JPH11266783A - 冷凍加工食品及びその加工方法並びにこの食品の加工に用いる処理液 - Google Patents

冷凍加工食品及びその加工方法並びにこの食品の加工に用いる処理液

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JPH11266783A
JPH11266783A JP9277998A JP9277998A JPH11266783A JP H11266783 A JPH11266783 A JP H11266783A JP 9277998 A JP9277998 A JP 9277998A JP 9277998 A JP9277998 A JP 9277998A JP H11266783 A JPH11266783 A JP H11266783A
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  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】食品添加物として禁止されているガスを含むこ
ともなく、鮪等の魚肉の切り身の鮮度及び色調の変化を
抑制できる冷凍加工食品及びその加工方法並びにこの食
品の加工に用いる処理液を提供する。 【解決手段】例えば鮪を幅約5〜6cm、厚さ3〜4c
m、長さ約15cmの直方体状の冊状体Tを形成し、真
空度が4〜10torrで、脱水時間が80秒〜3分の
条件のもと冊状体Tを真空状態で脱水処理する。このよ
うに脱水処理した冊状体Tに、一価不飽和脂肪酸である
オレイン酸を多く含む食用植物油脂としての90重量%
のナタネ油と、天然乳化剤である4重量%前後のレシチ
ンと、1重量%未満のト・エステルと、約0.5重量%
の塩と、小量のオリーブ油との混合物から成る処理液を
塗布し、塗布した冊状体Tを包装袋に収容して真空包装
し、真空包装した冊状体Tを氷点下50〜60℃で急速
凍結する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、魚肉を直方体の
冊状に切断した冊状体を急速凍結して成る冷凍加工食品
及びその加工方法並びにこの食品の加工に用いる処理液
に関し、特に鮪表面の赤色の劣化を防止できるようにし
たものに関する。
【0002】
【従来の技術】日本は世界でも有数の鮪消費国であり、
鮪の世界漁獲高の約半分が日本国内で消費されている。
そして、日本国内で消費される鮪のうち半分近く若しく
は半分強が海外の港で水揚げされ、その殆どは刺身とし
て消費されている。
【0003】ところで、鮪は特に変色しやすい非常にデ
リケートな魚であり、鮪を早い段階で切り身にすると、
切り身の表面が空気に触れることで酸化して変色し易い
ため、一匹の鮪のうち刺身に仕える部分は半分以下であ
るにもかかわらず、海外からの輸送の形態として、生鮮
ものは零度の氷蔵で空輸し、冷凍ものは氷点下60℃以
下の超低温を保って輸送船で運ぶなど、刺身として利用
する部分以外の不要な部分も含む形で輸送することが通
常行われている。
【0004】しかし、このような輸送形態の場合、鮮度
を維持するために一刻も早く輸送できるような設備や超
低温を保持するための設備等、非常に大掛かりな設備が
必要になり、しかも輸送コストが非常に高くなるといっ
た問題がある。
【0005】一方、水揚げされた鮪を海外において切り
身の状態にし、鮪の鮮度や色調を落とさずに輸送できれ
ば、大掛かりな設備が不要で安価な輸送を実現すること
が可能になる。
【0006】そこで従来、特殊な技術でチップの臭みを
除去した自然薫煙中において鮪の切り身をスモークする
という加工処理が提案されている。この手法によると、
切り身の状態であっても鮪の鮮度及び色調は殆ど変化す
ることがなく、通常の冷凍庫で3カ月の保存が可能にな
るため、海外で加工処理も行うことができ、しかも大掛
かりな設備も不要で、輸送コストを大幅に低減できると
いう効果が得られる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記したスモ
ークによる処理の場合、その薫煙中には食品添加物とし
て禁止されているCO(一酸化炭素)ガス等も含まれて
おり、スモークの時間が長すぎるときには、このような
禁止ガスが鮪の切り身に所定量以上に取り込まれてしま
うことがあるため、スモーク時間や量の制御が非常に厳
密に行う必要があり、これらスモーク時間や量の制御、
管理が大変難しいという問題がある。
【0008】また、サンプリングによる検査で、ロット
中のサンプルに上記したような禁止ガスが所定量以上検
出されたような場合には、そのサンプルを含む全ロット
が不適格と判断されてしまうことも考えられ、非常に大
きな損失を招く結果となる。
【0009】この発明が解決しようとする課題は、食品
添加物として禁止されているガスを含むこともなく、魚
肉の切り身の鮮度及び色調の変化を抑制できる冷凍加工
食品及びその加工方法並びにこの食品の加工に用いる処
理液を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために、本発明にかかる冷凍加工食品は、魚肉を幅数c
m×厚さ数cm×長さ10数cmの直方体の冊状に切断
して冊状体を形成し、この冊状体を真空状態で脱水処理
し、脱水処理した前記冊状体の表面に酸化防止用の食用
植物油脂を主成分とする処理液を塗布して真空包装し、
真空包装した前記冊状体を急速凍結して成ることを特徴
としている。
【0011】また、本発明にかかる冷凍加工食品の加工
方法は、魚肉を幅数cm×厚さ数cm×長さ10数cm
の直方体の冊状に切断して冊状体を形成する工程と、前
記冊状体を真空状態で脱水処理する工程と、脱水処理し
た前記冊状体の表面に酸化防止用の食用植物油脂を主成
分とする処理液を塗布する工程と、前記処理液を塗布し
た前記冊状体を包装袋に収容して真空包装する工程と、
前記包装袋内に真空包装された前記冊状体を急速凍結す
る工程とを備えていることを特徴としている。
【0012】このような構成によれば、魚肉の冊状体を
真空状態で脱水処理することで、冊状体の表面の水分が
効果的に除去され、そこに酸化防止用の食用植物油脂を
主成分とする処理液を塗布することによって、水分が除
去された冊状体表面にこの処理液が浸透し、特に鮪の場
合には劣化して黒っぽくなり易い冊状体表面の酸化を抑
制することができる。その後、処理液を塗布した冊状体
を真空包装して急速凍結することで、鮮度及び色調(特
に鮪の場合には赤み)の低下を抑えて長期間の保存が可
能になる。
【0013】従って、従来の鮪のスモーク処理の場合の
ように、食品添加物として禁止されているCOガス等が
冊状体に取り込まれるおそれもなく、しかも処理液が酸
化防止用の食用植物油脂を主成分とすることから食用に
供しても何ら支障はなく安全であり、急速凍結した冊状
体を自然解凍すれば、この冊状体を適当な厚さにスライ
スするだけでそのまま刺身や寿司種用に利用することが
できる。
【0014】また、刺身や寿司種に利用する魚肉の必要
部分だけを冊状体として輸送することができるため、水
揚げされた魚を冊取りし、得られた冊状体をこのように
真空で脱水処理して表面に処理液を塗布し、真空パック
して急速凍結するという輸送までの一連の加工処理を海
外において小規模な設備で行うことが可能になり、従来
のような大掛かりな設備を必要とすることもなく、輸送
コストも従来よりも大幅に低減することができる。
【0015】また、本発明にかかる冷凍加工食品の加工
方法では、前記脱水処理の真空度が4〜10torrで
あり、前記脱水処理の時間が80秒〜3分であることを
特徴としている。
【0016】このようにすることで、魚肉の冊状体の表
面の水分を効果的に除去することができる。このとき、
真空度が数10torrを超える場合には、冊状体表面
の水分除去が不十分となり、脱水時間が80秒より短い
場合にも同様である。一方、真空度が4torrより低
い場合及び脱水時間が3分を超える場合には、冊状体表
面が乾燥状態となり、鮮度の低下につながる。
【0017】ところで、最適な脱水処理の条件として、
4〜6torrの真空度で、約2分の時間であるのが望
ましい。
【0018】また、本発明にかかる冷凍加工食品の加工
方法では、前記処理液が、一価不飽和脂肪酸を多く含む
90重量%の食用植物油脂と、数重量%の乳化剤と、1
重量%以下のト・エステルと、1重量%未満の塩との混
合物から成ることを特徴としている。
【0019】この場合、食用植物油脂を主体として脂乳
化剤及び微量の塩により処理液が構成されており、これ
ら成分の全てが食品添加物として認められたものである
ため、食用に供しても何ら支障はなく安全である。ま
た、微量の塩を加えることで浸透圧作用により、塗布し
た処理液が冊状体の内部に有効に浸透し、処理液による
酸化防止効果を一層高めることができ、特に鮪の場合に
その黒っぽい変色を効果的に抑制できる。
【0020】従って、このような配合にすることで、冊
状体表面に塗布し易く、しかもその表面に均一に塗布す
ることが可能な処理液を容易に得ることができる。
【0021】尚、食用植物油脂には一価不飽和脂肪酸で
あるオレイン酸を含むナタネ油が最も望ましく、乳化剤
には天然乳化剤であるレシチンが最も望ましく、更にト
・エステルとして、ショ糖脂肪酸エステル、グリセリン
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチ
ンエステルを混合したものが好ましい。また、微量のオ
リーブ油を処理液の成分として加えてもよい。
【0022】また、本発明にかかる冷凍加工食品の加工
に用いられる処理液は、一価不飽和脂肪酸を多く含む9
0重量%の食用植物油脂と、数重量%の乳化剤と、1重
量%以下のト・エステルと、1重量%未満の塩との混合
物から成り、前記混合物を水相加温混合処理及び油相加
熱溶解処理により乳化し、乳化した前記混合物に殺菌処
理及び急冷熱合わせを施して製造され、魚肉を直方体状
に切断して得られる冊状体を真空状態で脱水処理した後
であって真空包装及び急速凍結する前の工程において、
その冊状体表面に塗布されることを特徴としている。
【0023】このような処理液により、真空状態で脱水
処理された魚肉の冊状体表面の酸化や乾燥を防止でき、
その後冊状体を真空包装して急速凍結した場合における
その冊状体の鮮度及び色調(特に鮪の場合には赤み)の
低下を効果的に抑制することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態について図
1及び図2を参照して説明する。本実施形態は、魚肉を
鮪とした場合の例である。
【0025】図1は鮪を幅約5〜6cm、厚さ3〜4c
m、長さ約15cmの直方体状のいわゆる冊に冊取り
(冊状に切断)した状態を示し、このようにして冊状体
Tを形成することで、調理時に適当な厚さにスライスす
ればそのまま刺身や寿司種として利用できることから、
鮪の流通業界ではこのような冊状体Tを形成すること
(冊取り)が一般に行われる。
【0026】そして図2のフローチャートに示すよう
に、冊状体Tの形成後、得られた冊状体Tの表裏を真空
包装などに使用する周知のチャンバー式真空機に収容し
て真空状態で脱水処理を施す。
【0027】このとき、真空度が4〜10torrで、
脱水時間が80秒〜3分であればよいが、最適な脱水処
理の条件として、4〜6torrの真空度で、約2分の
時間であるのが最も好ましく、表側の脱水を4〜6to
rrの真空度で約1分間行った後この冊状体Tを裏返
し、裏側について同様に4〜6torrの真空度で約1
分間の脱水を行うのがよい。
【0028】更に、図2に示すように、脱水処理した冊
状体Tの表面に酸化防止用の食用植物油脂を主成分とす
る処理液を塗布し、塗布した冊状体Tを包装袋に収容し
て上記したチャンバー式真空機に収容して真空包装す
る。
【0029】このように、脱水処理と真空包装を、同一
のチャンバー式真空機により行うことが可能であるた
め、特に大掛かりな設備を必要とすることもなく、真空
包装機として市販されているチャンバー式真空機を用い
てこれらの処理を行うことができる。
【0030】ところで、この処理液は、一価不飽和脂肪
酸であるオレイン酸を多く含む食用植物油脂としての9
0重量%のナタネ油と、天然乳化剤である4重量%前後
のレシチンと、1重量%未満のト・エステルと、約0.
5重量%の塩と、小量のオリーブ油との混合物から成
る。
【0031】そして、この混合物を水相加温混合処理及
び油相加熱溶解処理によって乳化し、乳化した混合物に
殺菌処理及び急冷熱合わせを施すことで、処理液を製造
することができ、冷蔵庫で保管することが可能である。
尚、ト・エステルとして、ショ糖脂肪酸エステル、グリ
セリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及び
レシチンエステルを混合したものを使用するとよい。
【0032】このとき、天然乳化剤であるレシチンによ
り、オレイン酸を多く含むナタネ油と冊状体Tの細胞組
織に含まれる水分とが分離せずにうまく混ざり合うこと
になる。
【0033】また、包装袋は通常の真空パックに用いる
ものでよく、酸素の遮断性がよく耐熱、耐冷性に優れ、
ピンホールが形成され難い程度の強度を有し、しかもシ
ール性の良好な材質から成るものであればよく、外部か
ら鮮度や色調を確認できるように透明であるのが望まし
い。
【0034】その後、図2に示すように、真空包装した
冊状体Tを氷点下30〜40℃で急速凍結(氷点下50
〜60℃が望ましい)することで、航空輸送或いは冷凍
船輸送できる状態となる。解凍は、真空包装した状態の
まま冷水や温水を使用した急速解凍も可能である。そし
て、解凍後は冊状体Tを適当な厚さにスライスするだけ
で、そのまま刺身や寿司種用に利用することができて非
常に便利である。
【0035】ところで、このようにして得られた冊状体
Tの真空パック冷凍食品は、氷点下20℃以下の冷凍庫
において約3カ月保存してもその鮮度や色調(赤み)が
殆ど変化していないことが実験により検証されており、
氷点下20℃以下での長期間の保存が可能であることが
確認されている。
【0036】従って、上記したように冊状体Tを脱水処
理してその表面に酸化防止用の食用植物油脂を主成分と
する処理液を塗布し、これを真空パックして急速凍結す
るため、従来のスモーク処理の場合のように、食品添加
物として禁止されているガスが冊状体Tに取り込まれる
おそれが全くなく、しかも処理液は食用に供しても何ら
支障はなく安全であり、所定条件下で長期間保存しても
鮮度や色調(赤み)が殆ど変化せず、刺身や寿司種用な
どに利便性よく使用することができる。
【0037】また、刺身や寿司種などに利用する鮪肉の
必要部分だけを冊状体Tとして輸送することができるた
め、輸送までの一連の加工処理を海外において小規模な
設備で行うことが可能になり、従来のような大掛かりな
設備を必要とすることもなく、輸送コストも従来よりも
大幅に低減することが可能になる。
【0038】更に、真空状態脱水した後に塗布する処理
液が冊状体Tの内部にまで浸透するため、冊状体Tに処
理液の成分によるうまみが浸み込み、鮪本来の鮮度及び
色調の保持に加えて処理液の成分によるうまみを与える
ことができる。
【0039】なお、上記した実施形態は魚肉を鮪とした
場合であり、鮪の場合には上記したように、鮮度を保持
できるほか、特に問題となりやすい色調(赤み)の変化
も効果的に抑制できるが、本発明は鮪以外の魚肉につい
ても実施することができるのは勿論であり、鮪以外の魚
肉についても上記した鮪の場合と同様に、鮮度は勿論の
こと色調の変化をも防止することが可能である。
【0040】また、上記した実施形態では、冊状体Tの
大きさを幅約5〜6cm、厚さ3〜4cm、長さ約15
cmの直方体状とした場合について説明しているが、特
にこの大きさのものに限定されるものでないのは言うま
でもない。
【0041】更に、脱水処理及び真空包装に使用するチ
ャンバー式真空機は上記したように市販のもので十分で
あり、少なくとも4〜10torrの真空度で80秒〜
3分の時間、真空状態を維持、制御可能なものであれ
ば、本発明を実施することができる。
【0042】また、上記した処理液ではオリーブ油を混
合しているが、オリーブ油は特に不可欠なものではない
ため、これを使用しない場合であっても上記した実施形
態と同等の効果を達成することが可能である。
【0043】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、従来のスモーク処理の場合のように、食品添加
物として禁止されているガスが魚肉の冊状体に取り込ま
れるおそれが全くなく、しかも使用する処理液は食用に
供しても何ら支障がなく安全であり、所定条件(例え
ば、−20℃冷凍)下で長期間保存しても鮮度や色調
(特に鮪の場合には赤み)が殆ど変化しないため、刺身
や寿司種用などに使用するのに非常に便利でかつ安全な
冷凍加工食品を提供することができる。
【0044】更に、刺身や寿司種などに利用する魚肉の
必要部分だけを冊状体として輸送できるため、輸送まで
の一連の加工処理を海外において小規模な設備で行うこ
とが可能になり、大掛かりな設備を必要とせず、しかも
大量の輸送が可能になり、輸送コストを従来よりも大幅
に低減できる冷凍加工食品を提供することが可能にな
る。
【0045】また、請求項2に記載の発明によれば、こ
のように刺身や寿司種用などに使用するのに非常に便利
かつ安全で、安価で大量の輸送が可能な冷凍加工食品
を、簡易な設備によって製造することができる加工方法
を提供することが可能になる。
【0046】また、請求項3に記載の発明によれば、冊
状体の脱水効果を最も顕著に得ることができる。
【0047】また、請求項4に記載の発明によれば、食
用植物油脂を主体として脂乳化剤及び微量の塩により処
理液が構成され、これら成分の全てが食品添加物として
認められたものであるため、食用に供しても何ら支障を
生じるおそれがなく安全である。
【0048】更に、微量の塩を加えることで浸透圧作用
により、塗布した処理液を冊状体の内部に有効に浸透さ
せることができ、処理液による酸化防止効果を一層高め
ることが可能になる。
【0049】また、請求項5に記載の発明によれば、真
空状態で脱水処理された魚肉の冊状体表面に塗布するこ
とで、脱水された冊状体の酸化や乾燥を防止でき、その
後冊状体を真空包装して急速凍結した場合におけるその
冊状体の鮮度及び色調(特に鮪の場合には赤み)の低下
を効果的に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態における冊状体の斜視図
である。
【図2】この発明の一実施形態の加工処理の手順を示す
フローチャートである。
【符号の説明】
T 冊状体
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年1月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項5
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】 また、本発明にかかる冷凍加工食品の加
工方法では、前記処理液が、一価不飽和脂肪酸を多く含
む90重量%の食用植物油脂と、数重量%の乳化剤と、
1重量%以下のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪
酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンエ
ステルを混合して成るエステルと、1重量%未満の塩と
の混合物から成ることを特徴としている。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】 尚、食用植物油脂には一価不飽和脂肪酸
であるオレイン酸を含むナタネ油が最も望ましく、乳化
剤には天然乳化剤であるレシチンが最も望ましい。ま
た、微量のオリーブ油を処理液の成分として加えてもよ
い。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】 また、本発明にかかる冷凍加工食品の加
工に用いられる処理液は、一価不飽和脂肪酸を多く含む
90重量%の食用植物油脂と、数重量%の乳化剤と、1
重量%以下のショ糖脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びレシチンエス
テルを混合して成るエステルと、1重量%未満の塩との
混合物から成り、前記混合物を水相加温混合処理及び油
相加熱溶解処理により乳化し、乳化した前記混合物に殺
菌処理及び急冷熱合わせを施して製造され、魚肉を直方
体状に切断して得られる冊状体を真空状態で脱水処理し
た後であって真空包装及び急速凍結する前の工程におい
て、その冊状体表面に塗布されることを特徴としてい
る。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0030
【補正方法】変更
【補正内容】
【0030】 ところで、この処理液は、一価不飽和脂
肪酸であるオレイン酸を多く含む食用植物油脂としての
90重量%のナタネ油と、天然乳化剤である4重量%前
後のレシチンと、1重量%未満のショ糖脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エス
テル及びレシチンエステルを混合して成るエステルと、
約0.5重量%の塩と、小量のオリーブ油との混合物か
ら成る。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】 そして、この混合物を水相加温混合処理
及び油相加熱溶解処理によって乳化し、乳化した混合物
に殺菌処理及び急冷熱合わせを施すことで、処理液を製
造することができ、冷蔵庫で保管することが可能であ
る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 魚肉を幅数cm×厚さ数cm×長さ10
    数cmの直方体の冊状に切断して冊状体を形成し、この
    冊状体を真空状態で脱水処理し、脱水処理した前記冊状
    体の表面に酸化防止用の食用植物油脂を主成分とする処
    理液を塗布して真空包装し、真空包装した前記冊状体を
    急速凍結して成ることを特徴とする冷凍加工食品。
  2. 【請求項2】 魚肉を幅数cm×厚さ数cm×長さ10
    数cmの直方体の冊状に切断して冊状体を形成する工程
    と、 前記冊状体を真空状態で脱水処理する工程と、 脱水処理した前記冊状体の表面に酸化防止用の食用植物
    油脂を主成分とする処理液を塗布する工程と、 前記処理液を塗布した前記冊状体を包装袋に収容して真
    空包装する工程と、 前記包装袋内に真空包装された前記冊状体を急速凍結す
    る工程とを備えていることを特徴とする冷凍加工食品の
    加工方法。
  3. 【請求項3】 前記脱水処理の真空度が4〜10tor
    rであり、前記脱水処理の時間が80秒〜3分であるこ
    とを特徴とする請求項2に記載の冷凍加工食品の加工方
    法。
  4. 【請求項4】 前記処理液が、一価不飽和脂肪酸を多く
    含む90重量%の食用植物油脂と、数重量%の乳化剤
    と、1重量%以下のト・エステルと、1重量%未満の塩
    との混合物から成ることを特徴とする請求項2又は3に
    記載の冷凍加工食品の加工方法。
  5. 【請求項5】 一価不飽和脂肪酸を多く含む90重量%
    の食用植物油脂と、数重量%の乳化剤と、1重量%以下
    のト・エステルと、1重量%未満の塩との混合物から成
    り、前記混合物を水相加温混合処理及び油相加熱溶解処
    理により乳化し、乳化した前記混合物に殺菌処理及び急
    冷熱合わせを施して製造され、魚肉を直方体状に切断し
    て得られる冊状体を真空状態で脱水処理した後であって
    真空包装及び急速凍結する前の工程において、その冊状
    体表面に塗布されることを特徴とする冷凍加工食品の加
    工に用いる処理液。
JP9277998A 1998-03-20 1998-03-20 冷凍加工食品及びその加工方法並びにこの食品の加工に用いる処理液 Expired - Lifetime JP2922493B1 (ja)

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