JPH11269587A - 電解析出法による合金及びそれを用いた マイクロアレイコネクター - Google Patents

電解析出法による合金及びそれを用いた マイクロアレイコネクター

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JPH11269587A
JPH11269587A JP11988698A JP11988698A JPH11269587A JP H11269587 A JPH11269587 A JP H11269587A JP 11988698 A JP11988698 A JP 11988698A JP 11988698 A JP11988698 A JP 11988698A JP H11269587 A JPH11269587 A JP H11269587A
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ions
electrolytic
ion
mol
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Toru Yamazaki
徹 山崎
Takayasu Mochizuki
孝晏 望月
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明の解決しようとする課題
は,高硬度,高弾性変形能,かつ高塑性変形能とを併せ
有し,マイクロ構造体や長寿命表面被覆材として使用可
能な合金と,前記合金を用いて脱着が容易で,接触不良
が無く,脱着回数に対して高寿命の実用的な1次元又は
2次元マイクロコネクタとを提供することである. 【構成】 ニッケル,鉄,コバルト,タン
グステンおよびモリブデン等の金属イオンを含んだ水溶
液中に,金属錯化剤としてクエン酸イオンおよびアンモ
ニウムイオンを添加した電解水溶液を用いる.前記電解
水溶液中にて金属原子の電解析出効率の高い電解浴温度
および電解電流密度の条件下で電解析出された合金は,
高硬度,高弾性変形能・高塑性変形能を有する.これら
前記合金をマイクロアレイコネクタの電極として用いる
ことにより,高いビッカース硬度は接触摺動面の機械的
・化学的安定性を保証し,高弾性変形能と高塑性変形能
は充分な接触圧による低い接触電気抵抗と無破断による
長寿命とを保証する.

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【利用分野】本発明は,高硬度・高弾性変形能および高
塑性変形能を有する電解析出合金及び前記合金を用いる
ことによって,脱着が容易で耐久性の優れたマイクロア
レイコネクターに関するものである.詳しくはW等をN
i,CoおよびFeと水溶液中で陰極側に電解共析させ
るとともに水素原子の電解共析を抑制し,熱的に安定で
高硬度・高弾性変形能および高塑性変形能を有する超微
細結晶組織乃至非晶質組織を形成させ,前記電解析出合
金の機械的性質の改善を計ったものである,この優れた
機械的性質を利用して実用的で使い易いマイクロアレイ
コネクターを実現した.
【0002】
【従来の技術】電解析出合金は,基板となる素材に耐食
性・耐摩耗性等の機能を付与させることを目的に,主と
して表面被覆材料として利用されてきた.しかしなが
ら,近年になってLIGAプロセスに代表されるよう
に,主として電解析出金属を用いた複雑なマイクロ構造
体の作製技術の開発が進み,マイクロ構造体用の構造材
料として,高硬度・高延性・高熱安定性を有する電解析
出合金の開発が必要とされている.一方,半導体集積回
路の進展とともに電子機器も益々高密度化,多機能化が
求められている.特に,携帯電子機器では電子部品の実
装密度は100μm以下の配線密度へと進みつつある.
これらの電子回路の部品の補修,交換,又は後からの機
能交換のためには,半田付け接続では作業が極めて困難
で周辺の基板に許容されない熱変化を与える可能性があ
る.これらの問題を回避するのに前記マイクロ構造体を
利用してプラグとソケットから成る電気コネクターのマ
イクロ化と接続電極の数密度の増加が試みられてきた.
しかしながら,これまでにマイクロ構造体用に利用され
ている金属材料は主として電解析出法により作製された
純ニッケル材であり,構造材料としての硬度,引張およ
び疲労強度,耐食性,耐熱性,耐摩耗性ともに不十分で
ある.このような問題点を解決するため,Ni−P系を
代表例とする高硬度の電解析出合金が種々検討されてき
たが,従来から開発されている高硬度の電解析出合金の
すべては非常に脆く,これら合金を単独でマイクロ構造
材料として利用することは不可能であった.したがっ
て,従来の延長線上でプラグとソケットとの対をマイク
ロ化したコネクター(公開特許公報(A)昭61−11
0452)では,プラグとソケット部が接合して電気的
接触を得るために,これら金属電極に充分な弾性変形を
必要とするが残念ながら実現されていないため,マイク
ロ化や電極の数密度の増加によりコネクタの脱着が難し
くなったり,接触不良や着脱による電極の損傷を起こす
などの問題点が生じていた.即ち,接合電極の数密度が
増加するのに従い,電極断面寸法は益々小さくなるた
め,プラグとソケットの合わせ位置誤差やプラグとソケ
ットの寸法誤差を比例して縮小しない限り,接合したと
きにソケット部は弾性限界を超えて塑性変形するか破断
する,そのため,形状記憶合金を用い,複雑な3次元形
状のマイクロコネクタが発明された(特開平5−326
057)が,温度変化に敏感であることや複雑な形状を
要するなどの欠点があった.
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の解決しようと
する課題は,高硬度.高弾性変形能,かつ高塑性変形能
とを併せ有し,マイクロ構造体や高寿命表面被覆材とし
て使用可能な合金と,前記合金を用いて脱着が容易で,
接触不良が無く,脱着回数に対して長寿命の実用的な1
次元又は2次元マイクロコネクタとを提供することであ
る.
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明では,ニッケル,
鉄,コバルト,タングステンおよびモリブデン等の金属
イオンを含んだ水溶液中に,金属錯化剤としてクエン酸
イオンおよびアンモニウムイオンを添加し,さらに電気
伝導度を向上させるための高電導性の塩を添加した電解
水溶液を用いる.この水溶液中では陰極基板上への水素
の共析が抑制されることが本発明者らによって発見され
た.一方,前記電解水溶液中にて金属原子の電解析出効
率の高い電解浴温度および電解電流密度の条件下で電解
析出されたNi−W,Fe−W,Co−W,Ni−Fe
−W,Ni−W−MoおよびNi−Fe−W−Mo等の
合金はいずれも平均結晶粒サイズが100nm以下の超
微細な結晶粒組織乃至非晶質組織を有することが,やは
り本発明者らによって発見された.これらの前記合金は
ビッカース硬度500DPN以上の高硬度を示すにも関
わらず,室温での抗折曲げ試験において,歪量0.01
以上の弾性変形能を有するとともに,歪量1.0におい
ても破断を生じない高塑性変形能を有することができ
る.これら前記合金をマイクロアレイコネクタの電極と
して用いることにより,高いビッカース硬度は接触摺動
面の機械的・化学的安定性を保証し,高弾性変形能と高
塑性変形能は充分な接触圧による低い接触電気抵抗と無
破断による長寿命とを保証する.
【0005】すなわち,(請求項1)に係る発明は,
「W又はMo15〜30原子%を含有し,残部がNiも
しくはCoよりなる合金であって,水素含有量を5原子
%以下に制限することによって,ビッカース硬度500
DPN以上の高硬度を示し,かつ抗折曲げ試験における
歪量0.01以上の高弾性変形能を有し,歪量1.0に
おいても破断を生じない高塑性変形能を有することを特
徴とするニッケル基もしくはコバルト基電解析出合
金.」を要旨とし,(請求項2)に係る発明は「W又は
Mo20〜30原子%を含有し,残部がFeよりなる合
金であって,水素含有量を3原子%以下に制限すること
によって,ビッカース硬度500DPN以上の高硬度を
示し,かつ抗折曲げ試験における歪量0.01以上の高
弾性変形能を有し,歪量1.0においても破断を生じな
い高塑性変形能を有することを特徴とする鉄基電解析出
合金.」を要旨とする.ここで,W又はMoの含有量を
ニッケル基およびコバルト基合金において15〜30原
子%,鉄基合金において20〜30原子%と規定したの
は,これら合金のW又はMoの含有量は主として電解浴
温度および電解電流密度を制御することにより調整され
るが,その時,同時にW又はMo以外の成分,即ち水素
原子の含有量,Ni,Co,Fe等の含有量も決まるた
め,高硬度・高弾性変形能および高塑性変形能を有する
合金の組成の最適値は自ずから決まることに起因してい
る.上記の規定範囲を越えたW又はMoの含有量を得る
場合は高電解浴温度,高電解電流密度が必要となるか
ら,その場合には金属原子の電解析出効率が低下し,陰
極板上への水素原子の電解共析が活発となる.このた
め,得られた合金は水素脆化を生ずることにより高弾性
変形能および高塑性変形能を示さなくなる.また,W又
はMo含有量が上記規定範囲に満たない合金は低い電解
電流密度の合金作製条件で得ることはできるが,W又は
Mo原子の電解析出に必要な析出電位に到達せず,N
i,CoもしくはFeのみが選択的に電析するため,W
又はMoの含有量が減少し,高硬度性は失われる.
【0006】(請求項3)に係る発明は「W10〜25
原子%とMo0〜30原子との両者を含有するか,又は
その一方を含有し,残部がNi,Co又はFeの何れ
か,又は任意の割合のNi,CoおよびFeからなる合
金であって,水素含有量を5原子%以下に制限すること
によって,ビッカース硬度500DPN以上の高硬度を
示し,かつ抗折曲げ試験における歪量0.01以上の高
弾性変形能を有し,歪量1.0においても破断を生じな
い高塑性変形能を有することを特徴とする鉄基電解析出
合金.」を要旨とする.この場合,電解浴中にニッケル
イオン,コバルトイオンおよび鉄イオンを同時に添加す
ると,いずれの金属元素も電解析出電位が近いことか
ら,それぞれの金属イオン濃度比を調整することによ
り,容易にこれら金属元素を陰極板上に任意の割合で共
析させることができ,高硬度でかつ高塑性変形能を有す
る合金を得ることができる.また,電解浴中のタングス
テンイオンおよびモリブデンイオンについても,両金属
の電解析出電位が近いことから,これら金属イオン濃度
比を調整することにより,容易に両金属元素を陰極板上
に任意の割合で共析させることができる.特に,モリブ
デンは高濃度に電折させる事が容易であり,高耐熱性を
必要とする合金を作製する上で有用である.これらの金
属イオンを複合添加することにより3元素以上からなる
高硬度でかつ高弾性・高塑性変形能を有する合金を得る
ことができる.
【0007】(請求項4),(請求項5)および(請求
項6)に係る発明は,それぞれ(請求項1),(請求項
2)および(請求項3)の内,水素含有量を制限するた
めに必要な電解浴成分を規定したものである.
【0008】(請求項7),(請求項8)および(請求
項9)に係る発明は,それぞれ(請求項4),(請求項
5)および(請求項6)の内,水素含有量を制限するた
めに必要な各電解浴成分の濃度範囲,電解温度範囲およ
び電解電流密度の範囲を規定したものである.
【0009】(請求項10)に係る発明は,請求項1か
ら9までの何れかの合金を1次元又は2次元マイクロア
レイコネクタの電極材料として形成し,接続する電極対
を,対称形状として,相互接触させ,生じる弾性変形量
を電極対の両方に負担させることにより,着脱が容易
で,接触不良が無く,長寿命の性能を得る.
【0010】(請求項11)に係る発明は,請求項10
の内,対称な接触電極対として角柱の形状をもちいるこ
とにより,接触は角柱の側面で広く起こるため,接触圧
が比較的小さくても充分な電気伝導度が得られ,かつ,
電極対の位置の許容誤差も大きく単純なアレイ構造のた
め製造がし易く,着脱が容易で長寿命である.
【0011】(請求項12)に係る発明は,請求項10
の内,互いに接触する電極を柱状に形成し,その柱が絶
縁基板に対し垂直から0.5〜20゜の角度で傾斜させ
て形成することによって,絶縁基板同士の距離を請求項
10のガイドフレームに沿って縮めることで電極同士の
接触を安定に得ることができる.
【0012】
【作用】本発明による高硬度および高弾性・高塑性変形
能を有する電解析出合金を利用すれば,脆性破壊を生ず
ることのない高寿命・高信頼性の硬質マイクロ構造体を
作製することができる.また,Ni,CoおよびFe含
有量を調整することにより種々の磁気的特性を付与する
ことができ,センサー機能を有する硬質マイクロ構造体
の作製が可能となる.本合金を各種素材の表面被覆材と
して利用した場合においても,素材のわずかな変形によ
るクラックの発生を防止でき,高寿命・高信頼性の硬質
被覆材として幅広く利用できる.本発明による合金はい
ずれも多量のW又はMoを含有する効果により,材料表
面層に緻密なタングステン又はモリブデンの酸化層を形
成し,高い耐食性を示す.前記合金を電極材料として形
成し,接続する電極対を対称形状として相互接触させる
ことにより,弾性変形量を小さく抑え,かつ電極対の位
置の許容誤差も大きくでき,製造がし易く,着脱が容易
で長寿命の実用的な1次元又は2次元マイクロアレイコ
ネクタを実現できる.
【0013】
【実施例】以下,本発明に関する実施例を詳述するが,
これによって本発明が限定されるものではない. −−高硬度・高塑性変形能を有するNi−W電解析出合
金−− 図1に硫酸ニッケル(NiSO4−6H2O),タング
ステン酸ナトリウム(Na2WO4−H2O),クエン
酸ナトリウム(Na3C6H5O7−2H2O),塩化
アンモニウム(NH4Cl),臭化ナトリウム(NaB
r)から成る電解水溶液に白金陽極板と銅陰極板を用い
て電解浴温度を変化させたときの陰極板上へのNi−W
合金の電解析出速度の変化の典型例を示す.電解析出速
度は電解浴温度の上昇とともに増加し,最大値を示した
後,再び減少する.図中に示したように,電解析出速度
が最大植を示す浴温度付近において,曲げ歪量0.01
以上の高弾性変形能と,完全密着曲げ曲げ変形後(歪量
1.0の塑性変形後)においても破断しない合金の作製
が達成できる.このような高弾性変形能および高塑性変
形能を有する合金はX線回折測定結果から超微細な結晶
組織乃至非晶質組織を有することが確認され,ビッカー
ス硬度で500DPN以上の高硬度を示すことが確認さ
れた.
【0014】図2にNi−W合金の電解析出時の電解析
出速度と電解電流密度との関係を示す.いずれの条件下
においても電解電流密度の低い領域では,図中に示した
ように,この直線関係を満足する条件下では高弾性変形
能(曲げ歪量0.01以上)および完全密着曲げ変形後
(歪量1.0の塑性変形後)においても破断しない高塑
性変形能を有する高合金の作製が達成できる.一方,電
解電流密度が増加すると,しだいに析出速度の増加量は
減少し,それに伴って水素の電解共析が活発となること
から高弾性・塑性変形能を有する合金が得られなくな
る.以上のような,高弾性・塑性変形能を有する合金を
得るための適正な電解電流密度は,電解浴中に添加する
金属イオン濃度の増加に伴って高電解電流密度側へ拡大
する.
【0015】−−その他の高硬度・高延性を有する電解
析出合金−− Fe−WおよびCo−W合金を含むその他の電解析出合
金においても,上記のNi−W合金の場合と全く同様の
原理により,高硬度・高延性を有する合金を作製するこ
とができる. Fe−W合金においては硫酸アンモニウ
ム鉄(III)(Fe(NH4)(SO4)2−12H
2O)を,Co−W合金においては硫酸コバルト(Co
SO4−7H2O)を電解浴中に添加し,かつタングス
テン酸ナトリウム(Na2WO4−H2O),クエン酸
ナトリウム(Na3C6H5O7−2H2O),塩化ア
ンモニウム(NH4Cl),臭化ナトリウム(NaB
r)を添加した電解水溶液を作製した。これら電解浴を
用いて,電解浴温度を最大電解析出効率の高い浴温度お
よび電解密度の条件のもとで合金の電解析出を行うと,
高弾性変形能(曲げ歪量0.1以上)および完全密着曲
げ変形後(歪量1.0の塑性変形後)においても破断し
ない高塑性変形能を有する高合金の作成が達成できる.
このようなFe−WおよびCo−W合金は,先に述べた
Ni−W合金の場合と同様に,X線回折測定結果から超
微細な結晶組織乃至非晶質組織を有することが確認さ
れ,ビッカース硬度で500DPN以上の高硬度を示す
ことが確認された.
【0016】図3に本発明によるNi−W−Moの3元
素を含む高硬度・高延性電解析出合金のX線回折パター
ン例を示す.硫酸ニッケル(NiSO4−6H2O),
タングステン酸ナトリウム(Na2WO4−H2O),
モリブデン酸ナトリウム(Na2MoO4−2H2
O),クエン酸ナトリウム(Na3C6H5O7−2H
2O),塩化アンモニウム(NH4Cl),臭化ナトリ
ウム(NaBr)を添加した水溶液を用いて作製したN
i−W−Mo電解析出合金のX線回折ハターンを示す.
非晶質合金特有の幅の広いX線回折ピークを示すととも
に,多量のMoを含有している.また,曲げ歪量0.0
1以上の高弾性変形能と,完全密着曲げ曲げ変形後(歪
量1.0の塑性変形後)においても破断しない高塑性変
形能を有し,かつビッカース硬度で500DPN以上の
高硬度を示すことが確認された.
【0017】図4〜図7に示した実施例は微小電子回
路,微小電子部品同士の電気的接続をうるために本発明
の合金を用い,対称な形状をもって対向し,かつ1次元
又は2次元に配列して形成した電極対と,前記電極対同
士間の電気絶縁と機械的保持を行う絶縁基板と位置決め
に用い機械的固定に用いるガイドフレームより成る1次
元又は2次元のマイクロアレイコネクタに関する.
【0018】図4は本発明のコネクタが接合した時の断
面を表す.対向する電極2a,2bは側面をもって電気
的接点(接面)2cを介して接続し,各々絶縁基板3
a,3bに1次元又は2次元に配列して固定されてい
る.ガイドフレーム4は絶縁基板全体を保持し,その位
置決めを正確に行えるようはめ合わせの構造又は位置出
し用ガイド側面を持っている.ガイドフレーム4aと4
bとを留金6と留ねじ7とを用い互いに固定する.電極
2aと2bとは半田付3cを介して,回路基板1aとマ
イクロ電子部品5とに各々電気的に接合される.
【0020】図5は図4のA−A’面での電極対2の断
面を表す.図5(a)は電極2の2次元配列の例を表
し,図5(b)は1次元配列の例を表す.図6は図5の
電極2aと2bとが電気的接点(接面)を持つに至るま
での状態図を表す.ガイドフレームを利用して絶縁基板
が基板面に平行にスライドすることにより電極対が接触
し,電極対の弾性変形により適当な接触圧を得た位置で
停止,位置決めされるガイドフレームを固定してマイク
ロアレイコネクタの接合を完了する.
【0021】図7は絶縁基板面垂直方向に対し,電極傾
斜角度8で傾斜している電極2を表し,ガイドフレーム
4を垂直にスライドさせることにより絶縁基板距離9を
減少させて,電極2aと2bとが電気的接点(接面)を
持つに至るまでの状態図を表す.ガイドフレームを利用
して絶縁基板3が基板面垂直方向にスライドすることに
より電極対2が接触し,電極対の弾性変形により適当な
接触圧を得た位置で停止,位置決めされるガイドフレー
ム4を固定してマイクロアレイコネクタの接合を完了す
る.
【0022】
【発明の効果】本発明にかかる硬質電解析出合金は,従
来の硬質電解析出合金にはない高弾性・高塑性変形能を
有していることから,脆性的な破壊を生ずることがな
い.このため,本発明の合金とコネクター構造とを用い
ることにより,着脱が容易で,長寿命,信頼性の高い実
用的なマイクロアレイコネクタを提供する.勿論,本発
明の合金はマイクロコネクタのみならずマイクロロボッ
ト部品,また長寿命,高耐力の硬質被覆材を提供するこ
とは云うまでもない. 製造方法としては,LIGAプ
ロセスなどのリソグラフィー技術を利用するので多量生
産が可能で,コストの低減が図れる.また,本発明のマ
イクロアレイコネクタを採用すれば,ICパッケージを
より小型化することができるとともに,高密度多層プリ
ント基板の回路接続を容易にする.
【図面の簡単な説明】
【図1】Ni−W電解析出合金の電解析出速度と電解浴
温度との関係を示すグラフ.
【図2】Ni−W電解析出合金の電解析出速度と電解電
流密度との関係を示すグラフ.
【図3】Ni−W−Mo電解析出合金のX線回折パター
ン.
【図4】1次元又は2次元マイクロアレイコネクタ断面
図.
【図5】接続電極が接触したときの断面図(図4のA−
A’面). (a)2次元アレイ配列の場合. (b)1次元アレイ配列の場合.
【図6】1次元又は2次元マイクロアレイコネクタの一
実施例であるマイクロコネクタの接合状態図. (a)ガイドフレームで初期位置合わせ完了時. (b)ガイドフレームに沿って絶縁基板を基板に平行に
スライドさせて対向する電極が接触した時. (c)更に基板をスライドさせて充分な接触圧を得た
時,接続完了.
【図7】1次元又は2次元マイクロアレイコネクタの一
実施例であるマイクロコネクタの接合状態図. (a)ガイドフレームで初期位置合わせ完了時. (b)ガイドフレームに沿って絶縁基板間隔を縮小させ
て対向する電極が接触した時. (c)更に絶縁基板間隔を縮小させて充分な接触圧と接
触面積を得た時,接続完了.
【符号の説明】
1 回路基板 1a 配線 2 コネクタ電極 2c 接点(接面) 3 電極保持絶縁基板 3a 半田付接点 4 コネクタ位置出しガイドフレーム 5 マイクロ電子部品 6 留金 7 留めネシ 8 電極傾斜角度 9 絶縁基板距離

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 W又はMo15〜30原子%を含
    有し,残部がNiもしくはCoよりなる合金であって,
    水素含有量を5原子%以下に制限することによって,ビ
    ッカース硬度500DPN以上の高硬度を示し,かつ抗
    折曲げ試験における歪量0.01以上の高弾性変形能を
    有し,歪量1.0においても破断を生じない高塑性変形
    能を有することを特徴とするニッケル基もしくはコバル
    ト基電解析出合金.
  2. 【請求項2】 W又はMo20〜30原子%を含
    有し,残部がFeよりなる合金であって,水素含有量を
    3原子%以下に制限することによって,ビッカース硬度
    500DPN以上の高硬度を示し,かつ抗折曲げ試験に
    おける歪量0.01以上の高弾性変形能を有し,歪量
    1.0においても破断を生じない高塑性変形能を有する
    ことを特徴とする鉄基電解析出合金.
  3. 【請求項3】 W10〜25原子%とMo0〜
    30原子との両者を含有するか,又はその一方を含有
    し,残部がNi,Co又はFeの何れか,又は任意の割
    合のNi,CoおよびFeからなる合金であって,水素
    含有量を5原子%以下に制限することによって,ビッカ
    ース硬度500DPN以上の高硬度を示し,かつ抗折曲
    げ試験における歪量0.01以上の高弾性変形能を有
    し,歪量1.0においても破断を生じない高塑性変形能
    を有することを特徴とする電解析出合金.
  4. 【請求項4】 請求項1の内,水素含有量を5原
    子%以下に制限するために,ニッケルイオンもしくはコ
    バルトイオンと,タングステンイオン又はモリブテンイ
    オン含み,クエン酸イオン,アンモニウムイオンを含む
    電解液を用いて電解析出させることによって形成される
    ことを特徴とするニッケル基もしくはコバルト基電解析
    出合金.
  5. 【請求項5】 請求項2の内,水素含有量を3原
    子%以下に制限するために,鉄イオンと,タングステン
    イオン又はモリブデンイオンを含み,クエン酸イオン,
    アンモニウムイオンを含む電解液を用いて電解析出させ
    ることによって形成されることを特徴とする鉄基電解析
    出合金.
  6. 【請求項6】 請求項3の内,水素含有量を5原
    子%以下に制限するために,ニッケルイオン,コバルト
    イオン又は鉄イオンの何れか,又は任意の割合のニッケ
    ルイオン,コバルトイオンおよび鉄イオンを含み,かつ
    タングステンイオン,モリブデンイオン,クエン酸イオ
    ン,アンモニウムイオンを含む電解液を用いて電解析出
    させることを特徴とする電解析出合金.
  7. 【請求項7】 請求項4の内,水素含有量を5原
    子%以下に制限するために,ニッケルイオン0.01〜
    0.5mol/Lもしくはコバルトイオン0.01〜
    0.5mol/Lを含み,かつタングステンイオン0.
    03〜1.0mol/L又はモリブデンイオン0.00
    1〜0.1mol/Lおよび,クエン酸イオン0.05
    〜3.0mol/L,アンモニウムイオン0.1〜3.
    0mol/Lを含む成分の電解液を用いて,電解浴温度
    50〜90度,電解析出電流密度50A/dm2以下の
    条件で電解析出させることによって形成されることを特
    徴とするニッケル基もしくはコバルト基電解析出合金.
  8. 【請求項8】 請求項5の内,水素含有量を3原
    子%以下に制限するために,鉄イオン0.01〜0.5
    mol/L,タングステンイオン0.03〜1.0mo
    l/L又はモリブテンイオン0.001〜0.1mol
    /Lおよび,クエン酸イオン0.05〜3.0mol/
    L,アンモニウムイオン0.1〜3.0mol/Lを含
    む成分の電解液を用いて,電解浴温度50〜90度,電
    解析出電流密度30A/dm2以下の条件で電解析出さ
    せることによって形成されることを特徴とする鉄基電解
    析出合金.
  9. 【請求項9】 請求項6の内,水素含有量を5原
    子%以下に制限するために,ニッケルイオン0.01〜
    0.5mol/L,コバルトイオン0.01〜0.5m
    ol/L以下又は鉄イオン0.01〜0.5mol/L
    の何れか,又は上記成分範囲にあって任意の割合のニッ
    ケル,コバルトおよび鉄イオンを含み,かつタングステ
    ンイオン0.03〜1.0mol/L,モリブテンイオ
    ン0.001〜0.1mol/L,クエン酸イオン0.
    05〜3.0mol/L,アンモニウムイオン0.1〜
    3.0mol/Lを含む成分の電解液を用いて,電解浴
    温度50〜90度,電解析出電流密度50A/dm2以
    下の条件で電解析出させることことによって形成させる
    ことを特徴とする電解析出合金.
  10. 【請求項10】 LIGAプロセス又は同じ効果を
    持つリソグラフィープロセスによって基板上にレジズト
    パターンを作成して前記レジズトパターンの間隙に請求
    項1〜9の何れかの合金を電解析出又はスパッタリング
    で形成することにより,プラグとソケットの区別なく対
    称の等しい形状を与えられ,弾性変形による接触圧をも
    って接触する接続電極対を1次元又は2次元に配列して
    保持し,それら電極の電気絶縁と機械的保持を行う絶縁
    基板及びスライド位置合わせ機能を持つガイドフレーム
    とより成ることを特徴とするマイクロコネクターで,マ
    イクロ電子素子を電気的に接続するための機械的に切離
    し可能な1次元又は2次元マイクロアレイコネクター.
  11. 【請求項11】 請求項10において,互いに接
    触する電極の断面として正方形又は長方形をもち,全体
    としては角柱の形状をもった接続電極を1次元又は2次
    元アレイ状に配列して保持することを特徴とする1次元
    または2次元マイクロコネクター.
  12. 【請求項12】 請求項10において,互いに接
    触する電極を柱状に形成し,その柱が絶縁基板に対し垂
    直から0.5〜20゜の角度で傾斜して形成されている
    ことを特徴とする1次元又は2次元マイクロアレイコネ
    クター.
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