JP4868123B2 - 金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜、電気めっき液及び電気めっき方法 - Google Patents

金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜、電気めっき液及び電気めっき方法 Download PDF

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Description

本発明は、電気機器部品の端子のめっき皮膜として有用であり、電気特性及び機械特性に優れた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜、この金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を成膜できる電気めっき液、及びこの電気めっき液を用いた電気めっき方法に関する。
電気・電子部品のコネクター、小型リレー、プリント配線板などにおいて、特に、高信頼性を要求される部位の電気接点材料として、現在、硬質金めっき皮膜と呼ばれる金めっき皮膜が広く使用されている。硬質金めっき皮膜は、金にコバルト、ニッケル等が添加されたもので、金本来の良好な導電性や化学的安定性を低下させることなく皮膜の硬度を向上させたものである。この硬質金めっき皮膜は、金の微細結晶(20〜30nm)が結合した微細構造を有しており、この微細構造により、接点材料に要求される耐摩耗性を得るために最低限必要とされる硬さ(ヌープ硬さでHk=170程度)が得られるものと考えられる。
一方、近年の電子部品の小型化に伴い、電気接点のサイズも微小化しているが、このような微小接点において形成されるめっき皮膜も小サイズ化、薄膜化され、高い摩耗性を得るために更なる硬度の向上が求められている。
また、近い将来には、接点のサイズが上述した硬質金めっき皮膜の微細結晶のサイズに近づくものと考えられ、このような微細な接点上に、上述したような硬質金めっき皮膜を形成した場合、皮膜を構成する微細結晶の絶対数が少なくなるために、現在適用されている程度の大きさの接点上に硬質金めっき皮膜を形成した場合と同等の耐久性が得られなくなることが予想される。
なお、本発明に関連する先行技術文献情報としては、以下のものがある。
特開昭60−33382号公報 特開昭62−290893号公報 川合慧,「金−ニッケル合金メッキの析出構造の研究」,金属表面技術,1968年,Vol.19,No.12,p.487−491 清水保雄 他1名,「電析Au−Ni合金の微細構造と相に関する電子顕微鏡的研究」,金属表面技術,1976年,Vol.27,No.1,p.20−24 渡辺徹著,「ファインプレーティング めっき膜の構造制御技術とその解析法」,技術情報協会,2002年2月,p256−262 小見崇 他2名,「Ni−W合金めっき皮膜の高W含有率化と皮膜特性」,金属表面技術,1988年,Vol.39,No.12,p.809−812 渡辺徹,「めっき法による非晶質合金の形成機構」,表面技術,1989年,Vol.40,No.3,p.21−26
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、良好な導電性や化学的安定性を有しつつ硬度が向上した耐摩耗性に優れた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜、この金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を成膜できる電気めっき液、及びこの電気めっき液を用いた電気めっき方法を提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、シアン化金塩、ニッケル塩及びタングステン酸塩を所定濃度で含有し、好ましくは更に、有機酸又はその塩等の錯化剤を含有する電気めっき液を用いて電気めっきすることにより、微細結晶を有さない均質なアモルファス相で形成された金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜が得られ、この膜が、金本来の良好な接触抵抗値や化学的安定性を実用上問題にならない程度に維持しつつ、硬度が向上したものとなることを知見し、本発明をなすに至った。
従って、本発明は、微細結晶を有さない均質なアモルファス相で形成されてなり、金及びニッケルを含む金属成分を97.5質量%以上、及び炭素を2.5質量%以下で含有し、上記金属成分中の金及びニッケルの組成が、金及びニッケルの総量として98質量%以上、かつ金/ニッケル=(59.5/39.6)(77.2/22.6)(質量比)であることを特徴とする金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜、この金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を形成するための電気めっき液であって、シアン化金塩を金基準で0.01〜0.1mol/dm3の濃度、ニッケル塩をニッケル基準で0.02〜0.2mol/dm3の濃度、及びタングステン酸塩をタングステン基準で0.1〜0.5mol/dm3の濃度で含有することを特徴とする電気めっき液、並びにこの電気めっき液を用いて被めっき物上に金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を形成することを特徴とする電気めっき方法を提供する。
本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、微細結晶を有さない均質なアモルファス相により形成されており、金本来の良好な接触抵抗値や化学的安定性を実用上問題にならない程度に維持しつつ、硬度が向上したものであることから、リレー等の電気・電子部品の接点材料として有用である。
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、微細結晶を有さない均質なアモルファス相で形成されている。
電気・電子部品の接点材料としては、接点同士が接触したときの電気抵抗が低くなければならず、また、接点材料の使用環境で変質しないことなどの化学的安定性が必要であり、その観点から、金系のめっき皮膜は有効である。一方、上述したような微小接点でも硬度を下げることがないめっき皮膜の微細構造としては、結晶性の構造よりもアモルファス相構造が理想的である。
本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、金とニッケルとを含むものであると共に、その微細構造は、微細結晶を有さない均質なアモルファス相構造であり、これらの特徴により、良好な接触抵抗値及び化学的安定性と共に、従来の金又は金合金めっき皮膜にはない高い硬度が達成される。このような微細結晶を有さないアモルファス相構造は、X線回折(XRD)パターン、透過型電子顕微鏡(TEM)像及び透過型高エネルギー電子線回折(THEED)像により確認することができる。
本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、金属成分として金及びニッケルを含み、金属成分を97.5質量%以上、好ましくは98質量%以上の含有率で含有するものであることが好ましい。金属成分の含有率が97.5質量%未満では、十分な電気的特性が得られないおそれがある。また、金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜の導電性及び化学的安定性と硬度とがバランスよく得られる点から、金属成分中の金及びニッケルの組成が、金及びニッケルの総量として98質量%以上、特に99質量%以上、更には99.5質量%以上であることが好ましく、また金とニッケルとの比が、金/ニッケル=1.5〜5.0(質量比)、好ましくは2.2〜5.0(質量比)、より好ましくは2.6〜4.1(質量比)、更に好ましくは3.2〜3.5(質量比)であることが好ましい。本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜にあっては、金の含有率が比較的少ない場合であっても十分な化学的安定性を有しており、高価な金の使用を減らしてめっき皮膜を適用する部品のコストを抑えることが可能となる。
また、本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、金属成分以外に炭素を2.5質量%以下、好ましくは2質量%以下の含有率で含有していることが好ましい。
本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、シアン化金塩、ニッケル塩及びタングステン酸塩を含有する電気めっき液を用いた電気めっきにより形成することができる。
この電気めっき液にはシアン化金塩、ニッケル塩及びタングステン酸塩が含まれるが、シアン化金塩として具体的には、シアン化金カリウム、シアン化金ナトリウム、シアン化金リチウムなど、ニッケル塩として具体的には、硫酸ニッケル、硝酸ニッケルなど、タングステン酸塩として具体的には、タングステン酸ナトリウム、タングステン酸カリウムなどが挙げられる。めっき液中のシアン化金塩濃度は金基準で0.01〜0.1mol/dm3、好ましくは0.015〜0.04mol/dm3、より好ましくは0.02〜0.035mol/dm3、ニッケル塩濃度はニッケル基準で0.02〜0.2mol/dm3、好ましくは0.05〜0.1mol/dm3、より好ましくは0.07〜0.08mol/dm3、タングステン酸塩濃度はタングステン基準で0.1〜0.5mol/dm3、好ましくは0.15〜0.25mol/dm3、より好ましくは0.17〜0.19mol/dm3である。
また、この電気めっき液は、更に錯化剤を含有することが好ましい。この錯化剤としては錯化作用及びpH緩衝作用を有する有機酸又はその塩が挙げられ、有機酸及びその塩としてはクエン酸、酒石酸、リンゴ酸及びそれらのナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。めっき液中の錯化剤の濃度は0.1〜0.5mol/dm3、特に0.17〜0.34mol/dm3、とりわけ0.24〜0.27mol/dm3であることが好ましい。
なお、この電気めっき液は中性又は酸性、特に弱酸性であることが好ましく、その好適なpHは5以上、好ましくは6以上であって、10以下、好ましくは9以下、より好ましくは7以下であるが、特に6前後が好ましい。なお、pH調整には、NH3などの従来公知のpH調整剤を用いることができる。
電気めっき条件は、特に限定されるものではないが、めっき温度は50〜80℃、特に65〜75℃が好適である。陰極電流密度もめっき液の組成により変わり、特に限定されるものではないが、低電流密度域(例えば3mA/cm2以上10mA/cm2未満)及び高電流密度域(例えば20mA/cm2を超え200mA/cm2以下)の両方で金/ニッケル=1.5〜5.0(質量比)のアモルファス金−ニッケル系合金めっき皮膜を得ることができる。また、アノードには白金等の不溶性アノードを用いることができる。また、ニッケルをアノードとして用いてもよい。一方、被めっき物としては、電気配線などに用いられる銅などの金属材料が挙げられる。この金属材料は、金属基材又は非金属基材上に下地層として形成したものであってもよい。なお、攪拌の有無は問わず、また、パルス電流により電流を印加してもよい。
この電気めっき液を用いて電気めっきすることにより形成される金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜には、金属成分として金及びニッケルが含まれるが、金属成分として、更にタングステンが含まれる場合がある。この場合、タングステンの含有量は、電気めっき液中に相当量のタングステン(タングステン酸塩)が含まれているにもかかわらず比較的少量となり、金属成分中の含有率として、例えば、2質量%以下、特に1質量%以下、更には0.5質量%以下とすることができる。また、場合によっては痕跡程度、更にはめっき皮膜の組成分析で一般に用いられる分析手法では検出されないこともある。
従って、この電気めっき方法によれば、電気めっき液中の各成分の組成や電気めっき条件を適宜選定することによって、金、ニッケル及びタングステンがいずれも検出されるアモルファス合金めっき皮膜、即ち、金−ニッケル−タングステンアモルファス合金めっき皮膜と、タングステンが検出されない金−ニッケルアモルファス合金めっき皮膜の双方が形成される。このタングステンが検出されない金−ニッケルアモルファス合金めっき皮膜には、不純物量以上のタングステンではあるが、めっき皮膜の組成分析で一般に用いられる分析技術では検出されない程度の量のタングステンを含有するものが含まれる。
特に、金、ニッケル及びタングステンを含む上記金−ニッケル−タングステンアモルファス合金めっき皮膜は、含有する金属成分が金、ニッケル及びタングステンのみからなるものであることが好ましいが、その場合であっても不純物量で他の金属成分は含有していてもよい。
本発明によれば、接触抵抗が5mΩ以下、特に4mΩ以下、とりわけ3mΩ以下、また、ヌープ硬さがHk=200以上、特にHk=250以上、更にはHk=300以上、とりわけHk=400以上という、優れた接触抵抗と硬度とを有する金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を得ることができる。また、本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、300℃以下のアニール処理では、微細結晶を有さない均質なアモルファス相が変化する(即ち、結晶化が起こって微細結晶が生成する)ことはなく、また、アニール処理前後の接触抵抗もほとんど変化しない。
本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜は、その優れた接触抵抗値及び化学的安定性と共に、従来の金又は金合金めっき皮膜にはない高い硬度を有するという特徴から、電磁開閉器、ブレーカー、サーモスタット、リレー、タイマー、各種スイッチ、プリント配線基板などの電気・電子部品の端子等の導通接点として有効である。
以下、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
[実施例1]
KAu(CN)2を0.035mol/dm3、NiSO4・6H2Oを0.076mol/dm3、Na2WO4・2H2Oを0.182mol/dm3、クエン酸を0.258mol/dm3含有し、アンモニア水によりpHを6に調整した電気めっき液を用い、温度70℃、電流密度150mA/cm2で純度99.96%の銅板上に金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜(膜厚5μm)を形成した。なお、アノードには白金板を用い、めっき中のめっき浴の攪拌は実施しなかった。
得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜をXRD、TEM及びTHEEDにより分析した。XRDパターンを図1に、TEM像及びTHEEDパターンを図2に示す。これらの結果から、得られためっき皮膜は、アモルファス構造をとっていることがわかる。また、得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜の組成を分析した。金属成分についての結果を表1に示す。また、金、ニッケル及びタングステン以外に非金属元素として炭素が1.6質量%、窒素が0.07質量%の含有率で検出された。更に、めっき皮膜のヌープ硬さ及び接触抵抗を測定したところ、ヌープ硬さはHk=464、接触抵抗は2.2mΩであった。
なお、各分析、測定の方法及び条件は、以下のとおりである(以下の例において同じ)。
XRD
理学電機社製 RINT−TTRによる:CuKα(50kV/200mA)
TEM及びTHEED
日立製作所製H8100Aによる:加速電圧200kV 明視野像
金属組成
日本電子社製JAX−8600による:EDS−EPMA法
非金属元素測定
LECO社製無機組成元素分析装置CS−444,TC−436による
ヌープ硬さ
JIS Z 2251に準じて測定:荷重49.0mN(HK0.005) 荷重保持時間5秒 銅板上に形成された30μm厚みのめっき皮膜で測定した
接触抵抗
山崎精機製電気接点シミュレータCRS−112−ALによる:四端子法で、荷重1N、印加電流10mAの条件で測定
また、得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を、以下の条件でアニール処理して熱安定性(アモルファス相の熱安定性及び接触抵抗の熱安定性)を評価した。アモルファス相の安定性はXRDパターンにより評価した。結果を図3に示す。また、接触抵抗の測定結果を図4に示す。なお、比較として、一般的なコバルトハードゴールド(CoHG)を成膜したものの接触抵抗の熱安定性を図4に併記した。
アモルファス相の熱安定性
アニール温度(保温温度)を各々200℃,300℃又は400℃とし、アニール処理時間を昇温1時間、保温1時間、冷却1.5時間として大気雰囲気下で処理した。なお、XRD分析の方法及び条件は上記と同様である。
接触抵抗の熱安定性
2,5インチHD基板(材質:アルミ基板上に非晶質NiP8μmを成膜し、研磨したもの)上に膜厚1μm光沢純Niからなる下地層をめっきにより形成し、この上に測定する対象のめっき皮膜を膜厚0.2μmで形成し、200℃、大気雰囲気下でアニール処理し、アニール処理前後の接触抵抗を上記と同様の方法及び条件で経時的に測定した。
図3のXRDパターンから、300℃以下のアニール処理では、得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜の結晶化は進行しないことがわかる。また、図4から、CoHGの接触抵抗が加熱時間と共に急激に上昇するのに対して、金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜の接触抵抗はほとんど変化せず、極めて安定であることがわかる。
[実施例2]
KAu(CN)2を0.0175mol/dm3とした以外は、実施例1と同様にして金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。XRDパターンを図1に示す。XRDパターンは実施例1と同様であり、得られた合金がアモルファスであることがわかる。また、組成の分析結果を表1に示す。
[実施例3]
KAu(CN)2を0.035mol/dm3、NiSO4・6H2Oを0.057mol/dm3、Na2WO4・2H2Oを0.182mol/dm3、クエン酸を0.258mol/dm3含有し、アンモニア水によりpHを9に調整した電気めっき液を用い、温度70℃、電流密度150mA/cm2で純度99.96%の銅板上に金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜(膜厚5μm)を形成した。なお、アノードには白金板を用い、めっき中のめっき浴の攪拌は実施しなかった。
得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜をXRDにより分析したところ、アモルファス構造をとっていることが確認された。また、得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜の組成を分析した。金属成分についての結果を表1に示す。また、金、ニッケル及びタングステン以外に非金属元素として炭素が1.8質量%の含有率で検出された。更に、めっき皮膜のヌープ硬さ及び接触抵抗を測定したところ、ヌープ硬さはHk=426、接触抵抗は2.2mΩであった。
[比較例1]
KAu(CN)2を0.0035mol/dm3とした以外は、実施例1と同様にして金−ニッケル系合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。XRDパターンを図1に示す。XRDパターンは実施例1,2とは異なり、2つに分かれている。得られた合金はアモルファスNiWとAu又はAuNi合金結晶との混相であり、アモルファス合金単一相ではないことがわかる。また、組成の分析結果を表1に示す。
[比較例2]
Na2WO4・2H2Oを含有させなかった以外は実施例1と同様にして金−ニッケル系合金めっき皮膜を形成し、得られためっき皮膜について、分析、測定した。XRDパターンを図1に示す。XRDパターンは実施例1,2とは異なり、2θ=40°付近に鋭いピークが見られ、アモルファス構造をとっていないことがわかる。また、組成の分析結果を表1に示す。この場合、金とニッケルとの組成比が実施例1と実施例2との間にあるにもかかわらず、アモルファス構造をとっておらず、この結果は、本発明の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜の形成にはタングステンが重要な働きをしていることを示している。
なお、図1に示したXRDパターンにおいて、2θ=50°及び74°付近に見られる鋭いピークは基板の銅によるものである。
また、実施例1の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜のヌープ硬さは、金合金めっき皮膜の中では硬度が高いとされるアディティブフリーハードゴールド(AFHG)、ニッケルハードゴールド(NiHG)、CoHGのヌープ硬さがHk=200に届かない程度であるのに対し、それらの2〜3倍に相当する高い硬度を有していることがわかる。
実施例1,2で得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜及び比較例1,2で得られた金−ニッケル系合金めっき皮膜のXRDパターンを示す図である。 実施例1で得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜のTEM像及びTHEEDパターンを示す図である。 実施例1で得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜のアニール処理前後のXRDパターンを示す図である。 実施例1で得られた金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜、及びCoHGのアニール処理前後の接触抵抗の変化を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 微細結晶を有さない均質なアモルファス相で形成されてなり、金及びニッケルを含む金属成分を97.5質量%以上、及び炭素を2.5質量%以下で含有し、上記金属成分中の金及びニッケルの組成が、金及びニッケルの総量として98質量%以上、かつ金/ニッケル=(59.5/39.6)(77.2/22.6)(質量比)であることを特徴とする金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜。
  2. 上記金属成分として、更にタングステンを含有すると共に、上記金属成分中のタングステンの含有率が2質量%以下であることを特徴とする請求項1記載の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜。
  3. 接触抵抗が5mΩ以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜。
  4. ヌープ硬さがHk=200以上であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項記載の金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を形成するための電気めっき液であって、シアン化金塩を金基準で0.01〜0.1mol/dm3の濃度、ニッケル塩をニッケル基準で0.02〜0.2mol/dm3の濃度、及びタングステン酸塩をタングステン基準で0.1〜0.5mol/dm3の濃度で含有することを特徴とする電気めっき液。
  6. 更に、錯化剤を含有することを特徴とする請求項5記載の電気めっき液。
  7. 錯化剤を0.1〜0.5mol/dm3の濃度で含有することを特徴とする請求項6記載の電気めっき液。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項記載の電気めっき液を用いて被めっき物上に金−ニッケル系アモルファス合金めっき皮膜を形成することを特徴とする電気めっき方法。
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