JPH1126864A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JPH1126864A
JPH1126864A JP17844197A JP17844197A JPH1126864A JP H1126864 A JPH1126864 A JP H1126864A JP 17844197 A JP17844197 A JP 17844197A JP 17844197 A JP17844197 A JP 17844197A JP H1126864 A JPH1126864 A JP H1126864A
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JP
Japan
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layer
cladding layer
semiconductor laser
ingaalp
conductivity type
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Application number
JP17844197A
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Inventor
Kouichi Genei
永 康 一 玄
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高出力で短波長発振が可能で且つ温度特性も
良好であり、レーザ光の広がり角も小さい可視光半導体
レーザを提供することを目的とする。 【解決手段】 クラッド層のAl組成比xを0.7より
大とし、さらに活性層近傍の一部のクラッド層のAl組
成比を前記Al組成比より大として、組成比が凸型分布
となるように構成する。また、Al組成比の相対的に低
い部分のクラッド層膜厚は0より大きく1μm以下とす
る。Al組成比を0.7より大きくすることで、活性層
のエネルギーバンドギャップ差をより大きくし、高温時
のキャリアオーバフローを減少させて、温度特性の改善
が図れる。活性層近傍の一部のクラッド層のAl組成比
を大きくすることで、アンチ・ガイディング効果によっ
て活性層に導波光が集中することを防止し、高出力動作
を実現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザに関
し、特に高出力で温度特性が優れた可視光半導体レーザ
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、DVD(Digital Ver
satile Disk)に代表される超高密度の光デ
ィスク・システムが開発が急速に進められている。これ
までに、レーザディスクに変わるDVD−Movie、
CD−ROMに変わるDVD−ROMなどの光ディスク
・システムが既に実現しているが、さらに書込可能な光
ディスクであるDVD−RAMあるいは追記型のDVD
−Rの実現要求が非常に高くなってきた。これらのシス
テムのピックアップ光源として、30mW以上の光出力
が得られる波長650nm帯あるいは630nm帯の可
視光半導体レーザが必要とされている。また、これらの
半導体レーザは、パーソナル・コンピュータなど端末機
器に組込まれるため、すくなくとも60℃以上の温度で
安定に動作することが必要とされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】図5は、従来の可視光
半導体レーザの1例を表す概略断面図である。このレー
ザは、p−InGaAlPクラッド層31の上にn−G
aAs電流阻止層3を形成することにより電流狭窄と光
閉じ込めとを行う、いわゆる屈折率導波型構造を有す
る。また、活性層8にはMQW(Multiple Q
uantum Well;多重量子井戸)を採用し、素
子の発光効率の向上が図られている。
【0004】図6(a)〜(d)は、それぞれ、図5の
A−B線に沿ったAl組成分布、バンド構造、屈折率分
布、および光強度分布を表す模式図である。このような
構造を有する可視光半導体レーザで、30nWの高出力
を得て、かつ、実用上要求される60℃以上の高温動作
を得るのは困難であった。この事情について、以下に、
図5と図6を参照しつつ説明する。
【0005】MQW活性層を有する視光半導体レーザ
は、通常、図5に示すように、n−GaAs13を基板
とし、その上にn−InGaAlPクラッド層32、I
nGaPのガイド層9、InGaPのウェル層とInG
aAlPのバリア層からなるMQW活性層8、InGa
AlPのガイド層7、p−InGaAlPのクラッド層
31、p−GaAsのコンタクト層2とからなってい
る。ここで、InGaAlP混晶系は、組成比x、yを
用いてIn1-y(Ga1-xAlxyPと表すことができ、
ここでxはAl組成比と呼ばれる。図6(a)に示すよ
うに、Al組成比xはMQW活性層8を構成しているI
nGaPウェル層ではゼロで最も小さく、ガイド層、ク
ラッド層の順に大きくなっている。
【0006】このようにAl組成が大きくなると、図6
(b)に示すようにバンドギャップが大きくなる。クラ
ッド層のAl組成比を大きくすることにより、n側から
MQW活性層に注入された伝導帯レベル上の電子がその
ままp側へ移動するのを阻止し、充満帯上にあるホール
と再結合して発光するのを促すことができる。p側から
注入されたホールに対してはn側のクラッド層が同様な
効果を示す。しかし、ホールの有効質量は電子の有効質
量の103程度以上と非常に大きく、オーバフローは電
子の場合ほど顕著でない。従って、レーザの特性に顕著
な影響を与えないので以後の説明においては省略する。
【0007】レーザの発振波長を短くするためには、M
QW活性層8の実効的なバンドギャップを大きく設定す
る必要があり、クラッド層とのバンドギャップ差が減少
することとなる。このため、前述した電子の阻止が困難
になって、電子のオーバフローが起こり、レーザの発光
効率が低下する。この様子を、図6(b)に矢印で示し
た。また、レーザの雰囲気温度が高くなると電子状態が
高レベル側にシフトして、同様なオーバフローが発生
し、発光効率の低下を招く。発光効率が低下すると、所
定の光出力を得るために動作電流を増大する必要が生ず
る。その結果として、レーザの発熱量の増加を招いてレ
ーザの温度を上昇させ、発光効率をさらに低下させると
いう負の循環が繰り返されることとなる。このように、
電子のオーバフローはレーザの動作可能温度や動作可能
な発振波長を制限する主要因である。
【0008】オーバフローの対策として考えられるの
は、クラッド層のAl組成xを大きくすることである。
通常xは0.7以下であるが、これを0.7より大きく
すると温度特性が向上することが確認されている。発振
波長の短波長化や温度特性の改善のためには、xをでき
るだけ大きくすることが望ましい。しかし、このように
xを大きくしていくと、後述する理由により、レーザの
高出力動作が困難になる。たとえば、波長650nmで
30mWの光出力を得ることが必要な書込みDVD用の
可視光半導体レーザを60℃以上の温度で動作させるの
は、従来は非常に困難であった。
【0009】図6においては、通常の半導体レーザを実
線で、Al組成比を大きくしたレーザを破線で示してい
る。同図(c)の屈折率分布を見ると、クラッド層3
1、32のAl組成比を大きくすることにより、クラッ
ド層の屈折率が低くなり、屈折率の高いMQW活性層8
との差が大きくなることが分かる。このため、xの増加
につれて、MQW活性層への光閉じ込め係数Γが大きく
なり、図6(d)に示す光強度分布の幅は狭くなる。す
なわち、xが大きくなるにつれて光パワーがMQW活性
層8に集中する。
【0010】ここで、可視光半導体レーザにおける、本
質的な劣化起因は主として端面の光損傷(Catast
orophic Optical Damage;CO
D)である。通常、高い光出力を得る場合には、COD
を抑制するために、光閉じ込め係数を低くし、部分的な
光出力の集中を避ける構造が採用される。しかし、上記
のようなxの増加は逆効果として働き、CODが発生し
やすいために、高出力が得られなくなるという問題を生
ずる。また、光閉じ込め係数が増大すると、出射される
レーザ光の拡がり角が大きくなり、光ディスクなどの応
用する際に光学設計の面で支障が生ずるという問題もあ
った。
【0011】このように、従来の半導体レーザでは、高
出力レーザにおいて短波長発振を図ったり、温度特性を
改善しようとしてクラッド層Al組成を増加すると、光
閉じ込め係数が増大し、COD発生レベルが低下して光
出力動作が得られないとう問題があった。また、拡がり
角が大きくなることにより、応用面で支障が生じてい
た。
【0012】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のである。すなわち、本発明は、高出力で短波長発振が
可能で且つ温度特性も良好であり、レーザ光の広がり角
も小さい可視光半導体レーザを提供することを目的とす
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明による
半導体レーザは、第1導電型を有する半導体基板と、第
1導電型を有する第1のクラッド層と、活性層と、光ガ
イド層と、第2導電型を有する第2のクラッド層とを少
なくとも有するダブルヘテロ接合型の半導体レーザであ
って、前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド
層の少なくともいずれかは、前記基板に垂直な方向に沿
って見たとき、層の両端部よりもバンド・ギャップが大
きい領域を有することを特徴とするものして構成され
る。
【0014】例えば、第1導電型を有するGaAs半導
体基板と、第1導電型を有する第1のInGaAlPク
ラッド層と、InGaAlPとInGaPとの多重量子
井戸構造からなる活性層と、InGaAlPガイド層
と、第2導電型を有する第2のInGaAlPクラッド
層とを少なくとも有するダブルヘテロ接合型の半導体レ
ーザであって、前記第1のInGaAlPクラッド層お
よび前記第2のInGaAlPクラッド層は、それぞ
れ、前記InGaAlPの組成をIny (Ga1-xAlx
1-y P(0≦x≦1、0≦y≦1)としたときのA
lの組成比xを前記基板に垂直な深さ方向に沿って見た
ときに、前記xが両端部よりも高い高濃度層領域を層内
部に有し、かつ前記両端部における前記xの最低値は
0.7以上であるものとして構成されていることを特徴
とするものとし、クラッド層Al組成比を0.7より大
とすることで、電子のオーバフローを低減し、動作温度
の改善が行われる。クラッド層の一部をさらに大とし
て、Al組成比分布がクラッド層内で凸状になるよう構
成することで、アンチ・ガイディング効果によって活性
層内の導波光の光閉込め係数が小さくなり、CODレベ
ルが低下することがなくなる。
【0015】また、ガイド層とクラッド層のAl組成比
凸部頂上部との間を膜厚を0より大、1μmより小とす
ることで、アンチガイディング効果を用いながら、安定
なレーザ発振動作が得られ、60℃以上の雰囲気温度で
30mWの650nm帯、630nm帯可視光レーザが
実現できる。
【0016】ここで、組成In0.5(Ga1-x Alx
0.5P(0≦x≦0.1)で表されるAl組成比が非常
に小さいかまたは0である薄膜は、エッチングストップ
層として働き、再現性の高い生産が実現できる。
【0017】また、第2導電型クラッド層と第2導電型
コンタクト層との間に第2導電型InGaP層薄膜を設
けたことによって、バンドギャップ不連続が緩和され、
良好な電圧−電流特性が再現性よく得られる半導体レー
ザが実現できる。
【0018】さらに、前記活性層、前記ガイド層および
前記第1導電型のクラッド層の一部をレーザの端面側か
らZn拡散を行うことによって無秩序化することによ
り、レーザのCOD耐力が更に増加し、より高出力の半
導体レーザが実現できる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によれば、クラッド層の材
料にInGaAlP(組成In1-y(Ga1-xAlx
yP、(0≦x≦1、0≦y≦1)を用いる可視光半導
体レーザにおいて、クラッド層のAl組成比xを0.7
より大とし、さらに活性層近傍の一部のクラッド層のA
l組成比を前記Al組成比より大として、組成比が凸型
分布となるように構成する。また、Al組成を大きくし
た凸部分とガイド層端部の間にあるAl組成比の相対的
に低い部分のクラッド層膜厚は0より大きく1μm以下
とする。
【0020】Al組成比を0.7より大きくすること
で、活性層のエネルギーバンドギャップ差をより大きく
し、高温時のキャリアオーバフローを減少させて、温度
特性の改善が図れる。活性層近傍の一部のクラッド層の
Al組成比を大きくすることで、アンチ・ガイディング
効果によって活性層に導波光が集中することを防止し、
高出力動作を実現することができる。
【0021】以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形
態について説明する。
【0022】図1は、本発明による半導体レーザを表す
概略断面図である。ここでは、1例として、第1導電型
をn型とし、第2導電型をpとする。図1に例示したレ
ーザにおいては、クラッド層の一部分のAl組成比を大
きくして凸状の組成分布を実現するために、n−InG
aAlPクラッド層およびp−InGaAlPクラッド
層がそれぞれ3種類の半導体層により構成されている。
【0023】図1に示した半導体レーザにおいては、n
−GaAs基板13の上に、3層のn−InGaAlP
クラッド層10〜12が積層されている。クラッド層1
0、11、12のいずれの層のAl組成比xも0.7よ
り大であり、かつ、第2クラッド層11のAl組成比
を、第1クラッド層10、第3クラッド層12より大と
している。第1クラッド層10と第3クラッド層12の
Al組成比は同じであるか、あるいは第1クラッド層1
0のAl組成比より第3クラッド層12のAl組成比を
大とする。これは、アンチガイディング効果を抑制する
ためである。
【0024】また、p−InGaPガイド層7上には、
順に、第1p−InGaAlPクラッド層6、第2p−
InGaAlPクラッド層5、第3p−InGaAlP
クラッド層4が積層されている。クラッド層6、5、4
のいずれのAl組成比xも0.7より大であり、かつ、
第2p−InGaAlPクラッド層5のAl組成比を、
第1クラッド層6、第3クラッド層4より大としてい
る。また、第1クラッド層6と第3クラッド層4のAl
組成比は同じであるか、あるいは第1クラッド層6のA
l組成比より第3クラッド層4のAl組成比を大とす
る。これも、アンチガイディング効果を抑制するためで
ある。
【0025】図2(a)〜(d)は、図1のA−B線に
沿ったAl組成分布、バンド構造、屈折率分布、光強度
分布の模式図である。図2においては、比較のために従
来のレーザを破線で、本発明によるレーザを実線で示し
た。本発明によれば、n側クラッド層、p側クラッド層
ともに、Al組成比が増加し、また、凸型の分布となっ
ていることが分かる。クラッド層のAl組成比を少なく
とも0.7より大とすることによって、従来構造よりも
クラッド層のエネルギー・バンド・ギャップが増加す
る。このため、電子のオーバフローが減少し、レーザの
動作可能温度を上昇させ、レーザ発振波長を短波長化す
ることができる。
【0026】本発明者による理論計算と試作実験の結
果、たとえばAl組成比を0.75に設定すると、レー
ザの動作可能温度を従来よりも10℃以上高くできるこ
とが分った。
【0027】さらに、本発明では、第2クラッド層5、
11のAl組成比xをそれぞれ第1クラッド層6、1
0、および第3クラッド層4、12のAl組成比xより
も大きくしている。ここで仮に、第1クラッド層6、1
0の膜厚を0とすると、光を活性層部分に十分に閉じこ
めることができず、いわゆるアンチガイディング効果に
よって、活性層中の光はすべて第2クラッド層の外側に
しみ出して安定に導波しなくなる。本発明においては、
第1クラッド層6、10の膜厚を0より大きく、かつ1
μmより小とする。このように第1クラッド層6、10
を設けることによって、活性層中の光が安定に導波し、
かつ、光閉込め係数を小さくして、光パワーが活性層に
集中しないようにする最適点を見出すことができ、CO
D発生レベルが低下することを防止することができる。
図2(d)の光強度分布の実線により、その様子を示
す。なお、本発明者の理論計算と試作実験によれば、前
述した書き込み型DVDシステムに必要とされている性
能を得るためには、第1クラッド層6、10を設けるこ
とが必須であることが分かった。すなわち、第1クラッ
ド層6、10を設けることによって、アンチガイディン
グ効果を抑制することができるようになることが分かっ
た。また、アンチガイディング効果を効果的に抑制する
ためには、その層厚は、50オングストローム以上とす
ることが望ましいことも分かった。一方、クラッド層の
Al組成比を部分的により大きくすることによって、レ
ーザの動作可能温度はより高くできることはもちろんで
ある。
【0028】また、本発明によれば、クラッド層のAl
組成比を増加しても光閉込め係数が大きくならないた
め、レーザ光の拡がり角は従来と同等以下の値に保つこ
とが可能である。
【0029】本発明の試作実験によれば、数値的な例と
して、第1クラッド層6、10の膜厚を0.1〜0.2
μm、Al組成比を0.75、第2クラッド層5、11
の値を0.1〜0.2μm、Al組成比を0.8〜1.
0、第3クラッド層4、12のAl組成比を0.75と
することで、光閉じ込め係数を変化させることなく、動
作可能温度を従来よりも約20℃程度上昇させることが
可能であることが確認されている。
【0030】また、図1では、クラッド層を第1〜第3
クラッド層4〜6または10〜12の如く3層により構
成したが本発明はこれに限定されるものではない。この
他にも、n型クラッド層およびp型クラッド層をそれぞ
れ4層以上の層の積層体としても同様の効果を得ること
ができる。また、結晶成長時の原料の供給速度などを制
御することによって、クラッド層の深さ方向に対して、
Alの組成比を連続的に変化させても良い。すなわち、
本発明においては、クラッド層の深さ方向に対してエネ
ルギ・ギャップの値が凸状となるような分布が形成され
ていれば良い。また、図1では、n−GaAsを基板と
した構造を示している。しかし、第1導電型をp、第2
導電型をnとして、p−GaAsを基板としても、本発
明は同様に有効である。
【0031】図3は、本発明による第2の半導体レーザ
を表す概略断面図である。同図に示したレーザは、屈折
率導波構造を有するMQWレーザであり、エッチング・
ストップ層を有するレーザに本発明を適用したものであ
る。ここで、エッチング・ストップ層を有するレーザに
ついては、例えば、特許第2519879号の特許公報
を参考文献として挙げることができる。
【0032】図3に示したレーザにおいては、p型クラ
ッド層中のAl組成比の凸部頂上部に相当する第2クラ
ッド層5と、この上に積層されるAl組成比が相対的に
小さい第3クラッド層4との間に、エッチング・ストッ
プ層40が挿入されている。エッチング・ストップ層4
0の材料は、例えば、In0.5 (Ga1-x Alx0. 5
P(0≦x≦0.1)で表されるAl組成比が非常に小
さいかまたは0である混晶とすることができる。エッチ
ング・ストップ層40を設けることよって、p側の第3
クラッド層4をストライプ状にエッチングする際に、そ
の下層のクラッド層5のオーバー・エッチングを防ぐこ
とができる。従って、ストライプ形成工程を非常に容
易、かつ、再現性のあるものとすることができる。
【0033】また、本構造では、p−InGaAlPク
ラッド層4とp−GaAsコンタクト層2の間に、通電
容易層p−InGaP層41が設けられている。InG
aAlP層4上にGaAs層2を直接積層すると、エネ
ルギ・バンドの不連続により界面近傍の伝導帯、充満帯
にスパイク状のレベルが発生し、通電が阻害されて高抵
抗不良を引き起こす場合がある。p−InGaAlP層
4とp−GaAs層2との間に通電容易層41を設ける
ことにより、エネルギ・バンドの不連続性を緩和し良好
な電流−電圧特性を得ることができる。
【0034】また、図3に示したレーザも、図1に示し
たレーザについて前述した利点、すなわち、高出力化、
動作温度の高温化、発振波長の短波長化、ビーム広がり
角度の狭角化などが達成できることは同様である。
【0035】図4は、いわゆる窓構造型レーザに対して
本発明を適用したレーザの構造を表す概略図である。す
なわち、同図(a)は、レーザを端面方向から見た概略
側面図であり、同図(b)は、そのA−B線で切断した
概略断面図である。
【0036】ここで「窓構造型レーザ」とは、Zn拡散
を用いて端面近傍のMQW活性層8、ガイド層、クラッ
ド層の無秩序化をおこない高出力化を図った構造を指す
ものである。図4において、斜線で示した部分がZnが
拡散された領域を表す。このようにZnが拡散される
と、各層を構成している各元素が互いに混合され層構造
が崩れて無秩序化する。
【0037】同図に示したレーザも、図1に示したレー
ザについて前述した利点、すなわち、高出力化、動作温
度の高温化、発振波長の短波長化、ビーム広がり角度の
狭角化などが達成できることは同様である。さらに、図
4に示したレーザにおいては、Zn拡散により端面部を
無秩序化させると、レーザ端面の光吸収が小さくなり、
COD発生レベルが高くなって、より高出力が可能な可
視光半導体レーザを実現することができるという効果が
得られる。
【0038】
【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に説明する効果を奏する。まず、本発明に
よれば、クラッド層Al組成比を0.7より大とするこ
とで、電子のオーバフローを低減し、動作温度の改善が
行われる。クラッド層の一部をさらに大として、Al組
成比分布がクラッド層内で凸状になるよう構成すること
で、アンチ・ガイディング効果によって活性層内の導波
光の光閉込め係数が小さくなり、CODレベルが低下す
ることがなくなる。
【0039】また、本発明によれば、ガイド層とクラッ
ド層のAl組成比凸部頂上部との間を膜厚を0より大、
1μmより小とすることで、アンチガイディング効果を
用いながら、安定なレーザ発振動作が得られ、60℃以
上の雰囲気温度で30mWの650nm帯、630nm
帯可視光レーザが実現できる。
【0040】さらに、本発明によれば、組成In
0.5(Ga1-x Alx0.5P(0≦x≦0.1)で表さ
れるAl組成比が非常に小さいかまたは0である薄膜を
設けることにより、エッチングストップ層として働き、
再現性の高い生産が実現できる。
【0041】また、本発明によれば、第2導電型クラッ
ド層と第2導電型コンタクト層との間に第2導電型In
GaP層薄膜を設けることによって、バンドギャップ不
連続が緩和され、良好な電圧−電流特性が再現性よく得
られる半導体レーザが実現できる。
【0042】さらに、本発明によれば、前記活性層、前
記ガイド層および前記第1導電型のクラッド層の一部を
レーザの端面側からZn拡散を行うことによって無秩序
化することにより、レーザのCOD耐力が更に増加し、
より高出力の半導体レーザが実現できる。
【0043】このように、本発明によれば、簡易な構成
により、高出力で高温動作が可能で発振波長が短くビー
ムの広がり角も小さい可視光半導体レーザを安価に提供
でき、産業上のメリットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体レーザを表す概略断面図で
ある。
【図2】(a)〜(d)は、図1のA−B線に沿ったA
l組成分布、バンド構造、屈折率分布、光強度分布の模
式図である。
【図3】本発明による第2の半導体レーザを表す概略断
面図である。
【図4】いわゆる窓構造型レーザに対して本発明を適用
したレーザの構造を表す概略図である。
【図5】従来の可視光半導体レーザの1例を表す概略断
面図である。
【図6】(a)〜(d)は、それぞれ、図5のA−B線
に沿ったAl組成分布、バンド構造、屈折率分布、およ
び光強度分布を表す模式図である。
【符号の説明】
1 p側電極 2 p−GaAsコンタクト層 3 n−GaAs電流阻止層 4、5、6 p−InGaAlPクラッド層 7 InGaAlPガイド層 8 MQW活性層 9 InGaAlPガイド層 10、11、12 n−InGaAlPクラッド層 13 n−GaAs基板 14 n側電極 40 エッチング・ストップ層 41 通電容易層 50 Zn拡散無秩序化領域

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1導電型を有する半導体基板と、第1導
    電型を有する第1のクラッド層と、活性層と、光ガイド
    層と、第2導電型を有する第2のクラッド層とを少なく
    とも有するダブルヘテロ接合型の半導体レーザであっ
    て、 前記第1のクラッド層および前記第2のクラッド層のう
    ちの少なくともいずれかは、前記基板の主面に対して垂
    直な深さ方向に沿ってみたとき、層の両端部よりもバン
    ド・ギャップが大きい領域を層の内部に有することを特
    徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】前記第2のクラッド層の少なくとも一部が
    ストライプ状に成形され、 前記ストライプの両側に電流阻止層が設けられているこ
    とを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】第1導電型を有するGaAs半導体基板
    と、第1導電型を有する第1のInGaAlPクラッド
    層と、InGaAlPとInGaPとの多重量子井戸構
    造からなる活性層と、InGaAlPガイド層と、第2
    導電型を有する第2のInGaAlPクラッド層とを少
    なくとも有するダブルヘテロ接合型の半導体レーザであ
    って、 前記第1のInGaAlPクラッド層および前記第2の
    InGaAlPクラッド層は、それぞれ、前記基板の主
    面に対して垂直な深さ方向に沿ってみたときに、前記I
    nGaAlPの組成をIny (Ga1-x Alx1-y
    (0≦x≦1、0≦y≦1)としたときのAl組成比x
    が両端部よりも高い高濃度層領域を層内部に有し、かつ
    前記両端部における前記Al組成比xの最低値は0.7
    以上であるものとして構成されていることを特徴とする
    半導体レーザ。
  4. 【請求項4】前記クラッド層の前記高濃度層領域は、そ
    れぞれ、前記第1のInGaAlPクラッド層および前
    記第2のInGaAlPクラッド層の内部において前記
    活性層側から0ミクロン以上で1ミクロン以下の位置に
    配置されていることを特徴とする請求項3記載の半導体
    レーザ。
  5. 【請求項5】前記第1のInGaAlPクラッド層およ
    び前記第2のInGaAlPクラッド層は、それぞれ、
    活性層側における前記Al組成比xが、活性層と反対側
    における前記Al組成比xよりも低いものとして構成さ
    れていることを特徴とする請求項4記載の半導体レー
    ザ。
  6. 【請求項6】前記第2のInGaAlPクラッド層の少
    なくとも一部がストライプ状に成形され、 前記ストライプの両側に第1導電型を有する電流阻止層
    が設けられ、 前記第2のInGaAlPクラッド層の上に第2導電型
    を有するコンタクト層が設けられていることを特徴とす
    る請求項4または5に記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】前記第2のInGaAlPクラッド層にお
    ける前記高濃度層領域と、この上に積層される前記Al
    組成比xが相対的に小さいクラッド層領域との間に、組
    成がIn0.5(Ga1-x Alx0.5P(0≦x≦0.
    1)で表されるAl組成比が非常に小さいかまたは0で
    ある第2導電型を有する薄膜層が設けられていることを
    特徴とする請求項3〜6のいずれか1つに記載の半導体
    レーザ装置。
  8. 【請求項8】前記第2のInGaAlPクラッド層と前
    記コンタクト層との間に第2導電型を有するInGaP
    薄膜層が設けられていることを特徴とする請求項6また
    は7に記載の半導体レーザ装置。
  9. 【請求項9】前記活性層、前記ガイド層および前記第1
    のInGaAlPクラッド層のレーザ端面付近の領域に
    Znが拡散されて無秩序化されていることを特徴とする
    請求項1〜8のいずれか1つに記載の半導体レーザ装
    置。
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