JPH05133835A - ノツクセンサ - Google Patents

ノツクセンサ

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JPH05133835A
JPH05133835A JP3300713A JP30071391A JPH05133835A JP H05133835 A JPH05133835 A JP H05133835A JP 3300713 A JP3300713 A JP 3300713A JP 30071391 A JP30071391 A JP 30071391A JP H05133835 A JPH05133835 A JP H05133835A
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JP
Japan
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electrode
bonding
piezoelectric element
wire
terminal
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JP3300713A
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English (en)
Inventor
Nobuo Kurata
信夫 倉田
Kenji Harada
健司 原田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明はノックセンサに関し、ノックセンサ内
に設けられた圧電素子とターミナルとのワイヤボンディ
ングによる接続の信頼性を向上させることを目的とす
る。 【構成】圧電素子16のターミナル14と接続される側
の電極を、圧電素子本体16b側の電極16dとボンデ
ィングワイヤ19a,19bが接続される側の接続電極
19e-1,16e-2との2重構造とする。接続電極19
eは、ビスマス(Bi)の含有率を0.5%以下とする
と共に、銀(Ag)成分のAg粒子径を5μm以下とす
る。これにより、電極16dと圧電素子本体16bとの
密着力を維持したまま、接続電極16eとワイヤ19
a,19bとの接合強度を向上させることができる。ま
た、粒子径の小さい高価な電極を小さい範囲に限定して
設けることができるため、コスト上昇を最小限に抑える
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はノックセンサに係り、特
に圧電素子を用いてエンジンのノッキングを検出する共
振型のノックセンサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、エンジンのノッキングで発生する
振動数と同一固有振動数を有する振動板と、この振動板
に取り付けられ振動板の振動を電気信号に変換する圧電
素子とを設けた構成のノックセンサがある。更にこのノ
ックセンサには、圧電素子からの電気信号を外部へ引き
出すためのターミナルが設けられており、このターミナ
ルと圧電素子の電極との間は、リード線が半田付けされ
て電気的に接続されている。また、圧電素子は一般的に
耐熱温度が低い(約 150℃)ため、上記リード線の半田
付けにおいては比較的高温となるリフロー半田処理やデ
ィップ半田処理が実施できず、人手による半田付けが行
われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、上記従来の
ノックセンサでは、リード線の一端が振動板に設けられ
た圧電素子の電極に人手による半田付けで接合されてい
るため、個々の製品において半田重量のばらつきが発生
し、量産される製品において安定的に振動板の固有振動
数を所定の共振周波数に合致させることが困難であっ
た。このため、製品間において品質および特性のばらつ
きが発生した。
【0004】そこで、本出願人は上記課題に鑑み、平成
2年7月20日付、特願平2-192490号にて上記課題を解
決する提案を行った。この提案は、ノックセンサにおい
て上記圧電素子の電極とターミナルとの間の電気的接続
をワイヤボンディングにより行う構成である。圧電素子
の電極とターミナルとの間をワイヤボンディングで接続
することにより、従来における半田が不要となるため、
製品間における品質および特性のばらつきを防止でき、
また、特に超音波ボンディングによれば圧電素子を加熱
する必要がなく、耐熱温度の低い圧電素子への接続方法
としては好適であった。
【0005】しかしながら、通常、圧電素子上に構成さ
れたAg電極には、半田付け時のぬれ性の改善、および
圧電素子本体のピエゾ素子に使用されているセラミック
素材とAg電極との密着力の向上を目的として酸化ビス
マス(Bi2O3 )が含有されている。ここで上記超音波ボ
ンディングは原子間同士の結合(拡散結合あるいは金属
間結合)で達成されており、また、上記Bi2O3 等の酸化
物は多量に含有されると、ひし形単結晶を生成し、電極
表面上に存在するようになる。上記提案内容では、Bi2O
3 の酸化物の単結晶がAg電極表面に多量に現れてお
り、ボンディングワイヤであるアルミニウム(Al)ワ
イヤとAg電極との原子間同士の結合が困難となり、A
g電極とボンディングワイヤの接合強度が低下してしま
う。また、ボンディングワイヤであるAl金属と上記ひ
し形単結晶は熱膨張係数が1けた異なるため、接合界面
での熱ストレスによる応力の発生から、Ag電極とボン
ディングワイヤの接合の耐久劣化が早期に発生してしま
う。
【0006】また、通常、圧電素子のAg電極には、コ
スト低減の観点からAg粒子径の比較的大きいもの(5
〜20μm)が使用されている。一般的にワイヤボンディ
ングでは接合面が平滑なほど接合強度を高めることがで
きる。このため、上記提案内容ではボンディングワイヤ
のAg電極への接合強度が弱い。
【0007】このように、上記提案のワイヤボンディン
グによる接合では、通常の圧電素子のAg電極が、Bi
2O3 を含有していること、Ag粒子径の比較的大きい
ものを使用していること、の2点により、ボンディング
ワイヤのAg電極への接合強度および接合の耐久性にお
いて問題が残る。
【0008】尚、圧電素子上にワイヤボンディングに適
するニッケル(Ni)メッキ、Alメッキ、Al蒸着、
金(Au)メッキ等の加工処理をする案も検討されてい
る。しかしながら、メッキの下地として圧電素子上に処
理するペーストはAgペーストが最も良いものの、メッ
キ前の酸洗浄で酸化してしまうため安定したメッキ層を
形成することが困難である。また、メッキ処理時、ガラ
メッキ工程(ローラ内にワークを入れて回転させながら
行う)では、圧電素子が薄く、互いにぶつかり合って欠
損等が発生する確率が高いため、上記同様に安定したメ
ッキ層を形成することが困難である。
【0009】そこで本発明は上記課題に鑑みなされたも
ので、ワイヤボンディングによるAg電極とターミナル
との接合において、コスト上昇をもたらすことなく、ボ
ンディングワイヤとAg電極との接合強度および接合の
耐久性を向上させ、電気的接続の信頼性を向上させたノ
ックセンサを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明は、圧電素子の銀(Ag)電極と該圧
電素子からの出力信号を外部へ引き出すためのターミナ
ルとの接続をワイヤボンディングにより接続するノック
センサであって、前記銀(Ag)電極を、圧電素子本体
側の第1の電極と、ボンディングワイヤが接続される側
の第2の電極との2重構造とし、且つ、前記第2の電極
におけるビスマス(Bi)の含有率を0.5%以下とす
る構成である。
【0011】また、請求項2の発明は、圧電素子の銀
(Ag)電極と該圧電素子からの出力信号を外部へ引き
出すためのターミナルとの接続をワイヤボンディングに
より接続するノックセンサであって、前記銀(Ag)電
極を、圧電素子本体側の第1の電極と、ボンディングワ
イヤが接続される側の第2の電極との2重構造とし、且
つ、前記第2の電極における銀(Ag)粒子径を5μm
以下とする構成である。
【0012】
【作用】請求項1の発明において、Ag電極を2重構造
とし、ボンディングワイヤが接続される側の第2の電極
のみBiの含有率を0.5%以下に減らすことにより、
第1の電極と圧電素子本体との密着力はそのまま維持さ
れ、第2の電極とボンディングワイヤとの接合強度およ
び接合の耐久性は向上する。このため、圧電素子のター
ミナルに接続される側のAg電極は、圧電素子本体との
良好な密着力を維持すると共に、ワイヤボンディングに
よるボンディングワイヤとの接合強度および接合の耐久
性を向上させる。
【0013】請求項2の発明において、Ag電極を2重
構造とし、ボンディングワイヤが接続される側の第2の
電極のみAg粒子径を5μm以下に小さくすることによ
り、第2の電極とボンディングワイヤとの接合強度は向
上し、また、Ag粒子径が小さい、よって高価である第
2の電極をボンディングワイヤが接続される小さい範囲
に限定することができる。このため、圧電素子のターミ
ナルに接続される側のAg電極は、コスト上昇を最小限
に抑えてワイヤボンディングによるボンディングワイヤ
との接合強度を向上させる。
【0014】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。
【0015】図1は本発明の一実施例であるノックセン
サ10を示している。同図において、11は一端が開口
した金属製のハウジングであり、他端(下部)にはネジ
部11aが一体的に形成されている。このネジ部11a
はエンジンハウジング(図示せず)に形成されたネジ穴
に螺合され、よってノックセンサ10はエンジンに固定
される。従って、エンジンにノッキングが発生した場合
には、その振動はハウジング11に伝達される。
【0016】また、ハウジング11に形成された上記開
口部分には金属ベース12及びコネクタ13が装着され
る。金属ベース12は導電材よりなり、中央部分には貫
通孔12aを有した環状形状とされている。この金属ベ
ース12の上部には凹部12bが形成されており、この
凹部12bにコネクタ13に形成された凸部13aが嵌
着している。更に、下面の貫通孔12aの周縁には円錐
台状の突起12cが形成されている。
【0017】コネクタ13は絶縁部材よりなり、その中
央部分にはターミナル14がインサート成形により植設
されている。このターミナル14は下端がコネクタ13
の下部より突出しており、またその上端部はコネクタ1
3に形成されたソケット挿入部13b内に突出してい
る。
【0018】15は一定の共振周波数を保つ金属製の振
動板であり、中央部に孔を有する環状形状とされてい
る。振動板15はこの孔の周囲部分が金属ベース12に
形成された突起12cに溶接されることにより金属ベー
ス12に固定される。また、16はピエゾ素子等の圧電
素子であり、振動板15の下面に接着固定され、振動板
15の振動を電荷に変換する素子である。圧電素子16
が一体的に装着された振動板15の固有振動数は、エン
ジンにノッキングが生じることにより発生する振動の振
動数と一致するよう構成されている。そして、ノッキン
グに共振した振動板15の振動は圧電素子16により電
荷に変換され、ターミナル14を介して外部に引き出さ
れる。
【0019】圧電素子16と上記ターミナル14との電
気的接続は、後述するようにワイヤボンディングにより
行われ、ボンディングワイヤ19a,19bにより直接
接続される。
【0020】上記の各要素から構成されるノックセンサ
10は次のようにして組み立てられる。
【0021】先ず振動板15,圧電素子16が固定され
た金属ベース12に、ターミナル14が植設されている
コネクタ13を組み付ける。この組み付け状態におい
て、ターミナル14の先端は金属ベース12に形成され
た貫通孔12aを貫通して圧電素子16の近傍位置まで
延出するよう構成されている。また、ターミナル14が
貫通した貫通孔12a内には、ワイヤボンディング時に
おける横振動補強およびシールを目的としてポッティン
グ17が配設される。この状態において、ターミナル1
4と圧電素子16間でワイヤボンディングが実施され
る。
【0022】上記のように組み付けられた金属ベース1
2及びコネクタ13は、ハウジング11内に挿入され、
ハウジング11上部を巻き締めることにより固定され
る。またこの際、巻き締め部分にOリング18が介装さ
れ、防水性が保持されるよう構成されている。
【0023】図2は図1中、振動板15、圧電素子1
6、ターミナル14の振動板15側の先端部分の拡大断
面図を示す。
【0024】圧電素子16は、中央に孔16aを設けて
環状とされた圧電素子本体16bの上下両面に電気的接
続を行う電極16c,16dが形成されている。この電
極16c,16dにも上記孔16aに対応した位置に孔
が形成され、よって圧電素子16全体は環状の形状とさ
れている。また、下面側の電極16dの上記孔の近傍位
置とされる表面上には、小さい寸法の矩形状の2つの接
続電極16e-1,16e-2(接続電極16e-1,16e
-2を代表して接続電極16eという)が孔を挟んで 180
度反対側に夫々形成されている。
【0025】上面側の電極16c(この端子はアース端
子となる)は振動板15への上記接着により振動板15
に電気的に接続され、金属ベース12を介してボデーア
ースされる。また、下面側の電極16d(この端子は出
力端子となる)とターミナル14との電気的接続は、接
続電極16eとターミナル14の先端部14aとの間に
おいて、本出願人が先に提案したようにワイヤボンディ
ングにより行われている。従って、ターミナル14の先
端部14aと接続電極16eとの間にはボンディングワ
イヤ(アルミニウム線等/以下、単にワイヤという)1
9a,19bが夫々配線されている。即ち、下面側の電
極は、圧電素子本体16b側の前記第1の電極に該当す
る電極16dと、ワイヤ19a,19bが接続される側
の前記第2の電極に該当する接続電極16eとにより2
重構造とされている。
【0026】上記圧電素子16の電極16c,16dお
よび接続電極16e夫々の組成は表1のように構成され
ている。
【0027】
【表1】
【0028】電極16c,16dの組成は従来の圧電素
子のAg電極と同一構成であり、その特徴としてビスマ
ス(Bi)、即ち酸化ビスマス(Bi2O3 )か多く含有さ
れ、これによって、上記の如く電極16c,16dと圧
電素子本体16bに使用されているセラミック素材との
密着力の向上が図られている。また、接続電極16eの
成分構成は電極16c,16dの組成に比べてBiの量
が0〜0.5%と低減された構成とされている。
【0029】先に本出願人が提案した内容では、上記の
如くAg電極が酸化ビスマス(Bi2O 3 )を多く含有し、
これによりBi2O3 によるひし形単結晶がAg電極の表面
上に多量に現れるため、ワイヤボンディングによるワイ
ヤとAg電極との接合強度および接合の耐久性が低下し
ていた。
【0030】しかしながら本実施例においては、ワイヤ
19a,19bが接続される接続電極16eのBi成分
の量が低く抑えられているために、接続電極16eの表
面上に現れるひし形単結晶の量は極めて少なくなる。そ
の結果、ワイヤ19a,19bと接続電極16eとの原
子間同士の結合が良好となり、ワイヤ19a,19bと
接続電極16eとの接合強度を向上させることができ
る。また、上記の如くワイヤ19a,19bと熱膨張係
数が格段に異なるBi2O3 の単結晶が接続電極16eの表
面上に現れておらず、Alのワイヤ19a,19bは、
Alに近い熱膨張係数を有するAg成分の多い接続電極
16eの表面上に結合される。このため、接合界面での
熱ストレスによる応力の発生は少なく抑えられ、ワイヤ
19a,19bと接続電極16eとの接合は耐久性にお
いても向上する。
【0031】このように、圧電素子16のターミナル1
4に接続される側の電極を、電極16dと接続電極16
eとの2重構造とし、接続電極16eのみBiの含有率
を減らすことにより、電極16dは圧電素子本体16b
との密着力をそのまま維持し、接続電極16eはワイヤ
19a,19bとの接合強度および接合の耐久性を向上
させることができる。即ち、電極16d,16eからな
る圧電素子16の下面側の電極は、圧電素子本体16b
との良好な密着力を維持し、しかも、ワイヤボンディン
グによるワイヤ19a,19bとの接合強度および接合
の耐久性を向上させることができる。
【0032】また、接続電極16eの銀(Ag)成分の
Ag粒子径は、従来の圧電素子のAg電極のAg粒子径
に比べて小さい5μm以下の粒子径とされている。
【0033】先に本出願人が提案した内容では、上述し
たようにコスト低減の観点から圧電素子のAg電極にA
g粒子径の比較的大きいもの(5〜20μm)が使用さ
れ、このため、ワイヤボンディングによるワイヤとAg
電極との接合強度を低下せしめていた。
【0034】しかしながら本実施例においては、ワイヤ
19a,19bが接続される接続電極16eのAg成分
のAg粒子径を5μm以下の小さいものとすることによ
り、接続電極16eの表面は大きい粒子径の場合と比べ
て平滑となり、これによってもワイヤボンディングによ
るワイヤ19a,19bと接続電極16eとの接合強度
を向上させることができる。また、小さいAg粒子径に
よりAg電極を形成するとAg電極自体かなり高価なも
のとなるが、本実施例においては、小さいAg粒子径と
する高価とされる部分が接続電極16eの小さい範囲に
限定されるため、小さいAg粒子径のAg電極を用いる
ことによるコスト上昇を最小限に抑えることができる。
【0035】このように、圧電素子16のターミナル1
4に接続される側の電極を、電極16dと接続電極16
eとの2重構造とし、接続電極16eのみAg粒子径を
5μm以下に小さくすることにより、大幅なコスト上昇
をもたらすことなくワイヤボンディングによるワイヤ1
9a,19bとの接合強度を向上させることができる。
【0036】図3乃至図5は本発明者が行った上述した
接続電極16eの組成およびAg粒子径による効果を証
明するための実験結果を示す。
【0037】図3は表1に示すAgを主成分とした電極
において、Bi含有量と、ワイヤボンディングによる電
極とワイヤとの接合強度の関係を示すグラフである。同
図においては、Bi含有量が0.5%を上回る段階から
接合強度に強度低下方向へのばらつきが認められる。こ
れは接合界面上におけるBi2O3 の単結晶の割合が増加
し、それにより安定した接合が困難となっていることを
証明している。図3における接合強度は、接合直後の初
期接合強度を示しているが、図3に示す実験結果より、
Bi含有量を0.5%以下とするとこで、初期接合強度
はばらつくことなく安定的に高い水準となることが分か
る。
【0038】図4はBi含有量をパラメータとして、冷
熱衝撃サイクル(熱サイクル)のサイクル数と接合強度
との関係を示すグラフであり、Bi含有量による接合の
耐久劣化状況の違いを示している。図4では、図3にお
いて初期接合強度が高い水準であったBi含有量0〜
0.5%のものが耐久劣化が少なく、耐久性においても
優れていることが分かる。また、Bi含有量が1%また
は1.8%程度と多くなると、あるサイクル数から急激
に接合強度が低下してしまう。これは、上述したように
接合界面上におけるBi2O3 の単結晶の割合が増加する
と、ワイヤと単結晶との熱膨張係数の違いにより応力が
発生し、耐久劣化が早期に発生してしまうことを証明し
ている。また、Bi含有量0%の方が0.5%の場合よ
りも耐久性が若干上回っていることから、Biはワイヤ
ボンディングにおいて無いことが望ましい成分であるこ
とが分かる。
【0039】図5は電極のAg成分のAg平均粒子径と
接合初期の相対接合強度との関係を示すグラフである。
同図において相対接合強度は、Ag平均粒子径が0〜5
μmの範囲においてばらつきが少なくしかも高い水準に
あり、Ag平均粒子径が5μm以上の範囲においては強
度が低下する方向へ大きくばらついてしまうことが認め
られる。この傾向は、上述したようにワイヤボンディン
グは接合面が平滑であるほどその接合強度が高まるとい
う特性を証明している。尚、図中、Ag平均粒子径0μ
mはAgメッキの場合の接合結果であり、1〜5μmの
粒子径の場合でもAgメッキと同様に安定的に高い初期
接合強度を有することができる。従って、図5に示す実
験結果より、Ag平均粒子径を5μm以下とすること
で、初期接合強度はばらつくことなく安定的に高い水準
となることが分かる。
【0040】以上の実験結果からも証明されるように、
本実施例では接続電極16eのBi成分を0.5%以下
に低減し、また、接続電極16eのAg成分のAg粒子
径を5μm以下の小さなものにすることにより、ワイヤ
ボンディングによるワイヤ19a,19bの接続電極1
6eへの接合強度および接合の耐久性を、ばらつきを排
除して安定的に向上させることができる。その結果、本
実施例のノックセンサ10の電気的接続の信頼性を向上
することができる。
【0041】
【発明の効果】上述の如く、請求項1の発明によれば、
第1の電極と圧電素子本体との密着力はそのまま維持さ
れ、第2の電極とボンディングワイヤとの接合強度およ
び接合の耐久性は向上するため、Ag電極と圧電素子本
体との良好な密着力を維持した状態で、ワイヤボンディ
ングによるAg電極とボンディングワイヤとの接合強度
および接合の耐久性をばらつきを排除して安定的に向上
させることができ、ひいてはノックセンサの電気的接続
の信頼性を向上させることができる。
【0042】また、請求項2の発明によれば、第2の電
極とボンディングワイヤとの接合強度が向上し、また、
高価である第2の電極を小さい範囲に限定することがで
きるため、コスト上昇を最小限に抑えて、ワイヤボンデ
ィングによるAg電極とボンディングワイヤとの接合強
度をばらつきを排除して安定的に向上させることがで
き、ひいてはノックセンサの電気的接続の信頼性を向上
させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になるノックセンサの一実施例の構成断
面図である。
【図2】図1における振動板、圧電素子およびターミナ
ル先端部分の拡大断面図である。
【図3】電極の組成の違いによる本発明の効果を証明す
るための実験結果を示す図である。
【図4】電極の組成の違いによる本発明の効果を証明す
るための実験結果を示す図である。
【図5】Ag粒子径の違いによる本発明の効果を証明す
るための実験結果を示す図である。
【符号の説明】
10 ノックセンサ 11 ハウジング 12 金属ベース 13 コネクタ 14 ターミナル 15 振動板 16 圧電素子 16a 孔 16b 圧電素子本体 16c,16d 電極 16e-1,16e-2 接続電極 17 ポッティング 18 Oリング 19a,19b ボンディングワイヤ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子の銀(Ag)電極と該圧電素子
    からの出力信号を外部へ引き出すためのターミナルとの
    接続をワイヤボンディングにより接続するノックセンサ
    であって、 前記銀(Ag)電極を、圧電素子本体側の第1の電極
    と、ボンディングワイヤが接続される側の第2の電極と
    の2重構造とし、且つ、前記第2の電極におけるビスマ
    ス(Bi)の含有率を0.5%以下とするとこを特徴と
    するノックセンサ。
  2. 【請求項2】 圧電素子の銀(Ag)電極と該圧電素子
    からの出力信号を外部へ引き出すためのターミナルとの
    接続をワイヤボンディングにより接続するノックセンサ
    であって、 前記銀(Ag)電極を、圧電素子本体側の第1の電極
    と、ボンディングワイヤが接続される側の第2の電極と
    の2重構造とし、且つ、前記第2の電極における銀(A
    g)粒子径を5μm以下とすることを特徴とするノック
    センサ。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2024089972A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 松田産業株式会社 銀めっき皮膜及び該銀めっき皮膜を備えた電気接点

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WO2024089972A1 (ja) * 2022-10-24 2024-05-02 松田産業株式会社 銀めっき皮膜及び該銀めっき皮膜を備えた電気接点
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