JPH11266774A - 豆乳、おから入りパン類の製造方法 - Google Patents

豆乳、おから入りパン類の製造方法

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JPH11266774A
JPH11266774A JP10071763A JP7176398A JPH11266774A JP H11266774 A JPH11266774 A JP H11266774A JP 10071763 A JP10071763 A JP 10071763A JP 7176398 A JP7176398 A JP 7176398A JP H11266774 A JPH11266774 A JP H11266774A
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okara
soymilk
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soybean
flour
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JP10071763A
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English (en)
Inventor
Yoshiaki Yonemitsu
義明 米光
Masaaki Miyabe
正明 宮部
Mitsuo Ezaki
光雄 江崎
Yukie Yamamoto
幸恵 山本
Haruo Tsumura
治男 津村
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Fuji Oil Co Ltd
Original Assignee
Fuji Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】パン類の製造方法において、小麦粉に豆乳・お
から一体化物等を添加してヘルシーな( 豆乳とおからの
蛋白質と大豆多糖類を含ませた)パン類であって、食感
がソフトであるパン類の製造方法の提供を課題とする。 【解決手段】豆乳・おから一体化物、又は大豆の呉
(ご)、或いはそれらに大豆由来の構成成分を加えたも
のを用いることにより課題を解決することが出来た。更
に詳しくは、上記のものを小麦粉100重量部に対し
て、2〜25重量部を添加する本方法によるパン類が上
記の課題の他に、風味がよく、ソフトな食感がより長く
保持出来る効果を見い出した。本方法の活用によりパン
類を通して公衆の栄養改善と健康の向上に貢献出来て、
また食品産業の活性化にも役立つことが出来る様になっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はヘルシーで風味がよ
く、食感がソフトなパン類を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のパン類は、元来穀物の加工形態と
して創出され、通常主原料として小麦粉、イースト、食
塩、水に、砂糖、乳製品、油脂、その他の副原料を配合
し、または食品添加物を加え混合した生地を発酵・膨化
させ焼成して作られる。
【0003】近年、栄養価が高く、安価で食物繊維を含
んだパン類の製造方法が種々試みられている。例えば特
開平2−119740号公報には、おから入りパン類
は、おからを乾燥状態とし、かつ消化酵素を加えること
により得られるとしている。又、特開平4−35616
7号公報には、生おからを含水率5〜10%に乾燥させ
た後に、ボールミル等で微細化して食品製造時の素材と
するとしており、これもまたおから利用粉末食品素材で
ある。又、特開平8−163954号公報には、微細化
してなるおから粉末が小麦粉に対する分散効果が極めて
良好でパン生地が滑らかになり、でき上がりが食感性に
優れたパン類を製造すると提案されている。これも又、
おからは乾燥状態である。従来のおからを用いたパン類
の製造方法は、ほとんどがおから粉末を用いて小麦粉に
混合しているものであり出来上がったパン類は、食感が
悪いものであった。
【0004】本発明の豆乳・おから一体化物等は、ペー
スト状態であり、乾燥状態と異なる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、主原
料の小麦粉に対し、豆乳、おから又は大豆の呉等を加え
て、ヘルシー(豆乳とおからの蛋白質と大豆多糖類を含
ませたパン類。以下、同じ意味。)であって食感がソフ
トであるパン類の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに種々の検討を行い、本発明は豆乳・おから一体化
物、又は大豆の呉、或いはそれらに大豆由来の構成成分
を加えたものを用いることを特徴とするパン類の製造方
法である。本発明の製造方法によるパン類の食感がソフ
トであり、ソフトな食感がより長く保持され、風味がよ
く、またヘルシーであるという効果を見い出して、この
発明に至った。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用する用語を次の様に
定義する。大豆の呉(ご)とは、大豆を水又は熱湯に浸
漬した後、磨砕又は破砕したもの、或いはその加熱物を
指す。豆乳とは、大豆由来の全脂豆乳や、脱脂大豆由来
の脱脂豆乳又は、それらの混合物を指す。全脂豆乳は大
豆から公知の方法を用いて調製したもので、一般に大豆
を水、温水、熱湯等に浸漬して水分約50%に膨潤さ
せ、磨砕し、加熱し、おからを分離したものであり、好
ましくは、膨潤大豆を回転刃型剪断力を作用させて平均
粒子径20〜100ミクロンに微細化した後、遠心分離
やロ過などの通常の方法で分離した豆乳を用いると更に
良い。脱脂豆乳は脱脂大豆を原料として常法により、全
脂豆乳の方法に準じて調製したものである。おからと
は、大豆由来の全脂おからや、脱脂大豆由来の脱脂おか
ら又は、それらの混合物を指す。全脂おからは上記の豆
乳を調製する場合に豆乳を分離して得られるものであ
り、好ましくは、上記の膨潤大豆を回転刃型剪断力を作
用させて平均粒子径20〜100ミクロンに微細化した
後、遠心分離やロ過などの通常の方法で分離した、おか
らを用いると更に良い。脱脂おからは脱脂大豆を原料と
して常法により、全脂おからの方法に準じて調製したも
のである。豆乳・おから一体化物とは、豆乳とおからを
一定の割合で充分に混合した組成物を指す。大豆由来の
構成成分とは、全脂又は脱脂の豆乳・おから・呉、分離
大豆蛋白質、その乳化物(分離大豆蛋白質、水、油脂か
ら成る)、濃縮大豆蛋白質、全脂又は脱脂の大豆粉、き
なこ、一軸又は二軸の加熱押出し機処理の全脂又は脱脂
の大豆粉、組織状・粒状大豆蛋白質など、及びそれらの
混合物などを指す。小麦粉とは、強力粉、中力粉、薄力
粉の何れをも指し、その混合物であっても良い。
【0008】パン類とは、必須原料としての小麦粉及び
水の他に、必要に応じて食塩、イースト、その他、油脂
類(ショートニング、ラード、マーガリン、バター、液
状油等)、乳製品、糖類、調味料(グルタミン酸類、核
酸等)、化学膨張剤、フレーバー等の副原料を添加・混
捏し、発酵工程を経て焼成もしくは蒸し、フライ等の加
熱をしたものを指す。すなわち食パン、特殊パン(グリ
ッシーニ、マフィン、ラスク等)、調理パン、菓子パ
ン、蒸しパン(肉まん、あんまん等)、ホットケーキ、
ドーナツなどが含まれる。
【0009】殺菌・滅菌とは、食品などの保存期間を延
長するために食品衛生上の有害な微生物を死滅させるた
めの操作を殺菌と言い、食品中の全ての微生物を完全に
死滅させるための操作を滅菌と言う。方法は主に加熱方
式が用いられ、殺菌方法としては低温殺菌法(100°
C以下)、高温殺菌法(100°C以上)があり、滅菌
方法としては間接加熱方式あるいは直接加熱方式による
UHT滅菌法(135〜150°C)又は容器包装詰め
加圧加熱滅菌法がある。
【0010】中種とは、パン類の製造において小麦粉の
質によって通常一捏(こね)分の小麦粉の55〜100
%、イーストの全量または大部分、イーストフード、パ
ン類品質改良剤等により、配合の一部を残して適当な硬
さの生地を作り、発酵させたものを指す。本ごねとは、
中種の生地に残りの原材料を加えて混合する作業を指
す。
【0011】本発明は、豆乳とおからを一体化物として
ペースト状態で、又は大豆の呉をパン類生地に配合し、
発酵膨化させ又はさせずに、焼成もしくは蒸し、フライ
等の加熱をすることにより食感がソフトであり、ソフト
感がより長く保持されるパン類の製造に成功したもので
ある。おから入りパン類に用いるおからとしては、未乾
燥の湿潤したおからであっても、熱風乾燥装置や凍結乾
燥装置などによる乾燥おからであっても、これらを小麦
粉100重量部に対し未乾燥の湿潤したおからを約10
重量部又は乾燥おからを約1.2重量部と水約8.8重
量部を添加して調製したパン類は食感のソフトさとソフ
ト感がより長く保持されるパン類を作ることは出来なか
った。その理由は後で述べる。ここで用いる豆乳、おか
らは、一般的なもので良く限定されない。表1に示す様
な豆乳、おからで良い。 表1(豆乳、おから の一般成分値の例示) ─────────────────────────────────── 豆乳(A) 豆乳(B) おから(A) おから(B) ─────────────────────────────────── 脂肪 (%) 2.0 3.1 3.3 3.1 蛋白質 (%) 3.6 5.2 6.8 4.9 炭水化物(%) 3.1 0.9 12.8 5.3 灰分 (%) 0.5 0.3 1.1 0.6 水分 (%) 90.8 90.5 76.0 86.1 ─────────────────────────────────── 合計 (%) 100.0 100.0 100.0 100.0
【0012】重要なことは豆乳とおからを一体化物にし
て使用することである。この場合、大豆の呉は豆乳とお
からを分離していない一体化物であると言うことが出来
る。更に大豆の呉に、分離した豆乳又はおからを一部分
加えること、或いはそれらに大豆由来の構成成分を加え
ることも差しつかえない。もし、大豆の呉を豆乳とおか
らに分離するとそれらの重量比は一般的に豆乳約7:お
から約3となるが、前処理の大豆の浸漬条件(大豆の種
類、浸漬の水温・時間、大豆の吸水重量、など)、磨砕
・破砕の条件(磨砕面の設定間隔の大小、破砕回転刃の
刃数・回転数、それらの運転中の注水重量の多少、な
ど)、及び呉の加熱方法(間接加熱では水分蒸発があ
り、蒸気直接加熱では噴入させる蒸気の凝縮水と蒸発水
分との差による水分重量の増減、及び加熱時間と到達温
度、など)により変動することがある。豆乳とおからの
一体化物は、次の様な方法により得られる。豆乳とおか
ら全体を60〜80℃で混合する。必要により均質化
(0kg/ cm2 〜150kg/ cm2 )し、殺菌後そ
のまま豆乳・おから一体化物を得るか、または更に均質
化して、豆乳・おから一体化物を得る。本発明の豆乳・
おから一体化物は、小麦粉100重量部に対して表示し
(いわゆる,ベーカーズパーセントによる。以下、同
様。)2〜25重量部添加することを特徴とするもので
ある。豆乳・おから一体化物が、2重量部未満であると
十分な効果が得られず、また25重量部を越えると生地
の伸展性が低下し、パン類のボリュームは小さくなる。
【0013】殺菌方法としては、バッチ式殺菌、または
間接加熱方式あるいは直接加熱方式によるUHT滅菌処
理、またはレトルト殺菌が利用できる。
【0014】一体化物の中における豆乳の混合割合は、
25〜75重量%が好ましい。おからの混合割合は75
〜25重量%が好ましい。より好ましくは、豆乳の混合
割合を40〜60重量%とするのが良い。豆乳の量が、
25重量%未満であると豆乳・おから一体化物の粘度が
異常に高くなり殺菌・滅菌の工程処理が難しくなる。ま
た、豆乳の量が75重量%を越えると本発明の目的とす
る食感のソフトなパン類を得ることが難しくなる。本発
明による豆乳・おから一体化物入りのパン類生地は、食
パン、バターロール等、各種パン類への用途が可能であ
る。小麦粉は強力粉、中力粉の種別は問わないものであ
り、小麦粉にイースト、食塩、水等を加えて通常の方法
によりパン類生地が得られる。このパン類生地に、小麦
粉100重量部に対して、上記の豆乳・おから一体化物
等を添加配合する。
【0015】
【実施例】以下に、実施例および比較例を掲げこの発明
の効果をより一層明確にするがこれらは例示であってこ
の発明の技術思想がこれらの例示によって、限定される
ものではない。なお、以下に例示の部、%は何れも重量
基準を意味する。
【0016】実施例および比較例に使用した小麦粉とし
ては市販の強力粉「イーグル」(日本製粉株式会社製)
を、イーストとしては生イースト「オリエンタルイース
ト」(オリエンタル酵母工業株式会社製)を、イースト
フードとしてはイーストフード「Cオリエンタルフー
ド」(オリエンタル酵母工業株式会社製)を、油脂とし
てはシヨートニング「パンパスコットン」(不二製油株
式会社製)を、砂糖、食塩は市販品を用いた。
【0017】使用した機器としては、攪拌機は「サタケ
マルチミキサー」(佐竹化学機械工業株式会社製)を、
均質機は「均質機NO.3902」(SANWA MA
CHINE CO.INC.社製)を、掻き取り式熱交
換機は「HXS−05」(大東食品機械株式会社製)
を、レトルト殺菌処理機は「TYPE RCS−40R
TCN」(株式会社 日阪製作所製)を用いた。
【0018】焼成したパンは、室温(10〜20°C)
で一晩静置後、なたね置換法により容積を測定した。官
能評価は、パネラー10名により外観30点、内相70
点法で評価した平均点で判定した。
【0019】通常の標準例及び実施例1表2の配合で約
5kg規模及び表2の作業工程により、70部中種法に
てパンを調製し、通常の標準例及び実施例1を行った。
まず、豆乳55部、おから45部を攪拌機にて、65〜
70℃で15分間、混合する。混合後、掻き取り式熱交
換機にて、133℃で1分間で殺菌処理し、冷却して豆
乳・おから一体化物を調製して、これを実施例1に用い
た。
【0020】 ─────────────────────────────────── 表2。豆乳・おから一体化物(豆乳55:おから45)の有無。 数値は「ベーカーズ%」( 小麦粉を100 として表示。表2,3も同じ) ─────────────────────────────────── パン類の区分 通常の標準例 実施例1 ─────────────────────────────────── 配合 中種 本ごね 中種 本ごね 小麦粉 70 0 70 0 イースト 2.5 0 2.5 0 イーストフード 0.1 0 0.1 0 水 42 0 42 0 ───────────────────────────────── 小麦粉 0 30 0 30 砂糖 0 7 0 7 食塩 0 2 0 2 油脂 0 6 0 6 豆乳・おから一体化物 0 0 0 10 水 0 18 0 18 ─────────────────────────────────── 作業工程。通常の標準例と実施例1では共通。 中種 本ごね ─────────────────────────────────── ミキシング 低速3分.中速1分 低速3分.中速4分 低速3分. 中速4分.低速3分 こね上げ温度 24〜 25 ℃ 28℃ フロアタイム 3 時間 20分 分割重量 230 g ベンチタイム 20分 ホイロ 38℃(湿度 85 %) ホイロ時間 45分 焼成 210℃.40分 ─────────────────────────────────── かくして得たパン類は、通常の標準例、実施例1共に官
能評価の結果、風味が良く食感がソフトであるとの評価
であった。ホイロ時間も正常であり製パン性も良かっ
た。
【0021】実施例2〜4、及び比較例1〜4 実施例1で用いた豆乳・おから一体化物(55:45混
合比)を小麦粉100部に対し、3部(実施例2)、1
7部(実施例3)、24部(実施例4)として用いた。
一方、実施例1で用いた豆乳・おから一体化物の調製の
工程で混合後の加熱処理を行わないものを用いて比較例
1とした。比較例での豆乳・おから一体化物の添加量の
選定は、実施例1の豆乳・おから一体化物(55:4
5。以下、同様に略記する。)10重量部(以下、部と
言う)の乾燥固形分1.1部に相当する様にした。即ち
比較例1では(55:45)は実施例1の(55:4
5)と同一の10部を用い、比較例2では(100:
0)の乾燥固形分=9.5%が1.1部を含む11.6
部を用い、比較例3では(0:100)の乾燥固形分=
13.6%が1.1部を含む8.1部と不足の水1.9
部を併用し、比較例4では(0:100)の乾燥おから
の乾燥固形分=93.9%が1.1部を含む1.2部と
不足の水8.8部を併用した。以上の他は実施例1と同
条件で実施した。その配合、一体化物の内容、製パン作
業性、パン類の官能評価の結果などを表3に示した。
【0022】 ─────────────────────────────────── 表3。豆乳・おから一体化物(55:45, 100:0, 0:100 )の加熱の有無。 ─────────────────────────────────── パン類 通常の 実施例 同 同 同 比較例 同 同 同 の区分 標準例 1 2 3 4 1 2 3 4 ─────────────────────────────────── 配合。中種+本ごね、で表示。 小麦粉 100 100 100 100 100 100 100 100 100 イースト 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 イーストフード 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 水 60 60 60 60 60 60 60 61.9 68.8 砂糖 7 7 7 7 7 7 7 7 7 食塩 2 2 2 2 2 2 2 2 2 油脂 6 6 6 6 6 6 6 6 6 ────────────────────────────────── 豆乳・おから一体化物 55:45 。133,1 分 0 10 3 17 24 0 0 0 0 55:45 。無加熱 0 0 0 0 0 10 0 0 0 100:0 。133,1 分 0 0 0 0 0 0 11.6 0 0 0:100 。無加熱 0 0 0 0 0 0 0 8.1 0 0:100 。乾燥おから0 0 0 0 0 0 0 0 1.2 ─────────────────────────────────── 製パン作業性 良( ○) ○ ○ ○ ○ やや不良 × × × 官能評価 (△) 内相の評価度 良(○)○ ○ ○ ○ 不良( ×) × × × 食感のソフトさ ○ ○ ○ ○ ○ × × × × 風味 ○ ○ ○ ○ ○ ○ × × × ─────────────────────────────────── 総合評価 ○ ○ ○ ○ ○ × × × × ───────────────────────────────────
【0023】実施例5〜12 豆乳30部、おから70部を攪拌機にて、65〜70℃
で15分間、混合した。混合後、掻き取り式熱交換機に
て、133℃で1分間で殺菌処理し、冷却して豆乳・お
から一体化物(30:70混合比)を調製して、これを
小麦粉100部に対し、3部(実施例5)、10部(実
施例6)、24部(実施例7)として用いた。同様に豆
乳70部、おから30部を上記と同様の条件で処理し、
豆乳・おから一体化物(70:30混合比)を調製し
て、これを小麦粉100部に対し、3部(実施例8)、
10部(実施例9)、24部(実施例10)として用い
た。一方、実施例1で用いた豆乳・おから一体化物(5
5:45混合比)の均質化処理品を小麦粉100部に対
し、10部を用いて実施例11とし、豆乳70部、おか
ら30部を上記と同様に混合後、レトルト滅菌処理(1
21℃で30分間)し、冷却し、これを小麦粉100部
に対し、10部を用いて実施例12とした。以上の他は
実施例1と同条件で実施した。その配合、一体化物の内
容、製パン作業性、パン類の官能評価の結果などを表4
に示した。
【0024】 ─────────────────────────────────── 表4。豆乳・おから一体化物(30:70 〜70:30 )加熱品の添加量/小麦粉100 ─────────────────────────────────── パン類 通常の 実施例 同 同 同 同 同 同 同 の区分 標準例 5 6 7 8 9 10 1112 ─────────────────────────────────── 配合。中種+本ごね、で表示。 小麦粉 100 100 100 100 100 100 100 100 100 イースト 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 2.5 イーストフード 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 0.1 水 60 60 60 60 60 60 60 60 60 砂糖 7 7 7 7 7 7 7 7 7 食塩 2 2 2 2 2 2 2 2 2 油脂 6 6 6 6 6 6 6 6 6 ────────────────────────────────── 豆乳・おから一体化物 30:70 。133,1 分 0 3 10 24 0 0 0 0 0 70:30 。133,1 分 0 0 0 0 3 10 24 0 0 55:45.均133,1 分 0 0 0 0 0 0 0 10 0 70:30 。レトルト 0 0 0 0 0 0 0 0 10 ─────────────────────────────────── 製パン作業性 良( ○) ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 官能評価 内相の評価度 良(○)○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 食感のソフトさ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 風味 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ─────────────────────────────────── 総合評価 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ ───────────────────────────────────
【0025】通常の標準例、実施例1〜12及び比較例
1〜4の対比評価 表2,表3,表4の実施例などから、総合評価として次
のことが判明した。表2で、豆乳・おから一体化物(豆
乳55:おから45)加熱殺菌品10部を小麦粉100
部に対し添加して調製したパン類は、通常の標準例のパ
ン類に対し充分に有用価値のあるものであった。表3
で、豆乳・おから一体化物(豆乳55:おから45)加
熱殺菌品3部〜24部を小麦粉100部に対し添加して
調製したパン類は、通常の標準例のパン類に対し充分に
有用価値のあるものであった。つまり、豆乳・おから一
体化物を小麦粉100重量部に対して、2部〜25重量
部を添加することを特徴とするパン類の製造方法が、ヘ
ルシーで風味が良く、食感がソフトなパン類を得る方法
であった。更に、豆乳・おから一体化物(豆乳55:お
から45)で混合後の加熱処理なし品、又は豆乳のみ、
もしくはおからのみ、あるいはその乾燥おからのみを実
施例1の一体化物の乾燥固形分と同一量を小麦粉100
部に対し添加しても、それらの調製パン類は有用価値の
あるものにはならなかった。乾燥おからに加水して用い
たパン類は内相のキメが悪く、食感及び風味も悪く、そ
の原因は乾燥によるおからの保水力の低下によるものと
判断される。つまり、豆乳・おから一体化物が殺菌・滅
菌されたものであれば、上記の良好なパン類が製造でき
ることが判明した。表4で、豆乳・おから一体化物の中
の豆乳の混合割合が30〜70重量%で加熱殺菌・滅菌
されていれば、それらの一体化物を小麦粉100部に対
して3〜24部添加しても良好なパン類が出来た。混合
後の加熱がパン類の製造において有用であるのは、豆乳
・おから一体化物の中の大豆由来のβ- アミラーゼ、ト
リプシンインヒビターなどが製パン中のイースト増殖・
発酵を阻害する因子として影響するのを失活させるため
ではないかと推察される。つまり、豆乳・おから一体化
物の中の豆乳の混合割合が25〜75重量%であれば、
上記の良好なパン類が製造できることが判明した。
【0026】
【発明の効果】以上で詳述した様に、この発明により、
従来行われなかった,豆乳・おから一体化物等をパン類
に用いることによって、ヘルシー(豆乳とおからの蛋白
質と大豆多糖類を含ませたパン類)であって食感がソフ
トであり、ソフト食感がより長く保持されるパン類が出
来る様になった。
フロントページの続き (72)発明者 山本 幸恵 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南工場内 (72)発明者 津村 治男 大阪府泉佐野市住吉町1番地 不二製油株 式会社阪南工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】豆乳、おから一体化物(以下、豆乳・おか
    ら一体化物と言う。)、又は大豆の呉(ご)、或いはそ
    れらに大豆由来の構成成分を加えたものを用いることを
    特徴とするパン類の製造方法。
  2. 【請求項2】豆乳・おから一体化物を小麦粉100重量
    部に対して、2〜25重量部を添加する請求項1記載の
    パン類の製造方法。
  3. 【請求項3】豆乳・おから一体化物が殺菌・滅菌された
    ものである請求項1記載のパン類の製造方法。
  4. 【請求項4】豆乳・おから一体化物の中における豆乳の
    混合割合が、25〜75重量%である請求項1記載のパ
    ン類の製造方法。
JP10071763A 1998-03-20 1998-03-20 豆乳、おから入りパン類の製造方法 Pending JPH11266774A (ja)

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