JPH11269543A - 方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents
方向性電磁鋼板の製造方法Info
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- JPH11269543A JPH11269543A JP10079444A JP7944498A JPH11269543A JP H11269543 A JPH11269543 A JP H11269543A JP 10079444 A JP10079444 A JP 10079444A JP 7944498 A JP7944498 A JP 7944498A JP H11269543 A JPH11269543 A JP H11269543A
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Abstract
ブを用い、低温スラブ加熱によって方向性電磁鋼板を製
造する場合において懸念された仕上げ焼鈍途中での追加
酸化による二次再結晶不良を防止して、良好な磁気特性
を得る。 【解決手段】 脱炭焼鈍板の表面から表面酸化層の1/4
厚みまでの範囲についてGDSにより測定したSi強度/
Mn強度比の積算強度Eを、1.5 ≦E≦5.0 の範囲にす
る。そのための手段には、脱炭焼鈍の雰囲気を水素分圧
に対する水蒸気分圧の比PH2O /PH2が0.25〜0.70にな
る範囲とし、かつ、脱炭焼鈍温度を750 〜900 ℃の範囲
として、Si強度/Mn強度比を制御することがある。
Description
の製造方法、特に、仕上焼鈍時の追加酸化を防止して、
良好な磁気特性を安定して得ることのできる方向性電磁
鋼板の製造方法に関するものである。
は巻鉄心して使用される材料であり、二次再結晶を利用
して{110}〈001〉方位の結晶粒を成長させるこ
とにより、圧延方向に優れた磁気特性を有するものであ
る。このような{110}〈001〉方位(いわゆるゴ
ス方位)に高度に配向した二次再結晶を効率よく発現さ
せるため、一般的にはインヒビターと呼ばれる析出分散
相を用いて、最終仕上げ焼鈍時における一次再結晶粒の
粒成長を抑制する方法が採られており、代表的なインヒ
ビターとしてMnS 、AlN 、BN等が用いられている。かか
るインヒビターが十分な粒成長抑制力を発揮するために
は、その析出分散相が均一かつ適正なサイズであること
が重要であり、従来は方向性電磁鋼用スラブを1400℃程
度の高温に加熱してインヒビター成分を鋼中に十分固溶
させた後、熱間圧延時にインヒビターを均一かつ適正な
サイズに析出分散させる方法が採用されてきた。しか
し、この方法はエネルギーコストが高くつく上に、高温
加熱に伴って製品板に表面欠陥が発生し易いという問題
点を有していた。特に、近年では省エネルギー化が強く
要請されているため、スラブ加熱温度の低温化が望まれ
ており、これを実現するための方法が多く提案されてい
る。
には、素材の極低炭素化により、スラブ加熱温度の低温
化を達成する方法が開示されている。しかし、この方法
は二次再結晶の発現が不安定であるという問題があっ
た。この欠点を解決するため、二次再結晶の発現前に窒
化処理を行うことによって、インヒビター機能を制御す
る方法が提案されていて、例えば特開昭62−4031
5号公報にはスラブ加熱温度低温化によりAlN が固溶し
得なくなって析出分散状態が不適切になることを、途中
工程での窒化処理により適正な状態に制御する方法が開
示されている。また、特公平8−32928号公報で
は、脱炭焼鈍工程における均熱前段での滞留時間をa、
後段での滞留時間をbとしたとき、b≦a/3とすると
ともに、均熱前段での水素分圧に対する水蒸気分圧の比
PH2O /PH2を0.02以下とすることにより、仕上げ焼鈍
時の窒化を促進し、磁気特性を向上させる方法が提案さ
れている。
するような脱炭焼鈍板の表面酸化層は、仕上げ焼鈍中の
酸化も促進し易いことが多く、したがって上記の方法で
は均一なフォルステライト質絶縁被膜を形成するのに有
利とはいい難い。特に、MgOをスラリー状にして塗布し
た後、コイル状に巻き取って仕上げ焼鈍を行う場合に
は、コイル内の温度分布によってMgO 水和水の放出挙動
が変わり、また、コイル層間面圧の差によって層間の雰
囲気流通性が変化する。このような状態で窒化や酸化を
促進し易い脱炭焼鈍板の表面酸化層が生成されると、フ
ォルステライト質絶縁被膜の形成挙動がコイル内で大き
くばらつくため、最終製品の被膜外観や密着性の劣化に
つながり、ひいては鋼板表面近傍での二次再結晶にも悪
影響を及ぼして磁気特性の劣化にもつながる。
は、脱炭焼鈍・窒化処理後の鋼板に焼鈍分離剤としてCl
及び/又はSO3 を0.15〜0.20%含有するMgO を塗布する
ことにより、優れたフォルステライト質絶縁被膜が得ら
れること、仕上げ焼鈍条件として昇温速度を20℃/hr 以
下とし、かつ、900 ℃以降の雰囲気を25%N2とすること
により更にフォルステライト質絶縁被膜の形成が安定化
すること、MgO 中にTi、Sb、Sr、Bのうちの1種以上を
0.1 〜7.5 重量部添加することにより更にフォルステラ
イト質絶縁被膜の形成が安定化することが開示されてい
る。しかし、この方法をもってしても脱炭焼鈍板の表面
酸化層の物性変動によるフォルステライト質絶縁被膜の
劣化を防止することは難しく、特に、スラブ加熱温度低
温化のためにS及びSeを低減したスラブを用いる場合に
は、脱炭焼鈍時の酸化挙動制御が非常に難しく、したが
って被膜形成が一層不安定となる問題点があった。
上げ焼鈍時の酸化を防止して、良好な磁気特性を有する
方向性けい素鋼板を工業的に安定して得る方法を提案す
ることである。
の物性が最終製品の磁気特性に及ぼす影響について詳細
に調査した。その結果、脱炭焼鈍板表面に存在する酸化
層の構成成分のなかでもSi/Mnの組成が磁気特性に強い
影響を及ぼすこと、GDS(Glow Discharge Mass Spec
troscopy;グロー放電質量分析法)分析により測定され
た脱炭焼鈍板の最表層の表面側1/4 厚みにおけるSi/Mn
組成が、磁気特性と強い相関があること、及び、脱炭焼
鈍工程の温度制御によって脱炭焼鈍板最表層のSi/Mn組
成が制御可能であることを新規に見出し、この発明を完
成させるに至った。
%、Si:2.0 〜4.5 wt%、Mn:0.03〜2.5 wt%、Al:0.
005 〜0.050 wt%、N:0.003 〜0.010 wt%、S及びSe
を単独もしくは複合で0.02wt%以下、を含み、更に、S
b、Sn、Cu、Cr、Ge、Biのうち1種又は2種以上を各々
の成分量で0.003 〜0.3 wt%含有し、残部は鉄及び不可
避的不純物よりなる方向性電磁鋼用スラブを1280℃以下
に加熱した後、熱間圧延し、次いで熱延板焼鈍を行って
から冷間圧延によって最終板厚とした後、湿水素中雰囲
気で脱炭焼鈍を行って脱炭焼鈍板とし、次いでこの脱炭
焼鈍板にMgO を主体とする焼鈍分離剤を塗布してから仕
上焼鈍を行う方向性電磁鋼板の製造方法において、脱炭
焼鈍板の表面から表面酸化層の1/4 厚みまでの範囲につ
いてGDSにより測定したSi強度/Mn強度比の積算強度
Eを、1.5 ≦E≦5.0 の範囲にすることを特徴とする方
向性電磁鋼板の製造方法である。この発明においてSi強
度/Mn強度比を制御する手段としては、脱炭焼鈍の雰囲
気を水素分圧に対する水蒸気分圧の比PH2O /PH2が0.
25〜0.70になる範囲とし、かつ、脱炭焼鈍温度を750 〜
900 ℃の範囲とすることがある。
験について説明する。C:0.04wt%、Si:3.1 wt%、M
n:0.07wt%、Al:0.015 wt%、N:0.0015wt%、Sb:
0.014 wt%を含有し、S及びSeの合計が0.005 wt%の方
向性電磁鋼用スラブを、1200℃に加熱した後、熱間圧延
によって2.2 mmの熱延板とした。次いで、1000℃で60秒
の熱延板焼鈍を行い、酸洗によって表面のスケールを除
去した後、タンデム圧延機によって2パス目以降から最
終パス前までの鋼板温度を200 ℃以上とした状態で圧延
を行い、最終厚み0.34mmとした。この冷延板を脱脂した
後、脱炭焼鈍時の均熱帯での均熱温度を700 〜950 ℃の
範囲、雰囲気を水素分圧に対する水蒸気分圧の比PH2O
/PH2で0.10〜0.80の範囲で種々に変化させた。次い
で、MgO を主体とする焼鈍分離剤を塗布し、仕上げ焼鈍
を行った。この仕上げ焼鈍では、雰囲気ガスを室温から
850 ℃までをN2、850 〜1150℃をN2−25%、H2−75%の
混合ガスとし、500 〜1180℃までの昇温速度を25℃/hr
とし、次いで、1180℃で5 hrの均熱を行った。
ら表面酸化層厚みの1/4 までのGDS積算強度の測定を
行い、SiとMnとの強度比を求めた。また、仕上げ焼鈍時
における昇温過程の850 ℃で試料を炉から引き出して、
蛍光X線分析により鋼板表面にある酸化層の酸素強度と
鉄強度との比(以下、「酸素強度比」という。)を評価
した。これらの関係を図1に示す。なお、仕上げ焼鈍85
0 ℃で評価している理由は、850 ℃が再結晶開始直前の
温度であるためであり、仮に900 ℃での引き出しでは再
結晶の途中段階になってしまう。そこで、二次再結晶開
始温度の直前の温度で評価する。図1より、仕上げ焼鈍
時の850 ℃途中引き出し時の蛍光X線による酸素強度比
は、脱炭焼鈍板の表面から表面酸化層厚みの1/4 までの
SiとMnとの強度比が1.5から5.0 までの範囲で最も低
く、その範囲より大きくても小さくても、酸素強度比は
高くなることが分かる。
引き出し時の蛍光X線分析による酸素強度比と、製品板
の磁気特性の一つである鉄損W 17/50 との関係を調査し
た。その結果を図2に示す。図2より、蛍光X線分析に
よる酸素強度比と鉄損W 17/50 との間には相関があり、
図示した範囲では仕上げ焼鈍時の酸素強度比が高いほど
磁気特性が悪いことがわかる。この理由について考える
と、酸素強度比というのは、仕上げ焼鈍時の雰囲気によ
る鋼板の追加酸化のされ易さを示していると考えられる
ため、酸素強度比が高い試料は、仕上げ焼鈍時の表層追
加酸化によりインヒビターの抑制力が弱められたためと
考えられる。
追加酸化を防止して、良好な磁気特性を有する方向性け
い素鋼板を工業的に安定して得るには、仕上げ焼鈍時の
850℃途中引き出し時の蛍光X線分析による酸素強度比
が低くなるように制御すべきであり、そのためには脱炭
焼鈍板の表面から表面酸化層厚みの1/4 までのGDS積
算強度測定によるSiとMnとの強度比を適正な範囲に制御
することが肝要であることが明らかとなり、この発明を
完成するに至ったのである。かくして、この発明に従う
方法によれば、スラブ加熱温度の低い製造条件において
も、良好な磁気特性を有する方向性電磁鋼板を製造する
ことが可能になる。
限定理由について説明する。C含有量が0.07wt%を超え
るとγ変態量が過剰となり、熱間圧延中のAl分布が不均
一となり、特に低Al素材においては熱延板焼鈍の昇温過
程で析出するAlN の分布も不均一となり磁気特性が劣化
し易い。一方、C含有量が0.02wt%未満では熱間圧延中
のγ変態量が過少となり、熱延組織が不均一となり易
い。特に、熱延組織の不均一が甚だしい部分では、二次
再結晶が不完全となり、これも磁気特性が劣化する原因
となる。したがって、C含有量は0.02〜0.07wt%の範囲
に限定される。Siは、比抵抗の増加によって鉄損を低減
させる成分であり、かかる作用を効果的に発揮させるた
めには2.0 wt%以上を含有させることが有効である。し
かし、Si量が4.5 wt%を超えると加工性が劣化するの
で、Si含有量としては2.0 〜4.5wt%の範囲が適正であ
る。MnもSiと同じく電気抵抗を高める作用があり、ま
た、製造時の熱間加工性を向上させるためにも必要な成
分である。このためにはMnは0.03wt%以上の含有が必要
であるが、2.5 wt%を超えて含有した場合、γ変態を誘
起して磁気特性を劣化させるのでMn含有量は0.03〜2.5
wt%の範囲とする。
要な成分であり、その含有量が0.005 wt%未満の場合、
熱延板焼鈍の昇温過程で析出するAlN 量が不足する。逆
に、0.050 wt%を超えるAl含有量の場合には、この発明
に従う1200℃前後での低温スラブ加熱ではAlN 固溶が困
難となり、AlN 微細析出が阻害される。したがって、Al
含有量は0.005 〜0.050 wt%とする。Nは、Al同様にイ
ンヒビターとしてのAlN を形成するために0.030 wt%以
上含有させることが必要である。しかしながら、0.0100
wt%を超えてNを含有させると製造工程の過程でガス化
し、ふくれ等の欠陥を発生し易い。したがって、N含有
量は0.0030〜0.0100wt%とする。
し、過剰な含有量ではスラブ加熱温度を高温にしなけれ
ば固溶させることが困難になるため、含有量を低減する
必要がある。したがって、S及びSe含有量は、単独もし
くは複合で0.02wt%以下、望ましくは0.01wt%以下とす
る。
e、Biのうち1種又は2種以上を各々の成分量で0.003
〜0.3 wt%を含有させる。Sb、Sn、Ge、Biは、粒界偏析
型成分であり、二次再結晶を安定化させる働きがある。
これらの各々の成分量が0.003wt%未満では、偏析量が
不足し、十分な効果が得られない。一方、0.3 wt%を超
えると、脱炭焼鈍での酸素量の低下もしくは脱炭量の低
下等の弊害が生じ易い。また、Cu及びCrは、脱炭焼鈍板
の表面酸化層を安定化させるために有効な成分であるた
め、含有させる場合には0.003 wt%以上とするが、Cu及
びCrの含有量がそれぞれ0.3 wt%を超えると、経済的に
不利であるばかりか、被膜安定性が損なわれる。したが
って、Sb、Sn、Cu、Cr、Ge、Biのうち1種もしくは2種
以上を各々の成分量で0.003 〜0.3 wt%を含有させるこ
ととする。。
に加熱した後、熱間圧延し、次いで熱延板焼鈍を行って
から冷間圧延によって最終板厚とした後、湿水素中雰囲
気で脱炭焼鈍を行って脱炭焼鈍板とし、次いでこの脱炭
焼鈍板にMgO を主体とする焼鈍分離剤を塗布してから仕
上焼鈍を行う。素材の加熱温度を1280℃以下とするの
は、省エネルギー化を図ると共に、高温スラブ加熱に由
来する製品の表面欠陥を防止するためである。
板の表面から表面酸化層の1/4 厚みまでの範囲について
GDSにより測定したSi強度/Mn強度比の積算強度E
を、1.5 ≦E≦5.0 の範囲にする。かようにSi強度/Mn
強度比の積算強度Eを1.5 ≦E≦5.0 の範囲にすること
により、仕上げ焼鈍時の追加酸化量を極力抑制して、ス
ラブ加熱温度の低い製造条件においても、良好な磁気特
性を有する方向性電磁鋼板を製造することが可能にな
る。Si強度/Mn強度比の積算強度Eが1.5 に満たない場
合には、鋼板表面の酸化物層中における(Mn,Fe)2SiO4が
過多となって、フォルステライト質被膜の前駆体である
オリビンの形成が過多あるいは不均一となって、仕上げ
焼鈍時には追加酸化が進行し、被膜の点状剥離欠陥も誘
発される。一方、Si強度/Mn強度比の積算強度Eが5.0
を超える場合には、鋼板表面の酸化物層中におけるSiO2
が過剰となって、不均一なSiO2の生成によるサブスケー
ルの耐追加酸化性が劣化する結果、仕上げ焼鈍時には鋼
板表面が追加酸化を受ける。したがって良好な磁気特性
が安定して得られない。
の積算強度Eは、脱炭焼鈍板の表面から表面酸化層の1/
4 厚みまでの範囲についてGDSにより測定する。この
GDSは、μm オーダーの深さ方向の定性分析、定量分
析をすることができ、発明者らがGDSを用いて脱炭焼
鈍板の表面から表面酸化層を調べた結果、表面酸化層の
なかでも、特に1/4 厚みまでのSi強度/Mn強度比の積算
強度が、仕上げ焼鈍時の追加酸化のされ易さに関係があ
ることを見出したためである。
面酸化層の1/4 厚みまでの範囲についてGDSにより測
定したSi強度/Mn強度比の積算強度Eを所定の範囲にす
る具体的な手段の一例としては、脱炭焼鈍の雰囲気を水
素分圧に対する水蒸気分圧の比PH2O /PH2が0.25〜0.
70になる範囲とし、かつ、脱炭焼鈍温度を750 〜900℃
の範囲とすることが挙げられる。ここに、PH2O /PH2
が0.25に満たないと、脱炭を十分に行うことができず、
地鉄C濃度上昇により製品の磁性が時効劣化するので良
くない。また、鋼板表面の酸化層中におけるSiO2が過剰
になりやすい。一方、0.70を超えると、鋼板表面の酸化
層厚みが増加するだけでなく、 FeOX などの外部酸化層
が形成し、フォルステライト質被膜が劣化しやすい。ま
た、脱炭焼鈍温度が750 ℃に満たないと鋼板表面の酸
化、及び脱炭が進行しない。また、900 ℃を超えると鋼
板表面の酸化が過剰に進行し均一性のある酸化層を得に
くい。したがって、いずれも所期した積算強度に制御す
るのが難しい。
%、Mn:0.072 wt%、Al:0.014 wt%、N:0.0070wt
%、Sb:0.014 wt%、Se:0.005 wt%、S:0.0020wt%
を含有する方向性電磁鋼用スラブを、1200℃に加熱した
後、熱間圧延によって2.4 mmの熱延板とした。次いで、
1000℃で60秒の熱延板焼鈍を行い酸洗によって表面のス
ケールを除去した後、タンデム圧延機によって2パス目
以後から最終パス前までの鋼板温度を210 ℃以上とした
状態で圧延を行い、最終厚みを0.34mmとした。この冷延
板を脱脂した後、脱炭焼鈍時の均熱温度を700 〜950
℃、雰囲気を水素分圧に対する水蒸気分圧の比PH2O /
PH2を0.10〜0.80の間で種々に変化させた。得られた脱
炭焼鈍板表面の、表面から表面酸化層の厚みの1/4 まで
の範囲におけるGDS積算強度を測定し、Si強度とMn強
度の比を求めた。次いで、MgO を主成分とする焼鈍分離
剤を塗布しコイル状に巻き取り、室温〜850 ℃をN2ガス
雰囲気とし、850 〜1150℃をN2−25%+H2−75%の混合
ガス雰囲気とし、500 ℃から1180℃までを25℃/hr の昇
温速度で昇温後、1180℃で5 hr保持する仕上げ焼鈍を施
した。かくして得られた鋼板の磁気特性を表1に示す。
1/4 の範囲におけるGDS積算強度が1.5 〜5.0 の範囲
にある試料No. 1〜9では、比較例に比し磁気特性の優
れたものが得られていることが分かる。
%、Mn:0.081 wt%、Al:0.017 wt%、N:0.0060wt
%、Sb:0.017 wt%、Se:0.006 wt%、S:0.0018wt%
を含有する方向性電磁鋼用スラブを、1200℃に加熱した
後、熱間圧延によって2.6 mmの熱延板とした。次いで、
1000℃で50秒の熱延板焼鈍を行い酸洗によって表面のス
ケールを除去した後、タンデム圧延機によって2パス目
以後から最終パス前までの鋼板温度を210 ℃以上とした
状態で圧延を行い、最終厚みを0.34mmとした。この冷延
板を脱脂した後、脱炭焼鈍時の均熱温度を700 〜950
℃、雰囲気を水素分圧に対する水蒸気分圧の比PH2O /
PH2を0.10〜0.80の間で種々に変化させた。得られた脱
炭焼鈍板表面の、表面から表面酸化層の厚みの1/4 まで
の範囲におけるGDS積算強度を測定し、Si強度とMn強
度の比を求めた。次いで、MgO を主成分とする焼鈍分離
剤を塗布しコイル状に巻き取り、室温〜850 ℃をN2ガス
雰囲気とし、850 〜1150℃をN2−25%+H2−75%の混合
ガス雰囲気とし、500 ℃から1180℃までを25℃/hr の昇
温速度で昇温後、1180℃で5 hr保持する仕上げ焼鈍を施
した。かくして得られた鋼板について、実施例1と同様
の調査を行った。結果を表2に示す。
0.25〜0.70としたうえで、均熱後段の温度を750 〜900
℃とした場合には、脱炭焼鈍板表面の表面から表面酸化
層の厚みの1/4 の範囲におけるGDS積算強度が1.5 〜
5.0 の範囲にある試料No. 1〜12では、比較例に比し磁
気特性の優れたものが得られていることが分かる。
ビターを用いた場合には普通鋼並のスラブ加熱温度では
固溶不十分となる問題を回避するためにS及びSeを低減
させた方向性けい素鋼用スラブを用い、低温スラブ加熱
によって方向性電磁鋼板を製造する場合において懸念さ
れた仕上げ焼鈍途中での追加酸化による二次再結晶不良
を、脱炭焼鈍板最表層のSi/Mn組成を特定範囲に制御す
ることにより、良好な磁気特性を得ることができる。
でのGDS積算強度によるSi/Mn強度比と、仕上げ焼鈍
時における昇温過程の850 ℃で炉から引き出した試料の
蛍光X線分析による酸素強度/鉄強度比との関係を示す
図である。
線分析による酸素強度比と、製品板の磁気特性の一つで
ある鉄損W 17/50 との関係を示す図である。
Claims (2)
- 【請求項1】C:0.02〜0.07wt%、 Si:2.0 〜4.5 wt%、 Mn:0.03〜2.5 wt%、 Al:0.005 〜0.050 wt%、 N:0.003 〜0.010 wt%、 S及びSeを単独もしくは複合で0.02wt%以下、を含み、
更に、 Sb、Sn、Cu、Cr、Ge、Biのうち1種又は2種以上を各々
の成分量で0.003 〜0.3 wt% 含有し、残部は鉄及び不可避的不純物よりなる方向性電
磁鋼用スラブを1280℃以下に加熱した後、熱間圧延し、
次いで熱延板焼鈍を行ってから冷間圧延によって最終板
厚とした後、湿水素中雰囲気で脱炭焼鈍を行って脱炭焼
鈍板とし、次いでこの脱炭焼鈍板にMgO を主体とする焼
鈍分離剤を塗布してから仕上焼鈍を行う方向性電磁鋼板
の製造方法において、 脱炭焼鈍板の表面から表面酸化層の1/4 厚みまでの範囲
についてGDSにより測定したSi強度/Mn強度比の積算
強度Eを、1.5 ≦E≦5.0 の範囲にすることを特徴とす
る方向性電磁鋼板の製造方法。 - 【請求項2】脱炭焼鈍の雰囲気を水素分圧に対する水蒸
気分圧の比PH2O /PH2が0.25〜0.70になる範囲とし、
かつ、脱炭焼鈍温度を750 〜900 ℃の範囲として、Si強
度/Mn強度比を制御することを特徴とする請求項1記載
の方向性電磁鋼板の製造方法。
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---|---|---|---|
JP07944498A JP3716608B2 (ja) | 1998-03-26 | 1998-03-26 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
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Cited By (4)
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---|---|---|---|---|
CN106119687A (zh) * | 2016-06-28 | 2016-11-16 | 宝山钢铁股份有限公司 | 一种高表面质量的免酸洗热轧带钢及其制造方法 |
JP2018070974A (ja) * | 2016-11-01 | 2018-05-10 | Jfeスチール株式会社 | 方向性電磁鋼板の製造方法 |
JP2018135556A (ja) * | 2017-02-21 | 2018-08-30 | 新日鐵住金株式会社 | 電磁鋼板、及びその製造方法 |
JP2018141206A (ja) * | 2017-02-28 | 2018-09-13 | 新日鐵住金株式会社 | 電磁鋼板、及びその製造方法 |
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- 1998-03-26 JP JP07944498A patent/JP3716608B2/ja not_active Expired - Fee Related
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