JPH11265824A - インダクタンス素子およびその製造方法 - Google Patents

インダクタンス素子およびその製造方法

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JPH11265824A
JPH11265824A JP6585398A JP6585398A JPH11265824A JP H11265824 A JPH11265824 A JP H11265824A JP 6585398 A JP6585398 A JP 6585398A JP 6585398 A JP6585398 A JP 6585398A JP H11265824 A JPH11265824 A JP H11265824A
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JP
Japan
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inductance element
spiral groove
core
conductive film
shape
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JP6585398A
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English (en)
Inventor
Makoto Tejima
信 手嶋
Takayuki Kesen
隆之 気仙
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が向上し,しかも特性の優れたインダ
クタンス素子とそのコアと,その製造方法とを提供する
ことにある。 【解決手段】 フェライト材もしくはアルミナ材で形成
された絶縁性のインダクタンス素子用コア1の全面に銅
のメッキを施して導電膜5を形成し,前記導電膜5の外
周をレーザー光により切削して,螺旋溝6を形成した
後,前記螺旋溝6を覆うように保護膜材を塗布してなる
インダクタンス素子において,前記インダクタンス素子
用コア1の形状が前記螺旋溝6を形成する部分において
は円柱もしくは4n角柱(但し,nはn≧の整数)の形
状でありながら,両側端のインダクタンス素子の外部電
極端子部3,4を形成する部分においては前記螺旋溝6
を形成する部分よりも大きな4m角柱(但し,mはm≧
1の整数)の形状を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,電子機器等に用い
られるインダクタンス素子及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】図9,図10及び図11は従来のインダ
クタンス素子を示す斜視図である。図9乃至11を参照
すると,インダクタンス素子50は,コア51の上に導
電膜52を設けて形成し,基体53にレーザー光により
溝54を形成する事によってインダクタンス素子を形成
し,この溝54を覆うとともに,両端縁面を露出させて
保護膜材55を設けた構成を有している。これにより,
特に細線を使用する小型のインダクタンス素子(例え
ば,1.6×0.8×0.8mmのサイズや1.0×
0.5×0.5mmのサイズ)においては巻線みだれ等
がないので巻線タイプのインダクターに対して特性ばら
つきの少ないインダクタンス素子を提供できる。
【0003】しかも,コア51を円柱から四角柱形状に
したことで,プリント基板への実装時にころがりなどお
こりにくくなるので基板実装性がよくなるという利点を
有している。
【0004】また,図12は,図9乃至図11の従来例
を利用したインダクンス素子のモデルを示している。図
12においては,両側の端子部57,58が巻芯部より
も寸法の大きな4角板状に形成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,前記従
来の構成では,コア51が四角柱であるために,コア5
1の角部と面部においてレーザー光源からの距離が一定
ではなくなるので,コア51上の巻芯部に形成されたカ
ットされる導電膜52の溝の切り幅が角部と面部とでは
異なり,角部では切り幅が広くなるためこの部分で導体
幅が細くなり,それがQの特性を劣化させたり,また面
部では切り幅が狭くなり切り残しによるTurn数の不
良を発生する場合があるなどの問題点があった。
【0006】また,図12に示すインダクタンス素子で
は,コア形状を円柱形状から四角柱にしたことにより,
プリント基板への実装性はよくなったものの,反面コア
の角部と面部とのレーザーとの距離が円柱形状にくらべ
一定ではなくなった。このため,例えば,1.6×0.
8×0.8mサイズの四角柱のアルミナコアに銅の全面
メッキを施したコアを波長が1.064μmのYAGレ
ーザー(出力6〜12W)にて加工する場合,カット部
に,ばりを生じたり,角部と面部とのカット幅が変化し
て,全周方向での一様なカット幅が保持できなかった。
例えば,バレル研磨等によりコアの角部の面取りを施し
た程度ではこれらの問題は解決できない。
【0007】そこで,本発明の技術的課題は,生産性が
向上し,しかも特性の優れたインダクタンス素子とその
製造方法とを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば,フェラ
イト材もしくはアルミナ材で形成された絶縁性を備えた
インダクタンス素子用コアの全面に導電膜を形成し,前
記導電膜の外周をレーザー光により切削して,螺旋溝を
形成した後,前記螺旋溝を覆うように保護膜材を塗布し
てなるインダクタンス素子において,前記インダクタン
ス素子用コアの形状が前記螺旋溝を形成する部分におい
ては円柱もしくは4n角柱(但し,nはn≧の整数)の
形状でありながら,両側端のインダクタンス素子の外部
電極端子部を形成する部分においては前記螺旋溝を形成
する部分よりも大きな断面寸法を有する4m角柱(但
し,mはm≧1の整数)の形状を有していることを特徴
とするインダクタンス素子が得られる。
【0009】また,本発明によれば,前記インダクタン
ス素子において,前記導電膜は,銅めっき膜から実質的
になることを特徴とするインダクタンス素子が得られ
る。
【0010】また,本発明によれば,前記いずれかのイ
ンダクタンス素子において,前記導電膜の厚さを22μ
m〜30μmとしたことを特徴とするインダクタンス素
子。
【0011】また,本発明によれば,前記いずれかのイ
ンダクタンス素子において,前記導電膜の厚さを5〜1
4μmとしたことを特徴とするインダクタンス素子が得
られる。
【0012】また,本発明によれば,前記いずれかのイ
ンダクタンス素子において,前記導電膜の外周をレーザ
ー光により螺旋溝に切削したときの導体の幅をdとし,
前記螺旋溝を介した導体と導体のピッチをpとしたと
き,dとpの関係が2.6≦p/d≦3.0となる範囲
にdとpの値を設定したことを特徴とするインダクタン
ス素子が得られる。
【0013】また,本発明によれば,前記いずれかのイ
ンダクタンス素子において,前記保護膜材は,比重1.
3以上のエポキシ樹脂を用いたものからなることを特徴
とするインダクタンス素子が得られる。
【0014】また,本発明によれば,フェライト材もし
くはアルミナ材で形成された絶縁性を備えたインダクタ
ンス素子用コアの全面に導電膜を形成し,前記導電膜の
外周をレーザー光により切削して,螺旋溝を形成するイ
ンダクタンス素子の製造方法において,前記絶縁性コア
の形状が前記螺旋溝を形成する部分においては円柱もし
くは4n角柱(但し,nはn≧の整数)の形状でありな
がら,両側端のインダクタンス素子の外部電極端子部を
形成する部分においては,前記螺旋溝を形成する部分よ
りも大きな4m角柱(但し,mはm≧1の整数)の形状
を有するように形成することを特徴とするインダクタン
ス素子の製造方法が得られる。
【0015】また,本発明によれば,前記インダクタン
ス素子の製造方法において,前記導電膜として銅めっき
膜を用いることを特徴とするインダクタンス素子の製造
方法が得られる。
【0016】また,本発明によれば,前記いずれかのイ
ンダクタンス素子の製造方法において,前記導電膜の外
周の切削に,波長が1.064μmのYAGレーザー光
を用いることを特徴とするインダクタンス素子の製造方
法が得られる。
【0017】また,本発明によれば,前記いずれかのイ
ンダクタンス素子の製造方法において,前記導電膜の切
削の後に,前記螺旋溝を覆うように保護膜材を塗布する
ことを特徴とするインダクタンス素子の製造方法が得ら
れる。
【0018】即ち,要約すると,本発明では,コアの全
面に導電膜を形成し,前記導電膜の外周をレーザー光に
より切削して螺旋溝を形成した後,前記螺旋溝を覆うよ
うに保護膜材を塗布してなるインダクタンス素子におい
て,前記螺旋溝形成部は円柱もしくは八角柱もしくは1
2角柱の形状とし,しかもコア両端の外部電極端子部は
前記螺旋溝を形成する部分よりも大きな四角柱または八
角柱または12角柱の形状を有する構成としたものであ
る。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0020】(第1の実施の形態)図1は本発明の第1
の実施の形態によるインダクタンス素子を示す斜視図で
ある。図1に示すように,インダクタンス素子10のコ
ア1は,アルミナもしくはフェライトからなり,外形が
円柱の形状で構成された巻芯部2を備え,そのおのおの
の両端には正八角形でない八角柱形状により構成された
外部電極端子部(以下,単に端子部と呼ぶ)3,4を備
えている。また,コア1の巻芯部2と端子部3,4に該
当する部分の周囲には,めっき膜5が形成されている。
この巻芯部2のめっき膜5は,レーザーにより螺旋溝6
が形成され,その上に,端子部3,4を除いて図示しな
い保護膜材の被覆が設けられる。
【0021】この本発明の第1の実施の形態によるイン
ダクタンス素子10においては,図1に示すように,め
っき膜5の螺旋溝形成部分(レーザーカット部分)の形
状を円柱の形状にすることにより,レーザーとコア1の
距離をコアの全周においてほぼ一定とすることができ
る。これによって,螺旋溝6のカット部のばりの発生の
抑制と,螺旋溝6のカット幅7を一定にでき,しかも端
子部3,4は基板実装時には,安定性のよい非八角柱と
しているので,メルフタイプのチップ部品,即ち,全体
が円柱形状のもののように基板実装時に回転するなどの
実装上の問題を生じない。
【0022】(第2の実施の形態)図2は本発明の第2
の実施の形態によるインダクタンス素子を示す斜視図で
ある。図2に示すようにインダクタンス素子20のコア
11は,アルミナもしくはフェライトからなり,外形が
非正八角柱の形状で構成された巻芯部12と,その両端
に形成された四角柱形状により構成された各々の端子部
13,14とを備え,それらの外周は,めっき膜15に
よって覆われている。この巻芯部12のめっき膜15
は,レーザーにより螺旋溝16が形成され,その上に,
端子部13,14を除いて図示しない絶縁保護膜材の被
覆が設けられる。
【0023】このような構成の本発明の第2の実施の形
態によるインダクタンス素子10においては,図2に示
すように,めっき膜15からなる螺旋溝16を形成する
部分(レーザーカット部分)に該当するコア11の巻芯
部12の形状を,非八角柱の形状にすることにより,レ
ーザーとコア11の距離をコア11の全周においてほぼ
一定とすることにより,螺旋溝16のカット部のばりの
発生の抑制と,螺旋溝16のカット幅17を一定にで
き,しかも,端子部13,14は,基板実装時には安定
性のよい四角柱としているのでメルフタイプのチップ部
品,即ち,全体が円柱形状のもののように基板実装時に
回転するなどの実装上の問題を生じない。
【0024】(第3の実施の形態)図3は本発明の第3
の実施の形態によるインダクタンス素子を示す斜視図で
ある。図3に示すように,インダクタンス素子30のコ
ア21は,アルミナもしくはフェライトからなり,外形
が12角柱の形状で構成された巻芯部22とその各々の
両端に形成された四角柱により構成された端子部23,
24とを備えている。また,それらの外周には,めっき
膜25が形成されている。この巻芯部22のめっき膜1
5は,レーザーにより螺旋溝16が形成され,その上
に,端子部13,14を除いて図示しない絶縁保護膜材
の被覆が設けられる。
【0025】このような構成の本発明の第3の実施の形
態によるインダクタンス素子20においては,図3に示
すように,螺旋溝26の形成部分(レーザーカット部
分)に該当する外周にめっき膜25を備えた巻芯部22
の形状を12角柱の形状にすることにより,レーザーと
コアの距離をコアの全周においてほぼ一定とすることに
より,カット部のばりの発生の抑制とカット幅23を一
定にでき,しかも端子部23,24は基板実装時には安
定性のよい四角柱としているのでメルフタイプのチップ
部品,即ち,全体が円柱形状のもののように基板実装時
に回転するなどの実装上の問題を生じない。
【0026】(第4の実施の形態)次に,本発明の第4
の実施の形態によるインダクタンス素子について説明す
る。本発明の第4の実施の形態によるインダクタンス素
子は,図3に示すンダクタンス素子30とは,その巻芯
部22が円柱形状を有する他は,同様の構成を有する。
このような構成の本発明の第4の実施の形態によるイ
ンダクタンス素子においては,例えば,図3を参照する
と,螺旋溝26の形成部分(レーザーカット部分)に該
当する外周にめっき膜25を備えた巻芯部22の形状
を,正12角形状から円柱形状にすることにより,レー
ザーとコアの距離をコアの全周においてほぼ一定とする
ことにより,カット部のばりの発生の抑制とカット幅2
3を一定にでき,しかも端子部23,24は基板実装時
には安定性のよい四角柱としているのでメルフタイプの
チップ部品,即ち,全体が円柱形状のもののように基板
実装時に回転するなどの実装上の問題を生じない。
【0027】次に,本発明の第1乃至第3の実施の形態
によるインダクタンス素子の電気的特性について述べ
る。
【0028】本発明の実施の形態によるインダクタンス
素子として,チップインダクタの大きさを1.6×0.
8×0.8mmとし,導体厚を22μm,カット幅を2
0μmにて5turnsの巻線に相当する螺旋溝のカッ
トをしたとき,例えば,100MHzにおけるインダク
タンスL:とQの値をシミュレーション及び実験により
比較すると図12に示す従来品の四角柱の例では,L=
10.9nH,Q=14.8となり,図2に示す本発明
の第2実施の形態による八角柱の例では,L=10.5
nH,Q=15.5,図3に示す本発明の第3の実施の
形態による12角柱の例では,L=9.1nH,Q=1
6.7,図示しない本発明の第4の実施の形態による円
柱の例では,L=9.0nH,Q=16.7が得られ
た。
【0029】よって,本発明の実施の形態によれば,図
2に示す八角柱形状により,従来の四角柱形状とほぼ同
等のインダクタンス値を得ながら,しかもQ特性では従
来よりも約5%向上できた。
【0030】また,本発明の第3の実施の形態による1
2角柱によるもの,さらに,本発明の第4の実施の形態
による円柱形状では,従来のものと比較してインダクタ
ンスではやや減少するものの,Q特性では,従来よりも
約13%向上できた。なお,製造方法も含めて考えれば
円柱構造では端子部を四角柱または八角柱または12角
柱にするためにはプレス成形でしか作ることができない
ため,プレスも押し出し成形も可能な,12角柱及び八
角柱の形状のものの方が(この場合,端子形状と本体部
の形状が同一のものの方が),より生産性に適した形状
である。
【0031】また,正八角柱ではなく,図2に示したよ
うな非正八角柱にした方が,後述するように,シー卜成
形も可能となるので,さらに生産性を向上できるし,ま
た電気的特性においても正八角柱よりも図2に示した非
正八角柱の方が実効断面積が大きくとれることからイン
ダクタンスは約15%大きくできるので有効な形状であ
る。
【0032】(インダクタンス素子の製造方法)次に,
本発明の実施の形態によるインダクタンス素子の製造方
法について概略を説明する。
【0033】まず,コア用素材であるコア圧粉体34は
次の(ア),(イ),及び(ウ)のいずれかの方法によ
って製造される。
【0034】(ア)図4に示すように,コアは端子部が
四角柱になるように,また,螺旋溝形成部(レーザーカ
ット部)を円柱になるような窪み32を備えた金型31
にてセラミック圧粉体をプレスにて成形する。
【0035】(イ)図5に示すように八角柱棒のセラミ
ック圧粉体33を押し出し成形したのち所定の長さに切
断して,コア圧粉体34とする。
【0036】(ウ)図6に示すように,あらかじめシー
ト基板状にセラミック圧粉体35を成形してから所定の
大きさに打ち抜き,所定の大きさのコア圧粉体34を得
る。
【0037】次に,前記いずれかの方法で得られた所定
の大きさのコア圧粉体34を所定の温度,例えば,アル
ミナの場合1000℃以上にて焼成し,コアを得る。
【0038】次に,これらのコア1の全面に無電解また
は電気メッキにて所定の厚み,例えば,5〜30μmに
て電極を形成した後,所定のスリット幅及びピッチ幅,
例えば,20μmピッチで20μmスリット幅)にて,
所定のインダクタンスが得られるように,巻数に相当す
る螺旋溝の数をカットする。
【0039】本発明の実施の形態では,例えば,1.0
64μmYAGレーザーにて,螺旋溝6,16,26を
カットした。この螺旋溝6,16,26の部分は非絶縁
状態であり,金属粉の付着によるショートや電極はがれ
などの保護のため,コア両側端の端子部分を除きエポキ
シ樹脂を塗布,乾燥することで保護膜としている。
【0040】尚,図4に示すコア34がプレス品につい
てはすでにプレス成形時に螺旋溝を形成する部分よりも
大きな,(四角柱または八角柱の)端子部分が形成され
ているから,樹脂の保護膜形成後はそのまま外部端子形
成用のメッキ(Niメッキ及びハンダメッキ)を数μm
〜数十μm形成すればよい。
【0041】一方,図5又は図6に示すように,コアが
押し出し成形品またはシート基板品の場合は螺旋溝のカ
ット部よりも大きな(四角柱または八角柱の)端子部分
がまだ形成されていないので,外部端子形成用のメッキ
(Niめっき及び半田メッキ)を施す前に螺旋溝形成部
よりも大きな端子部分を形成するためのめっき(例え
ば,無電解又は電解銅メッキ)を30〜60μm施し,
その後にNiメッキ及びハンダメッキを施すことで,基
板実装時にハンダ濡れ性が良好で電極食われ等のない端
子部を形成する。
【0042】次に,図7を参照して,螺旋溝を形成する
部分のメッキ厚と電気的特性の関係について,チップサ
イズ1.6×0.8×0.8mmのアルミナコアに,銅
メッキをほどこした例について説明する。
【0043】本発明の実施の形態によるインダクタンス
素子は使用周波数が100MHz以上の高周波用である
ことから,電極が厚く(メッキが厚く)なると螺旋溝が
形成されたスリット電極間の近接効果が生じる。
【0044】図7によればメッキ厚14μm以下におい
てインダクタンスの最大値が得られ,メッキ厚が22μ
m以上においてQの最大値が得られた。
【0045】よって,本発明の実施の形態においては,
用途によりインダクタンス重視のタイプ,例えば,1t
urnで1.7nH以上にはメッキ厚5〜14μmのも
のを使用した。ここで,メッキ厚を5μm以上にしたの
はインダクタンス素子に定格電流(例えば,400m
A)を流すための最小導体断面積を確保するためであ
る。
【0046】また,本発明の実施の形態によるインダク
タンス素子で,Qを重視のタイプ,例えば,1turn
で22.6以上,にはメッキ厚22〜30μmを使用し
た。ここで,本発明の実施の形態においては,メッキ厚
30μm以下としたのは,それ以上厚くしてもQ特性が
のびないことと,メッキのコストが高くなること,螺旋
溝カットのためのレーザー出力の限界のために30μm
以下とした。
【0047】図8に同一形状(1.6×0.8×0.8
mm)サイズのアルミナコアに銅メッキ25μmを施し
たときレーザー光により螺旋溝を形成し,そのときの導
体の幅をdとし,導体と導体のピッチをpとしたときの
p/dとQ特性との関係を示した。図8より本発明の実
施の形態によれば,p/dが2.6以上3.0以下にお
いて,最大Qとなるインダクタンス素子が得られる。
【0048】尚,螺旋溝を形成後の絶縁保護膜材として
は誘電率及び誘電率の温度変化が小さく電極(例えば,
銅に)対して腐食等の悪影響がなく,チキソ性及び粘度
の高いエポキシ樹脂を使用するとよい。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように,本発明によれば,
実装時に転がり等がない基板実装性に優れたチップイン
ダクタンス素子を高周波における良好な電気的特性(イ
ンダクタンス及びQ)を確保しながらコア表面に形成し
た電極をレーザー光により螺旋溝にカットするときに生
じる螺旋溝幅のばらつきを抑制し,螺旋溝の切り幅がコ
ア全周においてほぼ一様となることで電気的特性のばら
つきを抑制した高精度で且つQ特性優れたインダクタン
ス素子を提供できる。
【0050】また,本発明によれば,前記インダクタン
ス素子を生産性よく供給できるインダクタンス素子の製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるインダクタン
ス素子を示す斜視図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態によるインダクタン
ス素子を示す斜視図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態によるインダクタン
ス素子を示す斜視図である。
【図4】本発明の実施の形態によるプレス成形によって
コアを作成するための金型の例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態による押し出し成形による
コアの作成の説明に供せられる図である。
【図6】本発明の実施の形態によるシート成形によるコ
アの作成の説明に供せられる図である。
【図7】本発明の実施の形態によるインダクタンス素子
の特性を示す図である。
【図8】本発明の実施の形態によるインダクタンス素子
の特性を示す図である。
【図9】従来のインダクタンス素子の斜視図である。
【図10】従来のインダクタンス素子の構造を示す斜視
図である。
【図11】従来のコアの断面図である。
【図12】従来例を適用したインダクタンス素子の構造
を示す斜視図である。
【符号の説明】
1,11,21 コア 2,12,22, 巻芯部 3,4,13,14,23,24 端子部 5,15,25 めっき膜 6,16,26 螺旋溝 7,17,27 溝幅 10,20,30 インダクタンス素子 31 金型 32 窪み 33,35 セラミック圧粉体 34 コア圧粉体 50 インダクタンス素子 51 コア 52 導電膜 53 基体 54 溝 55 保護膜材 57,58 端子部
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月12日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】この本発明の第1の実施の形態によるイン
ダクタンス素子10においては,図1に示すように,め
っき膜5の螺旋溝形成部分(レーザーカット部分)の形
状を円柱の形状にすることにより,レーザーとコア1の
距離をコアの全周においてほぼ一定とすることができ
る。これによって,螺旋溝6のカット部のばりの発生の
抑制と,螺旋溝6のカット幅7を一定にでき,しかも端
子部3,4は基板実装時には,安定性のよい非八角柱
としているので,メルフタイプのチップ部品,即ち,全
体が円柱形状のもののように基板実装時に回転するなど
の実装上の問題を生じない。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェライト材もしくはアルミナ材で形成
    された絶縁性を備えたインダクタンス素子用コアの全面
    に導電膜を形成し,前記導電膜の外周をレーザー光によ
    り切削して,螺旋溝を形成した後,前記螺旋溝を覆うよ
    うに保護膜材を塗布してなるインダクタンス素子におい
    て,前記インダクタンス素子用コアの形状が前記螺旋溝
    を形成する部分においては円柱もしくは4n角柱(但
    し,nはn≧の整数)の形状でありながら,両側端のイ
    ンダクタンス素子の外部電極端子部を形成する部分にお
    いては前記螺旋溝を形成する部分よりも大きな断面寸法
    を有する4m角柱(但し,mはm≧1の整数)の形状を
    有していることを特徴とするインダクタンス素子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のインダクタンス素子にお
    いて,前記導電膜は,銅めっき膜から実質的になること
    を特徴とするインダクタンス素子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載のインダクタンス素
    子において,前記導電膜の厚さを22μm〜30μmと
    したことを特徴とするインダクタンス素子。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2記載のインダクタンス素
    子において,前記導電膜の厚さを5〜14μmとしたこ
    とを特徴とするインダクタンス素子。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4の内のいずれかに記載の
    インダクタンス素子において,前記導電膜の外周をレー
    ザー光により螺旋溝に切削したときの導体の幅をdと
    し,前記螺旋溝を介した導体と導体のピッチをpとした
    とき,dとpの関係が2.6≦p/d≦3.0となる範
    囲にdとpの値を設定したことを特徴とするインダクタ
    ンス素子。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至5の内のいずれかに記載の
    インダクタンス素子において,前記保護膜材は,比重
    1.3以上のエポキシ樹脂を用いたものからなることを
    特徴とするインダクタンス素子。
  7. 【請求項7】 フェライト材もしくはアルミナ材で形成
    された絶縁性を備えたインダクタンス素子用コアの全面
    に導電膜を形成し,前記導電膜の外周をレーザー光によ
    り切削して,螺旋溝を形成するインダクタンス素子の製
    造方法において,前記絶縁性コアの形状が前記螺旋溝を
    形成する部分においては円柱もしくは4n角柱(但し,
    nはn≧の整数)の形状でありながら,両側端のインダ
    クタンス素子の外部電極端子部を形成する部分において
    は,前記螺旋溝を形成する部分よりも大きな4m角柱
    (但し,mはm≧1の整数)の形状を有するように形成
    することを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載のインダクタンス素子の製
    造方法において,前記導電膜として銅めっき膜を用いる
    ことを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8記載のインダクタンス素
    子の製造方法において,前記導電膜の外周の切削に,波
    長が1.064μmのYAGレーザー光を用いることを
    特徴とするインダクタンス素子の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項7乃至9の内のいずれかに記載
    のインダクタンス素子の製造方法において,前記導電膜
    の切削の後に,前記螺旋溝を覆うように保護膜材を塗布
    することを特徴とするインダクタンス素子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010534841A (ja) * 2007-08-01 2010-11-11 テスト アーゲー 材料、特に油又は脂肪の状態を計測するための装置

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