JPH11265410A - 点検待ち車両からの車両引当手段を有する車両共用システムおよび車両引当方法 - Google Patents

点検待ち車両からの車両引当手段を有する車両共用システムおよび車両引当方法

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JPH11265410A
JPH11265410A JP6814098A JP6814098A JPH11265410A JP H11265410 A JPH11265410 A JP H11265410A JP 6814098 A JP6814098 A JP 6814098A JP 6814098 A JP6814098 A JP 6814098A JP H11265410 A JPH11265410 A JP H11265410A
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JP6814098A
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Hiroaki Makino
宏明 牧野
Masaki Saka
正樹 坂
Masaki Suzuki
雅城 鈴木
Yoshikatsu Ukawa
佳克 宇川
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Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両共用システムにおける貸出車両の運用
効率を向上し、利用者の貸出しの際の待ち時間を短縮す
る。 【解決手段】端末装置を用いた自動手続きで車両の貸出
しおよび返却を行う車両共用システムであって、車両情
報を格納する車両テーブルと、利用者からの車両貸出し
の要求に応じて前記車両テーブルから貸出し可能な車両
を検索対象として該利用者の車両引当条件を満足する車
両を検索し、この検索で該当車両が見つからないとき点
検待ち車両を検索して該利用者の該車両引当条件を満足
する車両を抽出する車両検索手段と、を備える車両共用
システムを構成し、点検待ち車両の中から利用者の引当
条件を満足する車両を抽出することにより、優先的に点
検し引き当てるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の貸出し用
車両を複数の利用者が利用するシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】複数の共用車両を複数の利用者が定常的
に利用することができる車両共用システムが、本出願人
により特願平9-058688号「車両共用システム」で提案さ
れた。これは、端末装置を用いた自動手続きで貸出し車
両の貸出しおよび返却を行うことができる車両共用シス
テムにおいて、朝貸し出し車両を駐車場で返却し夕刻車
両を借り出す第1パターンの定期利用者および朝駐車場
で車両を借り出し夕刻返却する第2パターンの定期利用
者を含む複数の利用パターンに利用者を分類し、それぞ
れのパターンの利用者数を最適化し、駐車場の占有スペ
ースを大きくとることなく、貸出し車両の定常的な利用
を計れるようにしている。このシステムは、駐車場、駐
車場に設置されるポート端末装置、会員管理サブシステ
ムなどの機能ユニット、会員マスタテーブルなどのテー
ブルを有し、利用者が車両の貸出しおよび返却を行うに
際して、駐車場の各ポート端末装置を操作することによ
り、必要な情報が各サブシステムを介して各テーブルか
ら抽出され、あるいは各テーブルに格納される。
【0003】さらに、特願平9-058700号「順番登録手段
を有する車両共用システム」のシステムにおいて車両引
当を効率よく行うための車両共用システムが提案され
た。これには、貸出すべき車両が用意できていない場合
には、点検が終了した車両を順次利用者に引き当てる車
両共用システムが記載されている。すなわちこのシステ
ムでは、利用者の車両貸出し要求に対して引当条件を満
足する車両が現在待機中の貸し出し可能車両の中に無い
場合には、返却された車両の点検が終了する都度、引当
条件と比較して引当条件を満足する車両を貸し出してい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特願平9-0586
88号の「車両共用システム」および特願平9-058700号の
「順番登録手段を有する車両共用システム」では、貸出
し車両が無い場合において点検が終了した車両から順次
引当条件を満足する車両を抽出しているので、例えば点
検待ちの複数の車両の3番目に引当条件を満足する車両
がある場合においては、3番目の車両の点検が終了する
まで車両が引き当てられず、利用者はその間待たなけれ
ばならないという問題が生ずる。
【0005】本発明は、上の欠点を除くためのものであ
って、その目的とするところは、利用者の車両貸出しの
引当条件を満足する貸出し可能な車両が無い場合におい
て、点検待ちの車両の中から引当条件を満足する車両を
優先的に点検整備して引き当てることにより、貸出し車
両の運用効率を向上し、かつ利用者の貸出しの際の待ち
時間を短縮することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上の課題を解決するた
め、この発明のシステムは、端末装置を用いた自動手続
きで車両の貸出しおよび返却を行う車両共用システムで
あって、車両情報を格納する車両テーブルと、利用者か
らの車両貸出しの要求に応じて前記車両テーブルから貸
出し可能な車両を検索対象として該利用者の車両引当条
件を満足する車両を検索し、この検索で該当車両が見つ
からないとき点検待ち車両を検索して該利用者の該車両
引当条件を満足する車両を抽出する車両検索手段と、を
備える構成をとる。
【0007】また、上の課題を解決するため、この発明
の方法は、車両情報を格納する車両テーブルを有し、端
末装置を用いた自動手続きで車両の貸出しおよび返却を
行う車両共用システムにおける車両引当方法であって、
利用者からの車両貸出しの要求に応じて前記車両テーブ
ルから貸出し可能車両を検索対象として該利用者の車両
引当条件を満足する車両を検索するステップと、前記検
索のステップによって該当車両が見つからないとき点検
待ち車両を検索して該利用者の該車両引当条件を満足す
る車両を抽出するステップと、を含む。
【0008】
【発明の実施の形態】1. システム概念 この発明の車両共用システムの概念を説明する。なお、
システムの詳細は上に示した特願平9-058688号および特
願平9-058700号に記載されている。
【0009】この発明の車両共用システムにおいては、
複数の車両を複数の登録された利用者がそれぞれの利用
時間帯に応じて車両を共同利用する。図1は、この発明
のシステムの全体的概念を示す。利用者は、朝、住居3
から鉄道などの通勤に利用する交通ターミナル付近の駐
車場1まで貸出し車両を利用し、夕刻駐車場1から住居
3に帰る正パターンの利用者すなわち正利用者と、朝、
交通ターミナル付近の駐車場1から車両を借り出して勤
務先5に向かい、夕刻勤務先5などから交通ターミナル
付近の駐車場1に帰る逆パターンの利用者すなわち逆利
用者とに大きく分けられるが、これに限定される訳では
なく、不定期に一時的に利用する一見利用者もこのシス
テムを利用することができる。逆利用者の代表的なもの
は、その地域の企業で、貸出し車両を従業員の交通ター
ミナルからの交通手段として使用し、昼間は業務用に使
用する利用者である。
【0010】駐車場は、朝夕の通勤時間には利用されて
いない交通ターミナル付近のショッピングセンターなど
の大型の駐車場を利用するのが好ましく、これらの施設
と契約を結ぶことにより朝夕の通勤時間帯に利用するこ
とができるようにし、この発明のシステムのポート端末
を設置する。このシステムでは、これらの駐車場に貸出
し車両が駐車するのは、正パターンの利用者が朝出勤に
車を使用して駐車場のポート端末装置で返却手続きをし
た後、逆パターンの利用者が車を借り出すまでの時間で
ある。
【0011】使用する貸出し車両は、環境への配慮から
電池を動力の少なくとも一部とする電気自動車であるこ
とが好ましいが、これに限定される訳ではなく、通常の
ガソリン自動車であってもよい。電気自動車を使用する
場合には、正利用者の自宅車庫で、割引料金が適用され
る夜間電力を使用して充電器4により電池の充電を行う
ようにすると経済的である。以下の説明においては、貸
出し車両は、電池を動力の少なくとも一部とする電気車
両とする。
【0012】2. システム構成 図2は、この発明のシステムのハードウェア構成を示
す。システムは、複数の駐車場1に設置された複数のポ
ート端末装置2、2’、サーバ21、サーバ22、事務
用端末装置23、24、および保守員用端末装置26、
27を接続するローカルエリア・ネットワークとして構
成される。サーバ21、22は、たとえばWindows NT
(商標)上で走るオラクル(商標)データベース・プロ
グラムを用いて開発されたデータベース・ファイルをデ
ィスク記憶装置に格納している。事務用端末装置23、
24、ポート端末装置2、2’保守員端末装置26、2
7は、それぞれネットワークを介してこのデータベース
にアクセスすることができ、サーバ21に接続されたプ
リンタ25に出力を印刷することができる。ルータ28
は、事業体拠点の構内LANと広域通信ネットワーク2
0に接続される複数のポート端末装置および複数の保守
員端末装置との間の接続を制御する装置である。
【0013】ポート端末装置2、2’、保守員端末装置
26、27、および事務用端末装置23、24は、それ
ぞれがデータベース・システムの端末装置として機能
し、サーバ21、22を介してデータベース・ファイル
にアクセスすることができる。図3は、この発明のリレ
ーショナル・データベース・システム10の構成の一例
を示す。システム10は、会員管理サブシステム30、
会員実績サブシステム50、車両管理サブシステム4
0、車両実績サブシステム60で構成される。
【0014】またシステム10は、会員マスターテーブ
ル31、会員実績テーブル32、車両マスターテーブル
41、車両実績テーブル42をディスク記憶装置の記憶
領域に備えている。これらのテーブルの間にはリレーシ
ョンが設定されており、1つのテーブルのデータを変更
すると、他のテーブルの関連するデータも変更される。
情報をどのようなテーブル構成で記憶装置に格納するか
は、システムの目的にそって設計する事項であり、この
発明は、ここで例示するテーブル構成に限定されるもの
ではない。従って、請求項および本文での「車両テーブ
ル」とは、車両マスターテーブル41および車両実績テ
ーブル42を総称したものであり、どちらのテーブルに
車両情報を格納するかはテーブルの設計の問題である。
【0015】会員マスターテーブル31は、会員単位に
会員の基本情報を保持し、「氏名」、「自宅住所」など
会員の情報その他システムの運用管理に必要な項目のフ
ィールドを有する。「利用パターン(申告)」フィール
ドには、例えば、正利用/10k、逆利用/20k、昼
間/20kなどのように共用車両の利用パターンと予定
される走行距離が格納され、「利用パターン(実績)」
フィールドには会員が実際に利用したパターンと走行距
離が格納される。
【0016】会員実績テーブル32は、会員単位の車両
利用実績の情報を保持する。「総走行距離」フィールド
は、1回の貸出しあたりの走行距離の情報を格納する。
また、過去の一定期間、たとえば1ヶ月間の1回当たり
の貸出し総走行距離の平均値を格納する「平均走行距
離」フィールドを設けることもできる。この場合、「平
均走行距離」フィールドを「総走行距離」フィールドと
返却日の関数とし、現在から1ヶ月以内のレコードの
「総走行距離」フィールドの値の集計をこの期間のレコ
ード数で割って算出し、会員の実績レコードが追加され
る都度、この関数の実行により自動的に更新されるよう
にできる。また、会員実績テーブル32は、一見利用者
が車両を利用した実績の情報を格納することができる。
【0017】車両マスターテーブル41は、車両の基本
情報を保持し、「車両キーNo」、「通算走行距離」、
「残走行距離」その他車両の運用および管理に必要な項
目のフィールドを有する。
【0018】車両実績テーブル42は、車両単位に車両
の利用実績を保持し、「車両状況」フィールドを含む。
「車両状況」フィールドには、車両が”貸出中”、”点
検待ち”、”使用可能”、あるいはその他車両の状況を
区別する情報が格納される。
【0019】データベース・システム10は、1つまた
は複数のテーブルにアクセスして、設定された抽出条件
に従って必要な情報を取り出すクエリー(質問式)と呼
ばれるオブジェクトを有する。また、システム10は、
独自のレイアウトでデータを入力、変更、表示するため
のフォーム・オブジェクトを持っている。フォームはレ
コードを画面上に表示したり、印刷したりするのに使用
される。また、システム10は、独自のレイアウトでデ
ータを印刷するために使うレポート・オブジェクトを持
っており、このオブジェクトは、レコードをグループに
分け、各グループの合計やレコード全体の総計を表示す
るために使われる。クエリーによりテーブルの所定のフ
ィールドから取り出した値に所定の計数を掛けるなどの
算術またはフィールド間の論理演算を実行させてレポー
トに出力することができる。
【0020】会員管理サブシステム30は、データベー
ス・システム10のうち、会員の入会状況の把握、入会
申請書の登録など会員についての基本的データの管理を
行う部分である。
【0021】車両管理サブシステム40は、データベー
ス・システム10のうち、事業体ごとの車両の登録、廃
車などの車両の登録改廃、車両についての点検整備な
ど、貸出し車両についての基本的データの管理を行う部
分である。
【0022】会員実績管理サブシステム50は、データ
ベース・システム10のうち、会員の利用実績情報の記
録および更新、車の引当てを含む貸出し処理、返却処理
など車両共用システムの利用に伴って発生する会員デー
タの管理を行う部分である。また、一見利用者の実績情
報についての管理も行うことができる。
【0023】車両実績管理サブシステム60は、データ
ベース・システム10のうち、車両の充電状況の記録お
よび更新、車両の利用実績情報の記録および更新、充電
量および走行距離の記録など、車両の利用に伴って発生
する車両データの管理を行う部分である。
【0024】管理データへのアクセスは、事務用端末装
置から、メニュー画面で必要な項目を選択し、メニュー
の選択肢に沿って進むか、入力要求に応じてパラメータ
を入力することによって行われるようシステム10が設
定されている。例として、特定の車両のデータをアクセ
スするには、図4のメニュー画面から「車両情報画面」
を選ぶ。車両実績管理サブシステム60は、これに応じ
て予め設定されたクエリーにより車両実績テーブル42
および車両マスターテーブル41から必要なフィールド
のデータを抽出して、予め設定されたフォームに入れ
る。これに応じて図5の「車両情報一覧画面」が表示さ
れる。この画面の表示には、車両実績テーブル42の
「車両状況」フィールドから抽出して表示される「車両
状況」欄も含まれ、車両単位に使用可能か否かを判断す
ることができる。この「車両状況」欄における「点検待
ち」の点検は、始業点検などの日常点検を意味し、車両
が返却された後に次にその車両を貸出すために行われ
る。一方、図5における「点検満了日」欄の点検とは、
車検等の定期点検の期限を示すものであり、上に述べた
日常点検を意味するものではない。なお、この一覧表の
中から、「車両管理NO」をマウスでクリックすること
により、その車両の「車両情報詳細画面」が表示され、
バッテリーの状況などを含めて表示される。
【0025】3. 車両貸出しおよび返却管理 入会申請手続きを終えると、会員固有の識別コードをメ
モリに記録したICカードが発行される。なお、一見利
用者の場合は、利用申請に際してテンポラリのICカー
ドが提供される。ICカードは、半導体メモリを組み込
んだクレジット・カードと同程度の大きさのプラスチッ
ク・カードであり、リード・ライト装置を用いて各種の
情報を書込み、または読み取ることができる。ICカー
ドには会員の識別コード(一見利用者の場合は、例えば
利用申請番号など、利用者を識別するコード)が記録さ
れているほか、後に述べる情報が書き込まれている。
【0026】まず、車両の貸出し管理について説明す
る。ICカードをポート端末装置2(図2)のICカー
ドの挿入口に挿入すると、ICカードから貸出し車両に
関する情報が読み取られて、先ず車両が貸出中であるか
否かが判別される。車両が貸出中でなければ車両の貸出
し手続きをすすめるかどうかのプロンプト、たとえば
「貸出し手続きでよろしいですか」のメッセージと「は
い」、「いいえ」の選択肢がポート端末装置の2表示画
面に表示される。この表示画面はタッチパネルであるこ
とが好ましく、その場合利用者が「はい」に触れると車
両の貸出し手続きが進められ、利用者が「いいえ」に触
れると、これに応じて発生される信号に応答して端末装
置は、操作を終了しICカードを送り出す。
【0027】利用者が「はい」に触れると、これに応じ
て発生される信号に応答して、ポート端末装置2は、表
示画面にテンキーと「パスワードを入力してください」
のメッセージを表示する。図6を参照すると、利用者に
よってパスワードが入力されると、ポート端末装置2
は、このパスワードを会員管理サブシステム30に送
り、サブシステム30は、このパスワードを会員マスタ
ーテーブル31に記録されているパスワードと照合す
る。照合が一致すると、車両実績管理サブシステム60
は、ICカードから読み取られたこの会員の利用パター
ン情報を抽出条件として、車両マスターテーブル41お
よび車両実績テーブル42から、利用パターンに適した
車両を抽出し、貸出しに適した車両が複数あるときは後
述の車両引当てロジックにより1台を選んで、その車両
ナンバーおよびこの車両に付随する情報を予め設定され
たフォームに入れポート端末装置2に送る。この車両引
当に関する処理は、後で詳細に説明する。ポート端末装
置2は、このフォーム・オブジェクトに従って車両ナン
バーをポート端末装置2の表示画面に表示するととも
に、ICカードに書き込む。その際、車両ナンバーに加
えて、車両キー・ナンバー、貸出日、貸出し時刻、貸出
し事業体、貸出しポートなどの貸出し車両に付随する情
報をもICカードに書き込む。ポート端末装置2により
車両の貸し出しが行われると、システム10の会員実績
サブシステム50および車両実績管理サブシステム60
がこれに応答し、これらの情報を会員実績テーブルおよ
び車両実績テーブル42に記録し、この時点で車両実績
テーブル42の「車両状況」フィールドが”使用可能”
から”貸出中”へと更新される。
【0028】利用者は、ポート端末装置2の表示画面に
表示された車両ナンバーを記憶して、その車両の駐車位
置に行き、車を始動させて使用を開始する。あるいは、
ポート端末装置2にテーププリンタを備えておき、車両
ナンバーを印刷して利用者が持つようにしてもよい。こ
のように車両の貸出し手続きは、貸出し事業体の係員の
人手を介することなく、利用者による簡単なポート端末
装置2の操作によって自動的に行われるので、スピーデ
ィな貸出し業務が実現される。
【0029】次に、車両の返却管理について説明する。
車両の返却は、貸出し同様に利用者がポート端末装置2
を操作することによって迅速かつ自動的に行われる。す
なわち、利用者は返却する車両をポート端末装置2のあ
る駐車場1の所定の位置に止め、ICカードを車載リー
ド・ライト装置から抜いてポート端末装置2のICカー
ド・リード・ライト装置に挿入する。車両が返却される
とき、ポート端末装置2がICカードからこれらの情報
を読み取り、関係するテーブルに新しいレコードとして
追加する。これらのデータは、車両の引当て管理、保守
管理などに使用される。
【0030】ポート端末装置2は、ICカードから読み
取られた会員(利用者)情報および車両情報に基づい
て、この利用者が車両の貸出中であることを判断し、表
示画面に「返却手続きでよろしいですね」のメッセージ
を「はい」、「いいえ」のプロンプトと共に表示する。
「はい」が選択されると、ポート端末装置2は、ICカ
ードから読み取った会員(利用者)情報および車両情報
を通信ネットワーク20を介してデータベースシステム
10に転送する。図6を参照すると、システム10の会
員実績管理サブシステム50および車両実績管理サブシ
ステム60がこれに応答し、これらの情報を会員実績テ
ーブル32および車両実績テーブル42に記録する。こ
の処理には、車両実績管理サブシステム60が返却され
た車両ナンバーをキーとして、車両実績テーブル42の
「車両状況」フィールドを”貸出中”から”点検待ち”
に変更することも含まれる。
【0031】4. 車両引当 車両の貸出しに際して、データベース・システム10
は、ポート端末装置2に挿入されたICカードから読み
取られる会員情報をキーとして会員マスターテーブル3
1から、その会員の利用パターン情報を抽出し、その利
用パターンに含まれる一回の貸出し当たりの走行距離情
報をキーとして、車両実績テーブル42から「車両状
況」フィールドが”使用可能”であり、かつその走行距
離に見合う充電残量の残っている車両を検索し抽出す
る。この抽出された車両に対しては、前に述べた車両の
貸し出し処理が行われる。
【0032】車両引当の際のキー(これを「引当条件」
という。)となる会員の走行距離情報は、その会員の過
去一定期間の平均走行距離に余裕分を加算したものを使
うようデータベース・プログラムを設定してもよい。ま
た、逆利用または昼間利用の利用者に貸し出すときは、
その車両の返却後に同じ車両を正利用の会員に貸し出す
ことができるよう、正利用会員の平均帰宅距離に相当す
る走行距離を加算した走行距離をキーとして用いるよう
データベース・システムを設定することができる。さら
に、走行距離情報の他に例えば”貸し出し可能時間”の
ような条件を付加したものを引当条件としてもよい。
【0033】図7を参照すると、システムは、車両引当
要求(101)に応じてその会員の会員実績テーブル3
2を照会して「平均走行距離」フィールドの値を取り出
し(102)、この値に走行余裕分aを加えた値Dを算
出し(103)、Dをキーとして車両テーブルの「残走
行距離」フィールドを検索して検索キーより大きな値を
持つレコードの車両情報を抽出する(104)。
【0034】このような抽出条件に適合する車両が複数
あるときは、データベースは、所定の選択ロジックによ
りそのうちの1台を選択して(105)貸出車両とし
て、その情報をポート端末装置2に出力する(10
6)。この選択ロジックは、1)次回点検満了日が一番遠
い車両を優先する、2)抽出キーである走行距離に最も近
い走行距離に相当する充電残量の車両を優先する、3)総
走行距離の短い車両を優先する、4)搭載するバッテリの
新しい車両を優先する、などのいずれのロジックでもよ
く、またはこれらのロジックの複数を用い、ロジックの
間にさらに優先順位をつけることができる。たとえば、
車両の総走行距離を平準化することを最優先し、総走行
距離の短い順に車両を選択し、その中に同じ総走行距離
の車両が複数あるときは、点検予定への影響を優先して
次回点検日が一番遠い車両を選択するようにすることが
できる。このような設定は、データベース・システム1
0の設計段階で設定することができ、また必要に応じて
変更することができる。
【0035】図7の車両引当の処理について「会員」と
いう言葉を使用したが、この処理は一見利用者について
も同じように適用されることができる。一見利用者は
「会員」とは扱われないため、会員マスターテーブル3
1に予め利用パターン情報が格納されていない。従っ
て、車両引当は、一見利用者が利用申請を行う際に申請
書に記入した項目を引当条件として車両を抽出する。例
えば、引当条件には、希望車種、走行予定距離、行先な
どを含むことができる。引当条件に適した車両が複数存
在する場合の選択方法は上の選択ロジックを使用するこ
とができる。
【0036】5. 返却後の点検 返却された車両は、ポート端末装置2が設置された駐車
場1に待機する車両保守員によって返却後速やかに点検
される。保守員は、この発明のシステムにデータベース
・システムと通信するポータブルPCである保守員端末
装置26、27(図2)を携帯しており、このPCに車
両ナンバーを入力してメニュー画面から車両点検を選択
すると、データベース・システム10からこの車両の点
検データが送信された画面が表示される。このデータに
は返却時にICカードから読みとられた車両情報、たと
えば、水温異常も表示される。
【0037】保守員は、これらのデータを参照して点検
作業を行うとともに、車両が使用可能かどうか判断し、
さらに車両を目で観察して傷の有無を調べ、傷の種類お
よび場所を入力する。この入力データは、車両実績テー
ブル42に記録され、修理管理に使用される。また、利
用者の利用実績テーブルとの照合により、どの利用者が
つけた傷か特定することができるので、修理費の請求管
理に使用することができる。
【0038】保守員が、車両が使用可能と判断し、画面
から”点検済み”ボタンをマウスでクリックすると、車
両実績テーブル42の「車両状況」フィールドが”点検
待ち”から”使用可能”に変更される。
【0039】6. 点検待ち車両からの引当 図7のステップ104において引当条件を満足する車両
が無い場合の処理について、図8を参照しつつ説明す
る。前に述べた図7のステップ104の車両テーブル検
索により、検索条件に適合した車両が無い場合(60
4)には、ポート端末装置2(図2)の表示画面にその
旨、例えば「現在お貸しできる車両がありません」等の
メッセージが表示される(605)。利用者はこの表示
を確認した後、貸出し要求をキャンセルするか、あるい
は貸し出し予約をし順番待ちをするかを選択する。
【0040】順番待ち選択は、現在貸し出し中あるいは
点検中の車両が貸出し可能となった時点で貸し出すこと
を予約登録するものである。利用者が順番待ち選択を行
うと(606)、この利用者の順番が待ち行列に加えら
れる(607)。従って、複数の順番待ち利用者が存在
する場合は、より速く順番待ち選択を行った利用者に対
して優先的に車両引当の処理が実行される。また、いっ
たん順番待ちを選択した後であっても、利用者のキャン
セルにより順番待ちを解除することができるようにして
もよい。
【0041】次に、順番待ちとなっている利用者の車両
引当条件をキーとして、車両実績テーブル42において
点検待ちとして記録されている車両を検索する(60
8)。点検待ち車両は、上述した通り、車両実績テーブ
ル42の「車両状況」フィールドに”点検待ち”の情報
が格納されている車両を示す。この検索(608)によ
り、順番待ち利用者の引当条件を満足する点検待ち車両
が存在する場合には、その車両が優先点検車両として抽
出される(609)。抽出された車両が複数あるとき
は、図7のステップ105におけるような選択ロジック
によりそのうちの1台を選択して優先点検車両とする。
なお、ステップ608の検索において利用者の引当条件
を満足する車両が点検待ち車両にも存在しない場合に
は、その車両は貸出中であり、次の点検待ち車両が来る
まで順番待ちとなる。
【0042】次に、ステップ609で抽出された優先点
検車両、あるいは抽出された車両が複数ある場合には適
切なロジックにより選択された優先点検車両が、保守員
の端末装置の表示画面に表示される(610)。表示
は、点検待ち車両の一覧を時系列に表示することが好ま
しく、この場合には優先点検車両を一覧の一番上に表示
することができ、あるいは保守員がそれとわかるように
マーキングして表示することもできる。この一覧表示に
より、保守員はより効率良く車両点検を行うことができ
る。
【0043】このように、この点検待ちの車両を検索し
て利用者の引当条件を満足する車両を抽出して優先的に
点検することにより、利用者の車両貸出しに際しての待
ち時間を短縮することができ、かつ貸出し車両の運用効
率を良くすることができる。
【0044】点検が終了した後、順番待ちとなっている
利用者の車両引当条件と点検終了車両とが比較される
(611)。これは実際に点検が終了した車両と利用者
の引当条件を満足するかを確認するためである。点検終
了車両が利用者の引当条件を満足しない場合は、点検終
了車両は一般の貸出車両として待機することとなる(6
12)。点検終了車両と利用者の引当条件が一致した場
合には、その点検終了車両が引当車両とされ(61
3)、順番待ちをしている利用者の呼び出しが行われ
(614)、利用者に対して上述した貸出処理が行われ
る(615)。
【0045】なお、ステップ614における利用者呼び
出しから一定の時間が経過しても利用者が貸出処理手続
を実行しない場合は貸出処理は自動的にキャンセルさ
れ、その車両は他の利用者に引き当てられる。
【0046】順番待ちにある会員は、すでに車両が引き
当てられているか否かについて、自己の所有するICカ
ードをポート端末2に挿入することによって確認するこ
とができる。ICカードを端末に挿入すると図9に示す
情報を表示装置によって得ることができる。すでに車両
が引き当てられている場合は図9(a)に示すように引
き当てられた車両ナンバーを知ることができ、まだ引当
が完了していない場合は、図9(b)に示すように引当
が未了であることを知ることができる。 なお、会員が
この表示を利用して順番待ちキャンセルできるようにす
ることもできる。また、引当が未了であっても、点検待
ちの車両の中に引当条件を満足する車両が存在する場合
には、その旨の情報を表示し、さらに車両が貸出し可能
となるまでのおおよその時間を表示することもできる。
【0047】また、ステップ605の表示において会員
が順番待ちか貸し出し要求キャンセルするかを選択する
際に、ステップ608の検索を実行することにより、現
在引当条件を満足する点検待ちの車両が存在するかの情
報を表示することもでき、これにより会員は順番待ちを
選択するか否かの判断を容易に行うことができる。
【0048】一見利用者の場合は、テンポラリなICカ
ードを使用して、会員と同じく上のような照会を行うこ
とができる。
【0049】さらに、図10のような「車両案内画面」
を貸出返却ポート端末装置付近に常時表示することもで
きる。この画面の例では、15分間の時間帯ごとに返却
される予定の台数を「車両返却予定台数」の項に表示す
る。さらに「案内リスト」および「予約リスト」の2つ
のリストを設け、「案内リスト」においては利用者の利
用パターンなどの情報に対応して、利用者ID(上に述
べた識別コードに対応する)ごとに現在車両が貸出可能
か、あるいは貸出予約が取り消されたのかの区別を案内
時刻とともに表示している。この実施形態では、車両が
貸出可能になってからたとえば20分などの一定時間内
に貸出が実行されないと貸出予約が自動的にキャンセル
され、その車両が他の予約者に引き当てられる。一方、
「予約リスト」においては、貸出予約を行った利用者の
IDごとにその状況を示し、待ち時間をドットで表示し
ている。たとえば、1つの黒いドットは10分を表す。
予約リストの利用者の希望する車両が貸出可能になる
と、その利用者に関する情報は予約リストから案内リス
トへと切り替わる。
【0050】このような画面を常時、たとえばポート端
末が使用されていない時の初期画面(待機画面)として
表示し、あるいは待合室、駐車場に併設されるショッピ
ング・センター内、駅改札付近などに設置したモニター
上に表示することができる。これにより、利用者は随時
希望する車両が貸出可能であるか否かを容易に区別で
き、貸出可能でない場合の待ち時間を推定することがで
きる。
【0051】
【発明の効果】この発明によれば、利用者の車両貸出し
の引当条件を満足する貸出し可能な車両が無い場合にお
いて、点検待ちの複数の車両の中から引当条件を満足す
る車両を優先的に点検整備して引き当てることにより、
貸出し車両の運用効率を向上し、かつ利用者の貸出しの
際の待ち時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の概念を示す図。
【図2】この発明の実施例のシステム構成を示す図。
【図3】この発明の実施例のデータベース・システムの
構成を示す図。
【図4】この発明の実施例の事務用端末装置にメニュー
画面を示す図。
【図5】事務用端末装置に表示される車両情報一覧画面
を示す図。
【図6】車両の貸出し返却を管理するシステムのブロッ
ク図。
【図7】車両引き当ての流れを示すブロック図。
【図8】この発明の実施例の貸出し車両が無い場合のフ
ローを示す図。
【図9】この発明の実施例の貸出車両が無い場合のポー
ト端末装置の表示例を示す図。
【図10】車両案内画面を示す図。
【符号の説明】
1 駐車場 2 ポート端末装置 20 INSネットワーク 21、22 サーバ 23、24 事務用端末装置 26、27 保守員端末
装置 28 ルータ 40 車両管理サブシス
テム 41 車両マスターテーブル 42 車両実績テーブル 60 車両実績管理システム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 宇川 佳克 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端末装置を用いた自動手続きで車両の貸出
    しおよび返却を行う車両共用システムであって、 車両情報を格納する車両テーブルと、 利用者からの車両貸出しの要求に応じて前記車両テーブ
    ルから貸出し可能な車両を検索対象として該利用者の車
    両引当条件を満足する車両を検索し、この検索で該当車
    両が見つからないとき点検待ち車両を検索して該利用者
    の該車両引当条件を満足する車両を抽出する車両検索手
    段と、 を備える車両共用システム。
  2. 【請求項2】車両情報を格納する車両テーブルを有し、
    端末装置を用いた自動手続きで車両の貸出しおよび返却
    を行う車両共用システムにおける車両引当方法であっ
    て、 利用者からの車両貸出しの要求に応じて前記車両テーブ
    ルから貸出し可能な車両を検索対象として該利用者の車
    両引当条件を満足する車両を検索するステップと、 前記検索のステップによって該当車両が見つからないと
    き点検待ち車両を検索して該利用者の該車両引当条件を
    満足する車両を抽出するステップと、 を含む車両共用システムにおける車両引当方法。
JP6814098A 1998-03-18 1998-03-18 点検待ち車両からの車両引当手段を有する車両共用システムおよび車両引当方法 Withdrawn JPH11265410A (ja)

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