JP2002217001A - 電子部品及び製造方法 - Google Patents

電子部品及び製造方法

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JP2002217001A
JP2002217001A JP2001014159A JP2001014159A JP2002217001A JP 2002217001 A JP2002217001 A JP 2002217001A JP 2001014159 A JP2001014159 A JP 2001014159A JP 2001014159 A JP2001014159 A JP 2001014159A JP 2002217001 A JP2002217001 A JP 2002217001A
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film
forming film
electronic component
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JP2001014159A
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English (en)
Inventor
広実 ▲崎▼田
Hiromi Sakida
Kenzo Isozaki
賢蔵 磯▲崎▼
Katsumi Sasaki
勝美 佐々木
Yoshiaki Iwakiri
義昭 岩切
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、保護材を全く設けないかあるい
は、薄い保護材を設けるだけでよく、生産性が向上し、
更に、実質的に鉛を含まない環境に優しい電子部品及び
製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 基台11の上に設けられた素子形成膜1
2と、素子形成膜12の第1の部分に溝13等を形成し
て設けられた素子部Sと、素子形成膜12上に設けられ
耐候性が高くしかも接合材との濡れ性の高い材料で構成
された保護膜15とを備え、素子形成膜12の第1の部
分とは異なる第2の部分を端子部17,18とするとと
もに、端子部17,18の表面にも保護膜15を設け
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器等に好適
に用いられる電子部品(チップ抵抗器,チップインダク
タ,チップコンデンサ,チップアンテナ,複合チップ電
子部品等)及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】チップ部品としては、図6に示すような
構造のものが存在する。すなわち、角柱状の基台(図示
せず)の両端部に、端子部1,2を設け、端子部1,2
の間に保護材3が設けられている。基台上には素子形成
膜や抵抗膜などが形成されており、しかもスパイラル状
の溝を設けることで、素子部Sが設けられており、この
素子部Sの構成によって、チップ抵抗器,チップインダ
クタ,チップコンデンサ,チップアンテナ等が作製され
ている。
【0003】先行例としては、特開平11−23862
4号公報,特開平11−233345号公報等が存在す
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら以上のよ
うな構成では、素子部Sの耐候性や絶縁性を向上させる
ために、樹脂製の保護材3を比較的均一に、しかも厚め
に形成し無ければならず、工程が非常に複雑で生産性が
悪かった。更に、電子部品にも鉛フリー化が求められて
きており、鉛を含んだ接合材を電子部品に設けることを
避ける傾向にある。
【0005】本発明は、上記従来の課題を解決するもの
で、保護材を全く設けないかあるいは、薄い保護材を設
けるだけでよく、生産性が向上し、更に、実質的に鉛を
含まない環境に優しい電子部品及び製造方法を提供する
ことを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、基台の上に設
けられた素子形成膜と、素子形成膜の第1の部分に溝等
を形成して設けられた素子部と、素子形成膜上に設けら
れ耐候性が高くしかも接合材との濡れ性の高い材料で構
成された保護膜とを備え、素子形成膜の第1の部分とは
異なる第2の部分を端子部とするとともに、端子部の表
面にも保護膜を設けた。
【0007】
【発明の実施の形態】請求項1記載の発明は、基台と、
前記基台の上に設けられた素子形成膜と、前記素子形成
膜の第1の部分に溝等を形成して設けられた素子部と、
前記素子形成膜上に設けられ耐候性が高くしかも接合材
との濡れ性の高い材料で構成された保護膜とを備え、前
記素子形成膜の第1の部分とは異なる第2の部分を端子
部とするとともに、前記端子部の表面にも前記保護膜が
設けられたことを特徴とする電子部品とすることで、保
護膜を素子部及び端子部上に設けたことで、素子部の保
護を行うことができ、しかも端子部には実質的に鉛を含
まない様に構成できる。保護膜にて素子部の保護を行う
ことで、樹脂製保護材を全く設けなくて良いか或いは非
常に薄く形成できるので、製造工程が簡略化でき、生産
性が向上する。
【0008】請求項2記載の発明は、保護膜と素子形成
膜との間に前記保護膜が拡散しにくい材料で構成された
バリア層を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子
部品とすることで、保護膜と素子形成膜間において、拡
散などが生じ一方の膜が消失していくようないわゆる喰
われ現象が発生しやすい場合に、バリア層を設けること
で一方の膜から他方の膜への拡散などを防止でき、熱処
理などによる喰われ現象の抑制を行うことができる。
【0009】請求項3記載の発明は、素子部を覆うよう
に樹脂製保護材を設けた請求項1記載の電子部品とする
ことで、更に耐候性等を向上させることができるととも
に、表面を滑らかにできるので、実装機などによる吸着
ミスなどを防止することができる。
【0010】請求項4記載の発明は、保護膜を金或いは
金合金で構成したことを特徴とする請求項1記載の電子
部品とすることで、耐候性が高くしかも接合材との濡れ
性が高いという条件を十分に満たし、簡単な鍍金法など
で構成できるので、生産性が向上する。
【0011】請求項5記載の発明は、バリア層をNi単
体、Cr単体、Ti単体、Sn単体、Ag単体、Ni合
金、Cr合金、Ti合金、Sn合金、Ag合金の少なく
とも一つの材料で構成された金属膜で構成したことを特
徴とする請求項2記載の電子部品とすることで、例え
ば、素子形成膜を銅で構成し、保護膜を金或いは金合金
で構成した場合に、保護膜の素子形成膜への拡散を防止
できる。
【0012】請求項6記載の発明は、基台に全周に渡っ
て段差部を設け、前記段差部中に素子部を設けたことを
特徴とする請求項1記載の電子部品とすることで、素子
部と回路基板等との間に隙間を設けることができるの
で、実装時に特性がばらつくことはなく、しかも樹脂製
の保護材を設ける場合などにも、大きく保護材が突出す
ることはないので、電子部品の座りなどが悪くなり、実
装性が悪くなることはない。
【0013】請求項7記載の発明は、端子部の断面を円
形状もしくは略正多角形状とした事を特徴とする請求項
1記載の電子部品とすることで、実装の際の方向性を無
くすことができるので、バルク実装が可能となり、実装
性が向上する。
【0014】請求項8記載の発明は、基台の両端部上に
形成された素子形成膜及び保護膜を一対の端子部とし、
前記一対の端子部の間に素子部を設けた請求項1記載の
電子部品とすることで、両端を回路基板等へ接合でき、
実装を確実に行え、チップ部品として用いることが可能
となる。
【0015】請求項9記載の発明は、素子形成膜を導電
材料で構成し、しかも前記素子形成膜にスパイラル状の
溝を形成することで、軸心が基台の長手方向に沿うよう
にスパイラル状の素子形成膜を設けて所定のインダクタ
ンスを形成したことを特徴とする請求項1記載の電子部
品とすることで、小型でしかも耐候性の優れたチップイ
ンダクタを生産性良く量産できる。
【0016】請求項10記載の発明は、素子形成膜を抵
抗材料で構成し、しかも前記素子形成膜にスパイラル状
の溝を形成することで、軸心が基台の長手方向に沿うよ
うにスパイラル状の素子形成膜を設けて所定の抵抗値を
得ることを特徴とする請求項1記載の電子部品とするこ
とで、小型でしかも耐候性の優れたチップ抵抗器を生産
性良く量産できる。
【0017】請求項11記載の発明は、素子形成膜を導
電材料で構成し、しかも前記素子形成膜に環状溝を形成
することで、前記素子形成膜を分割し、前記分割された
素子形成膜間で容量を形成することを特徴とする請求項
1記載の電子部品とすることで、耐候性の優れたチップ
コンデンサを得ることができる。
【0018】請求項12記載の発明は、素子形成膜を導
電材料で構成し、しかも前記素子形成膜にスパイラル状
の溝を形成することで、軸心が基台の長手方向に沿うよ
うにスパイラル状の素子形成膜を設け、端子部を給電部
としてアンテナ特性を得ることを特徴とする請求項1記
載の電子部品とすることで、小型で耐候性の大きなチッ
プアンテナを量感可能とすることができる。
【0019】請求項13記載の発明は、柱状の基台の少
なくとも全側面に素子形成膜を形成し、前記素子形成膜
の一部分に溝加工などを施して素子部を形成し、前記素
子形成膜の全表面に耐候性が高くしかも接合材との濡れ
性の高い材料で構成された保護膜を形成したことを特徴
とする電子部品の製造方法とすることで、素子部の形成
後に保護膜を設けるので、素子形成膜のほぼ全表面を保
護膜で覆うことができ、耐候性が高くなり、生産性も向
上する。
【0020】請求項14記載の発明は、柱状の基台の少
なくとも全側面に素子形成膜を形成し、前記素子形成膜
の一部分に溝加工などを施して素子部を形成し、前記素
子形成膜の全表面にバリア層を形成し、前記バリア層の
上に耐候性が高くしかも接合材との濡れ性の高い材料で
構成された保護膜を形成したことを特徴とする電子部品
の製造方法とすることで、素子部の形成後に保護膜を設
けるので、素子形成膜のほぼ全表面を保護膜で覆うこと
ができ、耐候性が高くなり、生産性も向上する。
【0021】請求項15記載の発明は、保護膜を鍍金法
で構成したことを特徴とする請求項13,14いずれか
1記載の電子部品の製造方法とすることで、簡単に保護
膜を素子形成膜のほぼ全表面に形成できるので、生産性
が向上する。
【0022】請求項16記載の発明は、保護材は金或い
は金合金で構成したことを特徴とする請求項13,14
いずれか1記載の電子部品の製造方法とすることで、耐
候性が高くしかも接合材との濡れ性が高いという条件を
十分に満たし、簡単な鍍金法で構成できるので生産性が
向上する。
【0023】以下、本発明における電子部品の実施の形
態について説明する。
【0024】図1,図2はそれぞれ本発明の一実施の形
態における電子部品を示す斜視図及び側断面図である。
【0025】図1,2において、11は絶縁材料などを
プレス加工、押し出し法等を施して構成されている基
台、12は基台11の上に設けられている素子形成膜
で、素子形成膜12は、メッキ法,スパッタリング法等
の蒸着法,焼き付け法等によって基台11上に形成され
る。13は素子形成膜12に設けられた溝で、溝13
は、レーザ光線等を素子形成膜12に照射することによ
って形成したり、素子形成膜12に砥石等を当てて機械
的に形成されたり、レジストなどを用いた選択的エッチ
ングによって形成されている。この溝13はスパイラル
状に設けることによって、素子形成膜12にスパイラル
状の素子形成膜12が形成されることになる。また、溝
13は、好ましくは基台11と素子形成膜12の双方に
形成した方が好ましく、この様な構成によって、完全に
素子形成膜12を切断することができ、特性劣化を防止
できる。
【0026】なお、本実施の形態では、上述の通り少な
くとも素子形成膜12自体に溝13を設けて、抵抗,イ
ンダクタ,コンデンサ等の機能を有する素子部Sを形成
したが、前述の通り、素子形成膜12に溝13をレーザ
ー等で形成しなくても、基台11上において素子形成膜
12を非配置とする部分に、フォトレジスト層を設けた
後に基台11上に素子形成膜12を形成し、その後にフ
ォトレジスト層を取り除くことで、素子形成膜12にの
み溝13を形成しても良い。
【0027】14は素子形成膜12を覆うように設けら
れたバリア層、15はバリア層14の上に設けられ実質
的に鉛を含まない保護膜で、保護膜15は鉛フリー半田
や通用の半田等の接合材と濡れ性が良く、しかも耐食性
の大きな金属材料で構成されている。
【0028】16は素子形成膜12(素子部S)上に形
成された保護材、17,18はそれぞれ基台11の端部
上に設けられた端子部である。
【0029】以上の様に、素子形成膜12単独、或いは
素子形成膜12と溝13との組み合わせで構成される素
子部Sと、端子部17,18上に連続して保護膜15を
設けることで、素子部Sの耐食性等を向上させることが
でき、長時間の経過による特性劣化などを防止できると
同時に、端子部17,18とクリーム半田などとの濡れ
性が良く接合性を向上させることができ、しかも鉛フリ
ーの電子部品を得ることができる。
【0030】また、素子部S上に設ける保護材16は、
従来の様に厚く形成する必要はなく、場合によっては、
保護材16は不要とすることができるので、生産性も向
上させることができる。
【0031】又、端子部17,18の断面を正多角形状
或いは円形状とすることで、端子部17,18における
どの側面を実装面としても良いので実装性が飛躍的に向
上する。更に、スパイラル状の素子形成膜12の軸方向
は基台13の端面と交差する。
【0032】以上の様に構成されたチップアンテナにつ
いて、以下各部の詳細な説明をする。
【0033】まず、基台11の形状について説明する。
【0034】基台11は角柱状もしくは円柱状とするこ
とが好ましく、図1,2に示す様に基台11を角柱状と
することによって、実装性を向上させることができ、素
子の転がり等を防止できる等の効果を有する。また、基
台11を角柱状とする中でも特に四角柱状とすることが
非常に実装性や、素子の回路基板上での位置決めを容易
にする。更に、基台11を角柱状とすることによって構
造が非常に簡単になるので、生産性がよく、しかもコス
ト面が非常に有利になる。
【0035】また、基台11の形状を円柱状とすること
によって、後述するように基台11上に素子形成膜12
を形成し、その素子形成膜12にレーザ加工等によって
溝13を形成する場合、その溝13の深さなどを精度よ
く形成することができ、特性のばらつきを抑えることが
できる。
【0036】また、基台11の両端部を除いて、全周に
渡り段差部11zが形成されており、素子部Sはこの段
差部11z中に設けられている。この段差部11zを設
けることで、素子部Sが直接回路基板等と接触して特性
の変化が生じたりするなどの不具合の発生を防止でき
る。なお、回路基板などに工夫が施されたり、或いは、
他の手段にて、素子部Sと回路基板等との接触の危険性
が非常に少ない場合等には、特に段差部11zを設ける
必要はない(図3参照)。なお、段差部11zを基台1
1に設けなくても良い場合には、基台11が非常にシン
プルな構成となり、生産性が良くなり、しかも精度など
を向上させることができる。
【0037】また基台11の両端部の断面の形状は、上
述の通り、円形または多角形状とすることが好ましく、
しかも多角形状とする場合には、特に正多角形状とする
ことによって、どの方向に実装しても、特性の変化があ
まりないので好ましい。更に、段差部11zにおける断
面も、同様に、円形または多角形状とすることが好まし
く、しかも多角形状とする場合には、特に正多角形状と
することが好ましい。なお、段差部11zの断面形状と
両端部の断面形状の断面形状は異なった形でも良いし、
同一形状としても良い。
【0038】基台11の構成材料としては、絶縁材料、
抵抗材料、誘電体材料等を用いることができる。また、
基台11の構成材料として、フェライト等の磁性材料で
構成してもよい。
【0039】なお、本実施の形態では、素子形成膜12
と基台11の接合強度を基台11の表面粗さを調整する
ことによって、向上させたが、例えば、基台11と素子
形成膜12の間に炭素単体、炭素に他の元素を添加した
もの、Cr単体またはCrと他の金属の合金(例えばN
i−Cr等)の少なくとも一方で構成された中間層を設
けることによって、表面粗さを調整せずとも素子形成膜
12と基台11の密着強度を向上させることができる。
【0040】次に素子形成膜12について説明する。
【0041】以下具体的に素子形成膜12について説明
する。
【0042】素子形成膜12の構成材料としては、例え
ば所望する電子部品がチップ抵抗器であれば、素子形成
膜12は、炭素などの抵抗材料で構成され、所望する電
子部品がチップインダクタ,チップコンデンサ,チップ
アンテナ等であれば、銅や銅合金,錫,錫合金などの導
電材料が好適に用いられる。
【0043】素子形成膜12は、その構成材料によって
製法も異なるが、例えば、鍍金法、蒸着法やスパッタ法
などの真空薄膜形成技術等によって、素子形成膜12を
直接基台11上に形成しても良い。
【0044】更に他の方法としては、基台11上にカー
ボン膜をカーボン焼成法や真空薄膜形成技術によって形
成した後に、そのカーボン膜の上に素子形成膜12を形
成しても良い。特に下地膜としてカーボンを用いること
で、素子形成膜12と基台11との密着強度などを向上
させることができ、素子形成膜12等の剥がれを防止で
きる。
【0045】なお、素子形成膜12の膜厚としては、1
〜50μm(好ましくは2μm〜20μm)とすること
が良く、素子形成膜12の膜厚が1μmより小さいと、
高周波電流が流れるのに必要な表皮深さを十分に確保で
きなくなったり、DCRが高くなり特性が悪くなり、5
0μmより大きいと表皮深さは、十分に確保できるが生
産性が悪くなるばかりか、ヒートショックなどの耐環境
性能の劣化を招く。
【0046】素子部Sについて各チップ部品における構
成について説明する。
【0047】まず、チップ抵抗器の場合を説明する。
【0048】この場合には、素子形成膜12を好ましく
は抵抗材料で構成し、図2,図3に示す様に溝13を基
台11の全側面に渡ってスパイラル状に設けることで、
巻軸が基台11の端面と交差するようなスパイラル状の
素子形成膜12を形成し、素子部Sとする。この様に構
成することで、例えば、スパイラル状の素子形成膜12
の幅や形成長さ等を調整することで、チップ抵抗器の抵
抗値を調整できる。また、溝13を設けなくても、所定
の抵抗値を得ることができるのであれば、特に溝13を
設ける必要はない。更に、素子形成膜12に円形状の孔
を設け、その孔の数を調整することで抵抗値を調整して
も良い。
【0049】次にチップインダクタについて説明する。
【0050】この場合には、素子形成膜12を銅或いは
銅合金等の導電材料で構成し、図2,図3に示す様に溝
13を基台11の全側面に渡ってスパイラル状に設ける
ことで、巻軸が基台11の端面と交差するようなスパイ
ラル状の素子形成膜12を形成し、素子部Sとする。こ
の様に構成することで、例えば、スパイラル状の素子形
成膜12の幅や形成長さ等を調整することで、チップイ
ンダクタのインダクタンス値等を調整することができ
る。
【0051】次にチップアンテナについて説明する。
【0052】この場合には、素子形成膜12を銅或いは
銅合金等の導電材料で構成し、図2,図3に示す様に溝
13を基台11の全側面に渡ってスパイラル状に設ける
ことで、巻軸が基台11の端面と交差するようなスパイ
ラル状の素子形成膜12を形成し、素子部Sとする。こ
の様に構成することで、例えば、スパイラル状の素子形
成膜12の幅や形成長さ等を調整することで、チップア
ンテナの周波数特性等を調整することができる。また、
端子部17,18の一方を給電部として回路基板上に実
装される。
【0053】次に、チップコンデンサについて説明す
る。
【0054】この場合には、素子形成膜12を銅或いは
銅合金等の導電材料で構成し、図4に示す様に、環状で
連続した溝13を素子形成膜12に設けることで、端子
部17側と端子部18側の素子形成膜12を電気的に分
離させて素子部Sとする。この様に構成することで、分
離された素子形成膜12間で容量を得ることができ、そ
の溝13の幅や深さを調整することで、容量調整を行う
ことができる。
【0055】保護膜15及びバリア層14について説明
する。
【0056】保護膜15としては、耐候性に優れ、しか
もクリーム半田などの接合材と相性の良い(濡れ性が良
い)金属材料が用いられ、保護膜15の具体的材料とし
ては、耐候性の面から見ると、金あるいは金合金が最も
好ましい。保護膜15は、好ましくは溶液を用いた鍍金
法や、スパッタリング法、蒸着法などによって形成され
る。また、素子形成膜12と保護膜15との間で、熱処
理などで拡散が生じやすい(保護膜15が素子形成膜1
2に喰われやすい)材料の組み合わせの場合には、バリ
ア層14を素子形成膜12と保護膜15の間に設けるこ
とが好ましい。このバリア層14は例えば、保護膜15
が拡散し難い材料で構成される。具体的に説明すると、
例えば、素子形成膜12を銅或いは銅合金で構成し、保
護膜15を金或いは金合金で構成した場合には、保護膜
15は素子形成膜12へ拡散して生きやすく、保護膜1
5の膜厚をかなり厚くしなければならないが、この時
に、バリア層をNi単体、Cr単体、Ti単体、Sn単
体、Ag単体、Ni合金、Cr合金、Ti合金、Sn合
金、Ag合金の少なくとも一つの材料で構成された金属
膜(実質的には鉛を含まない金属膜)を用いることで、
保護膜15の拡散を防止でき、保護膜15の膜厚を薄く
形成でき、生産性を向上させることができる。また、保
護膜15と素子形成膜12との間で、拡散等が生じない
材料の組み合わせの場合には、特にバリア層14は必要
ない。
【0057】バリア層14と保護膜15の形成形態とし
ては、図2,3,4に示すような第1のグループと、図
5(a),(b)に示す第2のグループが考えられる。
すなわち、第1のグループに示すように、素子形成膜1
2全周をほぼ確実にバリア層14及び保護膜15で覆っ
てしまう構成によって、確実に素子形成膜12の保護を
行うことができる。また、第2のグループは図5に示す
ように、素子形成膜12の外表面のみをバリア層14及
び保護膜15で覆ってしまう構成であり、この構成は、
スパイラル状の素子形成膜12の溝13の側面を構成す
る部分に素子形成膜12がむき出しになることで、第1
のグループよりも耐食性が無いように思えるが、素子形
成膜12の露出面積としては、溝13に面している膜厚
に相当する部分であり、最も露出面積の大きな、外表面
は保護膜15で覆う構成となっているので、第1のグル
ープよりは、多少耐候性が悪いが、実用的には、十分使
用可能である。
【0058】第1のグループの構造としては、まず、基
台11上に素子形成膜12を一部或いは全面に形成し、
その後にスパイラル状の素子形成膜12の巻軸が基台1
1の長手方向に沿うように形成し、その後に上述の鍍金
法などによって、バリア層14及び保護膜15を形成す
ることで、ほぼ完全に素子形成膜12を保護材16で覆
う構成となる。
【0059】また、第2のグループの構成としては、ま
ず、基台11上に素子形成膜12を一部或いは全面に形
成し、その上にバリア層14保護膜15を形成し、その
後に溝13を例えばスパイラル状(残ったスパイラル状
の素子形成膜12及びバリア層14,保護膜15の巻軸
が基台11の長手方向に沿うように)に形成すること
で、素子形成膜12の外表面を保護材16で覆う構成と
なる。
【0060】また、バリア層14と保護膜15の膜厚と
しては、それぞれ0.05μm〜7μm(好ましくは
0.1μm〜5μm)程度が好ましく、0.05μmよ
り膜厚が薄いと十分に耐候性が得られないという不具合
が生じ、7μmより厚いと、スパイラル状の素子形成膜
12間で短絡が発生してしまう可能性があったり、それ
ほど耐候性の向上が見られず、コストだけが向上すると
いう不具合が生じる。
【0061】次に端子部17,18について説明する。
【0062】端子部17,18の最表面には、素子部S
の表面に設けられた保護膜15が連続しての伸びて来て
いるので、鉛フリーの電子部品を得ることができる。特
に保護膜15が金或いは金合金等の接合材と濡れ性の良
い場合には、半田などの接合層を端子部17,18に設
ける必要はない。
【0063】また、少なくとも、端子部17,18の全
側面に保護膜15を設けることによって、実装の際の方
向性を無くすことができる。すなわち、端子部17,1
8のそれぞれの対向する端面には保護膜15や素子形成
膜12等は設けても設けなくても良い。
【0064】次に保護材16について説明する。
【0065】保護材16は、必要に応じて設けられる。
すなわち、耐候性については、保護膜15が設けられて
いるので、十分であるので、使用などによっては保護材
16は設けなくても良い。
【0066】また、時には素子部Sと回路基板などとの
絶縁性を確保する等の目的で、薄い保護材16を設けて
も良い。上述の通り、素子部S上には保護材15が設け
られているので、耐候性には問題はないので、従来の様
に、均一でしかも厚さの厚い保護材16を設けなくても
良いので、生産性が向上する。
【0067】更に、保護材16を設けることで、保護材
16から露出した部分を端子部17,18とすることが
でき、端子部17,18を明確にすることができるの
で、実装の際に精度を向上させることができる。なお、
特に、チップアンテナの場合、端子部17,18のいず
れかを給電部としなければならないので、この様に、保
護材16を設けることで、給電部となる位置(端子部1
7,18と素子部Sとの距離)を統一しておくことで、
実装の際に特性のバラツキの小さなチップアンテナを得
ることができる。
【0068】保護材16としては、エポキシ樹脂などを
塗布する方法や、カチオン塗料などを電着法で形成する
方法、すなわち、保護膜15の上に電着樹脂膜を形成す
る方法などが好適に用いられる。
【0069】以上の様に構成された電子部品について、
以下その製造方法について説明する。
【0070】まず、アルミナ等の絶縁材料をプレス成形
や押し出し法によって、基台11を作製する。次にその
基台11全体(或いは端面を除く全側面)にメッキ法や
スパッタリング法などによって素子形成膜12もしく
は、溝13等を形成して、素子部Sを基台11の側面上
に形成する。チップ抵抗器,チップインダクタ,チップ
アンテナの場合には好ましくはスパイラル状の素子形成
膜12が設けられた素子部Sであり、チップコンデンサ
の場合には、環状で左右の素子形成膜12を分離するよ
うに設けた素子部Sである。フォトレジストなどを用い
ずに、素子形成膜12に溝13を形成する場合には、レ
ーザー加工や砥石による切削加工が好適に用いられる。
【0071】次に、鍍金法などによって、素子部Sと端
子部17,18に連続して保護膜15を形成する。この
時、素子形成膜12と保護膜15との間で、喰われ等が
発生する場合には、まず、素子形成膜12の上に鍍金法
などでバリア層14を形成した後、保護膜15を形成す
る。
【0072】次に、電子部品の仕様等によって、保護材
16を両端を避けて、或いは素子部Sを覆うようにして
設ける。
【0073】以上の様に、保護膜15を耐候性の高くし
かも接合材との濡れ性が良い材料で構成することで、素
子部Sの耐候性を増すことができ、しかも端子部17,
18の最表層に鉛を実質的に含まず、しかも接合材との
密着性が良くなるので、生産性が向上し、しかも環境に
優しい電子部品を提供できる。
【0074】
【発明の効果】本発明は、基台の上に設けられた素子形
成膜と、素子形成膜の第1の部分に溝等を形成して設け
られた素子部と、素子形成膜上に設けられ耐候性が高く
しかも接合材との濡れ性の高い材料で構成された保護膜
とを備え、素子形成膜の第1の部分とは異なる第2の部
分を端子部とするとともに、端子部の表面にも保護膜を
設けたことで、保護膜を素子部及び端子部上に設けたこ
とで、素子部の保護を行うことができ、しかも端子部に
は実質的に鉛を含まない様に構成できる。保護膜にて素
子部の保護を行うことで、樹脂製保護材を全く設けなく
て良いか或いは非常に薄く形成できるので、製造工程が
簡略化でき、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における電子部品を示す
斜視図
【図2】本発明の一実施の形態における電子部品を示す
側断面図
【図3】本発明の一実施の形態における電子部品を示す
側断面図
【図4】本発明の一実施の形態における電子部品を示す
側断面図
【図5】本発明の一実施の形態における電子部品を示す
部分拡大図
【図6】従来の電子部品を示す斜視図
【符号の説明】
11 基台 11z 段差部 12 素子形成膜 13 溝 14 バリア層 15 保護膜 16 保護材 17,18 端子部 S 素子部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 勝美 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 岩切 義昭 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E028 BB01 CA01 JC11 5E032 BA03 BB01 CA01 TA11 TB02 5E070 AA01 AB04 CC04 5J046 AA06 AA14 AB13 QA02

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基台と、前記基台の上に設けられた素子形
    成膜と、前記素子形成膜の第1の部分に溝等を形成して
    設けられた素子部と、前記素子形成膜上に設けられ耐候
    性が高くしかも接合材との濡れ性の高い材料で構成され
    た保護膜とを備え、前記素子形成膜の第1の部分とは異
    なる第2の部分を端子部とするとともに、前記端子部の
    表面にも前記保護膜が設けられたことを特徴とする電子
    部品。
  2. 【請求項2】保護膜と素子形成膜との間に前記保護膜が
    拡散しにくい材料で構成されたバリア層を設けたことを
    特徴とする請求項1記載の電子部品。
  3. 【請求項3】素子部を覆うように樹脂製保護材を設けた
    ことを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  4. 【請求項4】保護膜を金或いは金合金で構成したことを
    特徴とする請求項1記載の電子部品。
  5. 【請求項5】バリア層をNi単体、Cr単体、Ti単
    体、Sn単体、Ag単体、Ni合金、Cr合金、Ti合
    金、Sn合金、Ag合金少なくとも一つの材料で構成さ
    れた金属膜で構成したことを特徴とする請求項2記載の
    電子部品。
  6. 【請求項6】基台に全周に渡って段差部を設け、前記段
    差部中に素子部を設けたことを特徴とする請求項1記載
    の電子部品。
  7. 【請求項7】端子部の断面を円形状もしくは略正多角形
    状としたことを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  8. 【請求項8】基台の両端部上に形成された素子形成膜及
    び保護膜を一対の端子部とし、前記一対の端子部の間に
    素子部を設けたことを特徴とする請求項1記載の電子部
    品。
  9. 【請求項9】素子形成膜を導電材料で構成し、しかも前
    記素子形成膜にスパイラル状の溝を形成することで、軸
    心が基台の長手方向に沿うようにスパイラル状の素子形
    成膜を設けて所定のインダクタンスを形成したことを特
    徴とする請求項1記載の電子部品。
  10. 【請求項10】素子形成膜を抵抗材料で構成し、しかも
    前記素子形成膜にスパイラル状の溝を形成することで、
    軸心が基台の長手方向に沿うようにスパイラル状の素子
    形成膜を設けて所定の抵抗値を得ることを特徴とする請
    求項1記載の電子部品。
  11. 【請求項11】素子形成膜を導電材料で構成し、しかも
    前記素子形成膜に環状溝を形成することで、前記素子形
    成膜を分割し、前記分割された素子形成膜間で容量を形
    成することを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  12. 【請求項12】素子形成膜を導電材料で構成し、しかも
    前記素子形成膜にスパイラル状の溝を形成することで、
    軸心が基台の長手方向に沿うようにスパイラル状の素子
    形成膜を設け、端子部を給電部としてアンテナ特性を得
    ることを特徴とする請求項1記載の電子部品。
  13. 【請求項13】柱状の基台の少なくとも全側面に素子形
    成膜を形成し、前記素子形成膜の一部分に溝加工などを
    施して素子部を形成し、前記素子形成膜の全表面に耐候
    性が高くしかも接合材との濡れ性の高い材料で構成され
    た保護膜を形成したことを特徴とする電子部品の製造方
    法。
  14. 【請求項14】柱状の基台の少なくとも全側面に素子形
    成膜を形成し、前記素子形成膜の一部分に溝加工などを
    施して素子部を形成し、前記素子形成膜の全表面にバリ
    ア層を形成し、前記バリア層の上に耐候性が高くしかも
    接合材との濡れ性の高い材料で構成された保護膜を形成
    したことを特徴とする電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】保護膜を鍍金法で構成したことを特徴と
    する請求項13,14いずれか1記載の電子部品の製造
    方法。
  16. 【請求項16】保護材は金或いは金合金で構成したこと
    を特徴とする請求項13,14いずれか1記載の電子部
    品の製造方法。
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