JPH11270321A - 電磁駆動弁 - Google Patents

電磁駆動弁

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JPH11270321A
JPH11270321A JP10074738A JP7473898A JPH11270321A JP H11270321 A JPH11270321 A JP H11270321A JP 10074738 A JP10074738 A JP 10074738A JP 7473898 A JP7473898 A JP 7473898A JP H11270321 A JPH11270321 A JP H11270321A
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JP
Japan
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plunger
core
valve
electromagnetically driven
stem
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JP10074738A
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Inventor
Takashi Deo
隆志 出尾
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、電磁駆動弁に関し、電磁駆動弁の
消費電力を増加させることなく、プランジャがコアに吸
着される際に生ずる着座音を低減することを目的とす
る。 【解決手段】 第1コイル62を収容する第1コア48
は、第1インナコア52と第1アウタコア56とに分割
される。第1インナコア52は、第1アウタコア56の
内周側に軸方向に変位可能に収容される。第1インナコ
ア52のプランジャ46側への変位は、段差面52cと
第1アウタコア56の段差面56eとが当接することに
より制限される。第1コア48の上端面には、弾性板で
ある弾性板66が配設される。第1インナコア52のプ
ランジャ46から離間する向きの変位は、弾性板66に
より制限される。第2コア50は第1コア48と上下対
称の構成を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プランジャと、プ
ランジャを吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁に関
し、特に、作動音を低減するうえで好適な電磁駆動弁に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、電磁石が発する電磁力により
弁体を開閉動作させる電磁駆動弁が知られている。電磁
駆動弁は、軸方向に変位することにより弁体を駆動する
プランジャと、プランジャに固定されたアーマチャと、
アーマチャを吸引する電磁石と、アーマチャを電磁石の
吸引方向とは逆向きに付勢するバネとを備えている。電
磁駆動弁は、適当なタイミングで電磁石に励磁電流を供
給することで、電磁力とバネ力とを共働させながら弁体
を開閉駆動する。電磁石に励磁電流が供給された場合、
アーマチャは、バネが発する弾性力に抗して電磁石に着
座するまで吸引される。この場合、アーマチャが高速で
変位しながら電磁石に着座すると、両者の衝突に伴って
大きな着座音が発生する。
【0003】かかる着座音を低減し得る構成として、例
えば特開平6−129219号に開示される弁開閉装置
が公知である。この弁開閉装置は、弁体を開弁方向に駆
動する電磁アクチュエータと、弁体を閉弁方向に付勢す
るバネとを備えている。更に、弁開閉装置は、弁体が弁
座に着座する近傍で弁体を開弁方向に付勢する緩衝バネ
を備えている。かかる構成によれば、弁体が弁座に着座
するときに、緩衝バネの弾性力が弁体と弁座とを引き離
す向きに作用することで、弁体と弁座との衝突が緩和さ
れる。かかる構成を上記の電磁駆動弁に採用し、アーマ
チャが電磁石に着座する近傍でアーマチャと電磁石とを
離間させる向きの弾性力を発生する弾性手段を設けるこ
とで、アーマチャと電磁石との衝突を緩和し、アーマチ
ャが電磁石に着座する際に生ずる着座音を低減すること
ができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、かかる
構成を採用した場合、アーマチャが電磁石に着座した状
態で、アーマチャには、常に、アーマチャを電磁石から
離間させる向きの弾性力が作用する。このため、アーマ
チャと電磁石とが着座した状態を保持するのに必要な励
磁電流が増大し、電磁駆動弁の消費電力が増大してしま
う。
【0005】本発明は上述の点に鑑みてなされたもので
あり、消費電力の増大を招くことなく、アーマチャが電
磁石に着座する際に生ずる着座音を低減し得る電磁駆動
弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、軸方向に変位可能なプランジャと、電
磁コイル及び該電磁コイルを収容するコアよりなり、該
電磁コイルに励磁電流が供給されることにより前記プラ
ンジャを吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁におい
て、前記コアを、固定部と、該固定部に対して前記軸方
向に変位可能に設けられた可動部とにより構成した電磁
駆動弁により達成される。
【0007】本発明において、コアは、固定部と、固定
部に対して軸方向に変位可能に設けられた可動部とによ
り構成される。従って、プランジャが電磁石の近傍まで
吸引されると、プランジャとコアの可動部(以下、可動
コアと称す)との間に作用する電磁吸引力により、可動
コアはプランジャ側へ変位する。このため、プランジャ
がコアに着座する過程では、プランジャは先ず可動コア
に接触する。プランジャが可動コアに接触すると、電磁
コイルの発する磁束の一部が可動コアからプランジャへ
直接流れることで、コアの固定部とプランジャとの間に
作用する電磁吸引力は減少する。その結果、プランジャ
の変位速度が抑制されることで、プランジャがコアに着
座する際に生ずる着座音が低減される。
【0008】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、請求項1記載の電磁駆動弁において、前記コアの
前記可動部が前記プランジャから離間する向きに所定位
置まで変位した際に前記可動部に当接する弾性部材を設
けた電磁駆動弁により更に効果的に達成される。
【0009】本発明において、弾性部材は、可動コアが
プランジャから離間する向きに所定位置まで変位した際
に可動コアに当接する。従って、可動コアがプランジャ
との接触により、プランジャから離間する向きに跳ね返
された場合、可動コアの変位は弾性部材に当接すること
により阻止される。可動コアが弾性部材に当接する際、
弾性部材に弾性変形が生ずることで当接音の発生が抑制
される。また、弾性部材の弾性復元力により、可動コア
はプランジャに向けて押し返される。このため、可動コ
アとプランジャとが接触した状態が速やかに回復する。
これにより、上記した可動コアとプランジャとの接触に
よる着座音低減の効果が確保される。
【0010】また、上記の目的は、請求項3に記載する
如く、軸方向に変位可能なプランジャステムと、該プラ
ンジャステムに保持されたプランジャと、電磁コイル及
び該電磁コイルを収容するコアよりなり、該電磁コイル
に励磁電流が供給されることにより前記プランジャを吸
引する電磁石とを備える電磁駆動弁において、前記プラ
ンジャを、前記プランジャステムの周りに周方向に分割
された複数の部材より構成すると共に、各部材を、前記
コアに接近及び離間する方向に揺動可能に前記プランジ
ャステムに接続した電磁駆動弁により達成される。
【0011】本発明において、プランジャはプランジャ
ステムの周りに周方向に分割された複数の部材より構成
されると共に、各部材は、コアに接近及び離間する方向
に揺動可能にプランジャステムに接続される。従って、
プランジャが電磁石の近傍まで吸引されると、プランジ
ャとコアとの間に作用する磁気吸引力により、プランジ
ャを構成する各部材はコア側へ揺動する。このため、プ
ランジャがコアに着座する過程では、各部材は、その外
周側から内周側に向けて次第にコアに接触していく。こ
の場合、電磁コイルの発する磁束の一部が、コアからプ
ランジャへ接触部を通って直接流れることで、プランジ
ャをコアに向けて変位させる磁気吸引力は減少する。そ
の結果、プランジャの変位速度が抑制されることで、プ
ランジャとコアとの着座音が抑制される。
【0012】更に、上記の目的は、請求項4に記載する
如く、軸方向に変位可能なプランジャステムと、該プラ
ンジャステムに保持されたプランジャと、電磁コイル及
び該電磁コイルを収容するコアよりなり、該電磁コイル
に励磁電流が供給されることにより前記プランジャを吸
引する電磁石とを備える電磁駆動弁において、前記プラ
ンジャを軸方向に積層された複数の薄板より構成し、か
つ、各薄板の内周側端部を前記プランジャステムに接続
した電磁駆動弁により達成される。
【0013】本発明において、プランジャが軸方向に積
層された複数の薄板より構成され、かつ、各薄板の内周
側端部がプランジャステムに接続される。従って、プラ
ンジャを構成する各薄板は、コアに接近及び離間する方
向に撓むことができる。このため、プランジャがコアの
近傍まで吸引されると、プランジャとコアとの間に作用
する電磁吸引力により、プランジャを構成する薄板はそ
れぞれコア側に撓んだ状態で、コアに近い側の薄板から
順次コアに吸引される。従って、各薄板がコアに吸引さ
れる過程では、プランジャがコアに着座する際の衝撃
は、各薄板に分散して吸収される。その結果、プランジ
ャとコアとの着座音が低減される。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である電
磁駆動弁の構成図である。図1において、本実施例の電
磁駆動弁は、内燃機関の排気バルブに適用されている。
図1に示す如く、電磁駆動弁は弁体12を備えている。
弁体12は内燃機関の排気バルブを構成している。弁体
12は、内燃機関の燃焼室14内に露出するようにロア
ヘッド16に配設されている。ロアヘッド16には排気
ポート18が形成されている。排気ポート18には弁体
12に対する弁座20が形成されている。排気ポート1
8は、弁体12が弁座20から離座することにより導通
状態となり、また、弁体12が弁座20に着座すること
により遮断状態となる。ロアヘッド16の上部にはアッ
パヘッド22が連結されている。
【0015】弁体12には弁軸24が固定されている。
弁軸24は、バルブガイド26により軸方向に摺動可能
に保持されている。バルブガイド26はロアヘッド16
に保持されている。ロアヘッド16の、バルブガイド2
6の上部を囲む部位には円筒部28が形成されている。
また、弁軸24の上端部にはロアリテーナ30が固定さ
れている。ロアリテーナ30と円筒部28の底面との間
には、両者を離間させる向きの付勢力を発生するロアス
プリング32が配設されている。ロアスプリング32は
ロアリテーナ30を介して弁軸24及び弁体12を上向
き、すなわち、弁体12の閉弁方向に付勢している。
【0016】弁軸24の上端面には、プランジャステム
36の下端面が当接している。プランジャステム36は
ロッド状に形成された非磁性部材である。また、プラン
ジャステム36の上端部には、アッパリテーナ38が固
定されている。アッパリテーナ38の上部には、アッパ
スプリング40の下端部が当接している。アッパスプリ
ング40の周囲には、円筒状のアッパキャップ42が配
設されている。アッパキャップ42の上部にはアジャス
タボルト44が螺着されている。アッパスプリング40
の上端部はスプリング座部43を介してアジャスタボル
ト44に当接している。アッパスプリング40はアッパ
リテーナ38を介してプランジャステム36を下向きに
付勢している。従って、アッパスプリング40は弁軸2
4及び弁体12を下向き、すなわち、弁体12の開弁方
向に付勢している。
【0017】プランジャステム36の軸方向中間部の外
周には、径方向外向きに突起するプランジャ保持部36
aが形成されている。プランジャ保持部36aの周囲に
は、プランジャ46が接合されている。プランジャ46
は軟磁性材料から構成された環状の部材である。プラン
ジャ46の上方には第1コア48が配設されている。ま
た、プランジャ46の下方には第2コア50が配設され
ている。プランジャステム36は、第1コア48及び第
2コア50を貫通している。
【0018】第1コア48及び第2コア50は円筒状に
形成された磁性部材であり、それぞれ、第1インナコア
52及び第2インナコア54と、第1アウタコア56及
び第2アウタコア58とに分割されている。第1インナ
コア52及び第2インナコア54は、それぞれ、第1ア
ウタコア56及び第2アウタコア58の内周部に収容さ
れている。なお、第1コア48及び第2コア50の構成
の詳細については後述する。
【0019】第1インナコア52の内周面の上端部に
は、ベアリング59が配設されている。また、第2イン
ナコア54の内周面の下端部には、ベアリング60が配
設されている。ベアリング59及び60はプランジャス
テム36を軸方向に摺動可能に保持している。また、第
1アウタコア56は、その下端面に環状溝56aを備え
ている。環状溝56aには、第1コイル62が収容され
ている。同様に、第2アウタコア58は、その上端面に
環状溝58aを備えている。環状溝58aには第2コイ
ル64が収容されている。
【0020】第1コア48の上端面、及び、第2コア5
0の下端面には、それぞれ、弾性板66及び68が配設
されている。弾性板66及び68は弾性材料より構成さ
れた環状の部材であり、その中央部をプランジャステム
36が貫通している。第1アウタコア56及び第2アウ
タコア58は、それぞれ、上端部及び下端部にフランジ
部56b及び58bを備えている。第1アウタコア56
及び第2アウタコア58は、それらのフランジ部56b
及び58bがアッパヘッド22を上下から挟むように、
アッパヘッド22に形成された円筒部22aに嵌着され
ている。
【0021】上記したアッパキャップ42はその下端部
にフランジ部42aを備えている。フランジ部42a
は、第1アウタコア56のフランジ部56b及び弾性板
66を上方から覆うように配置されている。また、アッ
パヘッド22の下面にはロアキャップ70が配設されて
いる。ロアキャップ70は、第2アウタコア58のフラ
ンジ部58b及び弾性板68を下方から覆うように配置
されている。そして、第1アウタコア56のフランジ部
56b及び弾性板66がアッパヘッド22の上面とアッ
パキャップ42のフランジ部42aとの間に挟まれた状
態で、固定ボルト72が、アッパキャップ42のフラン
ジ部42aを貫通してアッパヘッド22に螺着され、か
つ、第2アウタコア58のフランジ部58b及び弾性板
68がロアキャップ70とアッパヘッド22の下面との
間に挟まれた状態で固定ボルト74がロアキャップ70
を貫通してアッパヘッド22に螺着されることにより、
第1アウタコア56と第2アウタコア58とが所定の間
隔を隔てるようにアッパヘッド22の内部に固定されて
いると共に、弾性板66及び68がそれぞれ第1コア4
8の上側及び第2コア50の下側に固定されている。な
お、上記したアジャスタボルト44は、プランジャ46
の中立位置が第1アウタコア56と第2アウタコア58
との中間点となるように調整されている。
【0022】次に、電磁駆動弁の動作について説明す
る。第1コイル62に励磁電流が供給されると、第1コ
イル62が発生する磁束によってプランジャ46には第
1コア48へ向かう方向の電磁吸引力が作用する。この
ため、プランジャ46はアッパスプリング40の付勢力
に抗して第1コア48へ向けて変位する。プランジャ4
6が第1コア48に着座するまで変位した状態では、弁
体12が弁座20に着座することで、電磁駆動弁は閉弁
状態となる。以下、プランジャ46が第1コア48に着
座する位置を、プランジャ46、プランジャステム3
6、又は弁体12の閉弁側変位端と称する。
【0023】このように電磁駆動弁が閉弁された状態
で、第1コイル62への励磁電流の供給が停止される
と、プランジャ46を閉弁側変位端に保持するのに必要
な電磁吸引力は消滅する。このため、第1コイル62へ
の励磁電流の供給が停止されると、プランジャステム3
6はアッパスプリング40に付勢されることによって速
やかに下方へ向けて変位を開始する。
【0024】プランジャステム36が閉弁側変位端から
下方へ向けて変位すると、弁体12が弁座20から離座
することで電磁駆動弁は開弁状態となる。プランジャス
テム36の下方への変位量が所定値に達した時点で、第
2コイル64に励磁電流が供給されると、プランジャ4
6を第2コア50に向けて付勢する電磁吸引力が発生す
る。
【0025】プランジャ46に対して上記電磁吸引力が
作用すると、プランジャステム36はロアスプリング3
2の発する付勢力に抗して第2コア50に向けて、第2
コア50に着座するまで変位する。以下、プランジャ4
6が第2コア50に着座した位置を、プランジャ46、
プランジャステム36、又は弁体12の開弁側変位端と
称す。かかる状態で、第2コイル64への励磁電流の供
給が停止されると、プランジャ46を開弁側変位端に保
持するのに必要な電磁吸引力が消滅する。このため、プ
ランジャステム36はロアスプリング32の付勢力によ
って速やかに上方へ変位を開始する。
【0026】プランジャステム36の上方への変位量が
所定値に達した時点で第1コイル62に励磁電流が供給
されると、第1コイル62が発する電磁吸引力によりプ
ランジャ46は第1コア48へ向けて付勢される。この
ため、弁軸12及びプランジャステム36は閉弁側変位
端まで変位し、弁体12が弁座20に着座することで、
電磁駆動弁は再び閉弁状態となる。
【0027】このように、本実施例によれば、第1コイ
ル62と第2コイル64とに、交互に適当なタイミング
で励磁電流を供給し、弁体12を閉弁側変位端と開弁側
変位端との間で繰り返し往復運動させることで、電磁駆
動弁を開閉させることができる。上述の如く、弁体12
は、プランジャ46がアッパスプリング40又はロアス
プリング32が発する付勢力に抗して、第1コア48又
は第2コア50に吸引されることにより開閉駆動され
る。従って、プランジャ46が第1コア48又は第2コ
ア50に着座する時点で、プランジャ46に作用する電
磁吸引力がアッパスプリング40又はロアスプリング3
2の付勢力に対して過大であると、プランジャ46は第
1コア48又は第2コア50に過度に高い速度で着座す
ることになる。この場合、プランジャ46と第1コア4
8又は第2コア50との着座に伴って大きな着座音が発
生し、電磁駆動弁の静粛性が低下してしまう。
【0028】これに対して、本実施例の電磁駆動弁は、
上記の如く、第1コア48及び第2コア50を、それぞ
れ、第1インナコア52及び第2インナコア54と、第
1アウタコア56及び第2アウタコア58とに分割する
ことにより、プランジャ46と第1コア48及び第2コ
ア50との着座音を低減し得る点に特徴を有している。
以下、かかる特徴部について図2を参照して説明する。
【0029】図2は、プランジャ46が第1コア48に
吸引される過程を示す拡大図である。図2の右半分はプ
ランジャ46が第1コア48の近傍に達した状態を示
し、左半分はプランジャ46が第1コア48に完全に着
座した状態を示している。なお、図2には、第1コイル
62に励磁電流が供給された場合に発生する磁束を矢印
で示している。
【0030】先ず、図2を参照して、第1コア48及び
第2コア50の構成の詳細について説明する。なお、第
1コア48及び第2コア50は上下に互いに対称な構成
を有しているため、第1コア48について代表的に説明
する。図2に示す如く、第1インナコア52はその外周
面に、小径部52aと、上端部に形成された大径部52
bとを備えている。小径部52aと大径部52bとの境
界部には段差面52cが形成されている。また、第1ア
ウタコア56の内周面には、第1インナコア52の小径
部52a及び大径部52bにそれぞれ対応して、小径部
56c及び大径部56dが設けられている。小径部56
cと大径部56dとの境界部には段差面56eが形成さ
れている。
【0031】第1インナコア52は、小径部52aが第
1アウタコア56の小径部56cに嵌挿され、かつ、大
径部52bが第1アウタコア56の大径部56dに嵌挿
されることにより、アウタコア56の内部に、軸方向に
摺動可能に収容されている。第1インナコア52及び第
1アウタコア54は、第1インナコア52の上端面と第
1アウタコア56の上端面とが一致した状態で、段差面
52cと段差面56eとの間に所定の隙間が生じ、か
つ、段差面52cと段差面56eとが当接した状態で、
第1インナコア52の下端面が第1アウタコア56の下
端面より下方に突出するように構成されている。
【0032】上述の如く、第1コア48の上端面には、
弾性材料より構成された弾性板66が固定されている。
弾性板66は、第1アウタコア56の上端面に当接し、
かつ、大径部56dの内周面より内径側に突出するよう
に配置されている。従って、第1インナコア52の軸方
向の変位は、その上端面が弾性板66に当接した状態
と、段差面52cと段差面56dとが当接した状態との
間に制限されている。
【0033】次に、プランジャ46が第1コア48に吸
引される場合の動作について説明する。上述の如く、第
1インナコア52は第1アウタコア56の内部を軸方向
に所定の範囲内で変位し得るように構成されている。こ
のため、プランジャ46が第1コア48の近傍まで吸引
されると、プランジャ46と第1インナコア52との間
に作用する電磁吸引力により、第1インナコア52はプ
ランジャ46に向けて、その段差面52cが第1アウタ
コア56の段差面56eに当接するまで変位する。かか
る第1インナコア52の変位により、プランジャ46が
第1コア48に着座する場合、図2の右半分に示す如
く、プランジャ46は先ず第1インナコア52に接触す
る。
【0034】プランジャ46と第1インナコア52とが
接触すると、第1コイル62が発生する磁束の一部は、
第1アウタコア56とプランジャ46との間の隙間を介
さずに、直接、第1インナコア52からプランジャ46
に流入する。すなわち、磁束の一部はプランジャ46と
第1インナコア52との接触部を経由してバイパスされ
ることになる。このバイパスされた磁束の分だけ、プラ
ンジャ46と第1アウタコア56との間に作用する電磁
吸引力が減少することで、プランジャ46と第1アウタ
コア56との間の電磁吸引力とアッパスプリング40の
付勢力との差が縮小する。このため、プランジャ46
は、その変位速度が抑制された状態で、図2左半分に示
す如く、第1アウタコア56に着座するまで吸引され
る。その結果、プランジャ46はより緩やかに第1アウ
タコア56に着座することとなり、両者の着座に伴って
発生する着座音が低減される。
【0035】また、プランジャ46と第1インナコア5
2とが接触すると、その後、プランジャ46は第1イン
ナコア52と共に第1アウタコア56に向けて変位す
る。この場合、第1インナコア52が第1アウタコア5
6の内部を摺動することで、その摺動抵抗によって、プ
ランジャ46及び第1インナコア52の変位速度は抑制
され、着座音は更に低減される。このように、本実施例
においては、第1インナコア52と第1アウタコア56
との間に生ずる摺動抵抗によっても、プランジャ46が
第1アウタコア56に着座する際の着座音が低減され
る。
【0036】また、図2の左半分に示す如く、プランジ
ャ46が第1アウタコア56に完全に当接すると、第1
インナコア52及び第1アウタコア56の双方が一体と
なってプランジャ46と当接する状態が形成される。こ
の状態では、第1インナコア52及び第1アウタコア5
6とプランジャ46との間には、第1コア48がこれら
2つの部材に分割されていない場合と同様の電磁吸引力
が作用する。ただし、本実施例の電磁駆動弁では、第1
インナコア52が固定されていないため、第1コア48
が分割されていない場合と比較して、プランジャ46を
閉弁側変位端に保持する電磁吸引力は第1インナコア5
2の面積分だけ減少し、プランジャ46を閉弁側変位端
に保持するために第1コイル62に供給すべき励磁電流
は若干増加する。しかしながら、その増加量は僅かであ
り、電磁駆動弁の消費電力の増加は最小限に抑制されて
いる。すなわち、本実施例においては、電磁駆動弁の消
費電力の増加を最小限に抑制しつつ、プランジャ46が
第1コア48に着座する際の着座音を低減することが可
能となっている。
【0037】以上、プランジャ46が第1コア48に吸
引される場合の動作について説明したが、プランジャ4
6が第2コア50に吸引される場合についても、第2コ
ア50が第2インナコア54と第2アウタコア58とに
分割されていることで、プランジャ46が第1コア48
に吸引される場合と同様に、プランジャ46が第2コア
50に着座する際の着座音を低減することができる。
【0038】このように、本実施例においては、第1コ
ア48及び第2コア50が、それぞれ、第1インナコア
52及び第2インナコア54と第1アウタコア56及び
第2アウタコア58とに分割され、かつ、第1インナコ
ア52及び第2インナコア54が、それぞれ、第1アウ
タコア56及び第2アウタコア58に対して軸方向に変
位可能に構成されていることで、電磁駆動弁の消費電力
の増加を最小限に抑制しつつ、プランジャ46が第1コ
ア48及び第2コア50に着座する際に生ずる着座音を
低減することができる。
【0039】ところで、プランジャ46と第1インナコ
ア52とが接触する時点で、プランジャ46が高速で変
位していると、第1インナコア52はプランジャ46と
の衝突により、軸方向上方に向けて跳ね飛ばされる可能
性がある。これに対して、本実施例では、第1コア48
の上方に弾性板66が配設されている。従って、本実施
例では、第1インナコア52の上方への変位が、第1イ
ンナコア52が弾性板66に当接することにより規制さ
れることで、第1インナコア52の上方への過大な変位
を防止することが可能となっている。
【0040】第1インナコア52が弾性板66に当接す
ると、図2中左側に破線で誇張して示す如く、弾性板6
6には上向きの撓み変形が生ずる。かかる撓み変形によ
り、第1インナコア52と弾性板66との当接の際の衝
撃が吸収され、これにより、第1インナコア52と弾性
板66との当接音が抑制される。また、弾性板66の撓
み変形に伴う弾性復元力により、第1インナコア52は
プランジャ46に向けて押し戻される。このため、第1
インナコア52とプランジャ46とが接触した状態が速
やかに回復され、これにより、プランジャ46が第1イ
ンナコア52と接触した状態で変位することが可能とな
る。また、第2コア50についても、その下側に弾性板
68が設けられていることで、上記と同様の効果を得る
ことができる。
【0041】このように、本実施例によれば、弾性板6
6及び68が設けられていることで、プランジャ46が
高速で第1インナコア52又は第2インナコア54に衝
突する場合にも、第1インナコア52及び第2インナコ
ア54の過大な変位を防止することができる。そして、
弾性板66及び68の弾性変形により、第1インナコア
52と弾性板66、及び、第2インナコア54と弾性板
68の当接の際の当接音を抑制することができると共
に、その弾性復元力により第1インナコア52及び第2
インナコア54がプランジャ46に向けて押し戻される
ことで、プランジャ46を第1インナコア52又は第2
インナコア54に接触した状態で変位させることが可能
となる。従って、本実施例の電磁駆動弁によれば、プラ
ンジャ46が高速で第1インナコア52又は第2インナ
コア54に衝突する場合にも、上記した磁束のバイパス
による着座音低減の効果を確保することができる。
【0042】なお、上記実施例においては、弾性板6
6、68を環状に構成するものとしたが、本発明は、こ
れに限定されるものではなく、第1アウタコア56及び
第2アウタコア58の大径部56d、58dの内周面よ
り内径側に突出して第1インナコア52及び第2インナ
コア54の変位を規制し得る構成であればよい。また、
弾性板66、68に代えて、第1インナコア52及び第
2インナコア54が当接することにより弾性変形を生ず
る任意の弾性部材、例えば、ゴム製部材等を第1インナ
コア52の上方及び第2インナコア54の下方に設ける
こととしてもよい。この場合、上記実施例においては、
例えば第1コア48側について、第1インナコア52及
び第1アウタコア56の上端面が一致した状態で弾性板
66と第1インナコア52とが当接するものとしたが、
これに限らず、第1インナコア52の上端面が第1アウ
タコア56の上端面から突出した状態、又は、第1アウ
タコア56の上端面より下方に位置する状態で第1イン
ナコア52が弾性部材に当接する構成であってもよい。
【0043】なお、上記第1実施例においては、プラン
ジャステム36及びプランジャ46が請求項1に記載し
たプランジャに、第1コイル62及び第2コイル64が
請求項1に記載した電磁コイルに、第1アウタコア56
及び第2アウタコア58が請求項1に記載したコアの固
定部に、第1インナコア52及び第2インナコア54が
請求項1に記載したコアの可動部に、弾性板66、68
が請求項2に記載した弾性部材に、それぞれ相当してい
る。
【0044】次に、本発明の第2実施例について説明す
る。本実施例の電磁駆動弁は、図1に示す電磁駆動弁に
おいて、プランジャステム36及びプランジャ46に代
えて、プランジャステム136及びプランジャ146を
用いることにより実現される。上記第1実施例と同様
に、プランジャステム136は非磁性材料から構成され
た部材であり、また、プランジャ146は軟磁性材料か
ら構成された部材である。
【0045】図3は、本実施例の電磁駆動弁が備えるプ
ランジャステム136及びプランジャ146の軸方向断
面図である。また、図4は、プランジャステム136及
びプランジャ146を軸方向から見た状態を示す図であ
る。図4に示す如く、プランジャ146は、径方向のス
リットが放射状に形成されることで、周方向に例えば3
つの部材148、150、152に分割されている。一
方、図3に示す如く、プランジャステム136の外周面
には、円弧状の断面形状を有する保持溝136aが全周
にわたって設けられている。プランジャ146の内周側
端部には、保持溝136aの断面形状に対応する円弧状
の断面形状を有する接続部146aが設けられている。
また、プランジャ146の最外周面には、固定溝146
bが全周にわたって設けられている。プランジャ146
は、接続部146aがプランジャステム136の保持溝
136aに収容された状態で、固定溝146bにガータ
ースプリング154が装着されることで、プランジャス
テム136の周囲に保持されている。この場合、プラン
ジャ146の接続部146aがプランジャステム136
の保持溝136aと円弧状の面で接触し、かつ、プラン
ジャ146が周方向に分割されていることで、図3の左
半分に破線で示す如く、プランジャ146はプランジャ
ステム136に対して、プランジャステム136の中心
軸に垂直な軸の周りを、第1コア48側及び第2コア5
0側に揺動することができる。なお、プランジャ146
の各分割部分の間に適当な間隔を設けて、各分割部分が
揺動した際の相互の干渉を防止することが好ましい。ま
た、ガータースプリング152に代えて、Cリングや金
属バンド等の他の任意の弾性的な保持手段を用いてもよ
い。
【0046】本実施例においても、上記第1実施例と同
様に、第1コイル62と第2コイル64とに、交互に適
当なタイミングで励磁電流を供給し、弁体12を閉弁側
変位端と開弁側変位端との間で繰り返し往復運動させる
ことで、電磁駆動弁を開閉させることができる。本実施
例の電磁駆動弁は、上記の如く、プランジャ146がプ
ランジャステム136に対して揺動可能に構成されてい
ることで、プランジャ146と第1コア48及び第2コ
ア50との着座音を低減させ得る点に特徴を有してい
る。以下、かかる特徴部を、プランジャ146が第1コ
ア48に吸引される場合について図5を参照して説明す
る。図5は、プランジャ146が第1コア48に吸引さ
れる過程を示す拡大図である。図5の右半分はプランジ
ャ146が第1コア48の近傍に達した状態を示し、左
半分はプランジャ146が第1コア48に完全に着座し
た状態を示している。
【0047】本実施例においても、上記第1実施例と同
様に、プランジャ146が第1コア48の近傍に達する
と、第1インナコア52がプランジャ146側に変位
し、プランジャ146がまず第1インナコア52と接触
することで、プランジャ146と第1コア48との衝突
音が抑制される。更に、本実施例の電磁駆動弁において
は、プランジャ146が揺動可能に構成されているた
め、プランジャ146が第1コア48に接近し、プラン
ジャ146と第1コア48との間に作用する磁気吸引力
が一定以上に増加すると、図5の右半分に示す如く、こ
の磁気吸引力により、プランジャ146は第1コア48
に向けて揺動する。このため、プランジャ146が第1
アウタコア56に吸着される過程で、プランジャ146
は、その外周側から内周側へ向けて次第に第1アウタコ
ア56に接触していくことになる。この場合、プランジ
ャ146と第1アウタコア56とが接触した部位におい
て第1コイル62の発生する磁束がバイパスされること
で、プランジャ146を第1アウタコア56に向けて駆
動する電磁吸引力が減少し、その結果、プランジャ14
6と第1アウタコア56との着座音が低減される。
【0048】また、プランジャ146が第1アウタコア
56に向けて変位しながら、その外周側から内周側へ向
けて次第に第1アウタコア56に接触していく過程で
は、プランジャ146が第1アウタコア56側に傾斜し
た状態から元の状態に向けて揺動する。この場合、プラ
ンジャ146と第1アウタコア56との当接面において
相対変位が生じ、この相対変位に伴って摩擦力が発生す
る。かかる摩擦力により、プランジャ146の変位速度
は抑制され、これにより、プランジャ146と第1アウ
タコア56との着座音は更に低減される。
【0049】なお、プランジャ146を上記の如く揺動
可能に構成しても、図5の左半分に示す如くプランジャ
146が第1アウタコア56に完全に着座した状態で、
両者間に作用する電磁吸引力が減少することはない。従
って、本実施例においても、プランジャ146を閉弁側
変位端に保持するのに必要な励磁電流が増加することが
防止されている。
【0050】なお、以上の記載においては、プランジャ
146が第1コア48に吸引される場合について説明し
たが、第2コア50に吸引される場合についても、プラ
ンジャ146が第2コア50側に揺動することで、全く
同様にプランジャ146と第2コア50との着座音を低
減することができる。このように、本実施例によれば、
プランジャ146がプランジャステム136に対して揺
動可能に構成されていることで、プランジャ146を開
弁側変位端及び閉弁側変位端に保持するのに必要な励磁
電流を増加させることなく、すなわち、電磁駆動弁の消
費電力を増加させることなく、プランジャ146と第1
コア48及び第2コア50との着座音をより効果的に抑
制することができる。
【0051】なお、上記実施例では、プランジャ146
を3つに分割するものとしたが、これに限らず、任意の
分割数とすることができる。また、上記実施例では、プ
ランジャステム136の外周面に設けた保持溝136a
にプランジャ146の内周側に設けた連結部146aを
収容させ、プランジャ146の最外周部の固定溝146
bにガータースプリング152を装着することにより、
プランジャ146を揺動可能に保持することとした。し
かしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、
例えば、アーマチャ146とプランジャステム136と
の接続部を板バネ構造とし、弾性的に揺動可能な構成と
するなどの、プランジャ146を揺動可能とする他の任
意の構成を用いることができる。
【0052】次に、本発明の第3実施例について説明す
る。本実施例の電磁駆動弁は、図1に示す構成におい
て、プランジャ46に代えてプランジャ246を用いる
ことにより実現される。図6は、本実施例の電磁駆動弁
が備えるプランジャステム36及びプランジャ246の
軸方向断面図である。また、図7は、プランジャステム
36及びプランジャ246を軸方向から見た状態を示す
図である。
【0053】図7に示す如く、プランジャ246は、上
記第2実施例のアーマチャ136と同様に、周方向に例
えば3つの部分に分割されている。また、図6に示す如
く、プランジャ246の各分割部分は、軟磁性材料から
なる例えば3層の薄板246a〜246cが積層されて
構成されている。薄板246a〜246cの内周側端面
は、プランジャステム36のプランジャ保持部36a
に、例えば、電子ビーム溶接、レーザ溶接、ろう付け、
接着剤等の固定手段により固定されている。従って、プ
ランジャ246を構成する薄板246a〜246cは、
それぞれ、図6の左半分にに破線で示す如く、プランジ
ャ保持部36aへの固定部を中心に、第1コア48側又
は第2コア50側へ撓むことができる。
【0054】本実施例においても、上記第1及び第2実
施例と同様に、第1コイル62と第2コイル64とに、
交互に適当なタイミングで励磁電流を供給し、弁体12
を閉弁側変位端と開弁側変位端との間で繰り返し往復運
動させることで、電磁駆動弁を開閉させることができ
る。本実施例の電磁駆動弁は、上記の如く、プランジャ
246が軸方向に積層された薄板246a〜246cに
より構成され、かつ、周方向に分割されていることで、
プランジャ246が第1コア48及び第2コア50に着
座する際の着座音を更に効果的に抑制し得る点に特徴を
有している。以下、かかる特徴部を、プランジャ246
が第1コア48に吸引される場合について図8を参照し
て説明する。
【0055】図8は、プランジャ246が第1コア48
に吸引される過程を示す拡大図である。図8の右半分は
プランジャ246が第1コア48の近傍に達した状態を
示し、左半分はプランジャ246が第1コア48に完全
に着座した状態を示している。本実施例においても、上
記第1及び第2実施例と同様に、プランジャ246が第
1コア48の近傍に達すると、第1インナコア52がプ
ランジャ246側に変位し、プランジャ246が先ず第
1インナコア52と接触することで、プランジャ246
が第1コア48に着座する際に生ずる着座音が抑制され
る。
【0056】更に、本実施例の電磁駆動弁においては、
プランジャ246が第1コア48に接近し、プランジャ
246と第1コア48との間の磁気吸引力が一定以上に
増加すると、図8の右半分に破線で示す如く、この磁気
吸引力により、第1コア48に最も近い側の薄板246
aが第1コア48に向けて撓みながら第1アウタコア5
6に当接する。そして、プランジャ246が第1コア4
8に接近するにつれて、第1コア48に近い側の薄板か
ら順次撓みながら、先に第1アウタコア56に接触した
薄板を介して第1アウタコア56に当接する。従って、
プランジャ246と第1アウタコア56との衝突に伴う
エネルギーは、各薄板246a〜246cと第1アウタ
コア56との当接に分散されることとなり、その結果、
プランジャ246が第1アウタコア56に着座する際に
生ずる着座音が低減される。また、プランジャ246が
第2コア50に吸引される場合も同様に、プランジャ2
46が第1アウタコア58に着座する際に生ずる着座音
が低減される。
【0057】なお、プランジャ246を上記の如く構成
しても、プランジャ246が第1アウタコア56又は第
2アウタコア58に完全に着座した状態で、プランジャ
246に作用する電磁吸引力が減少することはない。従
って、本実施例においては、プランジャ246を閉弁側
変位端及び開弁側変位端に保持するのに必要な励磁電流
が増加することが防止されている。
【0058】このように、本実施例によれば、プランジ
ャ246が周方向に分割され、かつ、薄板246a〜2
46cが積層されて構成されていることで、電磁駆動弁
の消費電力を増加させることなく、プランジャ246と
第1アウタコア56及び第2アウタコア58との着座音
をより効果的に抑制することができる。また、本実施例
においては、プランジャ246が薄板246a〜246
cを積層することにより構成されていることで、プラン
ジャ246に生ずる渦電流が大幅に低減される。従っ
て、本実施例によれば、電磁駆動弁の消費電力の低減を
図ることもできる。
【0059】なお、上記第3実施例では、プランジャ2
46を3層に積層された薄板246a〜246cにより
構成したが、これに限らず、プランジャ246を任意の
層数の薄板より構成することができる。また、プランジ
ャ246は、周方向に分割しなくともよい。なお、上記
第2及び第3実施例においては、第1実施例と同様に、
第1コア48及び第2コア50を、それぞれ、第1イン
ナコア52及び第2インナコア54と第1アウタコア5
6及び第2アウタコア58とに分割することとしたが、
これに限らず、第1コア48及び第2コア50を一体に
構成することとして、プランジャ146を揺動可能に構
成し、又は、プランジャ246を薄板の積層構造とする
ことによる着座音低減の効果のみを得ることしてもよ
い。
【0060】
【発明の効果】上述の如く、請求項1〜4記載の発明に
よれば、電磁駆動弁の消費電力を増加させることなく、
プランジャが電磁石に着座する際に発生する着座音を低
減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】内燃機関の排気バルブとして構成された本発明
の第1実施例である電磁駆動弁の構成図である。
【図2】本実施例の電磁駆動弁において、プランジャが
第1コアに吸引される過程を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例である電磁駆動弁が備える
プランジャステム及びプランジャの軸方向断面図であ
る。
【図4】本発明の第2実施例の電磁駆動弁が備えるプラ
ンジャステム及びプランジャを軸方向から見た状態を示
す図である。
【図5】本発明の第2実施例の電磁駆動弁において、プ
ランジャが第1コアに吸引される過程を示す図である。
【図6】本発明の第3実施例の電磁駆動弁が備えるプラ
ンジャステム及びプランジャの軸方向断面図である。
【図7】本発明の第3実施例の電磁駆動弁が備えるプラ
ンジャステム及びプランジャを軸方向から見た状態を示
す図である。
【図8】本発明の第3実施例の電磁駆動弁において、プ
ランジャが第1コアに吸引される過程を示す図である。
【符号の説明】
12 弁体 36、136 プランジャステム 46、146、246 プランジャ 48 第1コア 50 第2コア 52 第1インナコア 54 第2インナコア 56 第1アウタコア 58 第2アウタコア 66、68 弾性板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸方向に変位可能なプランジャと、電磁
    コイル及び該電磁コイルを収容するコアよりなり、該電
    磁コイルに励磁電流が供給されることにより前記プラン
    ジャを吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁において、 前記コアを、固定部と、該固定部に対して前記軸方向に
    変位可能に設けられた可動部とにより構成したことを特
    徴とする電磁駆動弁。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電磁駆動弁において、 前記コアの前記可動部が前記プランジャから離間する向
    きに所定位置まで変位した際に前記可動部に当接する弾
    性部材を設けたことを特徴とする電磁駆動弁。
  3. 【請求項3】 軸方向に変位可能なプランジャステム
    と、該プランジャステムに保持されたプランジャと、電
    磁コイル及び該電磁コイルを収容するコアよりなり、該
    電磁コイルに励磁電流が供給されることにより前記プラ
    ンジャを吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁におい
    て、 前記プランジャを、前記プランジャステムの周りに周方
    向に分割された複数の部材より構成すると共に、各部材
    を、前記コアに対して接近及び離間する方向に揺動可能
    に前記プランジャステムに接続したことを特徴とする電
    磁駆動弁。
  4. 【請求項4】 軸方向に変位可能なプランジャステム
    と、該プランジャステムに保持されたプランジャと、電
    磁コイル及び該電磁コイルを収容するコアよりなり、該
    電磁コイルに励磁電流が供給されることにより前記プラ
    ンジャを吸引する電磁石とを備える電磁駆動弁におい
    て、 前記プランジャを軸方向に積層された複数の薄板より構
    成し、かつ、各薄板の内周側端部を前記プランジャステ
    ムに接続したことを特徴とする電磁駆動弁。
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