JP2004321329A - 電磁誘導加熱用容器とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】発熱部材の熱を効率良く容器本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器とその製造方法を提供する。
【解決手段】複数の凹凸部93を有する下型91に発熱層部材8Aを装着してアルミニウム溶湯7Aを注入した後、このアルミニウム溶湯7Aを上型92で加圧して複数の凹部及び凸部を有する発熱層が下部外面に接合された鍋本体を成型し、鍋本体の上部外面の発熱層が接合されていない部分に断熱層を設ける。熱が逃げやすい鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、保温性能を向上させた鍋4を容易に製造することができる。
【選択図】 図5
【解決手段】複数の凹凸部93を有する下型91に発熱層部材8Aを装着してアルミニウム溶湯7Aを注入した後、このアルミニウム溶湯7Aを上型92で加圧して複数の凹部及び凸部を有する発熱層が下部外面に接合された鍋本体を成型し、鍋本体の上部外面の発熱層が接合されていない部分に断熱層を設ける。熱が逃げやすい鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、保温性能を向上させた鍋4を容易に製造することができる。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導により加熱して調理を行う電磁誘導加熱調理器に用いられる電磁誘導加熱用容器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁誘導加熱用容器は、一般に、アルミニウムを主体とする非磁性金属材料の下部外面に、電磁誘導加熱のための発熱部材が一体に接合されている。
【0003】
そして、電磁誘導加熱容器に凹凸部を設けることによって、加熱効率を向上させ、加熱むらを抑制して炊きむらの少ない炊飯ができるようにしたものが、特開平9−140566号公報(特許文献1)に記載されている。これは、非磁性金属材料の下部外面に接合される磁性金属材料からなる発熱部材に凹凸部を形成することによって発熱部材の表面積を大きくし、発熱部材の熱を効率良く容器本体に伝えるようにしたものである。また、凹凸部があるために、発熱方向が容器本体の内面に対して一方向だけではなく、発熱部材から離れた容器本体の部位へも熱が伝達し、容器本体全体の加熱むらが抑制される。
【0004】
また、上記公報には、溶融鍛造法により、容器本体の成型と同時に発熱部材の凹凸部を形成し容器本体に接合する製造方法が開示されている(段落[0040]、図7等を参照。)。この製造方法によれば、一工程で容器本体の成型、発熱部材の凹凸部の形成、発熱部材の容器本体への接合を同時に行うことができるなど、製造性を向上できる。また、容器本体の外面に凹凸部を有していても、容器本体の内面を平坦に形成することができるので、使用後に容器本体を洗浄する際に容器本体の内面に付着した汚れが取れ難くなるといった問題も生じない。
【0005】
しかしながら、このような電磁誘導加熱用容器は、発熱部材に凹凸部を形成することにより発熱部材の熱を効率良く容器本体へ伝えることができる一方、発熱部材が設けられていない容器本体の上部から、容器本体の熱が外部に逃げやすい。このため、容器本体を一定の温度に保持する保温の際に、無駄なエネルギーが消費されてしまうという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−140566号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、発熱部材の熱を効率良く容器本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器とその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の電磁誘導加熱用容器の製造方法によれば、磁性材料を設けて溶湯を注入し、前記磁性材料が設けられた本体を成型し、前記磁性材料が設けられていない部分に断熱部材を設けるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器の製造方法を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の電磁誘導加熱用容器によれば、アルミニウムを主体とする本体と、この本体に設けられる磁性材料からなる発熱部材と、前記磁性材料が設けられていない部分に設けられた断熱部材とからなるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器を提供することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明の電磁誘導加熱用容器の実施例について、図面を参照しながら炊飯器を例にとって説明する。全体断面図を示す図1において、1は炊飯器本体であり、これは上面を開口した有底筒状の内枠2と、この内枠2を内部に備え炊飯器本体1の外殻を形成する外枠3とにより構成されている。内枠2はガラス繊維入りPET樹脂製で、この内枠2内に着脱自在に収容される容器たる鍋4の外面形状にほぼ相似した形状に形成されている。
【0011】
被炊飯物である米や水が収容される鍋4の形状は、上面を開口した有底筒状に形成されているが、この鍋4の外側面の最上部には、水平に外方へ突出したフランジ状の取手部5を形成している。鍋4は、その取手部5が内枠2の上端面上に載ることにより吊設状態に支持され、内枠2とその内部に収容された鍋4との間に、取手部5を除いて1〜4mmの所定の隙間6が形成される。また、この鍋4は、熱伝導性に優れた A3004系のアルミニウム材料を主体にした本体たる容器本体たる鍋本体7と、この鍋本体7の外底面部から側面下部にかけて、すなわち鍋本体7の下部外面に設けられた発熱部材たる発熱層8と、鍋本体7の側面上部、すなわち上部外面に設けられた断熱部材たる断熱層9により形成されている。この発熱層8は、鍋4の加熱のためのもので、SUS430などのフェライト系ステンレスよりなる磁性材料たる磁性金属材料からなっている。また、断熱層9は、鍋4の保温のためのもので、酸化アルミニウムなどの多孔質のセラミックス、または耐熱性のプラスチックよりなる。なお、この断熱層9は、アルミニウムよりも熱伝導率が低い材料で形成されている。
【0012】
また、鍋4の内表面は、FEP樹脂を塗装してプライマー層を形成した後、透明色のPFA樹脂を塗装することにより、弗素樹脂系のコーティング層を形成してある。一方、鍋4の外面は、発熱層8や断熱層9とともにシリコーン樹脂を含む弗素塗料で塗装することにより、弗素樹脂系のコーティング層を形成してある。なお、鍋4の形状や製造については、また後に詳述する。
【0013】
14は、鍋4の発熱層8を電磁誘導により加熱する誘導コイルである。この誘導コイル14は、内枠2および隙間6を挾んで、鍋4の発熱層8に対向している。また、誘導コイル14を外側から覆う板状のフェライトカバー15が装着されている。
このフェライトカバー15は、酸化鉄を主原料とする高透磁率の材料からなり、図示していないが、誘導コイル14の巻き方向と直交する複数の孔を有している。なお、フェライトカバー15と誘導コイル14との間には絶縁物を介在させてある。
【0014】
鍋4の裏側つまり下側には、温度ヒューズ22が設けられているとともに、負特性サーミスタからなる鍋温度センサ23が鍋4に底部外面に弾発的に当接して設けられている。この鍋温度センサ23によって、鍋4の温度が検出されるようになっている。
【0015】
また、炊飯器本体1内の内枠2と外枠3とで囲まれた空間には制御基板26が設けられている。この制御基板は、鍋4に接している鍋温度センサ23の検出温度に基づき、誘導コイル14に流れる電流や電圧を制御するものである。また、32は外枠3の底部に設けられた電源コード(図示せず)を巻取るコードリールである。
【0016】
41は、鍋4の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体である。この蓋体41は、外蓋42と、この外蓋42の下側外周に沿って設けられた外蓋カバー43と、外蓋42の下側に空間を形成しつつ取付けられ蓋体31の下面部を形成するアルミニウム材料からなる放熱板44とにより構成されている。45は蓋パッキンであり、蓋体41の閉塞時に、この蓋パッキン45の下端が鍋4の取手部5に密着する。蓋体41の前側にはクランプボタン46が設けられ、このクランプボタン46を押動操作することによって、蓋体41の後側に設けられたヒンジ47を回転中心として、蓋体41を開くことができる。また、放熱板44の上面つまり裏面には、放熱板44を加熱するコードヒータなどからなる蓋ヒータ48が設けられている。なお、50は鍋4からの蒸気を外部に排出する蒸気口である。
【0017】
ここで、前記鍋4の形状や製造について、詳細に説明する。図2に示すように、鍋4の外側面は、全高Hの中間前後または全高Hの1/3前後の高さから下側になるにしたがって、直径の減少率が大きくなりつつ鍋4の外底面の最下部81に繋がる曲線状の縦断面をなし、鍋4の最下部81(鍋4を平らなテーブル面などの上に置いたときこのテーブル面などに接する最外周部分)の直径A1が鍋4の側面最上部82の直径A2の3/4〜1/4になる形状になっている。なお、ここでいう鍋4の側面最上部82は、取手部5を含まず、内枠2内に収容される部分の最上部のことである。例えば、鍋4の側面最上部82の直径A2が 200mmの場合、最下部81の直径A1は150〜50mmにする。
【0018】
鍋4の部分断面図である図3に示すように、鍋4の外面側のみに、複数の凹凸部(凹部83および凸部85)が形成されている。発熱層8の底面部と側面下部に形成された凹部83の深さB1は、鍋4の外面にご飯粒が付着したときの清掃性がよく、また、強度低下がないようにあまり深くせず、例えば、0.2〜0.3mm程度にしてある。一方、鍋4の内面は、ご飯がよそいやすいように、凹凸のない滑らかな平坦な形状にしてある。
【0019】
また、鍋4の底面図である図4に示すように、発熱層8の中心部91近傍は、鍋温度センサ23が当接するため、凹凸は設けられていない。そして、中心部91の近傍を除いて、中心部91から同心円状に略均等な間隔をおいて複数の凸部85Aが設けられている。なお、隣り合った凸部85Aの間隔は6〜10mmとなっている。
【0020】
そして、発熱層8の中心部91から放射状に複数の凸部85Bが設けられている。
この凸部85Bは、隣接した同心円状の凸部85Aを結んで形成されており、隣り合った凸部85Bの間隔は10mm程度となっている。したがって、凸部85Aと凸部85Bとで囲まれた凹部83の形状は、略四角形となっている。そして、凹部83は、略四角形の中央部が最も凹んだ形状となっている。
【0021】
なお、本実施例では凹部83の形状は略四角形としたが、これに限らず、丸形でもよいし、多角形や楕円形などであってもよい。他に、線状にビードを形成したり、ディンプルや亀甲状の形状としてもよく、要は、鍋本体7と発熱層8との接触面積が増加し、加熱面積が増加する構成であればよい。ただし、最も製造しやすいのは、本実施例のような略四角形である。また、凹部83および凸部85(85A,85B)の断面形状も、本実施例に示した形状に限らず、様々な形状が可能である。なお、凹部83や凸部85の角部には、適度の曲面形状を形成して、鋭い角がないようにする。
【0022】
また、凹部83および凸部85は鍋温度センサ23が対向する部分には設けず、温度検出に影響がないようにしてある。一方、凹部83,84および凸部85,86は、誘導コイル14に対向しない部分に形成しても加熱効率上の効果が薄いので、鍋4の側面部における少なくとも中間より上側には設けていない。
【0023】
つぎに、前記鍋4の製造方法の一例について、図5を参照しながら説明する。
この製造方法は、溶湯鍛造法により鍋本体7に発熱層8を接合するものである。
図5において、8Aは発熱層8となる発熱層部材、7Aは鍋本体7の材料であるアルミニウム溶湯である。また、91は鍋4の外面を形成する下型、92は鍋4の内面を形成する上型で、これら下型91および上型92は上下方向に開閉する。下型91には、鍋4の外面の凹部83および凸部85を形成する凹凸部93を形成してあり、上型92の表面は、滑らかな形状になっている。
【0024】
まず、凹凸部を形成していない皿状の磁性金属材料たる発熱層部材8Aを下型91上に装着する。ついで、型91,92内の発熱層部材8A上へ溶けたアルミニウム溶湯7Aを注入し、プレスにより上型91を上から加圧して成型し、アルミニウムが冷えて固まったら、型91,92から取り出す。なお、溶湯鍛造法の場合、その後に上型による加圧が行われるが、この注入あるいは加圧による圧力によって、同時に発熱層部材8Aに下型91の凹凸形状が転写されて、発熱層8の凹部83および凸部85が形成される。この製造方法によれば、発熱層部材8Aにあらかじめ凹部83および凸部85を形成しておく手間が不要で、全ての凹部83および凸部85を一工程で容易に形成でき、製造性が向上する。さらに、寸法精度を安定させられる利点もある他、発熱層8の側面部にも、確実に所定形状(略四角形、またはディンプルや亀甲模様など)の凹部83および凸部85を形成できる。
【0025】
つぎに、このように成型された鍋本体7の上部外面の発熱層部材8Aが接合されていない部分に、酸化アルミニウムなどの多孔質のセラミックスを溶射して断熱層9を形成する。または、耐熱性のプラスチックを塗装して断熱層9を形成してもよい。発熱層8が設けられていない鍋4の上部は、従来の鍋においては鍋本体7がむき出しの状態になっており、ここから熱が逃げていたが、本実施例のように、鍋本体7の上部外面に断熱層9を設けることによって、鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、鍋4の保温性能を向上させることができる。したがって、加熱や保温のための無駄なエネルギーの消費を防止することができる。
【0026】
また、電磁誘導加熱の際には磁性金属からなる発熱層8が主に発熱するが、凹部83および凸部85により発熱層8の面積が増大し、被発熱面積が増えることにより、発熱層8の発熱効率が向上する。また、凹部83および凸部85により鍋本体7と発熱層8との結合面積が増大するので、発熱層部材8Aと鍋本体7との結合強度が強くなるとともに、発熱層8の熱が効率よく鍋本体7に伝達し、鍋本体7の加熱効率が向上する。また、発熱面の角度が凹部83および凸部85で変化するので、発熱方向が鍋4の内面に対して一方向だけでなくなる。したがって、発熱層8が滑らかな平坦な形状である場合よりも、速やかに発熱部から離れた鍋本体7へ熱が伝達し、発熱部の局部加熱が抑制されて鍋本体7全体の加熱むらが抑制される。これにより、鍋4の内面の加熱密度が低減し、加熱過多で鍋4に接した部分のご飯が柔らかくなりすぎることが抑制される。そして、鍋4の内面の加熱密度低減により、焦げ付きも低減する。また、鍋4の底面部と側面下部とに凹部83および凸部85を設けたので、底面部の加熱が強くなり過ぎることがなく、側面下部の加熱が弱くなることもないので、加熱むらのおそれがない。こうして、凹部83および凸部85により、加熱効率がよく、炊きむらの少ない炊飯ができる。
【0027】
さらに、鍋4の外側面は、全高Hの中間前後または1/3前後の高さから下側になるにしたがって、直径の減少率が大きくなりつつ鍋4の最下部81に繋がる曲線状の縦断面をなすとともに、鍋4の最下部81の直径A1が鍋4の側面最上部82の直径A2の3/4〜1/4になる形状としているので、鍋4の内側面下部よりも鍋4の内側面上部に激しい対流が生じて熱が上部に素早く伝達され、上部の熱は、加熱源である発熱層8から最も離れた鍋4の中心部に速やかに伝達される。
これにより、加熱むらがより低減する。
【0028】
これとともに、凹部83および凸部85が鍋4の外側面にあって見えやすくなるので、前記の作用効果があるものであることが使用者にわかりやすくなり、凹部83および凸部85のデザインの一部としての活用効果も向上する。
【0029】
なお、前記実施例では、溶湯鍛造法を例に採って鍋4の製造方法を説明したが、普通のダイカストや低圧鋳造により鍋本体7を成形する製造方法であってもよい。要は、アルミニウム溶湯7Aを使用し、鍋本体7の成形と同時にこの鍋本体7に発熱層部材8Aを接合する製造方法であればよい。
【0030】
以上のように本実施例では、複数の凹凸たる凹凸部93を有する下型91に磁性金属材料たる発熱層部材8Aを装着してアルミニウムを主体とする溶湯たるアルミニウム溶湯7Aを注入した後、このアルミニウム溶湯7Aを上型92で加圧して複数の凹凸たる凹部83及び凸部85を有する発熱部材たる発熱層8が下部外面に接合された容器本体たる鍋本体7を成型し、この鍋本体7の上部外面の発熱層8が接合されていない部分に断熱部材たる断熱層9を設けるものである。
【0031】
この場合、鍋本体7の上部外面に断熱層9を設けることによって、熱が逃げやすい鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、保温性能を向上させた鍋4を容易に製造することができる。したがって、加熱や保温のための無駄なエネルギーの消費を防止することができる鍋4を容易に製造することができる。
【0032】
また、アルミニウムを主体とする容器本体たる鍋本体7と、この鍋本体7の下部外面に接合され複数の凹凸たる凹部83及び凸部85を有する磁性金属材料からなる発熱部材たる発熱層8と、鍋本体7の上部外面の磁性金属材料が接合されていない部分に設けられた断熱部材たる断熱層9とからなるものである。
【0033】
この場合、鍋本体7の上部外面に断熱層9を設けることによって、熱が逃げやすい鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、鍋4の保温性能を向上させることができる。したがって、加熱や保温のための無駄なエネルギーの消費を防止することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。実施例では、炊飯器を例にとって説明したが、その他の電磁誘導加熱用容器にも適用可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明の請求項1の電磁誘導加熱用容器の製造方法によれば、磁性材料を設けて溶湯を注入し、前記磁性材料が設けられた本体を成型し、前記磁性材料が設けられていない部分に断熱部材を設けるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器の製造方法を提供することができる。
【0036】
本発明の請求項2記載の電磁誘導加熱用容器によれば、アルミニウムを主体とする本体と、この本体に設けられる磁性材料からなる発熱部材と、前記磁性材料が設けられていない部分に設けられた断熱部材とからなるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す鍋の断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す鍋の底部の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す鍋の底面図である。
【図5】本発明の一実施例の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
7 鍋本体(本体)
7A アルミニウム溶湯(溶湯)
8 発熱層(発熱部材)
8A 発熱層部材(磁性材料)
9 断熱層(断熱部材)
83 凹部(複数の凹凸)
85 凸部(複数の凹凸)
91 下型
92 上型
93 凹凸部
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁誘導により加熱して調理を行う電磁誘導加熱調理器に用いられる電磁誘導加熱用容器とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の電磁誘導加熱用容器は、一般に、アルミニウムを主体とする非磁性金属材料の下部外面に、電磁誘導加熱のための発熱部材が一体に接合されている。
【0003】
そして、電磁誘導加熱容器に凹凸部を設けることによって、加熱効率を向上させ、加熱むらを抑制して炊きむらの少ない炊飯ができるようにしたものが、特開平9−140566号公報(特許文献1)に記載されている。これは、非磁性金属材料の下部外面に接合される磁性金属材料からなる発熱部材に凹凸部を形成することによって発熱部材の表面積を大きくし、発熱部材の熱を効率良く容器本体に伝えるようにしたものである。また、凹凸部があるために、発熱方向が容器本体の内面に対して一方向だけではなく、発熱部材から離れた容器本体の部位へも熱が伝達し、容器本体全体の加熱むらが抑制される。
【0004】
また、上記公報には、溶融鍛造法により、容器本体の成型と同時に発熱部材の凹凸部を形成し容器本体に接合する製造方法が開示されている(段落[0040]、図7等を参照。)。この製造方法によれば、一工程で容器本体の成型、発熱部材の凹凸部の形成、発熱部材の容器本体への接合を同時に行うことができるなど、製造性を向上できる。また、容器本体の外面に凹凸部を有していても、容器本体の内面を平坦に形成することができるので、使用後に容器本体を洗浄する際に容器本体の内面に付着した汚れが取れ難くなるといった問題も生じない。
【0005】
しかしながら、このような電磁誘導加熱用容器は、発熱部材に凹凸部を形成することにより発熱部材の熱を効率良く容器本体へ伝えることができる一方、発熱部材が設けられていない容器本体の上部から、容器本体の熱が外部に逃げやすい。このため、容器本体を一定の温度に保持する保温の際に、無駄なエネルギーが消費されてしまうという問題があった。
【0006】
【特許文献1】
特開平9−140566号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、発熱部材の熱を効率良く容器本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器とその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の電磁誘導加熱用容器の製造方法によれば、磁性材料を設けて溶湯を注入し、前記磁性材料が設けられた本体を成型し、前記磁性材料が設けられていない部分に断熱部材を設けるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器の製造方法を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項2記載の電磁誘導加熱用容器によれば、アルミニウムを主体とする本体と、この本体に設けられる磁性材料からなる発熱部材と、前記磁性材料が設けられていない部分に設けられた断熱部材とからなるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器を提供することができる。
【0010】
【発明の実施形態】
以下、本発明の電磁誘導加熱用容器の実施例について、図面を参照しながら炊飯器を例にとって説明する。全体断面図を示す図1において、1は炊飯器本体であり、これは上面を開口した有底筒状の内枠2と、この内枠2を内部に備え炊飯器本体1の外殻を形成する外枠3とにより構成されている。内枠2はガラス繊維入りPET樹脂製で、この内枠2内に着脱自在に収容される容器たる鍋4の外面形状にほぼ相似した形状に形成されている。
【0011】
被炊飯物である米や水が収容される鍋4の形状は、上面を開口した有底筒状に形成されているが、この鍋4の外側面の最上部には、水平に外方へ突出したフランジ状の取手部5を形成している。鍋4は、その取手部5が内枠2の上端面上に載ることにより吊設状態に支持され、内枠2とその内部に収容された鍋4との間に、取手部5を除いて1〜4mmの所定の隙間6が形成される。また、この鍋4は、熱伝導性に優れた A3004系のアルミニウム材料を主体にした本体たる容器本体たる鍋本体7と、この鍋本体7の外底面部から側面下部にかけて、すなわち鍋本体7の下部外面に設けられた発熱部材たる発熱層8と、鍋本体7の側面上部、すなわち上部外面に設けられた断熱部材たる断熱層9により形成されている。この発熱層8は、鍋4の加熱のためのもので、SUS430などのフェライト系ステンレスよりなる磁性材料たる磁性金属材料からなっている。また、断熱層9は、鍋4の保温のためのもので、酸化アルミニウムなどの多孔質のセラミックス、または耐熱性のプラスチックよりなる。なお、この断熱層9は、アルミニウムよりも熱伝導率が低い材料で形成されている。
【0012】
また、鍋4の内表面は、FEP樹脂を塗装してプライマー層を形成した後、透明色のPFA樹脂を塗装することにより、弗素樹脂系のコーティング層を形成してある。一方、鍋4の外面は、発熱層8や断熱層9とともにシリコーン樹脂を含む弗素塗料で塗装することにより、弗素樹脂系のコーティング層を形成してある。なお、鍋4の形状や製造については、また後に詳述する。
【0013】
14は、鍋4の発熱層8を電磁誘導により加熱する誘導コイルである。この誘導コイル14は、内枠2および隙間6を挾んで、鍋4の発熱層8に対向している。また、誘導コイル14を外側から覆う板状のフェライトカバー15が装着されている。
このフェライトカバー15は、酸化鉄を主原料とする高透磁率の材料からなり、図示していないが、誘導コイル14の巻き方向と直交する複数の孔を有している。なお、フェライトカバー15と誘導コイル14との間には絶縁物を介在させてある。
【0014】
鍋4の裏側つまり下側には、温度ヒューズ22が設けられているとともに、負特性サーミスタからなる鍋温度センサ23が鍋4に底部外面に弾発的に当接して設けられている。この鍋温度センサ23によって、鍋4の温度が検出されるようになっている。
【0015】
また、炊飯器本体1内の内枠2と外枠3とで囲まれた空間には制御基板26が設けられている。この制御基板は、鍋4に接している鍋温度センサ23の検出温度に基づき、誘導コイル14に流れる電流や電圧を制御するものである。また、32は外枠3の底部に設けられた電源コード(図示せず)を巻取るコードリールである。
【0016】
41は、鍋4の上部開口部を開閉自在に覆う蓋体である。この蓋体41は、外蓋42と、この外蓋42の下側外周に沿って設けられた外蓋カバー43と、外蓋42の下側に空間を形成しつつ取付けられ蓋体31の下面部を形成するアルミニウム材料からなる放熱板44とにより構成されている。45は蓋パッキンであり、蓋体41の閉塞時に、この蓋パッキン45の下端が鍋4の取手部5に密着する。蓋体41の前側にはクランプボタン46が設けられ、このクランプボタン46を押動操作することによって、蓋体41の後側に設けられたヒンジ47を回転中心として、蓋体41を開くことができる。また、放熱板44の上面つまり裏面には、放熱板44を加熱するコードヒータなどからなる蓋ヒータ48が設けられている。なお、50は鍋4からの蒸気を外部に排出する蒸気口である。
【0017】
ここで、前記鍋4の形状や製造について、詳細に説明する。図2に示すように、鍋4の外側面は、全高Hの中間前後または全高Hの1/3前後の高さから下側になるにしたがって、直径の減少率が大きくなりつつ鍋4の外底面の最下部81に繋がる曲線状の縦断面をなし、鍋4の最下部81(鍋4を平らなテーブル面などの上に置いたときこのテーブル面などに接する最外周部分)の直径A1が鍋4の側面最上部82の直径A2の3/4〜1/4になる形状になっている。なお、ここでいう鍋4の側面最上部82は、取手部5を含まず、内枠2内に収容される部分の最上部のことである。例えば、鍋4の側面最上部82の直径A2が 200mmの場合、最下部81の直径A1は150〜50mmにする。
【0018】
鍋4の部分断面図である図3に示すように、鍋4の外面側のみに、複数の凹凸部(凹部83および凸部85)が形成されている。発熱層8の底面部と側面下部に形成された凹部83の深さB1は、鍋4の外面にご飯粒が付着したときの清掃性がよく、また、強度低下がないようにあまり深くせず、例えば、0.2〜0.3mm程度にしてある。一方、鍋4の内面は、ご飯がよそいやすいように、凹凸のない滑らかな平坦な形状にしてある。
【0019】
また、鍋4の底面図である図4に示すように、発熱層8の中心部91近傍は、鍋温度センサ23が当接するため、凹凸は設けられていない。そして、中心部91の近傍を除いて、中心部91から同心円状に略均等な間隔をおいて複数の凸部85Aが設けられている。なお、隣り合った凸部85Aの間隔は6〜10mmとなっている。
【0020】
そして、発熱層8の中心部91から放射状に複数の凸部85Bが設けられている。
この凸部85Bは、隣接した同心円状の凸部85Aを結んで形成されており、隣り合った凸部85Bの間隔は10mm程度となっている。したがって、凸部85Aと凸部85Bとで囲まれた凹部83の形状は、略四角形となっている。そして、凹部83は、略四角形の中央部が最も凹んだ形状となっている。
【0021】
なお、本実施例では凹部83の形状は略四角形としたが、これに限らず、丸形でもよいし、多角形や楕円形などであってもよい。他に、線状にビードを形成したり、ディンプルや亀甲状の形状としてもよく、要は、鍋本体7と発熱層8との接触面積が増加し、加熱面積が増加する構成であればよい。ただし、最も製造しやすいのは、本実施例のような略四角形である。また、凹部83および凸部85(85A,85B)の断面形状も、本実施例に示した形状に限らず、様々な形状が可能である。なお、凹部83や凸部85の角部には、適度の曲面形状を形成して、鋭い角がないようにする。
【0022】
また、凹部83および凸部85は鍋温度センサ23が対向する部分には設けず、温度検出に影響がないようにしてある。一方、凹部83,84および凸部85,86は、誘導コイル14に対向しない部分に形成しても加熱効率上の効果が薄いので、鍋4の側面部における少なくとも中間より上側には設けていない。
【0023】
つぎに、前記鍋4の製造方法の一例について、図5を参照しながら説明する。
この製造方法は、溶湯鍛造法により鍋本体7に発熱層8を接合するものである。
図5において、8Aは発熱層8となる発熱層部材、7Aは鍋本体7の材料であるアルミニウム溶湯である。また、91は鍋4の外面を形成する下型、92は鍋4の内面を形成する上型で、これら下型91および上型92は上下方向に開閉する。下型91には、鍋4の外面の凹部83および凸部85を形成する凹凸部93を形成してあり、上型92の表面は、滑らかな形状になっている。
【0024】
まず、凹凸部を形成していない皿状の磁性金属材料たる発熱層部材8Aを下型91上に装着する。ついで、型91,92内の発熱層部材8A上へ溶けたアルミニウム溶湯7Aを注入し、プレスにより上型91を上から加圧して成型し、アルミニウムが冷えて固まったら、型91,92から取り出す。なお、溶湯鍛造法の場合、その後に上型による加圧が行われるが、この注入あるいは加圧による圧力によって、同時に発熱層部材8Aに下型91の凹凸形状が転写されて、発熱層8の凹部83および凸部85が形成される。この製造方法によれば、発熱層部材8Aにあらかじめ凹部83および凸部85を形成しておく手間が不要で、全ての凹部83および凸部85を一工程で容易に形成でき、製造性が向上する。さらに、寸法精度を安定させられる利点もある他、発熱層8の側面部にも、確実に所定形状(略四角形、またはディンプルや亀甲模様など)の凹部83および凸部85を形成できる。
【0025】
つぎに、このように成型された鍋本体7の上部外面の発熱層部材8Aが接合されていない部分に、酸化アルミニウムなどの多孔質のセラミックスを溶射して断熱層9を形成する。または、耐熱性のプラスチックを塗装して断熱層9を形成してもよい。発熱層8が設けられていない鍋4の上部は、従来の鍋においては鍋本体7がむき出しの状態になっており、ここから熱が逃げていたが、本実施例のように、鍋本体7の上部外面に断熱層9を設けることによって、鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、鍋4の保温性能を向上させることができる。したがって、加熱や保温のための無駄なエネルギーの消費を防止することができる。
【0026】
また、電磁誘導加熱の際には磁性金属からなる発熱層8が主に発熱するが、凹部83および凸部85により発熱層8の面積が増大し、被発熱面積が増えることにより、発熱層8の発熱効率が向上する。また、凹部83および凸部85により鍋本体7と発熱層8との結合面積が増大するので、発熱層部材8Aと鍋本体7との結合強度が強くなるとともに、発熱層8の熱が効率よく鍋本体7に伝達し、鍋本体7の加熱効率が向上する。また、発熱面の角度が凹部83および凸部85で変化するので、発熱方向が鍋4の内面に対して一方向だけでなくなる。したがって、発熱層8が滑らかな平坦な形状である場合よりも、速やかに発熱部から離れた鍋本体7へ熱が伝達し、発熱部の局部加熱が抑制されて鍋本体7全体の加熱むらが抑制される。これにより、鍋4の内面の加熱密度が低減し、加熱過多で鍋4に接した部分のご飯が柔らかくなりすぎることが抑制される。そして、鍋4の内面の加熱密度低減により、焦げ付きも低減する。また、鍋4の底面部と側面下部とに凹部83および凸部85を設けたので、底面部の加熱が強くなり過ぎることがなく、側面下部の加熱が弱くなることもないので、加熱むらのおそれがない。こうして、凹部83および凸部85により、加熱効率がよく、炊きむらの少ない炊飯ができる。
【0027】
さらに、鍋4の外側面は、全高Hの中間前後または1/3前後の高さから下側になるにしたがって、直径の減少率が大きくなりつつ鍋4の最下部81に繋がる曲線状の縦断面をなすとともに、鍋4の最下部81の直径A1が鍋4の側面最上部82の直径A2の3/4〜1/4になる形状としているので、鍋4の内側面下部よりも鍋4の内側面上部に激しい対流が生じて熱が上部に素早く伝達され、上部の熱は、加熱源である発熱層8から最も離れた鍋4の中心部に速やかに伝達される。
これにより、加熱むらがより低減する。
【0028】
これとともに、凹部83および凸部85が鍋4の外側面にあって見えやすくなるので、前記の作用効果があるものであることが使用者にわかりやすくなり、凹部83および凸部85のデザインの一部としての活用効果も向上する。
【0029】
なお、前記実施例では、溶湯鍛造法を例に採って鍋4の製造方法を説明したが、普通のダイカストや低圧鋳造により鍋本体7を成形する製造方法であってもよい。要は、アルミニウム溶湯7Aを使用し、鍋本体7の成形と同時にこの鍋本体7に発熱層部材8Aを接合する製造方法であればよい。
【0030】
以上のように本実施例では、複数の凹凸たる凹凸部93を有する下型91に磁性金属材料たる発熱層部材8Aを装着してアルミニウムを主体とする溶湯たるアルミニウム溶湯7Aを注入した後、このアルミニウム溶湯7Aを上型92で加圧して複数の凹凸たる凹部83及び凸部85を有する発熱部材たる発熱層8が下部外面に接合された容器本体たる鍋本体7を成型し、この鍋本体7の上部外面の発熱層8が接合されていない部分に断熱部材たる断熱層9を設けるものである。
【0031】
この場合、鍋本体7の上部外面に断熱層9を設けることによって、熱が逃げやすい鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、保温性能を向上させた鍋4を容易に製造することができる。したがって、加熱や保温のための無駄なエネルギーの消費を防止することができる鍋4を容易に製造することができる。
【0032】
また、アルミニウムを主体とする容器本体たる鍋本体7と、この鍋本体7の下部外面に接合され複数の凹凸たる凹部83及び凸部85を有する磁性金属材料からなる発熱部材たる発熱層8と、鍋本体7の上部外面の磁性金属材料が接合されていない部分に設けられた断熱部材たる断熱層9とからなるものである。
【0033】
この場合、鍋本体7の上部外面に断熱層9を設けることによって、熱が逃げやすい鍋4の上部側方外面からの熱の放散を低減させ、鍋4の保温性能を向上させることができる。したがって、加熱や保温のための無駄なエネルギーの消費を防止することができる。
【0034】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。実施例では、炊飯器を例にとって説明したが、その他の電磁誘導加熱用容器にも適用可能である。
【0035】
【発明の効果】
本発明の請求項1の電磁誘導加熱用容器の製造方法によれば、磁性材料を設けて溶湯を注入し、前記磁性材料が設けられた本体を成型し、前記磁性材料が設けられていない部分に断熱部材を設けるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器の製造方法を提供することができる。
【0036】
本発明の請求項2記載の電磁誘導加熱用容器によれば、アルミニウムを主体とする本体と、この本体に設けられる磁性材料からなる発熱部材と、前記磁性材料が設けられていない部分に設けられた断熱部材とからなるので、発熱部材の熱を効率良く本体に伝えることができるとともに、保温性能に優れ無駄なエネルギーの消費を防ぐことのできる電磁誘導加熱用容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す炊飯器の全体断面図である。
【図2】本発明の一実施例を示す鍋の断面図である。
【図3】本発明の一実施例を示す鍋の底部の拡大断面図である。
【図4】本発明の一実施例を示す鍋の底面図である。
【図5】本発明の一実施例の製造方法を示す断面図である。
【符号の説明】
7 鍋本体(本体)
7A アルミニウム溶湯(溶湯)
8 発熱層(発熱部材)
8A 発熱層部材(磁性材料)
9 断熱層(断熱部材)
83 凹部(複数の凹凸)
85 凸部(複数の凹凸)
91 下型
92 上型
93 凹凸部
Claims (2)
- 磁性材料を設けて溶湯を注入し、前記磁性材料が設けられた本体を成型し、前記磁性材料が設けられていない部分に断熱部材を設けることを特徴とする電磁誘導加熱用容器の製造方法。
- アルミニウムを主体とする本体と、この本体に設けられる磁性材料からなる発熱部材と、前記磁性材料が設けられていない部分に設けられた断熱部材とからなることを特徴とする電磁誘導加熱用容器。
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