JP7213390B1 - 銀めっき皮膜及び該銀めっき皮膜を備えた電気接点 - Google Patents

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Abstract

【課題】高温環境下でも、高い導電性と耐摩耗性を有する銀めっき皮膜及び該銀めっき皮膜を備えた電気接点を提供することを課題とする。【解決手段】ビスマスを0.02wt%以上、1wt%未満含有し、かつ、結晶子サイズが230Å以下である銀めっき皮膜。ビスマスを0.02wt%以上、1wt%未満含有し、かつ、結晶子サイズが230Å以下である銀めっき皮膜を備えた電気接点。【選択図】なし

Description

本開示は、銀めっき皮膜に関する。特にはコネクタ、スイッチ、リレーなどの電気接点や端子部材として、好適な銀めっき皮膜に関する。
銀(Ag)めっき皮膜は、導電性が高いことから、電子部品に広く利用されている。電子部品における、コネクタ、スイッチ、及びリレーをはじめとする電気接点や端子部材では、挿抜や摺動によって摩耗することから、導電性に加えて耐摩耗性が要求されている。耐摩耗性を付与するためには、主に、硬度の向上や摩擦の低減といった手段が用いられる。
例えば、特許文献1には、コネクタ用銀めっき端子について、銅又は銅合金からなる母材の表面に、結晶粒の大きな銀めっき層により被覆することで銅の拡散に起因する接触抵抗の上昇を防ぎ、さらに最表面に結晶粒の小さい銀めっき層で被覆することで硬度を改善する技術が提案されている。
また、特許文献2には、銀めっき皮膜にセレンを含有させることで、硬度を高く維持したまま、接触抵抗の増加を防止する技術が提案されている。特許文献3には、0.1~2.0質量%のアンチモンを含有させ、硬度を上げた銀めっき皮膜を用いる方法が記載されている。さらに、特許文献4には、最表層にアンチモン濃度が0.5質量%以上のビッカース硬度Hv140以上の銀合金層が形成された銅又は銅合金部材が開示されている。
さらに、特許文献5では、銀-ビスマス合金層を含む物品であって、1~10質量%のビスマスを含有させることで摩擦係数を1以下とする技術が提案されている。
特開2008-169408号公報 特開2016-145413号公報 特開2005-133169号公報 特開2009-79250号公報 特開2021-66953号公報
電子部品における、コネクタ、スイッチ、リレーをはじめとする電気接点や端子部材では、挿抜や摺動によって摩耗することから、導電性に加えて耐摩耗性が要求されている。また、近年では、電気自動車の普及に伴い、大電流が流れる電子部品も増えており、大電流下では電子部品が発熱するため、繰り返し挿抜や摺動を伴う電気接点や端子部材では、高温環境下でも、高い導電性(低い接触抵抗)と耐摩耗性を維持することが求められている。
しかし、特許文献1、2の構成では、接触抵抗を低く保ったまま、最表面の銀または銀合金めっき層の初期硬度を向上できるものの、高温環境下では銀の再結晶が進行し、結晶粒径の粗大化を伴い、大きく硬度が低下するといった問題がある。
また、特許文献3、4では、銀めっき皮膜にアンチモンの含有率が多くなると、銀の純度が低下するため接触抵抗が低下する。さらに、高温環境下では、拡散によりめっき表面にアンチモンが濃化し、これが酸化することにより接触抵抗が上昇するといった問題がある。さらにアンチモンは人体への毒性が高いといった問題もある。
また、特許文献5の構成では、初期硬度の向上や高温下における硬度の維持は期待できるものの、比抵抗の大きいビスマスを多く含むため、初期接触抵抗を小さくすることが困難であるとともに、高温下では、さらにビスマスの酸化に起因する接触抵抗の上昇が大きいといった問題がある。
かかる諸問題に鑑み、本開示の課題は、高温環境下でも、高い導電性と耐摩耗性を有する銀めっき皮膜及び当該銀めっき皮膜を備えた電気接点を提供することである。
本開示の要旨は、以下に示す通りである。
[1]ビスマスを0.02wt%以上、1wt%未満含有し、かつ、結晶子サイズが230Å以下である銀めっき皮膜。
[2]接触抵抗が2mΩ以下である[1]に記載の銀めっき皮膜。
[3]180℃、100時間、熱処理後の接触抵抗が2mΩ以下である[1]又は[2]に記載の銀めっき皮膜。
[4]ビッカース硬度がHv135以上である[1]又は[2]に記載の銀めっき皮膜。[5]180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度がHv135以上である[1]又は[2]に記載の銀めっき皮膜。
[6]180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度の低下量がHv20以内である[5]に記載の銀めっき皮膜。
[7][1]~[6]のいずれか一に記載される銀めっき皮膜を備えた電気接点。
本開示によれば、高温環境下においても、高い導電性と耐摩耗性を有する銀めっき皮膜及び当該銀めっき皮膜を備えた電気接点を提供することができる。
本発明の実施形態に係る銀めっき皮膜は、ビスマスを0.02wt%以上、1wt%未満含有し、かつ、結晶子サイズが230Å以下である。ビスマス(Bi)が0.02wt%以上含有することで、高温環境下における銀めっき皮膜の硬度低下を抑制することができる。
ビスマス含有率は、好ましくは、0.05wt%以上であり、より好ましくは0.1wt%以上であり、特に好ましくは、0.5wt%以上である。一方、ビスマス含有率が1wt%未満であることで、高温環境下における接触抵抗の上昇を抑制でき、高い導電性を維持することができる。
また、本実施形態に係る銀めっき皮膜は、その結晶子サイズが230Å以下であることにより、さらに硬度が向上して、耐摩耗性を向上させることができる。銀めっき皮膜の結晶子サイズは、好ましくは200Å以下であり、さらに好ましくは150Å以下である。
高温環境下での接触抵抗の上昇は、銀めっき皮膜に含有される異種元素が銀めっき皮膜表面に濃化し、酸化されることにより生じる。したがって、皮膜表面に濃化され難いこと、そして、酸化され難い異種元素であれば、高温環境下での接触抵抗の上昇が抑制できると考えられる。ビスマスは、アンチモンと比較して酸化物の標準生成ギブズエネルギーが大きく、酸化物を作り難いという性質がある。
アンチモンをはじめとする異種元素との合金化は、再結晶の進行を抑制する(硬度の維持)作用とともに、硬度を上昇させるようにも作用する。しかし、上述の通り、高温環境下では異種元素が酸化して、接触抵抗が上昇するため、少量の異種元素によって、再結晶
の進行を抑制して硬度を維持させる必要がある。ビスマスは、室温での銀への固溶度が非常に小さいためピン止め効果が働きやすく、僅かな含有率で再結晶を抑制でき、さらに熱処理にて時効硬化も期待できる。
一方、ビスマス含有率が低すぎると、固溶強化や析出強化といった異種元素の含有に起因する初期硬度の向上作用は減少する。本実施形態の銀めっき被膜においては、結晶子サイズを小さくすることによって、結晶微細化強化の作用が加わり、低いビスマス含有率であっても、高い硬度を得ることができる。
本実施形態に係る銀めっき皮膜は、接触抵抗が2mΩ以下であることが好ましい。より好ましくは、接触抵抗が1.5mΩ以下であり、特に好ましくは1mΩ以下である。接触抵抗が低ければ、導通性に優れた電気接点として有用である。
また、本実施形態において、銀めっき皮膜は、180℃、100時間、熱処理した後(熱処理後)の接触抵抗が2mΩ未満であることが好ましい。熱処理後の接触抵抗は1.5mΩ以下であることがより好ましく、1mΩ以下であることが特に好ましい。熱処理により接触抵抗の大きく上昇すると、通電による発熱量が増え、更なる接触抵抗を上昇や皮膜の軟化を促進し、電気接点としての性能低下につながるため好ましくない。
本実施形態に係る銀めっき皮膜は、ビッカース硬度がHv135以上であることが好ましい。より好ましくは、ビッカース硬度は、Hv150以上であり、特に好ましくは、Hv170以上である。硬度が高いほど、耐摩耗性に優れた電気接点として有用である。
また、本実施形態において、銀めっき皮膜は、180℃、100時間、熱処理後(熱処理後)のビッカース硬度がHv135以上であることが好ましい。より好ましくは、熱処理後のビッカース硬度は、Hv150以上であり、特に好ましくは、Hv170以上である。熱処理により硬度が低下すると、耐摩耗性が低下し、電気接点としての性能低下につながるため好ましくない。
本実施形態に係る銀めっき皮膜は、180℃、100時間、熱処理した後(熱処理後)のビッカース硬度の低下量がHv20以内であることが好ましい。より好ましくは、熱処理後のビッカース硬度の低下量はHv10以内であり、特に好ましくはHv5以内である。ビッカース硬度の大きな低下は、耐摩耗性を低下させるため好ましくない。
ビッカース硬度の低下量は、以下の式によって算出されるものである。
(熱処理前のビッカース硬度)-(熱処理後のビッカース硬度)=(熱処理後のビッカース硬度の低下量)
なお、熱処理により硬度が高くなることは特に問題にないため、ビッカース硬度の増加量は特に問わない。
本実施形態に係る銀めっき皮膜の製造方法の一例を示す。但し、本実施形態に係る銀めっき皮膜は、以下の製造方法によって得られるものに限定されない。なお、製造方法が不必要に不明瞭になることを避けるため、公知事項についての詳細な説明は省略する。
基材(めっき対象物)に対して、下記めっき浴を用いて電解めっきを施すことで、基材の表面に所定量のビスマスを含有する微細な結晶の銀めっき皮膜を形成することができる。電解めっきは、以下の条件で行うことができる。
(めっき浴成分の一例)
シアン化銀カリウム(銀として):40~120g/L
シアン化カリウム:50~150g/L
ビスマス化合物(ビスマスとして):0.2~50g/L
カルボン酸塩:1.5~150g/L
硫黄系光沢剤:0.1~10g/L
(電解めっきの条件)
電流密度:0.5~10A/dm
pH:11~14
液温:25~55℃
めっき浴の成分と電解方法は、ビスマス化合物を含むシアン浴であり、かつ、結晶の微細な皮膜が得られれば、特に上記に限定されない。ビスマス化合物は、ビスマス源として用いており、例として、酸化ビスマス、塩化ビスマス、硝酸ビスマス等が挙げられる。カルボン酸塩は、ビスマスを浴中に安定に溶存させるための配位子として用いており、例として、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩等が挙げられる。硫黄系光沢剤は、結晶を微細化するための添加剤として用いており、例として、チオ硫酸、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベンゾイミダゾール類、チオシアン酸塩、チオ尿素等が挙げられる。
また、結晶を微細化する添加剤であれば特に硫黄系光沢剤に限定されないが、接触抵抗を上昇させる成分、例えばアンチモン等が含まれていないものを用いることが好ましい。さらに、結晶の微細化する方法としては、必ずしも上記のようにめっき浴に添加剤を用いることに限定されず、例えばパルスめっきなどの電解条件による方法を用いてもよい。
次に、本発明の実施例及び比較例について説明する。なお、以下の実施例は、代表的な例を示しているもので、本発明は、これらの実施例によって制限される必要はなく、明細書の記載される技術思想の範囲で解釈されるべきものである。
本実施例、比較例における銀めっき皮膜の各種物性評価は、以下の通りとした。
<めっき膜厚及びBi含有率>
日立ハイテクサイエンス株式会社の蛍光X線膜厚計160hを用い、試料中央部を測定径0.1mm、管電圧45V、管電流1000μA、1次フィルターとして、A1を用いて、薄膜FP法により測定した。銀及びビスマスの特性X線として、それぞれKα線及びLα線を測定に使用した。
<接触抵抗の測定>
株式会社山崎精機研究所製の電気接点シミュレーターCRS-113-AU型(Auワイヤー、φ0.5mm)を用い、試料中央部を荷重0.05N、操作荷重1mm、操作速度1mm/min、5点測定の条件で試料の接触抵抗を1回測定し、各測定点結果の平均値を算出した。
<ビッカース硬度の測定>
株式会社ミツトヨの微小硬さ試験機HM-221を用いて、ビッカース圧子により試料中央部を0.05N~0.1Nの荷重で5回測定し、その平均値を算出した。
<結晶子サイズの測定>
株式会社リガク製のX線回折装置(SmartLabII)を用いて、試料中央部をスキャンステップ0.02°、スキャン範囲30~150°、スキャンスピード40°/min、入射スリット1.00mm、受光スリット「open」、検出器をHypix-3000にて測定し、算出した。結晶子サイズは{200}面の回折線からシェラー式K=0.94で測定を行った。
(実施例1~5)
基材として角型銅板(2.5cm×2cm)にアルカリ電解脱脂、酸洗をして、表面を
洗浄化した後、無光沢スルファミン酸ニッケル浴(スルファミン酸ニッケル:450g/L、液温:55℃、pH:4、電流密度2ASD)にて電解めっきを行い、基材の表面に膜厚1μmのニッケルめっき膜を形成した。
次いで、密着性を高めるために銀ストライク浴(シアン化銀カリウム:3.7g/L、シアン化カリウム:100g/L、液温:30℃、pH:12、電流密度2ASD)にて5~10秒間電解し、ニッケルめっき上に銀ストライクめっきを施した。
その後、ニッケルめっき膜及び銀ストライクめっき膜が形成された基材に、上記の条件で銀めっき皮膜を形成し、所定量のビスマスを含有する銀めっき皮膜を形成した。実施例1~5で形成した銀めっき皮膜に含まれるビスマスの含有率、結晶子サイズを表1に示す。
以上によって得られた銀めっき皮膜について、ビッカース硬度及び接触抵抗を測定した。なお、ビッカース硬度及び接触抵抗は、熱処理前(初期値)と熱処理後(180℃、100時間)において、測定を行った。その結果を表1に示す。表1に示す通り、実施例1~5のいずれにおいても、熱処理後の接触抵抗が低く、ビッカース硬度も高い値を示した。
Figure 0007213390000001
(比較例1~5)
基材として角型銅板(2.5cm×2cm)にアルカリ電解脱脂、酸洗をして、表面を洗浄化した後、無光沢スルファミン酸ニッケル浴(スルファミン酸ニッケル:450g/L、液温:55℃、pH:4、電流密度2ASD)にて電解めっきを行い、基材の表面に膜厚1μmのニッケルめっき膜を形成した。
次いで、密着性を高めるために銀ストライク浴(シアン化銀カリウム:3.7g/L、シアン化カリウム:100g/L、液温:30℃、pH:12、電流密度2ASD)にて5~10秒間電解し、ニッケルめっき上に銀ストライクめっきを施した。
その後、ニッケルめっき膜及び銀ストライクめっき膜が形成された基材に、以下の条件で銀めっき皮膜を形成した。比較例1~5で形成した銀めっき皮膜に含まれるビスマスの含有率、結晶子サイズを表1に示す。
(めっき浴の組成)
シアン化銀カリウム(銀として):35~100g/L
シアン化カリウム:65~125g/L
ビスマス化合物(ビスマスとして):0.2~50g/L
カルボン酸塩:1.5~150g/L
硫黄系光沢剤:1~10g/L
炭酸カリウム:0~20g/L
(電解めっきの条件)
陰極電流密度:1~10A/dm
pH:11~14
液温:25~55℃
以上によって得られた銀めっき皮膜について、ビッカース硬度及び接触抵抗を測定した。なお、ビッカース硬度及び接触抵抗は、熱処理前と熱処理後(大気中、180℃、100時間)において、測定を行った。その結果を表1に示す。
比較例1においては、ビスマスを含有せず、かつ結晶子サイズも285Åと大きいため、ビッカース硬度がHv95と低く、さらに、熱処理後のビッカース硬度はHv58となり、熱による硬度低下が大きいという結果が得られた。
比較例2においては、結晶子サイズが170Åと小さいが、ビスマスを含有しないため、ビッカース硬度がHv127と低く、さらに、熱処理後のビッカース硬度がHv57となり、熱による硬度低下が大きいという結果が得られた。
比較例3においては、ビスマスを0.05wt%含有しているものの、結晶子サイズが236Åと大きいため、ビッカース硬度がHv119と低く、熱処理後のビッカース硬度もHv115と低い結果が得られた。
比較例4においては、ビスマスを0.56wt%含有しているものの、結晶子サイズが232Åと大きいため、ビッカース硬度がHv129と低く、熱処理後の硬度はHv130という結果が得られた。
比較例5においては、ビスマス含有率が高いため、熱処理後の接触抵抗が2.7mΩとなり、接触抵抗の上昇が大きい結果となった。
本実施形態に係る銀めっき皮膜は、高温環境下でも、高い導電性と耐摩耗性を有するという、優れた効果を有する。本実施形態に係る銀めっき皮膜は、コネクタ、スイッチ、リレーをはじめとする電気接点や端子部材用途として好適である。特に、大電流が流れ、発熱する電子部品の電気接点や端子部材用途として好適である。

Claims (7)

  1. ビスマスを0.02wt%以上、1wt%未満含有し、かつ、結晶子サイズが230Å以下である銀めっき皮膜。
  2. 接触抵抗が2mΩ以下である請求項1に記載の銀めっき皮膜。
  3. 180℃、100時間、熱処理後の接触抵抗が2mΩ以下である請求項1又は2に記載の銀めっき皮膜。
  4. ビッカース硬度がHv135以上である請求項1又は2に記載の銀めっき皮膜。
  5. 180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度がHv135以上である請求項1又は2に記載の銀めっき皮膜。
  6. 180℃、100時間、熱処理後のビッカース硬度の低下量がHv20以内である請求項5に記載の銀めっき皮膜。
  7. 請求項1又は2に記載される銀めっき皮膜を備えた電気接点。
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