JPH11267013A - 炊飯器 - Google Patents

炊飯器

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Publication number
JPH11267013A
JPH11267013A JP7721498A JP7721498A JPH11267013A JP H11267013 A JPH11267013 A JP H11267013A JP 7721498 A JP7721498 A JP 7721498A JP 7721498 A JP7721498 A JP 7721498A JP H11267013 A JPH11267013 A JP H11267013A
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JP
Japan
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pot
heating
rice
rice cooker
pan
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Application number
JP7721498A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Morota
博 諸田
Kazuya Miyake
一也 三宅
Kazuhiro Nagoya
一博 名古屋
Koji Shimomura
康二 下村
Nobuaki Morimichi
信昭 守道
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Toshiba Corp
Toshiba Home Technology Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Toshiba Home Technology Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加熱量を上げることなく、簡単な構造で沸騰初
期から鍋内の湯の全体の対流を促進して加熱むらを抑
え、炊きむらの少ないふっくらとした美味しいご飯を炊
き上げることができる炊飯器を提供する。 【解決手段】鍋5を加熱して炊飯を行なう炊飯器におい
て、鍋5の内面に、鍋5の底面から側面に向かって渦状
に延びる複数の凹溝11からなる渦形パターン10を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、炊飯時における
ご飯の炊き上がりの改善を図った炊飯器に関する。
【0002】
【従来の技術】炊飯器を用いて炊飯するときには、鍋内
に所定量の米と水を収容し、この鍋を炊飯器本体内に収
納して加熱し、この加熱で鍋内の水を沸騰させる行程を
経てご飯を炊き上げるわけであるが、その炊き上げの善
し悪しを決める大きな要因として、沸騰初期における加
熱むらがある。
【0003】沸騰初期に鍋に加える加熱量が充分であれ
ば、鍋内の湯の対流で加熱むらを小さく抑えてふっくら
とした美味しいご飯を炊き上げることができる。しか
し、炊飯量が多くなると、加熱が不足し対流がスムーズ
に起こらず、加熱むらが生じやすくなる。そしてこの加
熱むらにより加熱源に近い鍋底部や鍋側面下部において
は、ご飯が柔らかくなりすぎ、加熱源から遠ざかるご飯
の上層部や中層部(特に中層部の中心)はご飯が硬くな
るという炊きむらが生じ、炊き上がりが悪くなる。
【0004】近年においては、蓋体の内側に鍋の開口部
に嵌合する独立した脱着式の内蓋をもたないいわゆる内
蓋レス構造の炊飯器が主流となっているが、この内蓋レ
スの炊飯器は内蓋をもつ炊飯器に比べ、蒸気口からのお
ねば粘液の吹きこぼれが生じやすく、特に沸騰初期に生
じやすく、このため加熱を抑える傾向が強く、より一
層、炊きむらが生じやすくなっている。
【0005】さらに近年では、省エネルギーの観点から
消費電力量の低減が叫ばれ、加熱量を必要最小限に抑え
る傾向が強くなってきており、この要因で炊きむらが生
じやすくなっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような点から、炊
飯中に鍋を回転させて内部の湯を強制的に旋回させ、こ
の旋回動作で加熱むらを小さく抑えるような提案がなさ
れているが、構造が複雑で、コストや技術上の問題があ
り、実用には至っていない。
【0007】また、鍋の内面にディンプル状や亀甲状の
凹凸模様を複数形成して加熱面積の拡大やその個々の凹
凸面部で小さな対流を発生させて加熱効率の向上を図る
ようにした炊飯器が提供されているが、しかしこのもの
は、鍋の加熱部や発熱部に対応した部分の加熱効率を改
善しているにすぎず、加熱部や発熱部に対応しない部分
を含めた鍋の全体に対しての好影響を期待することがで
きない。
【0008】この発明はこのような点に着目してなされ
たもので、その目的とするところは、加熱量を上げるこ
となく、簡単な構造で沸騰初期から鍋内の湯の全体の対
流を促進して加熱むらを抑え、炊きむらの少ないふっく
らとした美味しいご飯を炊き上げることができる炊飯器
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、鍋を
加熱手段により加熱して炊飯を行なう炊飯器において、
前記鍋の内面に、鍋の側面の下部から上部に向かって、
あるいは鍋の底面から側面に向かって渦状に延びる複数
の凹溝からなる渦形パターンが形成されていることを特
徴としている。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、各凹溝における両側縁のうちの上部側の側縁は、垂
直線に対して凹溝の外側に所定の開きの角度だけ傾斜す
るテーパ面となっていることを特徴としている。
【0011】請求項3の発明は、請求項2の発明におい
て、凹溝における所定の開きの角度が1°以上であるこ
とを特徴としている。請求項4の発明は、鍋を加熱手段
により加熱して炊飯を行なう炊飯器において、前記鍋の
内面に、鍋の底面から側面に向かって延びる複数の段部
が形成され、この鍋の底部、または底部および側面下部
を加熱して炊飯を行なうことを特徴としている。
【0012】請求項5の発明は、請求項4の発明におい
て、各段部は、鍋の底面から側面に向かって円弧状に湾
曲しながら延びていることを特徴としている。請求項6
の発明は、請求項1ないし5のいずれかの発明におい
て、鍋は、ダイキャストや溶湯鍛造等の溶融金属を用い
る方法で形成されていることを特徴としている。
【0013】請求項7の発明は、鍋を加熱手段により加
熱して炊飯を行なう炊飯器において、前記鍋の内面に、
鍋の側面の下部から上部に向かって、あるいは鍋の底面
から側面に向かって渦状に延びる複数の凹凸からなる渦
形パターンが形成され、この渦形パターンにおける渦の
巻方向が、鍋を上から見たときに反時計回りの方向であ
ることを特徴としている。
【0014】請求項8の発明は、請求項7の発明におい
て、渦状に延びる凹凸間における鍋の内面に、その凹凸
に沿って延びる水位目盛線が設けられていることを特徴
としている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて図面を参照して説明する。図1にはこの発明の第1
の実施形態に係る炊飯器の構造を示してあり、1が炊飯
器本体で、この炊飯器本体1は外枠2およびこの外枠2
の内側に設けられた有底筒状の内枠3を備えており、前
記内枠3により鍋収納部4が構成され、この鍋収納部4
内に鍋5が挿脱自在に収納されている。
【0016】鍋5の上部にはその外方に折曲するフラン
ジ6が形成され、このフランジ6が内枠3の上部周縁の
上に載置され、これにより鍋5が吊り下げ状態に安定し
て支持されている。
【0017】鍋5は、アルミニウム合金、マグネシウム
合金、ジュラルミン合金等の熱伝導性に優れる金属材料
からなる鍋本体7と、この鍋本体7の底面から側面下部
に亘る部分の外面に接合されたフェライト系ステンレス
等の磁性金属材料からなる発熱層部材8とで構成されて
いる。
【0018】この鍋5は例えば溶湯鍛造法により成形さ
れている。この溶湯鍛造法は、プレス加工で皿形状に成
形した発熱層部材8を下金型内にセットし、この状態で
前記下金型内に鍋本体7の材料を溶融した溶融金属を注
入し、かつこの溶融金属を上金型により高圧の圧力で加
圧して所定の形状に成形し、凝固させる方法である。
【0019】なお、鍋本体7の材料としてマグネシウム
合金やジュラルミン合金を用いると、熱伝導性の点に加
え、軽量化の点でも有利である。また、鍋5は、溶湯鍛
造法による場合のほか、ダイキャスト法により成形する
ことも可能である。
【0020】鍋5の形状としては、最大炊飯量のときの
水面高さの位置と最小炊飯量のときの水面高さの位置と
の間の鍋5の外側面が、最小炊飯量のときの水面高さの
位置の部分の方が最大炊飯量のときの水面高さの位置の
部分の方より小さな直径となるように傾斜(10〜30
°)する曲面形状をなし、また鍋5の外側面が対向する
部分の内枠3の壁面は、鍋5の外側面よりも小さく傾斜
(5〜20°)し、鍋5の下方に向かうに従って鍋5の
傾斜との差が大きくなる形状となっている。
【0021】鍋5の厚さは、上部の開口部で3mm、下
部底面で5mmとなっている。そして鍋5の内面には、
図2に示すように渦形パターン10が形成されている。
この渦形パターン10は、複数の凹溝11を鍋5の底面
から側面に向かって、上から見たときに反時計回りとな
る方向に円弧を描きながら延びるように渦状に形成して
なる。
【0022】この渦形パターン10を構成する凹溝11
は、深さが0.5 〜2mm、幅が5〜100mmであり、
本数が8〜64本となっている。そして長さの長い凹溝
11と長さの短い凹溝11とが交互に均等的に配列し、
その長さの長い凹溝11は鍋5の底面から側面のほぼ中
間部にまで延び、長さの短い凹溝11は鍋5の側面の下
部から側面のほぼ中間部にまで延びている。
【0023】各凹溝11は、鍋5の下部から上方に向か
って円弧状に湾曲しながら延びることにより、その延び
方向側が漸次大きく水平方向に倒れて傾斜する状態とな
っている。各凹溝11は各部を等幅とする場合であって
も、あるいは下から上に向かって漸次広くなる形状とす
る場合であってもよい。
【0024】各凹溝11における両側縁のうちの上部側
の側縁は、図3に示すように、垂直線Hに対して凹溝1
1の外側にθの角度だけ開いて傾斜するテーパ面11′
となっている。この開きの角度θは、1°以上、好まし
くは2〜5°である。
【0025】このようなテーパ面11′により、鍋5を
溶湯鍛造法やダイカスト法で成形するときの金型の抜き
取りを容易に行なえ、したがって各凹溝11の加工を面
倒な切削機械加工によらずに、能率的な溶湯鍛造法やダ
イキャスト法で成形することができる。
【0026】鍋5の内面には、図2に示すように、鍋5
内に水を収容するときのその水量の計量に用いる水位目
盛線12がパッド印刷により設けられている。この水位
目盛線12は、互いに隣接して配置した凹溝11間にお
ける鍋5の内面にその凹溝11の湾曲形状に沿うように
設けられており、これによりパッド印刷が凹溝11にか
からず、デザインがよくかつ見やすい水位目盛線12と
することができる。
【0027】鍋5のフランジ6の上面は機械加工により
平坦状に仕上げられており、また鍋5の外面には、50
〜100μm程度の膜厚のシリコーン樹脂やポリエーテ
ルサルフォン樹脂を主体とした樹脂によるコーティング
膜が形成され、鍋5の内面には非粘着性を得るためのP
FA樹脂によるコーティング膜が形成されている。
【0028】鍋5の外底面のほぼ中央部には、図1に示
すように、温度センサ15が弾性的に当接して接触し、
この温度センサ15により鍋5の温度が逐次検出される
ようになっている。
【0029】内枠3の下部にはコイルベース16が取り
付けられ、このコイルベイース16の外面に加熱手段と
して、ポリウレタン等の樹脂で絶縁された銅線を集合し
て捩じったリッツ線を螺旋状に巻いてなる加熱コイル1
7が鍋5の発熱層部材8に対応する位置、すなわち鍋5
の底面と側面下部に対向する位置に設けられている。加
熱コイル17はコイルカバー18で覆われ、このコイル
カバー18の外面側にフェライト19が取り付けられて
いる。
【0030】炊飯器本体1の内底部には、加熱制御基板
20が設けられ、この加熱制御基板20は加熱コイル1
7に24〜30KHz の高周波電流を供給するインバー
タ回路等の制御回路21やIGBTトランジスタ等のスイッ
チング素子22を有し、前記スイッチング素子22に放
熱器23が接続され、このスイッチング素子22の発熱
による熱を前記放熱器23を介して放熱するようになっ
ている。
【0031】加熱制御器板20を介して加熱コイル17
に高周波電流が供給されると、加熱コイル17に交番磁
界が発生し、その磁界中に配置する鍋5の発熱層部材8
に渦電流が流れ、この渦電流がジュール熱に変換されて
発熱層部材8が発熱し、この発熱で鍋5が加熱される。
【0032】炊飯器本体1の内部には操作基板24が設
けられ、この操作基板24に操作パネル25が設けら
れ、この操作パネル25が外枠2の側面からその外部に
露出している。
【0033】炊飯器本体1の上部には蓋体28が設けら
れ、この蓋体28は、外蓋29と、外蓋カバー30と、
内蓋31とで構成されている。外蓋29および外蓋カバ
ー30はそれぞれポリプロピレン等の樹脂からなる。そ
して外蓋カバー30は外蓋29の下面周縁部に取り付け
られている。また、内蓋31はアルミニウムやステンレ
ス等の金属からなり、外蓋カバー30の内側の外蓋29
の下面側に取り付けられている。
【0034】内蓋31の中央部には蒸気孔34が形成さ
れ、この蒸気孔34に対応して外蓋29に蒸気放出口3
5が形成され、この蒸気放出口35と内蓋31との間に
蒸気口ユニット36が装着されている。また、内蓋31
の上面には、内蓋31を加熱する蓋ヒータ37、および
内蓋31の温度を逐次検出する温度センサ38が設けら
れている。
【0035】蓋体28は、ヒンジ機構40を介して炊飯
器本体1の上部に上下方向に回動可能に取り付けられ、
その回動により蓋体28の内蓋31により鍋5の開口部
が開閉される。前記ヒンジ機構40の反対側において
は、蓋体28を炊飯器本体1に係脱可能に係止して蓋体
28の閉合状態を保持するクランプ機構41が設けられ
ている。
【0036】炊飯行程について説明すると、鍋5内には
水と米を収容し、加熱コイル17に基づく誘導加熱(I
H加熱)により鍋5内の水を60℃以下の温度に加熱し
て米に対する吸水を促進するひたし炊きを15分間程度
行なう。このひたし炊きが終了した後には沸騰加熱に移
行する。なお、ひたし炊きは必ずしも必要ではなく、省
略してもよい。
【0037】沸騰加熱は、鍋5内の水を沸騰させる行程
である。本実施形態においては、鍋5の誘導加熱(IH
加熱)の出力は、1300W、1000W、 700W、 500Wの4
段階に分割してあり、ひたし炊きには 700Wを使用し、
沸騰加熱には1300Wの連続通電で加熱する構成となって
いる。
【0038】沸騰加熱中に、温度センサ15が90℃以
上となり、所定の温度に安定したときに沸騰継続加熱に
移行する。この沸騰継続加熱は、加熱の出力を1000Wに
低減し、かつ所定の断続通電に切り換えて鍋5内の水が
3〜7分間程度沸騰が継続するように制御する。
【0039】所定の行程時間が経過するか、あるいは温
度センサ15の温度が2〜5℃上昇したときには、炊き
上げ行程に移行する。この炊き上げ行程は、1300Wで断
続通電し、温度センサ15の温度が10〜15℃上昇し
たときに終了し、この終了後にむらし行程に移行する。
このむらし行程は、 700Wで温度センサ15の温度に応
じて加熱し、焦げが生じない程度に鍋5内を高温に保持
してむらし効果を確保する。そしてこのむらし行程の後
に保温行程に移行する。
【0040】保温行程においては、加熱コイル17の消
費電力を 500Wに低減し、断続通電により鍋5を加熱す
る。例えば0.35秒間の通電と5秒間の断電のサイクルを
基本とし、鍋5の温度が70℃以上の場合は0.35秒間の
通電を省略して5秒間の断電を続け、5秒間の断電の経
過時点で鍋5の温度が70℃未満の場合に0.35秒間の通
電による加熱を行なうように構成して鍋5を70〜76
℃の温度に保持する。なお、鍋5の保温温度は、70〜
76℃のほかに、この温度の範囲と64〜70℃との二
種類に切り換え可能としたり、あるいは一時的にご飯の
温度を80℃以上に再加熱する機能を付加するようにし
てもよい。ただ、いずれの場合にも、鍋5の保温手段と
しては、炊飯時に鍋5を加熱する加熱手段としての加熱
コイル17を共用して用いる。
【0041】炊飯および保温中には、蓋ヒータ37で蓋
体28の内蓋31を加熱し、この加熱により内蓋31の
下面での結露を少なくして、炊飯直後や保温中に蓋体2
8を開けたときにつゆが多量に流れ落ちないようにして
ある。
【0042】鍋5内の湯の沸騰時には、鍋5内の側面下
部に気泡(水蒸気)が発生し、この気泡がその周囲の湯
と米を取り込みながら、鍋5の側面に沿って上昇する。
ここで、鍋5の内面には、その底面から側面に亘って延
びる複数の凹溝11からなる渦形パターン10が形成さ
れており、このためこの渦形パターン10に沿って気泡
と共に湯が円滑に上昇する。そしてこの渦形パターン1
0を構成する各凹溝11が反時計回りの方向に円弧を描
くように延びているから、湯が鍋5内で反時計方向に旋
回しながら上昇する。鍋5の上部に上昇した湯は、反時
計方向に旋回しながら水平移動して鍋5の中心部へ向か
って流れる。
【0043】水平移動する物体には、北半球では右向き
に向かおうとするコリオリの力が働く。すなわちこのコ
リオリの力は、慣性系に対して一定の角速度で回転する
座標系において運動する物体に働く慣性力であり、この
コリオリの力が働くことにより、鍋5の中心部に向かう
湯は右向きの力を受け、より反時計方向に旋回しようと
する。鍋5の中心部に集まった湯はその中心部から下方
に流れ、さらに鍋5の底面から側面に向かって流れて対
流を繰り返す。
【0044】このように、鍋5内の湯はその鍋5の内面
に形成された渦形パターン10により沸騰初期からスム
ーズかつ活発に対流し、したがって従来と同様の加熱量
であっても加熱むらが小さくなり、炊きむらの少ない全
体がふっくらとした美味しいご飯を炊き上げることがで
きる。そして加熱量を抑えることができることにより、
吹きこぼれを防止でき、また電力の消費を低減して省エ
ネルギー化を図ることができる。
【0045】図4には第2の実施形態を示してあり、こ
の実施形態においては、鍋5の内面に、その底面から側
面に向かって直線状に延びる複数の凹部からなる段部1
3が形成されている。
【0046】図5には第3の実施形態を示してあり、こ
の実施形態においては、鍋5の内面に、その底面から側
面に向かって延びる複数の凹部からなる段部13が形成
され、これら段部13が鍋5の底面から側面に向かって
円弧状に湾曲しながら渦状に延びている。
【0047】図4および図5に示す段部13は、その一
端側の端部が鍋5の上端の開口縁にまで延びているが、
図6に第4の実施形態として示すように、鍋5の底面か
ら側面に向かって延びる複数の凹状の段部13をその側
面のほぼ中間部の位置で途切れるようにしてもよい。
【0048】また、図4、図5、図6に示す鍋5におい
ては、段部13を凹状としてあるが、図7に第5の実施
形態として示すように、凸状の段部13としたり、図8
に第6の実施形態として示すように、凸状の段部13a
と凹状の段部13bとが交互に並ぶ状態としてもよい。
そして、そのいずれの状態のときにも段部13,13
a,13bにおけるその段差は0.2 〜3mmとし、ご飯
をよそうときに支障が生じないようにする。
【0049】なお、段部13,13a,13bの断面形
状は任意であり、その断面形状に応じて段差寸法もご飯
のよそいやすいように設定する。円弧状に湾曲する段部
13,13a,13bのときのその円弧の曲率には特に
制約はなく、大きくても小さくても円弧状に湾曲してい
ればよく、また完全な渦巻き状態になっていなくてもよ
い。
【0050】そして段部13,13a,13bの始点の
位置は、図9(A)に示すように、鍋5の底面の中心の
位置であっても、図9(B)に示すように、その中心の
外側の位置であってもよい。なお、いずれの場合におい
ても、少なくとも段部13,13a,13bに対向する
外側に加熱コイル17が配置する構成とする。なお、鍋
5を加熱する加熱手段としては、加熱コイル17を用い
る電磁誘導方式に限らず、ヒータ等を用いる方式を採用
することも可能である。
【0051】
【発明の効果】以上述べたようにこの発明によれば、加
熱量を上げることなく、簡単な構造で沸騰初期から鍋内
の湯の全体の対流を促進して加熱むらを抑え、炊きむら
の少ないふっくらとした美味しいご飯を炊き上げること
ができる。
【0052】そして、請求項2の発明では、鍋の各凹溝
における両側縁のうちの上部側の側縁が、垂直線に対し
て凹溝の外側に所定の開きの角度だけ傾斜するテーパ面
となっているから、その凹溝を切削機械加工によらず溶
湯鍛造法やダイカスト法のみで形成することができ、請
求項3の発明では、凹溝における所定の開きの角度が1
°以上であるから、同様にその凹溝を切削機械加工によ
らず溶湯鍛造法やダイカスト法のみで形成することがで
きる。
【0053】請求項4の発明では、鍋の底面から側面に
向かって延びる複数の段部が形成され、この鍋の底部、
または底部および側面下部を加熱して炊飯を行なうか
ら、鍋内面の発熱部に対応した部分の水と接触する面積
が拡大し、熱交換面積の拡大により従来より加熱効率を
向上させることができ、また鍋内面の段部に沿って加熱
された水が鍋内面を上昇し、鍋側面への熱移動が従来よ
り促進し、発熱部の局部的加熱を緩和して鍋底、鍋側面
の加熱むらを低減することが可能となる。
【0054】請求項5の発明では、各段部が鍋の底面か
ら側面に向かって円弧状に湾曲しながら延びているか
ら、鍋内の湯が鍋内側面に沿って回るように上昇し、直
線状の段部の場合より側面の加熱効率を向上させること
が可能となる。
【0055】請求項6の発明では、鍋をダイキャストや
溶湯鍛造等の溶融金属を用いる方法で形成するようにし
たから、鍋の内外面を異なる形状に容易にできるため、
鍋内面の段差を容易に成形することができる。
【0056】請求項7の発明では、前記鍋の内面に、鍋
の側面の下部から上部に向かって、あるいは鍋の底面か
ら側面に向かって渦状に延びる複数の凹凸からなる渦形
パターンを形成し、この渦形パターンにおける渦の巻方
向を、鍋を上から見たときに反時計回りの方向となるよ
うにしたから、沸騰初期から鍋内の湯が旋回しながら対
流し、したがって加熱むらを抑え、炊きむらの少ないふ
っくらとした美味しいご飯を炊き上げることができる。
【0057】請求項8の発明では、渦状に延びる凹凸間
における鍋の内面に、その凹凸に沿って延びるように水
位目盛線を設けたから、その水位目盛線のパッド印刷が
凹部にかからず、デザインよく仕上げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態に係る炊飯器の構造を示
す断面図。
【図2】その炊飯器における鍋の平面図。
【図3】その鍋の一部の断面図。
【図4】この発明の第2の実施形態に係る鍋の斜視図。
【図5】この発明の第3の実施形態に係る鍋の斜視図。
【図6】この発明の第4の実施形態に係る鍋の斜視図。
【図7】この発明の第5の実施形態に係る鍋の平面図。
【図8】この発明の第6の実施形態に係る鍋の平面図。
【図9】鍋の内面に形成する段部の始点の位置を説明す
るための説明図。
【符号の説明】
1…炊飯器本体 5…鍋 7…鍋本体 8…発熱層部材 10…渦形パターン 11…凹溝 13…段部 13a…段部 13b…段部 17…加熱コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 名古屋 一博 新潟県加茂市大字後須田2570番地1 東芝 ホームテクノ株式会社内 (72)発明者 下村 康二 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内 (72)発明者 守道 信昭 東京都港区芝浦一丁目1番1号 株式会社 東芝本社事務所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍋を加熱手段により加熱して炊飯を行なう
    炊飯器において、前記鍋の内面に、鍋の側面の下部から
    上部に向かって、あるいは鍋の底面から側面に向かって
    渦状に延びる複数の凹溝からなる渦形パターンが形成さ
    れていることを特徴とする炊飯器。
  2. 【請求項2】各凹溝における両側縁のうちの上部側の側
    縁は、垂直線に対して凹溝の外側に所定の開きの角度だ
    け傾斜するテーパ面となっていることを特徴とする請求
    項1に記載の炊飯器。
  3. 【請求項3】凹溝における所定の開きの角度は、1°以
    上であることを特徴とする請求項2に記載の炊飯器。
  4. 【請求項4】鍋を加熱手段により加熱して炊飯を行なう
    炊飯器において、前記鍋の内面に、鍋の底面から側面に
    向かって延びる複数の段部が形成され、この鍋の底部、
    または底部および側面下部を加熱して炊飯を行なうこと
    を特徴とする炊飯器。
  5. 【請求項5】各段部は、鍋の底面から側面に向かって円
    弧状に湾曲しながら延びていることを特徴とする請求項
    4に記載の炊飯器。
  6. 【請求項6】鍋は、ダイキャストや溶湯鍛造等の溶融金
    属を用いる方法で形成されていることを特徴とする請求
    項1ないし5のうちのいずれか1つに記載の炊飯器。
  7. 【請求項7】鍋を加熱手段により加熱して炊飯を行なう
    炊飯器において、前記鍋の内面に、鍋の側面の下部から
    上部に向かって、あるいは鍋の底面から側面に向かって
    渦状に延びる複数の凹凸からなる渦形パターンが形成さ
    れ、この渦形パターンにおける渦の巻方向が、鍋を上か
    ら見たときに反時計回りの方向であることを特徴とする
    炊飯器。
  8. 【請求項8】渦状に延びる凹凸間における鍋の内面に、
    その凹凸に沿って延びる水位目盛線が設けられているこ
    とを特徴とする請求項7に記載の炊飯器。
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