JPH1127177A - 高周波スイッチ及びフィルタ部を有した高周波スイッチ - Google Patents

高周波スイッチ及びフィルタ部を有した高周波スイッチ

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JPH1127177A
JPH1127177A JP9181255A JP18125597A JPH1127177A JP H1127177 A JPH1127177 A JP H1127177A JP 9181255 A JP9181255 A JP 9181255A JP 18125597 A JP18125597 A JP 18125597A JP H1127177 A JPH1127177 A JP H1127177A
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充英 加藤
Naoki Nakayama
尚樹 中山
Kazuhiro Iida
和浩 飯田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 通信機器等の小型化を図ることができる高周
波スイッチ及びフィルタ部を有した高周波スイッチを得
ること。 【解決手段】 伝送線路7は電圧制御用端子Vc1に印
加される制御電圧のチョーク素子として機能する。そし
て、コイル2や伝送線路8のインダクタンス値、及び端
子TX,ANT,RXとグランドとの間にそれぞれ発生
する浮遊容量cf1,cf2,cf3の値を調整し、伝
送線路7の線路長Lを略λ/6(λ:送信周波数f0
おける波長)に設定することで、伝送線路7は送信周波
数f0の3倍の周波数3f0を有する3倍高調波の帯域に
減衰極を有するトラップ回路としても機能する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば移動体通信
機器等に組み込まれて用いられる高周波スイッチ及びフ
ィルタ部を有した高周波スイッチに関する。
【0002】
【従来の技術】高周波スイッチは、デジタル携帯電話等
において送信回路と受信回路とを切り換えるために用い
られる。
【0003】図11は従来の高周波スイッチの一例を示
す電気回路図である。送信回路用端子TXにはダイオー
ドD1のアノードが接続されている。ダイオードD1の
アノードは、チョークコイル157及びコンデンサC1
の直列回路を介し、グランドに接地している。チョーク
コイル157とコンデンサC1との中間点には電圧制御
用端子Vc1が接続している。ダイオードD1の両端
(アノード・カソード間)には、コイル152及びコン
デンサC3の直列回路が接続している。ダイオードD1
のカソードは、アンテナ用端子ANTに接続している。
【0004】アンテナ用端子ANTには、伝送線路15
8を介して受信回路用端子RXが接続している。さら
に、受信回路用端子RXには、ダイオードD2のアノー
ドが接続している。ダイオードD2のカソードは、コン
デンサC2を介し、グランドに接地している。ダイオー
ドD2とコンデンサC2との中間点には、電圧制御用端
子Vc2が接続している。
【0005】以上の構成からなる高周波スイッチ151
は、その送信回路用端子TXがローパスフィルタ161
及びパワーアンプ等を介して送信回路に接続されてい
る。ローパスフィルタ161は、主線Lに挿入された二
つの伝送線路163,164と、主線Lとグランドの間
に接続された三つのシャントコンデンサC4,C5,C
6とで構成された5次ローパスフィルタである。この5
次ローパスフィルタ161は、前段に接続されているパ
ワーアンプが送信信号に生じさせる、2倍高調波歪や3
倍高調波歪を除去することを目的として設けられてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ローパ
スフィルタ161は、五つの素子163,164,C4
〜C6を用いるので、伝送損失が比較的大きい(0.3
〜0.5dB程度)という問題があった。また、高周波
スイッチ151とローパスフィルタ161を組み合わせ
て一つの部品とすることも提案されているが、ローパス
フィルタ161の素子数が多いため、フィルタ部分の占
有体積が大きく、小型化の妨げとなっていた。
【0007】そこで、本発明の目的は、通信機器等の小
型化を図ることができる高周波スイッチ及びフィルタ部
を有した高周波スイッチを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段と作用】以上の目的を達成
するため、本発明に係る高周波スイッチは、略所定の線
路長を有した伝送線路を備えることにより、使用周波数
の2倍高調波又は3倍高調波の少なくともいずれか一方
の帯域に減衰極が生じるようにしたことを特徴とする。
【0009】さらに具体的には、本発明に係る高周波ス
イッチは、送信回路用端子、受信回路用端子、アンテナ
用端子、グランド用端子、第1の電圧制御用端子及び第
2電圧制御用端子と、前記送信回路用端子と前記アンテ
ナ用端子との間に電気的に接続された第1のスイッチン
グ素子と、前記送信回路用端子と前記第1の電圧制御用
端子との間に電気的に接続された第1の伝送線路と、前
記第1の電圧制御用端子と前記グランド用端子との間に
電気的に接続された第1のコンデンサと、前記アンテナ
用端子と前記受信回路用端子との間に電気的に接続され
た第2の伝送線路と、前記受信回路用端子と前記第2の
電圧制御用端子との間に電気的に接続された第2のスイ
ッチング素子と、前記第2の電圧制御用端子と前記グラ
ンド用端子との間に電気的に接続された第2のコンデン
サとを備え、λを使用周波数における波長としたとき、
前記第1の伝送線路の線路長を略λ/4又は略λ/6の
いずれか一方に設定し、使用周波数の2倍高調波又は3
倍高調波のいずれか一方の帯域に減衰極が生じるように
したことを特徴とする。
【0010】また、本発明に係る高周波スイッチは、送
信回路用端子、受信回路用端子、アンテナ用端子、グラ
ンド用端子、第1の電圧制御用端子及び第2電圧制御用
端子と、前記送信回路用端子と前記アンテナ用端子との
間に電気的に接続された第1のスイッチング素子と、前
記送信回路用端子と前記第1の電圧制御用端子との間に
電気的に接続された第1の伝送線路と、前記第1の電圧
制御用端子と前記グランド用端子との間に電気的に接続
された第1のコンデンサと、前記アンテナ用端子と前記
受信回路用端子との間に電気的に接続された第2の伝送
線路と、前記受信回路用端子と前記第2の電圧制御用端
子との間に電気的に接続された第2のスイッチング素子
と、前記第2の電圧制御用端子と前記グランド用端子と
の間に電気的に接続された第2のコンデンサと、前記送
信回路用端子と前記アンテナ用端子との間に少なくとも
一つ接続された、第3の伝送線路を有した閉ループとを
備え、λを使用周波数における波長としたとき、前記第
3の伝送線路の線路長を略λ/4又は略λ/6の少なく
ともいずれか一方に設定し、使用周波数の2倍高調波又
は3倍高調波の少なくともいずれか一方の帯域に減衰極
が生じるようにしたこと、を特徴とする。
【0011】以上の構成により、高周波スイッチが2倍
高調波あるいは3倍高調波を減衰させる機能を有するた
め、フィルタを用いる必要がなくなったり、フィルタの
素子数を抑えることができる。
【0012】また、本発明に係る高周波スイッチは、複
数の誘電体層と、第1及び第2の伝送線路、又は第1、
第2及び第3の伝送線路のいずれかと、第1及び第2の
コンデンサのそれぞれのコンデンサ導体と、グランド導
体とを積層して構成した積層体の表面に、送信回路用端
子と受信回路用端子とアンテナ用端子とグランド用端子
と第1及び第2の電圧制御用端子とをそれぞれ設けると
共に、第1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ搭載
したことを特徴とする。
【0013】以上の構成により、積層構造の高周波スイ
ッチとなり、表面実装に適した高周波スイッチが得られ
る。
【0014】さらに、本発明に係るフィルタ部を有した
高周波スイッチは、略所定の線路長に設定された伝送路
を備えることにより、使用周波数の2倍高調波又は3倍
高調波のいずれか一方の帯域に減衰極が生じるようにし
たスイッチ部と、残った方の高調波の帯域に減衰極を有
したフィルタ部とを備えたことを特徴とする。
【0015】これにより、それぞれ独立した高周波スイ
ッチ部品とフィルタ部品を電気的に接続する場合と比較
して、全体の寸法が小さくなる。また、高周波スイッチ
回路とフィルタ回路をまとめて設計することにより、高
周波スイッチ回路とフィルタ回路のインピーダンスマッ
チングを施した設計が行われる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る高周波スイッ
チ及びフィルタ部を有した高周波スイッチの実施形態に
ついて添付図面を参照して説明する。各実施形態におい
て、同一部品及び同一部分には同じ符号を付し、重複し
た説明は省略する。
【0017】[第1実施形態、図1]図1は、高周波ス
イッチ1の電気回路図である。図1に示すように、送信
回路用端子TXにはダイオードD1のアノードが接続さ
れている。ダイオードD1のアノードは、分岐線路であ
る伝送線路7及びコンデンサC1の直列回路を介し、グ
ランドに接地している。伝送線路7とコンデンサC1と
の中間点には電圧制御用端子Vc1が接続している。こ
の電圧制御用端子Vc1には、高周波スイッチ1の伝送
路切り換えを行うためのコントロール回路が接続されて
いる。
【0018】伝送線路7は電圧制御用端子Vc1に印加
される制御電圧のチョーク素子として機能する。そし
て、後述のコイル2や伝送線路8のインダクタンス値、
及び端子TX,ANT,RXとグランドとの間にそれぞ
れ発生する浮遊容量cf1,cf2,cf3の値を調整
し、伝送線路7の線路長Lを略λ/6(λ:送信周波数
0における波長)に設定することで、伝送線路7は送
信周波数f0の3倍の周波数3f0を有する3倍高調波の
帯域に減衰極を有するトラップ回路としても機能する。
浮遊容量cf1〜cf3はインピーダンス整合のための
バイパスコンデンサとして機能する。
【0019】ダイオードD1の両端(アノード・カソー
ド間)には、コイル2及びコンデンサC3の直列回路が
接続している。コイル2及びコンデンサC3は、ダイオ
ードD1がOFF状態のときのアイソレーションを確保
するためのものである。さらに、ダイオードD1のカソ
ードは、アンテナ用端子ANTに接続している。
【0020】アンテナ用端子ANTには、伝送線路8を
介して受信回路用端子RXが接続している。伝送線路8
の線路長は、λ1/16以上λ1/2以下の範囲とされ
る。λ 1は受信周波数の波長である。さらに、受信回路
用端子RXには、ダイオードD2のアノードが接続して
いる。ダイオードD2のカソードは、コンデンサC2を
介し、グランドに接地している。ダイオードD2とコン
デンサC2との中間点には、抵抗Rを介して電圧制御用
端子Vc2が接続している。この電圧制御用端子Vc2
には、前記電圧制御用端子Vc1と同様に、高周波スイ
ッチ1の伝送路切り換えを行うためのコントロール回路
が接続される。
【0021】次に、この高周波スイッチ1を用いての送
受信について説明する。送信を行う場合には、電圧制御
用端子Vc1とVc2の間に正の電位差を与える。この
電圧は、ダイオードD1,D2に対して順方向のバイア
ス電圧として働くため、ダイオードD1,D2をON状
態にする。このとき、コンデンサC1〜C3によって直
流分がカットされ、ダイオードD1,D2を含む回路に
のみ電圧制御用端子Vc1,Vc2に加えられた電圧が
印加される。従って、伝送線路8がダイオードD2によ
り接地されて送信周波数で共振し、インピーダンスが略
無限大となる。この結果、送信回路用端子TXに入った
送信信号は、受信回路用端子RXに殆んど伝送されるこ
となく、ダイオードD1を経てアンテナ用端子ANTに
伝送される。一方、伝送線路7はコンデンサC1を介し
て接地されているため、送信周波数で共振してインピー
ダンスが略無限大となり、送信信号がグランド側へ漏れ
ることを防止している。
【0022】受信を行う場合には、電圧制御用端子Vc
1とvc2の間に負の電位差を与える。この電圧は、ダ
イオードD1,D2に対して逆方向のバイアス電圧とし
て働くため、ダイオードD1,D2はOFF状態にな
り、アンテナ用端子ANTに入った受信信号は、伝送線
路8を経て受信回路用端子RXに伝送され、送信回路用
端子TXには殆ど伝送されない。このように、高周波ス
イッチ1は、電圧制御用端子Vc1,Vc2に印加する
バイアス電圧をコントロールすることにより、送受の信
号の伝送路を切り換えることができる。
【0023】以上の構成からなる高周波スイッチ1は、
スイッチ機能に加え、3倍高調波の帯域の減衰が得られ
るトラップ機能も有しているので、送信信号に生じた3
倍高調波歪を除去することができる。従って、送信信号
の2倍及び3倍高調波歪を除去するために、この高周波
スイッチ1と組み合わされるフィルタは、2倍高調波の
帯域に減衰極を有するものであればよく、その分だけ構
成素子数を少なくでき、小型化されると共に、送信信号
の伝送損失が小さくなる。
【0024】[第2実施形態、図2]図2は、高周波ス
イッチ11の電気回路図である。送信回路用端子TXに
はダイオードD1のアノードが接続されている。ダイオ
ードD1のアノードは、分岐線路である伝送線路17及
びコンデンサC1の直列回路を介し、グランドに接地し
ている。伝送線路17とコンデンサC1との中間点には
電圧制御用端子Vc1が接続している。伝送線路17の
線路長は、λ/16以上λ/2以下の範囲とされる。λ
は送信周波数f0の波長である。さらに、送信回路用端
子TXとダイオードD1のアノードとの間には、伝送線
路12の閉ループが接続している。この伝送線路12
は、コイル2や伝送線路8,17のインダクタンス値及
び浮遊容量cf1〜cf3の値を調整し、伝送線路12
の線路長Lを略λ/6に設定することで、3倍高調波の
帯域に減衰極を有するトラップ回路として機能する。
【0025】ダイオードD1の両端(アノード・カソー
ド間)には、コイル2及びコンデンサC3の直列回路が
接続している。ダイオードD1のカソードは、アンテナ
用端子ANTに接続している。
【0026】アンテナ用端子ANTには、伝送線路8を
介して受信回路用端子RXが接続している。さらに受信
回路用端子RXには、ダイオードD2のアノードが接続
している。ダイオードD2のカソードは、コンデンサC
2を介し、グランドに接地している。ダイオードD2と
コンデンサC2との中間点には、抵抗Rを介して電圧制
御用端子Vc2が接続している。
【0027】以上の構成からなる高周波スイッチ11
は、前記第1実施形態の高周波スイッチ1と同様の作用
効果を奏する。
【0028】[第3実施形態、図3]図3に示すよう
に、第3実施形態の高周波スイッチ21は、伝送線路2
2の閉ループを残して前記第2実施形態の高周波スイッ
チ11と同様のものである。
【0029】伝送線路22の閉ループは、送信回路用端
子TXと伝送線路12の閉ループとの間に接続してい
る。この伝送線路22は、その線路長Lを略λ/4に設
定することで、2倍高調波の帯域に減衰極を有するトラ
ップ回路として機能する。従って、高周波スイッチ21
は、伝送線路12の閉ループと伝送線路22の閉ループ
がそれぞれ3倍高調波及び2倍高調波の帯域の減衰が得
られるトラップ機能を有しているので、送信信号に生じ
た2倍及び3倍高調波歪を除去することができる。従っ
て、送信信号の高調波歪を除去するためのフィルタを必
らずしも必要としなくなり、通信機器等の小型化を図る
ことができると共に、送信信号の伝送損失を小さくする
ことができる。
【0030】[第4実施形態、図4]図4に示すよう
に、第4実施形態の高周波スイッチ31は、ダイオード
D1の並列共振回路に伝送線路32を利用したことを特
徴としている。送信回路用端子TXにはダイオードD1
のアノードが接続されている。ダイオードD1のアノー
ドは、分岐線路である伝送線路17及びコンデンサC1
の直列回路を介し、グランドに接地している。伝送線路
17とコンデンサC1との中間点には電圧制御用端子V
c1が接続している。ダイオードD1の両端(アノード
・カソード間)には、伝送線路32及びコンデンサC3
の直列回路が接続している。伝送線路32及びコンデン
サC3は、ダイオードD1がOFF状態のときのアイソ
レーションを確保するための物である。
【0031】さらに、伝送線路32は、その線路長Lを
略所定の長さに設定することで、2倍高調波又は3倍高
調波のいずれか一方の帯域に減衰極を有するトラップ回
路として機能する。すなわち、ダイオードD1がON状
態のときには、伝送線路32はダイオードD1のインダ
クタンスと並列に接続され、ダイオードD1のインダク
タンスによる遅延量と伝送線路32による遅延量との位
相差がπになる周波数において減衰極が形成される。従
って、例えば、この伝送線路32が3倍高調波の帯域に
減衰極を有するためには、ダイオードD1のON時のイ
ンダクタンスを考慮しないとすれば伝送線路32の長さ
を略λ/6に設定すればよいが、実際にはこれより長く
なり、伝送線路32の長さを略λ/4に設定する必要が
ある。ダイオード素子D1のカソードは、アンテナ用端
子ANTに接続している。
【0032】アンテナ用端子ANTには、伝送線路8を
介して受信回路用端子RXが接続している。さらに、受
信回路用端子RXには、ダイオードD2のアノードが接
続している。ダイオードD2のカソードは、コンデンサ
C2を介し、グランドに接地している。ダイオード素子
D2とコンデンサC2との中間点には、抵抗素子Rを介
して電圧制御用端子Vc2が接続している。
【0033】以上の構成からなる高周波スイッチ31
は、前記第1実施形態の高周波スイッチ1と同様の作用
効果を奏する。
【0034】[第5実施形態、図5〜図8]第5実施形
態は、フィルタ部を有した高周波スイッチについて説明
する。図5はフィルタ部を内蔵した高周波スイッチ41
の分解斜視図である。
【0035】高周波スイッチ部41は、伝送線路導体4
2a,42bやコンデンサ導体66a,67b等を設け
た誘電体シート55と、グランド導体44,45を設け
た誘電体シート55と、コンデンサ導体52、53を設
けた誘電体シート55と、伝送線路導体47a〜47
c,48a〜48c,58をそれぞれ設けた誘電体シー
ト55と、コンデンサ導体56,57を設けた誘電体シ
ート55と、ビアホール突きパッド77a〜80bを設
けた誘電体シート55等にて構成されている。
【0036】伝送線路導体47a,47b,47cは、
それぞれ大略ミアンダ形状をしており、伝送線路導体4
7aの一端は、ビアホール84fを介して伝送線路58
の一端に接続している。伝送線路導体47cの引出し部
49cはシート55の手前側の辺の左側部に露出してい
る。さらに、伝送線路導体47a〜47cは、引出し部
49cを残してシート55を挟んで対向している。これ
らの伝送線路導体47a〜47cは、シート55に設け
たビアホール85a,85bを介して電気的に直列に接
続され、1本の伝送線路47を形成する。
【0037】同様に、伝送線路導体48a、48b,4
8cはそれぞれ大略ミアンダ形状をしており、伝送線路
導体48aの引出し部50aはシート55の奥側の辺の
右側部に露出し、伝送線路導体48cの引出し部50c
はシート55の手前側の辺の中央部に露出している。さ
らに、伝送線路導体48a〜48cは、引出し部50
a,50cを残してシート55を挟んで対向している。
これらの伝送線路導体48a〜48cは、シート55に
設けたビアホール86a,86bを介して電気的に直列
に接続され、1本の伝送線路48を形成する。
【0038】伝送線路導体42a,42bはそれぞれ大
略ミアンダ形状をしており、伝送線路導体42bの引出
し部43はシート55の手前側の辺の中央部に露出して
いる。さらに、伝送線路導体42a,42bは、引出し
部43を残してシート55を挟んで対向している。これ
らの伝送線路導体42a,42bは、シート55に設け
たビアホール82を介して電気的に直列に接続され、1
本の伝送線路42を形成する。
【0039】伝送線路47,48は、二つのグランド導
体44,45の間に並設され、かつ、それぞれの伝送線
路47,48が伝送線路導体47a〜47c,48a〜
48cの3層で構成されている。さらに、伝送線路42
が伝送線路42a,42bの2層で構成されている。こ
のように、伝送線路42,47,48を複数層で構成す
ることにより、高周波スイッチ41の小型化を図る工夫
がされている。さらに、隣り合う伝送線路導体47aと
47b(あるいは、隣り合う伝送線路導体47bと47
c、48aと48b、48bと48c、42aと42b
の場合も同様である)をそれぞれ伝播する高周波信号の
進行方向が相互に逆方向となる。従って、伝送線路導体
47a,47bのそれぞれの周囲に発生する磁束の周回
方向が逆方向となり、伝送線路導体47aと47bはこ
の相互に逆方向に周回する磁束によって磁気的に打消し
合い容量結合することになる。この結果、伝送線路4
2,47,48は、それぞれ伝送線路導体42a,42
b、47a〜47c、48a〜48c相互の間隔を所定
量確保することにより、伝送線路導体42a,42b、
47a〜47c、48a〜48c間の結合を小さくする
ことができ、所望の特性インピーダンスを容易に得るこ
とができる。ただし、伝送線路42,47,48を必ず
しも複数層で構成する必要がないことは言うまでもな
い。
【0040】グランド導体44は、シート55の表面に
広面積に設けられている。グランド導体44の引出し部
44aはシート55の右辺に露出し、引出し部44bは
シート55の奥側の辺の中央部に露出している。グラン
ド導体45は、シート55の表面に広面積に設けられて
いる。グランド導体45の引出し部45aはシート55
の左辺に露出し、引出し部45bはシート55の右辺に
露出し、引出し部45cはシート55の奥側の辺の中央
部に露出している。
【0041】コンデンサ導体52,53は、それぞれシ
ート55の表面の左側及び右側に設けられている。コン
デンサ導体52の引出し部52aはシート55の手前側
の辺の左側部に露出している。これらのコンデンサ導体
52,53はそれぞれシート55を挟んでグランド導体
44に対向しており、グランド導体44と共にコンデン
サC1,C2を形成する。
【0042】また、コンデンサ導体56,57は、それ
ぞれシート55の表面の左奥側に設けられている。コン
デンサ導体57の引出し部57aはシート55の奥側の
辺の左側部に露出している。これらのコンデンサ導体5
6,57はそれぞれシート55を挟んでグランド導体4
5に対向しており、グランド導体45と共にコンデンサ
C5,C4を形成する。
【0043】さらに、伝送線路導体42aが設けられて
いるシート55の表面には、引出し導体61,62,6
3、中継導体64,65及びコンデンサ導体66が設け
られている。コンデンサ導体66の引出し部66aと引
出し導体61の一端とは、それぞれシート55の奥側の
辺の左側部及び右側部に露出し、引出し導体62,63
の一端はそれぞれシート55の手前側の辺の中央部及び
右側部に露出している。そして、伝送線路導体42aは
ビアホール付きパッド79bに電気的に接続され、引出
し導体61,62,63はそれぞれビアホール付きパッ
ド78b,77a,80aに電気的に接続される。中継
導体64はビアホール付きパッド80b及び78aに電
気的に接続されると共に、シート55に設けたビアホー
ル83a,83b,83cを介してコンデンサ導体53
に電気的に接続される。
【0044】中継導体65はビアホール付きパッド77
b及び79aに電気的に接続されると共に、シート55
に設けたビアホール84a,84b,84c,84d,
84e,84f,84g,84hを介してコンデンサ導
体67、伝送線路58,47及びコンデンサ導体56に
電気的に接続される。コンデンサ導体66と67とでコ
ンデンサC6を形成する。
【0045】以上の構成からなる各シート55は積み重
ねられ、一体的に焼結されることにより、図6に示すよ
うに積層体とされる。積層体の手前側の側面部の左側、
中央及び右側の位置には、それぞれ電圧制御用端子Vc
1、アンテナ用端子ANT及び電圧制御用端子Vc2が
形成される。積層体の奥側の側面部の左側、中央及び右
側の位置には、それぞれ送信回路用端子TX、グランド
端子G3及び受信回路用端子RXが形成される。さら
に、積層体の左右の側面部には、それぞれグランド端子
G1,G2が形成される。こうして、表面実装タイプの
高周波スイッチ41が得られる。
【0046】送信回路用端子TXは、伝送線路導体58
の引出し部58aと、コンデンサ導体57,66の引出
し部57a,66aとに電気的に接続している。受信回
路用端子RXは、伝送線路48の一方の端部、具体的に
は伝送線路導体48aの引出し部50aと、引出し導体
61とに電気的に接続している。アンテナ用端子ANT
は、伝送線路42の一方の端部、具体的には伝送線路導
体42bの引出し部43と、引出し導体62と、伝送線
路48の他方の端部、具体的には伝送線路導体48cの
引出し部50cとに電気的に接続している。電圧制御用
端子Vc1は、伝送線路47の他方の端部、具体的には
伝送線路導体47cの引出し部49cと、コンデンサ導
体52の引出し部52aとに電気的に接続している。電
圧制御用端子Vc2は、引出し導体63に電気的に接続
している。グランド端子G1,G2,G3はそれぞれグ
ランド導体44,45の引出し部45a、44a,45
b、44b,45cに電気的に接続している。
【0047】さらに、積層体の上面のパッド77a,7
7bにはそれぞれダイオードD1のカソード電極及びア
ノード電極が半田付けされ、パッド78a,78bには
それぞれダイオードD2のカソード電極及びアノード電
極が半田付けされ、パッド79a,79bにはそれぞれ
コンデンサC3の端子電極が半田付けされ、パッド80
a,80bにはそれぞれ抵抗Rの端子電極が半田付けさ
れる。
【0048】図7は、以上の構成からなる高周波スイッ
チ41の電気等価回路図である。この高周波スイッチ4
1は、3次ローパスフィルタ部88とスイッチ部89と
を備えている。送信回路用端子TXには伝送線路58の
一端が接続されている。伝送線路58の両端はそれぞれ
コンデンサC4,C5を介してグランドに接地してい
る。さらに、伝送線路58に対して並列にコンデンサC
6が接続している。これら伝送線路58とコンデンサC
4〜C6にて3次ローパスフィルタ部88が構成されて
いる。
【0049】伝送線路58の他端はダイオードD1のア
ノードが接続されている。ダイオードD1のアノード
は、伝送線路47及びコンデンサC1の直列回路を介し
て、グランドに接地している。伝送線路47とコンデン
サC1との中間点には電圧制御用端子Vc1が接続して
いる。この電圧制御用端子Vc1には、スイッチ部89
の伝送路切換えを行うためのコントロール回路が接続さ
れる。ダイオードD1の両端(アノード・カソード間)
には、伝送線路及びコンデンサC3の直列回路が接続し
ている。伝送線路42及びコンデンサC3は、ダイオー
ドD1がOFF状態のときのアイソレーションを確保す
るためのものである。さらに、ダイオードD1のカソー
ドは、アンテナ用端子ANTに接続している。
【0050】アンテナ用端子ANTには、伝送線路48
を介して受信回路用端子RXが接続している。さらに、
受信回路用端子RXには、ダイオードD2のアノードが
接続している。ダイオードD2のカソードは、コンデン
サC2を介し、グランドに接地している。ダイオードD
2とコンデンサC2との中間点には、抵抗Rを介して電
圧制御用端子Vc2が接続している。この電圧制御用端
子Vc2には、前記電圧制御用端子Vc1と同様に、ス
イッチ部89の伝送路切り換えをおこなうためのコント
ロール回路が接続される。
【0051】なお、図7の中で点線で表示しているよう
に、ダイオードD1に対して並列に、逆バイアス印加時
の電圧安定化のための抵抗Raを接続したり、OFF状
態のときのアイソレーションを確保するためのコンデン
サCaを接続してもよい。また、ダイオードD2につい
ても、ダイオードD1と同様に、抵抗Ra、コンデンサ
Ca、伝送線路42及びコンデンサC3を接続してもよ
いことは言うまでもない。そして、この高周波スイッチ
41を使用する際には、送信回路用端子TX、受信回路
用端子RX及びアンテナ用端子ANTのそれぞれを、別
部品のバイアスカット用のカップリングコンデンサを介
して送信回路、受信回路及びアンテナに接続する。
【0052】この高周波スイッチ41のスイッチ作用に
ついては、前記第1実施形態の高周波スイッチ1と同様
であるので省略する。以上の構成からなる高周波スイッ
チ41において、送信信号の2倍高調波の帯域に、3次
ローパスフィルタ部88の伝送線路58とコンデンサC
6とで形成される並列共振回路の共振周波数を調整して
合わせることで、図8の一点鎖線90に示すように2倍
高調波を減衰させている。さらに、フィルタ部88のコ
ンデンサC4,C5を調整して整合をとり、2倍高調波
より高い周波数帯域を例えば5〜20dB程度減衰させ
ている。
【0053】一方、伝送線路47は、電圧制御用端子V
c1に印加される制御電圧のチョーク素子として機能す
る。そして、伝送線路42,48のインダクタンス値及
び浮遊容量Cf1〜Cf3の値を調整し、伝送線路47
の線路長Lを略λ/6に設定することで、図8の二点鎖
線91に示すように伝送線路47は3倍高調波の帯域に
減衰極を有するトラップ回路としても機能する。
【0054】従って、図8の実線92に示すように、2
倍高調波の減衰をローパスフィルタ部88が確保し、3
倍高調波の減衰をローパスフィルタ部88の高周波帯域
減衰特性及び伝送線路47によるトラップ減衰特性の重
畳効果によって確保することができる。因みに、高周波
スイッチ41は、2倍及び3倍高調波を30dB以上減
衰させることができる。この結果、2倍及び3倍高調波
の減衰量を確保した状態で、スイッチ回路とフィルタ回
路の合計素子数を従来より少なくすることができ、通信
機器等の小型化を図ることができると共に、送信信号の
伝送損失を低減することができる。具体的には、第5実
施形態の高周波スイッチ41の場合、伝送損失が従来
0.3〜0.5dBであったのに対して、0.1〜0.
3dBにまでに低減された。
【0055】[第6実施形態、図9〜図11]図9に示
すように、第6実施形態の高周波スイッチ101は、伝
送線路102,107,108を残して前記第5実施形
態の高周波スイッチ41と同様のものである。
【0056】伝送線路導体107a,107b,107
cはそれぞれ大略スパイラル形状をしており、伝送線路
導体107aの一端は、ビアホール84fを介して伝送
線路58の一端に接続されている。伝送線路導体107
cの引出し部109cはシート55の手前側の辺の左側
部に露出している。さらに、伝送線路導体107a〜1
07cは、引出し部109cを残してシート55を挟ん
で対向している。これらの伝送線路導体107a〜10
7cは、シート55に設けたビアホール113a,11
3bを介して電気的に直列に接続され、1本の伝送線路
107を形成する。この伝送線路107は、バイアス回
路の分岐線路として用いられる。
【0057】同様に、伝送線路導体108a、108b
はそれぞれ大略ミアンダ形状をしており、伝送線路導体
108aの引出し部110aはシート55の奥側の辺の
右側部に露出し、伝送線路導体108bの引出し部11
0bはシート55の手前側の辺の中央部に露出してい
る。さらに、伝送線路導体108a,108bは、引出
し部110a,110bを残してシート55を挟んで対
向している。これらの伝送線路導体108a,108b
は、シート55に設けたビアホール114a,114b
を介して電気的に直列に接続され、1本の伝送線路10
8を形成する。この伝送線路108は、特性インピーダ
ンスを50Ω程度にするため、伝送線路導体108aと
108bの2層構造にして、伝送線路導体108aと1
08bの間隔を大きくしている。さらに、伝送線路10
8の場合、伝送線路導体108a,108bの導体幅を
伝送線路107の伝送線路導体107a〜107cより
太くすることにより、特性インピーダンスを調整してい
る。この伝送線路108は、高周波スイッチ101の主
線路として用いられる。
【0058】伝送線路導体102a,102bはそれぞ
れ大略スパイラル形状をしており、伝送線路導体102
bの引出し部103はシート55の手前側の辺の中央部
に露出している。さらに、伝送線路導体102a,10
2bは、引出し部103を残してシート55を挟んで対
向している。これらの伝送線路導体102a,102b
は、シート55に設けたビアホール112を介して電気
的に直列に接続され、1本の伝送線路102を形成す
る。
【0059】伝送線路107,108は、二つのグラン
ド導体44,45の間に並設され、かつ、それぞれの伝
送線路107,108が伝送線路導体107a〜107
c,108a,108bで構成されている。さらに、伝
送線路102が伝送線路102a,102bの2層で構
成されている。このように、伝送線路102,107,
108を複数層で構成することにより、高周波スイッチ
101の小型化を図る工夫がされている。さらに、隣り
合う伝送線路導体107aと107b(あるいは隣り合
う伝送線路導体107bと107c等)をそれぞれ伝播
する高周波信号の進行方向が相互に同方向となる。従っ
て、伝送線路導体107a,107b等のそれぞれの周
囲に発生する磁束の周回方向が同方向となり、伝送線路
導体107aと107b等はこの相互に同方向に周回す
る磁束によって電磁気的に結合することになる。この結
果、伝送線路102,107,108は、それぞれ伝送
線路導体102a,102b、107a〜107c、1
08a,108bの間隔を近接させることにより、伝送
線路導体の結合を大きくすることができ、所望の特性イ
ンピーダンスを容易に得ることができる。
【0060】以上の構成からなる各シート55は積み重
ねられ、一体的に焼結され、積層体とされる。この積層
体に、前記第5実施形態の高周波スイッチ41と同様
に、各種端子Vc1,Vc2,TX,RX等が形成さ
れ、かつ、各種素子D1,D2等が搭載される。
【0061】図10は、こうして得られた高周波スイッ
チ101の電気等価回路図である。この高周波スイッチ
101は、3次ローパスフィルタ部88とスイッチ部8
9とを備えている。送信信号の2倍高調波の帯域に3次
ローパスフィルタ部88の伝送線路58とコンデンサC
6とで形成される並列共振回路の共振周波数を調整して
合わせることで、2倍高調波を減衰させている。さら
に、フィルタ部88のコンデンサC4,C5を調整して
整合をとり、2倍高調波より高い周波数帯域を例えば5
〜20dB程度減衰させることができる。
【0062】一方、ダイオードD1に並列に接続されて
いる伝送線路102の線路長を調整することにより、3
倍高調波の帯域に減衰極を得ることができる。すなわ
ち、伝送線路102はダイオードD1がOFF状態のと
きには、ダイオードD1の容量との並列共振によりアイ
ソレーションを確保している。そして、ダイオードD1
がON状態になると、ダイオードD1のインダクタンス
と伝送線路102の並列状態になる。従って、ダイオー
ドD1のインダクタンスによる遅延量と伝送線路32に
よる遅延量との位相差がπになる周波数において減衰極
が形成される。これにより、この伝送線路102が3倍
高調波の帯域に減衰極を有するためには、ダイオードD
1のON時のインダクタンスを考慮しないとすれば伝送
線路102の長さを略λ/6に設定すればよいが、実際
にはこれより長くなり、伝送線路102の長さを略λ/
4に設定する必要がある。伝送線路102は、送信回路
用端子TXとアンテナ用端子ANTとの間に直列に挿入
されているので、伝送線路102による減衰極の帯域が
広く、減衰量も20dB以上と大きい。
【0063】従って、2倍高調波の減衰をローパスフィ
ルタ部88が確保し、3倍高調波の減衰をローパスフィ
ルタ部88の高周波帯域減衰特性及び伝送線路102に
よるトラップ減衰特性の重畳効果によって確保すること
ができる。因みに、高周波スイッチ101は、2倍及び
3倍高調波を30dB以上減衰させることができる。こ
の結果、2倍及び3倍高調波の減衰量を確保した状態
で、スイッチ回路とフィルタ回路の合計素子数を従来よ
り少なくすることができ、通信機器等の小型化を図るこ
とができると共に、送信信号の伝送損失を低減すること
ができる。
【0064】[他の実施形態]なお、本発明に係る高周
波スイッチ及びフィルタ部を有した高周波スイッチは前
記実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内
で種々に変更することができる。特に、フィルタ部は、
ローパスフィルタの他に、ハイパスフィルタ、バンドパ
スフィルタ、バンドエリミネーションフィルタであって
もよい。また、スイッチング素子としては、ダイオード
素子の他に、トランジスタ素子やFET素子等であって
もよい。
【0065】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、本発明に
よれば、略所定の線路長を有した伝送線路を備えること
により、使用周波数の2倍高調波あるいは3倍高調波の
帯域に減衰極を形成して高減衰させるので、フィルタを
省いたり、フィルタの素子数を抑えることができる。従
って、通信機器等の小型化を図ることができ、かつ、送
信信号の伝送損失の低減を図ることができる。さらに、
素子数を少なくすることで、同一サイズの部品の場合、
素子間の電磁気結合を小さくすることができ、高周波ス
イッチの特性劣化を防止することができる。
【0066】また、使用周波数の2倍高調波又は3倍高
調波のいずれか一方の帯域に減衰極が生じるようにした
スイッチ部と、残った方の高調波の帯域に減衰極を有し
たフィルタ部とを備えることにより、それぞれ独立した
高周波スイッチ部品とフィルタ部品を電気的に接続した
場合と比較して、全体の寸法を小さくすることができ
る。また、高周波スイッチ回路とフィルタ回路をまとめ
て設計することにより、高周波スイッチ回路とフィルタ
回路のインピーダンスマッチングを施した設計を行うこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高周波スイッチの第1実施形態を
示す電気回路図。
【図2】本発明に係る高周波スイッチの第2実施形態を
示す電気回路図。
【図3】本発明に係る高周波スイッチの第3実施形態を
示す電気回路図。
【図4】本発明に係る高周波スイッチの第4実施形態を
示す電気回路図。
【図5】本発明に係る高周波スイッチの第5実施形態を
示す分解斜視図。
【図6】図5に示されている高周波スイッチの外観を示
す斜視図。
【図7】図6に示されている高周波スイッチの電気回路
図。
【図8】図6に示されている高周波スイッチの減衰特性
を示すグラフ。
【図9】本発明に係る高周波スイッチの第6実施形態を
示す分解斜視図。
【図10】図9に示されている高周波スイッチの電気回
路図。
【図11】従来の高周波スイッチを示す電気回路図。
【符号の説明】
1,11,21,31…高周波スイッチ 7,8,12,22,32…伝送線路 41,101…フィルタ部を有した高周波スイッチ 44,45…グランド導体 42,47,48…伝送線路 52,53…コンデンサ導体 55…誘電体シート 88…フィルタ部 89…スイッチ部 102,107,108…伝送線路 C1,C2…コンデンサ D1,D2…ダイオード(スイッチング素子) TX…送信回路用端子 RX…受信回路用端子 ANT…アンテナ用端子 G1,G2,G3…グランド用端子

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略所定の線路長を有した伝送線路を備え
    ることにより、使用周波数の2倍高調波又は3倍高調波
    の少なくともいずれか一方の帯域に減衰極が生じるよう
    にしたことを特徴とする高周波スイッチ。
  2. 【請求項2】 送信回路用端子、受信回路用端子、アン
    テナ用端子、グランド用端子、第1の電圧制御用端子及
    び第2電圧制御用端子と、 前記送信回路用端子と前記アンテナ用端子との間に電気
    的に接続された第1のスイッチング素子と、 前記送信回路用端子と前記第1の電圧制御用端子との間
    に電気的に接続された第1の伝送線路と、 前記第1の電圧制御用端子と前記グランド用端子との間
    に電気的に接続された第1のコンデンサと、 前記アンテナ用端子と前記受信回路用端子との間に電気
    的に接続された第2の伝送線路と、 前記受信回路用端子と前記第2の電圧制御用端子との間
    に電気的に接続された第2のスイッチング素子と、 前記第2の電圧制御用端子と前記グランド用端子との間
    に電気的に接続された第2のコンデンサとを備え、 λを使用周波数における波長としたとき、前記第1の伝
    送線路の線路長を略λ/4又は略λ/6のいずれか一方
    に設定し、使用周波数の2倍高調波又は3倍高調波のい
    ずれか一方の帯域に減衰極が生じるようにしたこと、 を特徴とする高周波スイッチ。
  3. 【請求項3】 送信回路用端子、受信回路用端子、アン
    テナ用端子、グランド用端子、第1の電圧制御用端子及
    び第2電圧制御用端子と、 前記送信回路用端子と前記アンテナ用端子との間に電気
    的に接続された第1のスイッチング素子と、 前記送信回路用端子と前記第1の電圧制御用端子との間
    に電気的に接続された第1の伝送線路と、 前記第1の電圧制御用端子と前記グランド用端子との間
    に電気的に接続された第1のコンデンサと、 前記アンテナ用端子と前記受信回路用端子との間に電気
    的に接続された第2の伝送線路と、 前記受信回路用端子と前記第2の電圧制御用端子との間
    に電気的に接続された第2のスイッチング素子と、 前記第2の電圧制御用端子と前記グランド用端子との間
    に電気的に接続された第2のコンデンサと、 前記送信回路用端子と前記アンテナ用端子との間に少な
    くとも一つ接続された、第3の伝送線路を有した閉ルー
    プとを備え、 λを使用周波数における波長としたとき、前記第3の伝
    送線路の線路長を略λ/4又は略λ/6の少なくともい
    ずれか一方に設定し、使用周波数の2倍高調波又は3倍
    高調波の少なくともいずれか一方の帯域に減衰極が生じ
    るようにしたこと、 を特徴とする高周波スイッチ。
  4. 【請求項4】 略所定の線路長に設定された伝送路を備
    えることにより、使用周波数の2倍高調波又は3倍高調
    波のいずれか一方の帯域に減衰極が生じるようにしたス
    イッチ部と、残った方の高調波の帯域に減衰極を有した
    フィルタ部と、 を備えたことを特徴とするフィルタ部を有した高周波ス
    イッチ。
  5. 【請求項5】 複数の誘電体層と、前記第1及び第2の
    伝送線路と、前記第1及び第2のコンデンサのそれぞれ
    のコンデンサ導体と、グランド導体とを積層して構成し
    た積層体の表面に、前記送信回路用端子と前記受信回路
    用端子と前記アンテナ用端子と前記グランド用端子と前
    記第1及び第2の電圧制御用端子とをそれぞれ設けると
    共に、前記第1及び第2のスイッチング素子をそれぞれ
    搭載したことを特徴とする請求項2記載の高周波スイッ
    チ。
  6. 【請求項6】 複数の誘電体層と、前記第1、第2及び
    第3の伝送線路と、前記第1及び第2のコンデンサのそ
    れぞれのコンデンサ導体と、グランド導体とを積層して
    構成した積層体の表面に、前記送信回路用端子と前記受
    信回路用端子と前記アンテナ用端子と前記グランド用端
    子と前記第1及び第2の電圧制御用端子とをそれぞれ設
    けると共に、前記第1及び第2のスイッチング素子をそ
    れぞれ搭載したことを特徴とする請求項3記載の高周波
    スイッチ。
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