成してもよく、またスパイラルコンベア又はスクリ
ューコンベアにパイプコンベアを接続して構成してもよ
い。さらに、燃焼バーナー40における燃焼には、通常
の燃料(LNG、LPG、石油、重油、消化ガス)が用
いられる。又、発電機36により発電された電力を施設
使用電力に用いることができる。
【0034】
【発明の効果】以上のように、この発明の請求項1によ
れば、被処理物が熱分解手段内を通過する全行程で強制
搬送されており、熱分解により分離した繊維が搬送過程
で綿状の塊となることはなく、これによって熱分解手段
が閉塞することがなくなり、長期間安定した熱分解処理
を行うことができる。又、廃繊維強化プラスチック材を
熱分解して得た繊維物と炭化物を同時に利用することが
でき、再利用の手段が閉ざされていた廃繊維強化プラス
チック製品の再利用の新たな処理手段が得られる。
【0035】又、請求項2,3によれば、熱分解処理を
行う際に、被処理物が含有する有機ハロゲン化合物と接
触反応して無害な塩化物を生成する薬剤を添加してお
り、残渣となる繊維物、炭化物及び分解ガス中に有害な
有機ハロゲン化合物が残存することはなくなり、廃繊維
強化プラスチック材の処理及びこれを原料とした焼結体
の生成において有害物質が発生することはなく、これら
の処理、生成を安全、安心に行うことができる。又、安
全、安心な焼結体が得られるので、この焼結体を浄化フ
ィルタ等に用いることができる。
【0036】請求項4〜9によれば、熱分解手段は、被
処理物の移動手段を有する少なくとも二つの分解炉を有
するとともに、分解炉間に被処理物を強制搬送する搬送
手段を有しており、被処理物は全行程で強制搬送され、
熱分解手段が閉塞されることはなくなり、請求項1と同
様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による廃FRP船の熱分解処理システ
ムの説明図である。
【図2】この発明による破砕行程の説明図である。
【図3】この発明による細破砕装置の断面図である。
【図4】この発明による熱分解処理装置の構成図であ
る。
【図5】この発明による分解炉の搬出口及び回収手段の
断面図である。
【図6】この発明による回収手段の変形例を示す構成図
である。
【符号の説明】
15…熱分解処理装置 16…投入装置 19…熱分解装置 20,21…分解炉 22,23…移動手段 24…搬送路 25…搬送手段 30,31…熱風ガス室 38…熱風炉 45,46…回収手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3K061 AB02 AC13 BA05 FA03 FA12 FA21 3K065 AB02 AC13 BA05 CA02 CA04 CA12 4F301 AA11 AA30 CA09 CA25 CA33 CA52 CA62 CA63 CA67 CA68

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 廃繊維強化プラスチック材を破砕して得
    た被処理物を投入する投入手段と、投入された被処理物
    を熱分解して炭化物と繊維物とに置換する熱分解手段
    と、得た処理物を回収する回収手段とを備えた処理装置
    を用いて廃繊維強化プラスチック材を処理する廃繊維強
    化プラスチック材の処理方法で、かつ被処理物が熱分解
    手段内を通過する全工程で強制搬送されることを特徴と
    する廃繊維強化プラスチック材の処理方法。
  2. 【請求項2】 熱分解処理において、被処理物が含有す
    る有機ハロゲン化合物と接触反応して無害な塩化物を生
    成する薬剤を添加することを特徴とする請求項1記載の
    廃繊維強化プラスチック材の処理方法。
  3. 【請求項3】 薬剤は、アルカリ金属、アルカリ金属化
    合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物のう
    ちの1種類または2種類以上を混合して用いることを特
    徴とする請求項2記載の廃繊維強化プラスチック材の処
    理方法。
  4. 【請求項4】 廃繊維強化プラスチック材を破砕して得
    た被処理物を投入する投入手段と、投入された被処理物
    を熱分解して炭化物と繊維物とに置換する熱分解手段
    と、得た処理物を回収する回収手段とを備えた廃繊維強
    化プラスチック材の処理装置で、かつ熱分解手段は、被
    処理物を移動する手段を有する少なくとも二つの分解炉
    を併設し、各分解炉の投入手段及び回収手段と接続され
    ていない側の端部間に被処理物を強制的に搬送する搬送
    手段を設けたことを特徴とする廃繊維強化プラスチック
    材の処理装置。
  5. 【請求項5】 搬送手段は、スパイラルコンベア、スク
    リューコンベア、プッシャー手段のうちのいずれかによ
    り構成したことを特徴とする請求項4記載の廃繊維強化
    プラスチック材の処理装置。
  6. 【請求項6】 処理物の回収手段は、処理物を受け取っ
    て搬送するコンベアで構成したことを特徴とする請求項
    4又は5記載の廃繊維強化プラスチック材の処理装置。
  7. 【請求項7】 コンベアは、パイプコンベア又はスパイ
    ラルコンベア又はスクリューコンベアとしたことを特徴
    とする請求項6記載の廃繊維強化プラスチック材の処理
    装置。
  8. 【請求項8】 コンベアは、スパイラルコンベアまたは
    スクリューコンベアにパイプコンベアを接続して構成し
    たことを特徴とする請求項6記載の廃繊維強化プラスチ
    ック材の処理装置。
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