JPH09243743A - 探査方法及び装置 - Google Patents

探査方法及び装置

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Publication number
JPH09243743A
JPH09243743A JP8049111A JP4911196A JPH09243743A JP H09243743 A JPH09243743 A JP H09243743A JP 8049111 A JP8049111 A JP 8049111A JP 4911196 A JP4911196 A JP 4911196A JP H09243743 A JPH09243743 A JP H09243743A
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JP
Japan
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reflection
point
propagation velocity
value
reflection point
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Application number
JP8049111A
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English (en)
Inventor
Hideki Hayakawa
秀樹 早川
Akira Kawanaka
彰 川中
Taro Shinkawa
太郎 新川
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Osaka Gas Co Ltd
Original Assignee
Osaka Gas Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 不均質な媒質中においても、媒質中の物体
の位置を少ない処理時間で精度良く探査できる探査方法
及び探査装置を提供する。 【解決手段】 媒質1の表面を移動しながら、電磁波ま
たは音波による波動信号4を前記媒質中へ放射し、前記
媒質1中に存在する物体2からの反射信号5を受信し、
前記受信信号に基づいて前記媒質表面上の移動距離xと
前記波動信号の前記物体2からの反射時間tを座標
(x,t)とする2次元画像データを生成し、前記2次
元画像データに対して、予め想定された複数の伝搬速度
vをパラメータとして前記各伝搬速度v毎に合成開口処
理を行い、前記合成開口処理を施された複数の2次元画
像データより、前記物体2の存在を移動距離x・反射時
間t座標面内で抽出し、抽出された物体毎に独立して前
記伝搬速度を抽出し、前記抽出された物体毎の移動距離
x・反射時間tにおける離散的な伝搬速度分布を補間す
ることによって、前記媒質1の伝搬速度の移動距離x・
反射時間t座標面における分布v(x,t)を抽出する
ように構成してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、媒質の表面を移動
しながら、電磁波または音波による波動信号を前記媒質
中へ放射し、前記媒質中に存在する物体からの反射信号
を受信し、前記受信信号を合成開口処理により解析し、
媒質中に存在する物体の位置を探査する探査方法及び装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁波または音波による波動信号を媒質
中へ放射し、媒質中に存在する物体からの反射信号を受
信し、受信信号を合成開口処理により解析し、媒質中に
存在する物体の位置を探査する探査方法または装置とし
ては、電磁波の反射を用いて地中にある埋設物または空
洞を探査する探査方法または装置がある。この種の地中
埋設物探査方法においては、地質定数の決定、電磁波の
反射を利用する場合においては地中の比誘電率の決定、
及び地質定数による地質補正が一般的に行われる。図1
3は上述の地中埋設物探査方法の一般的な処理手順を示
すものである。図13において、S1は地表面を移動し
ながら地中に向けて放射した電磁波の地中埋設物からの
反射波を受信して、地表面の移動距離と反射波の反射時
間を座標軸とする反射波プロフィールデータを収集する
ステップ、S2は受信した反射波に対する波形補正等の
前処理を行うステップ、S3は合成開口処理を行うステ
ップ、S4は地質補正を行うステップ、S5は地表面の
移動距離と地中深度を座標軸とする2次元画像データを
出力処理するステップ、S6は地中の比誘電率を算定す
るステップである。前述の地中の比誘電率の算定に当た
っては、前記反射波プロフィールデータの収集とは独立
して地質データを収集して行う方法や、前記反射波プロ
フィールデータから一定のデータ処理を行い比誘電率の
算定を行う方法がある。後者の例として、例えば、特公
平5−7671号公報「地中埋設物探査方式」及び電気
学会誌108卷11号pp.1113〜1116「地中
埋設物探査レーダ」(1988年11月)に開示されて
いる方法が知られており、図14にその処理手順を示
す。
【0003】図14に示すステップS6において、ステ
ップS1及びS2を通じて得られた反射波プロフィール
データに対して、地中の比誘電率εを一定規則の刻み幅
で変化させ、各比誘電率εから一定の関係において定ま
る電磁波の地中における伝搬速度毎に、合成開口処理を
行う。つまり、反射波プロフィール101に現れる双曲
線の頂上付近に、各伝搬速度毎に定まる双曲線上の信号
を集積させるわけであるが、合成開口処理後に得られる
画像データ102は、使用した比誘電率εが実際の比誘
電率εと異なる値で処理された場合は、前記双曲線の頂
上付近への信号の集まりが悪く不鮮明な画像となるが、
使用した比誘電率εが実際の比誘電率εと良く一致する
場合は前記双曲線の頂上付近へ信号が集まり鮮明な画像
を得ることができる。図14に示すステップS6におい
て、前記画像データ102の画像鮮明度を以下の数式1
に示す評価関数F(ε) を用いて客観的に評価することに
より、地中の比誘電率εが算定される。
【0004】
【数1】
【0005】ここで、上式のSar(i,j)は合成開口処理後
の各配列、SmaxはSar(i,j)の最大値、mtは深さ方向(反
射時間方向)のデータ数、ntは横方向(地表移動方向)
のデータ数と定義され、F(ε) の最小値を求めることに
より、地中の比誘電率εを算定する。図14に示すステ
ップS3において、前記ステップS6において算出され
た地中の比誘電率εを用いて、改めて前記ステップS1
及びS2を通じて得られた反射波プロフィールデータに
対して、改めて合成開口処理が行われ、地表面の移動距
離と反射波の反射時間を座標軸とする2次元画像が得ら
れる。前記ステップS4において、前記ステップS6に
おいて算出された地中の比誘電率εを用いて、地中の電
磁波の伝搬速度を求め、前記ステップS3において得ら
れた前記2次元画像の反射波の反射時間座標を埋設深度
方向の長さスケールに変換する地質補正が行われる。最
終的に、ステップS5において、地表面の移動距離と地
中深度を座標軸とする2次元画像データの出力処理が行
われ、探査物位置にマーカを配した探査画像出力103
が表示出力される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来技術の問
題点を、図4に示す8本の埋設管を探査した処理例によ
り示す。図14に示す各手順及び数式1に示す判定基準
に基づいて、地中の比誘電率εを算出したところ、地中
の比誘電率εは8となり、これに対応する地中における
電磁波の伝搬速度は0.35C0となった。但し、C0は真空
中の電磁波の伝搬速度である。更に、前記地中における
電磁波の伝搬速度(0.35C0)を用いて図14のステッ
プS3に示す合成開口処理により得られる合成開口画像
の特徴点を図15に略示する。前記従来技術により計算
された、最も適切な比誘電率εの値8を用いても、例え
ば図4に示す左から2番目、3番目、7番目、8番目の
埋設管のように、双曲線の頂上付近へ信号がうまく収斂
していないものが見受けられる。このようなSN比の悪
い合成開口画像を使用することは、埋設管の誤検出や検
出精度の低下を誘発する恐れがある。この前記従来技術
による低SN比は、地中の比誘電率が地中の含水率の違
いなどにより地質が探査領域内で必ずしも均質でないこ
とに起因している。このように、広い領域にわたって存
在する複数の埋設管を精度良く探査するには、従来技術
では不十分である。本発明は上述のような従来技術の有
する問題点を解消するためになされたものであり、不均
質な媒質中においても、媒質中の物体の位置を少ない処
理時間で精度良く探査できる探査方法及び装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
〔構成〕この目的を達成するための本発明による探査方
法及び装置の第一の特徴構成は、特許請求の範囲の欄の
請求項1または9に記載した通り、媒質の表面を移動し
ながら、電磁波または音波による波動信号を前記媒質中
へ放射し、前記媒質中に存在する物体からの反射信号を
受信し、前記受信信号に基づいて前記媒質表面上の移動
距離xと前記波動信号の前記物体からの反射時間tを座
標(x,t)とする2次元画像データを生成し、前記2
次元画像データに対して、予め想定された複数の伝搬速
度vをパラメータとして前記各伝搬速度v毎に合成開口
処理を行い、前記合成開口処理を施された複数の2次元
画像データより、前記物体の存在を移動距離x・反射時
間t座標面内で抽出し、抽出された物体毎に独立して前
記伝搬速度を抽出し、前記抽出された物体毎の移動距離
x・反射時間tにおける離散的な伝搬速度分布を補間す
ることによって、前記媒質の伝搬速度の移動距離x・反
射時間t座標面における分布v(x,t)を抽出するよ
うに構成してある点にある。
【0008】本発明による探査方法及び装置の第二の特
徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項2または10に
記載した通り、上述の第一の特徴構成に加えて、前記抽
出された物体毎に独立して前記伝搬速度を抽出するに当
たり、前記合成開口処理を施された複数の2次元画像デ
ータに対し、各伝搬速度v毎の2次元画像データを移動
距離x・反射時間t座標面で2次元配列データ化し、前
記各2次元配列データを一括して移動距離x・反射時間
t・伝搬速度vの3次元配列データを生成し、前記3次
元配列データの特定の移動距離・反射時間での1次元配
列内で伝搬速度vを単調に変化させた場合に、各配列デ
ータである反射信号強度の変化が所定値以上の単調増加
及び単調減少を伴う極大点又は極小点を有する変化とな
る移動距離・反射時間座標点の抽出を,全ての移動距離
x・反射時間tに対して行い、前記抽出された移動距離
・反射時間座標点の中で互いに隣接する座標点は同一の
反射点領域としてグループ化し、各々の反射点領域から
移動距離・反射時間の代表値を抽出して第1反射点と
し、前記抽出された移動距離・反射時間の第1反射点を
物体に対応する反射点として、前記第1反射点毎に、前
記3次元配列データの伝搬速度v軸方向で伝搬速度vの
単調な変化に対し、配列データが所定値以上の単調増加
及び単調減少を伴う極大点または極小点となる伝搬速度
を抽出し、前記物体に対応する反射点毎の離散的な伝搬
速度を移動距離x・反射時間tに座標面において補間す
ることによって、前記媒質の伝搬速度の移動距離x・反
射時間t座標面における分布v(x,t)を抽出する点
にある。
【0009】本発明による探査方法及び装置の第三の特
徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項3または11に
記載した通り、上述の第二の特徴構成に加えて、上述の
第二の特徴構成を用いて抽出された全ての第1反射点に
対して、前記各第1反射点毎に抽出された伝搬速度で合
成開口処理を施された2次元画像データを前記3次元配
列データより抽出し、前記第1反射点近傍領域の面積計
算を行い、前記計算された第1反射点近傍領域の面積
値、または前記第1反射点毎に抽出された前記2次元画
像データにおける前記第1反射点の座標(x,t)に対
応する値と合成開口処理前の前記2次元画像データにお
ける前記第1反射点の座標(x,t)に対応する値の差
の絶対値で前記第1反射点近傍領域の面積値を除して得
られた値が所定値より小さい第2反射点を抽出し、前記
抽出された全ての第2反射点に対して、所定の範囲内で
近接する第2反射点を第2反射点群としてグループ化
し、各第2反射点群の中から各々新たに一つの第3反射
点を物体に対応する反射点として抽出する点にある。
【0010】本発明による探査方法及び装置の第四の特
徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項4、5または1
2に記載した通り、上述の第二または第三の特徴構成に
加えて、上述の第二の特徴構成を用いて抽出された全て
の第1反射点または上述の第三の特徴構成を用いて抽出
された全ての第3反射点を移動距離x・反射時間t座標
面上に座標化し、前記移動距離x・反射時間t座標面を
順次走査しながら座標値(x,t)に第1反射点または
第3反射点が存在するかどうかを判断し、第1反射点ま
たは第3反射点が存在する場合には、前記第1反射点ま
たは第3反射点の座標値(x,t)から所定範囲内にあ
る他の第1反射点または第3反射点を除去し、最終的に
除去されずに残った第1反射点または第3反射点を物体
に対応する反射点として抽出する点にある。
【0011】本発明による探査方法及び装置の第五の特
徴構成は、特許請求の範囲の欄の請求項6または13に
記載した通り、上述の第二、第三または第四の特徴構成
に加えて、上述の第二の特徴構成を用いて生成された前
記3次元配列データに対して、特定の移動距離・反射時
間での1次元配列の最大値と最小値と平均値を求め、前
記平均値が正値の場合は前記最大値と前記平均値との差
の絶対値が所定の値より大きいか否かを判定し、また前
記平均値が負値の場合は前記最小値と前記平均値との差
の絶対値が所定の値より大きいか否かを判定する点にあ
る。本発明による探査方法及び装置の第六の特徴構成
は、特許請求の範囲の欄の請求項7または14に記載し
た通り、上述の第二、第三、第四または第五の特徴構成
に加えて、前記第二、第三、第四または第五の特徴構成
を用いて抽出された前記伝搬速度を移動距離x方向には
一様であると想定して、物体に対応する反射点毎に反射
時間t・伝搬速度v座標面上に座標化し、前記座標化さ
れた離散的な反射時間t・伝搬速度v座標点の分布を補
間する補間処理と、反射時間tに対する伝搬速度の分布
v(t)を抽出し、前記物体に対応する反射点毎に、伝
搬速度v(t)と反射時間tの積で算出される前記反射
点の反射深度d(t)の変化が、前記反射点毎の局所的
な反射時間tの変化に対して負の相関関係にあるかを評
価し、負の相関関係にある場合に当該反射点を前記座標
化された離散的な反射時間t・伝搬速度v座標点の集合
より削除する反射点削除処理を順次実行し、更に、前記
削除される反射点が無くなるまで前記補間処理と前記反
射点削除処理を繰り返し実行することによって反射時間
tに対する伝搬速度の分布v(t)を補正する点にあ
る。本発明による探査方法及び装置の第七の特徴構成
は、特許請求の範囲の欄の請求項8または15に記載し
た通り、上述の第二、第三、第四、第五または第六の特
徴構成に加えて、前記第二の特徴構成を用いて生成され
た前記3次元配列データより、前記第二、第三、第四、
第五または第六の特徴構成を用いて求められた前記媒質
の移動距離x・反射時間t座標面における伝搬速度の分
布の値v(x,t)で特定される座標点(x,t,v)
の前記3次元配列データ値を全ての移動距離x・反射時
間tの座標点に対し抽出し、移動距離x・反射時間t平
面上に転写することによって、前記媒質の合成開口画像
を生成する点にある。
【0012】以下に作用を説明する。第一の特徴構成に
よれば、媒質中に存在する物体の存在を抽出し、抽出さ
れた物体毎に独立して媒質中の前記物体からの反射信号
の伝搬速度を抽出するため、媒質中を伝搬する波動信号
に係わる媒質定数、例えば電磁波を用いた波動信号であ
れば媒質の比誘電率が、媒質中において不均質であって
も、物体の媒質中における位置検出に関わる媒質中の特
定領域内、つまり、前記波動信号のうち受信された信号
が伝搬した領域内の平均的な媒質定数を、各物体毎に個
々に算出することができ、更に、この離散的な伝搬速度
の分布を補間することによって、前記媒質中の伝搬速度
の移動距離x・反射時間t座標面における分布の値v
(x,t)が精度良く抽出され、この伝搬速度分布を用
いることにより、媒質中の伝搬速度を均一であると想定
して合成開口処理して得られる合成開口画像に比べ、よ
り高精細な合成開口画像を得ることができ、前記媒質中
における物体の探査精度が向上できるのである。第二の
特徴構成によれば、複数の伝搬速度毎に合成開口処理さ
れた2次元画像データを移動距離x・反射時間t座標面
で2次元配列データ化し、更に前記各2次元配列データ
を合成して移動距離x・反射時間t・伝搬速度vの3次
元配列データを生成するため、データの取り扱いが極め
て簡便になり、更に、簡単なデータ検索及びデータ処理
手続きであるため、短時間に媒質中の物体の位置抽出
と、抽出された位置における各物体からの反射信号の伝
搬速度が算出できるのである。上述の第二の特徴構成で
抽出された反射点が、媒質中の物体からの反射波を受信
した受信信号にリンギング等の雑音成分が発生すること
により、必ずしも実際の物体の存在位置と完全に対応し
ない可能性があるが、これら誤抽出された反射点は、実
際の物体の位置を示す真の反射点に比べて合成開口処理
による信号強度の収斂度が弱く、また経験的に真の反射
点近傍に存在することが知られているため、第三の特徴
構成によれば、真の反射点の抽出が、効果的に且つ効率
良く行えるのである。更に、上述の第二または第三の特
徴構成で抽出された反射点が、媒質中の物体や送信アン
テナ等の多重反射の影響により、必ずしも実際の物体の
存在位置と完全に対応しない可能性があるが、これら誤
抽出された反射点は、実際の物体の位置を示す真の反射
点に比べて反射時間が一定時間だけ長くなることが知ら
れているため、第四の特徴構成によれば、真の反射点の
抽出が、効果的に且つ効率良く行えるのである。第五の
特徴構成によれば、上述の第二の特徴構成を用いて、前
記3次元配列データの特定の移動距離・反射時間での1
次元配列内で伝搬速度vを単調に変化させた場合に各配
列データである反射信号強度の変化が所定値以上の単調
増加及び単調減少を伴う極大点又は極小点を有する変化
であるか否かの判定が、前記特定の移動距離・反射時間
での1次元配列の最大値と最小値と平均値を求め、前記
平均値が正値の場合は前記最大値と前記平均値との差の
絶対値が所定の値より大きいか否かを判定し、また前記
平均値が負値の場合は前記最小値と前記平均値との差の
絶対値が所定の値より大きいか否かを判定することで簡
略的に短時間で実行される点にある。また演算処理時間
が短いため、前記3次元配列データのデータ量が増えた
場合に特に有効である。第六の特徴構成によれば、反射
時間tに対する伝搬速度の分布v(t)を求める場合、
特に媒質が土壌である場合は土壌の伝搬速度の分布は主
として深さ方向に変化し、地表面に平行な面では略一様
である場合が多いことに着目し、異なる移動距離xの伝
搬速度を共通に使用することができ、離散的な分布上の
有効なデータ量が増えて、前記分布v(t)が高精度且
つ高効率に抽出できる。更に、反射時間の大小と反射時
間と伝搬速度の積から計算される反射深度の大小が異な
ることは物理的に起こり得ないという条件を利用して、
前記反射時間tに対する伝搬速度の分布v(t)の補正
ができる。結果として、媒質中の伝搬速度の移動距離・
反射時間t座標面における分布v(x,t)を高精度且
つ高効率に抽出することができるのである。第七の特徴
構成によれば、媒質中の伝搬速度の移動距離・反射時間
t座標面における分布v(x,t)で特定される座標点
(x,t,v)毎に最適な合成開口処理データを前記3
次元配列データより抽出し、各データを合成すること
で、合成開口画像が再構成でき、結果として、媒質中の
伝搬速度が不均質な場合においても、全ての物体に対し
てその反射信号を良好に頂上付近に収斂させた高SN比
の合成開口画像を得ることができ、媒質中の物体の位置
を少ない処理時間で精度良く探査できるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1に示すように、媒質である土
壌1にガス等の流体を配送する鋼管などの物体2が埋設
されており、波動信号送受信手段である送受信機10と
データ解析手段であるデータ解析装置20を備えた探査
装置3が地表面を移動しながら、前記物体2の埋設位置
を探査する。前記送受信機10は例えば100MHz〜
1GHzの図2(1)に例示する単発のパルス信号を送
信回路13で発生し、送信アンテナ11より電磁波とし
て土壌1に放射する。前記送信アンテナ11より放射さ
れた電磁波の中の物体に入射した入射波4は物体2表面
で反射散乱し、その中の反射波5が受信アンテナ12で
受信された後、受信回路14において、図2(2)に例
示するような受信信号として復調増幅される。前記送信
アンテナ11より放射され、受信アンテナ12で受信さ
れるまでの時間差ΔTは土壌1の表面から物体2までの
距離と土壌1の比誘電率εまたは電磁波の伝搬速度vよ
り一義的に決定される。送信アンテナ11と受信アンテ
ナ12は一定間隔で地表面に対向して配置され、図1中
のx方向に物体2を横切るように移動する。データ解析
装置20はマイクロコンピュータや半導体メモリ等によ
って構成されるデータ処理部21と外部からの操作指示
を入力するキーボード等の入力部22と各処理段階での
画像データや出力結果を表示する陰極線管ディスプレイ
や液晶ディスプレイ等の表示部23と前記各処理段階で
の画像データや出力結果等を保管格納する磁気ディスク
等の外部補助記憶部24から構成されている。受信回路
14において受信信号は波形のスムーシング等の雑音除
去処理やA/D変換処理等の前置処理を施され、ディジ
タル信号として前記データ処理部21へ出力される。前
記データ解析装置20では前記ディジタル化された受信
信号より、物体2を含む土壌1の鉛直面内の断面画像
を、前記アンテナ11及び12の移動距離xと前記反射
波5の前記物体(2)からの反射時間tを座標(x,
t)とする2次元画像データとして生成する。ここで、
受信信号強度を複数階調で輝度表示し、図2(2)に示
すように、信号強度の正値を白(輝度大)、信号強度の
負値を黒(輝度小)、信号強度0を中間階調として表示
部23に表示する。
【0014】図3に示すように、前記データ処理部21
は、制御部30、2次元画像データ生成手段31、合成
開口処理手段32、第1伝搬速度抽出手段33、伝搬速
度分布抽出手段34、合成開口画像生成手段35、出力
処理手段36、内部データバス37、制御・アドレスバ
ス38から構成されている。更に、前記第1伝搬速度抽
出手段33は3次元配列データ生成手段40、第1反射
点抽出前処理手段41、第1反射点抽出手段42、第2
伝搬速度抽出手段43、面積計算手段51、第2反射点
抽出手段52、第3反射点抽出手段53、反射点座標化
手段61、第4反射点抽出手段62を備えており、前記
面積計算手段51、前記第2反射点抽出手段52、前記
第3反射点抽出手段53は探査精度向上の為の第1追加
機能手段50であり、前記反射点座標化手段61、前記
第4反射点抽出手段62は探査精度向上の為の第2追加
機能手段60である。また、前記伝搬速度分布抽出手段
34は伝搬速度座標化手段44と伝搬速度分布補正手段
45を備えている。上述のように、前記データ処理部2
1は、マイクロコンピュータや半導体メモリ等によって
具体的に構成されるが、図3に示す各機能手段はこれら
マイクロコンピュータや半導体メモリ等の一部または全
部を使用して、内部データバス37、制御・アドレスバ
ス38によって有機的に結合されることで実現される。
【0015】図5乃至図9に示すフローチャートに基づ
いて、前記データ処理部でのデータ処理手順及び各部の
動作に付いて説明する。図5において、開始ポイントで
は、受信信号は前記受信回路14において前述のように
既に前置処理されており、前記ディジタル化された受信
信号は反射時間tに対し一定のサンプリング期間Δtで
サンプリングされている。ステップST2において、2
次元画像データ生成手段31を用いて、前記ディジタル
化された受信信号は、前記A/D変換処理されたときの
量子化ビット幅で、移動距離xと前記反射波5の前記物
体2からの反射時間tで決定される座標(x,t)がア
ドレス信号にエンコードされ、2次元画像データとして
前記データ処理部内のメモリ21aの所定の領域に格納
される。予め、対象としている土壌1の含水率等から推
定される土壌1の取り得る比誘電率εの範囲を設定して
おくことにより、後述する合成開口処理に用いる複数の
土壌1中の電磁波の伝搬速度vが設定される。ステップ
ST3において、前記合成開口処理手段32を用いて、
前記メモリ21aの所定の領域に格納された2次元画像
データに対して、前記複数の伝搬速度vの各設定値毎に
合成開口処理を行う。続いて、ステップST7におい
て、前記3次元配列データ生成手段40を用いて、合成
開口処理により得られた前記複数の伝搬速度vの各設定
値毎の2次元画像データを、移動距離xと反射時間tと
伝搬速度vより一義的に決定される各データ値を構成要
素とする3次元配列A(x,t,v)として前記メモリ
21aに格納する。この場合、伝搬速度v方向の前記配
列要素は伝搬速度vの大きさの順に構成されている。ス
テップST8において、前記第1反射点抽出前処理手段
41を用いて、図10(1)に示すように、前記3次元
配列Aの特定の移動距離xと反射時間tでの伝搬速度v
方向の1次元配列に対し、各移動距離xと反射時間tの
座標点(x,t)毎に伝搬速度v方向の各配列要素のデ
ータ値を前記メモリ21aよりその配列順に読み出し、
図10(2)に示すように、データ値の変化が所定値以
上の単調増加及び単調減少を伴う極大点または極小点を
持つかを判定する。各移動距離xと反射時間tの座標点
(x,t)の2次元配列要素として前記判定結果が真の
場合は「1」、否の場合は「0」を割当て、新たな2値
の2次元配列B(x,t)を生成し、前記メモリ21a
に格納する。前記ステップST8において、前記第1反
射点抽出前処理手段41は、配列要素が所定値以上の単
調増加及び単調減少を伴う極大点または極小点を持つか
否かの判定を簡略化して高速に処理する方法として、図
8に示すように、前記伝搬速度v方向の1次元配列の全
配列要素に対し、最大値と最小値と平均値を求め、平均
値が正値の場合は最大値と平均値の差の絶対値を求め、
前記絶対値が所定の設定値より大きい場合、所定値以上
の単調増加及び単調減少を伴う極大点があると判断し、
平均値が負値の場合は最小値と平均値の差の絶対値を求
め、前記絶対値が所定の設定値より大きい場合、所定値
以上の単調増加及び単調減少を伴う極小点があると判断
することもできる。図5に示すステップST9におい
て、前記第1反射点抽出手段42を用いて、前記2値の
2次元配列B(x,t)の「1」値の各配列要素で互い
に隣接するものを同一の反射点領域として、同一の反射
点領域内の各配列要素の移動距離xと反射時間tの座標
点(x,t)から重心座標を算出し、前記重心座標に相
当する配列要素を代表点として抽出する処理を全ての反
射点領域に対して行う。前記反射点領域の代表点を抽出
する他の方法として、前記重心座標を求める際に、各座
標点(x,t)に対応する元の前記3次元配列Aの所定
値以上の単調増加及び単調減少を伴う極大点または極小
点となった伝搬速度vの配列要素のデータ値を重み係数
として重心座標を求めたり、重心座標の代わりに、各座
標点(x,t)に対応する元の前記3次元配列Aの所定
値以上の単調増加及び単調減少を伴う極大点または極小
点となった伝搬速度vの配列要素のデータ値の最大値ま
たは最小値である配列要素のx−t座標を代表点のx−
t座標とする方法も好ましい。以上、全ての反射点領域
に対して抽出された代表点を第1反射点と呼ぶ。続い
て、ステップST10において、前記第2伝搬速度抽出
手段43を用いて、前記ステップST9で抽出された第
1反射点を物体に対応する反射点として、前記各第1反
射点毎に前記第1反射点からの反射波の土壌1中の伝搬
速度を、各第1反射点の座標(x,t)に対応する前記
3次元配列Aのデータ値が所定値以上の単調増加及び単
調減少を伴う極大点または極小点となる伝搬速度vを特
定することにより抽出する。ここで、抽出された各伝搬
速度vは、媒質表面から各物体に対応する反射点(つま
りは、物体)までの平均伝搬速度に相当する。
【0016】ステップST11において、前記伝搬速度
分布抽出手段34を用いて、前記ステップST10にお
いて抽出された物体に対応する反射点毎の伝搬速度vを
移動距離x・反射時間t座標面上に座標化し、更に前記
反射点間の伝搬速度vを前記各反射点(x,t)上の伝
搬速度vより例えば線形補間して、伝搬速度vの移動距
離x・反射時間t座標面における分布v(x,t)を得
る。更に具体的には、図9に示すように、ステップST
21において、前記伝搬速度座標化手段44を用いて、
前記ステップST10において抽出された物体に対応す
る反射点毎の伝搬速度vを移動距離xに対する変化を無
視して、反射時間t・伝搬速度v座標面に座標化する。
続いて、ステップST22において、前記伝搬速度分布
補正手段45を用いて、全ての前記物体に対応する反射
点の反射点座標t間を例えば線形補間を行い、伝搬速度
vの分布v(t)を得る。更に、得られた伝搬速度vの
分布v(t)が物理的に矛盾しないか、つまりは反射時
間tと伝搬速度v(t)の積で得られる反射深度d
(t)が反射時間tに対して常に正の相関関係にあるか
を各反射点毎に検証する。この場合、各反射点間は線形
補間されているので、各反射点の検証だけで十分であ
る。具体的には、図9に示すように、M個の物体に対応
する反射点が抽出された場合、1番目からM番目の反射
点に対して順次、以下の数式2に示す不等式が真である
か偽であるかを検証し、真の場合は次の手順に進み、偽
の場合は該当する反射点をその時点で前記反射時間t・
伝搬速度v座標面に座標化されている反射点の集合より
削除する。尚、数式2中のΔtは前記ディジタル化され
た受信信号のサンプリング期間である。
【0017】
【数2】v(t)/v(t−Δt)>(t−Δt)/t
【0018】更に、反射点がM番目でなければ、次の反
射点に対して同様の検証及び処理を施し、反射点がM番
目の場合はステップST22を終了する。前記ステップ
ST22に続いて、M個の反射点の内で何個の反射点が
前記不等式に対して、偽と判定されたかを調べ、0個の
場合はそのまま終了し、1個以上の場合は反射点の総数
を表す変数Mよりその個数を除して更新し、前記ステッ
プST22の処理を繰り返す。これにより、図11に示
すように、最終的に前記不等式を満足する伝搬速度vの
分布v(t)を得ることができる。尚、前記ステップS
T21及び前記ステップST22において、異なる移動
距離xの伝搬速度を共通に使用することで、離散的な分
布上の有効なデータ量を増やし補間精度を高めるのは、
土壌の伝搬速度の分布が主として深さ方向に変化し、地
表面に平行な面では略一様である場合が多いことから、
媒質が土壌である場合は非常に有効である。
【0019】ステップST5において、合成開口画像生
成手段35を用いて、前記ステップST7において生成
された3次元配列Aより、全ての移動距離x・反射時間
tの座標点に対し、前記ステップST22の処理後得ら
れた伝搬速度vの分布v(t)を満足する座標点(x,
t,v)の配列データを抽出し、移動距離x・反射時間
t平面上に転写する。図12に前記ステップST5の概
念図を示す。図中において、前記3次元配列Aが分布v
(t)を表す折れ線で移動距離x軸方向に切断され、前
記切断面上の各配列データ、即ち受信信号強度を伝搬速
度v軸方向に移動距離x・反射時間t平面上に転写して
いる。前記ステップST5により、媒質中の伝搬速度が
不均質な場合における合成開口画像を出力するためのソ
ースデータが生成された。最後に、ステップST6にお
いて、前記ステップST5で抽出された各合成開口画像
の受信信号強度が前記合成開口画像生成手段35から出
力処理手段36へ出力されて、前記出力処理手段36
は、上述のように前記受信信号強度を複数階調で輝度表
示し、信号強度の正値を白(輝度大)、信号強度の負値
を黒(輝度小)、信号強度0を中間階調として、更に、
前記伝搬速度vの分布v(t)より反射深度d(t)を
計算して伝搬速度の不均一性を反映した精度の良い不等
間隔の目盛りを付加し、前記表示部23に表示する。
【0020】上述のように、前記受信回路14では受信
信号に対し波形のスムーシング等の雑音除去処理を行う
が、前記受信信号のリンギング等の過大な雑音成分の影
響により、必ずしも前記ステップST9で抽出された第
1反射点が実際の物体の存在位置と完全に対応しない可
能性が生じる。これら誤抽出される可能性のある第1反
射点は、実際の物体の位置を示す真の反射点に比べて合
成開口処理による信号強度の収斂度が弱く、また経験的
に真の反射点近傍に存在することが知られているため、
図6に示す手順で除去することができる。以下、図6に
基づいてデータ処理手順を説明する。ステップST12
は、前記面積計算手段51を用いて各第1反射点毎に各
第1反射点の近傍面積を算出するステップST12aを
全ての第1反射点に対して実行する。前記ステップST
12aは更に以下の3ステップより構成される。ステッ
プST12bにおいて、先ず前記ステップST7で生成
された前記3次元配列Aから前記ステップST10で抽
出された各第1反射点固有の伝搬速度vの2次元配列デ
ータを抽出する。次にステップST12cにおいて、前
記ステップST12bで抽出された2次元配列データに
対して、各配列要素である信号強度の絶対値が所定値以
上である場合は「1」として、所定値以下の場合は
「0」として、各配列要素を2値化する。次にステップ
ST12dにおいて、前記ステップST12cにおいて
2値化された各配列要素の中、第1反射点を含み互いに
隣接する「1」となる配列要素数を計算し、各第1反射
点の近傍面積とする。ステップST13において、前記
第2反射点抽出手段52を用いて、前記ステップST1
2で算出された各第1反射点の近傍面積が所定の値より
大きい反射点は誤抽出された第1反射点として除外し、
各第1反射点の近傍面積が所定の値より小さい反射点を
第2反射点とする。第3反射点抽出手段53を用いて、
ステップST14aにおいて、前記ステップST13で
抽出された各第2反射点に対し、一定の距離内で近接し
ている複数の第2反射点を第2反射点群としてグループ
化する。更に、ステップST14bにおいて、前記各第
2反射点群の中から最も反射時間tの短い反射点を新た
な第3反射点として抽出する。また、前記ステップST
14bにおいて、最も反射時間tの短い反射点を選択す
る代わりに、各第2反射点群の第2反射点の中で、各座
標点(x,t)に対応する前記3次元配列Aの所定値以
上の単調増加及び単調減少を伴う極大点または極小点と
なった伝搬速度vの配列要素のデータ値が最大値または
最小値となる反射点を選択する方法も好ましい。前記ス
テップST14bの後、前記ステップST11に戻り、
前記ステップST9で抽出された第1反射点を使用する
代わりに、前記ステップST14bで抽出された第3反
射点を物体に対応する反射点として用いて、前記ステッ
プST11を実行する。
【0021】更に、上述のように、前記受信回路14で
は受信信号に対し波形のスムーシング等の雑音除去処理
を行うが、媒質中の物体や送信アンテナ等の多重反射の
影響により、必ずしも前記ステップST9で抽出された
第1反射点が実際の物体の存在位置と完全に対応しない
可能性が生じる。これら誤抽出される可能性のある第1
反射点は、実際の物体の位置を示す真の反射点に比べて
反射時間が一定時間だけ長くなることが知られているた
め、図7に示す手順で除去することができる。以下、図
7に基づいてデータ処理手順を説明する。前記ステップ
ST9で抽出された第1反射点の総数がM個の場合、ス
テップST15は、前記反射点座標化手段61を用い
て、M個の第1反射点全てを移動距離x・反射時間t座
標面上に座標化する。具体的には、M個の第1反射点全
てを2次元画像として、表示部23に出力する場合は、
新たに、2次元画像表示に必要なメモリ容量を前記メモ
リ21a内に確保し、前記メモリ21a内に確保された
アドレス領域の全データをクリアした後、前記M個の第
1反射点の座標値(x,t)に対応する前記メモリ21
aのアドレス領域にデータ「1」を書き込む。ステップ
ST16は前記第4反射点抽出手段62を用いて、移動
距離x・反射時間tの座標値(x,t)に対応するアド
レスの前記メモリ21aよりデータを読み出し、もしデ
ータ値が「1」の場合は、読み出しているアドレスを除
く、所定領域内のアドレス領域のデータに「0」を書き
込むステップST17を、前記ステップST15で前記
メモリ21a内に確保されたアドレス領域の全アドレス
に対して逐次実行する。この場合、アドレスの変化は、
移動距離x・反射時間t共に地表面の原点に対応するア
ドレスより、移動距離xに対応するアドレス値を先に変
化させながら、移動距離xに対応するアドレス値が移動
距離xの最大値x MAX を越えれば、次に反射時間tに対
応するアドレス値を次の反射時間t+Δtに対応するア
ドレス値に変化させ、移動距離xを初期値0に戻し、最
終的に反射時間tに対応するアドレス値が反射時間tの
最大値tMAX を越えるまで行う。但し、前記M個の第1
反射点全てを2次元画像として、表示部23に出力しな
い場合は、前記M個の第1反射点以外の画像表示用のメ
モリ領域は冗長であるため、使用するメモリ領域の圧縮
が可能である。この場合は、前記反射点座標化手段61
が、M個の第1反射点の移動距離x・反射時間tの各座
標値を格納するに十分なメモリ容量を前記メモリ21a
内に確保し、前記移動距離x・反射時間tの各座標値が
前記ステップST16のアドレス変化の順番とは逆に反
射時間tの各座標値の大きい順に格納し、前記第4反射
点抽出手段62が、格納順に各座標値を前記メモリ21
aより読み出し、一旦マイクロコンピュータ内のレジス
タ等に退避させ、それ以降の格納順の各座標値を順次読
み出し、一定範囲内に接近しているかを判断し、一定範
囲内であれば、前記レジスタ等に退避させた各座標値を
クリアし、データ「0」を元のアドレスに上書きし、次
の第1反射点に移動し、最終的に各座標値の「0」でな
いものが、実際の物体の存在位置と対応する反射点とし
て抽出されても構わない。前記ステップST16の後、
前記ステップST11に戻り、前記ステップST9で抽
出された第1反射点を使用する代わりに、前記ステップ
ST16で選別された第1反射点を物体に対応する反射
点として用いて、前記ステップST11を実行する。
【0022】図4に示す8本の埋設管に対して、本発明
による処理手順に従い探査した結果と特公平5−767
1号公報「地中埋設物探査方式」及び電気学会誌108
卷11号pp.1113〜1116「地中埋設物探査レ
ーダ」(1988年11月)に開示されている従来技術
に従い探査した結果を表1に比較対照して示す。具体的
には、表1には、本発明及び前記従来技術によって得ら
れた各埋設管の反射信号強度を最大強度を100として
正規化した値を列記してある。表1に示すように、本発
明によれば、前記従来技術に比べて各埋設管の反射信号
強度が平均で約12%改善されていることが分かる。更
に、本発明により得られる合成開口画像のSN比や探査
深度の精度も同様に改善されることが容易に判断でき
る。このことは、図11に示すように、本発明によって
得られる伝搬速度は0.30C0〜0.44C0の範囲で分布して
おり(図中実線)、前記8本の埋設管が存在する領域内
で土壌1の比誘電率εが含水率等の土壌1の特性のバラ
ツキに応じて変化していることに十分適応できているの
に対して、前記従来技術によって得られる伝搬速度が同
じ土壌の領域内で0.35C0と一様であるため(図中破
線)、土壌1の比誘電率εのバラツキに十分対応できて
いないことを意味している。
【0023】
【表1】
【0024】(別実施形態)以下に他の実施形態を説明
する。前記ステップST3において実行される合成開口
処理は専ら時間・空間ドメインで行われるが、これを周
波数・波数ドメインでのマイグレーション処理で実行さ
れても同様の結果が得られる。この場合、前記データ処
理部21を上述のような汎用のマイクロコンピュータと
半導体メモリ等で構成する代わりに、フーリエ変換等の
演算に適した専用のディジタル信号処理プロセッサと半
導体メモリ等で構成するのも好ましい形態である。前記
ステップST13において、前記第2反射点抽出手段5
2を用いて、第2反射点を抽出するにあたり、前記ステ
ップST12で算出された各第1反射点の近傍面積と所
定の値との大小比較を行う代わりに、前記各近傍面積を
夫々対応する第1反射点における信号強度の合成開口処
理前後での差の絶対値または相当値で除した値と大小比
較するのも好ましい形態である。この場合、前記信号強
度の合成開口処理前後での差は、前記ステップST2で
生成された2次元画像データと前記ステップST12で
前記各第1反射点毎に前記3次元配列Aより抽出された
合成開口処理後の2次元画像データの各データ値の差を
算出することにより求めることができる。更に、上述の
図7に示す前記ステップST15、ST16、ST17
の各処理が、図16に示すように、図6に示すステップ
ST14に続いて、前記ステップST9で抽出された第
1反射点の代わりに前記ステップST14で抽出された
第3反射点を使用して実行され、前記ステップST11
に戻るのも好ましい形態である。この結果、前記受信回
路14では受信信号に対し波形のスムーシング等の雑音
除去処理を行うが、媒質中の物体や送信アンテナ等の多
重反射の影響により、必ずしも前記ステップST14で
抽出された第3反射点が実際の物体の存在位置と完全に
対応しない可能性に対して、探査精度の向上が図れる。
また、前記ステップST22における数式2に示す不等
式の評価は、以下の数式3に示す不等式の評価であって
も良く、また数式2または数式3に示す不等式を適宜組
み合わせて評価しても構わない。
【0025】
【数3】v(t+Δt)/v(t)>t/(t+Δt)
【0026】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
不均質な媒質定数を持つ媒質中に存在する物体、例えば
地中に埋設された鋼管などの埋設物の探査において、高
SN比の合成開口画像を得ることができ、媒質中に存在
する物体の確認及び位置探査(探査深度の抽出)が高精
度に且つ短い処理時間でできるようになった。
【0027】尚、特許請求の範囲の項に、図面との対照
を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明
は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】探査装置のブロック構成図
【図2】送信信号と受信信号の波形図
【図3】データ解析装置の機能ブロック図
【図4】探査例を示す断面図
【図5】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図6】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図7】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図8】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図9】本発明のデータ処理手順を示すフローチャート
【図10】伝搬速度の単調な変化に対し、反射点の信号
強度が所定値以上の単調増加及び単調減少を伴う極大点
または極小点を有することを示す説明図
【図11】反射時間tと伝搬速度vの関係図
【図12】3次元配列Aより、伝搬速度vの分布v
(t)を利用して移動距離x・反射時間t平面上に合成
開口画像を生成することを説明する概念図
【図13】従来技術の一般的なデータ処理手順を示すフ
ローチャート
【図14】従来技術のその他のデータ処理手順を示すフ
ローチャート及び出力画像例
【図15】従来技術による合成開口画像の特徴部分を示
す説明図
【図16】本発明のその他のデータ処理手順を示すフロ
ーチャート
【符号の説明】
1 媒質 2 物体 3 探査装置 4 入射波 5 反射波 10 波動信号送受信手段 20 データ解析手段

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 媒質(1)の表面を移動しながら、電磁
    波または音波による波動信号を前記媒質(1)中へ放射
    し、前記媒質(1)中に存在する物体(2)からの反射
    信号を受信する第1ステップと、前記受信信号に基づい
    て前記媒質表面上の移動距離xと前記波動信号の前記物
    体(2)からの反射時間tを座標(x,t)とする2次
    元画像データを生成する第2ステップと、 前記2次元画像データに対して、予め想定された複数の
    伝搬速度vをパラメータとして前記各伝搬速度v毎に合
    成開口処理を行う第3ステップと、前記合成開口処理を
    施された複数の2次元画像データより前記媒質(1)の
    伝搬速度を抽出する第4ステップと、前記第4ステップ
    で抽出された伝搬速度より前記媒質(1)の合成開口画
    像を抽出する第5ステップとを順次実行し、前記媒質中
    に存在する物体の位置を探査する探査方法であって、 前記第4ステップにおいて、前記物体(2)の存在を移
    動距離x・反射時間t座標面内で抽出し、抽出された物
    体毎に独立して前記伝搬速度の抽出を行い、前記抽出さ
    れた物体毎の移動距離x・反射時間tにおける離散的な
    伝搬速度を補間することによって、前記媒質(1)の伝
    搬速度の移動距離x・反射時間t座標面における分布v
    (x,t)を抽出することを特徴とする探査方法。
  2. 【請求項2】 前記第4ステップにおいて、前記合成開
    口処理を施された複数の2次元画像データに対し、各伝
    搬速度v毎の2次元画像データを移動距離x・反射時間
    t座標面で2次元配列データ化し、前記各2次元配列デ
    ータを一括して移動距離x・反射時間t・伝搬速度vの
    3次元配列データを生成する第7ステップと、前記3次
    元配列データの特定の移動距離・反射時間での1次元配
    列内で伝搬速度vを単調に変化させた場合に,各配列デ
    ータである反射信号強度の変化が所定値以上の単調増加
    及び単調減少を伴う極大点又は極小点を有する変化とな
    る移動距離・反射時間座標点の抽出を、全ての移動距離
    x・反射時間tに対して行う第8ステップと、前記第8
    ステップにおいて抽出された移動距離・反射時間座標点
    の中で互いに隣接する座標点は同一の反射点領域として
    グループ化し、各々の反射点領域から移動距離・反射時
    間の代表値を抽出して第1反射点とする第9ステップ
    と、前記第9ステップにおいて抽出された移動距離・反
    射時間の第1反射点を物体に対応する反射点として、前
    記第1反射点毎に、前記3次元配列データの伝搬速度v
    軸方向で伝搬速度vの単調な変化に対し、配列データが
    所定値以上の単調増加及び単調減少を伴う極大点または
    極小点となる伝搬速度を抽出する第10ステップと、前
    記第10ステップにおいて抽出された物体に対応する反
    射点毎の離散的な伝搬速度を移動距離x・反射時間tに
    座標面において補間することによって、前記媒質(1)
    の伝搬速度の移動距離x・反射時間t座標面における分
    布v(x,t)を抽出する第11ステップを順次実行す
    ることを特徴とする請求項1記載の探査方法。
  3. 【請求項3】 前記第10ステップの後に、前記第9ス
    テップにおいて抽出された全ての第1反射点に対して、
    前記各第1反射点毎に、前記第10ステップにおいて抽
    出された伝搬速度で合成開口処理を施された2次元画像
    データを前記第7ステップにおいて生成された3次元配
    列データより抽出し、前記第1反射点近傍領域の面積計
    算を行う第12ステップと、前記第12ステップにおい
    て計算された第1反射点近傍領域の面積値、または前記
    第12ステップにおいて前記第1反射点毎に抽出された
    前記2次元画像データにおける前記第1反射点の座標
    (x,t)に対応する値と前記第2ステップにおいて生
    成された前記2次元画像データにおける前記第1反射点
    の座標(x,t)に対応する値の差の絶対値で前記第1
    反射点近傍領域の面積値を除して得られた値が所定値よ
    り小さい第2反射点を抽出する第13ステップと、前記
    第13ステップにおいて抽出された全ての第2反射点に
    対して、所定の範囲内で近接する第2反射点を抽出し、
    互いに近接関係にある前記第2反射点を第2反射点群と
    してグループ化し、前記各第2反射点群の中から各々新
    たに一つの第3反射点を、前記第1反射点に代えて、前
    記物体に対応する反射点として抽出する第14ステップ
    を順次実行することを特徴とする請求項2記載の探査方
    法。
  4. 【請求項4】 前記第10ステップの後に、前記第9ス
    テップにおいて抽出された全ての第1反射点を移動距離
    x・反射時間t座標面上に座標化する第15ステップ
    と、前記第15ステップにおいて生成された前記移動距
    離x・反射時間t座標面を順次走査しながら座標値
    (x,t)に第1反射点が存在するかどうかを判断し、
    第1反射点が存在する場合には、前記第1反射点の座標
    値(x,t)から所定範囲内にある他の第1反射点を除
    去し、最終的に除去されずに残った第1反射点を前記物
    体に対応する反射点とする第16ステップを順次実行す
    ることを特徴とする請求項2記載の探査方法。
  5. 【請求項5】 前記第14ステップの後に、前記第14
    ステップにおいて抽出された全ての第3反射点を移動距
    離x・反射時間t座標面上に座標化する第18ステップ
    と、前記第18ステップにおいて生成された前記移動距
    離x・反射時間t座標面を順次走査しながら座標値
    (x,t)に第3反射点が存在するかどうかを判断し、
    第3反射点が存在する場合には、前記第3反射点の座標
    値(x,t)から所定範囲内にある他の第3反射点を除
    去し、最終的に除去されずに残った第3反射点を、前記
    第1反射点に代えて、前記物体に対応する反射点とする
    第19ステップを順次実行することを特徴とする請求項
    3記載の探査方法。
  6. 【請求項6】 前記第8ステップにおいて、前記3次元
    配列データの特定の移動距離・反射時間での1次元配列
    内で伝搬速度vを単調に変化させた場合に各配列データ
    である反射信号強度の変化が所定値以上の単調増加及び
    単調減少を伴う極大点又は極小点を有する変化であるか
    否かの判定が、前記特定の移動距離・反射時間での1次
    元配列の最大値と最小値と平均値を求め、前記平均値が
    正値の場合は前記最大値と前記平均値との差の絶対値が
    所定の値より大きいか否かを判定し、また前記平均値が
    負値の場合は前記最小値と前記平均値との差の絶対値が
    所定の値より大きいか否かを判定し、前記絶対値が所定
    の値より大きい場合に所定値以上の単調増加及び単調減
    少を伴う極大点又は極小点を有する変化であると判定す
    る請求項2、3、4または5記載の探査方法。
  7. 【請求項7】 前記第11ステップにおいて、前記第1
    0ステップ以降において抽出された物体に対応する反射
    点の伝搬速度を移動距離x方向には一様であると想定し
    て、前記物体に対応する反射点毎に反射時間t・伝搬速
    度v座標面上に座標化する第21ステップと、前記第2
    1ステップにおいて座標化された離散的な反射時間t・
    伝搬速度v座標点の分布を補間し、反射時間tに対する
    伝搬速度の分布v(t)を抽出し、前記物体に対応する
    反射点毎に、伝搬速度v(t)と反射時間tの積で算出
    される前記反射点の反射深度d(t)の変化が、前記反
    射点毎の局所的な反射時間tの変化に対して負の相関関
    係にあるかを評価し、負の相関関係にある場合に当該反
    射点を前記第21ステップにおいて座標化された離散的
    な反射時間t・伝搬速度v座標点の集合より削除する第
    22ステップを順次実行し、更に、前記第22ステップ
    において削除される反射点が無くなるまで前記第22ス
    テップを繰り返し実行することによって反射時間tに対
    する伝搬速度の分布v(t)を補正する請求項2、3、
    4、5または6記載の探査方法。
  8. 【請求項8】 前記第5ステップにおいて、前記第7ス
    テップにおいて生成された前記3次元配列データより、
    前記第4ステップで求められた前記媒質(1)の移動距
    離x・反射時間t座標面における伝搬速度の分布の値v
    (x,t)で特定される座標点(x,t,v)の前記3
    次元配列データ値を全ての移動距離x・反射時間tの座
    標点に対し抽出し、移動距離x・反射時間t平面上に転
    写することによって、前記媒質(1)の合成開口画像を
    生成する請求項2、3、4、5、6または7記載の探査
    方法。
  9. 【請求項9】 媒質(1)の表面を移動しながら、電磁
    波または音波による波動信号を前記媒質(1)中へ放射
    し、前記媒質(1)中に存在する物体(2)からの反射
    信号を受信する波動信号送受信手段(10)と、前記受
    信信号に基づいて前記媒質表面上の移動距離xと前記波
    動信号の前記物体(2)からの反射時間tを座標(x,
    t)とする2次元画像データをデータ処理及び解析して
    前記媒質(1)中に存在する物体(2)の位置を算出す
    るデータ解析手段(20)とを備えてなる探査装置であ
    って、 前記データ解析手段(20)が、前記2次元画像データ
    を生成する2次元画像データ生成手段と、前記2次元画
    像データに対して、予め想定された複数の伝搬速度vを
    パラメータとして前記各伝搬速度v毎に合成開口処理を
    行う合成開口処理手段と、前記合成開口処理を施された
    複数の2次元画像データより、前記物体(2)の存在を
    移動距離x・反射時間t座標面内で抽出し、抽出された
    物体毎に独立して、前記媒質(1)の伝搬速度を抽出す
    る第1伝搬速度抽出手段と、前記第1伝搬速度抽出手段
    で抽出された伝搬速度に対して前記抽出された物体毎の
    移動距離x・反射時間tにおける離散的な伝搬速度分布
    を補間することによって、前記媒質(1)の伝搬速度の
    移動距離x・反射時間t座標面における分布v(x,
    t)を抽出する伝搬速度分布抽出手段と、前記伝搬速度
    分布抽出手段により抽出された伝搬速度分布v(x,
    t)より前記媒質(1)の合成開口画像を生成する合成
    開口画像生成手段とを備えてなる探査装置。
  10. 【請求項10】 前記第1伝搬速度抽出手段が、前記合
    成開口処理を施された複数の2次元画像データに対し、
    各伝搬速度v毎の2次元画像データを移動距離x・反射
    時間t座標面で2次元配列データ化し、前記各2次元配
    列データを一括して移動距離x・反射時間t・伝搬速度
    vの3次元配列データを生成する3次元配列データ生成
    手段と、前記3次元配列データの特定の移動距離・反射
    時間での1次元配列内で伝搬速度vを単調に変化させた
    場合に,各配列データである反射信号強度の変化が所定
    値以上の単調増加及び単調減少を伴う極大点又は極小点
    を有する変化となる移動距離・反射時間座標点の抽出
    を,全ての移動距離x・反射時間tに対して行う第1反
    射点抽出前処理手段と、前記第1反射点抽出前処理手段
    により抽出された移動距離・反射時間座標点の中で互い
    に隣接する座標点は同一の反射点領域としてグループ化
    し、各々の反射点領域から移動距離・反射時間の代表値
    を抽出して第1反射点とする第1反射点抽出手段と、前
    記第1反射点抽出手段により抽出された移動距離・反射
    時間の第1反射点毎に、前記3次元配列データの伝搬速
    度v軸方向で伝搬速度vの単調な変化に対し、配列デー
    タが所定値以上の単調増加及び単調減少を伴う極大点ま
    たは極小点となる伝搬速度を抽出する第2伝搬速度抽出
    手段を備えてなる請求項9記載の探査装置。
  11. 【請求項11】 前記第1伝搬速度抽出手段に、前記第
    1反射点抽出手段により抽出された全ての第1反射点に
    対して、前記各第1反射点毎に、前記第2伝搬速度抽出
    手段により抽出された伝搬速度で合成開口処理を施され
    た2次元画像データを前記3次元配列データ生成手段で
    生成された3次元配列データより抽出し、前記第1反射
    点近傍領域の面積計算を行う面積計算手段と、前記面積
    計算手段により計算された第1反射点近傍領域の面積
    値、または前記面積計算手段により前記第1反射点毎に
    抽出された前記2次元画像データにおける前記第1反射
    点の座標(x,t)に対応する値と前記2次元画像デー
    タ生成手段により生成された前記2次元画像データにお
    ける前記第1反射点の座標(x,t)に対応する値の差
    の絶対値で前記第1反射点近傍領域の面積値を除して得
    られた値が所定値より小さい第2反射点を抽出する第2
    反射点抽出手段と、前記第2反射点抽出手段により抽出
    された全ての第2反射点に対して、所定の範囲内で近接
    する第2反射点を抽出し、互いに近接関係にある前記第
    2反射点を第2反射点群としてグループ化し、各第2反
    射点群の中から各々新たに一つの第3反射点を抽出する
    第3反射点抽出手段を追加してある請求項10記載の探
    査装置。
  12. 【請求項12】 前記第1伝搬速度抽出手段に、前記第
    1反射点抽出手段により抽出された全ての第1反射点ま
    たは前記第3反射点抽出手段により抽出された全ての第
    3反射点を移動距離x・反射時間t座標面上に座標化す
    る反射点座標化手段と、前記反射点座標化手段において
    生成された前記移動距離x・反射時間t座標面を順次走
    査しながら座標値(x,t)に第1反射点または第3反
    射点が存在するかどうかを判断し、第1反射点または第
    3反射点が存在する場合には、前記第1反射点または第
    3反射点の座標値(x,t)から所定範囲内にある他の
    第1反射点または第3反射点を除去し、最終的に除去さ
    れずに残った第1反射点または第3反射点を第4反射点
    とする第4反射点抽出手段を追加してある請求項10ま
    たは11記載の探査装置。
  13. 【請求項13】 前記第1反射点抽出前処理手段が、前
    記特定の移動距離・反射時間での1次元配列の最大値と
    最小値と平均値を求め、前記平均値が正値の場合は前記
    最大値と前記平均値との差の絶対値が所定の値より大き
    いか否かを判定し、また前記平均値が負値の場合は前記
    最小値と前記平均値との差の絶対値が所定の値より大き
    いか否かを判定する機能を有する請求項10、11また
    は12記載の探査装置。
  14. 【請求項14】 前記伝搬速度分布抽出手段が、前記物
    体に対応する反射点の伝搬速度を移動距離x方向には一
    様であると想定して、前記物体に対応する反射点毎に反
    射時間t・伝搬速度v座標面上に座標化する伝搬速度座
    標化手段と、前記伝搬速度座標化手段により座標化され
    た離散的な反射時間t・伝搬速度v座標点の分布を補間
    し、反射時間tに対する伝搬速度の分布v(t)を抽出
    し、前記物体に対応する反射点毎に、伝搬速度v(t)
    と反射時間tの積で算出される前記反射点の反射深度d
    (t)の変化が、前記反射点毎の局所的な反射時間tの
    変化に対して負の相関関係にあるか評価し、負の相関関
    係にある場合に当該反射点を前記伝搬速度座標化手段に
    より座標化された離散的な反射時間t・伝搬速度v座標
    点の集合より削除する伝搬速度分布補正手段を備え、更
    に、最終的に削除すべき反射点が無くなるまで前記伝搬
    速度分布補正手段を繰り返し作動させる機能を有する請
    求項10、11、12または13記載の探査装置。
  15. 【請求項15】 前記合成開口画像生成手段が、前記3
    次元配列データ生成手段で生成された前記3次元配列デ
    ータより、前記伝搬速度分布抽出手段により求められた
    前記媒質(1)の移動距離x・反射時間t座標面におけ
    る伝搬速度の分布の値v(x,t)で特定される座標点
    (x,t,v)の前記3次元配列データ値を全ての移動
    距離x・反射時間tの座標点に対し抽出し、移動距離x
    ・反射時間t平面上に転写することによって、前記媒質
    (1)の合成開口画像を生成する機能を有する請求項1
    0、11、12、13または14記載の探査装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105068072A (zh) * 2015-07-22 2015-11-18 北京环境特性研究所 一种运动目标的一维距离像的速度补偿方法
JP2018048843A (ja) * 2016-09-20 2018-03-29 大阪瓦斯株式会社 探査方法、及び探査装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105068072A (zh) * 2015-07-22 2015-11-18 北京环境特性研究所 一种运动目标的一维距离像的速度补偿方法
CN105068072B (zh) * 2015-07-22 2017-07-07 北京环境特性研究所 一种运动目标的一维距离像的速度补偿方法
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