JP2000182873A - チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ - Google Patents

チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ

Info

Publication number
JP2000182873A
JP2000182873A JP10358849A JP35884998A JP2000182873A JP 2000182873 A JP2000182873 A JP 2000182873A JP 10358849 A JP10358849 A JP 10358849A JP 35884998 A JP35884998 A JP 35884998A JP 2000182873 A JP2000182873 A JP 2000182873A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
forming
conductive
insulating layer
conductor pattern
chip inductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP10358849A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Sato
真一 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by TDK Corp filed Critical TDK Corp
Priority to JP10358849A priority Critical patent/JP2000182873A/ja
Publication of JP2000182873A publication Critical patent/JP2000182873A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 広範囲の基板材料を採用することができ、端
部電極の取付け強度が高く、加工作業性およびコストに
優れたチップインダクタの提供。 【解決手段】 チップインダクタの製造において、絶縁
基板(1)表面に形成された端部電極である外部電極
(2)および引出し電極(3)、ならびに、前記端部電
極上のコンタクト領域(5)以外の基板表面全面に設け
た絶縁層(4)上に導電性極薄膜(6)を形成し、そし
て前記極薄膜上の導体パターン部位にレジスト(7)を
形成し、前記レジストに覆われていない前記極薄膜を除
去した後に前記レジストを剥離し、前記極薄膜からなる
導体パターン部位以外の領域に層間絶縁層(8)を形成
し、そして前記導体パターン上に電解メッキ法により導
体層(9)を形成して、層間絶縁層(8)に囲まれた導
体パターンを設ける。素子形成前に端部電極を形成する
のでその取付け強度が高くなり、真空メッキ法を採用し
ないので、加工作業性が向上し加工コストが抑制される
と同時に、広範囲の基板材料が使用可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の電子
機器に使用されるチップインダクタおよびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話等の電子機器の小型化、
高集積化および高周波化に伴い、小型で表面実装可能な
チップ型のインダクタンス素子、即ちチップインダクタ
に対する需要が急増している。
【0003】そのようなチップインダクタとしては、基
板上に別体としての巻線をマウントして全体を樹脂外装
して製造されるモールドタイプのチップインダクタ、フ
ェライトまたはセラミックのグリーンシートまたはペー
ストを利用して導電体と絶縁体とを交互に積層印刷した
後に焼成して製造される積層タイプのチップインダク
タ、ならびに絶縁基板上に例えば螺旋状の導電体パター
ン(螺旋状導体パターン)を形成して製造される平面タ
イプのチップインダクタ等が挙げられるが、現時点で
は、小型化、集積化および狭公差特性等の観点から有利
な平面タイプのチップインダクタが主流となっている。
【0004】従来、平面チップインダクタの製造におい
て、螺旋状導体パターンは、その外周端に接続する端子
電極(外部電極)と共に、導体ペーストを塗布して焼き
付ける厚膜法や蒸着およびスパッタリング等の真空メッ
キ法等を用いて基板上に成膜した後、主としてウエット
エッチングによりエッチングしてパターン形成し、その
後、前記導体パターンの内周端を、前記導体パターン上
に設けた例えば空隙、絶縁ペーストまたは絶縁樹脂等か
らなる絶縁層を貫通する孔を介して導体パターン形成面
側で、あるいは基板を貫通する孔を介して導体パターン
形成面の裏面側で外周端とは異なる端子電極に接続して
引出し電極を形成することが一般的である(例えば、特
開平第9−129471号、特開平第9−191167
号および特開平第9−199365号参照)。
【0005】そして、例えばVカットマシン(スリッ
タ)により断面V形の溝を形成して分割するか、ダイシ
ングソーでダイシングすることによってチップ化し、そ
の後、チップの両端面に、チップ内部に形成された電極
と接続するように端面電極を形成して外部電極を完成さ
せている。
【0006】このとき、導体パターンの膜厚を厚くし
て、導体パターンの導体抵抗を抑え、Q特性を向上させ
ることが望ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような従来のチップインダクタの製造方法には次のよう
な問題点がある。即ち、従来の製造方法においては、イ
ンダクタンス取得範囲やQ特性等の向上を図り螺旋状導
体ペーストの膜厚を厚くすると、成膜後のエッチング時
間が長くなるために、特にウエットエッチングにおいて
は、図7に示すように、目的とする深さ方向だけでなく
側面方向も腐食されてサイドエッチングが生じて導体パ
ターンの寸法精度が低下し、それによりインダクタンス
特性のバラツキが大きくなってしまう。これを避けるた
めに、予め基板に導体パターンと同一パターンの凹部を
設けて膜厚をかせぐことも提案されている(特許開平第
9−129471号参照)が、基板の加工は製品強度お
よび加工コストの点で問題がある。
【0008】さらに、従来法による導体パターンの成膜
に汎用される蒸着やスパッタリング等の真空メッキ法
は、基板等の部材に強い熱ストレスを与えるので、エッ
チング時の耐腐食性と同時に耐熱ストレス性をも考慮し
て使用材料を選択する必要があり、真空メッキ法を採用
する従来の製造方法においては、使用可能な基板材料が
限られるという問題がある。
【0009】また、従来のチップインダクタの製造方法
においては、外部電極、特に螺旋状導体パターンを有す
るインダクタの引出し電極を素子作製の前後に真空メッ
キ法等を用いて形成することが多く、基板が何度も強い
熱ストレスに晒されると同時に、素子に影響しない温度
で端子接続を行うために外部電極の強度の向上にも限界
があるという問題もある。
【0010】そして、チップ化工程においても、素子作
製後にスリッタにより溝を形成して分割したり、ダイシ
ングソーでダイシングしてチップ化しており、予めスナ
ップの入った基板を用いたチョコレートブレーク法によ
るチップ化よりも作業性および加工コストの点で不利で
はあるが、従来の製造方法では真空メッキ法を汎用して
いるために耐ストレス性の比較的弱いスナップ入り基板
を採用してチョコレートブレーク法によるチップ化を図
ることが難しいという問題もあった。
【0011】本発明は、上記課題を鑑みてなされたもの
であり、従来よりも広範囲の基板材料を採用することが
でき、外部電極の取付け強度が高く、加工作業性および
加工コストに優れたチップインダクタおよびその製造方
法の提供を目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のチップインダクタの製造方法は、端部電極
を有する絶縁基板上に絶縁層を形成する工程、前記絶縁
層上に導電性極薄膜を形成する工程、前記導電性極薄膜
上の導体パターン形成領域にレジストを形成する工程、
前記レジスト形成領域以外の前記導電性極薄膜を除去す
る工程、前記レジストを剥離する工程、前記導電性極薄
膜からなる導体パターン形成領域以外の領域に層間絶縁
層を形成する工程、および前記層間絶縁層に囲まれた導
体パターン形成領域上に電解メッキ法により導体層を形
成する工程を少なくとも含むことを特徴とする。このよ
うな構成により、本発明のチップインダクタの製造方法
は、サイドエッチングを最小限に抑えるので、高アスペ
クト比の導体パターンを有する高周波特性に優れたチッ
プインダクタを提供し得る。
【0013】好ましくは、請求項1において、真空メッ
キ工程を含まないことを特徴とする。このような構成に
より、使用基板の選択範囲が広がると共に、製造コスト
の低減化を図ることができる。
【0014】また、好ましくは、請求項1および2にお
いて、前記端部電極が外部電極および引出し電極であ
り、且つ前記絶縁層を形成する工程が前記端部電極上の
コンタクト領域以外の基板上側表面全面に前記絶縁層を
形成する工程であり、前記外部電極および前記引出し電
極を前記基板表面に導体ペーストを印刷、乾燥および焼
成して同時に形成する工程をさらに含むことを特徴とす
る。このような構成により、外部電極の取付け強度が高
いチップインダクタを提供し得る。
【0015】また、好ましくは、請求項1〜3におい
て、前記絶縁基板がスナップ入絶縁基板であり、前記導
体パターンは前記スナップ入絶縁基板のスナップパター
ン毎に互いに独立して形成され、前記導体パターン形成
後に前記スナップ入絶縁基板のスナップを用いたチョコ
レートブレーク法によりチップ化する工程をさらに含む
ことを特徴とする。このような構成により、従来よりも
作業性よく、安価にチップインダクタを製造し得る。
【0016】さらに、上記課題を解決するために、本発
明のチップインダクタは、請求項1〜4に記載のチップ
インダクタの製造方法により製造されたことを特徴とす
る。このような構成により、本発明のチップインダクタ
は、高アスペクト比の導体パターンを有し、高周波特性
に優れたチップインダクタとなる。
【0017】さらに、上記課題を解決するために、本発
明のチップインダクタは、1〜10の範囲のアスペクト
比を有する導体パターンを有することを特徴とする。こ
のような構成により、本発明のチップインダクタは、優
れた高周波特性を有する。
【0018】好ましくは、請求項6において、前記導体
パターンが導電性極薄膜と導体層とからなることを特徴
とする。このような構成により、導体パターンを容易に
高アスペクト比とすることができる。
【0019】また、好ましくは、請求項6および7にお
いて、少なくとも前記導体パターンと同じ厚みである層
間絶縁層と、前記導体パターンと前記層間絶縁層を被覆
する保護層とをさらに有することを特徴とする。このよ
うな構成により、導体パターンを容易且つ安価に高アス
ペクト比とすることができる。
【0020】また、好ましくは、請求項6〜8におい
て、前記導体パターンが螺旋状導体パターンであり、さ
らに、直接基板上に外部電極および引出し電極が形成さ
れていることを特徴とする。このような構成により、外
部電極の取付け強度の向上を図ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明のチップインダク
タを、1つの実施の形態を例示して図面を参照しながら
より詳細に説明する。
【0022】図1〜図5は、本発明によるチップインダ
クタの1実施形態の製造工程を模式的に示す図である。
なお、図2(a)〜図5(k)は、スナップ入基板のス
ナップパターンにより形成されるチップの1つを拡大し
て表した部分拡大図であり、それぞれ上側の図は上面
図、下側の図は図2(a)上側の図に示した線分I−I
における断面図である。
【0023】まず、本発明のチップインダクタの製造に
あたっては、図1に示すように、市販または自作のスナ
ップ入絶縁基板1を採用することが望ましい。勿論、ス
ナップを設けていない絶縁基板を用いても本発明は実施
し得るが、スナップ入絶縁基板1を用いることで、真空
メッキ法を採用しないので広範囲の基板材料を使用し得
るという本発明の利点が顕著に発揮される。本発明に用
いるスナップ入り絶縁基板1としては、特に制限される
こと無く、誘電率、強度およびコスト等を勘案して慣用
の絶縁基板の中から自由に選択し得るが、例えばマセラ
イトのようなセラミック基板またはアルミナ基板等を好
適に使用することができる。また、絶縁基板1に設ける
スナップ1−Aは、基板の上下面双方またはどちらか一
方のみに設けることも、あるいは両面に貫通して設ける
こともできる。
【0024】図2(a)は、前記スナップ入絶縁基板1
の上側および下側表面に導体ペーストを印刷、乾燥およ
び焼成して外部電極2および引出し電極3を形成した状
態を示している。外部電極2および引出し電極3の形成
は、銅または銀等の導電性金属からなる導体ペーストを
前記基板1に印刷した後、約400〜900℃程度の比
較的高い温度で焼成するので、従来難しかったチップイ
ンダクタ端子電極の取付強度の向上を図ることができ
る。
【0025】図2(b)は、図2(a)の前記絶縁基板
1の上側表面全面に絶縁層4を印刷した後にフォトリソ
グラフィまたはレーザ等によりコンタクト5を形成した
状態を示している。このとき、絶縁層4を構成する絶縁
材料としては、低誘電率で絶縁性を確保し得るものであ
れば特に制限は無いが、例えば、有機材料としてはポリ
イミド樹脂やエポキシ樹脂のような樹脂組成物を、ある
いは無機材料としてはガラスペースト等を、それぞれ例
示することができる。
【0026】図2(c)は、図2(b)の前記絶縁層4
上に、銅等の導電性金属を無電解メッキ等の手法により
塗布して下地電極である導電性極薄膜6を形成した状態
を示している。導電性極薄膜6の厚みは、通常は0.0
5〜3.0μm程度、好ましくは0.1〜1.0μm程
度とすることができる。しかし、所望によっては、この
導電性極薄膜6を設けずに、前記絶縁層4上に後述の層
間絶縁層8を直接設けて螺旋状パターンを形成し、その
パターン領域の前記絶縁層4上に後述の導体層9を無電
解メッキ法により形成させることも可能である。
【0027】図3(d)は、図2(c)の前記導電性極
薄膜6上の螺旋状パターン部位をマスクしてフォトリソ
グラフィやレーザ等によりレジスト7を形成した状態を
示している。前記レジスト7の材料には、特に制限は無
く、通常用いられるレジスト材料の中から自由に選択す
ることができる。
【0028】図3(e)は、図3(d)の前記レジスト
7に覆われた螺旋状パターン部位の他の領域で露出した
導電性極薄膜6をエッチング等によって除去した状態を
示している。
【0029】図3(f)は、慣用の手法に従い前記スナ
ップ入絶縁基板1を剥離液に浸漬して前記レジスト7を
溶解して剥離した状態を示している。
【0030】図4(g)は、前記導電性極薄膜6からな
る螺旋状パターン部位および/または外部電極2と引き
出し電極3のスナップ隣接部位を除く領域をマスクして
フォトリソグラフィやレーザ等により層間絶縁層8を形
成した状態を示している。前記層間絶縁層8の材料に
は、特に制限は無く、通常用いられる絶縁材料、例えば
ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂またはガラスペースト等
の中から自由に選択することができる。この層間絶縁層
8の厚みは、少なくとも最終的に形成される螺旋状導体
パターンの厚み以上であり、好ましくは螺旋状導体パタ
ーンの厚みと同じ厚みである。
【0031】図4(h)は、図4(g)の前記層間絶縁
層8に囲まれた螺旋状パターン部位に銅のような導電性
金属を電解メッキ等の手法により塗布して導体層9を形
成した状態を示している。この導体層9の材料は、導電
性材料であれば特に制限されるものではないが通常は銅
や銀等の導電性金属であり、そして前記導電性極薄膜6
や前記電極2、3と同じで材料あることも、あるいは互
いに相異なる材料であることもできる。このとき形成さ
れる導体パターン、即ち導電性極薄膜6と導体層9から
なる螺旋状導体パターンは、アスペクト比が高いほど電
気特性に優れるが、コスト等も勘案して、通常は1〜1
0の範囲、好ましくは1.5〜3の範囲のアスペクト比
である。
【0032】図4(i)は、前記絶縁性基板1上側表面
上の成膜を全て包み込む保護層10を形成した状態を示
している。この保護層10の材料としては、低誘電率で
絶縁性を確保し得るものであれば特に制限は無いが、例
えば、有機材料としてはポリイミド樹脂やエポキシ樹脂
のような樹脂組成物を、あるいは無機材料としてはガラ
スペースト等を、それぞれ例示することができる。
【0033】図5(j)は、前記スナップ入絶縁基板1
のスナップ1−Aを利用して絶縁基板1をスティック状
に分割した後、分割により生じた基板1側面に、転写
法、浸漬法または印刷法等の手法を用いて、それぞれチ
ップの対向する端部に設けた前記外部電極2および前記
引出し電極3の側面部を形成した状態を示している。基
板1をスティック状に分割するに際しては、図6に示す
ように、基板1に格子状に設けたスナップ1−Aの、電
極2および3を形成した辺に平行な方向のスナップに沿
って、公知のチョコレートブレーク法により基板1を分
割する。
【0034】図5(k)は、図5(j)のスティック状
の絶縁基板1を、電極2および3を形成した辺に対して
垂直な方向のスナップに沿ってさらに分割してチップ状
として得られたチップインダクタを示している。
【0035】この図5(k)から、本実施の形態では、
外部電極2と引出し電極3を同時に形成しているので、
基板1の上側表面上にこれらの電極2および3が直接形
成された構造となっていることがわかる。また、導電性
極薄膜6の上に導体層9が形成されて一体となって螺旋
状導体パターンを構成している。
【0036】本実施の形態によれば、素子形成前に前記
の2つの電極2および3を同時に形成するので、素子を
損傷することなく、導体ペーストの印刷等の工法により
強固な電極を簡単に製造することができる。そして、電
極2および3の形成に真空メッキ法工程を含まないの
で、成膜膜厚の制限も必要がなく、さらには、加工時間
が短縮する等、生産性が向上し、基板等の材料選択の幅
が広がる。従って、従来採用が難しかったスナップ入り
基板を使用し、チョコレートブレーク工法で簡便かつ安
価にチップ化することができる。
【0037】また、本発明によれば、前記導電性極薄膜
6の除去にウエットエッチング法を採用した場合でも、
エッチング除去すべき導電性極薄膜6の厚みが薄いため
にエッチング時間が従来よりも極めて短時間ですむの
で、図7に示すような激しいサイドエッチングが生じて
マスク11下部の導体パターン12のアスペクト比が低
下し且つ不均一となる恐れが無い。即ち、図8に模式的
に示すように、本発明においては、導電性極薄膜6の上
に所望のパターンでレジスト7を形成し、そのパターン
以外の領域の導電性極薄膜6をエッチング除去した後に
レジスト7を剥離し、次いで導電性極薄膜6を囲む層間
絶縁層8を形成し、その隙間を埋めるように導体層9を
メッキ塗布するので、本発明においては導電性極薄膜6
のみをエッチング除去することとなってエッチング時間
は従来よりも非常に短く、サイドエッチングは全く生じ
ないかあるいは生じたとしても極めて僅かである。その
ために、従来の方法による導体パターンのアスペクト比
はサイドエッチングの影響により精々0.3〜0.5程
度であったにも拘らず、本発明により始めて、1〜10
という高いアスペクト比を均一に有する導体パターンを
得ることが可能となった。
【0038】さらに、本発明のチップインダクタに用い
る絶縁材料の一部または全て、即ち絶縁基板1、絶縁層
4、層間絶縁層8および保護層10の一部または全てと
して、フェライトのような磁性体からなるかまたは磁性
体を含む材料を用いた場合には、本発明のチップインダ
クタの特性は、磁性体を含まない材料のみを用いた場合
と比べて、高周波特性は若干低いものの、取得インダク
タンス範囲が広く、直流抵抗値が低減され得るので、高
周波領域以外の用途、例えば携帯電子機器の電源回路に
使用し得るものとなる、従って、本発明によれば、チッ
プインダクタの製造にあたって、所望の特性に応じた使
用材料を選択して製品設計を行うことにより、非常に広
範な用途に好適なチップインダクタを得ることができ
る。
【0039】ここまで、螺旋状の導体パターンを有する
チップインダクタを例示して本発明を説明してきたが、
本発明のチップインダクタはこれに限られるものでは無
く、全ての平面チップインダクタを包含するものであ
る。
【0040】
【発明の効果】以上に詳述した様に、本発明のチップイ
ンダクタの製造方法およびチップインダクタにおいて
は、ウエットエッチングを行わないか、あるいはウエッ
トエッチングを行う場合でもエッチング除去すべき導体
材料が極薄膜だけであり、従来よりも短時間で済むの
で、サイドエッチングが全く生じないかまたは極めて僅
かしか生じないために、従来よりも高いアスペクト比お
よび寸法精度で導体を形成可能であり、導体が螺旋状導
体であるときには螺旋状導体パターンのラインピッチを
短縮し、最大巻数を増大させることができる。また、イ
ンダクタンス取得範囲の拡大およびQ特性の向上を図る
ことができる。さらに、エッチング除去する導体材料の
分量が少量であるので、生産性および廃棄物による環境
問題の点で有利である。
【0041】上記に加えて、本発明の方法は、真空メッ
キ工程を含まないので、基板等にかかる熱ストレスが少
なくなり基板のソリの発生がなく、真空メッキ工程採用
時にソリの発生を防ぐために必要とされる成膜膜厚の制
限も必要がない。また、真空中での加工がないので、使
用材料のアウトガス性に対する制限が緩和される。さら
に、真空引きや大気化が必要無いので、加工時間が短縮
する等、生産性が向上し、基板等の材料選択の幅が広が
る。
【0042】そして、本発明においては、素子形成前に
端部電極を形成するので、素子を損傷することなく、導
体ペーストの印刷等の工法により強固な電極を簡単に製
造することができる。
【0043】さらに、本発明においては、導体パターン
を成膜する工法として部材にストレスの生じない電解メ
ッキ工法を採用するので、スナップ入り基板を使用し、
チョコレートブレーク工法で簡便かつ安価にチップ化す
ることができる。
【0044】以上の諸利点から、本発明によれば、製品
トータルコストを大幅に低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるチップインダクタの1実施形態に
用いるスナップ入絶縁基板の上面図である。
【図2】本発明によるチップインダクタの1実施形態の
製造工程の一部を模式的に示す図である。
【図3】本発明によるチップインダクタの1実施形態の
製造工程の一部を模式的に示す図である。
【図4】本発明によるチップインダクタの1実施形態の
製造工程の一部を模式的に示す図である。
【図5】本発明によるチップインダクタの1実施形態を
模式的に示す図である。
【図6】本発明によるチップインダクタの1実施形態の
製造工程において素子形成した基板をスティック状に分
割して電極側面を形成した状態を示す図である。
【図7】従来の製造方法により生じるサイドエッチング
を模式的に示す図である。
【図8】本発明のチップインダクタの製造方法における
導体パターン形成工程を説明する図である。
【符号の説明】
1 基板 1−A スナップ 2 外部電極 3 引出し電極 4 絶縁層 5 コンタクト 6 導電性極薄膜 7 レジスト 8 層間絶縁層 9 導体層 10 保護層 11 マスク 12 導体パターン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 端部電極を有する絶縁基板上に絶縁層を
    形成する工程、 前記絶縁層上に導電性極薄膜を形成する工程、 前記導電性極薄膜上の導体パターン形成領域にレジスト
    を形成する工程、 前記レジスト形成領域以外の前記導電性極薄膜を除去す
    る工程、 前記レジストを剥離する工程、 前記導電性極薄膜からなる導体パターン形成領域以外の
    領域に層間絶縁層を形成する工程、および前記層間絶縁
    層に囲まれた導体パターン形成領域上に電解メッキ法に
    より導体層を形成する工程を少なくとも含むことを特徴
    とするチップインダクタの製造方法。
  2. 【請求項2】 真空メッキ工程を含まないことを特徴と
    する請求項1に記載のチップインダクタの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記端部電極が外部電極および引出し電
    極であり、且つ前記絶縁層を形成する工程が前記端部電
    極上のコンタクト領域以外の基板上側表面全面に前記絶
    縁層を形成する工程であり、 前記外部電極および前記引出し電極を前記基板表面に導
    体ペーストを印刷、乾燥および焼成して同時に形成する
    工程をさらに含むことを特徴とする請求項1または2に
    記載のチップインダクタの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記絶縁基板がスナップ入絶縁基板であ
    り、 前記導体パターンは前記スナップ入絶縁基板のスナップ
    パターン毎に互いに独立して形成され、 前記導体パターン形成後に前記スナップ入絶縁基板のス
    ナップを用いたチョコレートブレーク法によりチップ化
    する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか1項に記載のチップインダクタの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載のチップインダクタ
    の製造方法により製造されたことを特徴とするチップイ
    ンダクタ。
  6. 【請求項6】 1〜10の範囲のアスペクト比を有する
    導体パターンを有することを特徴とするチップインダク
    タ。
  7. 【請求項7】 前記導体パターンが導電性極薄膜と導体
    層とからなることを特徴とする請求項6に記載のチップ
    インダクタ。
  8. 【請求項8】 少なくとも前記導体パターンと同じ厚み
    である層間絶縁層と、前記導体パターンと前記層間絶縁
    層を被覆する保護層とをさらに有することを特徴とする
    請求項6または7に記載のチップインダクタ。
  9. 【請求項9】 前記導体パターンが螺旋状導体パターン
    であり、さらに、直接基板上に外部電極および引出し電
    極が形成されていることを特徴とする請求項6〜8のい
    ずれか1項に記載のチップインダクタ。
JP10358849A 1998-12-17 1998-12-17 チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ Withdrawn JP2000182873A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10358849A JP2000182873A (ja) 1998-12-17 1998-12-17 チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10358849A JP2000182873A (ja) 1998-12-17 1998-12-17 チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000182873A true JP2000182873A (ja) 2000-06-30

Family

ID=18461425

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10358849A Withdrawn JP2000182873A (ja) 1998-12-17 1998-12-17 チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000182873A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016103592A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Tdk株式会社 コイル部品およびその製造方法
JP2016103591A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Tdk株式会社 コイル部品およびその製造方法
JP2016103593A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Tdk株式会社 コイル部品およびその製造方法
JP2017034227A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル電子部品及びその製造方法
US10468184B2 (en) 2014-11-28 2019-11-05 Tdk Corporation Coil component having resin walls and method for manufacturing the same

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016103592A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Tdk株式会社 コイル部品およびその製造方法
JP2016103591A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Tdk株式会社 コイル部品およびその製造方法
JP2016103593A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 Tdk株式会社 コイル部品およびその製造方法
US10468184B2 (en) 2014-11-28 2019-11-05 Tdk Corporation Coil component having resin walls and method for manufacturing the same
CN111276316A (zh) * 2014-11-28 2020-06-12 Tdk株式会社 线圈部件及其制造方法
US10998130B2 (en) 2014-11-28 2021-05-04 Tdk Corporation Coil component having resin walls
CN111276316B (zh) * 2014-11-28 2024-04-16 Tdk株式会社 线圈部件及其制造方法
JP2017034227A (ja) * 2015-07-31 2017-02-09 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. コイル電子部品及びその製造方法
US10902988B2 (en) 2015-07-31 2021-01-26 Samsung Electro-Mechanics Co., Ltd. Coil electronic component and method of manufacturing the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100690106B1 (ko) 코일기판과 그 제조방법
JP2615151B2 (ja) チップ型コイル及びその製造方法
US7125744B2 (en) High-frequency module and method for manufacturing the same
EP0982742B1 (en) Module and method of manufacture
KR20010032411A (ko) 개선된 축소형 표면 실장 캐패시터 및 그 제조 방법
JP3000579B2 (ja) チップコイルの製造方法
JP2000182872A (ja) チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ
JP2000182873A (ja) チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ
JPH10116707A (ja) チップ型サーミスタ及びその製造方法
JP2000182871A (ja) チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ
JP2002064016A (ja) 積層インダクタ
JP2000182870A (ja) チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ
JP2000049027A (ja) チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ
JP2003243226A (ja) 巻線型電子部品とその製造方法
JP2000049028A (ja) チップインダクタの製造方法およびチップインダクタ
US7592203B2 (en) Method of manufacturing an electronic protection device
JPH0710913U (ja) チップインダクタ
JPH10214722A (ja) チップ部品
KR20050059055A (ko) 고 주파수 기술로 사용하기 위한 전기 전도성 구조물들을제조하는 방법
KR0167392B1 (ko) 박막형 인덕터 및 그의 제조방법
JP2003037001A (ja) チップ抵抗器およびその製造方法
JPH07297033A (ja) インダクタンス素子及びその製造方法
JP2002222729A (ja) 電子部品とその製造方法
JP3541330B2 (ja) 多連薄膜lcフィルター及びキャパシター値調整方法
KR20060109364A (ko) 수동소자 내장형 인쇄회로기판의 제조방법

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060307