JPH11271440A - 3次元探査方法及び装置 - Google Patents

3次元探査方法及び装置

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JPH11271440A
JPH11271440A JP10077053A JP7705398A JPH11271440A JP H11271440 A JPH11271440 A JP H11271440A JP 10077053 A JP10077053 A JP 10077053A JP 7705398 A JP7705398 A JP 7705398A JP H11271440 A JPH11271440 A JP H11271440A
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JP
Japan
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representative
dimensional
value
extracting
propagation velocity
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Application number
JP10077053A
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English (en)
Inventor
Hideki Hayakawa
秀樹 早川
Akira Kawanaka
彰 川中
Shigetsune Kitazaki
恵凡 北崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11271440A publication Critical patent/JPH11271440A/ja
Pending legal-status Critical Current

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 媒質中の物体の大きさ、形状、配置等の影
響を大きく受けずに、その位置及び構造を高精度に3次
元的に検出可能な探査方法及び装置を提供する。 【解決手段】 媒質1の表面を移動しながら、波動信号
4を媒質1中へ放射して物体2からの反射信号5を受信
し、その反射信号強度に基づいて生成される媒質表面上
の位置(x,y)と物体2からの反射時間tを座標
(x,y,t)とする3次元ボクセルデータに対して、
予め想定された複数の伝搬速度vをパラメータとして3
次元マイグレーション処理を行い、その結果から各座標
点毎の代表値を抽出し、その代表値に基づいて物体2の
長尺体候補領域を抽出し、その長尺体候補領域毎に座標
分布の分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを計算
して特徴抽出を行い長尺体領域を抽出し、その長尺体領
域毎に抽出される離散的な代表座標点と代表伝搬速度を
補間することによって伝搬速度分布vを計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒質の表面を移動
しながら、電磁波または音波による波動信号を媒質中へ
放射して、媒質中に存在する物体からの反射信号を受信
し、その受信した反射信号強度に対する媒質表面上の位
置(x,y)と波動信号の物体からの反射時間tを座標
(x,y,t)とする3次元ボクセルデータを生成し、
その3次元ボクセルデータに基づいて物体の位置を探査
する3次元探査方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の3次元探査方法及び装置として
は、電磁波の反射を用いて地中にある埋設物または空洞
を探査する探査方法または装置があり、電気学会誌10
8卷11号pp.1113〜1116「地中埋設物探査
レーダ」(1988年11月)に開示されている方法が
知られている。この地中埋設物探査方法においては、地
表面を一方向に移動しながら地中に向けて波動信号を送
信して地中埋設物からの反射信号を受信し、この移動線
に沿った鉛直断面でのその反射信号強度の2次元画像デ
ータを生成し、かかる走査を移動線をずらしながら複数
回繰り返し、同様の2次元画像データを複数枚生成し、
各2次元画像データ毎に、波動信号の伝搬速度或いは地
中の比誘電率を推定し、各断面毎に埋設物の位置を求め
てシンボル化し、当該シンボルの各断面間の連続性を判
定することで、埋設物の3次元的構造を把握しようとす
るものであり、2次元探査方法を簡易的に3次元に拡張
したものである。
【0003】ここで、上記従来の3次元探査方法に使用
される2次元探査方法としては、上掲の刊行物及び特公
平5−7671号公報「地中埋設物探査方式」に開示さ
れている方法が知られており、その一般的な処理手順
は、図12に示すように、S1〜S6の各ステップから
構成されている。図12において、S1は地表面を移動
しながら地中に向けて放射した電磁波の地中埋設物から
の反射波を受信して、地表面の移動距離と反射波の反射
時間を座標軸とする反射波プロフィールデータを収集す
るステップ、S2は受信した反射波に対する波形補正等
の前処理を行うステップ、S3は合成開口処理を行うス
テップ、S4は地質補正を行うステップ、S5は地表面
の移動距離と地中深度を座標軸とする2次元画像データ
を出力処理するステップ、S6は地中の比誘電率を算定
するステップである。前記ステップS6において、前記
ステップS1及びS2を通じて得られた反射波プロフィ
ールデータに対して、地中の比誘電率εを一定規則の刻
み幅で変化させ、各比誘電率εから一定の関係において
定まる電磁波の地中における伝搬速度毎に、合成開口処
理を行う。つまり、反射波プロフィール101に現れる
双曲線の頂上付近に、各伝搬速度毎に定まる双曲線上の
信号を集積させるわけであるが、合成開口処理後に得ら
れる画像データ102は、使用した比誘電率εが実際の
比誘電率εと異なる値で処理された場合は、前記双曲線
の頂上付近への信号の集まりが悪く不鮮明な画像となる
が、使用した比誘電率εが実際の比誘電率εと良く一致
する場合は前記双曲線の頂上付近へ信号が集まり鮮明な
画像を得ることができる。前記ステップS6において、
前記画像データ102の画像鮮明度を下記の数1に示す
評価関数F(ε) を用いて客観的に評価することにより、
地中の比誘電率εが算定される。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、上式のSar(i,j)は合成開口処理後
の各配列、SmaxはSar(i,j)の最大値、mtは深さ方向(反
射時間方向)のデータ数、ntは横方向(地表移動方向)
のデータ数と定義され、F(ε) の最小値を求めることに
より、地中の比誘電率εを算定する。前記ステップS3
において、前記ステップS6において算出された地中の
比誘電率εを用いて、前記ステップS1及びS2を通じ
て得られた反射波プロフィールデータに対して、改めて
合成開口処理が行われ、地表面の移動距離と反射波の反
射時間を座標軸とする2次元画像が得られる。前記ステ
ップS4において、前記ステップS6において算出され
た地中の比誘電率εを用いて、地中の電磁波の伝搬速度
を求め、前記ステップS3において得られた前記2次元
画像の反射波の反射時間座標を埋設深度方向の長さスケ
ールに変換する地質補正が行われる。最終的に、前記ス
テップS5において、地表面の移動距離と地中深度を座
標軸とする2次元画像データの出力処理が行われ、探査
物位置にマーカを配した探査画像出力103が表示出力
される。
【0006】従って、従来の3次元探査方法或いは装置
においては、図12に示すように、複数断面分の図12
に示す前記探査画像出力103が生成され、シンボル化
された前記マーカ位置の各断面間の連続性を判定するこ
とで、当該物体が埋設管のような長尺体であるのか、ま
たは、塊状物なのかが判定でき、更に、全くの連続性が
ない場合は、石またはノイズと判定される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来の3次元探査方法或いは装置においては、各2次元
画像データ即ち各断面毎に伝搬速度(比誘電率)を推定
しているが、その際に、地中の比誘電率が各断面内で一
様であること、及び、探査対象物の探査断面内での大き
さが埋設深さに比べて十分に小さいことが前提となって
おり、かかる前提条件が満足されなければ、推定される
伝搬速度(比誘電率)の誤差が大きくなり、適切な合成
開口処理が行われず、埋設物からの反射信号が消失する
とういう事態が発生することになる。このような前提条
件が満足されないケースとして、例えば、埋設物自体の
大きさが埋設深さと同等の場合、埋設物自体の大きさが
埋設深さに比べて小さくても平板状の形状をしている場
合、更に、埋設管のように細長い長尺体を斜め若しくは
長手方向に探査した場合等があり、何れの場合も埋設物
からの反射信号強度パターンの双曲線形状が歪んでしま
うことが明らかであり、従って、反射信号強度パターン
が離心率が2の平方根の双曲線形状であることを前提と
する前記合成開口処理が適切に行われないことになる。
また、上記のケースでは、探査対象が埋設物であるた
め、事前に探査方向や探査位置の選択等の方策を施すの
が困難であり、頻繁にこのような問題が発生することに
なる。本発明は、このような従来技術の問題点を解消す
るためになされたものであり、その目的は、不均質な媒
質中においても、また、媒質中の物体の形状やその配置
状態にかかわらず、その媒質中の物体の位置探査を精度
良くできる3次元探査方法及び装置を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
の本発明に係る3次元探査方法の第一の特徴構成は、特
許請求の範囲の欄の請求項1に記載した通り、媒質の表
面を移動しながら、電磁波または音波による波動信号を
前記媒質中へ放射し、前記媒質中に存在する物体からの
反射信号を受信する送受信工程と、前記送受信工程で受
信した反射信号強度に対する前記媒質表面上の位置
(x,y)と前記波動信号の前記物体からの反射時間t
を座標(x,y,t)とする3次元ボクセルデータを生
成する3次元ボクセルデータ生成工程とを順次実行し
て、前記3次元ボクセルデータに基づいて前記物体の位
置を探査する際に、前記3次元ボクセルデータ生成工程
で生成された前記3次元ボクセルデータに対して、予め
想定された複数の伝搬速度vをパラメータとする3次元
マイグレーション処理を施し、前記各座標点(x,y,
t)毎の代表値を抽出し、その代表値に基づいて細長い
3次元形状の長尺体が存在する可能性のある長尺体候補
領域を抽出する長尺体候補領域抽出工程と、前記長尺体
候補領域抽出工程で抽出された前記長尺体候補領域毎に
座標分布の分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを
計算して特徴抽出を行い、前記長尺体の特徴との特徴比
較判定により前記長尺体候補領域から長尺体領域を抽出
する長尺体領域抽出工程と、前記長尺体領域抽出工程で
抽出された前記長尺体領域に対して、前記各長尺体領域
の代表座標点及び代表伝搬速度を抽出する代表伝搬速度
抽出工程と、前記代表伝搬速度抽出工程で抽出された代
表座標点と代表伝搬速度を補間して伝搬速度分布を計算
する伝搬速度分布計算工程と、前記3次元ボクセルデー
タ生成工程で生成された前記3次元ボクセルデータに対
して、前記伝搬速度分布計算工程で計算された前記伝搬
速度分布に基づく3次元マイグレーション処理を施して
3次元マイグレーションデータを生成する3次元マイグ
レーションデータ生成工程とを実行する点にある。
【0009】同第二の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項2に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加
えて、前記長尺体候補領域抽出工程において、前記各座
標点(x,y,t)毎に、前記3次元マイグレーション
処理によって得られた前記伝搬速度vをパラメータとす
るマイグレーション処理値の内の絶対値が最大となる値
を前記代表値として抽出及び保存し、その代表値を与え
る伝搬速度を推定伝搬速度として抽出及び保存する第1
抽出保存工程と、前記代表値に対して所定の閾値処理に
よる2値化を行うことにより前記長尺体候補領域を抽出
する閾値処理工程とを順次実行する点にある。
【0010】同第三の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項3に記載した通り、上述の第一の特徴構成に加
えて、前記長尺体候補領域抽出工程において、前記各座
標点(x,y,t)毎に、3次元マイグレーション処理
によって得られた前記伝搬速度vをパラメータとするマ
イグレーション処理値の内の最大値と最小値と平均値を
求め、前記平均値が正値の場合は、前記最大値から前記
平均値を減じた差を前記代表値として抽出及び保存し、
その最大値を与える伝搬速度を推定伝搬速度として抽出
及び保存し、前記平均値が負値の場合は、前記最小値か
ら前記平均値を減じた差若しくはその絶対値を前記代表
値として抽出及び保存し、その最小値を与える伝搬速度
を推定伝搬速度として抽出及び保存する第2抽出保存工
程と、抽出された前記代表値に対して所定の閾値処理に
よる2値化を行うことにより前記長尺体候補領域を抽出
する閾値処理工程とを順次実行する点にある。
【0011】同第四の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項4に記載した通り、上述の第一、第二または第
三の特徴構成に加えて、前記長尺体領域抽出工程におい
て、前記長尺体候補領域毎に、その(x,y)座標分布
の分散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを計算し、
前記特徴比較判定として、前記固有値の内の絶対値の大
きい方の第1固有値の絶対値が所定の第1設定値より大
きく、前記固有値の内の絶対値の小さい方の第2固有値
の絶対値が所定の第2設定値より小さい場合に、前記長
尺体領域であるとする点にある。
【0012】同第五の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項5に記載した通り、上述の第四の特徴構成に加
えて、前記代表伝搬速度抽出工程において、前記長尺体
領域抽出工程で抽出された前記各長尺体領域に対して、
前記第1固有値に対応する第1固有ベクトルのx成分の
絶対値がy成分の絶対値より大きい場合は、その長尺体
領域をy−t断面で切り出し、前記x成分の絶対値が前
記y成分の絶対値より小さい場合は、その長尺体領域を
x−t断面で切り出し、切り出された前記各断面毎にそ
の断面内の前記推定伝搬速度から前記代表値の最大値を
与える断面代表伝搬速度を抽出し、前記各断面毎に抽出
された前記断面代表伝搬速度の平均値或いは中央値を計
算して前記各長尺体領域の前記代表伝搬速度とする点に
ある。尚、前記x成分の絶対値が前記y成分の絶対値に
等しい場合は、前記何れの断面で切り出しても構わな
い。
【0013】同第六の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項6に記載した通り、上述の第一、第二、第三、
第四または第五の特徴構成に加えて、前記代表伝搬速度
抽出工程において、前記長尺体領域抽出工程で抽出され
た前記各長尺体領域に対して、前記各長尺体領域内で前
記代表値が最大となる座標点を前記代表座標点とする点
にある。
【0014】同第七の特徴構成は、特許請求の範囲の欄
の請求項7に記載した通り、上述の第一、第二、第三、
第四、第五または第六の特徴構成に加えて、前記伝搬速
度分布計算工程において、前記代表伝搬速度抽出工程で
抽出された前記各代表伝搬速度を前記各代表座標点の反
射時間t座標に基づいて、伝搬速度v・反射時間t座標
面上に座標化する座標化工程と、その座標化された離散
的なv−t座標点を補間して、反射時間tに対する伝搬
速度分布v(t)を計算する補間工程とを実行する点に
ある。
【0015】更に、本発明に係る3次元探査装置の特徴
構成は、特許請求の範囲の欄の請求項8に記載した通
り、媒質の表面を移動しながら、電磁波または音波によ
る波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質中に存在す
る物体からの反射信号を受信する送受信手段と、前記送
受信手段が受信した反射信号強度に対する前記媒質表面
上の位置(x,y)と前記波動信号の前記物体からの反
射時間tを座標(x,y,t)とする3次元ボクセルデ
ータを生成する3次元ボクセルデータ生成手段とを備え
てなり、前記3次元ボクセルデータに基づいて前記物体
の位置を探査する際に、前記3次元ボクセルデータ生成
手段が生成した前記3次元ボクセルデータに対して、予
め想定された複数の伝搬速度vをパラメータとする3次
元マイグレーション処理を施し、前記各座標点(x,
y,t)毎の代表値を抽出し、その代表値に基づいて細
長い3次元形状の長尺体が存在する可能性のある長尺体
候補領域を抽出する長尺体候補領域抽出手段と、前記長
尺体候補領域抽出手段が抽出した前記長尺体候補領域毎
に座標分布の分散共分散行列の固有値及び固有ベクトル
を計算して特徴抽出を行い、前記長尺体の特徴との特徴
比較判定により前記長尺体候補領域から長尺体領域を抽
出する長尺体領域抽出手段と、前記長尺体領域抽出手段
が抽出した前記長尺体領域に対して、前記各長尺体領域
の代表座標点及び代表伝搬速度を抽出する代表伝搬速度
抽出手段と、前記代表伝搬速度抽出手段が抽出した代表
座標点と代表伝搬速度を補間して伝搬速度分布を計算す
る伝搬速度分布計算手段と、前記3次元ボクセルデータ
生成手段が生成した前記3次元ボクセルデータに対し
て、前記伝搬速度分布計算手段が計算した前記伝搬速度
分布に基づく3次元マイグレーション処理を施して3次
元マイグレーションデータを生成する3次元マイグレー
ションデータ生成手段とを備えている点にある。即ち、
上記第一の特徴構成における各工程を各別に記載した要
領で処理するための手段を夫々に備えてなるものであ
り、よって、本特徴構成と上記第一の特徴構成とは、本
発明に係る3次元探査方法及び装置に対して本質におい
て共通するものである。
【0016】以下に作用を説明する。第一の特徴構成に
よれば、前記長尺体候補領域抽出工程において、前記長
尺体候補領域を抽出することで、各座標点(x,y,
t)毎に反射信号強度パターンの双曲線形状の歪みの少
ない細長い3次元形状の長尺体が存在している可能性が
あるかをノイズや大きな物体の存在等を許容しながら大
まかに見極め、次に、前記長尺体領域抽出工程におい
て、前記長尺体候補領域毎に座標分布の分散共分散行列
の固有値及び固有ベクトルを計算して主成分分析を行う
ことで前記長尺体候補領域の細長い3次元形状であると
いう空間的な特徴抽出を行い、探査の対象としている前
記長尺体の特徴との特徴比較判定により前記長尺体候補
領域からノイズや大きな物体等の伝搬速度推定の対象外
のものを除外して正確な伝搬速度抽出が可能な長尺体領
域を抽出することができ、次に、前記伝搬速度分布計算
工程において前記代表伝搬速度抽出工程で抽出された各
長尺体領域における代表座標点と代表伝搬速度を補間す
ることでノイズ等の影響をより良く排除した形での精度
の高い不均質媒質中の伝搬速度分布v(x,y,t)を
計算することができ、このように、不均質媒質であるこ
とを前提に探査対象物体の媒質中での配置状況を把握し
た上で高精度に求められた伝搬速度分布v(x,y,
t)に基づいて、前記3次元ボクセルデータに対して再
度3次元マイグレーション処理を施すことで、高SN比
で3次元マイグレーション処理を施すことができるので
ある。この結果、媒質中の伝搬速度が均一であると想定
して3次元マイグレーション処理を行う場合に比べて、
より高精細な3次元マイグレーションデータを得ること
ができ、媒質中における物体の探査精度を大幅に向上で
きるのである。
【0017】ここで、3次元探査の対象物体が、例え
ば、細長い3次元形状を有する地中埋設管であれば、そ
のまま前記長尺体領域として抽出されるのである。尚、
3次元マイグレーション処理は、前記3次元ボクセルデ
ータをフーリエ変換して周波数・波数ドメインで処理す
るものであっても、直接に空間・時間ドメインで処理す
るものであっても構わない。
【0018】第二または第三の特徴構成によれば、極め
て簡易な処理で前記長尺体候補領域を抽出できるのであ
る。また、各座標点(x,y,t)毎に前記代表値及び
前記推定伝搬速度を保存することで、前記代表伝搬速度
抽出工程における前記各長尺体領域の代表座標点及び代
表伝搬速度の計算時に使用することができ、前記代表座
標点及び代表伝搬速度の抽出処理を効率的に行うことが
できるのである。
【0019】第四の特徴構成によれば、前記第1及び第
2固有値が夫々の条件を満足する場合は、前記長尺体候
補領域が細長い3次元形状に分布しているものとして簡
易的に抽出できるため、前記長尺体候補領域が大きな塊
状物であったり、ノイズ成分である場合を的確に除去で
き、前記長尺体領域を簡易に且つ精度良く抽出できるの
である。
【0020】第五の特徴構成によれば、前記y−t断面
または前記x−t断面の内、第四の特徴構成によって抽
出された細長い長尺体領域の長手方向とより広い角度で
交差する方の断面で、前記長尺体領域を切り出すことに
なり、切り出される断面の数が多くなるため、前記代表
伝搬速度を計算するための前記断面代表伝搬速度のサン
プル数を多く抽出でき、更に、前記断面代表伝搬速度の
平均値または中央値として前記代表伝搬速度を計算する
ため、前記長尺体領域における前記3次元ボクセルデー
タのSN比が低くても前記代表伝搬速度を精度良く計算
できるのである。
【0021】第六の特徴構成によれば、前記長尺体領域
の代表座標点を簡易に且つ精度良く抽出できるのであ
る。
【0022】第七の特徴構成によれば、不均質媒質中の
伝搬速度分布v(x,y,t)を反射時間tに対する伝
搬速度分布v(t)として簡易的に抽出できるのであ
る。特に、前記媒質が土壌である場合は、伝搬速度の分
布が主として深さ方向に変化し、地表面に平行な面内
(x−y面)では略一様である場合が多いことに着目す
れば、異なる(x,y)座標を共通に使用でき前記補間
処理に使用できる離散的なデータ量を増やすことがで
き、伝搬速度分布v(t)を高効率且つ高精度に抽出で
きるのである。つまり、伝搬速度の分布が主として深さ
方向に変化することが予め判明している場合には、x−
y面内での分布が一様であると仮定することで、伝搬速
度の推定精度を向上させることができるのである。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、媒質である土
壌1にガス等の流体を配送する鋼管などの物体2が埋設
されており、波動信号の送受信手段である送受信機10
とデータ解析手段であるデータ解析装置20を備えた探
査装置3が地表面を移動しながら、前記物体2の埋設位
置を探査する。前記送受信機10は例えば100MHz
〜1GHzの図2(イ)に例示する単発のパルス信号を
送信回路13で発生し、送信アンテナ11より電磁波と
して土壌1に放射する。前記送信アンテナ11より放射
された電磁波の中の物体に入射した入射波4は前記物体
2表面で反射散乱し、その中の反射波5が受信アンテナ
12で受信された後、受信回路14において、図2
(ロ)に例示するような受信信号として復調増幅され
る。前記送信アンテナ11より放射され、受信アンテナ
12で受信されるまでの時間差ΔTは土壌1の表面から
前記物体2までの距離と土壌1の比誘電率εまたは電磁
波の伝搬速度vより一義的に決定される。送信アンテナ
11と受信アンテナ12は一定間隔で地表面に対向して
配置され、図1中のx方向に前記物体2を横切るように
移動し、更に、前記物体2の配設方向である紙面表裏方
向のy方向にも移動する。
【0024】前記送受信機10に、前記受信回路14の
増幅部の利得を前記時間差ΔTに応じて変調する信号強
度変調手段15を設け、前記時間差ΔTが長くなるにつ
れて土壌1を伝搬する前記パルス信号の損失が大きくな
り、受信信号強度が減衰するのを振幅補正し、前記時間
差ΔT、つまりは反射時間tの増加に対して急激に減衰
しない受信信号強度分布を得ることができ、次段以降の
信号処理に必要な信号強度を確保する。具体的には、前
記信号強度変調手段15は前記単発のパルス信号の送信
タイミングに同期して、前記時間差ΔTの増加に伴い減
衰率を所定の変化率で自動的に低下させる減衰器で構成
され、前記増幅部の所定個所に挿入してある。
【0025】データ解析装置20はマイクロコンピュー
タや半導体メモリ等によって構成されるデータ処理部2
1と外部からの操作指示を入力するキーボード等の入力
部22と各処理段階での画像データや出力結果を表示す
る陰極線管ディスプレイや液晶ディスプレイ等の表示部
23と前記各処理段階での画像データや出力結果等を保
管格納する磁気ディスク等の外部補助記憶部24から構
成されている。この受信回路14において受信信号は、
前記信号強度変調手段15による振幅補正後に、波形の
スムーシング等の雑音除去処理やA/D変換処理等の前
置処理が施され、ディジタル信号として前記データ処理
部21へ出力される。前記データ解析装置20では前記
ディジタル化された受信信号より、前記物体2を含む土
壌1の断面画像を、前記アンテナ11及び12の位置
(x,y)と前記反射波5の前記物体2からの反射時間
tを座標(x,y,t)とする3次元ボクセルデータ
(3次元画像データの一例)として生成する。ここで、
受信信号強度を複数階調で輝度表示し、図2(ロ)に示
すように、信号強度の正値を白(輝度大)、信号強度の
負値を黒(輝度小)、信号強度0を中間階調として表示
部23に表示する。
【0026】図3に示すように、前記データ処理部21
は、制御部30、3次元ボクセルデータ生成手段31、
長尺体候補領域抽出手段32、長尺体領域抽出手段3
3、代表伝搬速度抽出手段34、伝搬速度分布計算手段
35、3次元マイグレーションデータ生成手段36、出
力処理手段37、内部データバス38、制御・アドレス
バス39から構成されている。更に、前記長尺体候補領
域抽出手段32は、第1抽出保存手段40及び閾値処理
手段41を備え、前記伝搬速度分布計算手段35は、座
標化手段42及び補間手段43を備えている。前記制御
部30は、上記の各機能手段の作動を制御管理するため
のものである。また、前記出力処理手段37は、後述す
るデータ処理手順で生成される各種の3次元画像等を前
記表示部23に表示するための処理等を行う。上述のよ
うに、前記データ処理部21は、マイクロコンピュータ
や半導体メモリ等によって具体的に構成されるが、図3
に示す各機能手段は、これらマイクロコンピュータや半
導体メモリ等の一部または全部を使用して、前記内部デ
ータバス38、前記制御・アドレスバス39によって有
機的に結合されることで実現される。
【0027】図4に、前記データ処理部21での典型的
なデータ処理手順のフローチャートを示す。以下、前記
物体2が埋設管であって、図5に示す埋設状況にある場
合を探査した実施例につき、前記データ処理部21にお
ける各機能手段30〜43の動作並びにデータ処理手順
について説明する。従って、本実施例では、探査対象で
ある前記物体2が伝搬速度分布抽出に利用する細長い3
次元形状の長尺体となる。前記埋設状況は、図5に示す
ように、y軸方向に埋設深度を異ならせて5本の小径管
51、52、53、54、55が埋設されている。一
方、x軸方向に沿って、伏せ越し部57を有する管58
が埋設しており、更に、比較的小深度に、x方向、y方
向、及び深さz方向に対して傾いた大径管59が埋設さ
れている。
【0028】図4に示すように、開始ポイントでは、先
ず、送受信手段である前記送受信機10が媒質の表面の
x−y平面上を移動しながら、送受信工程(ST0)と
3次元ボクセルデータ生成工程(ST1)を逐次実行す
る。前記送受信工程では、図2に示すパルス信号からな
る波動信号を前記媒質である土壌1中へ放射し、前記土
壌1に存在する前記物体2からの反射波5を受信する。
この受信信号は、前記受信回路14及び前記信号強度変
調手段15により、上述の如く前記振幅補正を含む前置
処理が施され、反射時間tに対して一定のサンプリング
期間Δtでサンプリングされディジタル化されている。
前記3次元ボクセルデータ生成工程では、前記ディジタ
ル化された受信信号が前記データ処理部21へ転送され
た後、前記3次元ボクセルデータ生成手段31によっ
て、その受信信号の位置(x,y)と前記反射時間tで
決定される座標(x,y,t)をアドレス信号にエンコ
ードして、前記データ処理部21内のメモリ21aの当
該アドレスに対応する領域に、ディジタル化された受信
信号強度を前記A/D変換処理されたときの量子化ビッ
ト幅で、座標(x,y,t)の3次元ボクセルデータと
して格納する。このように、(x,y,t)空間の全領
域に対して、前記送受信工程と前記3次元ボクセルデー
タ生成工程を実行することで、3次元ボクセルデータの
生成を完了する。
【0029】前記3次元ボクセルデータ生成工程を図5
に示す埋設状況において実行し、その結果生成された3
次元ボクセルデータの3次元画像例を図6に示す。尚、
図6に示す3次元ボクセルデータは一般的な2値化処理
を施して表示しており、実際には夫々に階調値を保持し
ている。
【0030】次に、長尺体候補領域抽出工程(ST2)
において、前記長尺体候補領域抽出手段32が、前記3
次元ボクセルデータ生成工程で生成された前記3次元ボ
クセルデータに対して、予め想定された複数の伝搬速度
vをパラメータとする3次元マイグレーション処理を施
し、その各座標点(x,y,t)毎の3次元マイグレー
ション処理結果に対して、前記第1抽出保存手段40が
第1抽出保存工程を、前記閾値処理手段41が閾値処理
工程を夫々順次実行する。具体的には、前記第1抽出保
存工程において、前記第1抽出保存手段40が、前記各
座標点(x,y,t)毎に伝搬速度vに対するマイグレ
ーション処理値からなる1次元配列データを生成し、そ
の1次元配列データの中の絶対値が最大となる値を前記
各座標点(x,y,t)毎の代表値として抽出し、その
代表値を与える伝搬速度vをその座標点(x,y,t)
の推定伝搬速度として抽出し、これら代表値及び推定伝
搬速度を前記メモリ21aの所定領域に保存する。尚、
前記代表値を抽出するにあたり、必ずしも前記1次元配
列データを生成せずに、伝搬速度vを変化させながら前
記3次元マイグレーション処理を行う際に絶対値の最大
の値が出現する度にそのマイグレーション処理値を保存
更新するようにしても構わない。また、前記代表値は、
その代表値となったマイグレーション処理値の絶対値と
しても構わない。更に、前記閾値処理工程において、前
記閾値処理手段41が、前記第1抽出保存手段40が抽
出した前記代表値に対して所定の閾値処理を施し2値化
し、前記物体2が存在する可能性のある長尺体候補領域
を抽出する。
【0031】前記長尺体候補領域抽出工程を前記3次元
ボクセルデータに対して実行し、その結果抽出された前
記長尺体候補領域の3次元画像例を図7に示す。図7に
示すように、図6と対比すると、図5に示す埋設状況を
より鮮明に表してはいるものの、ノイズと考えられる領
域が出現していたり、また、前記物体2の一部のデータ
が消失していることがうかがえる。
【0032】次に、長尺体領域抽出工程(ST3)にお
いて、前記長尺体領域抽出手段33が、前記長尺体候補
領域毎に、前記埋設管と空間的な特徴が一致するものを
抽出するために、前記各長尺体候補領域内にあるボクセ
ルの分布に対して、x−y平面での2次元主成分分析を
行う。具体的には、前記各長尺体候補領域内にあるボク
セルの(x,y)座標の分布の分散共分散行列を求め、
得られた分散共分散行列の第1及び第2固有値、並び
に、固有ベクトルを計算する。ここで、前記第1固有値
は前記第2固有値より絶対値の大きい方の固有値として
求める。尚、各固有値は対応する各固有ベクトルの主成
分方向の分散に相当する。更に、前記第1固有値の絶対
値が所定の第1設定値より大きく、前記第2固有値の絶
対値が所定の第2設定値より小さい長尺体候補領域を選
択的に抽出することで、前記埋設管と同じ空間的特徴を
有する長尺体領域を抽出する。尚、前記長尺体候補領域
がノイズ領域である場合は、その大きさが小さいため前
記第1及び第2固有値ともに絶対値が小さくなり、ま
た、探査対象物自体の大きさが埋設深さと同等の場合や
探査対象物自体の大きさが埋設深さに比べ小さくても平
板形状の場合には、前記第1及び第2固有値ともに絶対
値が大きくなるため、当該長尺体候補領域を伝搬速度推
定対象でないとして除外できるのである。尚、本実施例
では、前記第1設定値を10、前記第2設定値を2.5
と設定している。図8に、図7の長尺体候補領域から当
該設定条件で抽出した長尺体領域を示す。
【0033】次に、代表伝搬速度抽出工程(ST4)に
おいて、前記代表伝搬速度抽出手段34が、前記長尺体
領域抽出工程で抽出された前記各長尺体領域に対して、
前記長尺体領域抽出工程で計算された前記第1固有値に
対応する第1固有ベクトルのx−y成分(a,b)が、
|a|≧|b|の場合は、その長尺体領域をy−t断面
で切り出し、|a|<|b|の場合は、その前記長尺体
領域をx−t断面で切り出し、切り出された各断面内の
座標点(x,y,t)の代表値が最大となる前記推定伝
搬速度をその断面の断面代表伝搬速度として抽出する。
一例として、図8に示す複数の長尺体領域の中で、最も
浅い短管に相当する長尺体領域の場合、前記第1固有ベ
クトルのx−y成分は(1.23,−12.36)とな
るので、x−t断面で切り出して前記断面代表伝搬速度
を抽出することとなる。このようにx−t断面で切り出
した場合は、前記断面代表伝搬速度は各y座標値に一つ
ずつ存在し、図9に示すような分布となる。尚、ここで
は、縦軸は伝搬速度ではなく比誘電率εを使用してい
る。引き続き、前記長尺体領域毎に、抽出された前記断
面代表伝搬速度の平均値若しくは中央値を計算し、夫々
の長尺体領域の代表伝搬速度とする。図9に示す断面代
表伝搬速度の分布に対して平均値を計算すると、v/c
0=0.411となった。但し、c0は真空中での電磁
波の伝搬速度で、約3×108 m/sである。更に、前
記代表伝搬速度抽出手段34が、前記長尺体領域抽出工
程で抽出された前記各長尺体領域内の座標点(x,y,
t)の代表値が最大となる座標点を代表座標点とする。
【0034】前記代表伝搬速度抽出工程を、図8に示す
複数の長尺体領域に対して実行した結果を表1に示す。
表1中、各長尺体領域は図5に示す埋設管に付した符合
で区別する。
【0035】
【表1】
【0036】次に、伝搬速度分布計算工程(ST5)に
おいて、前記伝搬速度分布計算手段35が前記代表伝搬
速度抽出工程で抽出された前記各代表座標点に対応する
前記各代表伝搬速度を補間して伝搬速度分布を計算す
る。具体的には、前記座標化手段42が、前記各代表伝
搬速度を前記各代表座標点の反射時間t座標に基づい
て、伝搬速度v・反射時間t座標面上に座標化する座標
化工程を実行し、引き続き、前記補間手段43が、前記
座標化工程で座標化された離散的なv−t座標点を線形
補間やスプライン補間等で補間する補間工程を実行し
て、反射時間tに対する伝搬速度分布v(t)を計算す
る。表1に示す代表座標点と代表伝搬速度に対して前記
伝搬速度分布計算工程を施した結果を図10に示す。
【0037】次に、3次元マイグレーションデータ生成
工程(ST6)において、前記3次元ボクセルデータ生
成工程で生成された前記3次元ボクセルデータに対し
て、前記3次元マイグレーションデータ生成手段36
が、前記伝搬速度分布計算工程で計算された前記伝搬速
度分布v(t)に基づいて3次元マイグレーション処理
を施して3次元マイグレーションデータを生成する。具
体的には、前記3次元ボクセルデータに対して、前記伝
搬速度分布v(t)の上限と下限の範囲内の予め想定さ
れた刻みステップの複数の伝搬速度vをパラメータとし
て、3次元マイグレーション処理を行う。このとき、前
記想定された伝搬速度vが、前記媒質表面上の位置
(x,y)と各反射時間tに対し、その反射時間tから
前記伝搬速度分布v(t)に基づいて一意的に定まる伝
搬速度v(t)と一定誤差範囲内で一致するときの3次
元マイグレーションデータを保存する。また、前記長尺
体候補領域抽出工程において、前記伝搬速度vの一連の
値を変えて3次元マイグレーション処理した処理結果を
全て保存している場合には、構成される4次元配列デー
タ(x,y,t,v)から、各反射時間tに対して前記
伝搬速度分布v(t)から一意的に定まる伝搬速度v
(t)との関係を満足する座標点(x,y,t,v
(t))の配列データを抽出するのも、3次元マイグレ
ーション処理回数を軽減できる点において好ましい。図
10に示す伝搬速度分布v(t)を用いて、前記3次元
マイグレーションデータ生成工程を処理した結果を図1
1に示す。図11に示すように、若干のノイズの存在を
確認できるが、探査対象物である埋設管については、深
度の浅いところから深いところまで、また、複雑な曲が
りの部分の形状についても、的確に把握することができ
る。
【0038】(別実施形態)以下に他の実施形態を説明
する。前記長尺体候補領域抽出工程(ST2)及び前記
長尺体候補領域抽出手段32の別実施形態として、前記
第1抽出保存手段40が前記第1抽出保存工程を処理す
るのに代えて、別の第2抽出保存手段を設けて、下記の
第2抽出保存工程を処理して、前記代表値と前記推定伝
搬速度の抽出及び保存を実行し、前記閾値処理手段が前
記第2抽出保存手段が抽出した代表値を閾値処理して前
記長尺体候補領域を抽出するようにしても構わない。具
体的には、前記第2抽出保存工程において、各座標点
(x,y,t)毎に、前記3次元マイグレーション処理
によって得られた前記伝搬速度vをパラメータとするマ
イグレーション処理値の1次元配列データの最大値と最
小値と平均値を求め、前記平均値が正値の場合は、前記
最大値から前記平均値を減じた差を前記代表値として抽
出及び保存し、その最大値を与える伝搬速度を推定伝搬
速度として抽出及び保存し、前記平均値が負値の場合
は、前記最小値から前記平均値を減じた差若しくはその
絶対値を前記代表値として抽出及び保存し、その最小値
を与える伝搬速度を推定伝搬速度として抽出及び保存す
る。尚、前記最大値、最小値、平均値を算出するに際
し、上述のように最終的に生成される前記1次元配列デ
ータを使用せずに、前記伝搬速度vを変化させながら得
られるマイグレーション処理値に基づいて、逐次、最大
値、最小値、平均値を更新するようにしても構わない。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
探査対象物自体の大きさが埋設深さと同等の場合、埋設
物自体の大きさが埋設深さに比べて小さくても平板状の
形状をしている場合、更に、埋設管のように細長い長尺
体を斜め若しくは長手方向に探査した場合等であって
も、媒質中の伝搬速度分布の値v(x,y,t)が精度
良く抽出でき、この伝搬速度分布を用いることにより、
より適切な3次元マイグレーション処理或いは3次元合
成開口処理が可能となり、地中埋設物の位置を高SN比
の探査画像で3次元的に検出できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る3次元探査装置のブロック構成図
【図2】送信信号と受信信号の波形図
【図3】データ解析装置の機能ブロック図
【図4】本発明に係る3次元探査方法のデータ処理手順
を示すフローチャート
【図5】本発明のデータ処理手順に使用した探査データ
を採取した場所の埋設状況を示す説明図:(イ)平面
図、(ロ)斜視図、(ハ)側面図
【図6】本発明のデータ処理手順で生成された3次元ボ
クセルデータの3次元画像例
【図7】本発明のデータ処理手順で生成された長尺体候
補領域の3次元画像例
【図8】本発明のデータ処理手順で生成された長尺体領
域の3次元画像例
【図9】本発明のデータ処理手順で生成された断面代表
伝搬速の分布を示す模式図
【図10】本発明のデータ処理手順で生成された伝搬速
度分布v(t)を示す模式図
【図11】本発明のデータ処理手順で生成された3次元
マイグレーションデータの3次元画像例
【図12】従来技術の一般的なデータ処理手順を示すフ
ローチャート及び出力画像例
【符号の説明】
1 媒質 2 物体 3 探査装置 4 入射波 5 反射波 10 送受信手段 20 データ解析手段 21 データ処理部 30 制御部 31 3次元ボクセルデータ生成手段 32 長尺体候補領域抽出手段 33 長尺体領域抽出手段 34 代表伝搬速度抽出手段 35 伝搬速度分布計算手段 36 3次元マイグレーションデータ生成手段 37 出力処理手段 38 内部データバス 39 制御・アドレスバス 40 第1抽出保存手段 41 閾値処理手段 42 座標化手段 43 補間手段

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒質の表面を移動しながら、電磁波また
    は音波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質
    中に存在する物体からの反射信号を受信する送受信工程
    と、前記送受信工程で受信した反射信号強度に対する前
    記媒質表面上の位置(x,y)と前記波動信号の前記物
    体からの反射時間tを座標(x,y,t)とする3次元
    ボクセルデータを生成する3次元ボクセルデータ生成工
    程とを順次実行し、前記3次元ボクセルデータに基づい
    て前記物体の位置を探査する3次元探査方法であって、 前記3次元ボクセルデータ生成工程で生成された前記3
    次元ボクセルデータに対して、予め想定された複数の伝
    搬速度vをパラメータとする3次元マイグレーション処
    理を施し、前記各座標点(x,y,t)毎の代表値を抽
    出し、その代表値に基づいて細長い3次元形状の長尺体
    が存在する可能性のある長尺体候補領域を抽出する長尺
    体候補領域抽出工程と、 前記長尺体候補領域抽出工程で抽出された前記長尺体候
    補領域毎に座標分布の分散共分散行列の固有値及び固有
    ベクトルを計算して特徴抽出を行い、前記長尺体の特徴
    との特徴比較判定により前記長尺体候補領域から長尺体
    領域を抽出する長尺体領域抽出工程と、 前記長尺体領域抽出工程で抽出された前記長尺体領域に
    対して、前記各長尺体領域の代表座標点及び代表伝搬速
    度を抽出する代表伝搬速度抽出工程と、 前記代表伝搬速度抽出工程で抽出された代表座標点と代
    表伝搬速度を補間して伝搬速度分布を計算する伝搬速度
    分布計算工程と、 前記3次元ボクセルデータ生成工程で生成された前記3
    次元ボクセルデータに対して、前記伝搬速度分布計算工
    程で計算された前記伝搬速度分布に基づく3次元マイグ
    レーション処理を施して3次元マイグレーションデータ
    を生成する3次元マイグレーションデータ生成工程とを
    実行することを特徴とする3次元探査方法。
  2. 【請求項2】 前記長尺体候補領域抽出工程において、 前記各座標点(x,y,t)毎に、前記3次元マイグレ
    ーション処理によって得られた前記伝搬速度vをパラメ
    ータとするマイグレーション処理値の内の絶対値が最大
    となる値を前記代表値として抽出及び保存し、その代表
    値を与える伝搬速度を推定伝搬速度として抽出及び保存
    する第1抽出保存工程と、 前記代表値に対して所定の閾値処理による2値化を行う
    ことにより前記長尺体候補領域を抽出する閾値処理工程
    とを順次実行することを特徴とする請求項1記載の3次
    元探査方法。
  3. 【請求項3】 前記長尺体候補領域抽出工程において、 前記各座標点(x,y,t)毎に、3次元マイグレーシ
    ョン処理によって得られた前記伝搬速度vをパラメータ
    とするマイグレーション処理値の内の最大値と最小値と
    平均値を求め、前記平均値が正値の場合は、前記最大値
    から前記平均値を減じた差を前記代表値として抽出及び
    保存し、その最大値を与える伝搬速度を推定伝搬速度と
    して抽出及び保存し、前記平均値が負値の場合は、前記
    最小値から前記平均値を減じた差若しくはその絶対値を
    前記代表値として抽出及び保存し、その最小値を与える
    伝搬速度を推定伝搬速度として抽出及び保存する第2抽
    出保存工程と、 抽出された前記代表値に対して所定の閾値処理による2
    値化を行うことにより前記長尺体候補領域を抽出する閾
    値処理工程とを順次実行することを特徴とする請求項1
    記載の3次元探査方法。
  4. 【請求項4】 前記長尺体領域抽出工程において、 前記長尺体候補領域毎に、その(x,y)座標分布の分
    散共分散行列の固有値及び固有ベクトルを計算し、前記
    特徴比較判定として、前記固有値の内の絶対値の大きい
    方の第1固有値の絶対値が所定の第1設定値より大き
    く、前記固有値の内の絶対値の小さい方の第2固有値の
    絶対値が所定の第2設定値より小さい場合に、前記長尺
    体領域であるとする請求項1、2または3記載の3次元
    探査方法。
  5. 【請求項5】 前記代表伝搬速度抽出工程において、 前記長尺体領域抽出工程で抽出された前記各長尺体領域
    に対して、前記第1固有値に対応する第1固有ベクトル
    のx成分の絶対値がy成分の絶対値より大きい場合は、
    その長尺体領域をy−t断面で切り出し、前記x成分の
    絶対値が前記y成分の絶対値より小さい場合は、その長
    尺体領域をx−t断面で切り出し、切り出された前記各
    断面毎にその断面内の前記推定伝搬速度から前記代表値
    の最大値を与える断面代表伝搬速度を抽出し、前記各断
    面毎に抽出された前記断面代表伝搬速度の平均値或いは
    中央値を計算して前記各長尺体領域の前記代表伝搬速度
    とする請求項4記載の3次元探査方法。
  6. 【請求項6】 前記代表伝搬速度抽出工程において、 前記長尺体領域抽出工程で抽出された前記各長尺体領域
    に対して、前記各長尺体領域内で前記代表値が最大とな
    る座標点を前記代表座標点とする請求項1、2、3、4
    または5記載の3次元探査方法。
  7. 【請求項7】 前記伝搬速度分布計算工程において、 前記代表伝搬速度抽出工程で抽出された前記各代表伝搬
    速度を前記各代表座標点の反射時間t座標に基づいて、
    伝搬速度v・反射時間t座標面上に座標化する座標化工
    程と、 その座標化された離散的なv−t座標点を補間して、反
    射時間tに対する伝搬速度分布v(t)を計算する補間
    工程とを実行することを特徴とする請求項1、2、3、
    4、5または6記載の3次元探査方法。
  8. 【請求項8】 媒質の表面を移動しながら、電磁波また
    は音波による波動信号を前記媒質中へ放射し、前記媒質
    中に存在する物体からの反射信号を受信する送受信手段
    と、前記送受信手段が受信した反射信号強度に対する前
    記媒質表面上の位置(x,y)と前記波動信号の前記物
    体からの反射時間tを座標(x,y,t)とする3次元
    ボクセルデータを生成する3次元ボクセルデータ生成手
    段とを備えてなり、前記3次元ボクセルデータに基づい
    て前記物体の位置を探査する3次元探査装置であって、 前記3次元ボクセルデータ生成手段が生成した前記3次
    元ボクセルデータに対して、予め想定された複数の伝搬
    速度vをパラメータとする3次元マイグレーション処理
    を施し、前記各座標点(x,y,t)毎の代表値を抽出
    し、その代表値に基づいて細長い3次元形状の長尺体が
    存在する可能性のある長尺体候補領域を抽出する長尺体
    候補領域抽出手段と、 前記長尺体候補領域抽出手段が抽出した前記長尺体候補
    領域毎に座標分布の分散共分散行列の固有値及び固有ベ
    クトルを計算して特徴抽出を行い、前記長尺体の特徴と
    の特徴比較判定により前記長尺体候補領域から長尺体領
    域を抽出する長尺体領域抽出手段と、 前記長尺体領域抽出手段が抽出した前記長尺体領域に対
    して、前記各長尺体領域の代表座標点及び代表伝搬速度
    を抽出する代表伝搬速度抽出手段と、 前記代表伝搬速度抽出手段が抽出した代表座標点と代表
    伝搬速度を補間して伝搬速度分布を計算する伝搬速度分
    布計算手段と、 前記3次元ボクセルデータ生成手段が生成した前記3次
    元ボクセルデータに対して、前記伝搬速度分布計算手段
    が計算した前記伝搬速度分布に基づく3次元マイグレー
    ション処理を施して3次元マイグレーションデータを生
    成する3次元マイグレーションデータ生成手段とを備え
    ている3次元探査装置。
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