JP2006190591A - 誘導加熱調理器 - Google Patents

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Abstract

【課題】熱効率がよく、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理とをうまく調理ができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
【解決手段】調理器本体10に着脱自在に載置される非磁性材料よりなるプレート部20の内部に誘導加熱コイル11により誘導加熱される鋼板21を有するとともにプレート部20の上下両面を相互に異なる調理面22、23としたものである。これによって、プレート部20の内部に直接鋼板21が設けられているため熱効率がよいとともに、プレート部20を反転させて調理面22、23を変えることにより、一つのプレート部20で2種類の調理が可能で、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理ができるものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、非磁性材料と組み合わせた鋼板を誘導加熱して調理するようにした誘導加熱調理器に関するものである。
従来、この種の誘導加熱調理器において、調理器用鍋をアルミニウム合金ダイキャストにより構成するとともに、調理器用鍋の底部に、磁性材料からなる鋼板にその上下に施されたアルミニウムメッキ層からなるアルミニウムメッキ鋼板、または磁性材料からなる金属板を鍋鋳造時に一体に成形しているものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
これは、図8〜図10に示すように、アルミニウム合金ダイキャストにより構成した丸皿状の調理器用鍋1の底部1a下面に凹部2を設け、この凹部2に円板状のアルミニウムメッキ鋼板3が埋設されている。アルミニウムメッキ鋼板3は、図10に示すように、磁性材料からなる鋼板5と、その上面および下面に施された上アルミニウムメッキ層4aおよび下アルミニウムメッキ層4bとによりサンドイッチ構造に構成されていて、上アルミニウムメッキ層4aが調理器用鍋1の底部1aの凹部2底面に接触している。
そして、このアルミニウムメッキ鋼板3は、アルミニウム合金ダイキャストの調理器用鍋1を鋳造する際に凹部2内に一体に成形される。この時、300℃以上の高温に熱せられているため、調理器用鍋1の凹部2の底面とアルミニウムメッキ鋼板3の上アルミニウムメッキ層4aが十分に溶け合って融合する。これにより、調理器用鍋1の底部1aとアルミニウムメッキ鋼板3との接合面は強固に結合されるものである。
ここで、調理器用鍋1を電磁誘導加熱調理器で誘導加熱すると、磁性体であるアルミニウムメッキ鋼板3に誘導電流が流れ、アルミニウムメッキ鋼板3はその表皮抵抗によって発熱が生じ、この熱が熱伝導性の良い調理器用鍋1の底部1aに伝達されて鍋全体を加熱する。
特開平9−199264号公報
しかしながら、前記従来の構成では、アルミニウムメッキ鋼板3は磁性材料からなる鋼板が誘導電流で加熱されるが、鋼板の上下アルミニウムメッキ層4a、4bは調理を行うための調理面として形成されておらず、誘導電流で加熱される鋼板の熱をアルミニウム合金ダイキャストにより構成された調理器用鍋1に熱伝導で伝えるものである。このため、上下アルミニウムメッキ層4a、4bでの熱伝導による熱損率が高く、高温で調理する際に火力が足らず、調理面を大きくできないという課題があった。
また、一方、焼き物調理と焼肉調理とをうまく調理するには調理面の形状を変える必要があり、鍋やプレートを複数準備する必要があり、使い勝手に課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、熱効率がよく、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理とをうまく調理ができる誘導加熱調理器を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の誘導加熱調理器は、調理器本体に着脱自在に載置される非磁性材料よりなるプレート部の内部に誘導加熱コイルにより誘導加熱される鋼板を有するとともにプレート部の上下両面を相互に異なる調理面としたものである。
これによって、プレート部の内部に直接鋼板が設けられているため熱効率がよいとともに、プレート部を反転させて調理面を変えることにより、一つのプレート部で2種類の調理が可能で、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理ができるものである。
本発明の誘導加熱調理器は、熱効率がよく、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理とをうまく調理ができる。
第1の発明は、誘導加熱コイルを備えた調理器本体と、この調理器本体に着脱自在に載置される非磁性材料よりなるプレート部とを備え、プレート部は、その内部に誘導加熱コイルにより誘導加熱される鋼板を有するとともに上下両面を相互に異なる調理面とした誘導加熱調理器とすることにより、プレート部の内部に直接鋼板が設けられているため熱効率がよいとともに、プレート部を反転させて調理面を変えることにより、一つのプレート部で2種類の調理が可能で、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理ができるものである。
第2の発明は、特に、第1の発明において、プレート部は、上下両面の調理面周囲にそれぞれ縦壁を設けて上下両面を皿形状としたことにより、皿形状のプレート部で調理が容易に行えるものである。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、プレート部は、鋼板と調理面までの厚さを上下両面で異ならせたことにより、焼き物と焼肉の異なるメニューごとに最適の火力に調整でき、全ての調理でうまく調理を行うことができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれか1つの発明において、鋼板は平面的に外方向に突出した複数の突出部を有し、プレート部の両調理面には突出部が露出する穴を設けてなることにより、両調理面から鋼板までの距離を定まった距離に規制できるので、鋼板が両調理面のどちらかにずれるのを防止して成形でき、両調理面で設定した火力を保持しておいしく調理ができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれか1つの発明において、第1の発明において、プレート部の上下両面の調理面に、調理器本体への載置時に調理器本体と当接してプレート部を位置決めする凸部を設けたことにより、プレート部が位置決めされ、鋼板と誘導加熱コイルの距離のずれを抑えることができ、最適の火力で調理することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器を示すものである。
図に示すように、本実施の形態における誘導加熱調理器は、誘導加熱コイル11を備えた調理器本体10と、この調理器本体10に着脱自在に載置される非磁性材料よりなるプレート部20とを備えている。
調理器本体10は、上部を形成する上ケース15と下部を形成する下ケース13により筐体が構成され、下ケース13のボス14に取り付けたベース12上に誘導加熱コイル11を取り付けている。また、上ケース15の上面には耐熱性に優れたセラミック材料などからなる絶縁材料の天板16を備えている。この天板16の下部にはこれと接触して、誘導加熱コイル11の中央近傍に温度センサー17を配置している。また、調理器本体10内には誘導加熱の出力を決定し誘導電流を発生させるための駆動回路部18が設けてある。
プレート部20は、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなるもので、プレート部20の成形時にその底面部24の内部に誘導加熱コイル11により誘導加熱される磁性材料であるステンレス製の鋼板21を鋳込んでいる。ここで、鋼板21は誘導加熱で加熱される磁性材料であるなら、スレンレスの他に、鉄材などでもよい。これにより、鋼板21の上側には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第1の層による調理面22があり、鋼板21の下側には、アルミニウムまたはアルミニウム合金からなる第2の層による調理面23が形成されている。すなわち、プレート部20は上下両面を調理面22、23としており、これら調理面22、23は相互に異なる調理面、例えば、焼き物調理と焼肉調理に適する調理面としている。
また、プレート部20は、上下両面の調理面22、23周囲にそれぞれ縦壁25、26を設けて上下両面を略対称形をした皿形状としており、天板16上に着脱自在に載置されるようになっている。
なお、調理面22となる第1の層の厚み27aと、調理面23となる第2の層の厚み27bとの最も厚いところは、0.5ミリ〜1.0mmとしている。この厚みの成形方法は鋼板21を金型内に入れて鋳造する方法でも、アルミニウム合金ダイカストで厚く成形した後に切削加工で厚みを薄くしてもよい。
次に、以上のように構成された誘導加熱調理器における調理動作について説明する。
プレート部20が、図に示す状態では、駆動回路部18により誘導加熱コイル11から誘導電流を発生させると、誘導電流は調理面23を形成する第2の層を透過して鋼板21に届く。これは第2の層の厚み27bが最も厚い部分でも0.5mm〜1.0mmであるので、誘導電流が透過できるのである。そして、鋼板21が誘導電流により高温に加熱され、第1の層と第2の層にも熱が伝わり、プレート部20が高温になる。
なお、調理面23となる第2の層が高温になると、その熱は天板16に伝わり、その温度を温度センサー17が感知して、誘導電流を調整することで、プレート部20の温度を調節している。また、高温になった鋼板21の熱は鋼板21の外周の底面部24にも伝わり、調理面22、23の全面が高温になる。
縦壁25、26は調理面22、23よりも肉厚を薄くすることで、縦壁25、26への熱伝導を少なくでき、また、鋼板21の下方は熱伝導性の低い天板16であるので、下方への放射熱が少なく、調理面の火力を高火力にすることができる。
以上のようにして調理をするのであるが、調理の種類によっては、プレート部20を反転させることにより、調理に適した調理面を使用することができるものである。
(実施の形態2)
図2、図3は、本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器のプレート部を示すものである。調理器本体の構成は実施の形態1と同じであるので、説明を省略する。
本実施の形態では、図2に示すように、プレート部30は、鋼板31の上方に第1の層よりなる調理面32を設け、鋼板31の下方には第2の層よりなる調理面33を設けている。調理面32は複数列形成した台形状の凹部34および凸部35で凹凸形状に形成しており、調理面32側には縦壁36が設けてあり、調理面33側には縦壁37が設けてある。そして、調理面32となる第1の層の厚み38aと、調理面33となる第2の層の厚み38bとの最も厚いところは0.5ミリ〜1.0mmとしている。また、厚み38aは厚み38bよりも厚くしている。
なお、説明を省略しているが、プレート部30および鋼板31の材質や成形方法などは実施の形態1と同様である。
次に、以上のように構成された誘導加熱調理器における調理動作について説明する。
プレート部30は、厚み38aを厚み38bよりも厚くしているので、調理器本体10の誘導加熱コイル11から鋼板31までの距離は、調理面33が下側にくると短く、調理面32が下側にくると長くなる。これにより、距離が長くなると、誘導電流が小さくなり、自然と火力が低くなり、逆の場合は、誘導電流が大きくなり、火力が強くなる。したがって、焼肉調理は高火力で、また、焼き物調理は低火力でうまく調理ができる。
ここで、誘導電流の違いは駆動回路部18で判別でき、それにより、プレート部30の面形状を認識して、面形状による放射熱の量の違いを補正しながら、温度センサー17が天板16の温度を検知してプレート部30の温度制御を行うことができる。
また、プレート部30の凹凸形状は、図3のような形状であっても同様の性能が確保できる。つまり、プレート部40は、鋼板41の上方に第1の層よりなる調理面42を設け、鋼板41の下方には第2の層よりなる調理面43を設けている。調理面42は複数列形成した断面三角形状の凹部44および凸部45で凹凸形状に形成しており、調理面42側には縦壁46が設けてあり、調理面43側には縦壁47が設けてある。そして、調理面42となる第1の層の厚み48aと、調理面43となる第2の層の厚み48bとの最も厚いところは0.5ミリ〜1.0mmとしている。また、厚み48aは厚み48bよりも厚くしている。
このように本実施の形態においては、プレート部における調理面の形状、および誘導加熱コイルと鋼板との距離により、焼き物調理と焼肉調理の異なるメニューごとに最適の火力に調整でき、全ての調理でうまく調理ができる。
(実施の形態3)
図4、図5は、本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器を示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態においては、プレート部50に鋳込んでいる鋼板51は、平面的に外方向に突出した複数の突出部52を有し、プレート部50の両調理面53、54には突出部52が露出する穴57、58を設けてなるものである。
これにより、プレート部50の底面部に鋳込む鋼板51の位置を、両調理面53、54から鋼板51までの距離を穴57、58を通して定まった距離に規制できるので、鋼板51が両調理面53、54のどちらかにずれることを防止して成形でき、両調理面で設定した火力を保持しておいしく調理ができる。
なお、説明を省略するが、プレート部50および鋼板51の材質や成形方法などは実施の形態1と同様である。また、両調理面53、54の周囲にそれぞれ縦壁55、56を設けて上下両面を略対称形をした皿形状としたことも実施の形態1と同様である。
(実施の形態4)
図6、図7は、本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器を示すものである。実施の形態1と同一要素については同一符号を付してその説明を省略する。
本実施の形態においては、調理器本体60および上面に設けた天板61と、鋼板65を有するプレート部66との平面形状がともに矩形形状をしている。そして、プレート部66の上下両面の調理面62、63の四隅に、調理器本体60への載置時に調理器本体60のコーナ部と当接してプレート部66を位置決めする2段構成の凸部67、68を設けたものである。
これにより、プレート部66は天板61に凸部67で載置され、また、プレート部66が移動した時には天板61のコーナ部に凸部68が当たることにより、鋼板65と誘導加熱コイル11との距離のずれを抑えることができ、最適の火力で調理することができる。
なお、説明を省略するが、プレート部66および鋼板65の材質や成形方法などは実施の形態1と同様である。また、両調理面62、63の周囲にそれぞれ縦壁を設けて上下両面を略対称形をした皿形状としたことも実施の形態1と同様である。
また、調理器本体60、天板61、プレート部66はいずれも平面形状が矩形形状であり、凸部67、68は調理面62、63の四隅に設けたとしたが、この形状や個数・設置位置は必ずしも限定されるものではなく、調理器本体60とプレート部66の位置決めができるものであれば、特にこだわるものではない。
以上のように、本発明にかかる誘導加熱調理器は、熱効率がよく、使い勝手がよく、焼き物調理と焼肉調理とをうまく調理ができるので、家庭用、業務用はもちろんのこと各種調理用として適用できる。
本発明の実施の形態1における誘導加熱調理器の断面図 本発明の実施の形態2における誘導加熱調理器のプレート部の部分断面図 同誘導加熱調理器の他例を示すプレート部の部分断面図 本発明の実施の形態3における誘導加熱調理器の断面図 同誘導加熱調理器のプレート部の平面図 (a)本発明の実施の形態4における誘導加熱調理器のプレート部の平面図(b)同誘導加熱調理器の調理器本体の平面図 同誘導加熱調理器の断面図 従来例を示す調理器用鍋の断面図 同調理器用鍋の下面図 同調理器用鍋の部分拡大断面図
符号の説明
10、60 調理器本体
11 誘導加熱コイル
16、61 天板
20、30、40、50、66 プレート部
21、31、41、51、65 鋼板
22、23、32、33、42、43、53、54、62、63 調理面
25、26、36、37、46、47、55、56 縦壁
52 突出部
57、58 穴
67、68 凸部

Claims (5)

  1. 誘導加熱コイルを備えた調理器本体と、この調理器本体に着脱自在に載置される非磁性材料よりなるプレート部とを備え、プレート部は、その内部に誘導加熱コイルにより誘導加熱される鋼板を有するとともに上下両面を相互に異なる調理面とした誘導加熱調理器。
  2. プレート部は、上下両面の調理面周囲にそれぞれ縦壁を設けて上下両面を皿形状とした請求項1に記載の誘導加熱調理器。
  3. プレート部は、鋼板と調理面までの厚さを上下両面で異ならせた請求項1または2に記載の誘導加熱調理器。
  4. 鋼板は平面的に外方向に突出した複数の突出部を有し、プレート部の両調理面には突出部が露出する穴を設けてなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
  5. プレート部の上下両面の調理面に、調理器本体への載置時に調理器本体と当接してプレート部を位置決めする凸部を設けた請求項1〜4のいずれか1項に記載の誘導加熱調理器。
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